JP6794296B2 - フッ素含有水の処理装置、フッ素含有水の処理方法及び膜ろ過システム - Google Patents

フッ素含有水の処理装置、フッ素含有水の処理方法及び膜ろ過システム Download PDF

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Description

本発明は、フッ素含有水の処理装置、フッ素含有水の処理方法及び膜ろ過システムの技術に関する。
一般的に、フッ素含有水は、カルシウム塩を添加して凝集沈殿処理によって処理し、放流基準値以下のフッ素濃度に処理して放流される(例えば、特許文献1参照)。
近年、節水や省エネルギーを目的として、可能な限り水を回収して有効利用するという動きが顕著になってきており、フッ素含有水からも水を回収することが求められてきている。また、排水の放流水量を低減させることも求められている。
特開2000−084570号公報
しかし、フッ素含有水にカルシウム塩を添加して凝集沈殿処理することによって得られた処理水(上澄み水)には、フッ素イオン、カルシウムイオン等が残留しているため、当該処理水を回収して、そのまま有効利用することは困難である。
そこで、本発明の目的は、フッ素含有水から、フッ素濃度の低い水を回収することが可能なフッ素含有水の処理装置、フッ素含有水の処理方法を提供することにある。
本実施形態のフッ素含有水の処理装置は、フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットと、前記沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、前記濃縮水を前記凝集槽に移送する移送手段と、を備える。
また、本実施形態のフッ素含有水の処理装置は、フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットが複数並列に配置された処理システムと、前記複数の処理ユニットのうちの少なくともいずれか1つの処理ユニットに設置され、当該処理ユニットの沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、前記濃縮水を前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットの凝集槽に移送する移送手段と、を備える。
また、前記フッ素含有水の処理装置において、前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットには、前記膜ろ過手段が設置されておらず、前記移送手段は、前記膜ろ過手段が設置されていない処理ユニットの凝集槽に前記濃縮水を移送することが好ましい。
また、本実施形態のフッ素含有水の処理方法は、フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応工程と、前記反応工程から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集工程と、前記凝集工程から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿工程と、を有する処理工程と、前記沈殿工程から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過工程と、前記濃縮水を前記凝集工程に移送する移送工程と、を備える。
また、本実施形態のフッ素含有水の処理方法は、フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応工程と、前記反応工程から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集工程と、前記凝集工程から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿工程と、を有する処理工程を複数並列で行う並列処理工程と、前記複数の処理工程のうちの少なくともいずれか1つの処理工程の沈殿工程から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過工程と、前記濃縮水を前記複数の処理工程のうちの少なくとも1つの処理工程の凝集工程に移送する移送工程と、を備える。
また、前記フッ素含有水の処理方法において、前記複数の処理工程のうちの少なくとも1つの処理工程においては前記膜ろ過工程を行わず、前記移送工程は、前記膜ろ過工程を行わない処理工程の凝集工程に前記濃縮水を移送することが好ましい。
また、本実施形態の膜ろ過システムは、フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットの前記沈殿槽から排出される処理水を処理する膜ろ過システムであって、前記沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、前記濃縮水を前記処理ユニットの凝集槽に移送する移送手段と、を備える。
また、本実施形態の膜ろ過システムは、フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットが複数並列に配置された処理システムにおいて、前記複数の処理ユニットのうちの少なくともいずれか1つの処理ユニットの沈殿槽から排出される処理水を処理する膜ろ過システムであって、前記複数の処理ユニットのうちの少なくともいずれか1つの処理ユニットに設置され、当該処理ユニットの沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、前記濃縮水を前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットの凝集槽に移送する移送手段と、を備える。
また、前記膜ろ過システムにおいて、前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットには、前記膜ろ過手段が設置されておらず、前記移送手段は、前記膜ろ過手段が設置されていない処理ユニットの凝集槽に前記濃縮水を移送することが好ましい。
本発明によれば、フッ素含有水から、フッ素濃度の低い水を回収することが可能となる。
本実施形態に係るフッ素含有水の処理装置の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るフッ素含有水の処理装置の他の一例を示す模式図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るフッ素含有水の処理装置の一例を示す模式図である。図1に示すフッ素含有水の処理装置1は、反応槽10、第1凝集槽12、第2凝集槽14、沈殿槽16、RO膜又はNF膜のろ過膜を備える膜ろ過モジュール18及び分散剤添加ライン20を備える膜ろ過装置(膜ろ過手段)、移送手段としての移送ライン22を備えている。
図1に示すフッ素含有水の処理装置1は、カルシウム塩添加ライン24、無機凝集剤添加ライン26、高分子凝集剤添加ライン28を備えている。カルシウム塩添加ライン24は反応槽10に接続され、無機凝集剤添加ライン26は第1凝集槽12に接続され、高分子凝集剤添加ライン28は第2凝集槽14に接続されている。
図1に示すフッ素含有水の処理装置1は、排水流入ライン30、接続ライン32a〜32dを備えている。排水流入ライン30は、反応槽10の入口に接続されている。接続ライン32aの一端は反応槽10の出口に接続され、他端は第1凝集槽12の入口に接続されている。接続ライン32bの一端は第1凝集槽12の出口に接続され、他端は第2凝集槽14の入口に接続されている。接続ライン32cの一端は第2凝集槽14の出口に接続され、他端は沈殿槽16の入口に接続されている。接続ライン32dの一端は、沈殿槽16の出口に接続され、他端は膜ろ過モジュール18の入口に接続されている。
図1に示すフッ素含有水の処理装置1は、水回収ライン34、汚泥排出ライン36を備えている。水回収ライン34は、膜ろ過モジュール18の透過水出口に接続されている。汚泥排出ライン36は、沈殿槽16底部の汚泥出口に接続されている。
沈殿槽16と膜ろ過モジュール18との間に設けられている接続ライン32dには、膜ろ過装置の分散剤添加ライン20が接続されている。
移送ライン22の一端は膜ろ過モジュール18の濃縮水出口に接続され、他端は第1凝集槽12の入口に接続されている。移送ライン22の他端は第2凝集槽14に接続されてもよい。
図1に示すフッ素含有水の処理装置1の動作の一例について説明する。
フッ素含有水が、排水流入ライン30を通り反応槽10に供給される。また、カルシウム塩が、カルシウム塩添加ライン24から反応槽10に供給される。反応槽10内では、フッ素含有水とカルシウム塩とが反応し、フッ化カルシウムが生成される(反応工程)。次に、反応槽10内のフッ化カルシウム含有水が、接続ライン32aを通り、第1凝集槽12に供給される。また、無機凝集剤が無機凝集剤添加ライン26から第1凝集槽12に供給される。第1凝集槽12内では、フッ化カルシウム含有水と無機凝集剤との反応により、水中のフッ化カルシウムが凝集される(第1凝集工程)。その後、第1凝集槽12内のフッ化カルシウム含有水は、接続ライン32bを通り、第2凝集槽14に供給される。また、高分子凝集剤が高分子凝集剤添加ライン28から第2凝集槽14に供給される。第2凝集槽14内では、フッ化カルシウム含有水と高分子凝集剤との反応により、水中のフッ化カルシウムの粒径が増大し、フロック化される(第2凝集工程)。フロック化したフッ化カルシウムを含むフッ化カルシウム含有水は、接続ライン32cから沈殿槽16に供給され、沈殿槽16内で、フロック化したフッ化カルシウムを含む汚泥と処理水とに沈殿処理される(沈殿工程)。沈殿槽16の底部に堆積したフッ化カルシウム含有汚泥は、汚泥排出ライン36から系外へ排出される。
沈殿槽16内の処理水(上澄み水)は、接続ライン32dから膜ろ過モジュール18に供給される。この際、分散剤が分散剤添加ライン20に送液され、接続ライン32dを流れる処理水に添加される。分散剤が添加された処理水は、膜ろ過モジュール18内のろ過膜により膜ろ過処理され、濃縮水と透過水とに分離される(膜ろ過工程)。ここで、処理水中には、フッ素イオン及びカルシウムイオン(フッ化カルシウム)が残留しているが、これらはろ過膜により阻止されるため、ろ過膜を通過した透過水は、処理水よりフッ素イオンやカルシウムイオン濃度が低減された水として回収される。透過水は、例えば、水回収ライン34から不図示の貯留槽等に供給される。一方、濃縮水は、ろ過膜に阻止されたフッ素イオンやカルシウムイオンが濃縮されるため、例えば、ろ過膜にフッ化カルシウムとして析出する場合がある。しかし、本実施形態では、処理水に添加された分散剤により、例えばカルシウムイオンがキレート化され、フッ化カルシウムの析出が抑制される。
分散剤や、濃縮されたフッ素イオンやカルシウムイオンを含む濃縮水は、移送ライン22を通り、第1凝集槽12に供給される(移送工程)。これにより、分散剤が希釈され、分散剤の作用が低下するため、濃縮されたフッ素イオンやカルシウムイオンがフッ化カルシウムとして第1凝集槽12内で析出する。析出したフッ化カルシウムは、前述したように、第1凝集槽12や後段の第2凝集槽14及び沈殿槽16で処理される。膜ろ過処理により得られる濃縮水には、沈殿処理で得られるフッ化カルシウムを含む汚泥より、凝集剤の成分濃度の低い比較的純粋なフッ化カルシウムが含まれているため、膜ろ過処理により得られる濃縮水を凝集槽に供給する方が、沈殿処理で得られるフッ化カルシウム含有汚泥を凝集槽に供給する場合より、比重の重い良好なフッ化カルシウムのフロックが形成される。その結果、フッ素濃度の低い処理水が膜ろ過モジュール18に供給されるため、透過水中のフッ素濃度はより低減される。なお、濃縮水を反応槽10に供給すると、濃縮水中の分散剤が希釈されるとはいえ、反応槽10内でのフッ素含有水とカルシウム塩との反応によるフッ化カルシウムの形成が、分散剤により阻害されるため、沈殿槽16から排出される処理水中に残留するフッ素濃度が上昇する。したがって、濃縮水を凝集槽に供給した場合に比べて、膜ろ過処理により得られる透過水中のフッ素濃度が上昇する。
このように、フッ素含有水にカルシウム塩を添加して凝集沈殿処理することによって得られた処理水(上澄み水)に、分散剤を添加して、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理することにより、フッ素イオン濃度の低い水(透過水)を回収することが可能となる。さらに、膜ろ過処理で得られた濃縮水を凝集槽に移送することで、沈殿槽16から排出される処理水中のフッ素濃度が低減されるため、膜ろ過処理により得られる透過水中のフッ素濃度をより低減することが可能となる。また、膜ろ過処理で得られた濃縮水を凝集槽に移送することで、得られる水(透過水)の回収率を向上させることが可能となる。
反応槽10に添加されるカルシウム塩は、フッ化カルシウムの生成に寄与するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させてフッ化カルシウムを生成する際の反応pHは、特に制限されるものではないが、例えば、フッ化カルシウムを効率的に生成することができる点で、4〜12の範囲であることが好ましく、4〜10の範囲であることがより好ましい。
カルシウム塩の添加量は、フッ素含有水中のフッ素濃度等によって適宜設定されるものであり、特に制限されるものではないが、例えば、フッ素含有水中のフッ素濃度よりカルシウム塩濃度が多くなるようにカルシウム塩を添加することが好ましく、例えば、フッ素含有水中のフッ素濃度に対して、フッ化カルシウムとして当量分に加えて、100〜500mg/L程度処理水中に残留するように添加することが好ましく、フッ化カルシウムとして当量分に加えて200〜400mg/L程度処理水中に残留するように添加することがより好ましい。
本実施形態では、凝集槽として、無機凝集剤を添加する第1凝集槽12及び高分子凝集剤を添加する第2凝集槽14のいずれか一方を用いていればよいが、少なくとも第1凝集槽12を用いることが好ましく、第1凝集槽12と第2凝集槽14の両方を用いることがより好ましい
第1凝集槽12に添加する無機凝集剤は、公知の無機凝集剤であれば特に制限されるものではなく、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)、塩化第二鉄等が挙げられる。
第1凝集槽12内での反応pHは、特に制限されるものではないが、フッ化カルシウムを効率的に凝集することができる点で、例えば、6〜11の範囲が好ましく、6〜8の範囲がより好ましい。
第2凝集槽14に添加する高分子凝集剤は、公知の高分子凝集剤であれば特に制限されるものではないが、例えば、アニオン系、ノニオン系およびカチオン系の高分子凝集剤等が挙げられる。
第2凝集槽14内での反応pHは、特に制限されるものではないが、フッ化カルシウムを効率的にフロック化することができる点で、例えば、6〜11の範囲が好ましく、6〜8の範囲がより好ましい。
本実施形態で用いられる膜ろ過モジュール18に設置されるろ過膜は、RO膜(逆浸透膜)又はNF膜(ナノろ過膜)であれば特に制限されるものではない。本発明に関しては、NaCl濃度500mg/L、pH6.5、温度25℃、操作圧力1.5MPaの条件下で、NaCl阻止率が5%以上93%未満の膜をナノろ過(NF)膜といい、同条件下で、NaCl阻止率が93%以上の膜を逆浸透(RO)膜という。阻止率は次式によって求められる。
Figure 0006794296
RO膜又はNF膜の材質は、例えば、ポリアミド系、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルサルフォン(PES)、セルロースアセテート(CA)等の有機膜等が挙げられる。また、RO膜又はNF膜の形状は、特に制限されるものではなく、例えば、中空糸膜、管状膜、平膜、スパイラル等が挙げられる。また、RO膜又はNF膜の通水方式は、内圧型、外圧型等のあらゆる通水方式が適用可能である。
RO膜はNF膜に比べてフッ素イオンの阻止率が高いため、RO膜を備える膜ろ過モジュールを用いた場合、NF膜を用いた膜ろ過モジュールを用いた場合と比べて、透過水中のフッ素イオン濃度をより低減させることが可能となる。一方、NF膜を備える膜ろ過モジュールは、RO膜を備える膜ろ過モジュールに比べて、透過水中のフッ素イオン濃度が上昇する傾向にあるが、その一方で、濃縮水中のフッ素イオンは低減されるため、例えば、膜上に析出するフッ化カルシウム量を抑えることが可能となる。NF膜を備える膜ろ過モジュールを用いる場合には、後段にRO膜を備える膜ろ過モジュールを設置してもよい。但し、この場合、分散剤は前段のNF膜を備える膜ろ過モジュールにより阻止されるため、少なくともNF膜を用いた膜ろ過モジュールにより得られる濃縮水を凝集槽に供給することが好ましい。
本実施形態で用いられる分散剤とは、主にカルシウムイオンをキレート化してフッ化カルシウムの生成を抑制するものであり、例えば、アミノカルボン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、リン酸系、エーテルカルボン酸塩、ホスホン酸系等の分散剤が挙げられる。
上記アミノカルボン酸系の分散剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、1,3−プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン六酢酸(DPTA−OH)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)又はこれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等)等が挙げられる。
上記ヒドロキシカルボン酸系の分散剤としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸又はこれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等)が挙げられる。
上記リン酸系の分散剤としては、例えば、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられる。上記ホスホン酸系の分散剤としては、例えば、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)、ホスホノブタントリカルボン酸(PBTC)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)又はこれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等)等が挙げられる。
これらの中では、アミノカルボン酸系の分散剤が好ましく、具体的には、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩(EDTA)が好ましい。
分散剤は、膜ろ過モジュールの前段であればどこに供給されてもよいが、膜ろ過モジュールの直前に供給されることが好ましい。
分散剤の添加量は、特に制限されるものではなく、例えば、10〜300mg/Lの範囲が好ましく、25〜100mg/Lの範囲がより好ましい。分散剤は、カルシウム濃度よりフッ素濃度が高い水より、フッ素濃度よりカルシウム濃度の高い水に添加される方が、フッ化カルシウムの生成を抑制する効果が高い。したがって、前述したように、フッ素濃度よりカルシウム塩濃度を高くなるようにカルシウム塩を添加することで、少量の分散剤でも、フッ化カルシウムの生成を効果的に抑制することが可能となる。
分散剤は、連続的に添加してもよいし、間欠的に添加してもよいが、分散剤添加ライン20から添加された分散剤は、移送ライン22を通して循環しているため、間欠的に添加することが望ましい。分散剤の間欠添加は、例えば、10分〜240分に1回とすることが好ましく、10分〜60分に1回とすることがより好ましい。
以下に、フッ素含有水の処理装置の他の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るフッ素含有水の処理装置の他の一例を示す模式図である。
図2に示すフッ素含有水の処理装置2は、反応槽10a、第1凝集槽12a、第2凝集槽14a、沈殿槽16aを備える第1処理ユニット11と、反応槽10b、第1凝集槽12b、第2凝集槽14b、沈殿槽16bを備える第2処理ユニット13とを備える。第1処理ユニット11及び第2処理ユニット13は並列に配置され、それぞれの処理ユニットにおいて、フッ素含有水が処理される。図2に示すフッ素含有水の処理装置2は、RO膜又はNF膜のろ過膜を備える膜ろ過モジュール18及び分散剤添加ライン20を備える膜ろ過装置(膜ろ過手段)、移送手段として移送ライン22を備えている。膜ろ過装置は、第1処理ユニット11側に設置されている。
図2に示すフッ素含有水の処理装置2は、カルシウム塩添加ライン24a,24b、無機凝集剤添加ライン26a,26b、高分子凝集剤添加ライン28a,28bを備えている。カルシウム塩添加ライン24aは反応槽10aに、カルシウム塩添加ライン24bは反応槽10bにそれぞれ接続されている。無機凝集剤添加ライン26aは第1凝集槽12aに、無機凝集剤添加ライン26bは第2凝集槽14にそれぞれ接続されている。高分子凝集剤添加ライン28aは第2凝集槽14aに、高分子凝集剤添加ライン28bは第2凝集槽14bにそれぞれ接続されている。
図2に示すフッ素含有水の処理装置2は、排水流入ライン30a,30b、接続ライン32a〜32gを備えている。排水流入ライン30aは、反応槽10aの入口に接続されている。接続ライン32aの一端は反応槽10aの出口に接続され、他端は第1凝集槽12aの入口に接続されている。接続ライン32bの一端は第1凝集槽12aの出口に接続され、他端は第2凝集槽14aの入口に接続されている。接続ライン32cの一端は第2凝集槽14aの出口に接続され、他端は沈殿槽16aの入口に接続されている。接続ライン32dの一端は、沈殿槽16aの出口に接続され、他端は膜ろ過モジュール18の入口に接続されている。排水流入ライン30bの一端は排水流入ライン30aに接続され、他端は反応槽10bの入口に接続されている。接続ライン32eの一端は反応槽10bの出口に接続され、他端は第1凝集槽12bの入口に接続されている。接続ライン32fの一端は第1凝集槽12bの出口に接続され、他端は第2凝集槽14bの入口に接続されている。接続ライン32gの一端は第2凝集槽14bの出口に接続され、他端は沈殿槽16bの入口に接続されている。
図2に示すフッ素含有水の処理装置2は、水回収ライン34、放流ライン38、汚泥排出ライン36a,36bを備えている。水回収ライン34は、膜ろ過モジュール18の透過水出口に接続されている。放流ライン38は、沈殿槽16bの出口に接続されている。汚泥排出ライン36aは沈殿槽16a底部の汚泥出口に、汚泥排出ライン36bは沈殿槽16b底部の汚泥出口にそれぞれ接続されている。
沈殿槽16と膜ろ過モジュール18との間に設けられている接続ライン32dには、膜ろ過装置の分散剤添加ライン20が接続されている。
移送ライン22の一端は膜ろ過モジュール18の濃縮水出口に接続され、他端は第2処理ユニット13の第1凝集槽12bの入口に接続されている。移送ライン22の他端は、第2処理ユニット13の第2凝集槽14bに接続されてもよい。また、移送ライン22は、分岐して、第1処理ユニット11の第1凝集槽12aや第2凝集槽14bに接続されていてもよい。
図2に示すフッ素含有水の処理装置2の動作の一例について説明する。
フッ素含有水が、排水流入ライン30a,30bを通り反応槽10a,10bに供給される。また、カルシウム塩が、カルシウム塩添加ライン24a,24bから反応槽10a,10bに供給される。反応槽10a,10b内では、フッ素含有水とカルシウム塩とが反応し、フッ化カルシウムが生成される(反応工程)。次に、フッ化カルシウム含有水が、接続ライン32a,32eを通り、第1凝集槽12a,12bに供給される。また、無機凝集剤が無機凝集剤添加ライン26a,26bから第1凝集槽12a,12bに供給される。第1凝集槽12a,12b内では、フッ化カルシウム含有水と無機凝集剤との反応により、水中のフッ化カルシウムが凝集される(第1凝集工程)。その後、第1凝集槽12a,12b内のフッ化カルシウム含有水は、接続ライン32b,32fを通り、第2凝集槽14a,14bに供給される。また、高分子凝集剤が高分子凝集剤添加ライン28a,28bから第2凝集槽14a,14bに供給される。第2凝集槽14a,14b内では、フッ化カルシウム含有水と高分子凝集剤との反応により、水中のフッ化カルシウムの粒径が増大し、フロック化される(第2凝集工程)。フロック化したフッ化カルシウムを含むフッ化カルシウム含有水は、接続ライン32c,32gから沈殿槽16a,16bに供給され、沈殿槽16a,16b内で、フロック化したフッ化カルシウムを含む汚泥と処理水とに沈殿処理される(沈殿工程)。沈殿槽16a,16bの底部に堆積したフッ化カルシウムを含む汚泥は、汚泥排出ライン36a,36bから系外へ排出される。
沈殿槽16b内の処理水(上澄み水)は、放流ライン38から系外へ排出される。一方、沈殿槽16a内の処理水(上澄み水)は、接続ライン32dから膜ろ過モジュール18に供給される。この際、分散剤が分散剤添加ライン20に送液され、接続ライン32dを流れる処理水に添加される。分散剤が添加された処理水は、膜ろ過モジュール18内のろ過膜により膜ろ過処理され、濃縮水と透過水とに分離される(膜ろ過工程)。ここで、処理水中には、フッ素イオン及びカルシウムイオン(フッ化カルシウム)が残留しているが、これらはろ過膜により阻止されるため、ろ過膜を通過した透過水は、処理水よりフッ素イオンやカルシウムイオン濃度が低減された水として回収される。透過水は、例えば、水回収ライン34から不図示の貯留槽等に供給される。一方、濃縮水は、ろ過膜に阻止されたフッ素イオンやカルシウムイオンが濃縮されるため、例えば、ろ過膜にフッ化カルシウムとして析出する場合がある。しかし、本実施形態では、処理水に添加された分散剤により、例えばカルシウムイオンがキレート化され、フッ化カルシウムの析出が抑制される。
分散剤や、濃縮されたフッ素イオンやカルシウムイオンを含む濃縮水は、移送ライン22を通り、第2処理ユニット13の第1凝集槽12bに供給される(移送工程)。これにより、分散剤が希釈され、分散剤の作用が低下するため、濃縮されたフッ素イオンやカルシウムイオンがフッ化カルシウムとして、第1凝集槽12b内で析出する。析出したフッ化カルシウムは、前述したように、第1凝集槽12bや後段の第2凝集槽14b及び沈殿槽16bで処理される。
このように、上記処理ユニットを複数並列に設置した処理システムを備えるフッ素含有処理装置においても、フッ素含有水にカルシウム塩を添加して凝集沈殿処理することによって得られた処理水(上澄み水)に、分散剤を添加して、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理することにより、フッ素イオン濃度の低い水(透過水)を回収することが可能となる。
また、前述したように、膜ろ過処理により得られる濃縮水を凝集槽に供給することで、比重の重い良好なフッ化カルシウムのフロックが形成される。したがって、図2のフッ素含有水の処理装置2のように、膜ろ過処理により得られる濃縮水を、膜ろ過装置が設置されていない第2処理ユニット13の凝集槽に供給することで、図1のフッ素含有水の処理装置1と比較して、分散剤を含む濃縮水が系内で循環して濃縮されることがないため、凝集槽に返送した際に分散剤が悪影響を与える可能性が低い。
また、処理状況に応じて、膜ろ過処理により得られる濃縮水の一部又は全量を第1処理ユニット11の凝集槽に供給してもよい。前述したように、膜ろ過処理により得られる濃縮水を第1処理ユニット11の凝集槽に供給することで、凝集性が向上し、沈殿槽からの処理水中のフッ素とカルシウム濃度が低減するため、膜ろ過処理により得られる水(透過水)のフッ素濃度の低減や回収率の向上が可能となる。具体的には、移送ライン22を分岐させ、例えば、第1処理ユニット11の第1凝集槽12aに接続させる。そして、例えば膜ろ過処理により得られる水の回収率を上げる場合には、移送ライン22を流れる濃縮水を第1処理ユニット11の第1凝集槽12側に切り替え、第2処理ユニット13の沈殿槽16から放流される処理水中のフッ素濃度を低減させる場合には、移送ライン22を流れる濃縮水を第2処理ユニット13の第1凝集槽12側に切り替えるように制御する。
本実施形態では、第1処理ユニット11及び第2処理ユニット13の2つの処理ユニットを例に説明したが、3つ以上の処理ユニットを有していてもよい。なお、3つ以上の処理ユニットが並列に配置された処理システムにおいては、少なくともいずれか1つの処理ユニットに膜ろ過装置を設置し、膜ろ過装置から得られる濃縮水を移送ライン22によって、少なくともいずれか1つの処理ユニットの凝集槽に移送されればよい。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
フッ素含有水として、半導体工場排水を用いた。当該排水中のフッ素濃度は200mg/Lであった。
容器に上記半導体工場排水20Lを導入し、また、水酸化カルシウムを添加した。水酸化カルシウムは、排水中のフッ素濃度に対する当量値から300mg−Ca/L過剰となるように添加した。次に、HClでpHを9に調整した後、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、15分間排水を撹拌した。次に、無機凝集剤であるポリ塩化アルミニウムを300mg/L添加した後、HClでpHを7に調整し、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、10分間排水を撹拌した。次に、高分子凝集剤オルフロック(登録商標)ON−1H(オルガノ株式会社製)を1mg/L添加した後、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、10分間撹拌した。次に、撹拌を停止して、容器内の水を5分間静置して、沈殿処理を行った。沈殿処理後のフロックを観察し、以下の凝集性評価基準により、フロックの凝集性を評価した。また、以下の沈降性評価基準により、沈殿処理の際のフロックの沈降性を評価した。その結果を表1に示す。
(凝集性評価)
○:フロックの大きさが1mm以上
△:フロックの大きさが1mm未満、但しフロックは目視により確認できるレベル
×:フロックが目視により確認できない
(沈降性評価)
○:撹拌停止後、5秒以内にフロックが容器底部に達する
△:撹拌停止後、5秒超〜30秒以内にフロックが容器底部に達する。
×:撹拌停止後、フロックが容器底部に達するまでに30秒超かかる。
Figure 0006794296
沈殿処理後の容器内の上澄み水(沈殿処理水)を採取した。沈殿処理水中のフッ素イオン濃度は10mg/Lであり、カルシウムイオン濃度は300mg/Lであった。当該処理水を、以下のRO膜試験の原水として用いた。
上記原水に分散剤(オルガノ株式会社製オルパージョンG600:RO膜用スケール分散剤)を100mg/L添加し、RO膜(φ75mm、日東電工社製LCF−3)を備える膜ろ過モジュールに供給して、膜ろ過処理を行った。
(膜ろ過処理の条件)
通水圧力:1.0MPa
濃縮水循環流量:5L/min
濃縮水の濃縮倍率:2倍
膜ろ過処理により得られた濃縮水のフッ素イオン濃度は20mg/Lであり、カルシウムイオン濃度は600mg/Lであった。また、膜ろ過処理により得られた透過水のフッ素イオン濃度及びカルシウムイオン濃度はそれぞれ1mg/L未満であった。
表2に、沈殿処理水、RO膜試験により得られた濃縮水及び透過水のフッ素イオン濃度、カルシウムイオン濃度をまとめた。
Figure 0006794296
このように、フッ素含有水にカルシウム塩を添加して凝集沈殿処理することによって得られた処理水に、分散剤を添加して、RO膜で膜ろ過処理することにより、フッ素イオン濃度の低い水(透過水)を回収することが可能となった。
次に、容器に上記半導体工場排水1Lを導入し、また、水酸化カルシウムを添加した。水酸化カルシウムは、排水中のフッ素濃度に対する当量値から300mg−Ca/L過剰となるように添加した。次に、HClでpHを9に調整した後、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、15分間排水を撹拌した。次に、無機凝集剤であるポリ塩化アルミニウムを300mg/L添加し、さらに上記膜ろ過処理で得た濃縮水を200mL添加した後、HClでpHを7に調整し、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、10分間排水を撹拌した。次に、高分子凝集剤オルフロック(登録商標)ON−1H(オルガノ株式会社製)を1mg/L添加した後、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、10分間撹拌した。次に、撹拌を停止して、容器内の水を5分静置して、沈殿処理を行った。沈殿処理後のフロックを観察し、上記凝集性評価基準により、フロックの凝集性を評価した。また、上記沈降性評価基準により、沈殿処理の際のフロックの沈降性を評価した。その結果を表3に示す。
(参考例)
容器に上記半導体工場排水1Lを導入し、また、上記膜ろ過処理で得た濃縮水を200mL添加すると共に、水酸化カルシウムを添加した。水酸化カルシウムは、排水中のフッ素濃度と当量値から300mg−Ca/L過剰となるように添加した。次に、HClでpHを9に調整した後、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、15分間排水を撹拌した。次に、無機凝集剤であるポリ塩化アルミニウムを300mg/L添加した後、HClでpHを7に調整し、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、10分間排水を撹拌した。次に、高分子凝集剤オルフロック(登録商標)ON−1H(オルガノ株式会社製)を1mg/L添加した後、ジャーテスター(宮本理研工業製)を用いて、120ppmの撹拌速度で、10分間撹拌した。次に、撹拌を停止して、容器内の水を5分静置して、沈殿処理を行った。沈殿処理後のフロックを観察し、上記凝集性評価基準により、フロックの凝集性を評価した。また、上記沈降性評価基準により、沈殿処理の際のフロック沈降性を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006794296
実施例及び参考例の沈殿処理後の容器内の上澄み水(沈殿処理水)を採取した。実施例の沈殿処理水中のフッ素濃度は8mg/Lであり、カルシウム濃度は600mg/Lであった。参考例の沈殿処理水中のフッ素濃度は15mg/Lであり、カルシウム濃度は600mg/Lであった。その結果を表4にまとめた。
Figure 0006794296
膜ろ過処理で得られた濃縮水を凝集工程で用いた実施例の方が、膜ろ過処理で得られた濃縮水をカルシウム反応工程で用いた参考例より、沈殿処理により得られた処理水のフッ素濃度を低減させることができた。
1,2 フッ素含有水の処理装置、10,10a,10b 反応槽、11 第1処理ユニット、12,12a,12b 第1凝集槽、13 第2処理ユニット、14,14a,14b 第2凝集槽、16,16a,16b 沈殿槽、18 膜ろ過モジュール、20 分散剤添加ライン、22 移送ライン、24,24a,24b カルシウム塩添加ライン、26,26a,26b 無機凝集剤添加ライン、28,28a,28b 高分子凝集剤添加ライン、30,30a,30b 排水流入ライン、32a〜32g 接続ライン、34 水回収ライン、36,36a,36b 汚泥排出ライン、38 放流ライン。

Claims (9)

  1. フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットと、
    前記沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、
    前記濃縮水を前記凝集槽に移送する移送手段と、を備えることを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
  2. フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットが複数並列に配置された処理システムと、
    前記複数の処理ユニットのうちの少なくともいずれか1つの処理ユニットに設置され、当該処理ユニットの沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、
    前記濃縮水を前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットの凝集槽に移送する移送手段と、を備えることを特徴とするフッ素含有水の処理装置。
  3. 前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットには、前記膜ろ過手段が設置されておらず、
    前記移送手段は、前記膜ろ過手段が設置されていない処理ユニットの凝集槽に前記濃縮水を移送することを特徴とする請求項2に記載のフッ素含有水の処理装置。
  4. フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応工程と、前記反応工程から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集工程と、前記凝集工程から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿工程と、を有する処理工程と、
    前記沈殿工程から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過工程と、
    前記濃縮水を前記凝集工程に移送する移送工程と、を備えることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  5. フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応工程と、前記反応工程から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集工程と、前記凝集工程から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿工程と、を有する処理工程を複数並列で行う並列処理工程と、
    前記複数の処理工程のうちの少なくともいずれか1つの処理工程の沈殿工程から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過工程と、
    前記濃縮水を前記複数の処理工程のうちの少なくとも1つの処理工程の凝集工程に移送する移送工程と、を備えることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  6. 前記複数の処理工程のうちの少なくとも1つの処理工程においては前記膜ろ過工程を行わず、
    前記移送工程は、前記膜ろ過工程を行わない処理工程の凝集工程に前記濃縮水を移送することを特徴とする請求項5に記載のフッ素含有水の処理方法。
  7. フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットの前記沈殿槽から排出される処理水を処理する膜ろ過システムであって、
    前記沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜を含むろ過膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、
    前記濃縮水を前記処理ユニットの凝集槽に移送する移送手段と、を備えることを特徴とする膜ろ過システム。
  8. フッ素含有水とカルシウム塩とを反応させ、フッ化カルシウムを生成する反応槽と、前記反応槽から排出されるフッ化カルシウム含有水と凝集剤とを反応させる凝集槽と、前記凝集槽から排出されるフッ化カルシウム含有水を沈殿処理して、フッ化カルシウム含有汚泥と処理水とに分離する沈殿槽と、を有する処理ユニットが複数並列に配置された処理システムにおいて、前記複数の処理ユニットのうちの少なくともいずれか1つの処理ユニットの沈殿槽から排出される処理水を処理する膜ろ過システムであって、
    前記複数の処理ユニットのうちの少なくともいずれか1つの処理ユニットに設置され、当該処理ユニットの沈殿槽から排出される処理水に分散剤を添加した後、RO膜又はNF膜で膜ろ過処理して、透過水と濃縮水とを得る膜ろ過手段と、
    前記濃縮水を前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットの凝集槽に移送する移送手段と、を備えることを特徴とする膜ろ過システム。
  9. 前記複数の処理ユニットのうちの少なくとも1つの処理ユニットには、前記膜ろ過手段が設置されておらず、
    前記移送手段は、前記膜ろ過手段が設置されていない処理ユニットの凝集槽に前記濃縮水を移送することを特徴とする請求項8に記載の膜ろ過システム。

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