JP6791133B2 - 異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板、液晶表示装置、加飾用フィルム、及びガスバリアーフィルム - Google Patents
異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板、液晶表示装置、加飾用フィルム、及びガスバリアーフィルム Download PDFInfo
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Description
前記剛直な主鎖構造を有する樹脂がフィルムの表面から濃度傾斜を有して偏在しており、かつ前記フィルムを製膜後、未延伸の状態で測定された前記剛直な主鎖構造を有する樹脂の主鎖配向度が、0.05以上であり、前記剛直な主鎖構造を有する樹脂が、フッ素原子を含有することを特徴とする異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム。
本発明の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム(以降、本願では「表面偏在高配向フィルム」という。)は、熱可塑性樹脂と、分子量が5000以上である剛直な主鎖構造を有する樹脂とを含有する異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムであって、前記剛直な主鎖構造を有する樹脂がフィルムの表面から濃度傾斜を有して偏在しており、かつ前記フィルムを製膜後、未延伸の状態で測定された前記剛直な主鎖構造を有する樹脂の主鎖配向度が、0.05以上であることを特徴とする。
本発明における剛直な主鎖構造を有する樹脂の表面偏在とは、フィルムの最表面において当該剛直な主鎖構造を有する樹脂の濃度が最も高く、かつ内部に向かって濃度が徐々に低くなる濃度傾斜を有している状態のことをいう。
式1の樹脂の濃度は、例えば表面における剛直な主鎖を有する樹脂とフィルムの厚さ中心で切り出した表面のTof−SIMSを測定して二次イオン強度の比率から算出することができる。また、濃度傾斜の状態もTof−SIMSを最表面から厚さ方向(深さ方向)に測定することで確認することができる。
本発明に係る主鎖配向度について述べる。
ATEx=αkx
ATMx=βky−γkz
ATEy=αky
ATMy=βkx−γkz
上記式(1)で表される関係式が得られる。ここでα、β、γは、入射角と試料の屈折率に依存する定数であり、入射角が45度の場合は、P.A.Floumoy,and W.J.Schaffers,Spectrochimica Acta,22,5(1966)、K.Palm,Vib.Spectrosc.,6,185,(1994)を参照して、下記式(2)により求められる。
kx=ATEx/α
ky=ATEy/α
kz=((ATMx−βky)/γ+(ATMy−βkx)/γ)/2
以上より、赤外2色比は、下記式(4)で表される。
Dxy=kx/ky
Dxz=kx/kz
式中、Dxy、Dxzは、全く空間的に等方性の無配向試料では、いずれも1.00の値をとる。配向性が強くなるにつれて、この数値は増大する。別な評価式として、より定量的な評価が可能なものとして、P.A.Floumoy,and W.J.Schaffers,Spectrochimica Acta,22,5(1966)に開示されている、1軸配向係数(fxy、fxz)があり、下記式(5)で表される。
fxy=((Dxy−1)/(Dxy+2))×((D0+2)/(D0−1))
fxz=((Dxz−1)/(Dxz+2))×((D0+2)/(D0−1))
式中、fxyは、面内方向の配向係数を、また、fxzは、膜厚方向の配向係数を示す。ここで、D0=cot2(δ)であり、δは分子振動により形成される遷移モーメントベクトルと、分子軸との成す角度である。これを厳密に計算するには分子振動のモーメントの方向を調べる必要があるが、通常は分子軸に平行な振動モードと垂直なモードを選び、これをそれぞれ0°、90°として計算すれば十分配向性に関する情報が得られる。この配向係数は理論上、無配向の場合は0、観測方向に完全に配向している場合には1.0、逆に観測方向と直交している場合は−0.5となる。
ピークの決め方について述べる。
赤外2色比の求め方は、セルロースエステルにおいては、C−O対照伸縮振動に由来するピーク(1150cm−1〜1025cm−1の間に現れる最も強いピーク)の強度を測定する。ピーク強度は、そのピークトップの波数(xcm−1とする)と、xcm−1〜x+50cm−1のなかの最も吸光度の小さな点とxcm−1〜x−50cm−1の中の最も吸光度の小さい点を結び、これをベースラインとし、そこからのピーク強度を測定し求める。まず、長手方向に平行に光を入射し、入射面に偏光が垂直な時の吸光度(ATEx)及び入射面に偏光面が平行な時の吸光度(ATMx)を求め、次に幅方向に平行に入射して同様にATEyとATMyを測定し、前記式(5)により、赤外2色比fxy、fxz(fxyは、面内の配向係数、fxzは、膜厚方向の配向係数である。)を計算することができる。セルロースエステル以外の樹脂においても官能基や主鎖の振動を適宜選択することで赤外2色比を求めることができる。
単反射ATR装置:HARRICK SEAGUL
プリズム:ゲルマニウム
プリズムと試料間の圧力:トルクドライバーで80cN・m
測定サンプル面積:1cm2
入射角 :45°
反射回数 :1回
分解能 :4cm−1
データ補間:0.5cm−1
試料の屈折率は、例えば、熱可塑性樹脂としてセルロース誘導体であるCAP(セルロースアセテートプロピオネート)では1.477、TAC(トリアセチルセルロース)では1.482として計算した。その他の樹脂に関してはアッベ屈折率計により測定した屈折率を適用することができる。またプリズム(ゲルマニウム)は4.00とした。サンプル表面に入射する光と反射する光で構成される入射面に対して、垂直な偏光及び水平な偏光をワイヤーグリッド偏光子を用いて入射し、FTIR−ATRスペクトルを測定した。上記測定をMD方向をx軸、垂直方向(幅方向TD)をy軸、厚さ方向をz軸に設定して測定した。
〔1〕表面偏在高配向フィルム
本発明の表面偏在高配向フィルムとは、重量平均分子量が5000以上である剛直な主鎖構造を有する樹脂が表面に濃度傾斜を持って偏在しており、かつ表面に当該樹脂成分が高度に配向しているフィルムである。特に、水蒸気や酸素などに対するガスバリアー性、砂及びほこり、製造ラインでの各種接触等による耐傷性に優れ、可視域の光の透過性が高いフィルムである。また、表面に偏在する前記樹脂によっては大きな複屈折を付与することができるフィルムである。このようなフィルムは、食品包装用フィルム、農業用フィルム、ガスバリアーフィルム、加飾フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、タブレット用保護フィルム、ラミネートフィルム、及びプロテクトフィルムにも使用できる。
本発明における表面に偏在する樹脂は、剛直な主鎖構造を有する樹脂成分である。当該樹脂の重量平均分子量は5000以上であることが表面に偏在する観点から必要であり、好ましくは10000以上、より好ましくは40000以上であり、上限は500000以下、より好ましくは200000以下である。重量平均分子量の測定は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
表面自由エネルギーは、表面自由エネルギーの双極子成分、分散成分及び水素結合成分が既知である試薬を使用し、その試薬との付着性を測定することによって求められる。
測定方法:液滴法
環境 :温度23℃、55%RH
3種の標準液体:純水、ニトロメタン、ヨウ化メチレンと、被測定固体(樹脂のキャストフィルム)との接触角を、前記標準液体をフィルム上に約3μl滴下して、固液界面解析装置(DropMaster500、協和界面科学株式会社製)により5回測定し、測定値の平均から平均接触角を得る。接触角測定までの時間は試薬を滴下してから60秒後に測定する。
WSL:液体/固体間の付着エネルギー
γL:液体の表面自由エネルギー
θ:液体/固体の接触角拡張
Fowkesの式:
WSL=2{(γsdγLd)1/2+(γspγLp)1/2+(γshγLh)1/2}
γL=γLd+γLp+γLh:液体の表面自由エネルギー
γLd、γLp、γLh:表面自由エネルギーの分散、双極子、及び水素結合の各成分
γs=γsd+γsp+γsh:固体の表面自由エネルギー
γsd、γsp、γsh:表面自由エネルギーの分散、双極子、及び水素結合の各成分
標準液体の表面自由エネルギー各成分値(mN/m)は、既知であるので、接触角の値から3元連立方程式を解くことにより、フィルム表面の表面自由エネルギー各成分値(γsd、γsp、γsh)を求めることができる。
下記にセルロース誘導体について詳細に説明する。
式(II):0.0≦Y≦1.5
セルロースエステルの好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが含まれる。これらの中でも、特にセルロースアセテート及びセルロースアセテートプロピオネートが好ましい。
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=500〜1000000の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
本発明において使用することのできるポリイミドは、イミド結合を有するものであれば特に限定されず、例えば、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン又はトリアミン化合物と、が溶媒中で重合して得られるポリアミック酸を前駆体とし、そのポリアミック酸をイミド化して得られたものが挙げられる。
本発明でいうポリアミドは、重量平均分子量が5000〜500000の範囲内であり、環状構造を含有する主鎖を有するポリアミドであれば特に限定されない。表面の配向性の観点では、溶液流延が可能な可溶性のポリアミドが好ましく、特開平10−273530号公報、特開平9−118749号公報、特開平8−269216号公報に記載のポリアミドが好ましい。また、表面偏在の観点からはフッ素原子を含有するポリアミドが好ましい。
本発明でいうポリエステルは、重量平均分子量が5000〜500000の範囲内であり、環状構造を含有する主鎖を有するポリエステルであれば特に限定されない。
本発明に係る熱可塑性樹脂は、前記剛直な主鎖構造を有する樹脂以外の樹脂であり、その範囲内であれば各種のポリマーを使用できる。
本発明の表面偏在高配向フィルムには、前記樹脂以外に可塑剤、酸化防止剤、マット剤、光安定剤、光学異方性制御剤、帯電防止剤、剥離剤などを含んでもよい。以下に主要な添加剤の詳細を記す。
可塑剤とは、一般的には高分子中に添加することによって脆弱性を改良したり、溶融粘度を低下させたり、柔軟性を付与したりする効果のある添加剤である。
本発明の表面偏在高配向フィルムは、紫外線吸収剤を含有することができる。
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系;
2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系;
等が挙げられる。
酸化防止剤は、公知のものを使用することができ、ラクトン系化合物、イオウ系化合物、フェノール系化合物、二重結合系化合物、ヒンダードアミン系化合物、又はリン系化合物などが挙げられる。
本発明の表面偏在高配向フィルムは位相差フィルムとして用いることができる。
本発明の表面偏在高配向フィルムには、作製されたフィルムがハンドリングされる際に、傷が付いたり、搬送性が悪化することを防止するために、マット剤として、微粒子を添加することも好ましい。
本発明の表面偏在高配向フィルムは、加水分解抑制剤を含有してもよい。
本発明の表面偏在高配向フィルムは、溶液流延法又は溶融流延法で製造することができる。表面偏在高配向フィルムの表面に偏在する樹脂の配向性及び着色や異物欠点、ダイライン等の光学欠点を抑制する観点では、溶液流延法が好ましい。溶液流延法であれば溶媒の蒸発に伴う収縮力により表面の樹脂が配向することができるため好ましい。また、表面偏在高配向フィルムに溶媒が残留するのを抑制する観点では、溶融流延法が好ましい。
表面偏在高配向フィルムを溶液流延法で製造する方法は、A1)樹脂成分と添加剤等を溶媒に溶解させてドープを得る工程、A2)ドープを無端の金属支持体上に流延する工程、A3)流延したドープから溶媒を蒸発させてウェブを得る工程、A4)ウェブを金属支持体から剥離する工程、及びA5)ウェブを乾燥してフィルム得る工程を有する。必要により乾燥中、又は乾燥後に延伸してもよい。
溶解釜において、樹脂成分と必要に応じて添加剤等とを溶媒に溶解させてドープを調製する。
ドープを、加圧ダイのスリットから無端状の金属支持体上に流延させる。
金属支持体上に流延されたドープ膜を金属支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させて、フィルムを得る。ドープ膜の乾燥方法や乾燥条件は、上述のA2)流延工程と同様とすることができる。
金属支持体上で溶媒を蒸発させて得られたフィルムを、金属支持体上の剥離位置で剥離する。
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理は、115℃で1時間の加熱処理を意味する。
金属支持体から剥離されたフィルムを、必要に応じて溶媒を含む残留溶媒保持状態、又は乾燥させた後、延伸することができる。フィルムは延伸することによって樹脂成分の配向度が向上するため好ましい処理である。
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
・幅手方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。
本発明の表面偏在高配向フィルムを溶融流延法で製造することもできる。溶融流延法は、B1)溶融ペレットを製造する工程(ペレット化工程)、B2)溶融ペレットを溶融混練した後、押し出す工程(溶融押出し工程)、B3)溶融樹脂を冷却固化してフィルムを得る工程(冷却固化工程)、及びB4)フィルムを延伸する工程(延伸工程)、を有する。
表面偏在高配向フィルムの樹脂組成物は、あらかじめ混練してペレット化しておくことが好ましい。
得られた溶融ペレットと、必要に応じて他の添加剤とを、ホッパーから押出機に供給する。
ダイから押し出された樹脂を、冷却ローラーと弾性タッチローラーとでニップして、フィルム状の溶融樹脂を所定の厚さにする。そして、フィルム状の溶融樹脂を、複数の冷却ローラーで段階的に冷却して固化させる。
溶液流延法と同様に、冷却中のフィルム又は得られたフィルムを、延伸機にて延伸してフィルムを得ることも可能である。
〔3.1〕位相差フィルム
位相差フィルムは、画像着色を解消したり、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用いられている。また、近年では有機ELディスプレイ用の反射防止膜に必要なフィルムとして利用することも考案されている。位相差フィルムとしては、セルロースエステルを延伸したフィルム、シクロオレフィン樹脂を延伸したフィルム、ポリカーボネート樹脂を延伸したフィルム、ディスコチック液晶層を塗布したフィルムなどが用いられてきた。また、位相差を向上するために光学異方性の高い添加剤(位相差調整剤)を添加したフィルムも考案されている。
式(ii):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
(式中、Roはフィルム内の面内位相差値を表し、Rtはフィルム内の厚さ方向の位相差値を表す。また、dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。nxは、フィルムの面内の最大の屈折率を表し、遅相軸方向の屈折率ともいう。nyは、フィルム面内で遅相軸に直角な方向の屈折率を表す。nzは、厚さ方向におけるフィルムの屈折率を表す。)
本発明の表面偏在高配向フィルムの位相差値は特に限定されるものではないが、面内位相差値Roが20〜200nmの範囲内であり、厚さ方向位相差値Rtが50〜300nmの範囲内であることが好ましい。中でも、Roが20〜70nmの範囲であり、Rtが50〜200nmの範囲であると、VAモード型液晶表示装置に好ましく用いることができる。また、Roが120〜160nmの範囲であり、Rtが50〜200nmの範囲であると、円偏光板を備えた表示装置に好ましく用いることができる。
本発明の表面偏在高配向フィルムは、偏光板の位相差フィルム又は保護フィルム(プロテクトフィルムともいう。)として用いることができる。
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、その例には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムが含まれる。
偏光子の位相差フィルムを貼合した面とは反対側に配置されるフィルムは、偏光子の保護フィルムとして機能するフィルムであることが好ましい。
偏光板の作製は、本発明の表面偏在高配向フィルム及び保護フィルムを完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)又は前記粘着剤を用いて偏光子に貼り合わせることが好ましい。本発明の表面偏在高配向フィルムは、液晶表示装置において偏光子の液晶セル側に設けられる位相差フィルムとして用いてもよいし、プロテクトフィルムとしてバックライト側又は視認側に用いてもよい。
本発明の表面偏在高配向フィルムを具備する偏光板を液晶表示装置に用いることによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができる。
加飾フィルムは携帯電話用カバー等の電化製品、車両用内装品、バイクカウリング等の様々な製品において、成形品の表面に模様や図柄、文字など意匠を付与し加飾することが行われている。例えば、三次元曲面などの複雑な表面形状を有する芯材の表面に、真空成形法等を用いて加飾フィルムを積層することにより加飾成形品を製造することが行われている。ここで、加飾フィルムとしては、基材フィルムの一方の面に印刷層が形成され、他方の面に接着剤層が形成された加飾フィルムが使用されている。一方、このような加飾成形品においては、製造の際に金型や金属部品に接触するフィルム面においては傷が付かないように耐傷性が要求される、また、加飾される面に関しても、外部からの衝撃等により加飾面に傷などが付きにくいよう、耐スクラッチ性に優れることが要求される。本発明の表面偏在高配向フィルムは表面に偏在する樹脂が剛直であり、かつ配向している状態であるため表面の耐傷性に優れるために加飾用のフィルムとして使用することができる。
本発明の表面偏在高配向フィルムは、剛直な主鎖構造を有する樹脂が高密度に表面に偏在し、かつ高配向度であるため、水蒸気の透過を効果的に抑制することができ、ガスバリアーフィルムとして用いることもできる。
<熱可塑性樹脂>
本発明に係る熱可塑性樹脂として、下記セルロースエステルA〜D、セルロースエーテルA、PMMA、環状アクリレート、シクロオレフィンポリマー、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリイミドAを準備した。
セルロースエステルB:アセチル基置換度2.40のセルロースジアセテート(重量平均分子量=190000)
セルロースエステルC:アセチル基置換度1.68、プロピオニル基置換度0.9、総アシル基置換度2.58のセルロースアセテートプロピオネート(重量平均分子量=200000)
セルロースエステルD:アセチル基置換度0.20、プロピオニル置換度2.50、総アシル置換度2.70のセルロースアセテートプロピオネート(重量平均分子量=240000)
セルロースエーテルA:エチルエーテル置換度2.50のセルロースエーテル(重量平均分子量=240000)
PMMA:重量平均分子量30000のポリメタクリル酸メチルを用いた。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、及び窒素導入管を備えた容量30Lの釜型反応器に、7700gのメタクリル酸メチル(MMA)、1950gの2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)、10,000gのトルエンを仕込んだ。そして、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、重合開始剤として9.8gのt−アミルパーオキシイソノナノエート(ルパゾール570、アトフィナ吉富(株)製)を添加すると同時に、20.0gのt−アミルパーオキシイソノナノエートと100gのトルエンとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、還流下、約105〜110℃で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
間、環化縮合反応を行い、重合体溶液(A−1)を製造した。
実施例で用いる剛直な主鎖構造を有する樹脂として、下記ポリイミド、ポリエステル、及びポリアミドの合成について説明する。
4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを用いて特開2012−146905号公報の記載の方法で合成した。合成したF含有ポリイミド1の分子量はMw:50000であった。
4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸と4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)を用いて上記合成例1と同様の方法でポリイミド2を合成した。合成したF含有ポリイミド2の分子量はMw:45000であった。
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と2,2−ビス(トリフルオロメチルベンジジン)を用いて上記合成例1と同様の方法でポリイミド3を合成した。合成したF含有ポリイミド3の分子量はMw:65000であった。
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と2,2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4′−ジアミンを用いて上記合成例1と同様の方法でF含有ポリイミド4を合成した。合成したF含有ポリイミド4の分子量はMw:53000であった。
4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを用いて、酸無水物とジアミンのモル比率を0.93/1.00にした以外は特開2012−146905号公報の記載の方法で合成した。合成したF含有ポリイミド5の分子量はMw:5300であった。
4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸と4,4′−ジアミノジフェニルエーテルを用いて、酸無水物とジアミンのモル比率を0.92/1.00にした以外は特開2012−146905号公報の記載の方法で合成した。合成したF含有ポリイミド6の分子量はMw:4600であった。
コンデンサー付き水分定量受器、温度計、曲管及びSUS製撹拌羽根を付けたガラス製1Lセパラブルフラスコに、テトラフルオロテレフタル酸200.0g(0.84mol)及び1,4−シクロヘキサンジオール65.1g(0.56mol)、及び1,4−ブタンジオール25.2g(0.56mol)を入れ、窒素気流下で180℃まで段階的に反応温度を上げた。180℃で生成水がほとんど認められなくなった時点で、1%2−エチルヘキサン酸スズ(II)トルエン溶液1.32g(2−エチルヘキサン酸スズ(II):0.033mmol、和光純薬工業株式会社製)を加え反応を継続した。さらに、200℃まで反応温度を上げ、反応物の重量平均分子量が8000になるまで反応を継続し、反応終了時に溶融物をSUS製バットに排出し、ポリエステル1を得た。
メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドを用いて特開平10−273530号公報の実施例1と同様の方法でポリアミド1を合成した。合成したポリアミドの分子量はMw:25000であった。
<微粒子分散液の調製>
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製)
9.3質量部
エタノール 90質量部
微粒子及びエタノールを上記の割合で、ディゾルバーを用いて50分間撹拌混合した後、マントンゴーリンで分散させて、微粒子分散液を調製した。
ジクロロメタン 99質量部
微粒子分散液 4.2質量部
ジクロロメタンを溶解タンクに投入し、調製した微粒子分散液を上記の添加量で、十分撹拌しながらゆっくりと添加した。次いで、微粒子の二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散させた後、ファインメットNF(日本精線(株)製)でろ過して、微粒子添加液を得た。
<主ドープの調製>
ジクロロメタン: 510質量部
エタノール: 51質量部
セルロースエステルA: 85質量部
F含有ポイイミド1: 2質量部
微粒子添加液: 1.2質量部
上記ジクロロメタンとエタノールを加圧溶解タンクに投入した。次いで、上記セルロースエステルA、調製した微粒子添加液を撹拌しながら投入し、加熱、撹拌して完全に溶解させた。得られた溶液を、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用してろ過し、主ドープを調製した。
上記表面偏在高配向フィルム101の作製において、熱可塑性樹脂であるセルロースエステルAと、剛直な主鎖構造を有する樹脂であるF含有ポリイミド1を下記表1に示す樹脂成分に変更した以外は、同様の方法で表面偏在高配向フィルム102〜118を作製した。
上記表面偏在高配向フィルム101の作製において、熱可塑性樹脂であるセルロースエステルAと、剛直な主鎖構造を有する樹脂であるF含有ポリイミド1を下記表1に示す樹脂成分に変更し、エタノールを100質量部に変更した以外は、上記と同様の方法で表面偏在高配向フィルム119〜123を作製した。
上記表面偏在高配向フィルム101の作製において、熱可塑性樹脂であるセルロースエステルAと、剛直な主鎖構造を有する樹脂であるF含有ポリイミド1を下記表1に示す樹脂成分に変更し、エタノールを20質量部に変更した以外は、上記と同様の方法でフィルム124を作製した。
上記表面偏在高配向フィルム101の作製において、熱可塑性樹脂であるセルロースエステルAと、剛直な主鎖構造を有する樹脂であるF含有ポリイミド1を下記表2に示す樹脂成分に変更した以外は、同様の方法で比較例である表面偏在高配向フィルム125〜137を作製した。なお、表面偏在高配向フィルム129〜137は、剛直な主鎖構造を有する樹脂を用いていないブランクフィルムである。
上記で作製したフィルムについて、下記の評価を行い、その結果を下記表1及び表2に示す。
飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、フィルムの表面に偏在している樹脂のイオン強度とフィルム内部(フィルムを厚さ方向に半分に切断したフィルム)のイオン強度から算出した比率Pについて下記基準で評価した。C以上について表面に偏在しているとした。
A:4.0以上
B:2.0以上4.0未満
C:1.5以上2.0未満
D:1.5未満
<濃度傾斜>
飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、フィルムの表面に偏在している樹脂のイオン強度を測定した後に深さ方向に同様の分析を行うことで濃度傾斜を確認した。フィルム表面からイオン強度を測定し、イオン強度が一定になるまでの厚さを定量して下記評価を行った。
B:フィルム表面から50nm以上2000nm以下の範囲で濃度傾斜を有している
C:フィルム表面から10nm以上5000nm以下の範囲で濃度傾斜を有している
D:濃度傾斜が無い
<主鎖配向度>
上記未延伸の原反フィルムを用いて、本発明に係る剛直な主鎖構造を有する樹脂の主鎖配向度を前述の偏光ATR−FTIR法により評価した。
単反射ATR装置:HARRICK SEAGUL
プリズム :ゲルマニウム
プリズムと試料間の圧力:トルクドライバーで80cN・m
測定サンプル面積:1cm2
入射角 :45°
反射回数 :1回
分解能 :4cm−1
データ補間 :0.5cm−1
<光透過性:ヘイズ>
上記で作製したフィルムを、23℃・55%RHの環境にて5時間以上調湿した後、JIS K−7136に従って、ヘイズメーター(NDH2000型、日本電色工業(株)製)により光透過性:ヘイズを評価した。
B:1.0以上2.0未満
C:2.0以上3.0未満
D:3.0以上
<位相差測定>
上記で作製したフィルムを、23℃・55%RHの環境にて5時間以上調湿した後、下記方法にて位相差値を測定した。ブランクとして表面偏在する樹脂を添加していないフィルムを前述と同様の方法で作製して同様の評価を行った。ブランクとの比率を計算して下記評価を行った。
○:Rt値が10%以上、20%未満増加
△:Rt値が5%以上、10%未満増加
×:Rt値が0%以上、5%未満増加
位相差値Ro及びRtは、下記式(i)及び(ii)で定義される。
式(ii) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
〔式(i)及び(ii)において、nxは、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる遅相軸方向xにおける屈折率を表す。nyは、フィルムの面内方向において遅相軸方向xと直交する方向yにおける屈折率を表す。nzは、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表す。dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。)
測定はAxometrics社のAxoScanを用いて23℃・55%RH、光波長590nmで行った。
作製したA4サイズの各フィルムをガラスに張り付け、乾燥した海砂10gを風速10m/Sで1000回吹き付けた後の全ヘイズを測定した。測定は、日本電色工業のNDH2000を用いて、JIS K7136に従い測定を行った。3枚値の測定である。得られた値を用いて下記式から耐傷性を算出した。得られた値を◎〜×にランク付けし、◎及び○を合格とした。
◎:耐傷性が、95以上100以下
○:耐傷性が、90以上95未満
△:耐傷性が、85以上90未満
×:耐傷性が、85未満
<水蒸気透過性>
本発明の表面偏在高配向フィルムを直径6cmのアルミ製のカップに塩化カルシウムを15g入れ、前記フィルムで隙間が無いように蓋をして40℃、60%の環境下に静置して0時間の質量と24時間の質量の変化を測定した。ブランクとして表面偏在する樹脂を添加していないフィルムを前述と同様の方法で作製して同様の評価を行った。ブランクとの比率を計算して下記評価を行った。
<表面偏在高配向フィルム201の作製>
実施例1で作製した表面偏在高配向フィルム103をフィルムのガラス転移温度Tg+5℃の延伸温度、1.40倍の延伸倍率にてフィルムの幅手方向に延伸し、1.1倍の延伸倍率で流延方向に延伸して表面偏在高配向フィルム201を得た。フィルム201の膜厚は50μmであった。
実施例1で作製した表面偏在高配向フィルム104、110、114、119、125、126、136を表面偏在高配向フィルム201と同程度の位相差になるように延伸倍率や延伸温度を調整してそれぞれ延伸し、表面偏在高配向フィルム202〜208を作製した。フィルム201〜208の膜厚は50μmであった。表面偏在高配向フィルム206、207及び208は延伸温度や延伸倍率を変更しても延伸後膜厚を50μmとしたときにRoとRtは本発明のフィルムの値まで発現させることができなかった。
〔偏光板101の作製〕
(偏光子の作製)
厚さ32μmのポリビニルアルコールフィルムを、38℃の水で膨潤させた。得られたフィルムを、ヨウ素0.080g、ヨウ化カリウム5.2g及び水100gからなる水溶液に55秒間浸漬した。次いで、ヨウ化カリウム3.2g、ホウ酸7.2g及び水100gからなる47℃の水溶液に浸漬した。浸漬後のフィルムを、延伸温度53℃、延伸倍率4.8倍の条件で一軸延伸した。この一軸延伸フィルムを、水洗した後、乾燥させて、厚さ11μmの偏光子を得た。
次に、下記の各成分を混合した後、脱泡して、カチオン重合型の活性エネルギー線硬化性接着剤液を調製した。なお、下記トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートは、50%プロピレンカーボネート溶液として調製し、添加量としてトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの固形分量を表示している。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート: 43.00質量部
エポリードGT−301(ダイセル化学社製の脂環式エポキシ樹脂):
42.00質量部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル: 17.00質量部
トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート:
2.00質量部
9,10−ジブトキシアントラセン: 0.14質量部
1,4−ジエトキシナフタレン: 1.80質量部
(偏光板の作製)
保護フィルムとして、KC6UAフィルム(コニカミノルタ社製)を準備した。この保護フィルムの一方の面に、上記調製した活性エネルギー線硬化性接着剤液を、マイクログラビアコーター(グラビアローラー:#300、回転速度140%/ライン速)を用いて塗工し、厚さ4.5μmの活性エネルギー線硬化性接着剤層を形成した。
偏光板101の作製において、表面偏在高配向フィルム201を各表面偏在高配向フィルム202〜208に変更した以外は偏光板101と同様にして、各偏光板102〜108を作製した。
VAモード型液晶表示装置(SONY製BRAVIA KDL−46HX800)のLEDバックライトユニットを用い、特開2009−301010号明細書図17に記載の液晶セルを使用した液晶表示装置を作製し、上記作製した偏光板101を液晶セルのガラス面の両面に貼合した。
液晶表示装置101の作製において、偏光板101を各偏光板102〜108に変更した以外は、液晶表示装置101と同様にして各液晶表示装置102〜108を作製した。
<コントラスト>
23℃55%RHの環境下で、各液晶表示装置101〜108のバックライトを1週間連続点灯させた。その後、各液晶表示装置101〜108の白表示と黒表示の表示画面について、表示画面の法線方向からの輝度を測定した。輝度測定には、ELDIM社製のEZ−Contrast160Dを用いた。
B:正面コントラストの比率が1.01以上1.05未満
C:正面コントラストの比率が1.01未満
A及びBが、実用上問題ないレベルである。
実施例1で作製した表面偏在高配向フィルム上にシルクスクリーン印刷で碁盤目状の模様を印刷した。
本発明の表面偏在高配向フィルムは、実施例1の結果から高透明性であり、耐傷性があるので、長期の使用でも透過性を維持できる。また、本発明における表面偏在高配向フィルムは配向性が高いために樹脂として相互作用が強く安定に存在しているため耐薬品性や防汚性に特に優れており、特に含フッ素樹脂が表面に偏在しているフィルム101〜118、123が比較例に対して耐薬品性や防汚性に優れていた。そのため傷の影響や皮脂汚れなどの影響を受けやすいスマートフォン及びタブレット端末のディスプレイ上に張り付けて使用する保護フィルムや窓ガラスの飛散防止用保護フィルム、ラミネート用フィルム、クリアケースにも利用することができる。
2 表面偏在高配向フィルムB
3、7 透明基板
4 誘電率異方性が負の液晶
5 カラーフィルター
6 薄膜トランジスタ
8 表面偏在高配向フィルムA
10 バックライト
11、13 偏光板
12 液晶セル
Claims (13)
- 熱可塑性樹脂と、重量平均分子量が5000以上である剛直な主鎖構造を有する樹脂とを含有する異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムであって、
前記剛直な主鎖構造を有する樹脂がフィルムの表面から濃度傾斜を有して偏在しており、かつ前記フィルムを製膜後、未延伸の状態で測定された前記剛直な主鎖構造を有する樹脂の主鎖配向度が、0.05以上であり、前記剛直な主鎖構造を有する樹脂が、フッ素原子を含有することを特徴とする異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム。 - 前記剛直な主鎖構造を有する樹脂の主骨格が、環状構造を有することを特徴とする請求項1に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム。
- 前記剛直な主鎖構造を有する樹脂の主骨格が、芳香族環又は複素芳香族環を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム。
- 前記剛直な主鎖構造を有する樹脂が、主骨格中にポリイミド骨格、ポリアミド骨格及びポリエステル骨格から選択される骨格を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム。
- フィルムの内部に存在する前記熱可塑性樹脂が、セルロース誘導体を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム。
- 23℃・55%RH、光波長590nmにおける面内位相差値Roが20〜200nmの範囲内であり、厚さ方向位相差値Rtが50〜300nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルム。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムを、溶液流延法により製膜することを特徴とする異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムの製造方法。
- 前記剛直な主鎖構造を有する樹脂に対して貧溶媒となる溶媒を、10〜40質量%の範囲内で含有するドープを調製して用いることを特徴とする請求項7に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムの製造方法。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムを具備したことを特徴とする偏光板。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムを具備したことを特徴とする液晶表示装置。
- カラーフィルター・オン・アレイ方式であることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムを具備したことを特徴とする加飾用フィルム。
- 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の異種の樹脂を表面偏在させた高配向フィルムを具備したことを特徴とするガスバリアーフィルム。
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