JP6796450B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハ等の被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置に関する。
プラズマ処理は、半導体デバイスの製造に不可欠な技術である。近年LSIの高集積化、高速化の要請からLSIを構成する半導体素子が更に微細化され、また、半導体ウェハが大型化されている。それに伴い、プラズマ処理装置においても、このような微細化、大型化に対応することが求められている。
プラズマ処理装置としては、従来、平行平板型や誘導結合型のものが用いられている。しかし、これらの形態では、生成されるプラズマの電子温度が高いため微細な素子にダメージが生じてしまい、また、プラズマ密度の高い領域が限定されるため、大型の半導体ウェハを均一かつ高速にプラズマ処理することは困難である。
そこで、高密度で低電子温度の表面波プラズマを均一に形成することができるRLSA(登録商標)マイクロ波プラズマ処理装置が注目されている(特許文献1参照)。
RLSA(登録商標)マイクロ波プラズマ処理装置は、表面波プラズマを発生させるためのマイクロ波を放射するマイクロ波放射アンテナとしてチャンバの上部に所定のパターンで複数のスロットが形成された平面スロットアンテナを有する。そして、マイクロ波発生源から導かれたマイクロ波を、上記アンテナのスロットから放射させると共に、チャンバの天壁を構成する誘電体から成るマイクロ波透過板を介して真空に保持されたチャンバ内に放射する。RLSA(登録商標)マイクロ波プラズマ処理装置は、このマイクロ波の電界によりチャンバ内で表面波プラズマを生成し、これにより半導体ウェハ等の被処理体を処理する。
一方、特許文献2には、マイクロ波を複数に分配し、上述のような平面アンテナとインピーダンス整合を行うチューナとを有するマイクロ波放射機構をチャンバの上面に複数設け、それらから放射されたマイクロ波をチャンバ内に導き該チャンバ内でプラズマを空間合成するプラズマ源が開示されている。このように複数のマイクロ波放射機構を用いてプラズマを空間合成することにより、各マイクロ波放射機構から導入されるマイクロ波の位相や強度を個別に調整することができ、プラズマ分布の調整を比較的容易に行うことができる。
この種のマイクロ波プラズマ装置においては、プラズマ処理の際に、Arガスのような励起用ガスと処理ガスをチャンバ内に導入する。特許文献1に記載された装置では、チャンバの側壁から処理ガスが供給され、特許文献2に記載された装置では、チャンバの側壁から処理ガスが供給されている。そのため、これらの装置では、チャンバ内での処理ガスまたは励起ガスの流れの制御性が悪く、処理ガスや励起ガスを均一に導入することが困難である。このような問題に対し、特許文献3には、チャンバの天壁からガスを導入する技術が開示されている。
ところで、励起用ガスと処理ガスをチャンバ内に導入する際、ガスの特性に応じた適切な解離状態が必要である。例えば、処理ガスとしてSiHとNガスやNHガス等の窒化ガスとを用いてプラズマCVDによりSiN膜を形成する場合、ArガスやNガス、NH等の窒化ガスは励起・解離のために十分なエネルギーを必要とするが、SiHガスは過剰解離を防ぐ必要がある。しかし、特許文献3のようにチャンバの天壁からガスを導入する場合は、電子温度が高い領域にガスを導入せざるを得ず、SiHガス等の過剰解離させたくないガスも過剰解離してしまい、気相パーティクルやノズルの目詰まりが発生してしまう。
これに対し、特許文献4には、マイクロ波を導入する天壁に上段シャワープレートを有し、上段シャワープレートと被処理基板との間に下段シャワープレートを有し、上段シャワープレートからはArガス等の励起用ガスや積極的に解離させたいガスを導入し、下段シャワープレートからはSiHガス等の過剰解離させたくないガスを導入することが記載されている。すなわち、マイクロ波プラズマ処理装置は、天壁からマイクロ波をチャンバ内に導入して表面波プラズマを生成するが、このようなプラズマの電子温度は天壁直下部分が最も高く、天壁から離れた拡散プラズマ領域で急激に電子温度が低下する特徴がある。そのため、このようなチャンバの位置による電子温度の違いを利用して特許文献4の装置ではガスの特性に応じた適切な解離状態を実現している。
特開2000−294550号公報 国際公開第2008/013112号パンフレット 特開2012−216525号公報 特開2008−47883号公報
しかしながら、特許文献4のマイクロ波プラズマ処理装置においては、ガス流路と、プラズマを通過させるための開口部とが下段シャワープレートに形成され、処理ガスはチャンバの側壁に設けられたガス供給ポートから導入されるようになっている。これらガス流路及びガス供給ポートがプラズマ拡散の障害物となる。このため、特許文献4のマイクロ波プラズマ処理装置では、プラズマ密度が不十分になって所望のレートや膜質制御性が得られなくなり、また、プラズマの均一性が不十分になって、所望のプラズマ処理の面内均一性が得られないことがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、処理ガスをガスの特性に応じた適切な解離状態で解離させることができ、かつ、プラズマ密度を維持しつつ、処理ガスの導入均一性及び所望のプラズマ均一性を両立させることができるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、チャンバと、該チャンバ内で被処理体を載置する載置台と、前記チャンバの天壁を介して前記チャンバ内にマイクロ波を導入し、前記チャンバ内に表面波プラズマを生成するプラズマ源と、前記天壁から第1のガスを前記チャンバ内に供給する第1のガス導入部と、前記天壁と前記載置台との間の所定高さから第2のガスを前記チャンバ内に導入する第2のガス導入部と、を備え、前記第2のガス導入部は、前記天壁から前記載置台の方向へ延出し、同一円周上に等間隔で配された複数のノズルを有し、前記複数のノズルはそれぞれ、円周方向に隣接する前記ノズルに向けて前記第2のガスを吐出することを特徴としている。
本発明によれば、天壁から第1のガスをチャンバ内に導入する第1のガス導入部と、天壁と載置台との間から第2のガスをチャンバ内に導入する第2のガス導入部とを設けたので、処理ガスをガスの特性に応じた適切な解離状態で解離させることができる。また、第2のガス導入部は、天壁と載置台との間の所定高さから第2のガスを吐出するものであり、該導入部は、天壁から載置台の方向へ延出し、同一円周上に等間隔で配された複数のノズルを有し、該複数のノズルそれぞれが、隣接するノズルに向けて第2のガスを吐出するため、プラズマ密度を維持しつつ、処理ガスの導入均一性及び所望のプラズマ均一性を両立させることができる。
前記天壁は、マイクロ波を透過させるための誘電体窓と、該誘電体窓が装着される金属部分とを有し、前記第1のガス導入部は、前記金属部分に形成され、前記ノズルは、前記金属部分における前記第1のガス導入部が形成されていない部分に形成されていることが好ましい。
前記誘電体窓は、前記天壁の中央に設けられた中央誘電体窓と、該中央誘電体窓を中心とした同一円周上に等間隔で配された周囲誘電体窓とを有し、前記複数のノズルはそれぞれ、前記中央誘電体窓と前記周囲誘電体窓との間に向けて前記第2のガスを吐出することが好ましい。
前記複数のノズルはそれぞれ、水平から所定の角度で且つ鉛直方向下側または上側に前記第2のガスを吐出してもよい。
前記ノズルは、水平から所定の角度で且つ鉛直方向下側に吐出するものと水平から所定の角度で且つ鉛直方向上側に吐出するものが交互に設けられていてもよい。
前記第2のガス導入部の外側領域に設けられ、前記第2のガスを前記チャンバに導入する第3のガス導入部をさらに備え、該第3のガス導入部は、同一円周上に等間隔で並べられた別の複数のノズルを有することが好ましい。
前記第2のガス導入部の前記複数のノズルはそれぞれ、当該複数のノズルが配された円の、当該ノズルの位置における接線方向に、前記第2のガスを吐出してもよい。
本発明のプラズマ処理装置によれば、処理ガスをガスの特性に応じた適切な解離状態で解離させることができ、かつ、プラズマ密度を維持しつつ、処理ガスの導入均一性及び所望のプラズマ均一性を両立させることができる。
本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。 図1のプラズマ処理装置に用いられるマイクロ波プラズマ源の構成を示すブロック図である。 図2のマクロ波プラズマ源におけるマイクロ波放射機構の配置を示す図である。 図1のプラズマ処理装置のマイクロ波プラズマ源におけるマイクロ波放射機構を示す断面図である。 図1の天壁の下面図である。 図1の第2のガスシャワー部を構成するノズルの概略を説明する図である。 図1の第3のガスシャワー部を構成するノズルの概略を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る第3のガスシャワー部の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下に示す実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図であり、図2は、図1のプラズマ処理装置に用いられるマイクロ波プラズマ源の構成を示すブロック図である。図3は、図2のマクロ波プラズマ源におけるマイクロ波放射機構の配置を示す図であり、図4は、図1のプラズマ処理装置のマイクロ波プラズマ源におけるマイクロ波放射機構を示す断面図である。
図1のプラズマ処理装置100は、マイクロ波により表面波プラズマを形成してウェハに対して所定のプラズマ処理を行うものである。プラズマ処理としては例えば成膜処理またはエッチング処理等がある。
プラズマ処理装置100は、気密に構成されたアルミニウム等の金属材料からなる略円筒状の接地されたチャンバ1と、該チャンバ1内にマイクロ波を導入して表面波プラズマを形成するためのマイクロ波プラズマ源2とを備える。チャンバ1の天壁10aは、金属製の本体部に、後述する複数のマイクロ波放射機構の誘電体部材が嵌め込まれて構成されており、マイクロ波プラズマ源2は天壁10aの複数の誘電体部材を介してチャンバ1内にマイクロ波を導入するようになっている。
また、プラズマ処理装置100は全体制御部3を備える。全体制御部3は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、プラズマ処理装置100におけるウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカード等のコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から全体制御部3にインストールされたものであってもよい。
チャンバ1内には、被処理体である半導体ウェハW(以下、ウェハW)を水平に支持するサセプタ(載置台)11が、チャンバ1の底部中央に絶縁部材12aを介して立設された筒状の支持部材12により支持された状態で設けられている。サセプタ11及び支持部材12を構成する材料は、例えば、表面をアルマイト処理(陽極酸化処理)したアルミニウム等の金属や内部に高周波用の電極を有した絶縁性材料(セラミックス等)である。
また、図示はしていないが、サセプタ11には、温度制御機構、ウェハWの裏面に熱伝達用のガスを供給するガス流路、ウェハWを搬送するために昇降する昇降ピン等が設けられている。さらに、ウェハWを静電吸着するための静電チャックが設けられていてもよい。
さらにまた、サセプタ11には、整合器13を介して高周波バイアス電源14が電気的に接続されている。この高周波バイアス電源14からサセプタ11に高周波電力が供給されることにより、ウェハW側にプラズマ中のイオンが引き込まれる。なお、高周波バイアス電源14はプラズマ処理の特性によっては設けなくてもよい。この場合は、サセプタ11としてAlNのようなセラミックス等からなる絶縁性部材を用いたとしても電極は不要である。
チャンバ1の底部側方には排気管15が接続されており、この排気管15には真空ポンプを含む排気装置16が接続されている。この排気装置16を作動させることにより、チャンバ1内を排気することができ、チャンバ1内を減圧して所定の圧力に設定することができる。また、チャンバ1の側壁10bには、ウェハWの搬出入を行うための搬入出口17と、この搬入出口17を開閉するゲートバルブ18とが設けられている。
また、プラズマ処理装置100は、チャンバ1の天壁10aからチャンバ1内に所定のガスを吐出するための第1のガスシャワー部21と、チャンバ1内の天壁10aとサセプタ11の間の位置からガスを導入する第2のガスシャワー部22と、を備える。さらに、プラズマ処理装置100は、チャンバ1内の天壁10aとサセプタ11の間の位置であって第2のガスシャワー部22より外側の位置からガスを導入する第3のガスシャワー部23を備える。これら第1〜第3のガスシャワー部21〜23の詳細については後述する。
第1のガスシャワー部21は、第1のガス供給部81から配管83を介してArガス等の励起用ガスや、処理ガスのうち高エネルギーで解離させたいガスからなる第1のガスが供給され、これらをチャンバ1内に吐出する。また、第2のガスシャワー部22及び第3のガスシャワー部23は、第2のガス供給部82から、それぞれ配管84及び配管85を介して、処理ガスのうち、過剰解離を防ぎたいガスである第2のガスが供給され、それらをチャンバ1内へ吐出する。
マイクロ波プラズマ源2は、複数経路に分配してマイクロ波を出力するマイクロ波出力部30と、マイクロ波出力部30から出力されたマイクロ波を伝送するマイクロ波伝送部40とを有する。
図2に示すように、マイクロ波出力部30は、マイクロ波電源31と、マイクロ波発振器32と、アンプ33と、分配器34とを有する。
マイクロ波電源31は、マイクロ波発振器32に対して電力を供給する。マイクロ波発振器32は、所定周波数(例えば860MHz)のマイクロ波を例えばPLL発振させる。アンプ33は、発振されたマイクロ波を増幅する。分配器34では、マイクロ波の損失ができるだけ起こらないように、入力側と出力側のインピーダンス整合を取りながらアンプ33で増幅されたマイクロ波を分配する。なお、マイクロ波の周波数としては、860MHzの他に、915MHz等、700MHzから3GHzの範囲の種々の周波数を用いることができる。
マイクロ波伝送部40は、複数のアンプ部41と、アンプ部41に対応して設けられた複数のマイクロ波放射機構42とを有する。マイクロ波放射機構42は、例えば、図3に示すように、天壁10aの中央に1個、該中央のものを中心とした円周上に等間隔で6個、合計7個、配置されている。なお、本例では、中心のマイクロ波放射機構42と外周のマイクロ波放射機構42との間の距離と、外周のマイクロ波放射機構42間の距離とは等しくなるよう、これらは配置されている。
マイクロ波伝送部40のアンプ部41は、分配器34にて分配されたマイクロ波を各マイクロ波放射機構42に導く。アンプ部41は、位相器43と、可変ゲインアンプ44と、メインアンプ45と、アイソレータ46とを有する。
位相器43は、マイクロ波の位相を変化させることができるように構成されており、これを調整することにより放射特性を変調させることができる。例えば、マイクロ波放射機構42毎に位相を調整することにより、指向性を制御してプラズマ分布を変化させることができる。また、隣り合うマイクロ波放射機構42においては90°ずつ位相をずらすようにして円偏波を得ることができる。また、位相器43は、アンプ内の部品間の遅延特性を調整し、後述のチューナ内での空間合成を目的として使用することができる。ただし、このような放射特性の変調やアンプ内の部品間の遅延特性の調整が不要な場合には位相器43は設ける必要はない。
可変ゲインアンプ44は、メインアンプ45へ入力するマイクロ波の電力レベルを調整し、プラズマ強度を調整するためのアンプである。可変ゲインアンプ44をアンプ部41毎に変化させることによって、発生するプラズマに分布を生じさせることもできる。
メインアンプ45は、ソリッドステートアンプを構成するものであり、例えば、入力整合回路と、半導体増幅素子と、出力整合回路と、高Q共振回路とを有する構成とすることができる。
アイソレータ46は、後述する平面アンテナで反射してメインアンプ45に向かう反射マイクロ波を分離するものであり、サーキュレータとダミーロード(同軸終端器)とを有する。サーキュレータは、反射したマイクロ波をダミーロードへ導き、ダミーロードはサーキュレータによって導かれた反射マイクロ波を熱に変換する。
マイクロ波放射機構42は、アンプ部41から出力されたマイクロ波をチャンバ1内に放射する機能及びインピーダンスを整合する機能を有する。
マイクロ波放射機構42は、図4に示すように、同軸管51を有する。同軸管51は、筒状の外側導体52及びその中心に設けられた棒状の内側導体53からなる同軸状のマイクロ波伝送路を有する。また、マイクロ波放射機構42は、アンプ部41で増幅されたマイクロ波を、同軸ケーブル55を介して同軸管51に給電する給電アンテナ(図示せず)、を有する。さらに、マイクロ波放射機構42は、負荷のインピーダンスをマイクロ波電源31の特性インピーダンスに整合させるチューナ54と、同軸管51からのマイクロ波をチャンバ1内に放射するアンテナ部56とを有する。
外側導体52の上端部の側方から同軸ケーブル55により給電されたマイクロ波が、給電アンテナから放射され、外側導体52と内側導体53との間のマイクロ波伝送路にマイクロ波電力が給電されてアンテナ部56に向かって伝播する。
アンテナ部56は、同軸管51の下端部に設けられており、チャンバ1の天壁10aの金属部分に嵌め込まれている。アンテナ部56は、内側導体53の下端部に接続された円板状をなす平面アンテナ61と、平面アンテナ61の上面側に配置された遅波材62と、平面アンテナ61の下面側に配置された誘電体窓63とを有している。
平面アンテナ61には、その厚さ方向に貫通するようにスロット61aが形成されている。スロット61aは、マイクロ波が効率良く放射されるような形状をなしている。スロット61aには誘電体が挿入されていてもよい。
遅波材62は、真空よりも大きい誘電率を有する誘電体によって形成されており、マイクロ波の波長を短くしてアンテナを小さくする機能を有している。遅波材62は、その厚さによりマイクロ波の位相を調整することができ、平面アンテナ61の接合部が定在波の「はら」になるように厚さを調整することにより、マイクロ波の放射エネルギーが最大となるようにすることができる。
誘電体窓63も同様の誘電体で構成され、天壁10aの金属部分に嵌め込まれており、その下面はチャンバ1の内部空間に露出している。誘電体窓63は、マイクロ波をTFモードで効率的に放射することができるような形状をなしている。そして、誘電体窓63を透過したマイクロ波は、チャンバ1内の誘電体窓63の直下部分に表面波プラズマを生成する。
なお、以下では、誘電体窓63のうち、中央に位置するものを中央誘電体窓63といい、この中央誘電体窓63を中心とした同一円周上に等間隔で配されたものを周囲誘電体窓63という。
遅波材62及び誘電体窓63は、例えば、石英やセラミックス、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等のフッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等から形成される。
チューナ54は、同軸管51のアンテナ部56よりも基端部側(上端部側)の部分に配置された2つのスラグ71a、71bを有し、スラグチューナを構成している。また、チューナ54は、これら2つのスラグをそれぞれ独立して駆動するアクチュエータ72と、このアクチュエータ72を制御するチューナコントローラ73とを有している。
スラグ71a、71bは、セラミックス等の誘電体材料で構成され、板状かつ円環状をなし、同軸管51の外側導体52と内側導体53の間に配置されている。また、アクチュエータ72は、例えば、内側導体53の内部に設けられた、それぞれスラグ71a、71bが螺合する2本のねじを回転させることによりスラグ71a、71bを個別に駆動する。このアクチュエータ72は、チューナコントローラ73からの指令に基づいて、スラグ71a、71bを上下方向に移動させる。2つのスラグ71a、71bのうち一方のみを動かすと、スミスチャートの原点を通る軌跡を描き、両方同時に動かすと位相のみが回転する。チューナコントローラ73は、周端部のインピーダンスが50Ωになるように、スラグ71a、71bの位置を制御することによりインピーダンス整合を行う。
メインアンプ45と、チューナ54と、平面アンテナ61とは近接配置している。そして、チューナ54と平面アンテナ61とは集中定数回路を構成し、かつ共振器として機能する。平面アンテナ61の取り付け部分には、インピーダンス不整合が存在するが、チューナ54によりプラズマ負荷に対して直接チューニングするので、プラズマを含めて高精度でチューニングすることができ、平面アンテナ61における反射の液用を解消することができる。
次に、プラズマ処理装置100におけるガス導入機構について、図1及び図5〜図7を参照して説明する。
図5は、天壁10aの下面図である。図6は、第2のガスシャワー部22を構成するノズルの概略を説明する図であり、図6(A)及び図6(B)はそれぞれ上記ノズルの断面図及び側面図である。図7は、第3のガスシャワー部23を構成するノズルの概略を説明する図であり、第3のガスシャワー部23が設けられる側壁10bの平面図である。
プラズマ処理装置100は、図1及び図5に示すように、第1〜第3のガスシャワー部21〜23を有する。第1のガスシャワー部21は、チャンバ1の天壁10aからガスを吐出する。第2のガスシャワー部22は、天壁10aとサセプタ11との間の所定高さからガスを吐出する。第3のガスシャワー部23は、第2のガスシャワー部22の外側領域からガスを吐出する。
第1のガスシャワー部21は、天壁10aの金属部分に円環状に形成されたガス拡散空間141と、ガス拡散空間141の上部に設けられ該空間141と連通するガス導入孔142とを有する。また、第1のガスシャワー部21は、ガス拡散空間141からチャンバ1に至る複数のガス吐出孔143を有する。上述のガス導入孔142には配管83が接続されている。したがって、第1のガス供給部81から配管83を経て供給された、励起用ガス例えばArガスや、処理ガスのうち高エネルギーで解離させたいガスである第1のガスがチャンバ1の天壁10aから供給される。ガス吐出孔143の数は、例えば12個であり、12個のノズルは、例えば、第2のガスシャワー部22より内側の部分に、平面視における天壁10aの中心を中心とした同一円周上に等間隔で設けられている。
第2のガスシャワー部22は、天壁10aからサセプタ11の方向へ延出するノズル110を有する。該ノズル110は天壁10aから垂直方向に延出することが好ましい。ノズル110の数は、例えば6個であり、6個のノズルは、例えば、天壁10aの金属部分であって第1のガスシャワー部21が設けられていない部分に、平面視における天壁10aの中心を中心とした同一円周上に等間隔で設けられている。また、ノズル110は、例えば、周囲誘電体窓63より内側の位置であって、近接する周囲誘電体窓63までの距離と中央誘電体窓63までの距離とが等しくなる位置に設けられている。
ノズル110は、SiH等の処理ガスのうち過剰解離を抑制したい第2のガスをチャンバ1の電子温度が相対的に低い領域に吐出するためのものである。ノズル110は、金属で作製することが好ましく、熱伝導性が良いもの、例えばアルミニウムが特に好ましい。また、ノズル110は母材無垢であってもよいが、汚染制御のため、Y等のセラミックスの溶射、アルマイト処理(陽極酸化処理)、ブラスト処理等を施してもよい。ただし、異常放電が起きない条件であれば、ノズル110を誘電体で作製してもよい。
ノズル110の内部には、図6(A)に示すように、ガス流路となる断面視L字状の空間部111が形成されている。また、図6(B)に示すように、各ノズル110の先端部側面には、ガス吐出孔112が形成されている。ガス吐出孔112は、空間部111から隣接するノズル110に向けてガスを吐出する。言い換えると、ガス吐出孔112は、当該孔112が形成されているノズル110に隣接するノズル110の方向を向くように形成されている。各ガス吐出孔122からのガスはある程度広がりを持って吐出される。なお、空間部111から水平方向に対してある程度角度を持たせてガス吐出孔112を設けてもよい。
さらに、本例では、6個のノズル110が設けられている円を基準にすると、各ノズル110からのガスの吐出方向は同一周方向である。さらにまた、本例では、ガス吐出孔112はそれぞれ、中央誘電体窓63と周囲誘電体窓63との間に向けてガスを吐出する。なお、各ノズル110は隣接するノズル110のうち一方のノズル110に対してのみガスを吐出するが、両方のノズル110に向けて、すなわち、二方向に吐出してもよい。
また、吐出孔112は、天壁10aとサセプタ11との間の所定の位置からガスを吐出する。すなわち、吐出孔112はノズル110における天壁10aから所定距離の位置に設けられている。上記所定距離は、吐出するガスが所望の解離度になるように最適化され、天壁10aの内面から20〜200mmの範囲で適宜設定される。供給する処理ガスがSiHガスの場合、上記所定距離は30〜150mmの範囲が好ましく、例えば80mmに設定される。
ガス吐出孔112の径は、プラズマの侵入を防ぐ観点から0.5mm以下にすることが好ましい。例えば、0.1mm、0.3mm、0.5mmとされる。ガス吐出孔112の径は、さらに小さくてもよく、加工限界と考えられる5μm程度であってもよい。
なお、以上では、ガス吐出孔112は、当該孔112が形成されているノズル110に隣接するノズル110の方向を向くように形成されているとしている。この場合の「隣接するノズル110の方向を向く」とは、ガス吐出孔112の中心軸と、隣接するノズル110の中心軸とが交差することを含むが、必ずしも交差することは要さず、目標とするガスの均一性等が確保できればよい。
ノズル110の数は以上の説明では6個としたがこれに限定されない。ノズル110の数は目標とするガスの均一性、ガス流量、プラズマの均一性や周囲誘電体窓63の数等に応じて最適化され、例えば、4〜32個程度の範囲に設定され、6〜16個の範囲が好ましい。
なお、ノズル110の本数が多いほど、またノズル110の間隔が狭いほどプラズマの均一性が悪化する傾向にあるので、ノズル110の数及び間隔は、要求されるプラズマの均一性を確保できるように設定することが好ましい。また、要求されるプラズマの均一性が確保される限りにおいて、プラズマを意図的に遮断するために、ノズル110の間隔を狭く、本数を多く設定することもできる。ノズル110の間隔は、内接円がφ30mm以上となる間隔であることが好ましく、例えばφ80mmに設定される。
また、ノズル110は上述のように同一円周上に設けられるが、該円周の径は、処理ガスの均一導入のため、処理ガスのガス種、圧力、チャンバ形状に応じて最適化することが好ましい。ノズル110が設けられる円周の径は30〜505mmの範囲で変化させることができる。ノズル110が設けられる円周の径はウェハ径よりも小さいことが好ましく、例えば、プラズマCVDによりSiN膜を形成する場合には、第2のガスシャワー部22からSiHガスが吐出されるが、その場合にはノズル110の径は80〜320mm程度、例えば、160mmに設定される。
ノズル110の水平方向断面形状は、例えば円形であるが、これに限られない。ノズル110はプラズマの遮蔽を抑制することが好ましく、そのような観点から断面形状が円形であることが好ましい。また、ノズル110の断面角部に電界集中を緩和する観点から、断面角部にRを形成することが好ましい。
また、ノズル110の前述の空間部111は、配管84が接続された天壁10a内の流路を介してガスが供給される。したがって、第2のガス供給部82から配管84を経て供給された過剰解離を防ぎたい処理ガスである第2のガスが、空間部111に供給され、ガス吐出孔112から吐出される。
なお、ノズル110に冷却機能を持たせてもよい。
また、ノズル110の径はプラズマの均一性の観点からは極力細い方が好ましいが、ガス供給のための空間部を設ける観点、熱伝導性を確保する観点からはある程度の径が必要であり、5〜20mmが好ましく、例えばφ15mmに設定される。
ノズル110の天壁10aへの接続箇所は、プラズマ源2により形成される表面波電界の節に対応する箇所であることが好ましい。
ノズル110は、チャンバ1の天壁10aと一体で作製しても別体としてもよい。別体とする場合には、天壁10aと確実に締結して電気的に同電位とすること、及びガスの漏洩を確実に防止できる構造であることが必要である。
第3のガスシャワー部23は、ウェハWの外側部分へ、過剰解離を抑制したい処理ガスである第2のガスを吐出するものである。第3のガスシャワー部23は、図1及び図7に示すように、側壁10bからチャンバ1の平面視中心に向けて延出する30個のノズル130を有する。該ノズル130は側壁10bから水平方向に延出することが好ましい。ノズル130は、円環状の側壁10bに対して等間隔で設けられ、すなわち、30個のノズル130は同一平面上に円環状に等間隔で並べられている。これらノズル130は、平面視でウェハWに重複しない領域に形成されている。
各ノズル130には、チャンバ1の平面視中心に向けてガスを吐出するガス吐出孔134が形成されている。なお、後述のガス拡散空間131から水平方向に対してある程度角度を持たせてガス吐出孔134を設けてもよく、水平方向に設けてもよい。
また、第3のガスシャワー部23は、側壁10bに円環状に形成されたガス拡散空間131と、ガス拡散空間131の外側方に設けられ該空間131と連通するガス導入孔132とを有する。また、第3のガスシャワー部23は、ガス拡散空間131からノズル130に至る流路133を有する。上述のガス導入孔132には配管85が接続されている。したがって、第2のガス供給部82から配管85を経て供給された第2のガスが、ガス導入孔132等を有する側壁10bを経て、ノズル130に至り、ガス吐出孔134からチャンバ1の平面視中心方向に吐出される。
第3のガスシャワー部23のノズル130の材質、ガス吐出孔134の径等は、上述した第2のガスシャワー部22に準じて適宜設定される。
なお、第3のガスシャワー部23のガス吐出孔134は、該孔134から吐出されるガスの過剰解離を防止できる高さ位置に配置されていればよく、必ずしも第2のガスシャワー部22のガス吐出孔112と同じ高さ位置でなくてもよい。
ノズル130の数は、目標とするガスの均一性、ガス流量、プラズマの均一性等に応じて最適化され、例えば、4〜200個程度の範囲に設定され、20〜50個の範囲が好ましい。
なお、ノズル130の本数が多いほど、またノズル130の間隔が狭いほどプラズマの均一性が悪化する傾向にあるので、ノズル130の数及び間隔は、要求されるプラズマの均一性を確保できるように設定することが好ましい。また、要求されるプラズマの均一性が確保される限りにおいて、プラズマを意図的に遮断するために、ノズル130の間隔を狭く、本数を多く設定することもできる。ノズル130の間隔は、根本の間隔がφ30mm以上となる間隔であることが好ましく、例えばφ80mmに設定される。
次に、以上のように構成されるプラズマ処理装置100における動作について説明する。
まず、ウェハWをチャンバ1内に搬入し、サセプタ11上に載置する。そして、排気装置16によりチャンバ1内を排気し、チャンバ1内の圧力を所定の圧力に調整し、その後、第1のガス供給部81から配管83を介して天壁10aに形成された第1のガスシャワー部21にプラズマを生成するための励起用ガス、例えばArガスや、処理ガスのうち解離のために高いエネルギーを必要とするガスである第1のガスを供給し、これらガスを第1のガスシャワー部21からチャンバ1内へ吐出する。
一方、マイクロ波プラズマ源2のマイクロ波出力部30から、マイクロ波伝送部40の複数のアンプ部41及び複数のマイクロ波放射機構42の伝送路を伝送されてきたマイクロ波を、天壁10aに嵌め込まれたアンテナ部56の遅波材62、平面アンテナ61のスロット61a及び誘電体窓63を介してチャンバ1内に放射する。このとき、チューナ54のスラグ71a及びスラグ71bによりインピーダンスが自動整合され、電力反射が実質的にない状態で、マイクロ波が供給される。各マイクロ波放射機構42から放射されたマイクロ波は空間合成され、形成されたマイクロ波電界により、天壁10aの誘電体窓63の表面部分では表面波プラズマを生成する。このとき、天壁10aの近傍では表面波プラズマの電子温度は高く、第1のガスは高エネルギーで解離される。
また、第2のガス供給部82から、配管84、85を介して第2のガスシャワー部22及び第3のガスシャワー部23に、処理ガスのうち、過剰解離を防ぎたいガスである第2のガスを供給し、そのガスを第2のガスシャワー部22及び第3のガスシャワー部23からチャンバ1内に吐出する。第2のガスシャワー部22及び第3のガスシャワー部23から吐出された第2のガスは、第1のガスのプラズマにより励起される。このとき、第2のガスシャワー部22のガス吐出孔112、及び第3のガスシャワー部23のガス吐出孔134の形成位置は、マイクロ波が放射される天壁10aの表面から離れたよりエネルギーが低い位置であるため、第2のガスは過剰解離が抑制された状態で励起される。そして、第1のガス及び第2のガスのプラズマによりウェハWにプラズマ処理を施す。
例えば、プラズマCVDによりSiN膜を形成する場合、第1のガス供給部81からは、第1のガスとして、励起用のArガス及び高い解離エネルギーが必要な窒化ガスであるNガスまたはNHが第1のガスシャワー部21へ供給され、それらがチャンバ1内へ吐出されプラズマが生成される。また、第2のガス供給部82からは、第2のガスとして、過剰解離を防ぐ必要があるSiHガスが第2のガスシャワー部22及び第3のガスシャワー部23へ供給され、第2のガスがチャンバ1内へ吐出され、過剰解離が抑制された状態で励起される。
これにより、チャンバ1内における電子温度の違いを利用してガスの特性に応じてガスの解離を制御することができ、SiHガス等の過剰解離しやすい処理ガスである第2のガスの過剰解離による気相反応パーティクルの発生や、ノズル(ガス吐出孔)の目詰まりを抑制することができる。
また、第2のガスシャワー部22は、同一の円周上に配されたガス吐出孔112それぞれから、該孔112が設けられたノズル110に隣接するノズル110に向けてガスを吐出し、すなわち上記同一の円の接線方向にガスを吐出する。このノズル110自体がプラズマの均一性に与える影響は限定的である。したがって、ノズル110の本数を適切に調整することにより、所望のプラズマ均一性を得ることができる。特に、プラズマ処理装置100では、ノズル110が天壁10aから垂直に延出しているため、該ノズル110がプラズマの均一性に与える影響は小さい。さらに、ノズル110が設けられている円周の外径はそのままに、ノズル110の数を最適化することにより、所望のガス導入の均一性(周方向均一性)を得ることができるので、プラズマの均一性を保持しつつ、処理ガスの導入の均一性を得ることができる。
すなわち、プラズマ処理装置100では、処理ガスをガスの特性に応じた適切な解離状態で解離させることができ、かつ、処理ガスの導入均一性及び所望のプラズマ均一性を両立させることができる。
また、プラズマ処理装置100では、天壁10aに対して設けられた部材すなわちノズル110から処理ガスを吐出するため構造が単純であり、処理ガスを吐出するための部材すなわちノズル110を冷却する機構等を簡易にすることができる。
さらに、第2のガスシャワー部22の外側に、第3のガスシャワー部23を設け、第2のガスを第3のガスシャワー部23の円環状且つ等間隔に並べられた複数のノズル130から吐出するようにしたので、第2のガスの均一性をより高めることができる。
この場合に、ノズル130はチャンバ1の側壁10bから突出するように形成されているが、ノズル130は、平面視でウェハWの外側に設けられているので、ノズル130はプラズマの均一性にほとんど影響を与えない。
さらにまた、プラズマ処理装置100は、天壁10aが、金属製の本体に、複数のマイクロ波放射機構42の誘電体窓63を嵌め込んだ構造を有しているので、第2のガスシャワー部22のノズル110を天壁10aの金属部分に溶接等により容易に接合することができる。また、天壁10aの金属部分とノズル110と一体に構成する場合にも加工が容易である。
このように、複数のマイクロ波放射機構42を用いてプラズマを空間合成することにより、各マイクロ波放射機構42から導入されるマイクロ波の位相や強度を個別に調整することができ、プラズマ分布の調整を比較的容易に行うことができ、制御性の良いプラズマ処理を行うことができる。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係るプラズマ処理装置を説明する図であり、本実施形態に係る天壁の下面図である。なお、以下では、第1の実施形態との相違点のみ説明し、第2のガスの供給形態等、第1の実施形態のものと同様の部分については説明を省略する。
本実施形態では、図に示すように、ウェハWの外側部分へ過剰解離を抑制したい処理ガスである第2のガスを吐出する第3のガスシャワー部23が、天壁10aからサセプタ11の方向へ延出するノズル150を有する。ノズル150の数は例えば12個である。12個のノズル150は、天壁10aの金属部分であって第1のガスシャワー部21より外側の部分に設けられている。より具体的には、ノズル150は、第2のガスシャワー部22より外側の部分における、マイクロ波放射機構42の誘電体窓63の間の位置に2つずつ設けられている。また、ノズル150の位置は、平面視における天壁10aの中心を中心とした同一円周上である。言い換えると、本実施形態のプラズマ処理装置は、第2のガスを吐出するものとして、同心状に設けられた複数のノズル群を有する。
また、第3のガスシャワー部23のノズル150は、不図示のガス吐出孔が形成されている。該ガス吐出孔からの第2のガスの吐出方向は、チャンバ1の平面視中心に向かう方向であってもよいし、第1の実施形態におけるノズル110からのものと同様に、隣接するノズルに向かう方向であってもよく、目標とするガスの均一性、ガス流量、プラズマの均一性等に応じて最適化される。
本実施形態においても、第2のガスの均一性をより高めることができる。
なお、ノズル150のガス吐出孔は、該ガス吐出孔から吐出されるガスの過剰解離を防止できる高さ位置に配置されていればよく、必ずしも第2のガスシャワー部22のガス吐出孔と同じ高さ位置でなくてもよい。
ノズル150の数は以上の説明では12としたがこれに限定されない。ノズル150の数は、第2のガスシャワー部22のノズル110の数よりも大きいことが好ましく、目標とするガスの均一性、ガス流量、プラズマの均一性等に応じて最適化される。ノズル150の数は、例えば、6〜64個程度の範囲に設定され、12〜32個の範囲が好ましい。
(他の適用)
本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置は、第2のガスシャワー部の複数のノズルが全て、水平から所定の角度で且つ鉛直方向下側または上側に第2のガスを吐出する形態であってもよい。
さらに、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置は、第2のガスシャワーの複数のノズルが、水平から所定の角度で且つ鉛直方向下側に吐出するノズルと、水平から所定の角度で且つ鉛直方向上側に吐出するノズルとを交互に設けられていてもよい。
以上の説明では、プラズマ処理としてSiN膜を成膜するプラズマCVDを例示した。しかし、本発明の実施の形態に係るプラズマ処理は、これに限らず、過剰解離を防ぎたいガスと高エネルギーで解離させたいガスとを含むガスによるプラズマ処理であれば適用可能であり、SiCN膜、CF膜、BN膜、SiO膜、SiON膜等の成膜や、成膜処理以外のエッチング処理等にも適用可能である。
また、以上の例では、SiN膜の成膜のために、第1のガスとしてArガスと窒化ガス(NガスまたはNHガス)を導入し、第2のガスとしてSiHガスを導入していた。しかし、本発明の実施の形態においては、第1のガスとしてNのみを導入したり、Oのみを導入したりしてもよく、第2のガスとして、SiHガスとHガスを導入したり、これらに加えてCガスを導入したり、SiHガスとCガスを導入したりしてもよい。
さらにまた、被処理体は半導体ウェハに限定されず、LCD(液晶ディスプレイ)用基板に代表されるFPD(フラットパネルディスプレイ)基板や、セラミックス基板等の他の基板であってもよい。
本発明は被処理体をプラズマ処理する技術に有用である。
100…プラズマ処理装置
1…チャンバ
2…マイクロ波プラズマ源
3…全体制御部
10a…天壁
10b…側壁
11…サセプタ
110…ノズル
112…ガス吐出孔
130、150…ノズル
134…ガス吐出孔
143…ガス吐出孔
21…第1のガスシャワー部
22…第2のガスシャワー部
23…第3のガスシャワー部
63…誘電体窓
81…第1のガス供給部
82…第2のガス供給部

Claims (7)

  1. チャンバと、
    該チャンバ内で被処理体を載置する載置台と、
    前記チャンバの天壁を介して前記チャンバ内にマイクロ波を導入し、前記チャンバ内に表面波プラズマを生成するプラズマ源と、
    前記天壁から第1のガスを前記チャンバ内に供給する第1のガス導入部と、
    前記天壁と前記載置台との間の所定高さから第2のガスを前記チャンバ内に導入する第2のガス導入部と、
    を備え、
    前記第2のガス導入部は、
    前記天壁から前記載置台の方向へ延出し、同一円周上に等間隔で配された複数のノズルを有し、
    前記複数のノズルはそれぞれ、円周方向に隣接する前記ノズルに向けて前記第2のガスを吐出することを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記天壁は、マイクロ波を透過させるための誘電体窓と、該誘電体窓が装着される金属部分とを有し、
    前記第1のガス導入部は、前記金属部分に形成され、
    前記ノズルは、前記金属部分における前記第1のガス導入部が形成されていない部分に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記誘電体窓は、前記天壁の中央に設けられた中央誘電体窓と、該中央誘電体窓を中心とした同一円周上に等間隔で配された周囲誘電体窓とを有し、
    前記複数のノズルはそれぞれ、前記中央誘電体窓と前記周囲誘電体窓との間に向けて前記第2のガスを吐出することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記複数のノズルはそれぞれ、水平から所定の角度で且つ鉛直方向下側または上側に前記第2のガスを吐出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記ノズルは、水平から所定の角度で且つ鉛直方向下側に吐出するものと水平から所定の角度で且つ鉛直方向上側に吐出するものが交互に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記第2のガス導入部の外側領域に設けられ、前記第2のガスを前記チャンバに導入する第3のガス導入部をさらに備え、
    該第3のガス導入部は、同一円周上に等間隔で並べられた別の複数のノズルを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記第2のガス導入部の前記複数のノズルはそれぞれ、当該複数のノズルが配された円の、当該ノズルの位置における接線方向に、前記第2のガスを吐出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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