JP6796756B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に搭載される固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサは、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性が優れているため、様々な電子機器に搭載されている。特許文献1に記載されているように、固体電解コンデンサは、通常、陽極部および陰極部を備えるコンデンサ素子と、陽極部と電気的に接続する板状の陽極端子と、陰極部と電気的に接続する板状の陰極端子と、陽極端子の一部および陰極端子の一部が外部へ露出するようにコンデンサ素子を被覆する外装体とを有する。陽極端子および陰極端子の露出部において、固体電解コンデンサは、自身が搭載される基板と接続する。陽極部は、陽極体と、陽極体から延出する陽極リードとを有する。陽極体は、例えば、弁作用金属粒子を立方形に加圧成形して得られる多孔質焼結体である。陽極リードは、陽極体の一面のほぼ中央から植立している。そのため、陽極リードと平板状の陽極端子とは、通常、接続部材を介して接続している。
近年、電子機器の小型化および低背化に伴って、電子機器内部の基板に実装される固体電解コンデンサにも小型化が求められている。固体電解コンデンサの小型化に伴い、陽極リードと陽極端子の間の距離が狭くなるため、接続部材を小さくする必要がある。接続部材が小さくなると、陽極端子に対する位置決めや、陽極端子との接続が困難になるため、生産性が低下する。陽極端子と接続部材とを、高い精度で一体的に形成することも困難である。そのため、陽極リードと接続部材との接続信頼性が低下する場合がある。
そこで、固体電解コンデンサにおいては、小型化と生産性を両立させるための更なる改善が求められている。
特開2012−043958号公報
本発明の第一の局面は、コンデンサ素子に接続する陽極端子が、第1主面およびその反対側の第2主面を備えるとともに、外装体から前記第1主面を露出させる中央部と、前記中央部の両側から陽極リードの延出方向に対して非平行な方向に延在する第1延出部および第2延出部と、を有し、前記第1延出部は、前記中央部側とは反対側の第1端部を有し、前記第2延出部は、前記中央部側とは反対側の第2端部を有し、前記第1延出部と前記第2延出部とは、前記第1端部の先端および第2端部の先端が前記第2主面を向くように、屈曲され、前記陽極リードが、前記第1端部および前記第2端部の前記第1主面において、前記陽極端子と接続している、固体電解コンデンサに関する。
本発明の一実施の形態に係る固体電解コンデンサを模式的に示す断面図である。 図1に係る電解コンデンサの要部を模式的に示す斜視図(a)および側面図(b)である。 本発明の一実施の形態に係る陽極端子の一例を示す斜視図である。 曲げ加工する前の陽極端子の一例を示す上面図(a)および斜視図(b)である。 本発明の一実施の形態に係る陽極端子の他の例を示す側面図である。 本発明の一実施の形態に係る陽極端子の他の例を示す側面図である。 本発明の一実施の形態に係る陽極端子の他の例を示す側面図である。 本発明の一実施の形態に係る陽極端子の他の例を示す側面図である。 本発明の一実施の形態に係る陽極端子の他の例を示す側面図である。
本発明の一実施の形態に係る固体電解コンデンサについて、図1、図2(a)および(b)を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る固体電解コンデンサ20の断面模式図である。図2(a)は、図1に係る電解コンデンサの要部を模式的に示す斜視図であり、図2(b)は、図1を陽極端子側から見た側面図である。なお、図2(a)および(b)では、便宜上、陽極端子を実線で示し、他の構成要素を破線によって示している。
[固体電解コンデンサ]
固体電解コンデンサ20は、陽極部6および陰極部7を有するコンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を封止する外装体12と、陽極部6と電気的に接続し、かつ、外装体12から一部が露出する陽極端子13と、陰極部7と電気的に接続し、かつ、外装体12から一部が露出する陰極端子14と、を備えている。このような固体電解コンデンサ20は、陽極部6および陰極部7を有するコンデンサ素子10を準備する工程と、陽極部6と陽極端子13とを接続する工程と、陰極部7と陰極端子14とを接続する工程と、コンデンサ素子10を外装体12で被覆する工程と、を備える方法により製造される。
コンデンサ素子10は、陽極体1と陽極リード2とを有する陽極部6、陽極体1上に形成された誘電体層3、および、誘電体層3上に形成された固体電解質層4と、固体電解質層4の表面を覆う陰極層5と、を有する陰極部7を有している。
[陽極部]
本実施の形態において、陽極部6は、陽極体1と、陽極体1の一面から延出して陽極端子13と電気的に接続する陽極リード2とを有する。
陽極体1は、例えば、金属粒子を焼結して得られる直方体の多孔質焼結体である。上記金属粒子として、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)などの弁作用金属の粒子が用いられる。陽極体1には、1種または2種以上の金属粒子が用いられる。
陽極リード2は、例えば、導電性を有するワイヤーから構成されている。陽極リード2の材料として、例えば、上記弁作用金属を用いることができるが、これに限定されるものではない。陽極リード2は、陽極体1の一面から陽極体1の内部へ埋設された第一部分2aと、陽極体1の上記一面から延出した第二部分2bと、を有する。陽極部6は、例えば、第一部分2aを上記金属粒子の粉体中に埋め込んだ状態で、金属粒子を直方体状に加圧成形し、焼結することにより作製される。第二部分2bは、溶接により、陽極端子13と接合している。これにより、陽極リード2と陽極端子13とは電気的に接続する。
陽極体1の表面には、誘電体層3が形成されている。誘電体層3は、例えば、金属酸化物から構成されている。陽極体1の表面に金属酸化物を含む層を形成する方法として、例えば、化成液中に陽極体1を浸漬して陽極体1の表面を陽極酸化する方法や、陽極体1を、酸素を含む雰囲気下で加熱する方法が挙げられる。誘電体層3は、上記金属酸化物を含む層に限定されず、絶縁性を有していれば良い。
[陰極部]
陰極部7は、誘電体層3上に形成された固体電解質層4と、固体電解質層4を覆う陰極層5とを有している。
固体電解質層4は、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。固体電解質層4には、例えば、マンガン化合物や導電性高分子が用いられる。導電性高分子として、例えば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、あるいはこれらの誘導体が用いられる。上記導電性高分子を含む固体電解質層4は、例えば、原料モノマーを誘電体層3上で重合することにより、形成される。あるいは、上記導電性高分子を含んだ液を誘電体層3に塗布することにより形成される。固体電解質層4は、1層または2層以上の固体電解質層から構成されている。固体電解質層4が2層以上から構成されている場合、各層に用いられる導電性高分子の組成や形成方法(重合方法)等は異なっていても良い。
陰極層5は、例えば、固体電解質層4を覆うように形成されたカーボン層5aと、カーボン層5aの表面に形成された金属ペースト層5bと、を有している。カーボン層5aは、黒鉛等の導電性炭素材料と樹脂を含む。金属ペースト層5bは、例えば、金属粒子(例えば、銀)と樹脂とを含む。なお、陰極層5の構成は、この構成に限定されない。陰極層5の構成は、集電機能を有する構成であればよい。陰極層5は、例えば、固体電解質層4上へカーボン層5a、金属ペースト層5bを順次塗布することにより形成される。
[陰極端子]
陰極端子14は、陰極部7と電気的に接続している。陰極端子14は、導電性を有する材料(導体)から構成されていれば、特に限定されない。その形状も特に限定されず、例えば、平板状である。陰極端子14の厚みは、例えば、25〜100μmである。陰極端子14は、陰極部7と導電性接着剤(図示なし)を介して電気的に接続していてもよい。
[外装体]
外装体12は、陽極端子13と陰極端子14とを電気的に絶縁するために設けられており、絶縁性の材料から構成されている。外装体12は、例えば、熱硬化性樹脂の硬化物を含む。熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、不飽和ポリエステル等が挙げられる。
外装体12は、例えば、上記熱硬化性樹脂と、陽極端子13および陰極端子14が接続されたコンデンサ素子10とを、金型に収容し、トランスファー成型法または圧縮成型法等により形成される。このとき、陽極端子13と陰極端子14とが、それぞれ外装体12から露出した露出面を有するように、コンデンサ素子10は外装体12により被覆される。外装体12の外形は、例えば、直方体である。陽極端子13の露出面および陰極端子14の露出面は、直方体である外装体12の同じ面に形成される。
[陽極端子]
本実施の形態における陽極端子13は、接続部材の機能を有する。陽極端子13は、例えば、ストリップ状の導体(ストリップ部材)を屈曲させることにより形成される。
陽極端子13は、第1主面S1とその反対側の第2主面S2とを有する。陽極端子13は、外装体12から第1主面S1を露出させる中央部13Aと、中央部13Aの一端から、第二部分2bと非平行な方向に延在した第1延出部13Bと、中央部13Aの他端から、第二部分2bと非平行な方向に延在した第2延出部13Cと、を有する。上記非平行な方向とは、例えば、垂直方向である。第1延出部13Bは、中央部13A側とは反対側の端部(第1端部)を有する。第1端部は、第1先端P1を含む。第2延出部13Cは、中央部13A側とは反対側の端部(第2端部)を有する。第2端部は、第2先端P2を含む。第1延出部13Bおよび第2延出部13Cは、それぞれ第1主面S1が外側を向くように屈曲している。さらに、第1先端P1および第2先端P2は、中央部13Aにおける第2主面S2へ向くように屈曲している。この場合、中央部13Aは、おおよそ平板状である。なお、第1先端P1および第2先端P2は、それぞれ第1延出部13Bおよび第2延出部13Cにおける第2主面S2へ向くように屈曲していても良い。そして、第1端部および第2端部は、それぞれ第1主面S1において、陽極リード2の第二部分2bと接続している。
図3および図4(a)、(b)を参照しながら、陽極端子13をさらに詳細に説明する。図3は、陽極端子の一例を示す斜視図であり、図4は、屈曲される前の陽極端子(ストリップ部材13P)の一例を示す上面図および斜視図である。
陽極端子13は、第1端部における第1主面S1および第2端部における第1主面S1が、互いに向かい合って形成された谷部Vを有する。言い換えれば、谷部Vは、第1端部における第1主面S1と第2端部における第1主面S1とを繋いで形成される空間である。谷部Vにおいて、第二部分2bは陽極端子13と溶接され、電気的に接続される。
ここで、第1延出部13Bにおける第1主面S1と中央部13Aにおける第2主面S2との、中央部13Aの法線方向における距離T13が最大であって、第1先端P1に最も近い点を、第1主面上に取る。この点を通り、中央部13Aの法線方向に伸びる直線および第二部分2bの延出方向に伸びる直線を含む平面を、境界面(図示せず)とする。第1延出部13Bにおいて、この境界面により区切られた2つの領域のうち、第1先端P1を含む領域が、第1端部である。
第2端部は、同様に、第2延出部13Cにおける第1主面S1と中央部13Aにおける第2主面S2との、中央部13Aの法線方向における距離T13が最大であって、第2先端P2に最も近い点を通り、中央部13Aの法線方向に伸びる直線および第二部分2bの延出方向に伸びる直線を含む平面である境界面と、第2先端P2により区画された領域である。このとき、距離T13の最大値は、第二部分2bと中央部13Aにおける第2主面S2との最短距離T2(図2(b)参照)より大きいことが好ましい。これにより、第二部分2bは、第1端部および第2端部によって、下方から支持されるため、確実に固定され得る。
最短距離T2は、コンデンサ素子10の大きさ等に応じて様々である。陽極端子13は、第二部分2bに負荷を与えずに溶接できる位置にあるのが望ましい。第1延出部13Bおよび第2延出部13Cは、それぞれ一方向にのみ屈曲されている。すなわち、第1延出部13Bおよび第2延出部13Cは、各先端が、中央部13Aあるいは各延出部13Bおよび13Cにおける第2主面S2に向く方向にのみ、屈曲されている。この屈曲方法により、陽極端子13は、シンプルなリング(開環している場合を含む)を形成している。そのため、第1延出部13Bおよび第2延出部13Cのそれぞれの屈曲の程度を変える、あるいは、第1延出部13Bおよび第2延出部13Cの長手方向の長さを変えることにより、最大の距離T13をとる第1主面S1上における点の位置を容易に調整することができる。よって、陽極リードの第二部分2bに負荷を与えずに、第二部分2bと溶接することのできる陽極端子13を、容易に得ることができる。その結果、接続信頼性が向上する。
第1端部および第2端部における第1主面S1は、それぞれ、平面を形成していても良いし、凸部を形成するように反っていても良い。いずれの場合であっても、第二部分2bと谷部Vとは、線状に接触する。なかでも、第二部分2bと陽極端子13との接触部分をより小さくし易い点で、第1端部および第2端部における第1主面S1は、凸になっていることが好ましい。これにより、陽極端子13の材質として熱伝導率の高い金属(例えば、銅など)や陽極リード2を構成する材料より融点の高い金属を使用しても、谷部と陽極リードとを、溶接により確実に接続することができる。谷部Vと陽極リード2とは、例えば、陽極リード2にレーザー光を照射することにより、溶接することができる。
第1延出部13Bと第2延出部13Cとは、谷部Vにおいて、当接あるいは接合していても良い。この場合、谷部Vと陽極リードとを溶接する際、第1延出部13Bと第2延出部13Cとが溶接され得る。これにより、陽極端子13の屈曲形状が固定されるため、谷部と陽極リードとの接続信頼性がさらに向上する。さらに、第1端部の先端P1および第2端部の先端P2は、それぞれ、中心部13Aあるいは各延出部13Bおよび13Cにおける第2主面S2に当接していても良い。
陽極端子13は、第1延出部13Bおよび第2延出部13Cと、中央部13Aとの境界近傍で、陽極端子を屈曲させる第1屈曲部B1と、第1屈曲部と第1端部および第2端部の先端との間で、陽極端子を屈曲させる第2屈曲部B2と、を有していることが好ましい。第1屈曲部B1から第2屈曲部B2までの距離を変えることにより、容易に距離T13の調整が可能なためである。
距離T13は、第1屈曲部B1の内側の屈曲角度θ(図3参照)を変えることでも調整できる。なかでも、第1屈曲部B1の屈曲角度θは、60°以上であることが好ましい。第1屈曲部B1は、ほぼ平坦状の中央部から各延出部13B、13Cを屈曲させるため、屈曲角度θが60°より小さくなると、導体の屈曲部分にかかる負荷が大きくなり易いためである。屈曲角度θは、80°以上であることがより好ましく、90°以上であることが特に好ましい。また、屈曲角度θは120°以下であることが好ましい。本実施の形態によれば、屈曲角度θが60°以上であっても、第1屈曲部B1から第2屈曲部B2までの距離、さらには、第2屈曲部B2の内側の屈曲角度α(図5A参照)を変えることにより、距離T13を容易に調整することができる。なお、屈曲角度θは、第1屈曲部B1の第主面S側と第2屈曲部B2の第主面S側とを結ぶ平面と、中央部13Aにおける第1主面S1とが成す内角である(図5A〜5E参照)。
屈曲角度αは特に限定されないが、負荷が小さい点で、60°以上、120°以下であることが好ましい。屈曲角度αは、第1屈曲部B1の第主面S側と第2屈曲部の第主面S側とを結ぶ平面と、直線A1(あるいはA2)を通り、第1端部(あるいは第2端部)に接する平面と、が成す内角である。
なお、図示例では、陽極端子13は略M字型に屈曲されており、各延出部は、曲面を形成するように延在しているが、これに限定されるものではない。陽極端子は、例えば、図5A〜5Eに示されるような形状であっても良い。図5Aでは、陽極端子13aの中央部13Aの厚みが、第1延出部13Bおよび第2延出部13Cよりも大きくなっている。この場合、中央部13Aと各延出部13B、13Cとの境界で段差が生じ得るが、屈曲する陽極端子13aの外側の面が、中央部13Aおよび各延出部13B、13Cにおける第1主面であり、内側の面が第2主面である。
図5Bでは、陽極端子13bは第1屈曲部および第2屈曲部を有しておらず、各延出部は楕円形あるいは円形を描くように屈曲されている。この場合、中央部13Aの長手方向の長さL1に対する、中央部13Aの長手方向において、各延出部の最も凸となる部分の第2主面間の距離L2の比:L2/L1が、1以上となるように、各延出部を屈曲させることが、負荷が小さい点で好ましい。
図5Cは、陽極端子13cの各端部の第1主面が平面形状である構成を示している。図5Dは、陽極端子13dの屈曲角度θが60°である構成を示している。図5Eは、陽極端子13eの各端部が、中央部13Aに向かって狭まった上方の谷部と、中央部13Aに向かって広がった下方の谷部とを有する構成を示している。この場合、第二部分2bは、上方の谷部で陽極端子13eに接合されても良いし、下方の谷部で陽極端子13eに接合されても良い。
陽極端子の材質は、電気化学的および化学的に安定であり、導電性を有するもの(導体)であれば、特に限定されず、金属であっても非金属であってもよい。具体的には、鉄とニッケルとの合金(42アロイ等)、銅等が例示できる。陽極端子の材料(屈曲させる前のストリップ状の導体)の厚みは、特に限定されないが、低背化および屈曲性の観点から、25〜200μmが好ましく、25〜100μmがより好ましい。ストリップ状の導体の幅(短手方向の長さ)は特に限定されず、第二部分2bを接合するための面積が確保できれば良く、陽極リードの第二部分2bを位置決めするのに十分な幅であれば良い。
陽極端子13が第1屈曲部B1および第2屈曲部B2を有する場合、陽極端子13は、以下の工程を有する方法により製造できる。例えば、長手方向に沿って、中央部13Aと、中央部の両側に配置される2つの延出部13B、13Cとを有する陽極端子13は、各2箇所の第1屈曲予定部および第2屈曲予定部を有するストリップ部材を、第1主面S1が外側になるように、各第2屈曲予定部で好ましくは60°以上に屈曲させて第2屈曲部B2を形成する第1工程と、第2屈曲部B2が形成されたストリップ部材を、第1主面S1が外側になるように、各第1屈曲予定部で好ましくは60°以上に屈曲させて、第1屈曲部B1および中央部13Aを形成する第2工程と、第2屈曲部B2からストリップ部材の各先端までの領域の少なくとも一部に治具(第3治具A)を接触させた後、治具を押し下げて、各先端が第2主面S2を向くように屈曲させる第3工程と、を有する方法により、陽極端子13を製造することができる。
第1工程では、例えば、ストリップ部材の第2屈曲部B2間の長さと同程度の幅(または太さ)をもった柱状の凸部を有する第1治具Aを、ストリップ部材の第2主面S2側から押し当てるとともに、第1治具Aよりもストリップ部材の厚みの2倍分程度大きな幅をもった凹部を有する第1治具Bを、ストリップ部材の第1主面S1側であって、第1治具Aに対応する位置から押し当てることにより、第2屈曲部B2を形成する。
第2工程では、例えば、ストリップ部材の第1屈曲部B1間の長さと同程度の凸部を有する第2治具Aを、ストリップ部材の第2主面S2側から押し当てるとともに、第2治具A(あるいは、ストリップ部材の中央部13Aの長手方向における長さ)よりも大きい幅の凹部を有する第2治具Bを、ストリップ部材の第1主面S1側であって、第2治具Aに対応する位置から押し当てることにより、第1屈曲部B1を形成する。なお、第1屈曲部における屈曲角度θは、第2治具Bの凹部の幅を変えることによって調整し得る。
屈曲角度θは、さらに、後の第3工程において、最終的に調整することもできる。例えば、第3工程において、ストリップ部材の第1屈曲部B1間の長さに厚みの2倍程度を加えた幅の凹部を有する第3治具Bを、ストリップ部材の第1主面S1側であって、第3治具Aに対応する位置から押し当てることにより、屈曲角度θを90°程度に調整することができる。
このように、陽極端子13は、ストリップ部材を、一方向に複数回、屈曲させるだけの非常に簡単な方法により作製することができる。この方法によれば、第2工程において、第1屈曲部B1から第2屈曲部B2までの距離を調整する、あるいは、第1屈曲部の屈曲角度θを調整する、さらには、第3工程において、第3治具Aの押し下げ量を変えることにより、距離T13を容易に調整することができる。
第1屈曲予定部および第2屈曲予定部には、切欠き15(図4参照)やガイドライン(図示せず)を設けておいても良い。これにより、ストリップ状の導体を所定の位置で容易に曲げ加工することができる。ストリップ部材は、板状の導体(導体板)を、所定の形状に打ち抜くことにより得られる。
本発明に係る固体電解コンデンサは、接続信頼性に優れるため、様々な用途に利用できる。
1 陽極体
2 陽極リード
2a 第一部分
2b 第二部分
3 誘電体層
4 固体電解質層、
5 陰極層
5a カーボン層
5b 金属ペースト層
6 陽極部
7 陰極部
10 コンデンサ素子
12 外装体
13、13a〜13e 陽極端子
13P ストリップ部材
14 陰極端子
15 切欠き
20 固体電解コンデンサ

Claims (8)

  1. 陽極部および陰極部を備えるコンデンサ素子と、
    前記陽極部と電気的に接続する陽極端子と、
    前記陰極部と電気的に接続する陰極端子と、
    前記コンデンサ素子を覆い、かつ、前記陽極端子および前記陰極端子の少なくとも一部をそれぞれ露出させる外装体と、を備えており、
    前記陽極部が、陽極体と、前記陽極体から延出し、前記陽極端子と接続する陽極リードと、を有し、
    前記陽極端子が、第1主面およびその反対側の第2主面を備えるとともに、前記外装体から前記第1主面を露出させる中央部と、前記中央部の両側から延出した第1延出部および第2延出部と、を有し、
    前記第1延出部は、前記中央部側とは反対側の第1端部を有し、
    前記第2延出部は、前記中央部側とは反対側の第2端部を有し、
    前記第1延出部と前記第2延出部とは、前記第1端部の先端および前記第2端部の先端が前記第2主面を向くように、屈曲され、
    前記第1端部の先端と前記中央部の前記第2主面との間、および前記第2端部の先端と前記中央部の前記第2主面との間には、それぞれ隙間が設けられ、
    前記陽極リード、前記第1端部および前記第2端部の前記第1主面において、前記陽極端子と接続しており、
    前記第1延出部の前記第1主面と前記中央部との距離の最大値、および前記第2延出部の前記第1主面と前記中央部との距離の最大値は、いずれも前記陽極リードと前記中央部との最短距離より大きい、固体電解コンデンサ。
  2. 陽極部および陰極部を備えるコンデンサ素子と、
    前記陽極部と電気的に接続する陽極端子と、
    前記陰極部と電気的に接続する陰極端子と、
    前記コンデンサ素子を覆い、かつ、前記陽極端子および前記陰極端子の少なくとも一部をそれぞれ露出させる外装体と、を備えており、
    前記陽極部が、陽極体と、前記陽極体から延出し、前記陽極端子と接続する陽極リード
    と、を有し、
    前記陽極端子が、第1主面およびその反対側の第2主面を備えるとともに、前記外装体から前記第1主面を露出させる中央部と、前記中央部の両側から延出した第1延出部および第2延出部と、を有し、
    前記第1延出部は、前記中央部側とは反対側の第1端部を有し、
    前記第2延出部は、前記中央部側とは反対側の第2端部を有し、
    前記第1延出部と前記第2延出部とは、前記第1端部の先端および前記第2端部の先端が前記第2主面を向くように、屈曲され、
    前記第1端部の先端および前記第2端部の先端は、前記中央部の前記第2主面から離れた位置に配され、
    前記陽極リードは、前記第1端部および前記第2端部の前記第1主面において、前記陽極端子と接続しており、
    前記第1延出部の前記第1主面と前記中央部との距離の最大値、および前記第2延出部の前記第1主面と前記中央部との距離の最大値は、いずれも前記陽極リードと前記中央部との最短距離より大きい、固体電解コンデンサ。
  3. 陽極部および陰極部を備えるコンデンサ素子と、
    前記陽極部と電気的に接続する陽極端子と、
    前記陰極部と電気的に接続する陰極端子と、
    前記コンデンサ素子を覆い、かつ、前記陽極端子および前記陰極端子の少なくとも一部をそれぞれ露出させる外装体と、を備えており、
    前記陽極部が、陽極体と、前記陽極体から延出し、前記陽極端子と接続する陽極リードと、を有し、
    前記陽極端子が、第1主面およびその反対側の第2主面を備えるとともに、前記外装体から前記第1主面を露出させる中央部と、前記中央部の両側から延出した第1延出部および第2延出部と、を有し、
    前記第1延出部は、前記中央部側とは反対側の第1端部を有し、
    前記第2延出部は、前記中央部側とは反対側の第2端部を有し、
    前記第1延出部と前記第2延出部とは、前記第1端部の先端および前記第2端部の先端が前記第2主面を向くように、屈曲され、
    前記第1端部の先端および前記第2端部の先端は、いずれも前記中心部の第2主面に当接しておらず、
    前記陽極リードは、前記第1端部および前記第2端部の前記第1主面において、前記陽極端子と接続しており、
    前記第1延出部の前記第1主面と前記中央部との距離の最大値、および前記第2延出部の前記第1主面と前記中央部との距離の最大値は、いずれも前記陽極リードと前記中央部との最短距離より大きい、固体電解コンデンサ。
  4. 前記第1端部の前記第1主面と前記第2端部の前記第1主面とが凸になっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記陽極端子が、
    前記第1延出部および前記第2延出部と前記中央部との境界で、前記陽極端子を屈曲させる第1屈曲部と、
    前記第1屈曲部と前記第1端部および前記第2端部の先端との間で、前記陽極端子を屈曲させる第2屈曲部と、を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記第1屈曲部の屈曲角度が、60度以上、120度以下である、請求項に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記第1端部の前記第1主面と前記第2端部の前記第1主面とが、互いに接触している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 前記第1端部の先端と前記第2端部の先端とが、互いに離れている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ。
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