以下、図を参照しながら、この発明の電話システムの実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、この発明を例えば会社などの構内に構築されるビジネスホンシステムに適用した場合を例にして説明する。
[第1の実施の形態]
[第1の実施の形態の電話システムの構成例]
図1は、第1の実施形態の電話システム10の全体構成例を示すブロック図である。図1に示すように、電話システム10では、上位装置の例としての主装置1に対して、内線電話装置として、複数のコードレス電話装置21,22,・・・,2n(nは2以上の整数。以下同じ)が接続されている。コードレス電話装置21〜2nのそれぞれは、親機としてのベースセットBS1,BS2,・・・,BSnのそれぞれと、子機としてのハンドセットHS1,HS2,・・・,HSnのそれぞれとからなる。親機BS1〜BSnのそれぞれと、子機HS1〜HSnのそれぞれとは、無線接続される。
なお、親機BS1〜BSnのそれぞれに対しては、複数の子機を無線接続することも可能であるが、この例では、1台の親機に対して、1台の子機が接続される構成とされている。また、図示は省略するが、主装置1に接続される内線電話装置としては、コードレス電話装置21,22,・・・,2nのみではなく、通常のビジネスホンと同様に、デジタルボタン電話端末も接続できる。
コードレス電話装置21〜2nの親機BS1〜BSnのそれぞれと、子機HS1〜HSnのそれぞれとの間の無線接続は、前述したデジタルコードレス電話のDECT規格(方式)を用いたTDMA/TDD方式により行うようにしている。
主装置1は、1又は複数の電話回線L1〜Lm(mは2以上の整数)を収容可能である。そして、コードレス電話装置21〜2nのそれぞれの親機BS1〜BSnが、この主装置1に接続されている。図1の例では、親機BS1〜BSnと主装置1とは有線で接続されているが、無線であってもよい。
主装置1は、複数のコードレス電話装置21〜2nについての呼制御及び回線交換制御、その他のビジネスホンとしての制御を行うと共に、基準同期信号SYNCを複数のコードレス電話装置21〜2nのそれぞれに供給する機能を備えている。基準同期信号SYNCは、通常、1040ms周期か、あるいは、130ms周期の信号が用いられる。
コードレス電話装置21〜2nの親機BS1〜BSnのそれぞれは、同期信号生成部432を備え、主装置1からの基準同期信号SYNCに同期して、図16を用いて説明したように、3種類の同期信号を生成する。具体的には、800ms周期の第1のマルチフレーム同期信号と、160ms周期の第2のマルチフレーム同期信号と、10ms周期のフレーム同期信号とである。
そして、コードレス電話装置21〜2nの親機BS1〜BSnのそれぞれは、生成した第1、第2のマルチフレーム同期信号及びフレーム同期信号に基づいて、DECT規格を用いたTDMA/TDD方式の無線通信を子機HS1〜HSnとの間で実行する。しかし、フレーム同期信号は、10ms周期の信号であるため、主装置1からの基準同期信号SYNCが、1040ms周期であっても、あるいは、130ms周期であっても、それらを分周することにより簡単かつ迅速に生成できる。したがって、フレーム同期信号については、コードレス電話装置21〜2n間において同期が合ったものとなる。
これに対して、第1、第2のマルチフレーム同期信号は、800ms周期と、160ms周期である。このため、主装置1からの基準同期信号SYNCを単純に分周あるいは逓倍して生成することができず、生成には短時間であるがある程度の時間を要する。したがって、親機の電源の投入タイミングによって、第1、第2のマルチフレーム周期の同期は、各親機間でずれる。このため、子機が移動するなどして通信をする親機を変えるハンドオーバー時においては、新たに通信を行う親機との間で、同期信号の同期を取りなおさなければならない。
このハンドオーバー時において、同期信号の同期の取り直しのために、子機を用いて通話中であれば、通話音声が一時途切れるなどの通話音声の劣化を生じさせる場合があると考えられる。通話音声の途切れが一時的なものであっても、そのような状況を生じさせないようにしたい。そこで、上述したように、各コードレス電話装置間で同期がずれるのは、第1、第2のマルチフレーム同期信号であり、10ms周期のフレーム同期信号の同期は、各親機間で必ず合っている点に着目する。
具体的には、親機BS1〜BSnのそれぞれにおいては、例えば電源の投入時において、他の親機から送信された信号を受信し、自機から送出する信号と、第1のマルチフレーム同期信号が、フレーム周期で何周期分ずれているのかを検出する。当該検出機能は、各親機のTDMA変復調部442が実現する。さらに、TDMA変復調部442は、同期信号生成部432を制御し、第1のマルチフレーム同期信号のタイミング制御を行い、他の親機との間における第1のマルチフレーム同期信号の同期合わせを行う。
なお、第1のマルチフレーム同期信号は800ms周期の信号であり、第2のマルチフレーム同期信号の160ms周期の5逓倍である。このため、各親機間において、第1のマルチフレーム同期信号の同期が合えば、第2のマルチフレーム同期信号の同期も合わせることができる。
また、親機BS1〜BSnのそれぞれが、異なる他の親機との間で同期を合わせても、それら他の親機の同期が合わせられていない場合には、全てのコードレス電話装置の親機間で第1、第2のマルチフレーム同期信号の同期を合わせることができない。このため、親機BS1〜BSnの内の1つをマスター親機として、このマスター親機との間で、他の親機は第1、第2のマルチフレーム同期信号の同期を合わせる必要がある。あるいは、各親機は、既に同期が合わせられた親機をマスター親機として特定し、この特定したマスター親機との間で、第1、第2のマルチフレーム同期信号の同期合わせを行う必要がある。
第1の実施の形態の電話システムでは、1台ずつ順番に親機の電源を投入するようにし、1台ずつ近隣の親機をマスター親機として特定して、第1、第2のマルチフレーム同期信号の同期合わせを行う。したがって、マスター親機は、親機ごとに異なる可能性があるが、自己よりも前に電源が投入された親機は、既に第1、第2のマルチフレーム同期信号の同期が合わせられているために、マスター親機として機能することができる。
次に、図1を用いて上述した第1の実施の形態の電話システムを構成する各装置について、その構成例と動作について具体的に説明する。
[主装置1の構成例]
図2は、第1の実施の形態の主装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、主装置1は、電話回線L1〜Lmが接続される回線インターフェース11と、コンピュータを搭載して、主装置1の全体を制御するための制御回路12と、回線LSI(Large Scale Integrated Circuit)部13と、基準発振器14とを備えて構成されている。
回線インターフェース11は、制御回路12からの制御により、回線L1〜Lmからの音声信号(受話音声信号)は、回線LSI部13に供給し、回線からの呼制御信号などの制御信号は、制御回路12に供給する。また、回線インターフェース11は、制御回路12からの制御により、回線LSI部13からの音声信号(送話音声信号)は、回線L1〜Lmを通じて相手方に送信し、制御回路12からの呼制御信号などの制御信号も、回線L1〜Lmを通じて相手方に送信する。
回線LSI部13は、n個の内線電話装置に対応して、n個の内線処理回路131,132,・・・,13nと、タイミング信号生成部130を備える。タイミング信号生成部130には、水晶振動子を用いた高精度の基準発振器14からの基準クロック信号から伝送用クロック信号CK及び多重化/分割化用タイミング信号TMを生成し、n個の内線処理回路131〜13nに供給する。
n個の内線処理回路131〜13nは、全く同一の構成を備えるもので、それぞれ、音声信号処理部31と、制御信号処理部32と、同期信号処理部33と、多重化/分割化処理部34とからなる。
音声信号処理部31は、回線インターフェース11に接続されると共に、多重化/分割化処理部34に接続されている。音声信号処理部31は、回線インターフェース11からの受話音声信号及び多重化/分割化処理部34からの送話音声信号の処理回路である。この音声信号処理部31には、タイミング信号生成部130からの伝送用クロック信号CKが供給されている。
制御信号処理部32は、制御回路12の制御信号入出力端に接続されると共に、多重化/分割化処理部34に接続されている。制御信号処理部32は、発信時及び着信時、また、終話時などにおける呼制御信号などの制御信号(主装置1からコードレス電話装置への制御信号と、コードレス電話装置から主装置1への制御信号の両方)の処理回路である。この制御信号処理部32にも、タイミング信号生成部130からの伝送用クロック信号CKが供給されている。
同期信号処理部33は、制御回路12の同期信号出力端に接続されると共に、多重化/分割化処理部34に接続されている。同期信号処理部33は、制御回路12からの所定の同期信号パターンを有する1040ms周期あるいは130ms周期の基準同期信号SYNCの処理回路である。この同期信号処理部33にも、同様に、タイミング信号生成部130からの伝送用クロック信号CKが供給されている。
多重化/分割化処理部34は、音声信号処理部31、制御信号処理部32、同期信号処理部33に接続されると共に、コードレス電話装置21〜2nの親機BS1〜BSnのそれぞれに接続される。多重化/分割化処理部34は、タイミング信号生成部130からのタイミング信号TMに基づいて、多重化処理や分割化処理を行う。
具体的に、多重化/分割化処理部34は、音声信号処理部31からの音声信号と、制御信号処理部32からの制御信号と、同期信号処理部33からの基準同期信号SYNCとを多重化(時分割多重)して多重化信号を生成する。多重化/分割化処理部34は、その生成した多重化信号を親機BS1〜BSnのそれぞれに供給する。また、多重化/分割化処理部34は、親機BS1〜BSnのそれぞれからの多重化信号を音声信号と制御信号とに分割して、音声信号は音声信号処理部31に、制御信号は制御信号処理部32に、それぞれ供給する。
なお、図示しないが、主装置1には、アドレス管理部も接続されている。アドレス管理部は、主装置1に接続されているコードレス電話装置21〜2nの内線番号と内線処理回路131〜13nのそれぞれとの対応を記憶管理する。この実施形態の電話システム10においては、主装置1にコードレス電話装置21〜2nのいずれかが接続された時に、そのコードレス電話装置の親機は、主装置1に対して接続要求を送る。
主装置1は、そのコードレス電話装置の親機からの接続要求を制御信号として受けた内線処理回路が内線処理回路131〜13nの内のいずれであるかを検知することにより、コードレス電話装置が接続された内線処理回路を検知する。そして、制御回路12は、設置工事者や管理者等により設定された内線番号、あるいは自動的に設定された内線番号と、コードレス電話装置が接続された内線処理回路の識別情報とを対応付けてアドレス管理部に登録する。
このアドレス管理部の情報に基づいて、主装置1に接続されたコードレス電話装置の動作状況などを適切に把握することができると共に、主装置1に接続されたコードレス電話装置のそれぞれを適切に制御できる。すなわち、主装置1は、自機に接続されたコードレス電話装置などの配下の電話装置の呼制御を適切に行うことができる。
[コードレス電話装置の構成例]
次に、主装置1に接続されるコードレス電話装置21〜2nについて説明する。複数個のコードレス電話装置21〜2nの親機BS1〜BSn及び子機HS1〜HSnのそれぞれは、全て同じ構成を備える。そこで、以下の説明では、コードレス電話装置21の親機BS1及び子機HS1の場合を例にとって、親機及び子機の構成例を説明する。
<親機の構成例>
図3は、親機BS1の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、親機BS1は、親機BS1の全体を制御するための制御回路41と、回線LSI部42と、同期信号発生回路43と、無線通信回路44と、発振器45及び46とを備えて構成されている。
制御回路41は、コンピュータを搭載して構成されている。そして、制御回路41は、この親機BS1における呼制御などの制御を行う機能を備える。回線LSI部42は、主装置1との間で音声信号、制御信号及び同期信号のやり取りをするための回路である。回線LSI部42は、分割化/多重化処理部421と、制御信号処理部422と、音声信号処理部423と、同期信号検出部424と、PLL(Phase locked Loop)部425とからなる。
PLL部425には、発振器45からの基準周波数の発振信号が供給されると共に、主装置1からの多重化信号が供給される。この例では、発振器45の発振信号の周波数は、例えば2048MHz(0.488ナノ秒(ns))とされている。
PLL部425は、主装置1からの多重化信号から、いわゆるセルフクロッキングにより、主装置1のタイミング信号生成部からのクロック信号CKの成分を抽出し、その抽出したクロック信号CK成分と発振器45からの発振信号とを位相比較して、その比較結果に基づいて、発振器45の発振信号から、クロック信号CK成分に同期する、例えば2MHzの親機BS1のシステムクロック信号SCKを生成する。
そして、PLL部425は、生成したシステムクロック信号SCKを分割化/多重化処理部421、制御信号処理部422、音声信号処理部423、同期信号検出部424のそれぞれに、信号処理用クロック信号として供給する。また、PLL部425は、生成したシステムクロック信号SCKを、同期信号発生回路43にも供給する。
分割化/多重化処理部421は、主装置1に接続されると共に、制御信号処理部422、音声信号処理部423、同期信号検出部424に接続される。そして、分割化/多重化処理部421は、主装置1からの多重化信号から制御信号と音声信号と基準同期信号SYNCを分割(分離)する。そして、分割化/多重化処理部421は、制御信号は制御信号処理部422に、音声信号は音声信号処理部423に、基準同期信号SYNCは同期信号検出部424に、それぞれ供給する。
また、分割化/多重化処理部421は、制御信号処理部422からの制御信号と、音声信号処理部423からの音声信号とを多重化して多重化信号を生成し、その生成した多重化信号を主装置1に供給する。
制御信号処理部422は、制御回路41の制御信号入出力端に接続されると共に、分割化/多重化処理部421に接続されている。制御信号処理部422は、発信時及び着信時、また、終話時などにおける呼制御信号などの制御信号(主装置1からコードレス電話装置21への制御信号と、コードレス電話装置21から主装置1への制御信号の両方)の処理回路である。
音声信号処理部423は、無線通信回路44に接続されると共に、分割化/多重化処理部421に接続されており、無線通信回路44からの子機HS1から受信した送話音声信号及び分割化/多重化処理部421からの受話音声信号の処理回路である。
同期信号検出部424は、分割化/多重化処理部421からの基準同期信号SYNCを受けて、当該基準同期信号SYNCが備える所定の同期信号パターンを検出することで、その検出時点の信号として、基準同期信号SYNCと同期する、基準同期信号SYNCと同一周期の基準同期パルスPSを発生する。そして、同期信号検出部424は、発生した基準同期パルスPSを同期信号発生回路43に供給する。この基準同期パルスPSが、1040ms周期あるいは130ms周期の信号である。
同期信号発生回路43は、カウンタ431と、同期信号生成部432とからなる。カウンタ431には、回線LSI部42の同期信号検出部424からの基準同期パルスPSがプリセット端子PREに供給されると共に、PLL部425からのシステムクロック信号SCKがカウント入力として供給される。そして、このカウンタ431の出力カウント値CNTが同期信号生成部432に供給される。
同期信号生成部432は、カウンタ431の出力カウント値CNTから、DECT規格の800msの第1のマルチフレーム同期信号MF1と、160msの第2のマルチフレーム同期信号MF2と、10msのフレーム同期信号FLとを生成する。同期信号発生回路43は、同期信号生成部432で生成した第1のマルチフレーム同期信号MF1と、第2のマルチフレーム同期信号FL2と、フレーム同期信号FLとを無線通信回路44に供給する。
また、同期信号生成部432は、無線通信回路44からのパルス信号PXによって、第1のマルチフレーム同期信号MF1と第2のマルチフレーム同期信号MF2との開始タイミングを、フレーム単位(10ms単位)に修正することができるものである。無線通信回路44からのパルス信号PXは、何フレーム分、同期信号の開始タイミングをずらすのかを指示するものとなる。
次に、無線通信回路44について説明する。無線通信回路44は、制御部441と、TDMA変復調部442と、無線通信部443とを備えて構成されている。無線通信部443は、子機HS1との間で、無線通信を行うための回路部である。
制御部441は、TDMA変復調部442及び無線通信部443に接続されると共に、制御回路41に接続されている。制御部441は、この無線通信回路44の全体の動作を制御すると共に、制御回路41から得た制御信号に基づく制御信号をTDMA変復調部442に供給する。
TDMA変復調部442は、制御部441及び回線LSI部42の音声信号処理部423に接続されると共に、無線通信部443に接続されており、制御部441からの制御信号と音声信号処理部423からの音声信号を子機HS1に送信するために変調を行う。このTDMA変復調部442で変調された信号は、無線通信部443を通じて子機HS1に送信される。
また、TDMA変復調部442は、無線通信部443で受信された子機HS1からの受信信号から、音声信号及び制御信号を復調し、復調した音声信号は音声信号処理部423に供給し、復調した制御信号は、制御部441に供給する。
そして、TDMA変復調部442は、クロック生成用のPLL部4421を備える。このPLL部4421には、発振器46からの発振信号が供給されると共に、同期信号発生回路43からの第1のマルチフレーム同期信号MF1、第2のマルチフレーム同期信号MF2、フレーム同期信号FLが供給される。
PLL部4421は、同期信号発生回路43からの第1のマルチフレーム同期信号MF1、第2のマルチフレーム同期信号MF2、フレーム同期信号FLと発振器46からの発振信号とを位相比較する。PLL部4421は、該比較結果に基づいて、発振器46の発振信号から、第1のマルチフレーム同期信号MF1、第2のマルチフレーム同期信号MF2、フレーム同期信号FLのそれぞれに同期するタイミング信号及びクロック信号を生成する。すなわち、PLL部4421は、第1のマルチフレーム同期信号MF1に同期する第1のタイミング信号と、第2のマルチフレーム同期信号MF2に同期する第2のタイミング信号と、フレーム同期信号FLに同期する第3のタイミング信号を生成する。
TDMA変復調部442は、第2のマルチフレーム同期信号MF2に同期する第2のタイミング信号とクロック信号とを用いて、160ms周期ごとに、4種類の制御情報を順番に送信するようにする。また、TDMA変復調部442は、4種類の制御情報を送信し終えたら、160ms周期空けて再度、4種類の制御情報を順番に送信するというように、160ms周期の5逓倍の800ms周期ごとに、4種類の制御情報の送信を繰り返すようにする。
そして、TDMA変復調部442は、フレーム同期信号FLに同期するタイミング信号及びクロック信号を用いて、割り当て使用可能となるダウンリンクでのスロットの一つに相当する期間で子機HS1への送信信号を生成すると共に、アップリンクでのスロットの一つを用いて、子機HS1からの受信信号の処理を行うようにする。
なお、親機BS1は、主装置1に接続されて、前述したように、子機HS1との通信のための同期処理を開始し、常に、子機HS1に対して送信信号を送る。そして、親機BS1の無線通信回路44の制御部441は、TDMA変復調部442で生成した送信信号を、自親機に設定された一つのスロットを用いて、無線通信部443を通じて子機HS1におくる。この時に、制御部441は、当該子機HS1から応答が返って来たら、送信信号を送信するために用いたスロットをダウンリンク用とし、子機HS1からの応答を受信したスロットをアップリンク用として同期を確立して、送受信を行うように制御する。
さらに、親機BS1においては、子機が持ち歩かれるなどして、接続先の親機を変更するハンドオーバー時の通話音声の劣化を防止するため、電源が投入されたタイミングで、他の親機との間で同期信号の同期を合わせる処理を行う。このため、各親機は、カウンタ4422において、第1のマルチフレーム同期信号MF1のタイミングでリセットされ、その後においてはフレーム同期信号FLのタイミングでインクリメントされるマルチフレーム番号を、各フレームの自機が用いるスロットの例えば空き領域に付加して送信するように処理する。また、各親機から送信される送信信号には、送信元を示す識別ID(端末ID)が付加されている。
各親機は、電源の投入時において、近隣の1以上の他の親機から子機に向けて送信される送信信号を受信する。そして、キャリアセンス部4423が、受信した1以上の送信信号のそれぞれに含まれる識別IDを検出すると共に、各送信信号の電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を測定するキャリアセンス処理を行う。このキャリアセンス処理により、最も電波強度の高い送信信号を送信している親機をマスター親機として特定し、自機はスレーブ親機となる。すなわち、特定したマスター親機の識別IDを含む送信信号を、スレーブ親機での処理対象として特定する。
スレーブ親機は、特定したマスター親機からの送信信号を受信し、比較部4424が機能して、マスター親機から受信した信号のマルチフレーム番号と、自機から送信する信号に付加するマルチフレーム番号とを比較して、10ms単位の位相ずれを計算する。この例において、比較部4424は、マスター親機の第1のマルチフレーム同期信号MF2に対する遅延量として、10ms単位の位相ずれを計算する。すなわち、各親機間では、10ms周期のフレーム同期信号FLの同期はあっているので、フレーム同期信号FLのタイミングでマルチフレーム番号を比較すれば、10ms単位のずれ量が把握でき、10ms単位の位相ずれが計算できるのである。
比較部4424は、計算して求めた位相ずれを示す情報を調整部4425に供給する。調整部4425は、比較部4424からの位相ずれを示す情報に基づいて、同期調整用のパルス信号PXを生成し、これを同期信号発生回路43の同期信号生成部432に供給する。比較部4424からの位相ずれを示す情報は、例えば、20ms、30msというように、10ms単位の遅延量である。このため、調整部4425は、位相ずれが20msであれば、2周期分のパルス信号PXを生成し、位相ずれが30msであれば、3周期分のパルス信号PXを生成する。
当該パルス信号PXの供給を受ける同期信号生成部432は、第1のマルチフレーム同期信号MF1と、第2のマルチフレーム同期信号MF2と、フレーム同期信号FLの発生タイミングを、パルス信号PXに応じたフレーム分、発生タイミングを早める。すなわち、パルス信号PXが、2周期分の信号である場合には、2フレーム分(20ms分)、生成する同期信号の位相を早め、パルス信号PXが、3周期分の信号である場合には、3フレーム分(30ms分)、生成する同期信号の位相を早める。
これにより、マスター親機と自機(スレーブ親機)との間において、第1のマルチフレーム同期信号MF1同士、第2のマルチフレーム同期信号MF2同士、フレーム同期信号FL同士の同期を合わせることができる。同時に、各親機において、第1のマルチフレーム同期信号MF1と第2のマルチフレーム同期信号MF2とフレーム同期信号FLとの初期位相を合わせることができる。
図4は、第1の実施のコードレス電話装置で用いられる親機間での同期信号の同期合わせ処理を説明するためのタイミングチャートである。図4(A)は、キャリアセンス部4423によるキャリアセンス処理により特定したマスター親機からの送信信号に含まれる800msの第1のマルチフレーム同期信号MF1(M)を示している。また、図4(B)は、当該マスター親機からの送信信号のフレームごとに付加されるマルチフレーム番号(図4ではMF番号(M)と記載。)であり、カウンタ4422においてカウントされる値である。なお、カッコ付記号(M)は、マスター親機の同期信号、マスター親機のマルチフレーム番号であることを示している。
図4(A)、(B)に示したように、マルチフレーム番号は、800ms周期の第1のマルチフレーム同期信号MF1(M)でリセットされ、10ms周期のフレーム同期信号FLのタイミングでインクリメントされて、各フレームに付加されるものである。したがって、この例の場合、マルチフレーム番号は、第1のマルチフレーム同期信号MF1(M)が示す区間において、0〜79までの値が、フレームごとに1ずつ変化するものとなる。
図4(C)は、キャリアセンス処理を行ったスレーブ親機BS1から送信する送信信号に含まれる800msの第1のマルチフレーム同期信号MF1(S)を示している。また、図4(D)は、当該スレーブ親機BS1からの送信信号のフレームごとに付加されるマルチフレーム番号(図4ではMF番号(S)と記載。)であり、カウンタ4422においてカウントされる値である。なお、カッコ付記号(S)は、スレーブ親機の同期信号、スレーブ親機のマルチフレーム番号であることを示している。
スレーブ親機BS1においても、マルチフレーム番号は、800ms周期の第1のマルチフレーム同期信号MF1(S)でリセットされ、10ms周期のフレーム同期信号FLのタイミングでインクリメントされて、各フレームに付加されるものである。したがって、スレーブ親機BS1においても、マルチフレーム番号は、第1のマルチフレーム同期信号MF1(S)が示す区間において、0〜79までの値が、フレームごとに1ずつ変化するものとなる。
そして、スレーブ親機BS1の比較部4424において、マスター親機から受信した信号と自機から送信する信号との間で、フレーム同期信号FLに同期する各フレームに付加されているマルチフレーム番号が比較される。例えば、図4に示すように、マスター親機から受信した信号の各フレームに付加されているマルチフレーム番号(図4(B))に対して、スレーブ親機BS1において各フレームに付加するフレーム番号(図4(D))が2フレーム分遅れていたとする。この場合、比較部4424から調整部4425に、20msの遅れが通知される。
この場合、調整部4425が機能し、図4(D)と図4(E)との間の下向き矢印近傍に示したように、2周期分のパルス信号PXを生成し、これを同期信号生成部432に供給する。同期信号生成部432は、当該パルス信号PXに基づいて、再起動を行う。具体的に、この例の場合、同期信号生成部432は、2フレーム分(20ms分)生成タイミングを早めて、第1のマルチフレーム同期信号MF1(S)と、第2のマルチフレーム同期信号MF2(S)とフレーム同期信号FLを生成し直す。
図4(E)は、スレーブ親機BS1の再起動された同期信号生成部432からの800msの第1のマルチフレーム同期信号MF1(S)を示している。また、図4(F)は、当該スレーブ親機BS1からの送信信号のフレームごとに付加されるマルチフレーム番号(図4ではMF番号(S)と記載。)であり、カウンタ4422においてカウントされる値である。
そして、同期信号生成部432の再起動後においては、図4(A)のマスター親機の第1のマルチフレーム同期信号MF1(M)と、図4(E)の当該スレーブ親機BS1のマルチフレーム同期信号MF1(S)との同期が合わせられる。これにより、図4(B)のマスター親機の信号の各フレームのマルチフレーム番号と、図4(F)の当該スレーブ親機BS1から送信する信号の各フレームに付加するマルチフレーム番号とも、対応するフレーム間で一致したものとなる。
また、図16を用いて説明したように、800ms周期の第1のマルチフレーム同期信号MF1と、160ms周期の第2のマルチフレーム同期信号MF2と、フレーム同期信号FLとは、初期位相が一致するようにして生成される。このため、親機間において第1のマルチフレーム同期信号MF1の同期が合えば、親機間において第2のマルチフレーム同期信号MF2の同期も、フレーム同期信号FLの同期も合うことになる。
<子機の構成例>
図5は、子機HS1の構成例を示すブロック図である。この図5に示すように、子機HS1は、無線通信回路51と、制御回路52と、コーデック回路53と、発振器54と、マイクロホン55と、スピーカ56とを備えて構成されている。マイクロホン55は送話器を構成し、スピーカ56は受話器を構成する。
無線通信回路51は、DECT規格の無線通信を行うための汎用の子機用無線通信LSIを用いている。この無線通信回路51は、制御部511と、TDMA変復調部512と、無線通信部513とを備えて構成されている。無線通信部513は、親機BS1との間で、無線通信を行うための回路部である。
制御部511は、TDMA変復調部512及び無線通信部513に接続されると共に、制御回路52に接続されている。制御部511は、この無線通信回路51の全体の動作を制御すると共に、制御回路52から得た制御信号に基づく制御信号をTDMA変復調部512に供給する。
TDMA変復調部512は、制御部511及び無線通信部513に接続されると共に、コーデック回路53と接続されており、制御部511からの制御信号とコーデック回路53からの音声信号を親機BS1に送信するために変調を行う。このTDMA変復調部512で変調された信号は、無線通信部513を通じて親機BS1に送信される。
また、TDMA変復調部512は、無線通信部513で受信された親機BS1からの受信信号から、音声信号及び制御信号を復調し、復調した音声信号はコーデック回路53に供給し、復調した制御信号は、制御部511に供給する。
そして、TDMA変復調部512は、クロック生成用のPLL部5121を備える。このPLL部5121には、発振器54からの発振信号が供給されると共に、無線通信部513からの受信信号の復調信号が供給され、このPLL部5121からは、発振器54からの発振信号から、受信信号の復調信号のクロック成分に同期したクロック信号が生成される。このPLL部5121からのクロック信号は、TDMA変復調部512における処理用クロック信号とされる。
また、PLL部5121は、受信信号の復調信号に含まれる第1のマルチフレーム同期信号MF1、第2のマルチフレーム同期信号MF2、フレーム同期信号FLを再生し、利用可能にする。これにより、フレームごとに使用しているスロットを特定して、音声信号の送受を可能にすると共に、親機BS1からの制御情報については、第2のマルチフレーム同期信号MF2のタイミングで間欠的に動作して受信するといったマルチフレーム処理を可能にする。
コーデック回路53は、TDMA変復調部512で復調された音声信号を復号して、アナログ音声信号に変換し、そのアナログ音声信号をスピーカ56に供給して、受話音声として放音する。また、コーデック回路53は、マイクロホン55で収音したアナログ音声信号を符号化して、TDMA変復調部512に供給するようにする。
なお、制御回路52は、この子機HS1からの発呼時には、発呼時の呼制御信号を無線通信回路51を通じて親機BS1に送信し、また、親機BS1からの着信時の呼制御信号を受けた時には、着信音をスピーカ56から放音するなどの処理を行う。
以上の説明は、コードレス電話装置21の親機BS1及び子機HS1についての説明であるが、前述したように、その他のコードレス電話装置22〜2nの親機BS2〜BSn及び子機HS2〜HSnについても同様の構成を有するものである。
そして、上述したように、各親機間では、親機と子機との間で通信を行う場合に用いる第1のマルチフレーム同期信号MF1、第2のマルチフレーム同期信号MF2、フレーム同期信号FLの同期が合うようにする同期合わせ処理が行われる。これにより、使用者が子機を持ち歩くことにより、接続先の親機が変わるいわゆるハンドオーバーが発生しても、再度の同期合わせを行う必要はない。このため、子機を用いて通話しながら移動することにより、接続先の親機が変わっても、通話音声が一時的に途切れるといった不都合を生じさせることもない。
[親機の処理のまとめ]
図6は、第1の実施の形態の電話システムで用いられるコードレス電話装置21〜2nの親機BS1〜BSnで行われるマスター親機との間での同期信号の同期合わせ処理について説明するためのフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、親機BS1〜BSnのそれぞれにおいて、電源の立ち上げ時において行われるものであり、その後においては、電源が落とされない限り行う必要はない。また、必要に応じて、使用者が手動で実行することも可能である。ここでも説明を簡単にするため、親機BS1の動作として説明するが、他の親機BS2〜BSnでも同様に行われる。
電源が投入された親機BS1では、制御回路41の制御の下、各部が動作を開始し、上述したように、主装置1との間で通信を行うようにし、主装置1からの基準同期信号SYNCに基づいて、同期信号を生成して、子機との間でも通信を行うようにする。そして、制御回路41及び制御部441の制御の下、TDMA変復調部442のキャリアセンス部4423が機能し、キャリアセンス処理を実行する(ステップS101)。キャリアセンス部4423は、ステップS101のキャリアセンス処理の結果に基づき、自機の周辺に信号を送信している他の親機が存在するか否か、換言すれば他の親機からの信号を受信したか否かを判別する(ステップS102)。
ステップS102の判別処理において、自機の周辺に信号を送信している他の親機が存在しないと判別したとする。この場合、自機が最初に電源が投入された親機であり、親機間での同期信号の同期合わせの必要はない。このため、キャリアセンス部4423は、他に親機が存在しないことを制御部441に通知し、制御部441の制御の下、この図6のフローチャートに示す処理を終了し、主装置1及び子機HS1との通信を行うようにする。
ステップS102の判別処理において、自機の周辺に信号を送信している他の親機が存在すると判別したとする。この場合、キャリアセンス部4423は、自機が受信している親機からの信号の内、一番電波強度の高い信号を送信している他の親機をマスター親機として特定して、特定したマスター親機の識別IDを制御部441に通知する(ステップS103)。制御部441は、当該通知に基づき、TDMA変復調部442を制御して、マスター親機として特定した親機の識別IDを含む信号を受信して処理対象にする(ステップS104)。
この後、比較部4424が、受信したマスター親機からの信号のフレーム単位に付加されているマルチフレーム番号と、自機から送信する信号のフレーム単位に付加するマルチフレーム番号とを比較して、位相ずれを計算する(ステップS105)。そして、比較部4424は、位相ずれが発生しているか否かを判別する(ステップS106)。ステップS106の判別処理において、位相ずれが発生していないと判別したとする。この場合、同期信号の同期合わせをする必要はないので、比較部4424は、位相ずれが発生していないことを制御部441に通知し、制御部441の制御の下この図6のフローチャートに示す処理を終了する。
また、ステップS106の判別処理において、位相ずれが発生していると判別したとする。この場合、比較部4424は、位相ずれが発生していることを調整部4425に通知するので、調整部4425は、位相ずれに応じたパルス信号PXを形成し、これを同期信号生成部432に供給する(ステップS107)。比較部4424からの位相ずれが発生していることの通知は、例えば、「20ms」、「30ms」というように、10ms単位の遅延量として通知される。このため、調整部4425は、例えば、位相ずれが「20ms」であれば、2周期分のパルス信号を形成し、これを同期信号生成部432に通知する。
なお、例えば、2周期分のパルス信号は、簡単には、ローレベル→ハイレベル→ローレベル→ハイレベルと変化する信号であり、ハイレベルとなる期間が2回あるパルス信号である。もちろん、ハイレベル→ローレベル→ハイレベル→ローレベルと変化する信号であってもよい。これにより、パルス信号PXのハイレベルとなる期間の数が2つであれば、20msの遅延と簡単に把握できる。
そして、同期信号生成部432は、調整部4425からのパルス信号PXに応じて決まる位相ずれ量(この例では10ms単位の遅延量)に応じた分だけ、同期信号の生成タイミングを早めるようにし、再起動を行うようにする(ステップS108)。そして、この図6に示す処理を終了する。これにより、この図6に示す処理を実行した親機では、キャリアセンス処理により特定したマスター親機との間において、対応する同期信号同士の同期合わせを行うことができる。
そして、第1の実施の形態の電話システムの場合には、コードレス電話装置21〜2nの親機BS1〜BSnについて1台ずつ電源を投入していくことにより、同期信号の同期が合わせられた親機をマスター親機として特定して同期合わせを行うようにする。図7は、第1の実施の形態の電話システムで用いられるコードレス電話装置の親機間での同期信号の同期合わせについて説明するための図である。
図7において、円で示したエリアAR1、AR2、AR3、AR4、…は、対応する親機BS1、BS2、BS3、BS4、…の通信可能エリアである。図7(A)に示すように、各親機BS1、BS2、BS3、BS4、…を、これらの親機の通信可能エリアAR1、AR2、AR3、AR4、…が重複し、近隣の親機同士でも通信ができるように設置する。図7(A)に示した例では、親機BS1と親機BS2が、親機BS2と親機BS3が、親機BS3と親機BS4が、直接に信号の送受信を行うことができるように設置されている。
そして、この例では、親機BS1→親機BS2→親機BS3→親機BS4…というように、1台ずつ順番に電源を投入して、この電源が投入された親機がスレーブ親機となって、図6に示す処理を実行し、マスター親機との間で同期信号の同期合わせを行う。具体的に、まず親機BS1に電源を投入し、キャリアセンス処理を実行すると、図7(B)に示すように、他に親機は存在しない。このため、同期信号の同期合わせを行う必要はないので、親機BS1では、同期信号の同期合わせ処理は終了する。
次に、親機BS2の電源を投入し、キャリアセンス処理を実行すると、図7(B)に示すように、他の親機として親機BS1が存在する。このため、親機BS2は、親機BS1をマスター親機として、このマスター親機BS1との間で同期信号の同期合わせ処理を行う。
次に、親機BS3の電源を投入し、キャリアセンス処理を実行すると、周囲には、親機BS1と親機BS2とが存在するが、親機BS2からの信号の電波強度の方が高かったとする。この場合には、図7(B)に示すように、親機BS3は、親機BS2をマスター親機として特定し、このマスター親機BS2との間で同期信号の同期合わせ処理を行う。
次に、親機BS4の電源を投入し、キャリアセンス処理を実行すると、周囲には、親機BS1と親機BS2と親機BS3とが存在するが、親機BS3からの信号の電波強度が一番高かったとする。この場合には、図7(B)に示すように、親機BS4は、親機BS3をマスター親機として特定し、このマスター親機BS3との間で同期信号の同期合わせ処理を行う。
このように、既に同期合わせ済みの親機の内、電波強度の一番高い信号を送信している親機をマスター親機として特定し、そのマスター親機との間で同期信号の同期合わせを行うようにしていくことで、主装置1に接続された複数のコードレス電話装置の親機間で同期信号の同期を合わせることができる。
[第1の実施の形態の変形例]
なお、図6のフローチャートに示した同期合わせ処理において、ステップS108で同期信号生成部432を再起動させた後、再度、ステップS104からの処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、特定したマスター親機との間で確実に同期信号同士の同期が合っている場合に、図6のフローチャートに示した同期合わせ処理を終了させることができる。
また、図7に示した例の場合には、説明を簡単にするため一方向に親機を配置する例を示したが、これに限るものではない。近隣の親機との間で信号の送受信が可能な位置に親機を配置することができる。そして、最初に電源が投入された親機を除き、同期合わせが完了していない他の親機との間で同期合わせを行うことが無いよう、電源の投入は1台ずつ行うようにし、同期合わせが完了した親機との間でのみ、信号の送受信が可能な環境を整えるようにすればよい。
[第2の実施の形態]
[第2の実施の形態の電話システムの構成例]
図8は、第2の実施形態の電話システム10Aの全体構成例を示すブロック図である。図8に示すように、電話システム10Aは、図1を用いて説明した第1の実施の形態の電話システム10の場合と、基本的な構成は同じである。すなわち、第2の実施の形態の電話システム10Aにおいては、上位装置の例としての主装置1Aに対して、内線電話装置として、複数のコードレス電話装置21A、22A、・・・、2nA(nは2以上の整数。以下同じ)が接続されている。
コードレス電話装置21A〜2nAのそれぞれは、親機としてのベースセットBS1A、BS2A、・・・、BSnAのそれぞれと、子機としてのハンドセットHS1A、HS2A、・・・、HSnAのそれぞれとからなる。親機BS1A〜BSnAのそれぞれと、子機HS1A〜HSnAのそれぞれとは、無線接続される。
なお、親機BS1A〜BSnAのそれぞれに対しては、複数の子機を無線接続することも可能であるが、この例では、1台の親機に対して、1台の子機が接続される構成とされている。また、図示は省略するが、主装置1Aに接続される内線電話装置としては、コードレス電話装置21A、22A、・・・、2nAのみではなく、通常のビジネスホンと同様に、デジタルボタン電話端末も接続することも可能である。
そして、コードレス電話装置21A〜2nAの親機BS1A〜BSnAのそれぞれと、子機HS1A〜HSnAのそれぞれとの間の無線接続は、デジタルコードレス電話のDECT規格(方式)を用いたTDMA/TDD方式により行うようにしている。
主装置1Aは、1又は複数の電話回線L1〜Lm(mは1以上の整数)を収容可能である。そして、コードレス電話装置21A〜2nAのそれぞれの親機BS1A〜BSnAが、この主装置1Aに接続されている。図8の例では、親機BS1A〜BSnAと主装置1とは有線で接続されているが、無線であってもよい。
主装置1Aは、複数のコードレス電話装置21A〜2nAについての呼制御及び回線交換制御、その他のビジネスホンとしての制御を行うと共に、基準同期信号SYNCを複数のコードレス電話装置21A〜2nAのそれぞれに供給する機能を備えている。基準同期信号SYNCは、通常、1040ms周期か、あるいは、130ms周期の信号が用いられる。
コードレス電話装置21A〜2nAの親機BS1A〜BSnAのそれぞれは、同期信号生成部432を備え、主装置1Aからの基準同期信号SYNCに同期して、図16を用いて説明したように、3種類の同期信号を生成する。具体的には、800ms周期の第1のマルチフレーム同期信号と、160ms周期の第2のマルチフレーム同期信号と、10ms周期のフレーム同期信号とである。
第2の実施の形態の電話システムにおいても、各親機間で10ms周期のフレーム同期信号については、各親機間において同期が合ったものが生成できる。しかし、800ms周期の第1のマルチフレーム同期信号と、160ms周期の第2のマルチフレーム同期信号とは、各親機間で位相ずれを生じさせる。第1、第2の同期信号は、1040ms周期のあるいは130ms周期の基準同期信号SYNCを単純に分周あるいは逓倍して生成できないため、電源の投入タイミングの違いによって、位相ずれを生じさせるのである。
そして、主装置1Aに接続されるコードレス電話装置21A〜2nAの台数が少ない場合には、第1の実施の形態で説明した方法により、親機間で同期信号の同期を合わせることができる。すなわち、近隣の親機と信号の送受信が可能な位置に各親機を設置して、1台ずつ電源を投入していくことで、親機間で同期信号の同期を合わせることができる。
しかし、主装置1Aに接続されるコードレス電話装置21A〜2nAの台数が多い場合には、1台ずつ電源を投入することにより親機間で同期信号の同期を合わせるのは面倒である。また、できるだけ親機は自由度をもって設置したいし、親機のそれぞれが設置された場所でのキャリアセンスの状況に応じて、マスター親機として一番適切な親機を選択して同期信号の同期合わせ処理を行えるようにすることが望ましい。
そこで、この第2の実施の形態の電話システムにおいては、マスターとなる親機を機動的に変えることにより、主装置1Aに収容されたコードレス電話装置21A〜2nAの全ての親機BS1A〜BSnA間において、同期信号の同期を確実に合わせることができるようにしている。
具体的には、親機BS1A〜BSnAは、上述した第1の実施の形態の親機BS1〜BSnと同様に構成された同期信号生成部432及びTDMA変復調部442を備える。そして、第2の実施の形態の親機BS1A〜BSnAが備える制御回路41Aは、主装置1Aと協働して、マスター親機の特定ができる機能を備える。すなわち、制御回路41Aは、キャリアセンス結果を主装置1Aに通知することができるようにしている。また、制御回路41は、主装置1Aからのマスター親機の特定情報に基づいて、マスター親機を特定し、この特定した親機との間で同期信号の同期合わせを行うように制御できるようにしている。
このため、第2の実施の形態の主装置1Aは、マスター選択部としての制御回路12Aと管理テーブル15を備えている。管理テーブル15において、各親機におけるキャリアセンス結果を管理し、この管理テーブルの情報に基づいて、制御回路12Aが、マスター親機を特定する。そして、制御回路12Aは、特定したマスター親機に対応するスレーブ親機に対して、当該特定したマスター親機を通知する。
なお、第2の実施の形態において、親機BS1A〜BSnAのそれぞれは、同じグループ内の全てのコードレス電話装置の親機の識別IDを自機のメモリに記憶保持している。ここでグループとは、同じ電話回線に接続される複数のコードレス電話装置の集まりなどを意味する。例えば、営業部に設置されたコードレス電話装置群と、総務部に設置されたコードレス電話装置群というように、グループ分けされる場合もある。このようにグループ分けしておくことにより、そのグループごとに親機間で同期信号の同期合わせが可能になる。
次に、図8に示した第2の実施の形態の電話システムを構成する各装置の構成例とその動作について、具体的に説明する。
[主装置1Aの構成例]
図9は、第2の実施の形態の主装置1Aの構成例を示すブロック図である。第2の実施の形態の主装置1Aは、電話システム上においては第1の実施の形態の主装置1と同等の機能を実現するものである。したがって、図9に示した第2の実施の形態の主装置1Aの基本的な構成は、図2に示した第1の実施の形態の主装置1とほぼ同様のものである。このため、図9に示した第2の実施の形態の主装置1Aにおいて、図2に示した第1の実施の形態の主装置1と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、その部分の詳細な説明は重複するので省略する。
そして、図9に示した第2の実施の形態の主装置1Aと図2に示した第1の実施の形態の主装置1とを比較すると分かるように、図9に示した第2の実施の形態の主装置1Aの場合には、制御回路12Aに対して管理テーブル15が設けられている点で異なっている。管理テーブル15は、配下の親機BS1A〜BSnAからのキャリアセンス情報(スキャニング情報)を管理する。また、管理テーブル15は、配下の親機BS1A〜BSnAからの同期合わせが完了したか否かを示す同期情報を管理する。
図11は、管理テーブル15の格納データの例を説明するための図である。図11に示すように、管理テーブル15では、通知元となる親機BS1A〜BSnAごとに、受信信号から検知した同じグループの他の親機(送信元)の識別IDと電波強度(RSSI)とからなるキャリアセンス情報が管理される。また、管理テーブル15では、通知元となる親機BS1A〜BSnAごとに、同期合わせ処理が完了したか否かを示す同期情報が管理される。この例において、同期情報が「1」の場合には同期合わせ完了(同期合わせ済み)、「0」の場合には同期合わせ未完了を示している。
そして、制御回路12Aは、配下の親機BS1A〜BSnAからのキャリアセンス情報や同期情報を管理テーブル15に記録する処理を行う。また、制御回路12Aは、管理テーブル15の情報に基づいて、マスター親機となる親機の選定を行って、マスター親機として選定した親機の識別IDをスレーブとなる親機に通知する処理を行う。また、制御回路12Aは、同期情報に基づき、同期信号の同期合わせが未完了の親機が存在している場合には、同期信号の同期合わせが未完了である親機を含むグループを構成する全ての親機に対して、同期信号の同期合わせが完了した親機の識別IDを通知する処理を行う。このように、制御回路12Aは、マスター選択部としての機能を実現する。
なお、マスター親機となる親機の選定にあたっては、管理テーブル15で管理されている電波強度を考慮する。簡単には、電波強度(RSSI)が高い送信信号の送信元の親機をマスター親機として選定する。同期信号の同期合わせを適切に行えるためである。また、同期情報が同期合わせ済みのものがあれば、同期合わせ済みの親機を有せしてマスター親機とする。このように、第2の実施の形態の主装置1Aは、制御回路12Aの機能と、管理テーブル15を備えている点において、第1の実施の形態の主装置1とは異なっている。
[コードレス電話装置21A〜2nAの構成例]
複数個のコードレス電話装置21A〜2nAの親機BS1A〜BSnA及び子機HS1A〜HSnAのそれぞれは、全て同じ構成を備える。そこで、以下の説明では、コードレス電話装置21Aの親機BS1Aの場合を例にとって、親機構成例を説明する。なお、この第2の実施の形態において、子機HS1A〜HSnAの構成は、第1の実施の形態の子機HS1〜HSnと同じであるため、その詳細な説明については重複するので省略する。
<親機の構成例>
図10は、第2の実施の形態の親機BS1Aの構成例を示すブロック図である。第2の実施の形態の親機BS1Aは、電話システム上においては第1の実施の形態の親機BS1と同等の機能を実現するものである。このため図10に示した第2の実施の形態の親機BS1Aの基本的な構成は、図3に示した第1の実施の形態の親機BS1とほぼ同様のものである。このため、図10に示した第2の実施の形態の親機BS1Aにおいて、図3に示した第1の実施の形態の親機BS1と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、その部分の詳細な説明は重複するので省略する。
そして、図10に示した第2の実施の形態の親機BS1Aと図3に示した第1の実施の形態の親機BS1とを比較すると分かるように、図10に示した第2の実施の形態の親機BS1Aの場合には、制御回路41Aの構成が異なっている。
すなわち、第2の実施の形態の親機BS1Aの制御回路41Aは、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであるメモリ411Aと、通知処理部412Aとを備えた構成になっている。制御回路41Aのメモリ411Aには、グループ内親機テーブルとキャリアセンス情報テーブルとが格納される。図12は、グループ内親機テーブルの格納データの例とキャリアセンス情報テーブルの格納データの例を説明するための図である。
図12(A)に示すように、メモリ411Aのグループ内親機テーブルには、自機と同じグループに属する他の親機の識別ID(無線ID)が予め格納されている。これにより、親機BS1Aは、自機が属するグループの他の親機からの送信信号を判別できるようになる。
また、図12(B)に示すように、キャリアセンス情報テーブルには、TDMA変復調部442のキャリアセンス部4423からのキャリアセンス情報が一時記憶される。キャリアセンス情報は、自機が受信した同じグループに属する他の親機からの送信信号から抽出した親機の識別IDと、その送信信号の自機における電波強度とからなるものである。
この第2の実施の形態の親機BS1Aの電源がオンにされると制御回路41Aが無線通信回路44Aの制御部441を通じてTDMA変復調部442のキャリアセンス部4423を機能させる。キャリアセンス部4423は、無線通信部443を通じて受信した信号から送信元の親機の識別IDを抽出するとともに、電波強度(RSSI)を検出し、これらをキャリアセンス情報として制御部441を通じて制御回路41Aに通知する。すなわち、キャリアセンス部4423は、自機が受信可能な1以上の親機からのそれぞれの送信信号から識別IDを抽出するとともに、その送信信号の電波強度(RSSI)を検出する処理であるキャリアセンス処理を行う。
そして、制御回路41Aにおいては、キャリアセンス部4423からのキャリアセンス情報を、図12(B)に示した態様で、EEPROM411Aのキャリアセンス情報テーブルに一時記憶する。このキャリアセンス情報は、電源が投入されるごとにクリア(初期化)される。
通知処理部412Aは、無線通信回路44Aの制御部441を通じて通知されたキャリアセンス情報を、主装置1Aに通知する処理を行う。上述したように、キャリアセンス情報は、メモリ411Aに一時記憶された情報であり、親機BS1Aが受信した同じグループに属する他の親機からの送信信号に含まれる当該他の親機の識別IDと、当該送信信号の自機における電波強度(RSSI)からなる情報である。このキャリアセンス情報が、上述した主装置1Aの管理テーブル15において、図11に示した態様で管理される。
この後、主装置1Aの制御回路12Aは、図11を用いて説明した管理テーブル15で管理されている情報に基づいて、マスター親機となる親機を決定する。そして、主装置1Aの制御回路12Aは、当該マスター親機となる親機からの送信信号の受信が可能な親機をスレーブ親機として特定し、スレーブ親機に対して、マスターとなる親機の識別IDを通知する。また、図11を用いて説明した管理テーブル15で管理されている情報に基づいて、主装置1Aの制御回路12Aが、同期信号の同期合わせ未完了の親機があると判別したとする。この場合には、主装置1Aの制御回路12Aは、同期信号の同期合わせが完了した同じグループに属する親機の識別IDを、同じグループに属する全ての親機に通知する。これらの通知は、親機BS1Aの通知処理部412Aにより抽出され、無線通信回路44の制御部441を通じてTDMA変復調部442に通知される。
そして、TAMA変復調部442の各部が機能し、主装置1Aによりマスター親機として特定された他の親機との間で同期信号の同期合わせ処理が実行される。すなわち、無線通信部443は、制御部441の制御の下、マスター親機として特定された他の親機からの送信信号を受信するようにする。そして、TDMA変復調部442の比較部4424が機能し、マスター親機からの信号のフレームごとに付加されているマルチフレーム番号と、自機から送信する信号に付加するフレームごとのマルチフレーム番号とを比較し、位相ずれを計算する。
位相ずれがある場合、そのずれ量を示す値が、比較部4424から調整部4425に供給される。これに応じて、調整部4425は、同期信号の位相調整用のパルス信号PXを生成し、これを同期信号発生回路の同期信号生成部432に供給する。これにより、同期信号生成部432は、パルス信号PXに応じて、生成する同期信号の発生タイミングを早めるようにして、再起動することにより、同期信号の初期位相を調整し、同期信号の生成を開始させることができる。これにより、指示されたマスター親機との間で、同期信号の同期を合わせることができる。
このようにして指示されたマスター親機との間で同期信号の同期合わせを行うと、無線通信回路44の制御部441は、同期合わせが完了したことを、制御回路41Aに通知してくる。制御回路41Aは、メモリ441Aにおいて、同期合わせが完了したことを示す完了FLGをオンにする。この完了フラグは、電源の投入タイミングでオフにされる。また、制御回路41Aの通知処理部414が機能して、自機において同期合わせが完了したことを同期情報として主装置1Aに通知する。この場合、主装置1Aの制御回路12Aは、管理テーブル15の対応する親機の同期情報を「1(オン)」に更新する。これにより、主装置でも同期合わせが完了した親機が管理できる。
このため、親機BS1Aが、同期合わせが完了した親機の識別IDの通知を受けた場合であって、メモリ411Aの完了FLGがオフであったとする。この場合には、制御回路41Aは、無線通信回路44の制御部441を通じてTDMA変復調部442を制御し、同期合わせが完了した親機をマスター親機として、同期信号の同期合わせ処理を行う。
これにより、マスター親機として指定された親機との間で信号の送受信ができないために、指定されたマスター親機との間で同期信号の同期合わせができなかったとする。この場合でも、同期合わせが完了した他の親機をマスター親機となることができる親機として指示されることにより、その指示された同期合わせ済みの親機との間で同期信号の同期合わせを行うことができる。
この場合にも、同期信号の同期合わせが完了すると、無線通信回路44Aの制御部441は、同期信号の同期合わせが完了したことを、制御回路41Aに通知してくる。制御回路41Aは、メモリ411Aにおいて、同期合わせが完了したことを示す完了FLGをオンにする。この完了フラグは、電源の投入タイミングでオフにされる。そして、制御回路41Aの通知処理部412Bが機能して、自機において同期信号の同期合わせが完了したことを主装置1Aに通知する。この場合、主装置1の制御回路12Aは、管理テーブル15の対応する親機の同期情報を「1(オン)」に更新する。これにより、主装置でも同期合わせが完了した親機が管理できる。
そして、他の親機BS2A〜BSnAも同様に機能する。そして、同期合わせが未完了の親機が存在しなくなるまで、同期合わせが完了した親機の識別IDの通知と、同期合わせが未完了の親機における同期合わせが完了した親機からの送信信号を用いた同期合わせ処理が繰り返される。これにより、同じグループに属する全ての親機の同期合わせを行うことができる。
[第2の実施の形態の電話システム10Aにおける同期合わせの詳細]
次に、この第2の実施の形態の電話システム10Aにおいて行われる同期信号の同期合わせ処理の詳細について具体的に説明する。ここでは、説明を簡単にするため、主装置1Aに対して、6台のコードレス電話装置21A〜26Aが接続されて電話システム10Aを構成しているものとして説明する。
そして、この例では、コードレス電話装置21Aは親機BS1Aと子機HS1Aとからなり、コードレス電話装置22Aは親機BS2Aと子機HS2Aとからなるものとする。同様に、コードレス電話装置23Aは親機BS3A及び子機HS3Aからなり、コードレス電話装置24Aは親機BS4A及び子機HS4Aからなるものとする。同様に、コードレス電話装置25Aは親機BS5A及び子機HS5Aからなり、コードレス電話装置26Aは親機BS6A及び子機HS6Aからなるものとする。
図13は、第2の実施の形態の電話システム10Aを構成するコードレス電話装置21A〜26Aの配置関係を示す図である。図13に示すように、親機BS1A〜BS6Aのそれぞれが離れて配置された状態にある。そして、点線の円で示したように、親機BS1Aからの送信信号を受信できるのは、親機BS2Aと親機BS6Aであるとする。すなわち、親機BS1Aは、親機BS6Aと親機BS2Aからの送信信号を受信可能な位置関係になっている。
同様にして、各親機について各親機からの送信信号の受信状態を確認したところ、親機BS2Aは、親機BS1Aと親機BS3Aからの送信信号を受信可能な位置関係になっている。また、親機BS3Aは、親機BS2Aと親機BS4Aからの送信信号を受信可能な位置関係になっており、親機BS4Aは、親機BS3Aと親機BS5Aからの送信信号を受信可能な位置関係になっている。
また、親機BS5Aは、親機BS4Aと親機BS6Aからの送信信号を受信可能な位置関係になっており、親機BS6Aは、親機BS5Aと親機BS1Aからの送信信号を受信可能な位置関係になっている。したがって、各親機BS1A〜BS6Aのそれぞれは、上述したように、図13において両隣に位置する親機からの送信信号しか受信できない位置関係にあるとする。
この場合に、第2の実施の形態の電話システム10Aにおいて、親機間において無線による同期合わせを行うようにすると、図14、図15のシーケンス図に示すように動作することになる。すなわち、図14、図15は、第2の実施の形態の電話システム10Aにおいて、同期合わせを行う場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
コードレス電話装置21A〜26Aの親機BS1A〜BS6Aのそれぞれにおいて電源が投入されると、親機BS1A〜BS6Aのそれぞれは子機への電波の放射を開始する(ステップS20)。親機BS1A〜BS6Aのそれぞれでは、制御部441を通じて行われる制御回路41Aの制御の下、TDMA変復調部442のキャリアセンス部4423が機能する。そして、キャリアセンス部4423は、キャリアセンス(スキャニング)処理を実行してキャリアセンス情報を検出し、そのキャリアセンス情報を制御部441及び通知処理部412Aを通じて主装置1Aに通知する(ステップS21〜S26)。
これにより、主装置1Aの端末管理部としての制御回路12Aが、管理テーブル15に対して、親機ごとにキャリアセンス情報を格納し、図11に示した管理テーブルを作成する。図11に示した管理テーブル15の格納データの例は、図13に示した位置関係にある場合の各親機からのキャリアセンス情報に合致したものである。そして、制御回路12は、図11に示した態様の管理テーブル15の格納データを参照し、マスターとなる親機を選択する。
図11に示した管理テーブル15の格納データを見ると分かるように、各親機BS1A〜BS6Aのそれぞれからの送信信号は、隣り合う2つの親機において受信可能になっている。すなわち、親機BS1Aは、親機BS6Aと親機BS2Aからの信号を受信し、それらから識別IDを取得すると共に、電波強度を計測して、これらの情報を主装置1Aに通知してきている。同様に、親機BS2Aは、親機BS1Aと親機BS3Aからの信号を受信し、それらから識別IDを取得すると共に、電波強度を計測して、これらの情報を主装置1Aに通知してきている。親機BS3A〜BS4Aにおいても、図13を用いて説明したように、隣り合う他の親機からの信号を受信し、識別IDを取得すると共に、電波強度を計測して、これらの情報を主装置1Aに通知してきている。
そして、主装置1Aの制御回路12Aは、図11に示した管理テーブルの通知内容を参照し、電波強度の高い送信先を1つ特定する。この段階では、同期合わせが完了している親機が存在しないためである。例えば、図11においてアンダーラインを付した親機BS1Aから送信された信号の電波強度が一番高く、その受信先が親機BS2Aと親機BS6Aであったとする。この場合、主装置1Aの制御回路12Aは、親機BS1Aをマスター親機として特定し、親機BS1Aからの送信信号の受信が可能な親機BS2A、BS6Aをスレーブ親機として特定する(ステップS27)。
この後、主装置1Aの制御回路12Aは、マスター親機として特定した親機BS1Aと、スレーブ親機として特定した親機BS2A、BS6Aに対して、親機BS1Aをマスターに特定したこと、すなわち、親機BS1Aの識別IDを通知する(ステップS28)。マスター親機として特定された親機BS1Aの識別IDの提供を受けた親機BS2Aでは、制御回路41Aが制御部441を通じてTDMA変復調部442を制御し、親機BS1Aとの間で同期信号の同期合わせ処理を実行する(ステップS29)。
すなわち、ステップS29では、スレーブ親機BS2Aにおいて、マスター親機BS1Aからの信号を受信する。そして、スレーブ親機BS2Aは、マスター親機BS1Aから受信した信号のフレーム単位の信号に付加されているマルチフレーム番号と、自機から送信する信号のフレーム単位の信号に付加するマルチフレーム番号とを比較し、位相差を計算する。この計算により求めた位相差に応じたパルス信号PXを生成し、同期信号生成部432に供給する。同期信号生成部432は、パルス信号PXに応じて、同期信号の初期位相をずらして同期信号を生成するようにし、マスター親機BS1Aとの間で同期信号の同期を合わせる。
そして、スレーブ親機BS2Aにおいて、マスター親機BS1Aとの間で同期信号の同期合わせを行うと、TDMA変復調部442から制御部441を通じて同期合わせ処理を行ったことが制御回路41Aに通知される。このため、制御回路41Aは、通知処理部412Aを通じて、親機BS2Aにおいて同期合わせが完了したことを示す同期情報を主装置1Aに通知する(ステップS30)。これにより、主装置1Aの制御回路12は、管理テーブル15の親機BS2Aの同期情報の欄に値「1」を更新し、親機BS2Aにおいて同期合わせが完了したことが示される。
同様に、マスター親機として特定された親機BS1Aの識別IDの提供を受けた親機BS6Aでは、制御部441を通じて制御回路41AがTDMA変復調部442を制御し、親機BS1Aとの間で同期信号の同期合わせ処理を実行する(ステップS31)。そして、スレーブ親機BS6Aにおいて、マスター親機BS1Aとの間で同期信号の同期合わせを行うと、TDMA変復調部442から制御部441を通じて同期合わせ処理を行ったことが制御回路41Aに通知される。
このため、制御回路41Aは、通知処理部412Aを通じて、親機BS6Aにおいて同期合わせが完了したことを示す同期情報を主装置1Aに通知する(ステップS32)。これにより、主装置1Aの制御回路12は、管理テーブル15の親機BS6Aの同期情報の欄に値「1」を更新し、親機BS6Aにおいて同期合わせが完了したことが示される。
この後、図15に示す処理に進み、主装置1Aの制御回路12Aは、親機BS2A、BS6Aにおいて他の親機との間で同期信号の同期合わせが完了したことを示す同期通知を、同じグループに属する全ての親機BS1A〜BS6Aに通知する(ステップS33)。なお、同期通知は、親機BS2A、BS6Aの識別IDを、各親機に通知するものである。これにより、親機BS2A、BS6Aにおいて、同期合わせが完了し、マスター親機として利用可能であることが各親機に通知される。
そして、同期信号の同期合わせが完了していない親機BS3Aにおいては、親機BS2Aと親機BS6Aが同期信号の同期合わせが完了したことを示す通知を受けることにより、親機BS2Aをマスター親機とすることが可能であることを把握する。親機BS3Aにおいては、キャリアセンス部4423のキャリアセンス処理により、制御回路41Aが、自機が親機BS2Aからの信号を受信できることを把握しているためである。
このため、親機BS3Aは、制御部441を通じた制御回路41Aの制御の下、TDMA変復調部442が機能して、同期信号の同期合わせが完了した親機であって、自機において送信信号の受信が可能な親機BS2Aをマスター親機として特定する。そして、親機BS3Aは、マスター親機BS2Aからの信号を受信し、自機との間で同期信号の同期合わせ処理を実行する(ステップS34)。
そして、スレーブ親機BS3Aにおいて、マスター親機BS2Aとの間で同期信号の同期合わせを行うと、TDMA変復調部442から制御部441を通じて同期合わせ処理を行ったことが制御回路41Aに通知される。このため、制御回路41Aの通知処理部412Aは、親機BS3Aにおいて同期信号の同期合わせが完了したことを示す同期情報を主装置1Aに通知する(ステップS35)。これにより、主装置1Aの制御回路12は、管理テーブル15の親機BS3Aの同期情報の欄に値「1」を更新し、親機BS3Aにおいて同期信号の同期合わせが完了したことが管理される。
同時に、同期信号の同期合わせが完了していない親機BS5Aにおいては、親機BS2Aと親機BS6Aが同期信号の同期合わせが完了したことを示す通知を受けることにより、親機BS6Aをマスター親機とすることが可能であることを把握する。親機BS5Aにおいては、キャリアセンス部4423のキャリアセンス処理により、制御回路41Aが、自機が親機BS6Aからの信号を受信できることを把握しているためである。
このため、親機BS5Aは、制御部441を通じた制御回路41Aの制御の下、TDMA変復調部442が機能して、同期信号の同期合わせが完了した親機であって、自機において送信信号の受信が可能な親機BS6Aをマスター親機として特定する。そして、親機BS5Aは、マスター親機BS6Aからの信号を受信し、自機との間で同期信号の同期合わせ処理を実行する(ステップS36)。
そして、スレーブ親機BS5Aにおいて、マスター親機BS6Aとの間で同期信号の同期合わせを行うと、TDMA変復調部442から制御部441を通じて同期合わせ処理を行ったことが制御回路41Aに通知される。このため、制御回路41Aの通知処理部412Aは、親機BS5Aにおいて同期信号の同期合わせが完了したことを示す同期情報を主装置1Aに通知する(ステップS37)。これにより、主装置1Aの制御回路12は、管理テーブル15の親機BS3Aの同期情報の欄に値「1」を更新し、親機BS5Aにおいて同期信号の同期合わせが完了したことが管理される。
そして、主装置1Aの制御回路12Aは、ステップS33の場合と同様に、親機BS3A、親機BS5Aにおいて、同期信号の同期合わせが完了したことを示す同期通知を、同じグループに属する全ての親機BS1A〜BS6Aに通知する。なお、この場合の同期通知は、親機BS3A、親機BS5Aの識別IDである。同期信号の同期合わせが完了していない親機BS4Aにおいては、親機BS2A、BS6Aに加えて、親機BS3A、BS5Aが同期合わせを完了させたことを示す通知を受けることにより、親機BS3A、BS5Aをマスター親機とすることが可能であることを把握する。親機BS4Aにおいては、キャリアセンス部4423のキャリアセンス処理により、制御回路41Aが、自機が親機BS3A、BS5Aからの信号を受信できることを把握しているためである。
このため、親機BS4Aは、制御部441を通じた制御回路41Aの制御の下、TDMA変復調部442が機能して、同期信号の同期合わせが完了した親機であって、自機において送信信号の受信が可能な例えば親機BS3Aをマスター親機として特定する。そして、親機BS4Aは、マスター親機BS3Aからの信号を受信し、自機との間で同期信号の同期合わせ処理を実行する(ステップS38)。
そして、スレーブ親機BS4Aにおいて、マスター親機BS3Aとの間で同期信号の同期合わせを行うと、TDMA変復調部442から制御部441を通じて同期合わせ処理を行ったことが制御回路41Aに通知される。このため、制御回路41Aの通知処理部412Aは、親機BS4Aにおいて同期信号の同期合わせが完了したことを示す同期情報を主装置1Aに通知する(ステップS39)。これにより、主装置1Aの制御回路12は、管理テーブル15の親機BS4Aの同期情報の欄に値「1」を更新し、親機BS4Aにおいて同期信号の同期合わせが完了したことが管理される。
主装置1Aにおいては、親機BS1A〜BS6Aの全ておいて同期合わせが完了できたことが、管理テーブル15の管理情報により把握できる。このため、主装置1Aに収容された全ての親機BS1A〜BS6Aにおいて、同期合わせが完了すると(ステップS40)、自機に対応する子機HS1A〜HS6Aとの間で適切に無線通信を行うことができるようになる。そして、子機HS1A〜HS6Aのそれぞれが持ち歩かれるなどして、通信先の親機が変わるハンドオーバーが発生しても、全ての親機間で同期信号の同期が合わされているので、通話音声が途切れるといった不都合を生じさせることもない。
そして、第2の実施の形態の電話システムの場合には、第1の実施の形態の電話システムの場合のように、複数のコードレス電話装置について、1台ずつ電源を入れるなどのことをしなくてもよい。第2の実施の形態の電話システムでは、主装置1Aの制御の下、通信が可能な親機間で順次に同期信号の同期合わせを行い、最終的に、同じグループに属するコードレス電話装置の親機間で同期信号の同期合わせを行うことができる。
[第2の実施の形態の変形例]
第2の実施の形態の電話システムの主装置1Aにおいては、管理テーブル15の格納情報に基づいて、複数の親機で受信された送信信号であって、電波強度が一番高い送信信号を送信している親機をマスターとして選択するようにした。しかし、これに限るものではない。より多くの親機において、一定以上の電波強度で受信されている親機をマスター親機として選択するようにしてもよい。
また、予め各親機について、マスターとして選択される場合のプライオリティ(優先順位)を設定したテーブルを用意しておき、このテーブルのプライオリティにしたがって、マスターとなる親機を選択する構成としてもよい。
また、第2の実施の形態の電話システム10Aの場合、図11に示した管理テーブル15の格納データに基づいて、主装置1Aが同期合わせ未完了の親機に対して、どの親機との間で同期合わせを行うようにすればよいかを指示することもできる。また、図12(B)に示したキャリアセンス情報テーブルの情報に基づいて、同期合わせ未完了の親機が、どの親機との間で同期合わせを行うようにすればよいかを特定することもできる。
[第1、第2の実施の形態の変形例]
また、上述した第1、第2の実施の形態では、親機の主要部分TDMA変復調部442、442Aや制御回路41、41Aに設けるようにしたが、別途、同期合わせ処理を行う回路部を親機内に独立して設けるようにする等、種々の変更が可能である。
また、上述した第1、第2の実施の形態の親機BS1〜BSn、BS1A〜BSnAでは、マスター親機との間で同期信号の位相ずれを遅延量として求めるようにしたが、これに限るものではない。マスター親機との間で同期信号の位相ずれを進み量として求め、これに応じたパルス信号PXを生成し、同期信号生成部432に供給して位相ずれの修正を行うようにすることもできる。
なお、遅相か進相かは、簡単には、マスター親機の第1のマルチフレーム同期信号MF1(M)に対するスレーブ親機の第1のマルチフレーム同期信号MF1(S)の位相差が少ない方を取るようにすればよい。これにより、同期信号生成部432での位相ずれの修正を、位相差が少ない方で合わせるようにできる。簡単に行うことができる。
また、上述した第1、第2の実施の形態では、調整部4425で生成するパルス信号PXを用いて、同期信号生成部432での同期信号の位相ずれの調整指示を行うようにしたが、これに限るものではない。例えば、電流値や電圧値によりずれ量を同期信号生成部432に通知するようにし、これに応じて同期信号生成部432で同期信号の位相ずれの修正を行うようにしてもよい。すなわち、同期信号生成部432への同期信号のずれ量の通知は種々の方法により行うことができる。
また、上述した第1、第2の実施の形態において、コードレス電話装置はDECT規格の通信方式が採用されたものとして説明したが、これに限るものではない。親機と子機間において、主装置からの基準同期信号を分周するだけで生成できる同期信号と、主装置からの基準同期信号を分周あるいは逓倍しただけでは生成できない同期信号との両方を用いる通信方式を用いる場合に、この発明を適用できる。
また、上述した実施の形態において、コードレス電話装置の上位装置は主装置であるものとして説明したが、これに限るものではない。上位装置には、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)サーバなど、1以上の通信回線が接続されると共に、複数のコードレス電話装置などの電話端末を収容して、呼制御などを行う装置が含まれる。
[実施の形態の効果]
この実施の形態の電話システムによれば、各コードレス電話装置の親機間では、10ms周期のフレーム同期信号FLの同期は合っていることに着目する。そして、マスター親機とスレーブ親機を特定し、スレーブ親機において、マスター親機とスレーブ親機との間で800ms周期の第1のマルチフレーム同期信号が、10ms単位でどれだけ位相がずれているかを検出する。
この検出した10ms単位の位相ずれに応じて、スレーブ親機において、修正用のパルス信号PXを生成し、これを同期信号生成部432に供給することによって、同期信号生成部432において、10ms単位に第1のマルチフレーム同期信号の位相を修正する。これにより、マスター親機とスレーブ親機との間で、同期信号の同期合わせを簡単、迅速、かつ、適切に行うことができる。
また、第1の実施の形態の電話システムの場合には、親機同士を必ず近隣の親機からの信号を受信が可能な位置に配置し、1台ずつ電源を投入するようにし、かつ、先に電源が投入された親機の近隣の親機の電源を投入していく。これにより、必ず同期信号の同期合わせが完了した近隣の親機をマスター親機として特定し、この特定したマスター親機との間で、同期信号の同期合わせを行うことができる。
また、第2の実施の形態の場合には、主装置1Aが、各親機からのキャリアセンス情報に基づいて、マスター親機とスレーブ親機とを特定するので、親機の配置を柔軟に行うことができる。また、主装置1Aにおいて、同期信号の同期合わせが完了した親機と完了していない親機が特定できる。このため、同期信号の同期合わせが完了していない親機については、自機や周囲の親機の設置位置を調整し、電源を投入しなおすことにより、同期信号の同期合わせが完了した親機との間で、同期信号の同期合わせを行うことができる。
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、上位装置の機能は、主装置1、1Aが実現し、コードレス電話装置の機能は、コードレス電話装置21〜2n、21A〜2nAが実現している。
親機のカウント手段の機能は、親機BS1等のカウンタ4423が実現し、親機の送信手段、受信手段の機能は、親機BS1等の無線通信部443が実現している。また、親機の比較手段の機能は、親機BS1等の比較部4424が実現し、親機の調整手段の機能は、親機BS1等の調整部4425が実現している。また、親機の同期信号生成手段の機能は、親機BS1等の同期信号生成部432が実現している。
また、親機の検出手段の機能は、親機BS1等のキャリアセンス部4423が実現し、親機の特定手段、制御手段の機能は、制御部441が実現している。また、親機の第1、第2の通知手段の機能は、主に制御回路41の通知処理部412が実現し、親機の取得手段の機能は、親機BS1A等の主に制御回路41Aが実現している。
また、上位装置の受付手段、提供手段、修正完了通知受付手段の機能は、主装置1Aの回線LSI部13の制御信号処理部32が実現し、上位装置の対応付け情報管理手段の機能は、主装置1Aの管理テーブル15が実現している。また、上位装置の特定手段、更新手段の機能は、主装置1Aの制御回路12Aが実現している。
また、図6のフローチャートの処理を実行するプログラムを形成し、親機BS1〜BSnで実行可能にすることによって、上述した実施の形態の親機を構成することもできる。また、図14、図15のシーケンス図を用いて説明した1A、親機BS1A〜BSnAで行われる処理を実行するプログラムを形成し、主装置1A、親機BS1A〜BSnAで実行可能にすることによって、上述した実施の形態の親機や上位装置を構成することもできる。