JP6797710B2 - 酸素貯蔵材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
セリウム、ジルコニウム及びチタンを含むセリア−ジルコニア−チタニア系複合酸化物であって、
前記セリウムと前記ジルコニウムとの複合酸化物に前記チタンの少なくとも一部が固溶しており、X線回折測定により得られるCuKαを用いたX線回折パターンから求められる(222)面に帰属する回折線のメインピークの強度(I222)に対する(111)面に帰属する回折線の超格子ピークの強度(I111)の比率(I111/I222)が以下の条件(1):
2≦{(I111/I222)×100}≦15 (1)
を満たす前記セリア−ジルコニア−チタニア系複合酸化物からなるものであることを特徴とするものである。
CexZryTizO2 (2)
(化学式(2)中、x、y及びzはそれぞれ、x=0.3〜0.7、y=0.2〜0.69、z=0.01〜0.3、x+y+z=1の条件を満たす数である。)
で表される組成を有するものであることが好ましい。
2≦{(I111/I222)×100}≦15 (1)
を満たすものである。
(i)(222)面に帰属する回折線のメインピークの強度(I222)に対する(111)面に帰属する回折線の超格子ピークの強度(I111)の比率(I111/I222)がチタンの固溶量の増加に伴って大きくなること、
(ii)格子定数がベガード則に従ってチタンの固溶量の増加に伴って小さくなること、
によって確認することができる。
CexZryTizO2 (2)
(化学式(2)中、x、y及びzはそれぞれ、x=0.3〜0.7(より好ましくは0.4〜0.6)、y=0.2〜0.69(より好ましくは0.3〜0.5)、z=0.01〜0.3(より好ましくは0.05〜0.25)、x+y+z=1の条件を満たす数である。)
で表される組成であることが好ましい。Ceの含有量が前記下限未満では十分なOSCが得られにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると単相として得ることができなくなる傾向にある。また、Zrの含有量が前記下限未満では単相ではあるが超格子ができなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると単相として得ることができなくなる傾向にある。さらに、Tiの含有量が前記下限未満ではチタンの添加によるOSCの向上が得られにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると単相として得ることができなくなる傾向にある。
0.02≦{Ti/(Ti+Zr)}≦0.5 (3)
を満たすことが好ましく、
0.05≦{Ti/(Ti+Zr)}≦0.4 (3)’
を満たすことがより好ましい。前記原子比が前記下限未満ではチタンの添加によるOSCの向上が得られにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると単相として得ることができなくなる傾向にある。
2≦{(I111/I222)×100}≦15 (1)
を満たしていることが必要である。前記強度比(I111/I222)が前記下限未満ではチタンの固溶により形成されたカチオン秩序構造によるOSCの向上が十分に得られず、他方、前記上限を超えるとOSCを測定するための温度域(400〜600℃)において分相してしまう。また、OSCの向上がより十分に得られるという観点から、前記強度比{(I111/I222)×100}が2.5以上であることがより好ましく、他方、OSCを測定するための温度域(400〜600℃)における分相がより十分に防止されるという観点から、前記強度比(I111/I222)が12.5以下であることがより好ましい。
(1)セリウム硝酸塩:Ce(NH4)2(NO3)6(純度99.5%、和光純薬工業社製)
(2)ジルコニウム硝酸塩:ZrO(NO3)2・2H2O(純度97%、和光純薬工業社製)
(3)チタン硝酸塩:TiO(NO3)2の7M水溶液{TiO[(CH3)2CHO]4(和光純薬工業社製)を加水分解し、蒸留水で3回洗浄して調製したTiO(OH)2を最少量のHNO3(濃度65%、和光純薬工業社製)に溶解して調製した。}
(4)親水性有機化合物:グリシン(C2H5NO2)(純度99%、和光純薬工業社製)。
ターゲット組成をCe0.5Zr0.45Ti0.05O2として以下のようにして溶液燃焼合成法により前記組成を有するセリア−ジルコニア−チタニア複合酸化物を得た。
ターゲット組成をCe0.5Zr0.4Ti0.1O2とし、各試薬の量を表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして前記組成を有するセリア−ジルコニア−チタニア複合酸化物の粉末を得た。
ターゲット組成をCe0.5Zr0.3Ti0.2O2とし、各試薬の量を表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして前記組成を有するセリア−ジルコニア−チタニア複合酸化物の粉末を得た。
ターゲット組成をCe0.5Zr0.5O2とし、各試薬の量を表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして前記組成を有するセリア−ジルコニア複合酸化物の粉末を得た。
ターゲット組成をCe0.5Zr0.5O2として以下のようにして逆共沈法により前記組成を有するセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
ターゲット組成をCe0.5Zr0.4Ti0.1O2として以下のようにして逆共沈法により前記組成を有するセリア−ジルコニア−チタニア複合酸化物を得た。
実施例及び比較例で得られた複合酸化物の結晶相をX線回折法により測定した。なお、X線回折装置として理学電機社製の商品名「RINT−Ultima」を用いて、CuKα線を用い、40KV、40mA、2θ=5°/minの条件でX線回折パターンを測定した。
実施例及び比較例で得られた複合酸化物について、全自動比表面積測定装置(マイクロデータ社製、マイクロソープ MODEL−4232)を用いてBET1点法により比表面積(SSA)を測定した。得られた結果を表3に示す。
実施例及び比較例で得られた複合酸化物について以下のようにして酸素吸放出量を測定した。すなわち、測定装置として熱重量測定装置「TGA‐50」(島津製作所社製)を用い、実施例及び比較例で得られた複合酸化物0.030gに対して600℃の条件下においてリーンガス(O2(10容量%)+N2(残量))とリッチガス(H2(10容量%)+N2(残量))とを5分毎に交互に切り替えて流し、複合酸化物の質量上昇値の3回平均から酸素吸放出量を求めた。さらに、複合酸化物に含有されるセリウム量に基づくOSCの理論値に対するOSCの実測値の割合からCe利用効率(%)を算出した。得られた結果を表4及び図5に示す。
図1及び表2に示した結果から明らかなように、本発明の製造方法により得られた実施例1〜3で得られた本発明のセリア−ジルコニア−チタニア複合酸化物においては、カチオン秩序構造が形成されていることを示す(111)面に帰属する回折線の超格子ピークが確認され、(222)面に帰属する回折線のメインピークの強度(I222)に対する超格子ピークの強度(I111)の比率(I111/I222)が2〜15の範囲内であることが確認された。
Claims (4)
- セリウム、ジルコニウム及びチタンを含むセリア−ジルコニア−チタニア系複合酸化物であって、
前記セリウムと前記ジルコニウムとの複合酸化物に前記チタンの少なくとも一部が固溶しており、X線回折測定により得られるCuKαを用いたX線回折パターンから求められる(222)面に帰属する回折線のメインピークの強度(I222)に対する(111)面に帰属する回折線の超格子ピークの強度(I111)の比率(I111/I222)が以下の条件(1):
2≦{(I111/I222)×100}≦15 (1)
を満たす前記セリア−ジルコニア−チタニア系複合酸化物からなるものであることを特徴とする酸素貯蔵材料。 - 前記セリア−ジルコニア−チタニア系複合酸化物が以下の化学式(2):
CexZryTizO2 (2)
(化学式(2)中、x、y及びzはそれぞれ、x=0.3〜0.7、y=0.2〜0.69、z=0.01〜0.3、x+y+z=1の条件を満たす数である。)
で表される組成を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の酸素貯蔵材料。 - 前記セリア−ジルコニア−チタニア系複合酸化物の平均結晶子径が10〜100nmであり、比表面積が1〜50m2/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素貯蔵材料。
- セリウム硝酸塩とジルコニウム硝酸塩とチタン硝酸塩と親水性有機化合物とを溶媒中で混合し、得られた混合物を熱処理することにより、溶液燃焼合成によって請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の前記セリア−ジルコニア−チタニア系複合酸化物からなる酸素貯蔵材料を得ることを特徴とする酸素貯蔵材料の製造方法。
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