以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラ100の概略構成を示す図である。
デジタルカメラ100は、撮像光学系101と、撮像素子20と、像ぶれ補正装置3と、撮像素子20を駆動する撮像素子駆動部105と、アナログフロントエンド(AFE)104と、画像処理部107と、動き検出センサ106と、デジタルカメラ100全体を統括制御するシステム制御部108と、を備える。
撮像光学系101は、フォーカスレンズ又はズームレンズと絞りとを含む。
撮像素子20は、撮像光学系101を通して被写体を撮像するものであり、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementaly Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が形成された半導体チップと、この半導体チップを収容するパッケージとを備える。
後述する図3に示すように、この撮像素子20の受光面20aは矩形となっている。
像ぶれ補正装置3は、撮像素子20の受光面20aを撮像光学系101の光軸Kに垂直な面内に移動させることで撮像素子20によって撮像される撮像画像の像ぶれを補正する。
本明細書においては、デジタルカメラ100において、撮像素子20の受光面20aが重力方向に垂直な状態(光軸Kが重力方向に平行な状態)、且つ、像ぶれ補正装置3に通電がなされていない状態を基準状態という。この基準状態においては、光軸K上に受光面20aの中心P(図3参照)が位置する。
像ぶれ補正装置3は、詳細な構成は後述するが、この基準状態における撮像素子20の受光面20aの短手方向(図3に示す方向X)である第一の方向と、この基準状態における撮像素子20の受光面20aの長手方向(図3に示す方向Y)である第二の方向、この基準状態における撮像素子20の受光面20aの中心Pを中心とする円の円周に沿った方向(図3に示す方向θ)である第三の方向との3つの方向に、それぞれ撮像素子20を移動させることで、像ぶれを補正するものである。
AFE104は、撮像素子20から出力される撮像信号に対し相関二重サンプリング処理及びデジタル変換処理等を行う信号処理回路を含む。
画像処理部107は、AFE104にて処理後の撮像信号をデジタル信号処理してJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の撮像画像データを生成する。
動き検出センサ106は、デジタルカメラ100の動きを検出するためのセンサであり、加速度センサ又は角速度センサ、或いはこれら両方等によって構成される。
システム制御部108は、撮像素子駆動部105とAFE104を制御して、撮像素子20によって被写体を撮像させ、被写体像に応じた撮像信号を撮像素子20から出力させる。
システム制御部108は、動き検出センサ106によって検出されたデジタルカメラ100の動き情報に基づいて、像ぶれ補正装置3を制御する。
システム制御部108は、撮像素子20の受光面20aを方向X、方向Y、及び方向θの少なくとも1つの方向に移動させることにより、撮像素子20によって撮像される撮像画像の像ぶれを補正する。
システム制御部108は、像ぶれ補正装置3に通電している状態において、動き検出センサ106によってデジタルカメラ100の動きが検出されていない場合には、撮像素子20の受光面20aの位置が上記の基準状態における位置となるように、像ぶれ補正装置3を制御する。
図2は、図1に示すデジタルカメラ100における像ぶれ補正装置3の概略構成を示す図である。
像ぶれ補正装置3は、方向X、方向Y、及び方向θのそれぞれに移動可能な可動部材2と、可動部材2を方向X、方向Y、及び方向θのそれぞれに移動自在に支持する支持部材1と、を備える。
可動部材2には、撮像素子20が固定(実装)された回路基板21と、X軸兼回転駆動用コイルC1と、X軸兼回転駆動用コイルC2と、Y軸駆動用コイルC3と、が固定されている。
回路基板21には、可動部材2の方向Xの位置を検出するための位置検出素子であるX軸位置検出用ホール素子H1と、可動部材2の方向Yと方向θの位置を検出するための位置検出素子であるY軸兼回転位置検出用ホール素子H2及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3と、が固定されている。
以下では、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3を総称して単に位置検出素子とも言う。
X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号はシステム制御部108に入力される。
システム制御部108は、この出力信号に基づいて、X軸兼回転駆動用コイルC1に流す制御電流と、X軸兼回転駆動用コイルC2に流す制御電流と、Y軸駆動用コイルC3に流す制御電流とを制御して可動部材2を移動させて、像ぶれを補正する。
支持部材1は、第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bとによって構成されている。
第一の支持部材1Aには、X軸兼回転駆動用磁石Mv1と、X軸兼回転駆動用磁石Mv2と、Y軸駆動用磁石Mv3と、X軸位置検出用磁石Mh1と、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2と、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3と、が固定されている。
以下では、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3のことを総称して単に位置検出用の磁石とも言う。
第二の支持部材1Bには、X軸兼回転駆動用磁石mv1と、X軸兼回転駆動用磁石mv2と、Y軸駆動用磁石mv3と、が固定されている。
図3は、図1及び図2に示す像ぶれ補正装置3の外観構成を示す斜視図である。図3は、上述した基準状態における像ぶれ補正装置3の外観を示している。
図3に示すように、像ぶれ補正装置3は、第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bとにより構成された支持部材1と、撮像素子20が実装された回路基板21が固定された可動部材2と、を備える。
可動部材2は、第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bに挟持され、弾性部材であるバネ24a,24b,24cにより、第一の支持部材1Aに対して付勢されている。
なお、バネ24a,24b,24cは、可動部材2を第一の支持部材1Aに弾性力によって付勢可能なものであればよく、例えば弾性部材であるゴムに置き換えることも可能である。
この像ぶれ補正装置3は、受光面20aが図1に示す撮像光学系101に向けられた状態にてデジタルカメラ100本体に固定される。
像ぶれ補正装置3は、受光面20aに垂直且つ受光面20aの中心Pを通る回転軸R(基準状態において重力方向に平行な方向且つ中心Pを通る軸)を中心とする方向θと、受光面20aの長手方向である方向Xと、受光面20aの短手方向である方向Yと、にそれぞれ可動部材2を移動させることで像ぶれ補正を行う。
以下では、回転軸Rの延びる方向を方向Zという。この回転軸Rに垂直な平面が、可動部材2の移動する平面となる。
可動部材2は、基準状態から方向Xの一方の方向(左方向)と方向Xの他方の方向(右方向)とにそれぞれ同じ距離ずつ移動可能である。
また、可動部材2は、基準状態から方向Yの一方の方向(上方向)と方向Yの他方の方向(下方向)とにそれぞれ同じ距離ずつ移動可能である。
また、可動部材2は、基準状態から方向θの一方の方向(右回転方向)と方向θの他方の方向(左回転方向)とにそれぞれ同じ角度ずつ回転可能である。
図1に示すデジタルカメラ100では、図3に示す方向Yが重力方向に平行となる姿勢が正姿勢(いわゆる横撮りを行うための姿勢)とされる。
図4は、図3に示す像ぶれ補正装置3における支持部材1を撮像光学系101側から見た分解斜視図である。
図5は、図4に示す支持部材1を撮像光学系101側と反対側から見た分解斜視図である。
図4及び図5に示すように、第一の支持部材1Aは、樹脂等で形成され方向Zに垂直な平面を持つ板状のベース10と、ベース10の周辺部から撮像光学系101側に向かって方向Zに延びる突起部17a,17b,17cと、を備える。
第二の支持部材1Bは、撮像光学系101側から見て略L字状のヨーク18を有する。このヨーク18には、突起部17a,17b,17cと対向する位置に、孔部19aと切欠き部19b,19cが形成されている。
第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bの間に可動部材2が配置された状態にて、第一の支持部材1Aの突起部17aが第二の支持部材1Bの孔部19aに嵌合されて固定される。
また、同状態にて、第一の支持部材1Aの突起部17bが第二の支持部材1Bの切欠き部19bに嵌合されて固定され、第一の支持部材1Aの突起部17cが第二の支持部材1Bの切欠き部19cに嵌合されて固定される。これにより、可動部材2が支持部材1によって支持された状態となる。
図4に示すように、ベース10の撮像光学系101側の面において、撮像光学系101側から見て方向Xの左側の端部及び方向Yの下側の端部には、撮像光学系101側から見て略L字状のヨーク14が形成されている。
第一の支持部材1Aのヨーク14における方向Yに沿って延びる部分の表面には、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2とが、方向Yに間を空けて並べて固定されている。
X軸兼回転駆動用磁石Mv1は、撮像光学系101側から見て、N極が方向Xの右方向に向けて配置され、S極が方向Xの左方向に向けて配置されている。
X軸兼回転駆動用磁石Mv2は、撮像光学系101側から見て、N極が方向Xの左方向に向けて配置され、S極が方向Xの右方向に向けて配置されている。
第一の支持部材1Aのヨーク14における方向Xに沿って延びる部分の表面にはY軸駆動用磁石Mv3が固定されている。
Y軸駆動用磁石Mv3は、撮像光学系101側から見て、N極が方向Yの下方向に向けて配置され、S極が方向Yの上方向に向けて配置されている。
図5に示すように、第二の支持部材1Bのヨーク18の第一の支持部材1A側の表面には、図7にて説明する可動部材2のX軸兼回転駆動用コイルC1を挟んで第一の支持部材1AのX軸兼回転駆動用磁石Mv1と対向する位置に、X軸兼回転駆動用磁石mv1が固定されている。
X軸兼回転駆動用磁石mv1のS極は、X軸兼回転駆動用コイルC1を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv1のN極に対向する。X軸兼回転駆動用磁石mv1のN極は、X軸兼回転駆動用コイルC1を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv1のS極に対向する。
図5に示すように、第二の支持部材1Bのヨーク18の第一の支持部材1A側の表面には、図7にて説明する可動部材2のX軸兼回転駆動用コイルC2を挟んで第一の支持部材1AのX軸兼回転駆動用磁石Mv2と対向する位置に、X軸兼回転駆動用磁石mv2が固定されている。
X軸兼回転駆動用磁石mv2のS極は、X軸兼回転駆動用コイルC2を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv2のN極に対向する。X軸兼回転駆動用磁石mv2のN極は、X軸兼回転駆動用コイルC2を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv2のS極に対向する。
図5に示すように、第二の支持部材1Bのヨーク18の第一の支持部材1A側の表面には、図7にて説明する可動部材2のY軸駆動用コイルC3を挟んでY軸駆動用磁石Mv3と対向する位置に、Y軸駆動用磁石mv3が固定されている。
Y軸駆動用磁石mv3のS極は、Y軸駆動用コイルC3を挟んで、Y軸駆動用磁石Mv3のN極に対向する。Y軸駆動用磁石mv3のN極は、Y軸駆動用コイルC3を挟んで、Y軸駆動用磁石Mv3のS極に対向する。
図4に示すように、第一の支持部材1Aのベース10の撮像光学系101側の面において、図7にて説明する可動部材2に固定された回路基板21と対向する部分には、方向Zから見て略プラス字状のヨーク12が固定されている。
ヨーク12の表面には、可動部材2に固定された回路基板21に固定されているX軸位置検出用ホール素子H1(後述の図8参照)と対向する位置にX軸位置検出用磁石Mh1が固定されている。
X軸位置検出用磁石Mh1とこれに重なるヨーク12とによって磁力発生体が構成されている。
X軸位置検出用磁石Mh1は、方向Xに間を空けて配置されたS極1sとN極1nによって構成されている。これらS極1sとN極1nの中間位置に、X軸位置検出用ホール素子H1が対向して配置される。
X軸位置検出用磁石Mh1のN極1nは、X軸位置検出用磁石Mh1のS極1sに対し、撮像光学系101側から見て方向Xの左側に配置されている。
ヨーク12の表面には、可動部材2に固定された回路基板21に固定されているY軸兼回転位置検出用ホール素子H2(後述の図8参照)と対向する位置にY軸兼回転位置検出用磁石Mh2が固定されている。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とこれに重なるヨーク12とによって磁力発生体が構成されている。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2は、方向Yに間を空けて配置されたS極2sとN極2nによって構成されている。これらS極2sとN極2nの中間位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2が対向して配置される。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のN極2nは、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のS極2sに対し、撮像光学系101側から見て方向Yの上側に配置されている。
ヨーク12の表面には、可動部材2に固定された回路基板21に固定されているY軸兼回転位置検出用ホール素子H3(後述の図8参照)と対向する位置にY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が固定されている。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3とこれに重なるヨーク12とによって磁力発生体が構成されている。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3は、方向Yに間を空けて配置されたS極3sとN極3nによって構成されている。これらS極3sとN極3nの中間位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3が対向して配置される。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3のN極3nは、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3のS極3sに対し、撮像光学系101側から見て方向Yの下側に配置されている。
図4に示す例では、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が、連結部材13によって連結されて一体化されている。そして、連結部材13がネジ又は接着剤等によってヨーク12に固定されている。
なお、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3は、S極とN極の間隔と、S極とN極の大きさとが同一の構造である。
図6は、図4及び図5に示す第一の支持部材1Aを撮像光学系101側から方向Zに見た正面図である。
図6は、図4に示したヨーク12を第一の支持部材1Aから取り外した状態を示している。図6では、ヨーク12と位置検出用の磁石とが破線にて示されている。
図6に示すように、ベース10には、ヨーク12が配置される領域において方向Zに貫通する貫通孔h1〜h4が形成されている。
貫通孔h1と貫通孔h2は方向Yに並んでいる。貫通孔h1の中心と貫通孔h2の中心とを結ぶ直線は、撮像素子20の受光面20aの中心Pと重なっている。
貫通孔h3と貫通孔h4は方向Xに並んでいる。貫通孔h3の中心と貫通孔h4の中心とを結ぶ直線は、撮像素子20の受光面20aの中心Pと重なっている。
ヨーク12のベース10と対向する面には、貫通孔h1〜h4の各々と対向する位置にネジ穴が形成されている。
ヨーク12に形成されたこの4つのネジ穴と、これらのネジ穴に対向する貫通孔h1〜h4との間には、図6に示すように、リング状のスペーサSP1〜SP4(図中においてドットのハッチングを付した部分)が配置されている。
図5に示すように、貫通孔h1とスペーサSP1には、ベース10の撮像光学系101側と反対側からネジSC1が挿通され、このネジSC1が貫通孔h1に対向するヨーク12のネジ穴に螺合されている。
貫通孔h2とスペーサSP2には、ベース10の撮像光学系101側と反対側からネジSC2が挿通され、このネジSC2が貫通孔h2に対向するヨーク12のネジ穴に螺合されている。
貫通孔h3とスペーサSP3には、ベース10の撮像光学系101側と反対側からネジSC3が挿通され、このネジSC3が貫通孔h3に対向するヨーク12のネジ穴に螺合されている。
貫通孔h4とスペーサSP4には、ベース10の撮像光学系101側と反対側からネジSC4が挿通され、このネジSC4が貫通孔h4に対向するヨーク12のネジ穴に螺合されている。
このように、ヨーク12は、4つのネジSC1〜SC4によって、ベース10との間にスペーサSP1〜SP4を挟んだ状態にて、ベース10に固定されている。
スペーサSP1〜SP4は、位置検出用の磁石及びヨーク12からなる磁力発生体と、第一の支持部材1Aと、の間の距離を調整するための調整用部材として機能する。
図4に示すように、ベース10の撮像光学系101側の面には、方向Zに垂直な3つの平面15a,15b,15cが形成されている。平面15a,15b,15cは、方向Zの位置が全て同じであり、全て同一平面(可動部材2の移動する平面に平行な面)上に形成されている。
なお、ヨーク12が配置されたベース10の面は、平面15a,15b,15cに平行となっている。
ベース10の撮像光学系101側の面には、撮像光学系101側から見て、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3よりも方向Yの上側に、可動部材2の移動を規制するための貫通孔11aが形成され、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2よりも方向Yの下側に、可動部材2の移動を規制するための貫通孔11bが形成されている。
ベース10の周縁部には、図3に示すバネ24aの一端が係止される方向Xの左方向に延びたフック16aと、図3に示すバネ24bの一端が形成される方向Yの上方向に延びるフック16bと、図3に示すバネ24cの一端が係止される方向Yの下方向に延びるフック16cとが形成されている。
図7は、図3に示す像ぶれ補正装置3における可動部材2を撮像光学系101側から見た斜視図である。
図8は、図7に示す可動部材2を撮像光学系101側と反対側から見た斜視図である。
図9は、図7に示す可動部材2を撮像光学系101側と反対側から見た平面図である。図9では、可動部材2の構成の理解を容易にするために、可動部材2に固定されている回路基板21を破線にて示し、回路基板21に接続されたフレキシブルプリント基板25,26,27を想像線にて示している。
図9に示すように、可動部材2は、方向Xに延びる直線状の部分と、この部分の方向Xの右端部から方向Yに延びる直線状の部分と、この方向Yに延びる部分の下端部から方向Xの左側に延びる直線状の部分とによって構成される、撮像光学系101側から見て略C字状のベース22を備える。
このベース22には、図7及び図8に示すように、上記の3つの部分によって囲まれる領域に面した部分に、撮像素子20の実装された回路基板21が接着剤等によって固定されている。
また、このベース22には、図7〜図9に示すように、図4に示すX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1の各々と対向する位置に、X軸兼回転駆動用コイルC1が形成されている。
また、このベース22には、図4に示したX軸兼回転駆動用磁石Mv2,mv2の各々と対向する位置に、X軸兼回転駆動用コイルC2が形成されている。
更に、このベース22には、図4に示したY軸駆動用磁石Mv3,mv3の各々と対向する位置に、Y軸駆動用コイルC3が形成されている。
図7〜図9に示すX軸兼回転駆動用コイルC1と、図4に示すX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1とにより、X軸駆動用のVCM(Voice Coil Motor)が構成される。
このX軸駆動用のVCMは、X軸兼回転駆動用コイルC1に制御電流を流すことにより、X軸兼回転駆動用コイルC1とX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1との間の電磁誘導作用によって、可動部材2を方向Xに移動させるものである。
図7〜図9に示すX軸兼回転駆動用コイルC2と、図4に示すX軸兼回転駆動用磁石Mv2,mv2とによりVCMが構成される。このVCMと、上記のX軸駆動用のVCMとにより、回転駆動用のVCMが構成される。
この回転駆動用のVCMは、図7〜図9に示すX軸兼回転駆動用コイルC1とX軸兼回転駆動用コイルC2とに流す制御電流の向きを互いに逆にすることにより、X軸兼回転駆動用コイルC1とX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1との間の電磁誘導作用と、X軸兼回転駆動用コイルC2とX軸兼回転駆動用磁石Mv2,mv2との間の電磁誘導作用とによって、可動部材2を受光面20aの中心Pを回転中心として回転軸Rの回りに回転させるものである。
図7〜図9に示すY軸駆動用コイルC3と、図4に示すY軸駆動用磁石Mv3,mv3とにより、Y軸駆動用のVCMが構成される。
このY軸駆動用のVCMは、Y軸駆動用コイルC3に制御電流を流すことにより、Y軸駆動用コイルC3とY軸駆動用磁石Mv3,mv3との間の電磁誘導作用によって、可動部材2を方向Yに移動させるものである。
図8に示すように、ベース22に固定された回路基板21の第一の支持部材1A側の面(以下、回路基板21の背面という)には、X軸位置検出用磁石Mh1のS極1sとN極1nの中間位置に対向する位置にX軸位置検出用ホール素子H1が固定されている。
また、回路基板21の背面には、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のS極2sとN極2nの中間位置に対向する位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2が固定されている。
更に、回路基板21の背面には、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3のS極3sとN極3nの中間位置に対向する位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3が固定されている。
X軸位置検出用ホール素子H1は、X軸位置検出用磁石Mh1から供給される磁界に応じた信号を出力するものである。この信号の出力変化によって、システム制御部108が可動部材2の方向Xにおける位置を検出する。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2は、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2から供給される磁界に応じた信号を出力するものである。この信号の出力変化によって、システム制御部108が可動部材2の方向Yにおける位置を検出する。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3は、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3から供給される磁界に応じた信号を出力するものである。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号の変化と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の出力信号の変化とにより、システム制御部108が可動部材2の回転軸R回りの回転角度を、可動部材2の方向θにおける位置として検出する。
図10は、図8に示す可動部材2のベース22に固定された回路基板21の背面を方向Zから見た状態を示す図である。
図10には、回路基板21の背面に重なる撮像素子20の受光面20aの中心Pが示されている。また、図10には、この中心Pを通り且つ方向Xに平行な直線L1が示されており、上述したY軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3は、この直線L1上に配置されている。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2から中心Pまでの距離と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3から中心Pまでの距離は同じとなっている。
図4に示したように、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2に対向するY軸兼回転位置検出用磁石Mh2と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3に対向するY軸兼回転位置検出用磁石Mh3は、磁極が方向Yにおいて互いに逆になるように配置されている。
可動部材2が撮像光学系101側から見て方向θの右方向に回転した場合には、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3とが、方向Yにおいて互いに逆方向に同じ距離だけ移動する。このため、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力は同じように変化する。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の出力信号と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の移動方向及び移動距離と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の移動方向及び移動距離と、可動部材2の方向θにおける回転角度とを予め対応付けておくことで、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号によって、可動部材2の方向θの回転位置を検出することができる。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の一方が第一の位置検出素子を構成し、他方の第二の位置検出素子を構成する。
一方、可動部材2が方向Yにのみ移動した場合には、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3が、方向Yにおいて同じ方向に同じ距離だけ移動する。
このため、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号は逆向きに変化する。
したがって、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力が逆向きに変化する場合には、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2又はY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力を見ることで、可動部材2の方向Yの位置を検出することができる。
図7〜図9に示すように、ベース22における支持部材1のフック16a(図4参照)と対向する位置には、フック16aと同じ方向(方向X)に延びるフック23aが形成されている。このフック23aには、図3に示すバネ24aの他端が係止されている。
フック16aとフック23aとにそれぞれ係止されるバネ24aによって、可動部材2が第一の支持部材1Aに向けて付勢されている。
図7及び図9に示すように、ベース22における支持部材1のフック16b(図4参照)と対向する位置には、フック16bと同じ方向(方向Yの上方向)に延びるフック23bが形成されている。このフック23bには、図3に示すバネ24bの他端が係止されている。
フック16bとフック23bとにそれぞれ係止されるバネ24bによって、可動部材2が第一の支持部材1Aに向けて付勢されている。
図7〜図9に示すように、ベース22における支持部材1のフック16c(図4参照)と対向する位置には、フック16cと同じ方向(方向Yの下方向)に延びるフック23cが形成されている。このフック23cには、図3に示すバネ24cの他端が係止されている。
フック16cとフック23cとにそれぞれ係止されるバネ24cによって、可動部材2が第一の支持部材1Aに向けて付勢されている。
フック16a及びフック23aのペアと、フック16b及びフック23bのペアと、フック16c及びフック23cのペアは、方向Zに見た平面視において、これら3つのペアを結んで形成される三角形の内側に、可動部材2の重心が配置される状態となるように設けられている。
図8及び図9に示すように、ベース22において、図4に示した第一の支持部材1Aの平面15aと対向する位置には、可動部材2を方向Zに垂直な面内で移動可能にするための転動体(球状のボール)を収容する凹部290aが形成されている。凹部290aの底面29aは、方向Zに垂直な平面となっている。
また、ベース22において、図4に示した第一の支持部材1Aの平面15bと対向する位置には、可動部材2を方向Zに垂直な面内で移動可能にするための転動体を収容する凹部290bが形成されている。凹部290bの底面29bは、方向Zに垂直な平面となっている。
更に、ベース22において、図4に示した第一の支持部材1Aの平面15cと対向する位置には、可動部材2を方向Zに垂直な面内で移動可能にするための転動体を収容する凹部290cが形成されている。凹部290cの底面29cは、方向Zに垂直な平面となっている。
これら底面29a,29b,29cは、方向Zの位置が全て同じであり、全て同一平面(可動部材2の移動する平面に平行な面)上に形成されている。
可動部材2の底面29aと第一の支持部材1Aの平面15aの間と、可動部材2の底面29bと第一の支持部材1Aの平面15bの間と、可動部材2の底面29cと第一の支持部材1Aの平面15cの間とに配置される転動体の転動によって、可動部材2は方向Zに垂直な平面内を移動する。
図9に示すように、ベース22の第一の支持部材1A側の面には、取り付け部28Aが形成されている。
取り付け部28Aには、図8に示すように、回路基板21と重なる位置まで方向Yの下方向に延びる平板部280aがネジによって固定されている。この平板部280aには、第一の支持部材1A側に向かって方向Zに突出する挿通部材28aが形成されている。
また、図9に示すように、ベース22の第一の支持部材1A側の面には、取り付け部28Bが形成されている。
取り付け部28Bには、図8に示すように、回路基板21と重なる位置まで方向Yの上方向に延びる平板部280bがネジによって固定されている。この平板部280bには、第一の支持部材1A側に向かって方向Zに突出する挿通部材28bが形成されている。
挿通部材28aは、図4に示した第一の支持部材1Aの貫通孔11aに挿通される。挿通部材28bは、図4に示した第一の支持部材1Aの貫通孔11bに挿通される。
可動部材2が方向Zに垂直な面内で移動する際には、挿通部材28aの移動範囲が貫通孔11aの内側に制限され、挿通部材28bの移動範囲が貫通孔11bの内側に制限される。
このように、挿通部材28aと貫通孔11aのペアと、挿通部材28bと貫通孔11bのペアとによって、可動部材2の移動範囲(方向Xの移動範囲、方向Yの移動範囲、及び方向θの移動範囲)が予め決められた範囲に規制されている。
図8に示すように、可動部材2に固定された回路基板21の背面の方向Yの上側の端部には、コネクタ21aとコネクタ21bが形成されている。また、回路基板21の背面の方向Xの端部のうちのベース22に近い側の端部には、コネクタ21cが形成されている。
コネクタ21aとコネクタ21bは、回路基板21に実装された撮像素子20の各種端子(電源供給のための端子である電源端子、接地のための端子であるグランド端子、信号出力用の端子、及び駆動用の端子等)に接続された端子を含む。
コネクタ21aには、ここに含まれる端子と接続される配線を含むフレキシブルプリント基板26が接続されている。
コネクタ21bには、ここに含まれる端子と接続される配線を含むフレキシブルプリント基板25が接続されている。
コネクタ21cは、回路基板21の背面に実装されたX軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の出力端子と接続された端子を含む。
コネクタ21cには、ここに含まれる端子と接続される配線を含むフレキシブルプリント基板27が接続されている。
フレキシブルプリント基板27は、方向Yに沿って延び、且つベース22に固定される固定部27aと、ベース22に対しフリーになっている非固定部27bとによって構成されている。
図11は、図7に示す可動部材2に固定された回路基板21及びこれに接続されるフレキシブルプリント基板を方向Xから見た状態を示す側面図である。図11では、理解を容易にするために、フレキシブルプリント基板の一部を破線にて図示している。
図11及び図8に示すように、フレキシブルプリント基板25は、コネクタ21bから方向Yの上方向に延びる第一の部位25a(破線部分)と、第一の部位25aの端部にて方向Yの下方向に折り返された折り返し部25b(実線部分)と、を有する。
また、図11には示されていないが、フレキシブルプリント基板26もフレキシブルプリント基板25と同様の構成であり、図8に示すように、コネクタ21aから方向Yの上方向に延びる第一の部位26aと、第一の部位26aの端部にて方向Yの下方向に折り返された折り返し部26bと、を有する。
図11に示すように、フレキシブルプリント基板27は、ベース22に固定された固定部27aを含み、方向Yの下方向に延びる第二の部位270(破線部分)と、第二の部位270の端部にて方向Yの上方向に折り返された折り返し部271(実線部分)と、を有する。
第二の部位270の固定部27aを除く部分と折り返し部271とによって図8に示す非固定部27bが構成されている。
折り返し部25bの先端と、折り返し部26bの先端と、折り返し部271の先端は、それぞれ、デジタルカメラ100における図示省略のメイン基板(システム制御部108等が形成される基板)のコネクタに接続される。
次に、以上のように構成された像ぶれ補正装置3の製造方法について説明する。
図12は、像ぶれ補正装置3の製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、ヨーク12以外の構成要素が形成された支持部材1と、撮像素子20の実装された回路基板21以外の構成要素が形成された可動部材2とを準備する。
そして、可動部材2の底面29a〜29cのいずれかと撮像素子20の受光面20aとが平行になる状態にて、接着剤等によって回路基板21を可動部材2に固定する(ステップS1)。ステップS1は第一工程を構成する。
次に、可動部材2の底面29a〜29cのいずれかを基準面とし、この基準面から回路基板21の背面に形成されているX軸位置検出用ホール素子H1までの第一の距離と、この基準面からY軸兼回転位置検出用ホール素子H2までの第二の距離と、この基準面からY軸兼回転位置検出用ホール素子H3までの第三の距離と、を測定する(ステップS2)。
次に、位置検出用の磁石が固定された支持部材1に可動部材2を組み付けた場合に、X軸位置検出用磁石Mh1とX軸位置検出用ホール素子H1との間の距離、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H2との間の距離、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3との間の距離が予め決めた設計値となるように、ステップS2で測定した第一の距離、第二の距離、及び第三の距離に基づいてスペーサSP1〜スペーサSP4の各々の厚みを決定する。
このようにして決定した厚みのスペーサSP1〜SP4を、上記準備した第一の支持部材1Aのベース10の貫通孔h1〜h4の上に配置し、その上にヨーク12を配置する。
その状態にて、ベース10の背面からネジSC1〜SC4を貫通孔h1〜h4に挿入する。そして、ネジSC1〜SC4を、スペーサSP1〜SP4を介して、ヨーク12のネジ穴に螺合させて、ヨーク12をベース10に固定する(ステップS3)。ステップS2及びステップS3は第二工程を構成する。
その後、可動部材2の凹部290a〜290cと第一の支持部材1Aの平面15a〜15cの間にボールを挟んだ状態にて、第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bを連結して固定することで、可動部材2の支持部材1への組み付けを行う(ステップS4)。
最後に、フック16a及びフック23aにバネ24aを係止し、フック16b及びフック23bにバネ24bを係止し、フック16c及びフック23cにバネ24cを係止して、像ぶれ補正装置3を完成させる。
以上のように、像ぶれ補正装置3は、X軸位置検出用磁石Mh1とX軸位置検出用ホール素子H1との間の距離、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H2との間の距離、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3との間の距離が均一となるように、ヨーク12とベース10の間に配置されるスペーサSP1〜SP4の厚みが決められている。
このため、可動部材2に回路基板21を固定する際に、回路基板21の背面が可動部材2の移動する平面に対して傾いてしまった場合でも、回路基板21の背面に固定された位置検出素子と、支持部材1に固定された位置検出用の磁石との間の距離を均一化することができ、可動部材2の位置検出精度を向上させることができる。
像ぶれ補正装置3は、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3によって、方向θにおける可動部材2の位置を検出するものである。
このように2つの位置検出素子を用いて可動部材2の位置を検出する場合には、この2つの位置検出素子の出力特性が揃っていることが特に重要になる。このため、スペーサSP1〜SP4を有する構成が特に有効となる。
なお、像ぶれ補正装置3において、図4に示すヨーク12は、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3毎に分離されていてもよい。
このようにヨーク12が分離されている場合には、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3の各々の下に配置されたヨークと第一の支持部材1Aのベース10との間にスペーサを配置する。
そして、このスペーサの厚みを調整することで、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3の各々と位置検出素子との距離を均一化すればよい。
図4に示したように、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が1つのヨーク12の上に固定された構成によれば、位置検出素子の表面と位置検出用の磁石の表面とを平行にすることができる。
このため、ヨークを分離する場合と比較して、各位置検出素子の出力特性をより均一化することができ、高精度の位置検出が可能になる。
ここまでは、第一の支持部材1Aの平面15a〜15cのいずれかを基準面とし、この基準面からX軸位置検出用磁石Mh1までの第四の距離と、この基準面からY軸兼回転位置検出用磁石Mh2までの第五の距離と、この基準面からY軸兼回転位置検出用磁石Mh3までの第六の距離とは同一であることを前提として説明した。
しかし、これらの第四の距離〜第六の距離についても、位置検出用の磁石自体の公差又は位置検出用の磁石のヨーク12への取り付け誤差等によってばらつく場合がある。
そこで、ヨーク12を第一の支持部材1Aのベース10上に配置した状態にて、これらの第四の距離〜第六の距離を測定する。そして、図12のステップS2で測定した第一の距離〜第三の距離と、この第四の距離〜第六の距離とに基づいて、位置検出用の磁石が固定された支持部材1に可動部材2を組み付けた場合に、X軸位置検出用磁石Mh1とX軸位置検出用ホール素子H1との間の距離、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H2との間の距離、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3との間の距離が上記の設計値となるように、スペーサSP1〜SP4の厚みを決定する。このようにすることで、位置検出精度をより向上させることができる。
ここまでは、第一の支持部材1Aとヨーク12との距離をスペーサSP1〜SP4によって調整するものとしたが、この距離を調整する構成は、スペーサSP1〜SP4には限らない。
図13は、像ぶれ補正装置3の第一の支持部材1Aの変形例を示す図であり、第一の支持部材1Aを撮像光学系101側から方向Zに見た正面図である。
図13は、ヨーク12を第一の支持部材1Aから取り外した状態を示している。図13では、ヨーク12と位置検出用の磁石とが破線にて示されている。
図14は、図13に示す第一の支持部材1Aを撮像光学系101とは反対側から見た斜視図である。
図13及び図14に示す変形例の第一の支持部材1Aは、スペーサSP1〜スペーサSP4が削除されている点、ヨーク12の第一の支持部材1A側の面からネジ穴が削除されている点、ヨーク12がベース10に接着剤によって固定されている点、貫通孔h1〜h4の各々には、ネジSC1〜ネジSC4の代わりにネジsc1〜ネジsc4が挿通されている点を除いては、図5及び図6に示す構成と同じである。
ネジsc1は、平らな先端面を有し、貫通孔h1に挿通された状態にて、この先端面の少なくとも一部がヨーク12に当接している。
ネジsc2は、平らな先端面を有し、貫通孔h2に挿通された状態にて、この先端面の少なくとも一部がヨーク12に当接している。
ネジsc3は、平らな先端面を有し、貫通孔h3に挿通された状態にて、この先端面の少なくとも一部がヨーク12に当接している。
ネジsc4は、平らな先端面を有し、貫通孔h4に挿通された状態にて、この先端面の少なくとも一部がヨーク12に当接している。
ネジsc1〜ネジsc4は挿通部材を構成する。
この変形例の第一の支持部材1Aを含む像ぶれ補正装置3では、貫通孔h1〜h4からヨーク12側に突出されたネジsc1〜ネジsc4の各々の部位の長さが調整されている。
この調整によって、ヨーク12に固定された位置検出用の磁石と、回路基板21に固定された位置検出素子との距離が均一になっている。
図15は、図13及び図14に示す第一の支持部材1Aを含む像ぶれ補正装置3の製造方法を説明するためのフローチャートである。図15は、ステップS3がステップS3aに変更された点を除いては、図12と同じである。図15において図12と同じ処理には同一符号を付して説明を省略する。
ステップS2の後、位置検出用の磁石が固定された支持部材1に可動部材2を組み付けた場合に、X軸位置検出用磁石Mh1とX軸位置検出用ホール素子H1との間の距離、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H2との間の距離、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3との間の距離が予め決めた設計値となるように、ステップS2で測定した第一の距離、第二の距離、及び第三の距離に基づいて、ネジsc1〜ネジsc4の各々の貫通孔h1〜h4から突出させる部位の長さを決定する。
次に、ヨーク12を第一の支持部材1Aに仮固定する。仮固定とは、ヨーク12が、方向Zに移動可能且つ平面15a〜15cのいずれかに対して傾斜可能な状態にて第一の支持部材1Aによって支持されている状態を言う。
この仮固定の状態にて、上記決定した長さにしたがって、ネジsc1〜ネジsc4をそれぞれ貫通孔h1〜h4に挿通し、ネジsc1〜ネジsc4の上記の部位の長さを調整する。この調整の後、ヨーク12をベース10に接着剤によって固定する(ステップS3a)。図15のステップS2及びステップS3aは第二工程を構成する。
このステップS3aの工程によって、回路基板21の背面とヨーク12の位置検出用の磁石が固定される面とは平行になり、X軸位置検出用磁石Mh1とX軸位置検出用ホール素子H1との間の距離、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H2との間の距離、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3との間の距離が均一になる。
ステップS3aの後は、ステップS4の工程が行われる。
なお、図15に示すフローチャートにおいても、ステップS3aの前に、平面15a〜15cのいずれかからX軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3の各々までの距離を測定し、ステップS3aにおいて、この距離とステップS2で測定した距離とに基づいて、ネジsc1〜ネジsc4の各々の上記部位の長さを調整してもよい。
図13及び図14に示す第一の支持部材1Aを有する像ぶれ補正装置3によれば、X軸位置検出用磁石Mh1とX軸位置検出用ホール素子H1との間の距離、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H2との間の距離、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3との間の距離が同じになる。このため、可動部材2の位置検出精度を向上させることができる。
この変形例では、ネジsc1〜ネジsc4が、位置検出用の磁石及びヨーク12からなる磁力発生体と、第一の支持部材1Aと、の間の距離を調整するための調整用部材として機能する。
図16は、図13及び図14に示す第一の支持部材1Aを有する像ぶれ補正装置3の製造方法の変形例を説明するためのフローチャートである。
まず、位置検出用の磁石、連結部材13、及びヨーク12以外の構成要素が形成された支持部材1と、撮像素子20の実装された回路基板21以外の構成要素が形成された可動部材2とを準備する。
そして、可動部材2の底面29a〜29cのいずれかと撮像素子20の受光面20aとが平行になる状態にて、接着剤等によって回路基板21を可動部材2に固定する(ステップS11)。ステップS11は第一工程を構成する。
次に、連結部材13によって連結された位置検出用の磁石が固定されたヨーク12を、第一の支持部材1Aに仮固定する(ステップS12)。
次に、回路基板21のコネクタ21a〜21cにフレキシブルプリント基板25〜27を接続し、可動部材2の凹部290a〜290cと第一の支持部材1Aの平面15a〜15cの間にボールを挟んだ状態にて、第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bを連結する。更に、フック16a及びフック23aにバネ24aを係止し、フック16b及びフック23bにバネ24bを係止し、フック16c及びフック23cにバネ24cを係止して、可動部材2の支持部材1への組み付けを行う(ステップS13)。
次に、フレキシブルプリント基板25〜27に通電して可動部材2を駆動し、可動部材2の位置を、予め決められた所定位置に制御する(ステップS14)。この所定位置は、例えば基準状態のときの位置とする。
次に、可動部材2が上記の所定位置にある状態にて、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の出力信号を取得する。
そして、これらの出力信号が上記の所定位置に対応した値になるように、貫通孔h1〜h4に挿通するネジsc1〜ネジsc4の上記部位の長さを調整して、位置検出用の磁石と第一の支持部材1Aのベース10との間の距離を調整する(ステップS15)。
ステップS13〜ステップS15は、第二工程を構成する。
最後に、ヨーク12を第一の支持部材1Aに接着剤により固定して、像ぶれ補正装置3を完成させる(ステップS16)。
以上の製造方法によれば、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の個体ばらつきも考慮した、位置検出用の磁石と位置検出素子との距離の調整が可能になる。このため、より高精度の位置検出が可能になる。
また、基準面から位置検出素子までの距離を測定したり、基準面から位置検出用の磁石までの距離を測定したりといった工程が不要になる。このため、位置検出用の磁石と位置検出素子との距離の調整にかかる時間を短縮して、製造コストを削減することができる。
ここまで説明してきた像ぶれ補正装置3における可動部材2の位置を検出するための位置検出素子としては、磁石から供給される磁界の変化によって位置を検出することができるものであればよく、ホール素子以外の磁気センサが用いられてもよい。
また、ここまで説明してきた像ぶれ補正装置3は、3つの方向における可動部材2の位置を3つの位置検出素子によって検出する構成であるが、位置検出精度を向上させるために、位置検出素子の数を4つ以上とすることも可能である。
また、ここまで説明してきた像ぶれ補正装置3は、3つの方向に可動部材2を移動させるものであるが、可動部材2を方向Xと方向Yの2方向にのみ移動させる像ぶれ補正装置であっても、上述したスペーサ又はネジを用いて、位置検出素子と位置検出用の磁石との距離を調整することで、高精度の像ぶれ補正が可能となる。
次に、本発明の撮像装置の別実施形態としてスマートフォンの構成について説明する。
図17は、本発明の撮像装置の一実施形態であるスマートフォン200の外観を示すものである。
図17に示すスマートフォン200は、平板状の筐体201を有し、筐体201の一方の面に表示面としての表示パネル202と、入力部としての操作パネル203とが一体となった表示入力部204を備えている。
また、この様な筐体201は、スピーカ205と、マイクロホン206と、操作部207と、カメラ部208とを備えている。
なお、筐体201の構成はこれに限定されず、例えば、表示面と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造又はスライド機構を有する構成を採用したりすることもできる。
図18は、図17に示すスマートフォン200の構成を示すブロック図である。
図18に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、無線通信部210と、表示入力部204と、通話部211と、操作部207と、カメラ部208と、記憶部212と、外部入出力部213と、GPS(Global Positioning System)受信部214と、モーションセンサ部215と、電源部216と、主制御部220とを備える。
また、スマートフォン200の主たる機能として、図示省略の基地局装置BSと図示省略の移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部210は、主制御部220の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータ等の送受信、ウェブデータ又はストリーミングデータ等の受信を行う。
表示入力部204は、主制御部220の制御により、画像(静止画像及び動画像)又は文字情報等を表示して視覚的に利用者に情報を伝達するとともに、表示した情報に対する利用者操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル202と、操作パネル203と、を備える。
表示パネル202は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro−Luminescence Display)等を表示デバイスとして用いたものである。
操作パネル203は、表示パネル202の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、利用者の指又は尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスを利用者の指又は尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部220に出力する。次いで、主制御部220は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル202上の操作位置(座標)を検出する。
図18に示すように、本発明の撮影装置の一実施形態として例示しているスマートフォン200の表示パネル202と操作パネル203とは一体となって表示入力部204を構成しているが、操作パネル203が表示パネル202を完全に覆うような配置となっている。
係る配置を採用した場合、操作パネル203は、表示パネル202外の領域についても、利用者操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル203は、表示パネル202に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
なお、表示領域の大きさと表示パネル202の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。
また、操作パネル203が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。さらに、外縁部分の幅は、筐体201の大きさ等に応じて適宜設計されるものである。
さらにまた、操作パネル203で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等が挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
通話部211は、スピーカ205又はマイクロホン206を備え、マイクロホン206を通じて入力された利用者の音声を主制御部220にて処理可能な音声データに変換して主制御部220に出力したり、無線通信部210あるいは外部入出力部213により受信された音声データを復号してスピーカ205から出力させたりするものである。
また、図17に示すように、例えば、スピーカ205を表示入力部204が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン206を筐体201の側面に搭載することができる。
操作部207は、キースイッチ等を用いたハードウェアキーであって、利用者からの指示を受け付けるものである。
例えば、図17に示すように、操作部207は、スマートフォン200の筐体201の側面に搭載され、指等で押下されるとオンとなり、指を離すとバネ等の復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部212は、主制御部220の制御プログラム及び制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称又は電話番号等を対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータ、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータ等を一時的に記憶するものである。また、記憶部212は、スマートフォン内蔵の内部記憶部217と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部218により構成される。
なお、記憶部212を構成するそれぞれの内部記憶部217と外部記憶部218は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部213は、スマートフォン200に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394等)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)等)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
スマートフォン200に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)、SIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホン等がある。
外部入出力部213は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン200の内部の各構成要素に伝達したり、スマートフォン200の内部のデータが外部機器に伝送されるようにしたりすることができる。
GPS受信部214は、主制御部220の指示にしたがって、GPS衛星ST1〜STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、スマートフォン200の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。
GPS受信部214は、無線通信部210又は外部入出力部213(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部215は、例えば、3軸の加速度センサ等を備え、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の物理的な動きを検出する。
スマートフォン200の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン200の動く方向又は加速度が検出される。係る検出結果は、主制御部220に出力されるものである。
電源部216は、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
主制御部220は、マイクロプロセッサを備え、記憶部212が記憶する制御プログラム及び制御データにしたがって動作し、スマートフォン200の各部を統括して制御するものである。
また、主制御部220は、無線通信部210を通じて、音声通信又はデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部212が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部220が動作することにより実現するものである。
アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部213を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能、電子メールの送受信を行う電子メール機能、又はウェブページを閲覧するウェブブラウジング機能等がある。
また、主制御部220は、受信データ又はダウンロードしたストリーミングデータ等の画像データ(静止画像又は動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部204に表示する等の画像処理機能を備える。
画像処理機能とは、主制御部220が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部204に表示する機能のことをいう。
さらに、主制御部220は、表示パネル202に対する表示制御と、操作部207、操作パネル203を通じた利用者操作を検出する操作検出制御を実行する。
表示制御の実行により、主制御部220は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコン又はスクロールバー等のソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。
なお、スクロールバーとは、表示パネル202の表示領域に収まりきれない大きな画像等について、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部220は、操作部207を通じた利用者操作を検出したり、操作パネル203を通じて、上記アイコンに対する操作と上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付けたりする。
さらに、操作検出制御の実行により主制御部220は、操作パネル203に対する操作位置が、表示パネル202に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル203の感応領域又はソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部220は、操作パネル203に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。
ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指等によって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部208は、図1に示したデジタルカメラ100の動き検出センサ106、システム制御部108、及び画像処理部107以外の構成要素を含む。
スマートフォン200では、主制御部220が、動き検出センサ106に相当するモーションセンサ部215の情報に基づいて像ぶれ補正装置3を制御して像ぶれ補正を行う。
カメラ部208によって生成された撮像画像データは、記憶部212に記憶したり、外部入出力部213又は無線通信部210を通じて出力したりすることができる。
図17に示すスマートフォン200において、カメラ部208は表示入力部204と同じ面に搭載されているが、カメラ部208の搭載位置はこれに限らず、表示入力部204の背面に搭載されてもよい。
また、カメラ部208はスマートフォン200の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル202にカメラ部208で取得した画像を表示したり、操作パネル203の操作入力のひとつとして、カメラ部208の画像を利用したりすることができる。
また、GPS受信部214が位置を検出する際に、カメラ部208からの画像を参照して位置を検出することもできる。さらには、カメラ部208からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン200のカメラ部208の光軸方向を判断したり、現在の使用環境を判断したりすることもできる。勿論、カメラ部208からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
その他、静止画又は動画の画像データにGPS受信部214により取得した位置情報、マイクロホン206により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、モーションセンサ部215により取得した姿勢情報等を付加して記憶部212に記憶したり、外部入出力部213又は無線通信部210を通じて出力したりすることもできる。
以上のような構成のスマートフォン200においても、像ぶれ補正装置3が上述してきた構成となっていることで、高精度の像ぶれ補正が可能になる。
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
(1) 可動部材と、上記可動部材を、平面に沿った複数の方向に移動自在に支持する支持部材と、上記可動部材に固定された回路基板と、上記回路基板に実装された撮像素子と、上記回路基板の上記撮像素子が実装された面と反対側の背面に固定され、上記可動部材の移動方向における上記可動部材の位置を検出するための複数の位置検出素子と、上記複数の位置検出素子の各々に対向し、且つ上記支持部材に固定された磁力発生体と、上記磁力発生体と上記支持部材との間の距離を調整するための調整用部材と、を備える像ぶれ補正装置。
(2) (1)記載の像ぶれ補正装置であって、上記調整用部材は、上記磁力発生体と上記支持部材との間に配置されたスペーサである像ぶれ補正装置。
(3) (1)記載の像ぶれ補正装置であって、上記支持部材は、上記磁力発生体と対向する部分に貫通孔を有し、上記調整用部材は、上記貫通孔に挿通された挿通部材を含み、上記貫通孔から上記磁力発生体側に向かって突出する上記挿通部材の部位の長さによって上記距離が調整されている像ぶれ補正装置。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載の像ぶれ補正装置であって、上記磁力発生体は、磁石と、上記磁石及び上記支持部材の間に設けられたヨークと、を含み、上記支持部材に固定された全ての上記磁力発生体の上記ヨークは一体化されている像ぶれ補正装置。
(5) (1)〜(4)のいずれか1つに記載の像ぶれ補正装置であって、上記複数の方向は、上記撮像素子の受光面の長手方向である第一の方向と、上記撮像素子の受光面の短手方向である第二の方向と、上記撮像素子の受光面の中心を中心とする円の周方向に沿った第三の方向であり、上記複数の位置検出素子は、上記第一の方向における上記可動部材の位置と、上記第二の方向における上記可動部材の位置と、上記第三の方向における上記可動部材の位置と、を検出するための少なくとも3つの位置検出素子である像ぶれ補正装置。
(6) (5)記載の像ぶれ補正装置であって、上記複数の位置検出素子は、上記撮像素子の受光面の長手方向に配列された第一の位置検出素子及び第二の位置検出素子を含み、上記第一の位置検出素子の出力と上記第二の位置検出素子の出力とに基づいて上記第三の方向における上記可動部材の位置が検出される像ぶれ補正装置。
(7) (1)〜(6)のいずれか1つに記載の像ぶれ補正装置を備える撮像装置。
(8) 可動部材と、上記可動部材を、平面に沿った複数の方向に移動自在に支持する支持部材と、上記可動部材に固定された回路基板と、上記回路基板に実装された撮像素子と、上記回路基板の上記撮像素子が実装された面と反対側の背面に固定され、上記可動部材の移動方向における上記可動部材の位置を検出するための複数の位置検出素子と、上記複数の位置検出素子の各々に対向し、且つ上記支持部材に固定された磁力発生体と、を有する像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記撮像素子の受光面が上記平面に平行となる状態にて上記回路基板を上記可動部材に固定する第一工程と、上記第一工程の後、上記磁力発生体と上記支持部材との間の距離を調整し、上記調整後の上記距離を維持した状態にて上記磁力発生体を上記支持部材に固定する第二工程と、を備える像ぶれ補正装置の製造方法。
(9) (8)記載の像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記第二工程では、上記可動部材に設定されている上記平面に水平な基準面から上記位置検出素子までの距離を測定し、その距離に基づいて上記磁力発生体と上記支持部材との間の上記距離を調整して、上記位置検出素子と上記磁力発生体との間の間隔を均一にする像ぶれ補正装置の製造方法。
(10) (8)記載の像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記第二工程では、上記磁力発生体が仮固定された上記支持部材に上記可動部材を組み付けた状態にて、上記可動部材を予め決められた位置に制御し、上記可動部材がその位置に制御されている状態における上記位置検出素子の出力に基づいて上記磁力発生体と上記支持部材との間の上記距離を調整して、上記位置検出素子の出力をその位置に対応した値に調整する像ぶれ補正装置の製造方法。
(11) (8)又は(9)記載の像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記第二工程では、上記磁力発生体と上記支持部材との間に配置するスペーサの厚みを変えることで上記距離を調整する像ぶれ補正装置の製造方法。
(12) (8)〜(10)のいずれか1つに記載の像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記支持部材は、上記磁力発生体と対向する部分に貫通孔を有し、上記第二工程では、上記貫通孔に挿通した挿通部材の上記貫通孔から上記磁力発生体側に向かって突出させる部位の長さを変えることで、上記距離を調整する像ぶれ補正装置の製造方法。
(13) (8)〜(12)のいずれか1つに記載の像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記磁力発生体は、磁石と、上記磁石及び上記支持部材の間に設けられたヨークと、を含み、上記支持部材に固定された全ての上記磁力発生体の上記ヨークは一体化されている像ぶれ補正装置の製造方法。
(14) (8)〜(13)のいずれか1つに記載の像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記複数の方向は、上記撮像素子の受光面の長手方向である第一の方向と、上記撮像素子の受光面の短手方向である第二の方向と、上記撮像素子の受光面の中心を中心とする円の周方向に沿った第三の方向であり、上記複数の位置検出素子は、上記第一の方向における上記可動部材の位置と、上記第二の方向における上記可動部材の位置と、上記第三の方向における上記可動部材の位置と、を検出するための少なくとも3つの位置検出素子である像ぶれ補正装置の製造方法。
(15) (14)記載の像ぶれ補正装置の製造方法であって、上記複数の位置検出素子は、上記撮像素子の受光面の長手方向に配列された第一の位置検出素子及び第二の位置検出素子を含み、上記第一の位置検出素子の出力と上記第二の位置検出素子の出力とに基づいて上記第三の方向における上記可動部材の位置が検出される像ぶれ補正装置の製造方法。