JP6794100B2 - アルミニウム粒子群およびその製造方法 - Google Patents
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Description
上記アルミニウム粒子群は、粉末床溶融結合方式の3Dプリンタにおける造形物用原料粉末として好適に利用できる。
本実施形態に係るアルミニウム粒子群は、アルミニウム粒子からなり、走査型電子顕微鏡を用いてアルミニウム粒子群を観察したときの観察画像において、アルミニウム粒子群の平均円形度は0.75以上であり、直径が5μm未満のアルミニウム粒子の数をAとし、直径が10μm以上のアルミニウム粒子の数をBとし、サテライトを有さないアルミニウム粒子の数をCとし、サテライトを有するアルミニウム粒子の数をDとしたとき、A×3≦Bを満たすとともに、D<Cを満たすことを特徴とする。
まず、1つの観察用試料から作製された10枚以上の観察画像を用いて、100個以上のアルミニウム粒子をランダムに抽出する。次に、画像解析処理により、抽出された各アルミニウム粒子の面積(μm2)と、周囲長(μm)とを測定する。測定された各面積および各周囲長の値を、{円形度=4×π×(面積)/(周囲長)2}の計算式に代入して、100個以上の各アルミニウム粒子の円形度を算出し、その平均値を「平均円形度」とする。
本実施形態に係るアルミニウム粒子群は、大気開放型のガスアトマイズ法により、アトマイズ粒子群を作製する工程(粒子作製工程)と、乾式の空気分級により、アトマイズ粒子群から細粒を除去する工程(細粒除去工程)と、目開き40μm以上75μm以下の篩を用いた篩分けにより、アトマイズ粒子から粗粒を除去する工程(粗粒除去工程)とをこの順に備える製造方法により製造することができる。以下、各工程について説明する。
本工程においては、まず溶解炉内において、アルミニウム粒子群の原料となるアルミニウム、またはアルミニウム合金の溶湯が作製される。
本工程においては、粒子作製工程により作製されたアトマイズ粒子群に対し、乾式の空気分級が実施され、これにより、アトマイズ粒子群から細粒が除去される。
本工程においては、細粒除去工程後のアトマイズ粒子群に対し、目開き40μm以上75μm以下の篩を用いた篩分けが実施され、これにより、アトマイズ粒子群から粗粒が除去される。
レーザー回折式粒度分布計(日機装株式会社製マイクロトラック MT-3300型)を用い、アルミニウム粒子群を測定系内循環水に投入し、超音波で180秒分散させたのち、各粒子径を測定した。
アルミニウム粒子群を加圧容器内で加熱溶解させ、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のICP装置を用いて、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析装法により、アルミニウム粒子群の組成を測定した。
上述のようにしてアルミニウム粒子群の観察用試料を作製し、これを用いて走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−6510A)にて500倍の倍率で撮像した。1つのアルミニウム粒子群において、撮像位置をずらしながら20〜40枚の観察画像を作成した。なお、1枚の観察画像の縦および横の大きさは、D50の4〜12倍とし、1枚の観察画像中には15個以下のアルミニウム粒子が含まれ、かつ全ての観察画像を繋げることにより、観察用試料の全体像が観察されるようにした。
上記〔3〕の観察画像を用いて、上述の方法により、アルミニウム粒子群におけるA(直径が5μm未満のアルミニウム粒子の数)、B(直径が10μm以上のアルミニウム粒子の数)およびE(直径が5μm以上10μm未満のアルミニウム粒子の数)の値を求めた。
上記〔3〕の観察画像を用いて、上述の方法により、アルミニウム粒子群におけるC(サテライトを有さないアルミニウム粒子の数)およびD(サテライトを有するアルミニウム粒子の数)の値を求めた。
純度99.7質量%のAl地金に対し、Siが10質量%、Mgが0.4質量%となるように各元素を添加したものを加熱して、アルミニウム合金(Al-10w%Si-0.4w%Mg)からなる溶湯を準備した。そして、以下の条件下で、この溶湯からアトマイズ粒子を、アトマイズ部、サイクロン部、バグフィルター部を有するアトマイズラインに供した(粒子作製工程)。これにより、D50が21μmのアトマイズ粒子群を得た。
溶湯温度 :900℃
ノズル :直径2.2mmの環状ノズル
高圧ガスの圧力:2.5MPa。
純度99.7質量%のAl地金に対し、Siが0.6質量%、Cuが0.27質量%、Mgが1.0質量%、Crが0.2質量%となるように各元素を添加した以外は、実施例1と同様の方法を実施した。これにより、実施例2のアルミニウム粒子群が作製された。実施例2のアルミニウム粒子群の組成は、JIS A6061のアルミニウム合金よりなる合金であった。
純度99.7質量%のAl地金に対し、Siが0.7質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法を実施した。これにより、実施例3のアルミニウム粒子群が作製された。実施例3のアルミニウム粒子群の組成は、Al-7w%Siで表記されるアルミニウム合金よりなる合金であった。
EOS社のEOS Aluminum AlSi10Mgを比較例1のアルミニウム粒子群とした。比較例1のアルミニウム粒子群の組成は、Al-10w%Si-0.4w%Mgで表記されるアルミニウム合金よりなる合金であった。
EOS社のEOS Aluminum AlSi10Mgに対し、実施例1と同様の乾式の空気分級を実施した。これにより、比較例2のアルミニウム粒子群が作製された。
乾式の空気分級を実施しなかった以外は、実施例1と同様の方法を実施した。これにより、比較例3のアルミニウム粒子群が作製された。
乾式の空気分級を実施しなかった以外は、実施例2と同様の方法を実施した。これにより、比較例4のアルミニウム粒子群が作製された。
乾式の空気分級を実施しなかった以外は、実施例3と同様の方法を実施した。これにより、比較例5のアルミニウム粒子群が作製された。
実施例1〜3および比較例1〜5の各アルミニウム粒子群に関し、上記〔1〕〜〔5〕に記載の方法に従って、各物性を測定した。各結果を表1〜3に示す。なお、表2の「−」は、各成分が検出(検出限界:0.01質量%)されなかったことを意味する。
各アルミニウム粒子群を用いて、上述の敷き詰め試験を実施した。ここでは、基板1としてTP技研(株)製の隠蔽率評価用試験紙を用い、ドクターブレード3として、大祐機材(株)製のフィルムアプリケーターを用い、これを25cm移動させた。なおこの試験紙は、JIS K5600に規定される塗料一般試験方法を満たすものであり、かつ表面の算術平均粗さRaは、0.5μmであった。
筒井理化学器械株式会社製のABD粉体特性測定装置を用いて、各アルミニウム粒子群の安息角を測定した。その結果を表4に示す。安息角が小さいほど、流動性に優れることを意味する。なお、安息角の測定に際し、ロートを介してアルミニウム粒子群を落下させた。
粉末床溶融結合方式の3Dプリンタとして、EOS社製のEOSINT M280を用い、造形物用原料粉末として各アルミニウム粒子群を用いて、造形物の造形を試みた。このとき、製造される造形物の形状を直径8mm、高さ15mmの円柱に設定し、かつ、1つの造形層の高さを30μmに設定した。
造形物用原料粉末として実施例1〜3のアルミニウム粒子群を用いて、直径6.4mm、高さ45mmの円柱からなる造形物を造形した。なお、1つの造形層の高さを30μmに設定した。造形された各造形物に関し、アルキメデス法により、各組成の真密度に対する相対密度を測定した。その結果を表4に示す。
Claims (4)
- アルミニウム粒子からなるアルミニウム粒子群であって、
走査型電子顕微鏡を用いて前記アルミニウム粒子群を観察したときの観察画像において、
前記アルミニウム粒子群の平均円形度は0.75以上であり、
前記アルミニウム粒子群の平均粒径D50は、10μm以上60μm未満であり、
直径が5μm未満のアルミニウム粒子の数をAとし、直径が10μm以上のアルミニウム粒子の数をBとし、サテライトを有さないアルミニウム粒子の数をCとし、サテライトを有するアルミニウム粒子の数をDとしたとき、
A×3≦Bを満たすとともに、D<Cを満たし、
前記アルミニウム粒子群は、粉末床溶融結合方式の3Dプリンタにおける造形物用原料粉末である、アルミニウム粒子群。 - 前記平均粒径D50は、20μm以上60μm未満である、請求項1に記載のアルミニウム粒子群。
- 前記アルミニウム粒子群の安息角は、筒井理化学器械株式会社製のABD粉体特性測定装置を用いて測定した場合、40°以下である、請求項1または請求項2に記載のアルミニウム粒子群。
- 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアルミニウム粒子群の製造方法であって、
大気開放型のガスアトマイズ法により、アトマイズ粒子群を作製する工程と、
乾式の空気分級により、前記アトマイズ粒子群から細粒を除去する工程と、
目開き40μm以上75μm以下の篩を用いた篩分けにより、前記アトマイズ粒子群から粗粒を除去する工程と、をこの順に備える、アルミニウム粒子群の製造方法。
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