JP2005219047A - 油水分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で大量の廃水を処理できる油水分離装置を提供すること。
【解決手段】廃水から油分を分離させるための液槽を備えた油水分離装置において、液槽5は第1〜第3の隔壁12,15,21によって区画された直列に配置された第1〜第4の4つの分離槽6〜9を備えている。第2の隔壁15は上部寄りほど同第3の分離槽8側に傾斜している。第1の分離槽6は廃水が導入される導入口11を備えるとともに、第1の隔壁12の底部寄りに形成された第1の連通孔13によって第2の分離槽7と連通させられている。第2の分離槽7は第2の隔壁15の上部に形成された第2の連通孔17によって第3の分離槽と連通させられ、第3の分離槽8は第3の隔壁21の底部寄りに形成された第3の連通孔23によって第4の分離槽9と連通させられている。第2の隔壁15と第3の隔壁21の間には少なくとも底部側及び上部側を封塞しない3枚の障壁25が立設されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は廃水を油と水とに分離する油水分離装置に関するものである。
洗浄や加工によって排出される油水混合廃水(以下、単に廃水とする)は基本的に下水として処理される。しかし、油分を多く含む廃水はそのまま下水として流すことはできない。廃水の油分は下水管を詰まらせたり堆積して火災の原因物質となることや河川にそのまま放流された場合に水質汚染を引き起こすからである。そのため、現状では廃水中の油分が所定値以下(一般にはノルマルヘキサン抽出物質含有量として表現される)でなければ廃水を下水として排出できないように徐々に規制がされつつある。
このような廃水は工場排水、レストラン等の飲食業者の洗浄排水、ガソリンスタンドの洗浄排水、一般家庭からの排水等から広く由来し極めて大量に排出されることとなる。ところが、このような廃水を大量に処理できる装置は従来存在しなかった。例えば、フィルター交換式の油水分離装置は存在したものの、フィルターが短時間で目詰まりしてしまうため、大量の廃水の処理には不向きである。また、油分はそれのみを回収できれば再利用も可能であるわけであるが一旦フィルターに油分が吸着されてしまえば再利用は困難である。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、安価で大量の廃水を処理できる油水分離装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、油分が混入した廃水からその油分を分離させるための液槽を備えた油水分離装置において、前記液槽は第1〜第3の隔壁によって区画された直列に配置された第1〜第4の4つの分離槽を備え、前記第1又は第2の隔壁の少なくともいずれか一方には前記第2の分離槽に面した傾斜面が形成され、前記第1の分離槽は廃水が導入される導入口を備えるとともに、前記第1の隔壁の底部寄りに形成された第1の連通孔によって第2の分離槽と連通させられ、前記第2の分離槽は前記第2の隔壁の上部に形成された第2の連通孔によって前記第3の分離槽と連通させられ、前記第3の分離槽は前記第3の隔壁の底部寄りに形成された第3の連通孔によって前記第4の分離槽と連通させられ、前記第2の隔壁と同第3の隔壁の間には少なくとも底部側及び上部側を封塞しない1枚ないしは複数枚の障壁を立設させるようにしたことをその要旨とする。
また、請求項2の発明では、油分が混入した廃水からその油分を分離させるための液槽を備えた油水分離装置において、前記液槽は第1〜第3の隔壁によって区画された直列に配置された第1〜第4の4種の分離槽を備え、前記第1又は第2の隔壁の少なくともいずれか一方には前記第2の分離槽に面した傾斜面が形成され、前記第1の分離槽は上流から廃水が導入される導入口を備えるとともに、前記第1の隔壁の底部寄りに形成された第1の連通孔によって第2の分離槽と連通させられ、前記第2の分離槽は前記第2の隔壁の上部に形成された第2の連通孔によって前記第3の分離槽と連通させられ、前記第3の分離槽は前記第3の隔壁の上部寄りに形成された第3の連通孔によって下流側に配置された前記第1の分離槽と連通させられ、これら第1〜第3の分離槽を1組として複数組を連続的に配置するとともに、同第3の分離槽は前記液槽の端部において同第3の隔壁の底部寄りに形成された第4の連通孔によって第4の分離槽と連通させられ、前記第2の隔壁と同第3の隔壁の間には少なくとも底部側及び上部側を封塞しない1枚ないしは複数枚の障壁を立設させるようにしたことをその要旨とする。
また、請求項3の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記第2の隔壁は下方側においても前記第3の分離槽と連通しているようにしたことをその要旨とする。
また、請求項4の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記第2の分離槽に面した前記第2の隔壁の傾斜面は上部寄りほど同第3の分離槽側に傾斜していることをその要旨とする。また、請求項4の発明では請求項3に記載の発明の構成に加え、前記傾斜面は下端から上端に至るまで均一な傾斜とされていることをその要旨とする。
また、請求項5の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記第2の隔壁の上端位置には同第2の隔壁とは不連続に形成された乱流発生部が形成されていることをその要旨とする。また、請求項6の発明では請求項1〜5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記障壁の上端位置には同障壁と不連続に形成された乱流発生部が形成されていることをその要旨とする。
また、請求項7の発明では請求項1〜6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記障壁には傾斜面が形成されていることをその要旨とする。また、請求項8の発明では請求項1〜7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記第2の隔壁の下流側であって前記第3の分離槽に立設された前記障壁の上流側には廃水流入の勢いを抑制する水勢抑制部材が上方位置から下垂されていることをその要旨とする。
このような構成では廃水は導入口から第1の分離槽に導入され、第1の分離槽で水層と油層とに大きく分離される。第1の分離槽へは導入口から直接廃水が投入されても途中で沈殿槽等の他の槽を経由しても構わない。これら分離された油層と水層は第1の隔壁の底部寄りの第1の連通孔から第2の分離槽に流出していく。油層は浮力が大きいため速やかに第2の分離槽上層に至る。
この段階でかなりの油分が除去されるが、水層中には未だ大量の油分が残存している。特にいわゆる油ダマと呼称される数十μm程度の径の微少粒子はごく軽量であるため水層中に拡散していると揺動する水の圧力によって水中で自由運動をしてしまうこととなり浮上することが容易にはできない。油ダマに基づく油分の総量はトータルすると廃水中のかなりな比率にのぼり、水層中の油ダマを十分排除しなければ下水として排出できないケースがありうる。
第2の分離槽においては第1の分離槽から流入した水層は次々と流入する廃水に押されて第1又は第2の隔壁の傾斜面に沿って上昇していくこととなる。その際に水層中の油ダマが相接することでより大きな油ダマを形成し、徐々に成長して浮力を増して上昇していく。更に上記のように油ダマは水層中において自由運動をしているが、油ダマが傾斜面に衝突する際の衝突力は傾斜面に沿った方向へのベクトルを発生させることとなるため、特に傾斜面に衝突した油ダマは傾斜面に沿って平面的に上昇又は下降するようになる。従って、傾斜面での油ダマの密度が高くなるとともに傾斜面に沿って移動する際に相接する油ダマ同士が新たなより大きな油ダマを次々と形成し、徐々に浮力を増していくこととなる。成長した油ダマは順次浮き上がっていく。第2の分離槽に至った水層は第2の隔壁の上部の第2の連通孔から更に第3の分離槽に流出していく。
第3の分離槽には第2の分離槽で除去されなかった油分(主として油ダマ)を含む水層が流入することとなる。第3の分離槽においては第2の隔壁と同第3の隔壁の間に少なくとも底部側及び上部側を封塞しない1枚ないしは複数枚の障壁が配置される。この障壁に水層中の油ダマが衝突することによって油ダマは成長して浮力を増して上昇していく。また、障壁によって流入してきた廃水の勢いが抑制される。第3の分離槽で上層に集積した油分は上記第2の分離槽の上層に集積した油層と一体化し、第2及び第3の分離槽の上部に渉って油層が形成されることとなる。第1〜第3の分離槽において上層に分離された油層は廃棄してもよく再利用することも可能である。
最後に水層は第3の隔壁の底部寄りに形成された第3の連通孔から第4の分離槽に至る。第4の分離槽に至った水層は極めて油分が少ないためそのまま下水として排水することが可能となる。また、排水させずに再利用してもよい。その際に例えば濾過膜等を通過させて上水として利用することも可能である。
このような第1〜第4の分離槽は第1〜第3の分離槽を1組として複数組を連続的に配置することが油層の確実な除去にとってはより好ましい。この場合では第3の分離槽は液槽の端部において第4の分離槽に接続される。
ここに、第2の分離槽側に面した第2の隔壁の表面は上部寄りほど同第3の分離槽側に傾斜していることが好ましい。油ダマがこのような傾斜面に衝突した場合にはその衝突力によって生じるベクトルは上昇方向となるため成長した油ダマがより速やかに浮き上がることとなる。また下端から上端に至るまで均一な傾斜の傾斜面であることが好ましい。均一な傾斜とは途中で段差などのない滑らかな連続的な傾斜面であればよく湾曲面も含む。また、第2の分離槽には第1の隔壁と前記第2の隔壁の間には少なくとも底部側及び上部側を封塞しない1枚ないしは複数枚の障壁を立設させるようにすることが好ましい。この障壁に水層中の油ダマが衝突することによって油ダマは成長して浮力を増して上昇していくこととなる。
また、第2の隔壁や障壁の上端位置には乱流発生部が形成されていることが好ましい。乱流発生部とは例えば第2の隔壁や障壁の上端を下流側に向かって屈曲させた屈曲部等が相当する。乱流発生部によって下流側に乱流が生じ油ダマの成長が促進されるからである。更に、障壁にも傾斜面が形成されていることが好ましい。障壁全体を傾斜状の板体として配置するようにしてもよい。また、第2の隔壁の上部後方であって第3の分離槽に立設された障壁よりも前方位置には廃水流入の勢いを抑制する水勢抑制部材を下垂させることが好ましい。更に、水勢抑制部材の下端位置は障壁上端よりも下方位置にあることが好ましい。このようにすると、第2の分離槽から第3の分離槽に新たに流入する水層(廃水)は水勢抑制部材で勢いが抑制させられるとともに、この水勢抑制部材で成長した油ダマが下流方向に行きにくくなる。
第1の分離槽内には廃水流入の勢いを抑制する水勢抑制部材を配設することが好ましい。これによって廃水流入の勢いが抑制されるとともに、水勢抑制部材との干渉によって油ダマが成長が促進されるからである。また、第4の分離槽側には油分貯留部を形成することが好ましい。これによって第3の分離槽で除去し得なかった油分を更に確実に取り去ることができる。
上記各請求項の発明では、水層中に残存して除去しにくいいわゆる油ダマと呼称される油分由来の微少粒子を効率的かつ速やかに除去できるため大量の廃水を安価な設備で処理することが可能となる。
以下、本発明の油水分離装置を概略具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明で後方又は上流側とは図2〜図4における左方向を、前方又は下流側とは同各図における右方向を言うものとする。左右とは前方を向いた状態での左右方向を言うものとする。
(実施の形態1)
図1及び図2に示すように、油水分離装置1は天板2、底板3及び側面を包囲する4枚の側部板4a〜4dからなる直方体形状の液槽5を備えている。液槽5内部は第1〜第4の4つの分離槽6〜9に区画されている。第1〜第4の4つの分離槽6〜9は上流から下流に向かって直列に配置されている。第1の分離槽6は液槽5の最上流に配置されている。第1の分離槽6は三方の側部板4a〜4cと第1の隔壁12とによって区画されている。第1の分離槽6の上部には廃水を導入するための導入口としての開口部11が形成されている。第1の隔壁12は左右の側部板4b,4c間に及ぶとともに天板2の左端から下方に向かって垂直に延出されている。第1の隔壁12の下端側は開放され隣接する第2の分離槽7と連通する第1の連通路13が形成されている。
第2の分離槽7は左右の側部板4b,4cと第1及び第2の隔壁12、15とによって区画されている。第2の隔壁15は第1の隔壁12の下流に配置され、左右の側部板4b,4c間に及ぶとともに底板3から斜め右上方に真っ直ぐに延出されている。第2の隔壁15の上部位置は天板2から離間した所定の下方位置(天板2と底板3間の高さの約3/4の位置)とされ第2の隔壁15の上端と天板2との間には隣接する第3の分離槽8と連通する第2の連通孔17が形成されている。第2の隔壁15の上端寄りは上流方向に更に大きく屈曲された第1の屈曲部18とされている。
第3の分離槽8は左右の側部板4b,4cと第2及び第3の隔壁15、21によって区画されている。第3の隔壁21は第3の隔壁21の下流に配置され、左右の側部板4b,4c間に及ぶとともに天板2から下方に向かって垂直に延出されている。第3の隔壁21の下端側は開放され隣接する第4の分離槽9と連通する第3の連通路23が形成されている。
第3の分離槽8内には前記第2の隔壁15と同じ傾斜角度とされた3枚の第1の障壁25が配設されている。各第1の障壁25はいずれも左右の側部板4b,4c間に及ぶ板体であって、天板2及び底板3との間において等間隔を空けて配設されている。各第1の障壁25の上端は第2の隔壁15と水平位置において同高さとされている。各第1の障壁25の下端は下流側ほど底板3に接近している。つまり、各第1の障壁25は下流側ほど長く形成されている。第3の分離槽8における右側部板4cには第3の隔壁20寄りであって各第1の障壁25の上端と略同位置に横長の排油孔26が形成されている。
第4の分離槽9は三方の側部板4b〜4d及び第3の隔壁21によって区画されている。第3の隔壁21の第4の分離槽9側に面した下端寄りには油分貯留部27が配設されている。油分貯留部27は左右の側部板4b,4c間に及ぶごく長尺の板片を第3の隔壁20から斜め下方に向かって傾斜するように固着した構造とされている。
第4の分離槽9にはオイルスキマー29が配設されている。第4の分離槽9における側部板4dの上部位置には横長の排水孔30が形成されている。排水孔30は前記排油孔26よりも若干上方に配置されている。
図1に示すように、右側部板4cの下部位置には掃除用の水抜きパイプ31が配設されている。底板3には油水分離装置1を搬送するための車輪32が配設されている。尚、液槽5は図示しないヒータによって所定温度に加温されている。
このような構成の実施の形態1の油水分離装置1の作用について説明する。
公知の導入手段によって開口部11から連続的に油水の混合した廃水を第1の分離槽6内に導入する。廃水は第1の分離槽6において水層と油層とに大きく分離される。但し、この段階では多くの油分が水層中に浮遊している状態である。分離された水層と油層は次々と導入される廃水の圧力によって第1の隔壁12の底部寄りの第1の連通路13から第2の分離槽7に流出していく。油層は第2の分離槽7に至るとその浮力で速やかに水層の上層に浮上する。
この段階でかなりの油分が油層として除去されるが、水層中には未だ大量の油分(その多くは油ダマ)が残存している。第2の分離槽7においては第1の分離槽から流入した水層は次々と流入する廃水に押されて第2の隔壁15の傾斜面に沿って浮上していくこととなる。水層中の油ダマが第2の隔壁15に接するとその傾斜面に沿って浮上する。傾斜面付近の油ダマの密度は高くなり油ダマ同士は互いに接して徐々に成長して浮力を増して逐次浮上していく。また、第1の屈曲部18の下流側には乱流が生ずるため油ダマが相接する機会が更に増える。水層は油ダマを上層に排出させながら第2の隔壁15の上部の第2の連通孔17から第3の分離槽8に連続的に流出していく。
第3の分離槽8には第2の分離槽7で除去されなかった油ダマを含む水層が流入することとなる。水流は第1の障壁25に干渉することでその勢いが減衰させられる。また、水層中の油ダマが第1の障壁25に接すると第2の隔壁15と同様の作用によりその傾斜面に沿って浮上する。傾斜面付近の油ダマの密度は高くなり油ダマ同士は互いに接して徐々に成長して浮力を増して逐次浮上していく。第3の分離槽で上層に浮上した油分は上記第2の分離槽7の上層に集積した油分と一体化し、第2及び第3の分離槽では水層の上部に広く油層が形成されることとなる。このような油層は油層位置に形成された排油孔26から公知の取り出し手段によって回収又は廃棄される。
最後に水層は第3の連通路23から第4の分離槽9に至る。このとき、水層中に残った油ダマは第4の分離槽9に至る際に油分貯留部27に貯留され、更に第4の分離槽9に至ってからも排水孔30に面したオイルスキマー29によって僅かに残った油分をすくい取るることとなる。このような工程でほとんどの油分が取り去られた水層は排水孔30から公知の取り出し手段によって回収又は廃棄される。
このように構成することにより本実施の形態1の油水分離装置1は次のような効果を奏する。
(1)油と水が混ざった廃水を4つの槽6〜7を通過させるだけで水層から効率よく油分を除去することができ、大量の廃水の分別処理が可能となる。
(2)第2の分離槽7では未だ多くの油ダマが水層中に拡散しているが、これらが第2の隔壁15に衝突しその傾斜面に沿って移動する際に油ダマの成長を促すことができるため、水層からの油ダマの除去がスムーズに行われる。また、第2の隔壁15は上部寄りほど第3の分離槽8側に傾斜した傾斜面であるため油ダマの上昇が助長されることとなり、成長した油ダマの速やかな浮上を助長する。
(3)本実施の形態1では第3の分離槽8に至った水層中の油ダマが3枚の第1の障壁25にも衝突することとなって第2の隔壁15と同様の作用で油ダマが成長しかつ第1の障壁25に沿って上昇させられるため効率的に油分が除去されることとなる。
(4)廃水は勢い良く開口部11から流入してくるものの、第4の分離槽9に至る段階では極力水層の攪拌運動を抑制し、油ダマがいつまでも水層を浮遊しないようにする必要がある。本実施の形態1では3枚の第1の障壁25によって水層は穏やかな流れとなって第4の分離槽9に導かれるため、油ダマは速やかに上昇して水層はより油分が除去されることとなる。
(5)第2の隔壁15には第1の屈曲部18がありこの下流側に発生する乱流によって油ダマの成長が促されるため水層から効率的に油分が除去されることとなる。
(6)第4の分離槽9に至る際に水層中の油ダマは油分貯留部27にも貯留されることとなるため、第4の分離槽9内には極めて油分の少ない水が流入することとなる。
(実施の形態2)
図3に基づいて実施の形態2について説明する。実施の形態2では実施の形態1と共通する構成については同じ番号を付して詳しい説明は省略する。
実施の形態2の油水分離装置41では第1の分離槽6の開口部11寄りに廃水の勢いを抑制させる水勢抑制部材としての第1及び第2の抑制板42,43が配設されている。第1の抑制板42は第1の隔壁12上端位置から斜め下方に向かって傾斜するように固着され、第2の抑制板42は第1の抑制板42の下方位置であって同側部板4aから斜め上方に向かって傾斜するように固着されている。このため開口部11から導入された廃水は蛇行しながら第1の分離槽6内に至る。
実施の形態2の第1の隔壁12は下部寄りほど第1の分離槽6側に傾斜して構成されている。その傾斜角度は第2の隔壁15と略同等であるため、第1の隔壁12と第2の隔壁15は平行にかつ斜めに配置されることとなっている。第1の隔壁12と第2の隔壁15の間には第2の障壁44が配設されている。第2の障壁44の上端は第2の隔壁15と同形状の第3の屈曲部45が形成されている。第2の障壁44の上端と第2の隔壁15の上端は同じ高さに配置されている。第2の障壁44の下端と第1の隔壁12の下端は同じ高さに配置されている。
実施の形態2の第1の障壁25は2枚とされている。第1の障壁25の上端寄りには下流側に屈曲された第2の屈曲部46が形成されている。その結果、第1の障壁25上部位置でも下流側に乱流が発生し、この乱流によって油ダマの成長が促されるため水層から効率的に油分が除去されることとなる。実施の形態2では実施の形態1と同様の作用・効果を奏するが、加えて第1及び第2の抑制板42、43によって第1の分離槽6で油ダマの成長が促され、第2の障壁44によって第2の分離槽7で油ダマの成長が促される。
(実施の形態3)
図4に基づいて実施の形態3について説明する。実施の形態3では実施の形態1又は実施の形態2と共通する構成については同じ番号を付して詳しい説明は省略する。
実施の形態3の油水分離装置51では開口部11に至る封塞された通路52が形成されている。実施の形態3の第1の隔壁12の下端は第2の分離槽7側に屈曲されており、第2の障壁53とされている。第2の障壁53と第2の隔壁15は平行にかつ斜めに配置されている。実施の形態3の第1の障壁25は実施の形態2と同様の2枚とされており、上記実施の形態1及び2と異なり傾斜せず底板3に対して垂直に配置されている。
実施の形態3でも実施の形態1と同様の作用・効果を奏する。
(実施の形態4)
図5に基づいて実施の形態4について説明する。実施の形態4では実施の形態1〜実施の形態3と共通する構成については同じ番号を付して詳しい説明は省略する。
実施の形態4の油水分離装置61では隣接して廃水タンク62が配設されている。廃水タンク62に廃水を導く導入口63位置にはストレーナ66が配設されている。同様に廃水タンク62から油水分離装置61へと連通する連通路64への導出口65位置にもストレーナ66が配設されている。
連通路64は第1の分離槽6の上部に接続されている。第1の分離槽6、第2の分離槽7及び第4の分離槽9の天板2位置にはそれぞれ内部の点検や掃除のための開閉可能な蓋67が配設されている。
第2の隔壁15は斜状の平板とされ、その上端には実施の形態1等と異なり第1の屈曲部18は形成されていない。第2の隔壁15の上端は下流側の3枚の第1の障壁25と同じ高さとされている。3枚の第1の障壁25はいずれも同じ長さとされている。第2の隔壁15の下流側であって最も上流側の第1の障壁25との間には天板2から下垂される水勢抑制部材としての下垂板69が配設されている。下垂板69は第2の隔壁15及び第1の障壁25の上端よりも下方位置まで進出されている。実施の形態4ではオイルスキマー29は省略されている。
実施の形態4では実施の形態1と同様の作用・効果を奏するが、加えて下垂板69によって導入される廃水の水勢が抑制される。特に実施の形態4では汚れやすい第1の分離槽6は掃除のしやすさから水勢抑制部材がないため、比較的強い水勢で廃水は第2の分離槽7に至るので、この位置に下垂板69を配置することは第1の分離槽6に配置するよりも好ましい。更に、下垂板69は第2の隔壁15及び第1の障壁25の上端よりも下方位置まで進出しているため、第2の隔壁15を伝わって成長した油ダマがこの位置でかなり遮断され第3の分離槽8から下流側に流れにくくなっている。
(実施の形態5)
図6に基づいて実施の形態5について説明する。実施の形態5では実施の形態1〜実施の形態4と共通する構成については同じ番号を付して詳しい説明は省略する。
実施の形態5の油水分離装置71では廃水タンク62内に内部を洗浄するためのシャワー装置72が配設されている。シャワー装置72は下垂板69の下流位置及び第4の分離槽9の下部位置にも配設されている。実施の形態5では実施の形態4と異なり廃水タンク62には連通路64はない。廃水タンク62の導出口65は第1の分離槽6の側面を構成する側部板4aの上部位置に開口されてされている。実施の形態5の油水分離装置71の底板3は上流側が低くなるように傾斜して形成されている。液槽5の最上流位置、すなわち側部板4aの下端位置には水抜きパイプ31が形成されている。第2の隔壁15の下端は底板3とは連結されず開放されている。実施の形態5ではオイルスキマー29は省略されている。
実施の形態5では実施の形態4と同様の作用・効果を奏するが、加えて液槽5内に沈殿する汚泥(スラッジ)を除去する場合には第4の分離槽9の下部位置にも配設されたシャワー装置72によって洗い流すことができ、更に底板3が傾斜しているため洗浄した汚水は上流側に移動して水抜きパイプ31から排出されるため、掃除の手間が軽減される。この際に第2の隔壁15の下端は底板3と連結されていないので汚水通過の邪魔となることがない。
(実施の形態6)
図7に基づいて実施の形態6について説明する。実施の形態6では実施の形態1〜実施の形態4と共通する構成については同じ番号を付して詳しい説明は省略する。
実施の形態6の油水分離装置81は実施の形態4の油水分離装置61における第1〜第3の分離槽6〜8を1組として多数の組が連結した構造とされている。但し、実施の形態6の油水分離装置81における第3の分離槽8に配設された第1の障壁25は2枚とされている。
下流側の第1の分離槽6は上流側の第3の分離槽8と第5の隔壁5の上方寄りに形成された連通孔82によって連通されている。上流側の廃水はこの連通孔82を通って下流側に流入する。
図7に示すように最後に配置された第3の分離槽8は液槽5の端部において第4の分離槽9と連通させられている。この最後の第3の分離槽8のみに排油孔26が形成されている。実施の形態6ではオイルスキマー29は省略されている。
実施の形態6では実施の形態4と同様の作用・効果を奏するが、加えて廃水が複数組の第1〜第3の分離槽6〜8を次々と通過するため油ダマはほとんど水中に認められない程度まできれいに除去することが可能となる。特に、第1の分離槽6を複数設けることは廃水を一旦下層まで降ろしてから第2の隔壁15を伝わらせて上方に導くという工程を多く繰り返すこととなり(つまり廃水の上下移動回数を多くする)、このような上下移動は油ダマの成長にとって極めて好ましい。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・第1の障壁25は1枚以上であれば枚数は問わない。本実施の形態では3枚までを例示したが、数十枚をセットするようにしても構わない。
・本装置1,41,51を他の設備に接続してプラントの一部として使用することも自由である。その際に4つの槽6〜9の前後に他の槽(例えば沈殿槽や濾過槽)を接続するようにしてもよい。
・上記実施の形態1〜3におけるオイルスキマー29は無くとも構わない。オイルスキマー29による油分のすくい取りがなくとも一般には下水として排水できる程度に油分は除去されるからである。
・上記各実施の形態1〜3は装置の構造を簡略化して説明したものであって、かつ一例に過ぎない。従って、隔壁12,15,21の構造や天板2等の液槽5を構成する部材の構造等は上記に限定されるものではない。
・実施の形態4以外の油水分離装置を実施の形態6に応用してもよい。
・実施の形態6の油水分離装置81における第1〜第3の分離槽6〜8を1組として多数組を連結させる場合には何組を連結するかは任意である。数組から10組以上を連結するようにしてもよい。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
本発明の実施の形態1の油水分離装置の斜視図。 同じ油水分離装置の原理を具体化した説明図。 実施の形態2の油水分離装置の原理を具体化した説明図。 実施の形態3の油水分離装置の原理を具体化した説明図。 実施の形態4の油水分離装置の原理を具体化した説明図。 実施の形態5の油水分離装置の原理を具体化した説明図。 実施の形態6の油水分離装置の原理を具体化した一部省略説明図。
符号の説明
1,41,51、61,71,81…油水分離装置、5…液槽、6…第1の分離槽、7…第2の分離槽、8…第3の分離槽、12…第1の隔壁、15…第2の隔壁、21…第3の隔壁、25…障壁としての第1の障壁、44…障壁としての第2の障壁。

Claims (8)

  1. 油分が混入した廃水からその油分を分離させるための液槽を備えた油水分離装置において、
    前記液槽は第1〜第3の隔壁によって区画された直列に配置された第1〜第4の4つの分離槽を備え、
    前記第1又は第2の隔壁の少なくともいずれか一方には前記第2の分離槽に面した傾斜面が形成され、
    前記第1の分離槽は廃水が導入される導入口を備えるとともに、前記第1の隔壁の底部寄りに形成された第1の連通孔によって第2の分離槽と連通させられ、
    前記第2の分離槽は前記第2の隔壁の上部に形成された第2の連通孔によって前記第3の分離槽と連通させられ、
    前記第3の分離槽は前記第3の隔壁の底部寄りに形成された第3の連通孔によって前記第4の分離槽と連通させられ、
    前記第2の隔壁と同第3の隔壁の間には少なくとも底部側及び上部側を封塞しない1枚ないしは複数枚の障壁を立設させるようにしたことを特徴とする油水分離装置。
  2. 油分が混入した廃水からその油分を分離させるための液槽を備えた油水分離装置において、
    前記液槽は第1〜第3の隔壁によって区画された直列に配置された第1〜第4の4種の分離槽を備え、
    前記第1又は第2の隔壁の少なくともいずれか一方には前記第2の分離槽に面した傾斜面が形成され、
    前記第1の分離槽は上流から廃水が導入される導入口を備えるとともに、前記第1の隔壁の底部寄りに形成された第1の連通孔によって第2の分離槽と連通させられ、
    前記第2の分離槽は前記第2の隔壁の上部に形成された第2の連通孔によって前記第3の分離槽と連通させられ、
    前記第3の分離槽は前記第3の隔壁の上部寄りに形成された第3の連通孔によって下流側に配置された前記第1の分離槽と連通させられ、
    これら第1〜第3の分離槽を1組として複数組を連続的に配置するとともに、同第3の分離槽は前記液槽の端部において同第3の隔壁の底部寄りに形成された第4の連通孔によって第4の分離槽と連通させられ、
    前記第2の隔壁と同第3の隔壁の間には少なくとも底部側及び上部側を封塞しない1枚ないしは複数枚の障壁を立設させるようにしたことを特徴とする油水分離装置。
  3. 前記第2の隔壁は下方側においても前記第3の分離槽と連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の油水分離装置。
  4. 前記第2の分離槽に面した前記第2の隔壁の傾斜面は上部寄りほど同第3の分離槽側に傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油水分離装置。
  5. 前記第2の隔壁の上端位置には同第2の隔壁とは不連続に形成された乱流発生部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油水分離装置。
  6. 前記障壁の上端位置には同障壁と不連続に形成された乱流発生部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油水分離装置。
  7. 前記障壁には傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油水分離装置。
  8. 前記第2の隔壁の下流側であって前記第3の分離槽に立設された前記障壁の上流側には廃水流入の勢いを抑制する水勢抑制部材が上方位置から下垂されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の油水分離装置。
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