JP6797513B2 - 電子ビーム方式の3dプリンタ用表面処理金属粉およびその製造方法 - Google Patents

電子ビーム方式の3dプリンタ用表面処理金属粉およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子ビーム方式の3Dプリンタ用表面処理金属粉およびその製造方法に関する。
粉末状の金属材料の集合体を加熱して溶解、凝固する、いわゆる焼結により金属製の成形物を得る方法は、粉末冶金の一種であり、各種機械部品の製造に広く利用されている。このような粉体粉末冶金が、いわゆる3Dプリンタの発展とともに特に注目されるようになってきた。3Dプリンタは、積層造形(Additive Manufacturing:AM)とも呼ばれており、金属製の三次元形状造形物を製造する方法としては、EB、あるいはレーザーを用いた積層法が良く知られている。これは、焼結用テーブル上に金属粉末層を形成して、この粉末層の所定部にビームを照射して焼結し、その後、上記粉末層の上に新たな粉末層を形成して、その所定部にビームを照射して焼結することで、下層の焼結部と一体となった焼結部を形成する。これを繰り返すことで、粉末から一層ずつ積層的に三次元形状を造形するものであり、従来の加工方法では困難、あるいは不可能であった複雑な形状を造形することが可能である。これらの手法によって、CAD等の形状データから所望の3次元立体モデルを直接、金属材料に成形することが可能である(非特許文献1)。
このようにして粉末状金属材料の焼結によって製造された3次元立体モデルにあっては、これを直接、あるいは表面の研削や研磨などによって二次加工した後に、機械等に組み込む部品として使用することが進められている。3Dプリンタの分野において、先行して実用化が進められている樹脂製の製品と比較して、金属製部品の作製は技術的に困難ではあるが、強度が高く、高温での使用に耐えうるなど、樹脂では得られない特徴がある。
『特集2 − 3Dプリンタ|魅せた!編|「設計・製造ソリューション展」レポート 樹脂、紙、金属など、造形材料が多様化』〔日経BP社発行「日経ものづくり8月号」(発行日:2013年8月1日)第64〜68頁〕
金属製部品の成形に用いられるEBとレーザービームを比較した場合、前者はより精密な成形が可能であるという特徴がある。従って、3Dプリンタで、寸法精度の高い部品を作製しようとする場合には、EBの使用が適当である。
EBによる成形では、ビームが所定の位置に正確に照射されるよう、堆積した状態で金属粉に導電性があることが求められる。従って、堆積した状態で導電性がない金属粉を原料として使用する場合には、電子ビームを照射する前に、堆積した金属粉を仮焼結して導電性を確保する必要がある。また、導電性に問題の無い金属粉であっても、完成後の成形形状を保持するため、成形品の熱歪を除去する目的で予備加熱が必要である。一般に、仮焼結よりも予備加熱の方が低温であるが、予備加熱であっても金属粉の焼結が部分的に進むため、曲線状の中空パイプ構造、例えば中空のらせん形状や、中空部分が端末で閉じた形状など、中空部分を持つ複雑な形状の部品を成形する場合には、部品成形後のブラストショット処理によっても内部に残留する部分焼結した金属粉の除去が不可能であり、従来は製造することができなかった。もし、仮焼結する必要がなく、予備加熱によって部分焼結することがなく、堆積した金属粉の状態へ直接にEBを照射して焼結可能な金属粉があれば、このような問題を回避して、中空部分を有する等の複雑な形状の金属成形品を、高い寸法精度で容易に成形することができる。
したがって、このような点に鑑みて、本発明の目的は、仮焼結する必要がなく、予備加熱によって部分焼結することがなく、堆積した金属粉の状態へ直接にEBを照射して焼結可能な金属粉を提供することにある。
本発明者は鋭意研究を進めた結果、後述する表面処理を金属粉に施すことによって、堆積した状態で導電性を有するため、仮焼結する必要がなく、予備加熱によって部分焼結することがなく、堆積した状態で導電性を有することでEB照射による焼結に適した金属粉を得られることを見出して、本発明に到達した。
従って、本発明は次の(1)以下にある。
(1)
金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上で検出され、
表面処理金属粉を真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気下で600℃で10分間加熱した場合に焼結が生じない、EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
(2)
金属粉が、Alを0〜10質量%、Vを0〜5質量%、Feを0〜1質量%含有し、残部はTiおよび不可避的不純物よりなるTi合金の金属粉であり、
金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上で検出され、
表面処理金属粉を真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気で600℃で10分加熱した場合に焼結が生じない、(1)に記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
(3)
金属粉が、Niを45〜65質量%、Crを15〜30質量%、Moを0〜10質量%、Nbを0〜6質量%、Feを0〜5質量%、Tiを0〜2質量%、Alを0〜1質量%、Co、Mn、Cu、及びSiの群から選択された一種以上を合計で0〜2質量%含有し、残部は不可避的不純物からなるNi合金の金属粉であり、
金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上で検出され、
表面処理金属粉を真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気で600℃で10分加熱した場合に焼結が生じない、(1)に記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
(4)
金属粉が、Crを15〜20質量%、Niを2〜15質量%、Moを0〜5質量%、Cuを0〜5質量%、Mnを0〜2質量%、Siを0〜1質量%、Co、C、P、及びSの群から選択された一種以上を合計で0〜1質量%含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系、及び析出硬化系のいずれかに属するステンレス鋼の金属粉であり、
金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上で検出され、
表面処理金属粉が真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気で600℃で10分加熱した場合に焼結が生じない、(1)に記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
(5)
(1)〜(4)のいずれかに記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉がEB焼結されてなる、EB焼結型3Dプリンタ造形品。
(11)
(1)〜(4)のいずれかに記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉に対して、EB照射して、EB焼結する工程、
を含む、EB焼結型3Dプリンタ造形品の製造方法。
(12)
(1)〜(4)のいずれかに記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉を、予備加熱する工程、
予備加熱されたEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉に対して、EB照射して、EB焼結する工程、
を含む、EB焼結型3Dプリンタ造形品の製造方法。
(13)
EB焼結する工程が、
EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉に対して、真空中でEB照射して、EB焼結する工程である、(11)〜(12)のいずれかに記載の方法。
(14)
予備加熱する工程が、
EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉を、真空中で予備加熱する工程である、(12)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)
真空が、真空度10-1Pa〜10-3Paの真空である、(13)〜(14)のいずれかに記載の方法。
本発明によるEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉は、堆積した状態で導電性があるため、安定して電子ビームを照射することが可能で、仮焼結の必要がなく、予備加熱によって焼結が進まないため、EBによって、従来は不可能であった、中空部分を持つといった複雑な形状の部品(成形品)が、3DプリンタのEB焼結によって製造可能となる。
[EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉]
本発明のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉は、EB焼結型3Dプリンタにおける金属粉末原料として適した表面処理がなされた金属粉であり、
金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上で検出され、
表面処理金属粉を真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気下で600℃で10分間加熱した場合に焼結が生じない、という特性を備える。
[Ti合金の金属粉]
表面処理される金属粉は、好ましい実施の態様において、Alを0〜10質量%、Vを0〜5質量%、Feを0〜1質量%含有し、残部はTiおよび不可避的に混入する不純物よりなるTiおよびTi合金の金属粉とすることができる。
3Dプリンタでは、一般の金属材料の加工方法である切削、鍛造、打ち抜き加工などによって造形が困難なものを製造可能なことが特徴であり、これらの加工が困難な金属粉全てに適用可能なものである。
Tiは、JIS1種、2種などの純チタンと呼ばれるものは比較的加工しやすいものの、合金を含めて、金属材料の中では加工性が悪い。
Alは、Ti合金ではα相を強化する元素として用いられる添加元素であるが、添加量が多いと熱間加工性を低下させる場合があり、上限を10質量%とした。
Vは、Ti合金でβ相を安定化させる添加元素として使用されるが、一定濃度以上添加しても効果が変わらないため、上限を5質量%とした。
Feは安価な金属であり、合金特性に悪影響がなければ積極的に添加しても良いが、合金の耐食性に悪影響を与える場合があり、上限を1.0質量%とした。
[Ni合金の金属粉]
表面処理される金属粉は、好ましい実施の態様において、Niを45〜65質量%、Crを15〜30質量%、Feを0〜20質量%、Moを0〜10質量%、Nbを0〜6質量%、Tiを0〜2質量%、Alを0〜1質量%、Co、Mn、Cu、及びSiの群から選択された一種以上を合計で0〜2質量%含有し、残部は不可避的に混入する不純物からなるNi合金の金属粉とすることができる。
Niは、高耐食性、高温での強度などが求められる合金の主成分として使用され、これらの必要な特性が得られる組成量から、45質量%以上、65質量%以下とした。
CrとMoは高耐食性が求められる合金の成分として使用されており、積極的に添加して良いが、特性向上への効果から、上限をそれぞれ、30質量%以下、5質量%以下とした。
Feは安価な金属であり、特性や製造性を損なわない範囲で添加して良いが、耐食性を低下させないように、上限を20質量%とした。
Nb、Ti、Alは、析出強化による高強度化を目的に添加され、十分に効果が得られる濃度を上限として、それぞれ6質量%以下、2質量%以下、1質量%以下とした。
[ステンレス鋼の金属粉]
表面処理される金属粉は、好ましい実施の態様において、Crを15〜20質量%、Niを2〜15質量%、Moを0〜5質量%、Cuを0〜5質量%、Mnを0〜2質量%、Siを0〜1質量%、Co、C、P、及びSの群から選択された一種以上を合計で0〜1質量%含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系、及び析出硬化系のいずれかに属するステンレス鋼の金属粉とすることができる。
[マルエージング鋼]
表面処理される金属粉は、好ましい実施の態様において、Niを17〜26質量%、Coを7〜13質量%、Moを3.0〜5.5質量%、Tiを0.15〜2.0質量%、Alを0.05〜0.30質量%、Siを0.12質量%以下、Mnを0.12質量%以下、Cを0.03質量%以下、残部はFe及び不可避的不純物からなるマルエージング鋼の金属粉とすることができる。
[表面処理される金属粉]
表面処理される金属粉は、公知の方法によって製造された金属粉を使用することができる。粒径数μm以上のサイズであれば、工業的には製造コストに優れるアトマイズ法に代表される乾式法によって製造された金属粉を使用することが一般的ではあるが、還元法などの湿式法によって製造された金属粉を使用することも可能である。
[金属粉の粒径D50(メジアン径)]
表面処理される金属粉の粒径D50(メジアン径)は、例えば10μm以上、20μm以上とすることができ、例えば300μm以下、250μm以下とすることができる。好適な実施の態様において、粒径D50(メジアン径)は、例えば10μm〜300μm、15〜250μm、20〜200μm、50μm〜100μmとすることができる。
[金属粉の表面処理]
表面処理の方法は、金属粉をAl、Si、Ti、Zr、Ce、およびSnからなる群から選択された元素を含む表面処理試薬と混合した後に分離して、表面処理試薬処理された金属粉を得る工程を行って得ることができる。好適な実施の形態において、表面処理試薬は、アルカリ性の溶液を使用することができる。好適な実施の態様において、表面処理試薬の溶液がアルカリ性でない場合、アルカリ性溶液によって活性処理した後に、金属粉を表面処理試薬の溶液と混合することができる。
好適な実施の態様において、さらに、表面処理試薬処理された金属粉を水性溶媒によって付着成分の一部を除去する工程を行うことができ、また、洗浄された金属粉を乾燥して、表面処理された金属粉を得る工程を行うことができる。
金属粉を表面処理試薬の溶液と混合する場合において、後述するように、単位重量当たりの金属粉に対して、表面処理試薬を後述する特定の重量範囲で含むようにすることが重要である。表面処理試薬が特定の重量範囲の下限未満の場合は、金属粉の表面処理効果が不十分である。また、表面処理試薬が特定の重量を超えた場合は、表面処理による効果は変わらず、試薬の溶液コストの増大など、工業的に不利になるため、特定の重量範囲の上限以下であることが好ましい。
[アルカリ処理]
好適な実施の態様において、金属粉は、表面処理試薬の溶液がアルカリ性ではない場合には、表面処理試薬処理に先立って、アルカリ処理することが可能である。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウムなどの水溶液を挙げることができる。アルカリ処理では、金属粉を公知の方法によって混合し、所望により攪拌し、分離することによって行われ、所望により純水によって洗浄しても良い。
[表面処理試薬]
表面処理試薬は、Al、Si、Ti、Zr、Ce、およびSnからなる群から選択された元素、好ましくはAl、Si又はTiを含む。好適な表面処理試薬として、例えば上記金属元素を有するカップリング剤を挙げることができる。例えば、シラン、チタネート又はアルミネートを挙げることができる。これらの溶液がアルカリ性を示すものとして、例えば、アミノ基を有するカップリング剤を挙げることができる。溶液が中性または酸性を示すものとして、例えばエポキシ基を有するカップリング剤を挙げることができる。例えば、アミノ基を有しないカップリング剤を挙げることができる。非アミノ基含有カップリング剤として、例えば、エポキシシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン等を挙げることができる。
[アミノ基を有するカップリング剤]
アミノ基を有するカップリング剤としては、例えば、アミノシラン、ウレイドシラン、アミノ含有チタネート、アミノ含有アルミネートからなる群から選択された1種以上のカップリング剤を使用することができる。アミノ基を有するカップリング剤は、例えば、中心原子であるAl、Ti、又はSiに配位する分子鎖の末端にアミノ基を有する構造のものを使用することができる。
[アミノシラン]
好適な実施の態様において、アミノ基を有するカップリング剤として、次の式I:
2N−R1−Si(OR22(R3) (式I)
(ただし、上記式Iにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。)
で表されるアミノシランを使用することができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、さらに好ましくは、R1は、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の複素環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の芳香族炭化水素の二価基、からなる群から選択された基とすることができる。好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、C1〜C12の、飽和又は不飽和の鎖状炭化水素の二価基であり、さらに好ましくは、鎖状構造の両末端の原子が遊離原子価を有する二価基である。好ましい実施の態様において、二価基の炭素数は、例えばC1〜C12、好ましくはC1〜C8、好ましくはC1〜C6、好ましくはC1〜C3とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR1は、−(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−NH−(CH2m−、−(CH2n−NH−(CH2m−NH−(CH2j−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−NH−(CH2j−、−CO−NH−(CH2n−、−CO−NH−(CH2n−NH−(CH2m−からなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。(ただし、上記(CC)は、CとCの三重結合を表す。)好ましい実施の態様において、R1は、−(CH2n−、又は−(CH2n−NH−(CH2m−とすることができる。(ただし、上記(CC)は、CとCの三重結合を表す。)好ましい実施の態様において、上記の二価基であるR1の水素は、アミノ基で置換されていてもよく、例えば1〜3個の水素、例えば1〜2個の水素、例えば1個の水素が、アミノ基によって置換されていてもよい。
好ましい実施の態様において、上記式Iのn、m、jは、それぞれ独立に、1以上12以下の整数、好ましくは1以上6以下の整数、さらに好ましくは1以上4以下の整数とすることができ、例えば、1、2、3、4から選択された整数とすることができ、例えば、1、2又は3とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR2は、C1〜C5のアルキル基、好ましくはC1〜C3のアルキル基、さらに好ましくはC1〜C2のアルキル基とすることができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はプロピル基とすることでき、好ましくは、メチル基又はエチル基とすることができる。
好ましい実施の態様において、上記式IのR3は、アルキル基として、C1〜C5のアルキル基、好ましくはC1〜C3のアルキル基、さらに好ましくはC1〜C2のアルキル基とすることができ、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はプロピル基とすることでき、好ましくは、メチル基又はエチル基とすることができる。また、上記式IのR3は、アルコキシ基として、C1〜C5のアルコキシ基、好ましくはC1〜C3のアルコキシ基、さらに好ましくはC1〜C2のアルコキシ基とすることができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、又はプロポキシ基とすることでき、好ましくは、メトキシ基又はエトキシ基とすることができる。
[アミノ含有チタネート]
好適な実施の態様において、アミノ基を有するカップリング剤として、次の式II:
(H2N−R1−O)pTi(OR2q (式II)
(ただし、上記式IIにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートを使用することができる。
好適な実施の態様において、上記式IIのR1としては、上記式IのR1として挙げた基を好適に使用することができる。上記式IIのR1として、例えば、−(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−NH−(CH2m−、−(CH2n−NH−(CH2m−NH−(CH2j−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−、−(CH2n-1−(CH)NH2−(CH2m-1−NH−(CH2j−、−CO−NH−(CH2n−、−CO−NH−(CH2n−NH−(CH2m−からなる群から選択された基(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。特に好適なR1として、−(CH2n−NH−(CH2m−(ただし、n+m=4、特に好ましくはn=m=2)を挙げることができる。
上記式IIのR2としては、上記式IのR2として挙げた基を好適に使用することができる。好適な実施の態様において、C3のアルキル基を挙げることができ、特に好ましくは、プロピル基、及びイソプロピル基を挙げることができる。
上記式IIのp及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4であり、好ましくはp=q=2の組み合わせ、p=3、q=1の組み合わせを挙げることができる。このように官能基が配置されたアミノ基含有チタネートとして、プレインアクト KR44(味の素ファインテクノ社製)を挙げることができる。
[エポキシ基を有するカップリング剤]
エポキシ基を有するカップリング剤としては、例えば、例えば、中心原子であるAl、Ti、又はSiに配位する分子鎖の末端にエポキシ基を有する構造のものを使用することができる。
好適な実施の態様において、エポキシ基を有するカップリング剤として、次の式III:
2COCH−R4−Si(OR22(R3) (式III)
(ただし、上記式Iにおいて、
R4は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。)
で表されるエポキシシランを使用することができる。
上記の基H2COCH−は、エポキシ基を表す。
好適な実施の態様において、式IIIのR4として、例えば、−(CH2n−、−(CH2n−(CH)m−(CH2j-1−、−(CH2n−(CC)−(CH2n-1−、−(CH2n−O−(CH2m−、−(CH2n−O−(CH2m−O−(CH2j−からなる群から選択された基(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)とすることができる。特に好適なR4として、−(CH2n−O−(CH2m−(ただし、n+m=4、特に好ましくはn=1、m=3)を挙げることができる。
好適な実施の態様において、式IIIのR2、R3は、式IのR2、R3として上述した基から、選択することができる。
[非アミノ含有チタネート]
好適な実施の態様において、アミノ基を有しないカップリング剤として、次の式IV:
(R5−O)pTi(OR2q (式IV)
(ただし、上記式IVにおいて、
R5は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、C2〜C20の脂肪酸のアシル基であり、
R2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートを使用することができる。
好適な実施の態様において、式IVのR2は、式IのR2として上述した基から、選択することができる。
好適な実施の態様において、R5は、C2〜C20、好ましくはC10〜C20、好ましくはC16〜C18の脂肪酸のアシル基とすることができる。例えば、クロトン酸、ア
クリル酸、メタクリル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エレオステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、エライジン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ステアリドン酸からなる群から選択された脂肪酸のアシル基とすることができる。
上記式IVのp及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4であり、好ましくはp=q=2の組み合わせ、p=3、q=1の組み合わせを挙げることができる。このように官能基が配置された非アミノ基含有チタネートとして、プレインアクト KR44TTS(味の素ファインテクノ社製)を挙げることができる。
[表面処理試薬の溶液との混合]
金属粉を表面処理試薬の溶液と混合する場合において、例えば、金属粉1gに対して、表面処理試薬を例えば、0.005〜0.500g、0.010〜0.100g、0.025〜0.050gの範囲の量を含むものとすることができる。公知の方法によって、混合し、撹拌することができる。例えば、常温で行うことができ、例えば、5〜80℃、10〜40℃の範囲の温度で行うことができる。
[表面処理によって吸着される元素]
表面処理された金属粉は、金属粉の表面にAl、Si、Ti、Zr、Ce、およびSnからなる群から選択された1種以上の元素が、表面処理によって吸着される元素は、好ましくはAl、Si、及びTiからなる群から選択された1種の元素、更に好ましくはSi又はTiとすることができる。
[Nの付着]
好適な実施の態様において、アミノ基を有するカップリング剤によって金属粉を表面処理することができ、この場合に表面処理された金属粉は、カップリング剤のアミノ基に由来する窒素がその表面に含まれている。
[XPSのmultiplex測定]
金属粉へ上記の表面処理を行って得られた、EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉は、その表面をXPSのmultiplex測定によって測定すると、Nの光電子が、例えば100cps(count per second)以上、110cps以上で検出され、例えば300cps以下、250cps以下で検出される。XPSのmultiplex測定は、実施例において後述する条件によって、行うことができる。
[導電性]
金属粉へ上記の表面処理を行って得られた、EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉は、これを粉体のまま積層して、仮焼結を行っていない場合においても、優れた導電性(EB焼結前導電性)を備えている。この導電性によって、表面処理金属粉の積層体は、EBによって好適に焼結することができる。本願において、導電性を有するとは、実施例において後述する金属粉の導電性の試験において、導電性良好と判定されることをいう。
[予備加熱耐性]
金属粉へ上記の表面処理を行って得られた、EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉は、これを積層して予備加熱した場合において、部分焼結が生じることがなく、すなわち優れた予備加熱耐性を備えている。この予備加熱は、真空度を、例えば10-3Pa以上、10-2Pa以上、10-1Pa以下の雰囲気で、温度を、例えば400℃〜700℃、450℃〜680℃、500℃〜650℃の範囲で、時間を、例えば1分〜20分間、3分〜15分間の条件で、行うことができる。本願において、予備加熱耐性を備えているとは、実施例において後述する加熱焼結試験において未焼結と判定されることをいう。
[3Dプリンタ造形品の製造]
EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉を積層した後に、所望により予備加熱を行って、その後EB(電子ビーム)照射によって焼結して、中空部分を有する、あるいは中空部分と閉じた部分が混在する等の複雑な形状の金属成形品を、高い寸法精度で成形することができる。したがって、EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉を使用して、EB焼結型3Dプリンタ造形品を製造する方法、及び製造されたEB焼結型3Dプリンタ造形品も、本発明の範囲内である。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明は、以下の具体的な実施の様態に限定されるものではない。
[金属粉]
金属粉として、いずれもアトマイズ法で作製した、銅粉、インコネル718、インコネル625、Ti−Al系合金、SUS316Lにつき、粒径D50(メジアン径)が60〜90μmのものを用いた。これらの金属粉の主な組成の分析結果を、以下の表1に示す。
[カップリング剤水溶液の調整]
次の各種のカップリング剤を使用したカップリング剤水溶液をそれぞれ500mL調整した。
シラン:
ジアミノシランA−1120(MOMENTIVE製)
エポキシシランZ−6040(東レダウコーニング社製)
チタネート:
アミノ基含有 プレインアクト KR44(味の素ファインテクノ社製)
アミノ基非含有 プレインアクト KR44TTS(味の素ファインテクノ社製)
濃度は5vol%で調整した。また、アミノ系カップリング剤以外は希硫酸でpHを4に調整した。
[表面処理]
金属粉の表面処理手順は、以下のとおり。
(1)金属粉を0.1〜0.5%の塩酸を加えた希硫酸(10%)中で超音波(株式会社テックジャム製、型番W−113、出力100W、周波数100kHz)をかけて60秒間攪拌し、静置して上澄み液を廃棄した後、純水を加える。
(2)上澄み液のpHが4以上になるまで、上澄み液の廃棄と純水添加を繰り返す。
(3)金属粉重量100gに対し、表2に記載の各重量比となる重量のカップリング剤を含有したカップリング剤水溶液200mLを加える。
(4)液を攪拌しながら超音波(株式会社テックジャム製、型番W−113、出力100W、周波数100kHz)をかけて60分間混合。
(5)カップリング剤水溶液をアスピレーターで吸引濾過した後、金属粉上に純水を加えて、更に濾過を実施。濾過は、乾燥金属粉の1.4倍純水を加えて濾過して得られた液をICP分析した場合に、カップリング剤に由来するAl、Si、Ti、Zr、Ce、およびSnの元素が50ppm以下の濃度となるまで実施した。
(6)濾過により得られた残渣(金属粉)は、窒素雰囲気下、70℃で1時間乾燥して、表面処理金属粉を得た。
[XPS multiplex測定]
表面処理金属粉の表面に付着したNを次の条件で分析した。
表面N: 直径0.5mmの円筒状の容器に金属粉0.5gを充填して、底面が隙間なく覆われるように敷きつめた。円筒容器に敷きつめられた金属粉の上面をXPS multiplex測定。(金属粉体の上半分の表面に付着したNの半定量分析)
装置: アルバックファイ社製5600MC
到達真空度: 5.7×10-9Torr
励起源: 単色化Al Kα
出力: 210W
検出面積: 800μmφ
入射角、取出角: 45°
対象元素: C、N、Oの3種の元素
[加熱焼結試験]
表面処理金属粉の加熱焼結試験の手順は、以下のとおり。
(1)金属粉を線径88μm、目開き125μmの篩にかける。
(2)直径100mm、高さ50mmの円筒形の容器に、高さ20mmとなるまで、(1)で篩を通った金属粉を充填する。
(3)金属粉を充填した容器を焼成炉に入れ、真空度を10-1Pa〜10-3Paとする。
(4)炉内の温度を室温から600℃まで30分で昇温し、600℃になったら10分間保持した後に焼成炉の電源を切って炉冷する。
(5)炉内が100℃以下になったところで容器を取り出す
(6)容器から金属粉を取り出して重量(=M total)を測定し、線径88μm、目開き125μmの篩にかけて、篩上に残った金属粉の重量(=M on)を測定する。
(7)重量比率:M on/M totalより、重量比率が0.01以下の場合、未焼結と判定した。
[金属粉の導電性]
表面処理金属粉を堆積した場合の導電性は、SEM(走査型電子顕微鏡)により、以下の手順で確認した。
(1)サンプル観察用ステージ上に導電性両面テープを張り付ける。
(2)高さ5mm、直径10mm、厚さ0.1mmの銅製パイプを(1)の両面テープ上に貼り付けて固定する。
(3)銅製パイプの中に、パイプの高さまで金属粉を入れて堆積させる。
(4)SEMの観察条件を 20kVとし、倍率500倍で、パイプの中心付近の金属粉を観察する。この時、金属粉がチャージアップして動いた場合は導電性不良(NG)(表において×)、また、金属粉が動くことなく、問題なく観察できた場合は導電性良好(OK)(表において○)と判定した。
[結果]
以上の試験の結果をまとめて次の表2に示す。
本発明によれば、堆積した状態で導電性を備えて、安定して電子ビームを照射することが可能で、仮焼結の必要がなく、予備加熱によって焼結が進まない、EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉が得られる。本発明は、産業上有用な発明である。

Claims (10)

  1. 金属粉が、Ti合金(ただし純Tiである場合を含む)の金属粉、Ni合金の金属粉、又はステンレス鋼の金属粉であり、
    金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
    上記金属粉がアミノ基を有するカップリング剤で表面処理された、表面処理金属粉であって、
    表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上、230cps以下で検出され、
    表面処理金属粉を真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気下で600℃で10分間加熱する加熱焼結試験において未焼結と判定される、EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
  2. 金属粉が、Alを0〜10質量%、Vを0〜5質量%、Feを0〜1質量%含有し、残部はTiおよび不可避的不純物よりなるTi合金(ただし純Tiである場合を含む)の金属粉であり、
    金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
    表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上、230cps以下で検出され、
    表面処理金属粉を真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気で600℃で10分加熱する加熱焼結試験において未焼結と判定される、請求項1に記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
  3. 金属粉が、Niを45〜65質量%、Crを15〜30質量%、Moを0〜10質量%、Nbを0〜6質量%、Feを0〜20質量%、Tiを0〜2質量%、Alを0〜1質量%、Co、Mn、Cu、及びSiの群から選択された一種以上を合計で0〜2質量%含有し、残部は不可避的不純物からなるNi合金の金属粉であり、
    金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
    表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上、230cps以下で検出され、
    表面処理金属粉を真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気で600℃で10分加熱する加熱焼結試験において未焼結と判定される、請求項1に記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
  4. 金属粉が、Crを15〜20質量%、Niを2〜15質量%、Moを0〜5質量%、Cuを0〜5質量%、Mnを0〜2質量%、Siを0〜1質量%、Co、C、P、及びSの群から選択された一種以上を合計で0〜1質量%含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系、及び析出硬化系のいずれかに属するステンレス鋼の金属粉であり、
    金属粉の粒径D50(メジアン径)が10μm以上であり、
    表面処理金属粉に対するXPSのmultiplex測定によって、Nの光電子が100cps(count per second)以上、230cps以下で検出され、
    表面処理金属粉が真空度10-1Pa〜10-3Paの雰囲気で600℃で10分加熱する加熱焼結試験において未焼結と判定される、請求項1に記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉がEB焼結されてなる、EB焼結型3Dプリンタ造形品。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉に対して、EB照射して、EB焼結する工程、
    を含む、EB焼結型3Dプリンタ造形品の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉を、予備加熱する工程、
    予備加熱されたEB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉に対して、EB照射して、EB焼結する工程、
    を含む、EB焼結型3Dプリンタ造形品の製造方法。
  8. EB焼結する工程が、
    EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉に対して、真空中でEB照射して、EB焼結する工程である、請求項6〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 予備加熱する工程が、
    EB焼結型3Dプリンタ用表面処理金属粉を、真空中で予備加熱する工程である、請求項7〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 真空が、真空度10-1Pa〜10-3Paの真空である、請求項8〜9のいずれかに記載の方法。
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