JP6795325B2 - 阻集器 - Google Patents

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Description

本発明は、排水に含まれる油脂類などが下水に流出する前に排水から油脂類を分離し収集する阻集器や枡などに関する。
油脂、ガソリン、土砂その他を含む排水をそのまま下水に流すと、下水管などを閉塞したり損傷する等、配管設備の機能に支障をきたすなどのおそれがある場合、有効な位置に阻集器を設置することが義務付けられている。阻集器の一例として、飲食店の厨房から排出される排水から油脂類等を分離し収集するグリース阻集器などがある。
グリース阻集器は、貯留槽本体を有し、側溝あるいはパイプから貯留槽本体に流れ込んできた排水に混入している残さやゴミなどを取り除くバスケットを設けた排水流入室と、残さやゴミなどを取り除かれた後の排水から油脂類を分離させる分離室と、油脂類が分離された排水を下水管へと流出させる流出口に下水管から臭気や虫が侵入してくるのを防ぐ排水トラップが設けられる。
グリース阻集器において排水から油脂類を分離させるのは、水と油の比重の違いを利用した自然浮上分離方式を基本としたものが一般的に多く用いられるのであるが、近年では、環境への配慮から、SHASE規格(SHASE−S217。空気調和・衛生工学会規格。)において、グリース阻集器の阻集効率(油脂類の分離除去効率)は従来と比べさらに高いものが求められており、いかに阻集効率を上げるかが重要な課題となっている。
自然浮上分離方式のグリース阻集器は、例えば加圧浮上のように加圧ポンプを設けたりする必要がなく、単純な構造で安価な点が広く利用される所以であるが、乳化した油脂類を分離除去することはできない。また、自然浮上分離できる油滴の大きさには限度がある。
またさらに、従来においては、グリース阻集器の処理能力を維持するために定めた許容流入流量(阻集器の持つ阻集効率を維持できる流入流量の最大流量)を、貯留槽本体に貯留しうる最大水量(以下、「実容量」という。)の75%と定められていたのであるが、現在はそうした制限が撤廃されており、許容流入流量は、SHASE規格が求める阻集効率が維持できれば、その流量の決定はメーカー各社に委ねられることとなった。
一般的に、自然浮上分離方式においては、貯留槽内における排水の流速が遅く、分離槽が大きいほど、油脂類は浮上しやすいのであるが、上述したように、貯留槽に流入する排水の許容流入流量の制限は撤廃されてその量は増える傾向にあり、その結果、貯留槽内の流速は早まる傾向にある。また、貯留槽を埋め込む天井裏や床下などのスペースには限りがあるため、おのずと貯留槽の大きさにも限りがある。
さらに、水中における油の浮上速度は、一般的には、その油滴の粒径が大きいほど速いため、自然浮上分離方式によるグリース阻集器では、排水に含まれる油脂類の粒径は、できるだけ大きい方が望ましい。しかしながら実際は、上流の側溝やパイプから貯留槽内の排水流入室へ乱流状態で流入した排水は、排水流入室内の排水と新しく流入してきた排水が混合され、油脂類は撹拌される傾向にある。また、バスケットの孔あるいは網目を通り抜けることによって、排水に混じる油脂類が細かくせん断される傾向にあるのが実情である。
また、自然浮上分離方式では、分離槽で浮上した油脂類は定期的な清掃によって除去されることとなるが、その清掃を怠ると、分離槽に浮上した油脂類の量が累積的に増えて、せっかく分離した油脂類さえも、排水の流れに乗って下水管へと流出する可能性がある。つまり、阻集効率は使用頻度、清掃頻度により差が出て、安定しないこととなる。
特開第2002-256618号公報
特許文献1では、阻集器201の流入口202に取り付けたバスケット230の前面板230aを通水不能な無孔板で形成することにより、流入した排水が前面板230aに当たって反転し、勢いが弱められてバスケット230の後面板や左右の側面板の通水孔230fから流出して、流出口へ向かう緩やかな水流が形成されるため、排水に含まれる油脂類は、流出口へ送られるまでに水面に浮上して分離しやすくなり、阻集効率が向上する。
しかしながら、特許文献1では、バスケット230の後面板や側面板の通水孔を通じて、阻集器201本体に浮上した油脂類がバスケット230内にも必ず残ることになる。特に、排水の流入が止まった際には、阻集器内に浮上した油脂類は、バスケット230内へと逆戻りしてしまう。そのため、排水が流入する際には、バスケット230内の油脂類は勢いよく流入してきた排水によって撹拌されてしまい、細かい粒子となって、浮上する前にそのまま流出口へと流出してしまう。
そこで、本発明では、排水流入室へ流入した排水に含まれる油脂類が細かくせん断されることなく、排水流入室から分離室へ排水が移動し、さらに分離室において効率よく油脂類を浮上させ、また、分離室で浮上した油脂類を、排水流入室へ逆流させることもなく、排水流入室から入ってきた排水に撹拌されて細かい粒子となり排水の流れに巻き込まれて流出口へと流出させることもない阻集器を提供することを課題とする。
本発明に係る阻集器は、貯留槽本体と、貯留槽本体に少なくとも、排水が流れ込むバスケットと、水と油の比重差を利用して油脂類を浮上分離させる分離室と、排水を下水管へ流出させる流出口と、流出口に設けられ、流出口下流からの臭気や虫の侵入を防ぐトラップとを備え、少なくともバスケットの底面またはバスケットの下方のいずれか一つには整流板が設けられ、バスケットの下流側には、分離室と隔てる隔壁が設けられて、バスケットが設けられる貯留槽本体内のスペースを排水流入室とし、隔壁には、排水流入室に流入した排水が分離室へ流入する開口部が設けられ、その開口部の下端部には、標準水位面によりも高い位置に設けられた越流部を設けている。さらに、トラップの周囲には分離室と前記トラップとを隔てる立体隔壁を設け、この立体隔壁は、その上端を標準水位面よりも高く設けて、トラップの上下方向にわたってその周囲を囲むように貯留槽本体から取り外し可能に係止され、立体隔壁によって分離室と隔てられたトラップを含む空間を排水流出室となして貯留槽本体に対する排水流出室の占める割合を小さくして分離室の容積や表面積を広く確保し、さらに、立体隔壁の下部には、分離室の油脂類が分離された排水が排水流出室へ流入するための切欠を設け、この切欠は、トラップへ排水が流入する位置より低い位置に設けられることを特徴とする阻集器。
本発明によれば、バスケットの底面あるいは下方に整流板が設けられていることにより、排水流入室に流入した油脂類を含む排水が勢いよく貯留槽深くまで潜り込むことを防ぐ。そして、整流板によって勢いが緩められた排水は、排水流入室内で浮上した油脂類を撹拌することなく、油脂類は細かくせん断されにくくなる。
また、越流部は堰の役割を果たすため、排水流入室からは堰を超えた一定量の排水が分離室へと流れこみ、流れ方向に対して均一な流れに整えられる。また、越流部は標準水位面よりも高い位置にあるため、排水の流入がストップしても、分離室で浮上分離した油脂類が排水流入室へ逆戻りすることがない。
さらに、本発明によれば、排水流出室を形成する立体隔壁は、その上端が標準水位面よりも高く設けられ、かつトラップの周囲を上下方向にわたって囲むので、従来の隔壁のように貯留層本体の左右幅一杯に設けられる場合と異なり、貯留槽本体に対し、分離室の容積をできるだけ大きく確保することができる。一般的にグリース阻集器において、貯留槽本体に占める油脂類を排水から分離させる分離室の表面積の割合はできるだけ大きい方が、同じ容量の貯留槽で比較すれば、油脂類の阻集効率は高くなる。
また、立体隔壁の設けられる切欠は、トラップへ排水が流入する位置より低い位置に設けられるため、たとえトラップにおいてサイフォン現象(排水トラップ内の排水がすべて引っ張られて下流に引き込まれ、封水を破ってしまう破封現象)が起きても、分離室に浮上分離した油脂類は、隔壁に阻まれて排水流出室に流入することなく、油脂類が流出口から流出することを防ぐことができる。
また、本発明に係る阻集器は、少なくとも、前記バスケットの下流側面、前記隔壁の開口部上端、前記バスケットの下流側面と前記隔壁の間のいずれか一つには邪魔板が設けられている。
新しいSHASE規格により、阻集器の貯留槽本体への許容流入流量には制限がなく、一時に大量の排水が貯留槽の排水流入室へと流入する場合がある。その際には、排水は勢いあまって、バスケットの前面から直接隔壁の越流部の上を乗り越えて分離室へと流入してしまうこともあり、勢いのある排水が、分離室上に浮上分離された油脂類に衝突し、油脂類が撹拌され、細粒化されてしまう。また、越流部で排水が越流しない場合、排水は均一な流れに調整される機会を失い、流速にムラが生じ、分離効率が下がってしまう。本発明の邪魔板は、隔壁の越流部を越流することなく飛び越えて分離室へと入り込むのを防いで、そうした事態を防ぎ、排水流入室へと流入した排水は必ず隔壁に設けられた越流部を越流するように排水を案内するのである。
また本発明に係る阻集器は、隔壁のすぐ下流側には、もう一枚の隔壁が設けられ、下流側の隔壁と上流側の隔壁との間に、上流側の隔壁の開口部から流入する排水を分離室へ案内する流路を形成するとともに、下流側の隔壁の下端は、貯留槽本体の底から離れた位置に設けられて、分離室への連通空間を形成していることを特徴とする。
越流部を超えた排水は、2枚の隔壁の間を流路として、その狭い流路を案内されて、流れ方向に対して均一な流れを形成・維持されるとともに、上流の隔壁の越流部を超えた際に発生しやすい旋回流を発生しにくくできる。旋回流の発生をそのままにしておくと、油脂分と水と空気が撹拌され、泡状の油脂類が発生してしまい、阻集効率が下がってしまうためである。
また、本発明の阻集器は、連通空間の下流には、貯留槽本体の底部から立ち上がる誘導板が設けられていることを特徴とする。また、誘導板は、貯留槽本体の底部から下流側に向かって傾斜させてもよい。
本発明によれば、排水に含まれる油脂類は、誘導板に流れが案内されて分離室の表面へと浮上しやすくなる。誘導板がない場合、排水は排水流出室の下部にある連通空間から流出口までの最短距離となる貯留槽の底部を流れようとするのであるが、誘導板によって排水の流れが長くなり、より浮上分離しやすくなるのである。
さらに、本発明に係る阻集器の立体隔壁は、流出口側を除く少なくとも三面を有するか、またはトラップを四方面で囲う角筒状を有し、貯留槽本体の側壁に係止させることもできる。
分離室内で浮上した油が排水流出室内へ入り込まないように液密状に係止させることができる。
本発明によれば、排水流入室へ流入した排水に含まれる油脂類が細かくせん断されることなく、分離槽において効率よく油脂類を浮上させ、また、分離槽で浮上した油脂類を、排水流入室へ逆流させることもないので、高い阻集効率を達成することができ、環境に配慮した阻集器を提供することができる。
本発明の阻集器の断面図である。 本発明の阻集器の平面図である。 本発明に係る整流板の実施例を示す図である。 本発明に係る邪魔板の実施例を示す図である。 本発明に係る誘導板の実施例を示す図である。 本発明に係る分離室と排水流出室を隔てる隔壁の実施例を示す図である。 特許文献1に係る阻集器の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、各図において、同一の部分または対応する部分には、同一の符号を付してある。
図1の符号1は、本発明の第一実施形態に係る阻集器であり、比較的深さのある方形の貯留槽本体2には、厨房などの床に備え付けられた図示しない側溝あるいは排水管から流れ込んでくる厨芥や油脂類を含む排水が流れ込む流入口3と、流入口3の直下には、流入してくる排水から厨芥を取り除くため、排水や油脂類は通す無数の孔を有する金網やパンチングメタルなどで形成されたバスケット4が設置されている。
さらに、厨芥を取り除かれた排水からさらに油脂類を取り除くため、バスケット4の下流に隔壁6を設け、バスケット4が設置されている貯留槽本体2のスペースを排水流入室5とするとともに、その下流の貯留槽本体2の一部を油と水の比重差を利用して浮上分離させるスペース=分離室7とする。
分離室7で油脂類を除去された排水は、トラップ8を経て、図示しない下水へとつながる流出口9へと流出する。図1に示すトラップ8は、いわゆるワン型トラップといわれるもので、流路が上下方向に形成され、排水を流下させる縦直管部8aと、その下端に接続されて排水の流路を前記上下方向から水平方向に変更させるエルボなどの曲管部8bと、縦直管部8aの上端開口部8cを上方から覆うように取り付けられる封水キャップ8dとを有し、曲管部8bは、グリース阻集器の貯留槽本体2の低い位置に設けられた流出口9に接続されている。
SHASE規格の定義によれば、貯留槽本体2に実容量の貯留水が入っているときの水位面を標準水位面WLというのであるが、本実施形態の標準水位面WLは、トラップ8の縦直管部8aの上端開口部8cの高さが標準水位面となる。また、封水キャップ8dの下端8d´は縦直管部8aの上端8cよりも深い位置に設置され、そのオーバーラップした縦方向の距離が、SHASE規格で必要とされる封水深SWとなる。
ところで、バスケット4の底面は、図1や図3(a)に示すように、排水や油脂類を通さない無孔板41で形成されており、流入口3から流入した排水は、バスケット4の前後左右の側面から流出することとなる。
隔壁6は、貯留槽本体2の左右(短手)幅一杯の幅を有し、かつ、隔壁6の下端と貯留槽本体2の底部との間から排水が流れないよう底部から立ち上がるように、貯留槽本体2から取り外し可能に設けられている。また、隔壁6には、排水流入室5からの排水が分離室7へ流入できるように、開口部6aが設けられている。開口部6aは、貯留槽本体2の左右幅ほぼ一杯に開口している。
流入口3から排水が流入すると、水位は、標準水位面WLよりも上昇するのであるが、開口部6aの下端部6bは、標準水位面WLよりも高い位置に設けられており、排水流入室5で厨芥を取り除かれた排水は、隔壁開口部6aの下端部6bを越流して分離室7へと流入する。この下端部6bは、流量や水位を調節する堰の役割を果たし、排水の越流部でもある。
流入口3から流入した排水は、バスケット4の底面に設けられた無孔板41に当たって、バスケット4の前後左右の側面から流出することとなるため、勢いが弱められて排水流入室5の深くまで潜り込むことないため、油脂類が排水流入室5内で細かい粒子にせん断されるような撹拌が起こらず、油脂類は大きな粒子径のまま、排水流入室5の表面に浮上しやすくなる。
越流部6bは標準水位面WLよりも高い位置に設けられ、かつ左右の幅広に設けられているため、隔壁6によって行く手をさえぎられた排水は、排水流入室5の水位を徐々に上昇させ、均等な流れとなって越流部6bを越流することとなる。排水の流入によって、排水流入室5の表面に浮上した油脂類は越流部6bを超えて積極的に分離室7へ押し流されるので、排水流入室5に残留する油脂類は極めて少なくなる。
さらに、本実施形態では、隔壁6の越流部6bを越流した排水が分離室7に入り込んで分離室に浮上した油脂類を撹拌しないよう、図1に示すように、隔壁6のすぐ下流にもう一枚の隔壁10を設けている。
この隔壁10は、隔壁6と同じように貯留槽本体2から取り外し可能に設けられた貯留槽本体2の左右幅一杯の幅を有する平板で、隔壁6と一緒に、開口部6aから流入した排水を分離室7へと案内する流路11を形成する。隔壁10の下端は、貯留槽本体2の底から離れた位置に設けられて、貯留槽本体2の左右幅ほぼ一杯に流路11から分離室7への連通空間12を形成している。
隔壁6と隔壁10で形成される(貯留槽本体2の長手方向の)距離は、許容流入流量の排水が滞りなく流れる程度を維持しつつ、できるだけ狭い方が望ましい。
隔壁6の開口部6aから流路11へ流入した排水は、下流の隔壁10の下端にある連通空間12へと案内される過程で、狭い流路11によって、流れ方向に対し、均一な流れが維持されるとともに、上流の隔壁6の越流部6bを越流した際に発生しやすい旋回流を発生しにくくなる。
また、連通空間12のすぐ下流には、図1に示すように、貯留槽本体2の底部から斜め方向に立ち上がるように誘導板13を設けている。この誘導板13は、連通空間12を経由した排水が、分離室7の上方に向かって排水を案内する。
この誘導板13がない場合には、連通空間12を経由した排水は、後述する排水流出室15への連通空間16へ向かって最短距離を流れようとする傾向がみられ、貯留槽本体2の底面を這うように流れてしまうため、誘導板13を設けることで、排水の流れを分離室7の上方へと誘導し、油脂類の浮上分離をさらに促進することができる。
さらに、図1と図2に示すように、分離室7とトラップ8とを隔てる立体隔壁14を設ける。この立体隔壁は、図2や図6(a)でわかるように流出口9側を除く三面に平板を有する立体の平面視コ字状に隔壁を形成し、トラップ8の周囲を囲むように、貯留槽本体2の流出口9側の内壁に係止されている。なお、立体隔壁14は貯留槽本体2から取り外し可能に係止される。
立体隔板14で囲われた空間は排水流出室15を形成する。立体隔板14のコ字状の三面の下端14aは、貯留槽本体2の底面に接するようにされているが、それぞれ切欠14bが設けられている。この切欠14bと貯留槽本体2の底面で形成された連通空間16から、分離室7で油脂類が除去された後の排水が排水流出室へと流れ込む。
なお図6(a)では、切欠14bは三面全てに設けられたものを開示しているが、切欠14bは左右面のみでもよく、正面にのみ設けてもかまわない。なお、切欠14bは、トラップ8の封水キャップ8dの下端8d´よりも低い位置になるように設けられている。これは、万が一破封した際でも、封水キャップ8dの下端8d´と切欠14bとで封水でき、分離室7の油脂類が排水流出室15へ流入するのを防ぐことができるからである。
従来のように、分離室と排水流出室を左右幅一杯に設けられた隔壁で隔てると、貯留槽本体に対する排水流出室の占める割合が大きくなってしまうのと異なり、本実施形態のようなトラップ8を囲むように設けられた立体隔壁14によって、図2に示すように、分離室7の容積や表面積を広く確保できる。同じ容量の貯留槽で比較すると、油脂類の浮上時間はそれだけ長くなり、その結果、阻集効率も高くなり、さらに、許容流入流量も増やすことができる。
一方、図2に示すように、分離室7の容積や表面積が広くなり、分離室7の表面浮上している油脂類は流出口9に距離的には近くなっている。そのため、図6(a)に示す立体隔壁14のフランジ部14cを係止する図示しない貯留槽本体2の内壁の係止部は、分離室7の油脂類や排水が排水流入室15に漏れ入らないようにパッキンやメカニカル構造にするなどの液封をきちんと施す必要がある(ただし、衛生管理上の問題からスポンジパッキンの使用については控えることが賢明である。)。
その他の実施形態には、図3(b)に示すように、バスケット4の底面に設ける無孔板42を流れ込む排水を集中的に受ける箇所だけに配置することもできる。バスケット4は、少なくとも一日一回は厨芥を捨てるため、貯留槽本体2からはずして清掃しなければならないため、図3(a)に示すバスケット4の底面一杯に無孔板41を設けるよりも、バスケット4全体の重量が軽くなり、さらにバスケット4の引き上げル際の水の抵抗も小さくなり、清掃の負担が軽減される。また、流入口3は図2に示すように貯留槽本体2の長手方向のみに設けられるばかりでなく、左右方向のいずれかに設けられる場合もあるため、その場合には、底面の一部に無孔板42を設けるだけで十分である。
また、図3(c)に示すように、バスケット4そのものは前後左右の側面と底面の全てがパンチングメタルなどの孔を有する従来のものを利用し、バスケット4の下方に無孔板43を設けてもよい。この無孔板43は、バスケット4の底面から排水流入室5に流入してくる排水が貯留槽本体2の底深くまで潜りこみ、排水を撹拌するのを防ぐ役割を果たせるように、貯留槽本体2の深さに応じて、バスケット4の底面からすぐ下から水中深さの半分程度までの深さのいずれかに設けることができる。
なお、図3(a)(b)(c)に示す無孔板41、42、43はすべて整流板としての役割を果たしており、特に整流板43は必ずしも平板である必要はなく、湾曲した無孔板であってもかまわない。
さらに、その他の実施形態として、図4(a)(b)に示すように、隔壁6の開口部6aを完全な開口にする代わりに、開口部6aに当たる平板61を開口部上端cでバスケット側へ折り曲げて、この平板61を邪魔板とすることもできる。
前述したように、新しいSHASE規格により、貯留槽本体2への許容流入流量には制限がなく、一時に大量の排水が排水流入室5へと流入する場合がある。その際には、排水は勢いあまって、バスケット4の前面4aから直接隔壁6の越流部6bを越流することなく、飛び越えて分離室7へと流入してしまうことがある。
その場合、排水は、バスケット4の整流板や、隔壁6の越流部6bによって、勢いが減速されることもなく、均一な流れに整えられることもなく、流速にムラが生じてしまう。また、勢いのある排水が、流路11や分離室7にそのまま流入すると、分離室7に浮上分離された油脂類に衝突し、油脂類が撹拌され、細粒化されてしまう。
本実施形態の邪魔板61は、そうした事態を防ぎ、排水流入室5へと流入した排水を、必ずバスケット4の整流板や隔壁6に設けられた越流部6bを経由するように排水を案内するのである。
また、邪魔板のその他の実施形態として、図4(c)に示すように、バスケット4の前面4aを無孔板62としてもよく、図4(d)に示すように、邪魔板63をバスケット4の前面4aと隔壁6の間に設けてもよい。特に、邪魔板63は必ずしも平板である必要はなく、湾曲した無孔板であってもかまわない。
また、誘導板のその他の実施形態として、図5(a)に示すように、隔壁10と一体に斜め上方に向かう誘導板101を設けても良く、図5(b)に示すような、垂直に立ち上がる誘導板102としてもよい。
さらに、分離室7と排水流出室15とを隔てる隔壁のその他の実施形態として、図6(b)に示すように、トラップ8を四方面で囲う角筒状の立体隔壁141にしてもよい。流出口9側の面141aを全面覆うような筒状にすることで、分離室7の油脂類が排水流出室15に漏れ入ることを防ぐことができる。流出口9側の面141aの下部に設けた切欠141bは、トラップ8の曲管部8bと流出口9のために設けられたものである。
そのほか、図示はしていないが、筒状とは、必ずしも角筒である必要はなく、円筒であってもかまわない。図1に示したようなワン型トラップは一例であって、本発明に係るトラップは、それに限らず、例えばT型トラップであっても、そのほかの形状のトラップであってもかまわない。
流出口9は、流入口3と同様に、貯留槽本体2の長手方向のみに設けられるばかりでなく、左右方向のいずれかに設けられる場合もあり、トラップの形状や流出口の設けられる位置に応じて、トラップを囲う立体隔壁の形状もさまざまな形態が考えられることは言うまでもない。
1 阻集器
2 貯留槽本体
3 流入口
4 バスケット
5 排水流入室
6、10 隔壁
14、141 立体隔壁
6b 越流部
7 分離室
8 トラップ
9 流出口
11 流路
12、16 連通空間
13、101、102 誘導板
15 排水流出室
41、42、43 整流板
61、62、63 邪魔板
WL 標準水位面
SW 封水深

Claims (6)

  1. 貯留槽本体と、
    前記貯留槽本体には、少なくとも、
    排水が流れ込むバスケットと、
    水と油の比重差を利用して油脂類を浮上分離させる分離室と、
    排水を下水管へ流出させる流出口と、
    前記流出口に設けられ、前記流出口下流からの臭気や虫の侵入を防ぐトラップと、
    を備えており、
    少なくとも、前記バスケットの底面または前記バスケットの下方のいずれか一つには整流板が設けられ、
    前記バスケットの下流側には、前記分離室と隔てる隔壁が設けられて、前記バスケットが設けられる前記貯留槽本体内のスペースを排水流入室となし、
    前記隔壁には、前記排水流入室に流入した排水が前記分離室へ流入する開口部が設けられ、前記開口部の下端部は、標準水位面によりも高い位置に設けられた越流部であり、
    前記トラップの周囲には前記分離室と前記トラップとを隔てる立体隔壁が設けられ、
    前記立体隔壁は、その上端を標準水位面よりも高く設けて、前記トラップの上下方向にわたってその周囲を囲むように取り外し可能に係止され、前記立体隔壁によって前記分離室と隔てられた前記トラップを含む空間を排水流出室となして前記貯留槽本体に対する前記排水流出室の占める割合を小さくして前記分離室の容積や表面積を広く確保し、前記立体隔壁の下部には、前記分離室の油脂類が分離された排水が前記排水流出室へ流入するための切欠を設け、前記切欠は、前記トラップへ排水が流入する位置より低い位置に設けられることを特徴とする阻集器。
  2. 少なくとも、前記バスケットの下流側面、前記隔壁の開口部上端、前記バスケットの下流側面と前記隔壁の間のいずれか一つには邪魔板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載された阻集器。
  3. 前記隔壁のすぐ下流側には、もう一枚の隔壁が設けられ、下流側の前記隔壁と上流側の前記隔壁との間に、上流側の前記隔壁の前記開口部から流入する排水を前記分離室へ案内する流路を形成するとともに、下流側の前記隔壁の下端は、前記貯留槽本体の底から離れた位置に設けられて、前記分離室への連通空間を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載された阻集器。
  4. 前記連通空間の下流には、前記貯留槽本体の底部から立ち上がる誘導板が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載された阻集器。
  5. 前記誘導板は、前記貯留槽本体の底部から下流側に向かって傾斜していることを特徴とする請求項4に記載された阻集器。
  6. 前記立体隔壁は、前記流出口側を除く少なくとも三面を有するか、または前記トラップを四方面で囲う角筒状を有し、前記貯留槽本体の側壁に係止されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の阻集器。
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