以下、図を参照しながら、この発明のシステム、コードレス電話装置、ハブ装置の一実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態においては、例えば企業の事務所などにおいて、いわゆる主装置に対して複数の電話装置を接続して形成されるビジネスホンシステム(ボタン電話システム)に、この発明を適用した場合を例にして説明する。
[電話システムの構成例]
図1は、この実施形態の電話システムの全体の構成例を示すブロック図である。この例の電話システムにおいては、主装置1に対して、ハブ装置2を介して、内線電話装置として、複数のコードレス電話装置31、32、・・・、3n(nは3以上の整数。以下同じ)が接続されている。主装置1から見ると、ハブ装置2及びコードレス電話装置31、32、・・・、3nは下位装置になる。また、コードレス電話装置31、32、・・・、3nから見ると、主装置1とハブ装置2はいずれも上位装置になる。また、ハブ装置2から見ると、主装置1は上位装置になり、コードレス電話装置31、32、・・・、3nは下位装置になる。
コードレス電話装置31〜3nのそれぞれは、この発明のコードレス電話装置が適用されたものである。コードレス電話装置31〜3nのそれぞれは、親機としてのベースセットBS1、BS2、・・・、BSnのそれぞれと、子機としてのハンドセットHS1、HS2、・・・、HSnのそれぞれとからなる。親機BS1〜BSnのそれぞれと、子機HS1〜HSnのそれぞれとは、無線接続される。そして、この実施形態では、コードレス電話装置31〜3nの親機BS1〜BSnのそれぞれと、子機HS1〜HSnのそれぞれとの間の無線接続は、前述したデジタルコードレス電話のDECT規格(方式)を用いたTDMA/TDD方式により行う。
なお、親機BS1〜BSnのそれぞれに対しては、複数の子機を無線接続することも可能であるが、この例では、1台の親機に対して、1台の子機が接続される構成とされている。また、図示は省略するが、主装置1に接続される内線電話装置としては、コードレス電話装置31、32、・・・、3nのみではなく、通常のビジネスホンと同様に、デジタルボタン電話端末も接続することも可能である。
主装置1は、後述もするが、SIP(Session Initiation Protocol)サーバー機能を備え、IP(Internet Protocol)網に接続される電話回線と従来からの公衆交換電話網(以下、単に電話網と記載する。)に接続される電話回線とを収容可能である。そして、コードレス電話装置31〜3nのそれぞれの親機BS1〜BSnが、ハブ装置2を介して、主装置1に接続されている。主装置1は、複数のコードレス電話装置31〜3nについての呼制御及び回線交換制御、その他のビジネスホンとしての制御を行う。
ハブ装置2は、この発明によるハブ装置が適用されたものである。ハブ装置2は、通信ネットワークの中継装置の1つで、複数の接続ポートを備え、受け取ったデータを各接続ポートに接続された全ての機器には送信せずに、宛先を確認して関係する機器のみに送信する機能を有する。また、ハブ装置2は、基準同期信号SYNC(第1の同期信号)を生成し、自機の接続ポートに接続された複数のコードレス電話装置31〜3nなどの下位装置のそれぞれに供給する機能を備えている。基準同期信号SYNCは、この例では、130ミリ秒(ms)周期の信号とされている。
コードレス電話装置31〜3nの親機BS1〜BSnのそれぞれは、ハブ装置2からの基準同期信号SYNCに同期して、DECT規格のデジタルコードレス電話の単位通信期間である1フレーム(10ミリ秒(ms))の周期の同期信号としてのフレーム同期信号(第2の同期信号)を生成し、その生成したフレーム同期信号に基づいて、DECT規格を用いたTDMA/TDD方式の無線通信を子機HS1〜HSnとの間で実行する。したがって、複数のコードレス電話装置31〜3nの全ては、何も問題がなければ、主装置1からの基準同期信号SYNCに同期した動作をするようになっている。
親機BS1〜BSnのそれぞれは、基準同期信号SYNCに基づいて、フレーム同期信号FLを生成する。そして、この実施形態において、親機BS1〜BSnのそれぞれは、その生成したフレーム同期信号に基づいて、子機HS1〜HSnとの間で、1フレーム期間の複数のスロットの1つ置きのスロットの内の1つを用いて無線通信を行うように制御するものとする。また、この実施形態において、子機HS1〜HSnのそれぞれも、親機BS1〜BSnとの間で、1フレーム期間の複数のスロットの1つ置きのスロットの内の1つを用いて無線通信を行うものとする。
そして、この実施の形態の電話システムでは、ハブ装置2に接続された親機BS1〜BSnのそれぞれは、自機においてハブ装置2からの基準同期信号SYNCに基づいて生成したフレーム同期信号FLを、ハブ装置2にフィードバックする。そして、ハブ装置2は、自機で生成する基準同期信号SYNCと親機BS1〜BSnのそれぞれからのフレーム同期信号FLとを比較し、同期ずれの有無を判別し、この判別結果を報知することができるようにしている。以下、この実施の形態の電話システムを構成する各機器の構成例について説明する。
なお、この実施の形態において、コードレス電話装置31〜3nのそれぞれは、IP電話機であり、SIPサーバー機能を有する主装置1などの上位装置に対しては、LANで接続される。IP電話は、インターネットで利用されるパケット通信プロトコルのIP(Internet Protocol)を利用して提供される電話サービスである。そして、IP電話に対応するIP電話機は、音声をデジタルデータに変換し、パケットと呼ばれる単位に分割した上で、LANやIPネットワーク(インターネット)を経由して通話の相手先まで音声信号を送ることで音声通話を可能にする。
[主装置1の構成例]
図2は、主装置1の構成例を説明するためのブロック図である。図2に示すように、主装置1は、IP網への接続ポート101と、IP網インターフェース(以下、IP網I/Fと略称する。)102と、パケット分解/生成部103とを備えている。また、主装置1は、電話網インターフェース(以下、電話網I/Fと略称する。)104と、電話網への接続ポート105と、アドレス管理データベース(以下、アドレス管理DBと略称する。)106とを備えている。さらに、主装置1は、LANインターフェース(以下、LANI/Fと略称する。)107と、LAN接続ポート108と、制御部110とを備えている。
制御部110は、この実施の形態の主装置1の各部を制御するものであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113がシステムバス114を通じて接続されて構成されたコンピュータ装置部である。なお、図示しないが、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリーなどのいわゆる不揮発性メモリを備え、電源が落とされても保持しておくべきデータ、例えば、種々の設定パラメータや機能アップのために提供された新たなプログラムなどについても記憶保持することができるようにされている。
接続ポート101は、IP網への接続端部を構成するものである。IP網I/F102は、IP網を通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部110に供給する。また、IP網I/F102は、制御部110を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをIP網に送出する。
接続ポート105は、電話網への接続端部を構成するものである。電話網I/F104は、電話網を通じて供給されるデータを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のデータに変換して制御部110に供給する。また、電話網I/F104は、制御部110を通じて供給される送信すべきデータを送信用の形式のデータに変換して、これを電話網に送出する。
接続ポート108はLANへの接続端部を構成するものである。LANI/F107は、LANを通じて供給されるパケットを受け付けて、これを自機において処理可能な形式のパケットに変換して制御部110に供給する。また、LANI/F107は、制御部110を通じて供給される送信すべきパケットを送信用の形式のパケットに変換して、これをLANに送出する。
パケット分解/生成部103は、パケットの分解や生成を行うものであり、主に、電話網に接続された端末装置と主装置1の配下のコードレス電話装置31〜3nなどのIP電話端末との間で通話を行う場合に、送受するデータのパケットの分解や生成を行う。具体的には、ハブ装置2を介して主装置1に接続されたコードレス電話装置31〜3nなどからの電話網に接続された端末装置に送信すべきパケットが、接続ポート108、LANI/F107を通じて制御部110に供給される。当該パケットは、制御部110からパケット分解/生成部103に供給され、ここでパケット分解された後に、電話網I/F104、接続ポート105を通じて電話網に送出され、目的とする相手先に送信される。
また、電話網に接続された端末装置からのハブ装置2を介して主装置1に接続されたコードレス電話装置31〜3nなどへのデータは、接続ポート105、電話網I/F104を通じて制御部110に供給される。当該データは、制御部110からパケット分解/生成部103に供給され、ここで所定の形式のパケットとされた後に、LANI/F107、接続ポート108を通じて、LANに送出されて目的とするコードレス電話装置31〜3nなどに送信される。
なお、IP網に接続された外部の端末装置と、主装置1にハブ装置2を介して接続されるコードレス電話装置31〜3nなどとの間では、パケットが送受される。このため、パケット分解/生成部103において、パケットの分解や生成は行われることはなく、IP網I/F102、LANI/F107において、データ形式が整えられてそのまま送受される。同様に、主装置1にハブ装置2を介して接続されるコードレス電話装置31〜3n間においても、パケットが送受されるため、パケット分解/生成部103において、パケットの分解や生成は行われることはなく、LANI/F107を通じてパケットが送受される。
そして、アドレス管理DB106は、レジストラ・サーバ機能を実現するために、IP網やLANに接続され、この主装置1を通じて呼び出す可能性のある端末装置についてのアドレス情報を記憶保持するものである。具体的には、主装置1の制御部110は、IP網I/F102やLANI/F107を通じて、これらに接続されている種々の端末装置からの登録要求(レジスタ・リクエスト)を受信する。この場合に、制御部110は、受信した要求に含まれるURI(Uniform Resource Identifier)やIPアドレスなどのアドレス情報を抽出する。そして、制御部110は、抽出したアドレス情報をアドレス管理DB106に登録したり、抽出したアドレス情報を用いてアドレス管理DB106の登録情報を更新したりする。
このようにして、アドレス管理DB106に登録されて管理される情報が参照され、自機にLANを通じて接続されるコードレス電話装置31〜3nなどから要求のあった通信先を確実に特定する。そして、その特定した相手先に送信すべき情報(パケットデータ)を転送するようにするプロキシ・サーバとしての機能を主装置1が実現する。また、アドレス管理DB106に登録されて管理される情報は、自機にLANを通じて接続されるコードレス電話装置31〜3nなどへの着信の判別などにも用いられる。
図3は、アドレス管理DB106に形成される管理情報(データベース)の構成例について説明するための図である。主装置1のアドレス管理DB106は、IP網に接続された他のIP電話システムの端末装置のアドレス情報の他、当該主装置1にLAN接続されたコードレス電話装置31〜3nなどについてのアドレス情報をも管理する。
基本的に主装置1のアドレス管理DB106に形成される管理情報は、上述もしたように、IP網に接続された端末装置から送信されてくるURI(SIP URI)と、IPアドレスである。そして、この実施の形態の主装置1のアドレス管理DB106では、図3に示したように、主装置1にLAN接続されたコードレス電話装置31〜3nについては、URIとIPアドレスの他、MAC(Media Access Control)アドレスと内線番号についても管理する。
そして、この実施の形態の電話システムのコードレス電話装置31〜3nからIP網に接続された外部の端末装置に対する発信要求(発呼要求)を主装置1が受け付けたとする。この場合、主装置1の制御部110は、自己のアドレス管理DB106の管理情報に基づいて、目的とする相手先の端末装置を特定し、この特定した端末装置に対して、メッセージの転送を行う。また、IP網や電話網を通じて、LANに接続されているコードレス電話装置等に対する着信要求(外線着信)を主装置1が受け付けたとする。この場合、主装置1の制御部110は、送信されてきたメッセージを受け付けて、これを自システム内に送出する。
このように、この実施の形態の主装置1は、パケット分解/生成部103やアドレス管理DB106を備え、主装置1が接続される種々のネットワークに接続される端末装置間のメッセージの中継を行うことができる。したがって、この実施の形態の主装置1は、外線−内線間の接続や内線間の接続を行ったり、通信回線の使用状況を配下のコードレス電話装置等に通知したりすることができるものである。
また、制御部110は、IP網I/F102、電話網I/F104、LANI/F107を通じて、使用中の通信回線や空いている通信回線を把握し、適切に回線交換を行うこともできるようにしている。また、制御部110は、把握した通信回線の使用状態等に応じて、LANを通じて接続されるコードレス電話装置31〜3n毎に供給すべきLED等の点灯、消灯などを制御するための制御情報を形成する。当該制御情報は、LANI/F107、接続ポート108を通じてLANに送出され、ハブ装置2を介してコードレス電話装置31〜3nなどに送信される。
[ハブ装置2の構成]
図4は、ハブ装置2の構成例を説明するためのブロック図である。図4に示すように、ハブ装置2は、LANI/F21と、切替制御部22と、複数のLANI/F23(1)〜23(n)とを備える。なお、LANI/F23(n)のように、添字として用いている文字nは、1以上の整数を意味するが、例えば、図4においては、LANI/F23(1)、23(2)が存在しているので、図4における添え字nは、3以上の整数となる。添え字nは、以下同様に使用している。
LANI/F21は、自機よりも上位の装置との間でデータを送受するためのインターフェースである。切替制御部22は、受信データの送信先を確認し、目的とする送信先に対してだけ当該受信データ送信する機能を実現する。切替制御部22は、図示しないメモリにおいて、接続ポートごとに、接続されている機器のMACアドレスやIPアドレス管理し、どの接続ポートにどの機器が接続されているのかを適切に管理している。
複数のLANI/F23(1)〜23(n)のそれぞれは、自機よりも下位の装置との間でデータを送受するためのインターフェースである。そして、下位側の複数のLANI/F23(1)〜23(n)のそれぞれは、少なくとも音声信号や呼制御信号などがパケット化されたパケットデータDtの伝送に用いられるデータラインと、基準同期信号SYNCの伝送に用いられる基準同期信号ラインと、フレーム同期信号FLの伝送に用いられるフレーム同期信号ラインを備え、これらの接続を可能にするものである。
なお、図4において、LANI/F21側の接続ポートと、LANI/F23(1)〜23(n)側の接続ポートの図示は省略しているが、当該接続ポートにLANケーブルを接続することにより、それらの複数の信号ラインを同時にLANI/F21、LANI/F23(1)〜23(n)に接続可能になっている。
また、ハブ装置2は、基準信号を発振する発振器24と、発振器24からの基準信号に基づいて、130msの基準同期信号SYNCを生成する同期信号生成回路とを備えている。更に、ハブ装置2は、各LANI/F23(1)〜23(n)に対応して、比較部26(1)〜26(n)、LED(Light Emitting Diode)ドライバ27(1)〜27(n)、少なくとも2色のLEDを備えたLED部28(1)〜28(n)を備えている。この実施の形態のLED部28(1)〜28(n)のそれぞれは、例えば発光色が緑色の緑色LEDと発光色が赤色の赤色LEDとを備えているものとする。
比較部26(1)〜26(n)のそれぞれは、同期信号生成回路25からの基準同期信号SYNCと、対応するLANI/F23(1)〜23(n)を通じて受信するコードレス電話装置31〜3nなどの下位装置からのフレーム同期信号との供給を受ける。そして、比較部26(1)〜26(n)のそれぞれは、両信号の位相を比較し、同期ずれが発生しているか否かを検出し、この検出結果を、対応するLEDドライバ27(1)〜27(n)に供給する。
この実施の形態の比較部26(1)〜26(n)のそれぞれは、位相差が基準範囲内であれば、同期ずれは発生していないことを検出し、位相差が基準範囲外の場合に同期ずれが発生していることを検出する。この実施の形態において、基準同期信号SYNCは130ms周期の信号であり、フレーム同期信号FLは10ms周期の信号である。このため、比較に当たっては、基準同期信号SYNCの例えば立ち上がりと、直近の(すぐ近くにある)フレーム同期信号FLの立ち上がりとの位相差を求める。すなわち、基準同期信号SYNCに対して、フレーム同期信号FLが、どれだけ進んでいるか、あるいは、遅れているかを検出する。
また、別の方法として、例えば、基準同期信号SYNCの例えば立ち上がりの直近のフレーム同期信号FLの立ち上がりから、13周期ごとのタイミングで位相比較を行うようにしてもよい。また、比較部26(1)〜26(n)のそれぞれのそれぞれにおいて、基準同期信号SYNCを13分の1に分周し、この分周した結果の信号とフレーム同期信号FLとの位相差を求めるようにしてもよい。
LEDドライバ27(1)〜27(n)のそれぞれは、対応する比較部26(1)〜26(n)からの検出結果が同期ずれなしの場合には、緑色LEDに対してドライブ信号を供給、赤色LEDにはドライブ信号を供給しないようにする。これにより、同期ずれなしの場合には、緑色LEDのみを発光させることができる。逆に、対応する比較部26(1)〜26(n)からの検出結果が、同期ずれありの場合には、LEDドライバ27(1)〜27(n)のそれぞれは、赤色LEDに対してドライブ信号を供給し、緑色LEDにはドライブ信号を供給しないようにする。これにより、同期ずれありの場合には、赤色LEDのみを発光させることができる。
なお、LANI/F23(1)〜23(n)の中に機器が接続されていないものがある場合には、そのLANI/Fに対しては、接続機器からのフレーム同期信号FLが供給されないので、対応する比較部26(1)〜26(n)において比較処理は行われない。このため、対応するLED部28(1)〜28(n)のLEDが発光することはない。
このように、ハブ装置2は、自機で生成する基準同期信号SYNCと、後述するコードレス電話装置31〜3nの親機BS1〜BSnからのフレーム同期信号FLとを比較し、同期ずれの発生の有無をLEDの発光色により報知することができるものである。
[コードレス電話装置31の親機BS1の構成例]
次に、コードレス電話装置31〜3nの親機BS1〜BSnの構成例について説明する。この実施の形態において、コードレス電話装置31〜3nの親機BS1〜BSnは同様に構成されるものである。このため、以下においては、親機BS1〜BSnの構成例として、コードレス電話装置31の親機BS1の構成例について説明することとする。
図5は、親機BS1の構成例を説明するためのブロック図である。図5に示すように、親機BS1は、親機BS1の全体を制御するための制御回路41と、回線LSI部42と、同期信号発生回路43と、無線通信回路44と、発振器45及び46と、LANI/F47とを備えて構成されている。
LANI/F47は、自機よりも上位の装置との間で信号を送受するためのインターフェースである。LANI/F47は、少なくとも音声信号や呼制御信号などのパケットデータDtの伝送に用いられるデータラインと、基準同期信号SYNCの伝送に用いられる基準同期信号ラインと、フレーム同期信号FLの伝送に用いられるフレーム同期信号ラインを備え、これらの接続を可能にするものである。なお、図5においては、LANI/F47が接続される接続ポートの図示は省略している。
制御回路41は、コンピュータ装置を搭載して構成されている。そして、制御回路41は、この親機BS1における呼制御などの制御を行う機能を備える。回線LSI部42は、主装置1との間で音声信号及び制御信号のやり取りをするための回路であり、パケット分解/生成部421と、制御信号処理部422と、音声信号処理部423と、PLL(Phase locked Loop)部424とからなる。
PLL部424には、発振器45からの基準周波数の発振信号が供給されると共に、主装置1からの基準同期信号SYNCが供給される。この例では、発振器45の発振信号の周波数は、例えば2048MHz(0.488ナノ秒(ns))とされている。PLL部424は、主装置1からの基準同期信号SYNCと発振器45からの発振信号とを位相比較して、その比較結果に基づいて、発振器45の発振信号から、基準同期信号SYNCに同期する親機BS1のシステムクロック信号SCKを生成する。
そして、PLL部424は、生成したシステムクロック信号SCKをパケット分解/生成部421、制御信号処理部422、音声信号処理部423のそれぞれに、信号処理用クロック信号として供給すると共に、同期信号発生回路43に供給する。
パケット分解/生成部421は、ハブ装置2からの音声信号や制御信号がパケット化されたパケットデータDtを伝送するデータラインが接続されると共に、制御信号処理部422、音声信号処理部423に接続される。そして、パケット分解/生成部421は、主装置1からのパケットデータDtを分解し、制御信号と音声信号とを抽出して、制御信号は制御信号処理部422に、音声信号は音声信号処理部423に、それぞれ供給する。また、パケット分解/生成部421は、制御信号処理部422からの制御信号と、音声信号処理部423からの音声信号とをパケット化してパケットデータを生成し、その生成したパケットデータを主装置1に供給するようにする。
制御信号処理部422は、制御回路41の制御信号入出力端に接続されると共に、パケット分解/生成部421に接続されており、発信時及び着信時、また、終話時などにおける呼制御信号などの制御信号(主装置1からコードレス電話装置31への制御信号と、コードレス電話装置31から主装置1への制御信号の両方)の処理回路である。
音声信号処理部423は、無線通信回路44に接続されると共に、パケット分解/生成部421に接続されており、無線通信回路44からの子機HS1から受信した送話音声信号及びパケット分解/生成部421からの受話音声信号の処理回路である。
同期信号発生回路43は、カウンタ431と、同期信号生成部432とからなる。カウンタ431には、ハブ装置2からの130msの周期の基準同期信号SYNCがプリセット端子に供給されると共に、PLL部424からのシステムクロック信号SCKがカウント入力として供給される。そして、このカウンタ431の出力カウント値CNTが同期信号生成部432に供給される。
同期信号生成部432は、カウンタ431の出力カウント値CNTから、DECT規格のフレーム周期(10ms)のフレーム同期信号FLを発生する。同期信号発生回路43は、同期信号生成部432で生成したフレーム同期信号FLを無線通信回路44に供給する。同時に当該フレーム同期信号FLは、LANI/F47のフレーム同期信号ラインを通じて、ハブ装置2のフィードバックされるようになっている。
次に、無線通信回路44について説明する。この実施形態では、無線通信回路44は、DECT規格の無線通信を行うための汎用の親機用無線通信LSIを用いている。この無線通信回路44は、制御部441と、TDMA変復調部442と、無線通信部443とを備えて構成されている。無線通信部443は、子機HS1との間で、無線通信を行うための回路部である。
制御部441は、TDMA変復調部442及び無線通信部443に接続されると共に、制御回路41に接続されている。制御部441は、この無線通信回路44の全体の動作を制御すると共に、制御回路41から得た制御信号に基づく制御信号をTDMA変復調部442に供給する。
TDMA変復調部442は、制御部441及び回線LSI部42の音声信号処理部423に接続されると共に、無線通信部443に接続されており、制御部441からの制御信号と音声信号処理部423からの音声信号を子機HS1に送信するために変調を行う。このTDMA変復調部442で変調された信号は、無線通信部443を通じて子機HS1に送信される。
また、TDMA変復調部442は、無線通信部443で受信された子機HS1からの受信信号から、音声信号及び制御信号を復調し、復調した音声信号は音声信号処理部423に供給し、復調した制御信号は、制御部441に供給する。
そして、TDMA変復調部442は、クロック生成用のPLL部4421を備える。このPLL部4421には、発振器46からの発振信号が供給されると共に、同期信号発生回路43からのフレーム同期信号FLが供給される。
PLL部4421は、同期信号発生回路43からのフレーム同期信号FLと発振器46からの発振信号とを位相比較して、その比較結果に基づいて、発振器46の発振信号から、フレーム同期信号FLに同期するタイミング信号及びクロック信号を生成する。
TDMA変復調部442は、フレーム同期信号FLに同期するタイミング信号及びクロック信号を用いて、割り当て使用可能となるダウンリンクでのスロットの一つに相当する期間で子機HS1への送信信号を生成すると共に、アップリンクでのスロットの一つを用いて、子機HS1からの受信信号の処理を行うようにする。
なお、親機BS1は、ハブ装置2に接続され、子機HS1との通信のための同期処理を開始し、常に、子機HS1に対して送信信号を送る。そして、親機BS1の無線通信回路44の制御部441は、TDMA変復調部442で生成した送信信号を、自機に設定された一つのスロットを用いて、無線通信部443を通じて子機HS1に送り、当該子機HS1から応答が返って来た時に、送信信号を送信するために用いたスロットをダウンリンク用とし、子機HS1からの応答を受信したスロットをアップリンク用として同期を確立して、送受信を行うように制御するものである。すなわち、親機BS1と子機HS1との間では、特定されたスロットを用いて無線通信が行われる。
[コードレス電話装置31の子機HS1の構成例]
次に、コードレス電話装置31〜3nの子機HS1〜HSnの構成例について説明する。この実施の形態において、コードレス電話装置31〜3nの子機HS1〜HSnは同様に構成されるものである。このため、以下においては、子機HS1〜HSnの構成例として、コードレス電話装置31の子機HS1の構成例について説明することとする。
[子機の構成例]
図6は、子機HS1の構成例を説明するためのブロック図である。この図6に示すように、子機HS1は、無線通信回路51と、制御回路52と、コーデック回路53と、発振器54と、マイクロホン55と、スピーカ56とを備えて構成されている。マイクロホン55は送話器を構成し、スピーカ56は受話器を構成する。
無線通信回路51は、DECT規格の無線通信を行うための汎用の子機用無線通信LSIを用いている。この無線通信回路51は、制御部511と、TDMA変復調部512と、無線通信部513とを備えて構成されている。無線通信部513は、親機BS1との間で、無線通信を行うための回路部である。
制御部511は、TDMA変復調部512及び無線通信部513に接続されると共に、制御回路52に接続されている。制御部511は、この無線通信回路51の全体の動作を制御すると共に、制御回路52から得た制御信号に基づく制御信号をTDMA変復調部512に供給する。
TDMA変復調部512は、制御部511及び無線通信部513に接続されると共に、コーデック回路53と接続されており、制御部511からの制御信号とコーデック回路53からの音声信号を親機BS1に送信するために変調を行う。このTDMA変復調部512で変調された信号は、無線通信部513を通じて親機BS1に送信される。
また、TDMA変復調部512は、無線通信部513で受信された親機BS1からの受信信号から、音声信号及び制御信号を復調し、復調した音声信号はコーデック回路53に供給し、復調した制御信号は、制御部511に供給する。
そして、TDMA変復調部512は、クロック生成用のPLL部5121を備える。このPLL部5121には、発振器54からの発振信号が供給されると共に、無線通信部513からの受信信号の復調信号が供給され、このPLL部5121からは、発振器54からの発振信号から、受信信号の復調信号のクロック成分に同期したクロック信号が生成される。このPLL部5121からのクロック信号は、TDMA変復調部512における処理用クロック信号とされる。
コーデック回路53は、TDMA変復調部512で復調された音声信号を復号して、アナログ音声信号に変換し、そのアナログ音声信号をスピーカ56に供給して、受話音声として放音する。また、コーデック回路53は、マイクロホン55で収音したアナログ音声信号を符号化して、TDMA変復調部512に供給するようにする。
なお、制御回路52は、この子機HS1からの発呼時には、発呼時の呼制御信号を、無線通信回路51を通じて親機BS1に送信し、また、親機BS1からの着信時の呼制御信号を受けた時には、着信音をスピーカ56から放音するなどの処理を行う。
[ハブ装置2と親機BS1〜BSnとが協働して行う同期に関する報知]
上述した構成を有する各機器によって構成されるこの実施の形態の電話システムにおいては、ハブ装置2とコードレス電話装置31〜3nの親機BS1〜BSnとが協働することによって、同期ずれが生じている機器間を報知できる。このことは、ハブ装置2に接続されている各コードレス電話装置間で同期が合っているか否かの報知と等価となる。
すなわち、上述したように、ハブ装置2と親機BS1〜BSnとは、少なくとも、データラインと、基準同期信号ラインと、フレーム同期信号ラインとを含むLANケーブルによって接続される。データラインは、音声信号や制御信号がパケット化されて形成されたパケットデータ(メインデータ)Dtを双方向に伝送する。基準同期信号ラインは、ハブ装置2で生成された基準同期信号SYNCをハブ装置2から親機BS1〜BSnのそれぞれに伝送する。フレーム同期信号ラインは、親機BS1〜BSnのそれぞれにおいて、ハブ装置2からの基準同期信号SYNCを用いて生成されるフレーム同期信号を親機BS1〜BSnのそれぞれからハブ装置2に伝送する。
そして、ハブ装置2は、図4を用いて説明したように、LANI/F23(1)〜23(n)のそれぞれに対応して比較部26(1)〜26(n)を備えている。比較部26(1)〜26(n)は、基準同期信号SYNCと、対応する親機BS1〜BSnからのフレーム同期信号FLとを比較し、この比較の結果により判別される同期ずれの有無を、LED28(1)〜28(n)の発光により報知する。
図7は、LEDによる同期ずれの報知態様の例を説明するための図である。図7において、接続ポートPT(1)〜PT(n)は、LANケーブルの接続端を構成するものであり、対応するLANI/F23(1)〜23(n)に接続される。そして、親機BS1とハブ装置2の接続ポートPT(1)とを接続するLANケーブルLC(1)は、正常なものである。また、親機BS2とハブ装置2の接続ポートPT(2)とを接続するLANケーブルLC(2)は、正常なものである。しかし、親機BSnとハブ装置2の接続ポートPT(n)とを接続するLANケーブルLC(n)は、その内部において、基準同期信号SYNCを伝送する基準同期信号ラインが断線しており、基準同期信号SYNCをハブ装置2から親機BSnに伝送できなくなっていたとする。
この場合、親機BS1、BS2においては、ハブ装置2からの基準同期信号SYNCに基づき、適切にフレーム同期信号FLを生成し、これをハブ装置2にフィードバックしてくる。しかし、親機BSnには、ハブ装置2からの基準同期信号SYNCが供給されないので、基準同期信号SYNCに同期しないフレーム同期信号FLが形成され、これがハブ装置2に伝送されて来る。
この場合、親機BS1からのLANケーブルLC(1)が接続された接続ポートPT(1)に対応する比較部26(1)では、基準同期信号SYNCと親機BS1からのフレーム同期信号FLとを比較すると同期が合っていることが判別できる。この場合、比較部26(1)の判別結果に基づいて、LEDドライバ27(1)は、LED部28(1)の緑色LEDに駆動電流を供給し、赤色LEDには駆動電流を供給しない。これにより、LED部28(1)の緑色のLEDが点灯し、赤色のLEDが消灯した状態となり、基準同期信号SYNCと親機BS1で形成されるフレーム同期信号とは同期が合っていることが報知される。つまり、ハブ装置2と親機BS1との間の同期は合っていることが報知される。
同様に、親機BS2からのLANケーブルLC(2)が接続された接続ポートPT(2)に対応する比較部26(1)では、基準同期信号SYNCと親機BS2からのフレーム同期信号FLとを比較すると同期が合っていることが判別できる。この場合、比較部26(2)の判別結果に基づいて、LEDドライバ27(2)は、LED部28(2)の緑色LEDに駆動電流を供給し、赤色LEDには駆動電流を供給しない。これにより、LED部28(2)の緑色LEDが点灯し、赤色LEDが消灯した状態となり、基準同期信号SYNCと親機BS2で形成されるフレーム同期信号とは同期が合っていることが報知される。つまり、ハブ装置2と親機BS2との間の同期は合っていることが報知される。
これに対して、親機BSnからのLANケーブルLC(n)が接続された接続ポートPT(n)に対応する比較部26(n)では、基準同期信号SYNCと親機BS2からのフレーム同期信号FLとを比較すると、同期が合っていないことが判別できる。ハブ装置2からの基準同期信号SYNCが親機BSnに供給されていないためである。この場合、比較部26(n)の判別結果に基づいて、LEDドライバ27(n)は、LED部28(2n)の緑色LEDに駆動電流を供給しないが、赤色LEDには駆動電流を供給する。これにより、LED部28(2)の緑色のLEDが消灯し、赤色のLEDが点灯した状態となり、ハブ装置2で形成される基準同期信号SYNCと親機BS2で形成されるフレーム同期信号FLとの同期ずれが発生していることが報知される。つまり、ハブ装置2と親機BSnとの間の同期はずれていることが報知される。
図7に示した状態の場合、ハブ装置2で生成された基準同期信号SYNCと、親機BS1、BS2のそれぞれで生成されたフレーム同期信号FLとの同期が合っているので、親機BS1と親機BS2との間の同期が合っていることが把握できる。そして、親機BSnは、同期が合っている親機BS1、BS2とは同期が合っていない(同期ずれが発生している)ことが把握できる。
この場合、ハブ装置2と親機BSnとを接続するLANケーブルLC(n)を正常なものに交換することで、同期ずれを解消できる。また、規定以上に長いLANケーブルを用いたり、規格外のLANケーブルを用いたりしているために、基準同期信号SYNCとフレーム同期信号FLとが同期ずれを生じさせている場合もあるが、このような場合にも、接続に用いるLANケーブルを適切なものに変えるだけで、同期ずれを解消することができる。このように、同期ずれが発生している箇所を的確に特定できるので、その箇所に対して適切な対応を取ることで、同期ずれの早期解消を実現できる。
[ハブ装置の他の例(1)]
ところで、ビジネスホンシステムを構築する場所の面積が広かったり、複数階に渡っていたりする場合、1台のハブ装置2だけでは十分な台数のコードレス電話装置を主装置1に接続できない場合がある。このような場合には、ハブ装置2に対して下位装置として別のハブ装置を接続することが考えられる。しかし、図4を用いて説明したハブ装置2の場合、基準同期信号SYNCを上位装置に伝送する経路を備えないために、ハブ装置間の同期ずれの発生を検知できない。
そこで、以下に説明するハブ装置の他の例のハブ装置2Aは、上位装置からの基準同期信号SYNC(上位)の提供を受けて、これに同期するように自機で基準同期信号SYNC(下位)を生成することができるものである。更に、ハブ装置2Aは、自機において生成した基準同期信号SYNC(下位)を上位装置に伝送することができるものである。
図8は、ハブ装置2Aを説明するためのブロック図である。図8に示すハブ装置2Aにおいて、図4を用いて説明したハブ装置2と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの部分についての詳細な説明は重複するので省略する。そして、図8のハブ装置2Aと図4のハブ装置2とを比較すると分かるように、上位装置側のLANI/F21Aと同期信号生成回路25Aの構成が、図4に示したハブ装置2とは異なっている。
すなわち、ハブ装置2AのLANI/F21Aは、データラインと、上位装置からの基準同期信号SYNC(上位)が伝送される基準同期信号上位ラインと、自機からの基準同期信号SYNC(下位)が伝送される基準同期信号下位ラインとを備えたものである。そして、同期信号生成回路25Aは、LANI/F21Aを通じて受け付けた上位装置から基準同期信号SYNC(上位)と発振器24からの基準信号との供給を受けて、上位装置からの基準同期信号SYNC(上位)に同期する130ms周期の基準同期信号SYNCを生成して出力する。
同期信号生成回路25Aから出力された基準同期信号SYNCは、図4を用いて説明したハブ装置2の場合と同様に、下位装置側のLANI/F23(1)〜23(n)及びLANケーブルの基準信号ラインを通じて、コードレス電話装置31〜3nなどの下位装置に提供される。更に、同期信号生成回路25Aから出力された基準同期信号SYNCは、図8に示すように、上位装置側のLANI/F21A及びLANケーブルの基準同期信号下位ラインを通じて、上位に位置するハブ装置2、または、他のハブ装置2Aに提供される。すなわち、この例の場合、ハブ装置2Aの上位にハブ装置2や他のハブ装置2Aが存在する。
そして、上位に位置するハブ装置2(図4)や他のハブ装置2A(図8)は、下位装置が接続されるLANI/F23(1)〜23(n)に対応して比較部26(1)〜26(n)が設けられている。比較部26(1)〜26(n)には、自機の同期信号生成回路25、25Aで生成した基準同期信号SYNCが供給されると共に、下位装置からのフレーム同期信号FL、あるいは、基準同期信号SYNC(下位)が供給されて、位相比較が行われる。
すなわち、LANI/F23(1)〜23(n)に接続される下位装置が、コードレス電話装置31〜3nの親機BS1〜BSnである場合には、比較部26(1)〜26(n)には、親機BS1〜BSnで生成されたフレーム同期信号FLが供給される。一方、LANI/F23(1)〜23(n)に接続される下位装置が、ハブ装置2Aである場合には、比較部26(1)〜26(n)には、ハブ装置2Aで生成された基準同期信号SYNC(下位)が供給される。
比較部26(1)〜26(n)のそれぞれは、通常は、130ms周期の基準同期信号と10ms周期のフレーム同期信号との位相比較を行う。このため、上述したように、比較に当たっては、基準同期信号SYNCの例えば立ち上がりと、直近のフレーム同期信号FLの立ち上がりとの位相差を求める。しかし、下位にハブ装置2Aが存在する場合には、比較部26(1)〜26(n)のそれぞれは、下位装置から10ms周期のフレーム同期信号と130msの基準同期信号SYNC(下位)とのうちのいずれかが供給される。
しかし、基準同期信号SYNCを13分の1に分周すればフレーム同期信号FLが形成でき、フレーム同期信号FLを13逓倍すれば基準同期信号SYNCが形成できる。すなわち、基準同期信号SYNCとフレーム同期信号FLとは分周/逓倍関係にあり、周期は異なっていても、本来、同期は合っているものである。
そこで、比較部26(1)〜26(n)のそれぞれは、下位装置からの信号が、親機BS1〜BSnからのフレーム同期信号FLであっても、ハブ装置2Aからの基準同期信号SYNC(下位)であっても、比較に当たっては、例えば、基準同期信号SYNCの例えば立ち上がりと、直近のフレーム同期信号FLの立ち上がりとの位相差を求めることにより、同期ずれの検出を行うことができる。これにより、位相差が所定範囲内であれば同期ずれは発生しておらず、また、位相差が所定範囲外であれば同期ずれが発生していると検知できる。
そして、上述したように、ハブ装置2(上位装置)に対して、ハブ装置2A(下位装置)が接続されている場合、ハブ装置2Aで生成される基準同期信号SYNCは、ハブ装置2からの基準同期信号SYNC(上位)が用いられて生成される。このため、通常は、上位装置であるハブ装置2の基準同期信号SYNC(上位)と、下位装置であるハブ装置2Aの基準同期信号SYNC(下位)との同期は合っているはずである。
しかし、LANケーブルの基準同期信号上位ラインの断線等により、上位装置であるハブ装置2からの基準同期信号SYNC(上位)が、下位装置であるハブ装置2Aに適切に提供されない場合には、両者の間に同期ずれが発生する。この場合においても、このハブ装置2Aを下位装置として用いることにより、上位装置であるハブ装置2においては、比較部26(1)〜26(n)、LEDドライバ27(1)〜27(n)、LED部28(1)〜28(n)の機能により、自機(ハブ装置2)と下位装置であるハブ装置2Aとの間の同期ずれも検知して報知できる。
[ハブ装置2の下位にハブ装置2Aが存在する場合の同期に関する報知]
図9は、ハブ装置2の下位にハブ装置2Aが存在する電話システムにおける、LEDによる同期ずれの報知態様の例を説明するための図である。図9に示すように主装置1に対しては、ハブ装置2が接続され、このハブ装置2の下位装置としてコードレス電話装置の親機BS1、BS2、…と、ハブ装置2A(1)が接続されている。ハブ装置2A(1)には、親機BS11、BS12、…と、ハブ装置2A(2)が接続されている。ハブ装置2A(2)には、親機BS21〜BS2nが接続されている。
親機BS1、BS2、…と、親機BS11、BS12、…と、親機BS21〜BS2nとのそれぞれは、図5に示した構成を有するものである。また、ハブ装置2A(1)、2A(2)のそれぞれは、図8に示した構成を有するものである。また、ハブ装置2、ハブ装置2A(1)、2A(2)のそれぞれにおいて、接続ポートPT(1)〜PT(n)は、LANケーブルの接続端を構成するものであり、対応するLANI/F23(1)〜23(n)に接続される。なお、図9においては、LANI/F23(1)〜23(n)などの図示は省略している。
そして、図9に示すように、ハブ装置2とハブ装置2A(1)との間を接続するLANケーブルLCAの基準同期信号上位ラインに断線が生じており、ハブ装置2からの基準同期信号SYNC(上位)がハブ装置2A(1)に供給されない状況になっているとする。同様に、ハブ装置2A(2)と親機BS22とのとの間を接続するLANケーブルLCBの基準同期信号ラインに断線が生じており、ハブ装置2A(1)からの基準同期信号SYNCが親機BS22に供給されない状況になっているとする。これら以外の接続は、全て適切になされているものとする。
この場合、主装置1の直下に位置するハブ装置2のLED部28(n)は、比較部26(n)、LEDドライバ27(n)の機能により、緑色LEDが消灯し、赤色LEDが点灯した状態になる。これにより、ハブ装置2とハブ装置2A(1)との間で同期ずれが発生していることが報知される。また、ハブ装置の中では最下位に位置するハブ装置2A(2)のLED部28(2)は、ハブ装置2A(2)の比較部26(2)、LEDドライバ27(2)の機能により、緑色LEDが消灯し、赤色LEDが点灯した状態になる。これにより、ハブ装置2A(2)と親機BS22との間で同期ずれが発生していることが報知される。その他のLED部は、全て緑色LEDが点灯し、赤色LEDが消灯している状態にあるので、それらに対応する接続ポートを通じて接続されている機器間では、同期ずれは発生していないことになる。
しかし、実際には、ハブ装置2とハブ装置2A(1)の間で同期ずれが発生しているので、ハブ装置2に接続された親機BS1、BS2、…と、ハブ装置2A(1)、ハブ装置2A(2)に接続されている親機BS11、BS12、…、BS21、BS22、…との間において同期ずれが生じていることになる。しかし、同期ずれが発生している機器を報知するのではなく、どの機器間で同期ずれが発生しているのかを報知できるので、その機器間について、LANケーブルを適切なものに替えるなどの同期ずれを解消するための適切な処置を施すことにより、電話システム全体の同期を合わせることができる。
したがって、ハブ装置2や複数のハブ装置2Aを用いて、大規模なビジネスホンシステムを構成した場合にも、それらハブ装置2、2Aにおける、LED部28(1)〜28(n)の発光状態に基づいて、同期ずれが生じている機器間を確実に特定できる。そして、LANケーブルの交換など、適切な対応を迅速に施し、コードレス電話装置などの主装置1に収容された電話端末の全てを適切に使用できる状態にすることができる。
[ハブ装置の他の例(2)]
ところで、同期ずれの原因が機器間を接続するLANケーブルではない場合もある。例えば、親機BS1〜BSnやハブ装置2、2Aで、システムクロックを生成するための基準信号を発生される発振器の精度が悪かったり、当該発振器が周囲の温度変化により誤差を含むようになったりすることによって、同期ずれが発生する場合もある。この場合には、LANケーブを変えるなどの対応では、同期ずれを解消することはできない。
そこで、以下に説明するハブ装置の他の例であるハブ装置2Bは、下位装置に提供する基準同期信号SYNCを、検出した同期ずれのずれ量に応じて補正した後に下位装置に提供できるようにしたものである。
図10は、ハブ装置2Bを説明するためのブロック図である。図10に示すハブ装置2Bにおいて、図4を用いて説明したハブ装置2と同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの部分についての詳細な説明は重複するので省略する。そして、図10のハブ装置2Bと図4のハブ装置2とを比較すると分かるように、LANI/F23(1)〜23(n)のそれぞれと、同期信号生成回路25との間に、補正部29(1)〜29(n)を設けている点が異なっている。また、LANI/F23(1)〜23(n)のそれぞれに対応して設けられている比較部26A(1)〜26A(n)のそれぞれが、検出した同期ずれに応じた通知情報を対応する補正部29(1)〜29(n)に供給する点が異なっている。
すなわち、比較部26A(1)〜26A(n)のそれぞれは、図4に示したハブ装置2の比較部26(1)〜26(n)と同様の機能を有する。比較部26A(1)〜26A(n)のそれぞれは、同期信号生成回路25からの基準同期信号SYNCと、対応するLANI/F23(1)〜23(n)を通じて受信するコードレス電話装置31〜3nなどの下位装置からのフレーム同期信号との供給を受ける。そして、比較部26A(1)〜26A(n)のそれぞれは、両信号の位相を比較し、同期ずれが発生しているか否かを検出し、この検出結果を、対応するLEDドライバ27(1)〜27(n)に供給する。
さらに、比較部26A(1)〜26A(n)のそれぞれは、検出した両同期信号のずれ量を示す通知情報を、対応する補正部29(1)〜29(n)に通知する。例えば、基準同期信号SYNCに対して、下位装置からのフレーム同期信号FLが遅れている場合には、「+(プラス)ずれ量」となる通知情報を形成し、これを対応する補正部29(1)〜29(n)に通知する。また、基準同期信号SYNCに対して、下位装置からのフレーム同期信号FLが進んでいる場合には、「−(マイナス)ずれ量」となる通知情報を形成し、これを対応する補正部29(1)〜29(n)に通知する。
この場合、「+ずれ量」は、基準同期信号SNCに対するフレーム同期信号FLの「遅れ量」に相当する。また、「−ずれ量」は、基準同期信号SNCに対するフレーム同期信号FLの「進み量」に相当する。これら「+ずれ量」、「−ずれ量」のそれぞれは、例えば、1ms単位、1/10ms単位、1/100ms単位などの時間情報である。この他、システムクロック数により「+ずれ量」、「−ずれ量」を表現するようにしてもよい。
補正部29(1)〜29(n)のそれぞれは、比較部26(1)〜26(n)からのずれ量を示す通知情報に基づいて、同期信号生成回路25からの基準同期信号SYNCの周期を補正する。比較部26(1)〜26(n)からの通知情報が、「+ずれ量」である場合には、基準同期信号SYNCに対してフレーム同期信号が「+ずれ量」分遅れていることになる。この場合、補正部29(1)〜29(n)は、基準同期信号SYNCの周期を当該「ずれ量」分短く(早く)するように補正する。この場合、本来の基準同期信号SYNCの周期は130msであるので、これをずれ量に応じて、例えば129ms、128msなどのように短くする補正を行うことになる。
逆に、比較部26(1)〜26(n)からの通知情報が、「−ずれ量」である場合には、基準同期信号SYNCに対してフレーム同期信号FLが「−ずれ量」分進んでいることになる。この場合、補正部29(1)〜29(n)は、基準同期信号SYNCの周期を当該「ずれ量」分長く(遅く)するように補正する。本来の基準同期信号SYNCの周期は130msであるので、これをずれ量に応じて、例えば131ms、132msなどのように長くする補正を行う。
なお、補正単位は、1ms単位ではなく、上述もしたように、1/10ms単位、1/100ms単位のように、より精度高く行うようにすることもできる。逆に、2ms単位、3ms単位などのように、より大きく補正を行うようにすることもできる。
そして、補正部29(1)〜29(n)のそれぞれは、補正後の基準同期信号SYNCをLANI/F23(1)〜23(n)を通じて、コードレス電話装置31〜3nなどの下位装置に提供する。これにより、コードレス電話装置31〜3nなどの下位装置では、ハブ装置2Bからの補正後の基準同期信号SYNCに基づいて、フレーム同期信号FLを生成するので、フレーム同期信号FLの周期が調整され、ハブ装置2Bの同期信号生成回路25で生成される基準同期信号SYNCと、コードレス電話装置31〜3の親機BS1〜BSnなどの下位装置で生成されるフレーム同期信号との同期を合わせることができる。
そして、比較部26A(1)〜26A(n)において、同期ずれが検出されない場合には、同期ずれのずれ量を示す通知情報は0(ゼロ)か、補正が必要のない所定範囲内のものとなり、補正部29(1)〜29(n)での補正は行われない。したがって、この場合には、同期信号生成回路25からの基準同期信号が補正部29(1)〜29(n)及びLANI/F23(1)〜23(n)を通じてそのまま下位装置に提供される。
このようにして、ハブ装置2Bの機能により、ハブ装置2Bと、ハブ装置2Bに接続されたコードレス電話装置などの下位装置との間の同期を、使用者(ユーザ)の手を煩わせることなく、ハブ装置2Bが自律的に合わせることができる。
[ハブ装置の他の例(3)]
図11は、この他の例のハブ装置2Cを説明するためのブロック図である。図11に示すハブ装置2Cは、図8に示したハブ装置2Aと図10に示したハブ装置2Bとの機能を併せ持つようにしたものである。したがって、図11に示すハブ装置2Cにおいて、図8に示したハブ装置2A、図10に示したハブ装置2Bと同様に構成される部分には同じ参照符号を付し、それらの部分の説明は重複するので省略する。
そして、図11に示したハブ装置2Cを用いることにより、基準同期信号SYNCとフレーム同期信号との同期ずれと、基準同期信号(上位)と基準同期信号(下位)との同期ずれとの両方を報知することができると共に、それら両同期信号間の同期合わせも自動的に行うことができる。
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態のハブ装置2を用いる場合には、上位装置で生成される基準同期信号と、下位装置であるコードレス電話装置の親機で生成されるフレーム同期信号との間で同期ずれを生じさせている機器間(箇所)を報知できる。これにより、当該箇所に対して、同期ずれを解消するための適切な対応を迅速に取ることができる。
また、ハブ装置2Aを用いる場合には、上位装置である例えばハブ装置2で生成される基準同期信号と、下位装置であるハブ装置2Aで生成される基準同期信号との間で同期ずれを生じさせている場合には、これを報知できる。これにより、当該箇所に対して、同期ずれを解消するための適切な対応を迅速に取ることができる。
また、上述した実施の形態のハブ装置2Bを用いる場合には、上位装置で生成される基準同期信号と、下位装置であるコードレス電話装置の親機で生成されるフレーム同期信号との間で生じている同期ずれを自動的に補正し、同期合わせを行うことができる。また、同期ずれを生じさせている機器間(箇所)の報知もできる。
また、上述した実施の形態のハブ装置2Bを用いる場合には、上位装置である例えばハブ装置2で生成される基準同期信号と、下位装置であるハブ装置2Cで生成される基準同期信号との間で生じている同期ずれも自動的に補正し、同期合わせを行うことができる。また、同期ずれを生じさせている機器間(箇所)の報知もできる。
[変形例]
上述した実施の形態のハブ装置2B、2Cを用いる場合には、まず、同期ずれの発生個所を特定して、LANケーブルの交換などの対応を取った後に、それでも同期ずれが解消しない箇所がある場合に、同期ずれの自律的な解消を行うようにすることができる。具体的には、ハブ装置2B、2Cを用いる場合において、まず、補正部29(1)〜29(n)では補正を行わず、同期信号生成回路25、25Aからの基準同期信号をそのまま、LANI/F23(1)〜23(n)を通じて下位装置に供給する。
例えば、補正部29(1)〜29(n)を、これらを機能させるための所定のイネーブル信号が供給されないうちは、補正機能は機能させないように構成する。あるいは、所定の制御信号が比較部26(1)〜26(n)に供給されるまで、比較部26(1)〜26(n)が同期ずれに応じた通知信号を補正部29(1)〜29(n)に供給しないようにする。
前者の場合には、当該イネーブル信号の補正部29(1)〜29(n)への供給を指示する指示操作を受け付ける指示操作部とイネーブル信号生成部をハブ装置2B、2Cに設ける。後者の場合には、所定の制御信号の比較部26(1)〜26(n)への供給を指示する指示操作を受け付ける指示操作部と当該制御信号の生成部をハブ装置2B、2Cに設ける。
そして、初めに、比較部26A(1)〜26A(n)、LEDドライバ27(1)〜27(n)、LED部28(1)〜28(n)の機能により、同期ずれの発生している機器間を特定し、LANケーブルを適切なものに交換するなどの対応を行う。このようにして、同期ずれの外的要因を全て解消する。
この後に、使用者の指示操作により、補正部29(1)〜29(n)での補正処理を行うようにする。このようにすれば、下位装置の発振器の精度不良などの内的要因により発生している同期ずれのみを、適切に補正し、同期ずれを解消させることができる。したがって、補正部29(1)〜20(n)に過度の負担がかかることもない。
また、上述した実施の形態では、必ず主装置1の下位に、ハブ装置2、ハブ装置2A、ハブ装置2B、ハブ装置2Cを設けるものとして説明したがこれに限るものではない。例えば、比較的に小規模なビジネスホンシステムの場合には、主装置にコードレス電話装置を直接接続してビジネスホンシステムを構成する場合もある。このため、主装置に対して、図4を用いて説明したハブ装置2の機能や図10を用いて説明したハブ装置2Bの機能を設ける。これにより、主装置のLED部によって同期ずれの生じている機器間を特定したり、同期ずれの補正を自動的に行うようにしたりすることができる。
また、上述した実施の形態では、音声信号と制御信号はパケット化してパケットデータとして提供し、基準同期信号やフレーム同期信号は、LANケーブルの空いているラインを専用の伝送ラインとして用いて伝送するようにした。しかし、これに限るものではない。例えば、基準同期信号やフレーム同期信号を、パケットデータに多重化して伝送することもできる。
このようにした場合には、ハブ装置2などのLANI/F23(1)〜23(n)の前段(同期信号生成回路25や比較部26や切替制御部22側)に多重化/分離部を設ける。そして、当該多重化/分離部で多重化した信号をLANI/F23(1)〜23(n)を通じて送信したり、ここで分離したパケットデータを切替制御部22に供給したり、フレーム同期信号を比較部に供給したりすればよい。
一方、親機BS1〜BSnのLANI/F47の前段(パケット分解/生成部421やPLL部424側)に多重化/分離部を設ける。ここでパケット分解/生成部421からのパケットデータと同期信号発生回路43からのフレーム同期信号を多重化して、LANI/F47を通じて上位装置に送信しる。また、LANI/F47を通じて受け付けた多重化信号を、多重化/分離部で分離処理を行い、分離したパケットデータをパケット分解/生成部421に供給したり、基準同期信号SYNCをPLL部424に供給したりすればよい。
また、上述した実施の形態のハブ装置2、2A、2B,2Cにおいては、緑色LEDと赤色LEDとの2色のLEDを用いるようにしたが、これに限るものではない。例えば、赤色LEDだけを用い、同期ずれが発生している場合には、赤色LEDを点灯あるいは点滅させ、同期ずれが発生していない場合には、当該赤色LEDを消灯させるようにして、同期ずれの発生の有無を報知するようにしてもよい。また、用いるLEDの発光色も緑色と赤色に限らず、種々の色のものを用いることができる。
また、上述した実施の形態のハブ装置2、2A、2B,2Cにおいては、LED部28(1)〜28(n)を通じて、同期ずれの発生の有無を報知したが、これに限るものではない。ハブ装置2、2A、2B,2CにLCD(Liquid Crystal Display)とLCDコントローラを設け、このLCDを通じて、同期ずれの発生の有無を報知するようにしてもよい。
[その他]
請求項における上位装置の第1の同期信号生成手段の機能は、実施の形態のハブ装置2の同期信号生成回路25が実現し、請求項における上位装置の第1の送出手段、第1の受付手段の機能は、実施の形態のハブ装置2の主にLANI/F23(1)〜23(n)が実現している。また、請求項における上位装置の比較手段の機能は、実施の形態のハブ装置2、2A、2B、2Cの比較部26(1)〜26(n)が実現し、請求項における上位装置の報知手段の機能は、実施の形態のハブ装置2、2A、2B、2Cの主にLED部28(1)〜28(n)が実現している。
また、請求項における下位装置の第2の受付手段、第2の送出手段の機能は、実施の形態の親機BS1等のLANI/F47が実現し、請求項における下位装置の第2の同期信号生成手段の機能は、実施の形態の親機BS1等の同期信号発生回路43が実現している。
また、実施の形態の上位装置の補正手段の機能は、実施の形態のハブ装置2B、2Cの補正部29(1)〜29(n)が実現している。また、請求項における上位装置の第3の送出手段、第3の受付手段の機能は、実施の形態のハブ装置2B、2Cの主にLANI/F21Aが実現している。