JP4034680B2 - セルロースアシレートフィルム、その製造方法、及び該フイルムを用いた光学フィルム - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、その製造方法、及び該フイルムを用いた光学フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロースアシレートフィルム、並びに該セルロースアシレートフィルムを用いた光学フィルム、画像表示装置及びハロゲン化銀写真感光材料に関する。
特に、本発明は、液晶表示装置等に用いられる偏光板保護フィルム、位相差フィルム、視野拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能性光学フィルムやハロゲン化銀写真感光材料の支持体フィルムに関する。さらに、本発明は、有機ELディスプレイ等に適用される各種機能フィルムを構成する光学フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアシレートフィルムは、透明で、優れた物理的、機械的性質を有し、且つ温度湿度変化に対する寸法変化が少なく、従来からハロゲン化銀感光材料フィルム用支持体、製図トレーシングフィルム、電気絶縁材料などの広い分野で使用され、最近では液晶画像表示装置の偏光板用保護フィルムとして使用されている。
【0003】
しかし、そのままでは、引裂強度、耐折強度が低く、特に低湿度の状態下では、非常に脆くなり裂け易い欠点があった。このため、これらを改良するために、セルロースアシレートの溶液流延製膜方法を用い、セルロースアシレート溶液に低分子の可塑剤(例えば、リン酸エステル類、フタル酸エステル類等)や高分子量可塑剤(例えばポリエステルエーテル、ポリエステル−ウレタン、ポリエステル等)を適宜選択して単独又は混合したドープ組成物を用いることが試みられている。また、ポリメチルアクリレート又はメチルアクリレートのコポリマーをセルローストリアセテートと混合させて、セルロースエステルフィルムの可塑性等を付与する技術がある。しかしながら、これらの支持体でも、長期保存下の膜強度安定性、フィルムの着色等が十分でなかった。
【0004】
更に、セルロースアシレートとの相溶性を高めるものとして低分子量体含量の多い分子量分布を特定化したポリエステルのブレンドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ポリマーが低分子量体であるために、ポリマーとしての特性を十分に発現できないという課題がある。
【0005】
一方、近年、液晶画像表示装置は高精細化がますます進み、偏光板用保護フィルムとして優れた光透過性、光学的な無配向性、偏光素子との良好な接着性、優れた平面性、紫外線吸収性、帯電防止性等の性能の向上や、耐久性化が求められている。また、CRTに代わって注目を集めている液晶表示装置に用いることのできる光学的に異方性を有する光学補償フィルムは、液晶表示装置は異方性をもつ液晶材料を使用するために斜めから見ると表示性能が低下するという視野角の問題があり、更なる性能向上が望まれている。
【0006】
また、ドープ組成物中に重合体を共存して流延製膜する際、アルキル基、アシル基、アニド基置換のセルロースアシレート以外のグルカン系樹脂を使用する技術(例えば、特許文献2、3参照)、UV吸収性基含有重合体成分を含む共重合体を使用する技術(例えば、特許文献4乃至6参照)、ポリエステル及び又はポリエーテルを使用した技術(特許文献7参照)、ポリエステルエーテル、ポリエステルウレタン又はポリエステルを使用した技術(特許文献8参照)、コポリエステルエーテルを使用した技術(特許文献9参照)がある。しかしながら、セルロースアシレートとの相溶性の問題又はセルロースアシレートへ導入する量の制限の点から、これらの技術では未だ充分とはいえない。
【0007】
特に、近年の表示装置の開発は、表示部の大版化または携帯電話等のモバイル表示装置の多用途への普及等が急速に進展しており、光学フィルムの薄層化、光学フィルムへのより一層の寸度安定性や耐久性が望まれている。
【特許文献1】
特開2002−22956号公報
【特許文献2】
特開2000−154278号公報
【特許文献3】
特開2000−239535号公報
【特許文献4】
特開平6−148430号公報
【特許文献5】
特開2002−31715号公報
【特許文献6】
特開2002−47357号公報
【特許文献7】
特開2002−22956号公報
【特許文献8】
特開平5−197073号公報
【特許文献9】
特開平2−292342号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、硬度と耐脆性を両立、膜柔軟性および耐久性に優れたセルロースアシレートフィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、優れた特性を有する前記セルロースアセシレートフィルムを用いて得られる光学フィルム(偏光フィルム、光学補償フィルムなど)、画像表示装置、及びハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、膜厚が80μm以下の薄膜でも、引き裂き強度、耐折強度に優れたセルロースアシレートフィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記構成のセルロースアシレートフィルム、その製造方法、光学フィルム(光学補償フィルム、偏光フィルムなど)、画像表示装置(液晶表示装置など、ハロゲン化銀写真感光材料などが提供され、本発明の前記目的が達成される。
【0010】
(1)脂環式骨格を含むジイソシアナートから誘導されるポリウレタン成分を含有するポリウレタン重合体、並びに、セルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(2)炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を少なくとも含有する、ポリエステル重合体及びポリウレタン重合体から選択される少なくとも1種の重合体、並びに、セルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
【0011】
(3)該重合体が、炭素数4以上18以下のアルキル基又はアルケニル基を置換基として有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のセルロースアシレートフィルム。
(4)微粒子を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(5)前記のセルロースアシレートが、その水酸基への置換度が、下記式(IIIa)乃至(IIIb)の全てを満足するセルロースアシレートであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
(IIIa) 2.6≦SA’+SB’≦3.0
(IIIb) 2.0≦SA’≦3.0
(IIIc) 0≦SB’≦0.8
SA’はアセチル基の置換度、SB’は炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。
【0012】
(6)セルロースアシレート及び、上記(1)記載の重合体及び上記(2)記載の重合体のうち少なくとも1種の重合体を含有するセルロースアシレート組成物を、溶液流延方法により製膜することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0013】
(7)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを用いた光学フィルム。
(8)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアセレートフィルムを用いた光学用偏光フィルム。
(9)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを用いた液晶表示素材。
(10)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを用いた光学補償フィルム。
(11)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを用いた画像表示装置。
(12)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを用いた液晶表示装置。
(13)膜厚が30〜250μmである上記(1)〜(5)のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを使用したハロゲン化銀写真感光材料用支持体。
【0014】
すなわち、本発明のセルロースアシレート組成物は、下記(PE−I)(PU−I)(PE−II)(PU−II)に示す重合体のうちの、(PU−I)(PE−II)(PU−II)から選択される少なくとも1種の重合体を、機能性ポリマーとして含有することを特徴とする。
(PE−I) 脂環式骨格を含むジオール及び脂環式骨格を含むジカルボン酸誘導体から誘導されるポリエステル成分を含有するポリエステル重合体
(PU−I) 脂環式骨格を含むジオール及び脂環式骨格を含むジイソシアナートから誘導されるポリウレタン成分を含有するポリウレタン重合体
(PE−II) 炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を少なくとも含有するポリエステル重合体、
(PU−II) 炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を少なくとも含有するポリウレタン重合体
【0015】
本発明の上記重合体の少なくとも1種をセルロースアシレート組成物に含有させることにより、耐膜脆性が改良され、膜特性(硬度と耐脆性の両立)が改善されることが見出された。これは、本発明の重合体とセルロースアシレート分子との高分子鎖同士での立体的な絡み合いに加えて、本発明の重合体における環状構造と極性連結基(−OCO−、−OCONH−)の分子構造と、セルロースアシレートの分子構造との近似性により、分子間相互作用が向上することによるものと推定される。本発明の重合体は、かかる膜性改良に有効な量で使用することができ、膜柔軟性や耐久性上も有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のセルロースアシレートフィルムとその製造方法について、さらに詳細に説明する。
【0017】
[セルロースアシレート]
本発明に用いられるセルロースアシレートについて以下に記す。
本発明に用いられるセルロースアシレート原料のセルロースとしては、綿花リンター、ケフナー、木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。
本発明においてはセルロースからエステル化してセルロースアシレートを作製するが、特に好ましい前述のセルロースがそのまま利用できる訳ではなく、リンター、ケフナー、パルプを精製して用いられる。
【0018】
[セルロースアシレート溶液(ドープ)の調製及びフィルムの作製]
上述のセルロースを原料から製造される本発明のセルロースアシレートについて記載する。
本発明のセルロースアシレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式(IIIa)〜(IIIc)の全てを満足するものが好ましい。
(IIIa):2.6≦SA’+SB’≦3.0
(IIIb):2.0≦SA’≦3.0
(IIIc): 0≦SB’≦0.8
【0019】
ここで、SA’はセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基の置換度、またSB’はセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基の置換度を表す。なお、SAはセルロースの水酸基の水素原子を置換しているアセチル基を表し、SBはセルロースの水酸基の水素原子を置換している炭素原子数3〜22のアシル基を表す。
【0020】
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部又は全部をアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(各位それぞれ100%のエステル化は置換度1)を意味する。本発明では、SAとSBの置換度の総和(SA'+SB')は、より好ましくは2.7〜2.96であり、特に好ましくは2.80〜2.95である。また、SBの置換度(SB')は0〜0.8であり、特には0〜0.6である。さらにSBはその28%以上が6位水酸基の置換基であるのが好ましく、より好ましくは30%以上が6位水酸基の置換基であり、31%以上がさらに好ましく、特には32%以上が6位水酸基の置換基であることも好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位のSAとSBの置換度の総和が0.8以上であり、さらには0.85以上であり、特には0.90以上であるセルロースアシレートフィルムも好ましいものとして挙げることができる。これらのセルロースアシレートフィルムにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。
【0021】
本発明に用いられるセルロースアシレートの炭素数3〜22のアシル基(SB)としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの具体的なアシル基、及びセルロースアシレートの合成方法は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行 発明協会)の9ページに詳細に記載されている。
【0022】
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムを構成するポリマー成分が実質的に前記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。「実質的に」とは、全ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上)を意味する。
【0023】
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度200〜700、好ましくは230〜550、更に好ましくは230〜350であり、特に好ましくは粘度平均重合度240〜320である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
本発明のこれらのセルロースアシレートは、その原料綿や合成方法は前記の公技番号 2001−1745の7頁〜12頁に詳細に記載されている。
【0024】
次いで、本発明に供される重合体について詳述する。
本発明の重合体は下記一般式(I)又は(II)で表される重合成分を含有することが好ましい。
【0025】
【化1】
Figure 0004034680
【0026】
【化2】
Figure 0004034680
【0027】
式(I)はポリエステル構造を表し、(II)はポリウレタン構造を表す。
式中、[ ]内は繰り返し単位を表す。
【0028】
1及びE2は、互いに同じでも異なってもよく、各々2価の脂肪族基、2価の芳香族基またはこれら残基の組み合わせにより構成された有機残基を表す〔各々の2価の有機残基の結合中に、−C(k2)(k3)−、−O−、−S−、−N(k4)−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−CONHCl−、−NHCOO−、−NHCONH−、−CON(k4)−、−SO2N(k4)−及び−Si(k5)(k6)−(k2、k3及びk4はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素と同一の内容を表し、k5及びk6はそれぞれ炭素数1〜12の炭化水素基を表す)から選ばれた少なくとも1つの結合基を介在させてもよい〕。
1、W2はE1、E2と同一の内容を表す。
【0029】
2価の脂肪族基としては、炭素数2〜12のアルキレン基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数2〜12のアルキニル基、炭素数3〜30のシクロアルカン環基、炭素数6〜30のシクロアルケン環基、2価の芳香族基としては、炭素数6〜14のアリール基、複素原子(例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子)を少なくとも1つ含有する5員〜6員の環数の複素環基又は縮環構造を形成してもよい複素環基が挙げられる。
【0030】
及びEがそれぞれ少なくとも1つの脂環式骨格を含有するか(PE−I)、又は、E及びEの少なくともいずれか一方が、少なくとも1つの炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を含有する(PE−II)。W及びWも、E及びEと同様である(PU−I又はPU−II)。
【0031】
1、E2及びW1、W2の中で好ましい脂環式骨格は炭素数5〜30のシクロアルカン環基又は炭素数5〜32のシクロアルケン環基である。より好ましくは、フィルムの黄変の抑制効果の観点から、多環式、架橋環式の環状構造の脂環式炭化水素基である。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ、ペンタシクロ構造等を有する基を挙げることができる。特に炭素数6〜25が好ましい。
【0032】
該脂環式炭化水素基のうち、脂環式の環構造の例を以下に挙げる。なお、下記構造例において、共役しない位置に二重結合を含有してもよい。
【0033】
【化3】
Figure 0004034680
【0034】
【化4】
Figure 0004034680
【0035】
また、これらの脂環式炭化水素基は少なくとも1種の置換基を有していてもよい。脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、アシル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0036】
これらの置換基の具体的な内容は、態様としては水素を除く一価の非金属原子団が用いられる。
非金属原子団の具体的な例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ニトロ基、−OH基、−OR11、−SR11、−COR11、−COOR11、−OCOR11、−SO211、−NHCONHR11、−N(R12)COR11、−N(R12)SO211、−N(R13)(R14)、−CO(R13)(R14)、−SO2(R13)(R14)、−P(=O)(R15)(R16)、−OP(=O)(R15)(R16)、−Si(R17)(R18)(R19)、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基、炭素数6〜18のアリール基(アリール環としては、ベンゼン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、インデン、フルオレン、アセナフチレン、アセナフテン、ビフェニレン等)、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを少なくとも1個含有する単環式若しくは多環式の環構造を有する複素環基(複素環基としては、例えば、フラニル基、テトラヒドロフラニル基、ピラニル基、ピロイル基、クロメニル基、フェノキサチイニル基、インダゾイル基、ピラゾイル基、ピリジイル基、ピラジニル基、ピリミデイニル基、インドイル基、イソインドイル基、キノニイル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基等)等が挙げられる。
【0037】
前記のアルケニル基、アルキニル基、脂環式炭化水素基、アリール基、複素環基は、更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、前記の脂環式炭化水素基に導入し得る基として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0038】
前記R11は、脂肪族基、アリール基又は複素環基を表す。脂肪族基としては炭素数1〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ナノデシル基、エイコサニル基、ヘネイコサニル基、ドコサニル基等)、炭素数2〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、ドコセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基、オクタジエニル基等)、炭素数2〜22の直鎖状若しくは分岐状のアルキニル基(例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ヘキシニル基、オクタニル基、デカニル基、ドデカニル基等)、炭素数5〜22の脂環式炭化水素基(脂環式炭化水素基としては、単環式、多環式、架橋環式の脂肪族環状炭化水素基が挙げられ、その具体例としては、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロへプタジエン、シクロオクタン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロソナン、シクロソネン、シクロデカン、シクロデセン、シクロデカンジエン、シクロデカトリエン、シクロウンデカン、シクロドデカン、ビシクロヘプタン、ビシクロヘキサン、ビシクロヘキセン、トリシクロヘキセン、ノルカラン、ノルピナン、ノルボルナン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、トリシクロヘプタン、トリシクロヘプテン、デカリン、アダマンタン等の環構造炭化水素等)が挙げられる。
これらの中で、炭素数1〜18の直鎖状、炭素原子数3〜18の分岐状、並びに炭素原子数5〜16の環状の脂肪族基がより好ましい。
【0039】
かかる脂肪族基は置換基を有していても良く、その導入し得る置換基としては、前記の脂環式炭化水素基に導入し得る置換基と同じである。
【0040】
11におけるアリール基としては炭素数6〜18のアリール基であり、前記の脂環式炭化水素基に導入し得る置換基として例示したアリール基と同様のものが挙げられる。かかるアリール基は、更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、前記脂環式炭化水素基に導入し得る置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0041】
11における複素環基としては、脂環式炭化水素基に導入し得る置換基として例示した複素環基と同様のものが挙げられる。
12は、水素原子又はR11基と同様のものを表す。
【0042】
前記R13及びR14は、各々独立に、水素原子、又はR11と同様のものを表し、R13とR14とは互いに結合して、N原子を含有する5員又は6員の環を形成してもよい。
【0043】
前記R15及びR16は、各々独立に、−OH、炭素数1〜22の脂肪族基、炭素数6〜14のアリール基、又は−OR11を表す。R15及びR16における脂肪族基は前記R11で表される脂肪族基と同義である。R15及びR16におけるアリール基としては、前記脂環式炭化水素基に導入し得る置換基として例示したアリール基と同様のものが挙げられる。かかるアリール基は更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、前記脂環式炭化水素基に導入し得る置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。但し、かかる極性置換基において、R15及びR16の双方が−OHで表されることはない。
前記R17、R18及びR19は、各々独立に、炭素数1〜22の炭化水素基又は−OR20を表すが、これらの置換基の内少なくとも1つは炭化水素基を表す。炭化水素基は前記R11で示される脂肪族基及び前記脂環式炭化水素基に導入し得るアリール基と同様のものを表し、−OR20は前記−OR11と同様の内容を表す。
【0044】
前記一般式(I)及び(II)における[ ]内の繰り返し単位のE1、E2としては、下記一般式(III)又は(IV)で表される構造を含有することが好ましい。
【0045】
【化5】
Figure 0004034680
【0046】
一般式(III)においてR21はエチレンオキサイド付加体又はプロピレンオキサイド付加体を表す。
1とU2は同じでも異なっても良い。
1は脂環式骨格であり、E1、E2において前記した脂環式骨格を例として挙げることができる。
【0047】
【化6】
Figure 0004034680
【0048】
一般式(IV)においてJ2は直接結合、炭素数1〜7の直鎖型又は分岐型のアルキレン基を示す。
【0049】
本発明の重合体は、前記脂環式の環構造とともに、前記一般式(I)及び(II)における[ ]内の繰り返し単位のE1、E2として他の2価の脂肪族基を含有していてもよい。他の2価の脂肪族基の具体的な例としては、以下の有機残基が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
【化7】
Figure 0004034680
【0051】
【化8】
Figure 0004034680
【0052】
特に本発明の重合体は、炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基(以下、「長鎖脂肪族基」とも称する)を置換基として有することが好ましい。これにより、膜の耐湿性、膜強度向上効果が得られる。
炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基としては、好ましくは炭素数4〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
【0053】
炭素数4〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基としてはブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、又は炭素数4〜18の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基(例えばブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、エイコセニル基、ドコセニル基、ブタジエニル基、ペンタジエニル基、ヘキサジエニル基、オクタジエニル基等)が好ましく挙げられる。
より好ましくは炭素数6〜12の直鎖状又は分岐状の、アルキル基又はアルケニル基である。
【0054】
本発明のポリエステル重合体について説明する。
リエステル重合体としては、脂環式骨格を含有するジオールと、脂環式骨格を含有する、ジカルボン酸、ジカルボン酸アルキルエステル若しくはジカルボン酸無水物との縮合反応によって得られるポリエステル重合体(PE−I)、あるいは、炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を含有するジオールと、ジカルボン酸、ジカルボン酸アルキルエステル若しくはジカルボン酸無水物との縮合反応、又はジオールと、炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を含有する、ジカルボン酸、ジカルボン酸アルキルエステル若しくはジカルボン酸無水物との縮合反応によって得られるポリエステル重合体(PE−II)が挙げられ、本発明においてはポリエステル重合体(PE−II)が用いられる。
【0055】
リエステル重合体(PE−I)又は(PE−II)は、ポリエステルの繰り返し成分として、炭素数4以上の直鎖状又は分岐状の、アルキル基又はアルケニル基(長鎖脂肪族基)を置換した成分を含有することが好ましい。該長鎖脂肪族基を含有する繰り返し成分は、ポリエステル重合体の全繰り返し成分中、0.1〜5モル%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜3モル%である。この範囲内において、皮膜の耐湿性及び膜強度等が好ましい特性を示す。
長鎖脂肪族基は、ジオール成分、ジカルボン酸成分のいずれか一方に置換されていても、両方に置換されても、いずれでもよい。
【0056】
本発明のポリエステル重合体の質量平均分子量は3×103〜5×104が好ましく、より好ましくは5×103〜3×104である。この範囲において、ドープ溶液中での溶解性、皮膜の機械的強度等が良好となる。
【0057】
脂環式骨格を含有するジオール(多環状脂環式骨格を含有するジオールも含む)としては、下記一般式(V)又は(VI)で表されるものが好ましい。
【0058】
【化9】
Figure 0004034680
【0059】
一般式(V)、(VI)において、U1、U2、G1、J1は前記と同じ構造を表す。
【0060】
更に、炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を含有するジオール(多環式ジオール)としては、例えば、特開平3−200830号公報の4ページ記載の飽和脂環式ジオール、特開平8−73387号公報記載の一般式(I)のジオール化合物、特開平11−116826号公報記載の一般式(4)のジオール化合物、特開平11−80305号公報記載の一般式(3)のジオール化合物、特開2002−249490号公報および特開2001−39926号公報記載の方法でシクロアルケン類からシクロアルカンジオールを誘導することで得られる化合物、特開2000−281613号公報記載の一般式(I)のジオール化合物、特開2001−331922号公報段落番号[0011]〜[0012]記載のジオール化合物等が挙げられる。
【0061】
脂環式骨格を含有するジカルボン酸誘導体(多環状脂環式骨格を含有するジカルボン酸誘導体も含む)としては、下記一般式(VII)又は(VIII)で表されるものが好ましい。
【0062】
【化10】
Figure 0004034680
【0063】
一般式(VII)、(VIII)においてG1、J1は前記と同じ構造を表す。
【0064】
更に、脂環式骨格を含有するジカルボン酸として、例えば、特開平7−11074号公報記載の一般式(1)、(2)の化合物、特開平3−200830号公報の3頁記載の飽和脂環式炭化水素骨格のジカルボン酸類、特開2001−64371号公報記載の一般式(2)の化合物、特開平8−127642号公報記載の一般式(6)の化合物、特開2001−48967号公報記載の一般式(V)の化合物が挙げられる。
【0065】
本発明のポリエステル重合体は、例えばエステル交換法、直接重合法などの溶融重合法、溶液重縮合法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択して製造できる。また、その際の重合触媒などの反応条件も従来どおりでよく、公知の方法を用いることができる。
具体的には、滝山栄一郎「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社(1986年刊)、高分子学会編「重縮合と重付加」共立出版(1980年刊)、I.Goodman「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering Vol.12」p1. John Wiley & Sons(1985年刊)等に記載の方法に従って合成することができる。
【0066】
次に、本発明のポリウレタン重合体について説明する。
本発明のポリウレタン重合体は、脂環式骨格を含有するジオールと、脂環式骨格を含有するジイソシアナートとの付加重合反応によって得られるポリウレタン重合体(PU−I)、あるいは、炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を含有するジオールとジイソシアナートとの付加重合、又はジオールと炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を含有するジイソシアナートとの付加重合反応によって得られるポリエステル(PU−II)である。
【0067】
本発明のポリウレタン重合体(PU−I)又は(PU−II)は、ポリウレタンの繰り返し成分として、炭素数4以上の直鎖状又は分岐状の、アルキル基又はアルケニル基(長鎖脂肪族基)を置換した成分を含有することが好ましい。該長鎖脂肪族基を含有する繰り返し成分は、ポリウレタン重合体の全繰り返し成分中、0.1〜10モル%の割合で含有することが好ましく、より好ましくは0.5〜5モル%である。この範囲内において、皮膜の耐湿性及び膜強度等が好ましい特性を示す。
長鎖脂肪族基は、ジオール成分、ジイソシアナート成分のいずれか一方に置換されていても、両方に置換されても、いずれでもよい。
【0068】
本発明のポリウレタン重合体の質量平均分子量は3×103〜2×104が好ましく、より好ましくは5×103〜1×104である。この範囲において、ドープ溶液中での溶解性、皮膜の機械的強度等が良好となる。
【0069】
脂環式骨格を含有するジオール(多環状脂環式骨格を含有するジオールも含む)としては、前記ポリエステル重合体において記載したもの同様のものが挙げられる。特に、上記一般式(V)又は(VI)で表されるものが好ましい。
【0070】
脂環式骨格を含有するジイソシアネート(多環状脂環式骨格を含有するジイソシアネートも含む)としては、下記一般式(IX)又は(X)で表されるものが好ましい。
【0071】
【化11】
Figure 0004034680
【0072】
更に、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、1−イソシアネート−3−イソシアネートメチル−3,5,5トリメチルシクロヘキサン(IPDIと略す)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、ビス(2―イソシアネートエチル)4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート等が好ましい例として挙げられる。また、特開平10−36333号公報記載の式(1)で表される化合物、特開2000−44526号公報記載の式(1)で表される化合物も等しく好ましい。
【0073】
本発明のポリウレタン重合体は従来公知の付加重合反応により容易に製造できる。例えば、小田良平編「近代工業化学第17巻」124頁((株)朝倉書店、1966年刊)、岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」((株)日刊工業新聞社、1987年刊)、坂田年著「ウレタンエラストマー/多硫化ゴム(合成ゴム加工技術全書10)」(大成社、1979年刊)等に記載の合成方法が挙げられる。
【0074】
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレート固形分に対してポリエステル又は/及びポリウレタンの添加量が0.5〜50%、好ましくは1〜40%、さらに好ましくは5〜22%である。
【0075】
本発明では、耐傷性やフィルムの搬送性を良好に保持するためにセルロースアシレート組成物に微粒子を添加するのが好ましい。
それらは、マット剤、ブロッキング防止剤又はキシミ防止剤と称されて従来から利用されている。それらは、前述の機能を呈する素材であれば特に限定されないが、これらのマット剤の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであり、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので二酸化ケイ素が特に好ましい。
【0076】
また、表面処理された無機微粒子もセルロースアシレート中への分散性が良好となり好ましい。処理法としては、例えば、特開昭54−57562号公報に記載の方法が挙げられる。粒子としては、例えば、特開2001−151936号公報に記載のものが挙げられる。
有機化合物としては、例えば、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、なかでも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂のなかでも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましい。
【0077】
これらの添加剤をセルロースアシレート溶液へ添加する場合は、特にその方法は限定されず、いずれの方法でも所望のセルロースアシレート溶液を得ることができれば問題ない。例えば、セルロースアシレートと溶媒を混合する段階で添加物を含有させてもよいし、セルロースアシレートと溶媒で混合溶液を作製した後に添加物を添加してもよい。更にはドープを流延する直前に添加混合してもよく、いわゆる直前添加方法であり、その混合にはスクリュー式混練がオンラインで設置して用いられる。添加剤の混合は、混合物それ自身を添加してもよいが、予め溶媒やバインダー(好ましくはセルロースアシレート)を用いて溶解しておいたり、場合により分散して安定化した溶媒として用いることも好ましい態様である。
【0078】
これらの微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、好ましくは0.001〜20μmであり、より好ましくは0.001〜10μmであり、更に好ましくは0.002〜1μmであり、特に好ましくは0.005〜0.5μmである。
セルロースアシレートに対する微粒子の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して、微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.05〜0.2質量部がさらに好ましい。
【0079】
本発明のセルロースアシレート組成物には、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができる。その添加する時期はドープ作製工程において何れで添加してもよいが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開平2001−151902号公報などに記載されており、これらは従来から知られている技術である。さらにこれらの詳細は、前記の公技番号 2001−1745の16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、セルロールアシレート全組成物中、0.001〜20質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。
【0080】
次に、本発明のセルロースアシレートを溶解する有機溶媒について記述する。用いる溶媒としては、低級脂肪族炭化水素の塩化物(メチレンクロライド等)、低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール等)が主溶媒として挙げられる。その他の溶媒の例としては、アセトン、炭素原子数4〜12までのケトン、炭素原子数3〜12のエステル、炭素原子数3〜12のエーテル、炭素原子数5〜8の環状炭化水素類が挙げられる。本発明においては、以上のような溶媒の中で。メチレンクロライド、アセトン、酢酸メチル及びジオキソランの中から選ばれる溶媒またはこれらの混合物を主溶媒とすることが好ましい。また、メチレンクロライドのようなハロゲン化炭化水素を含まない非ハロゲン系有機溶媒として、例えば、特開2002−146045号明細書の段落番号[0016]から[0021]等に記載の溶媒系の例が挙げられる。これらの具体的な例は、前記の公開技報2001−1745号の12頁〜16頁に記載の内容が挙げられる。
【0081】
本発明のセルロースアシレートは、有機溶媒に10〜30質量%溶解している溶液であることが好ましいが、より好ましくは13〜27質量%であり、特には15〜25質量%溶解しているセルロースアシレート溶液であることが好ましい。これらの濃度にセルロースアシレートを調製する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように調製してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれの方法で本発明のセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
【0082】
本発明のセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解法でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号、特開昭61−106628号、特開昭58−127737号、特開平9−95544号、特開平10−95854号、特開平10−45950号、特開2000−53784号、特開平11−322946号、特開平11−322947号、特開平2−276830号、特開2000−273239号、特開平11−71463号、特開平04−259511号、特開2000−273184号、特開平11−323017号、特開平11−302388号などの各公報にセルロースアシレート溶液の調製法が記載されている。以前記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については前記の公技番号 2001−1745の22頁〜25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮,ろ過が通常実施され、同様に前記の公技番号 2001−1745の25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
【0083】
本発明のセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500)に直径4cm/2°のSteel Cone(共にTA Instrumennts社製)を用いて測定した。測定条件はOscillation Step/Temperature Rampで40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変して測定し、40℃の静的非ニュートン粘度n*(Pa・sec)及び−5℃の貯蔵弾性率G'(Pa)を求めた。尚、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始した。本発明では、40℃での粘度が1〜300Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が1万〜100万Paである。より好ましくは、40℃での粘度が1〜200Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が3万〜50万Paである。
【0084】
次に、本発明のセルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、セルローストリアセテートフィルム製造に供するドラム方法若しくはバンド方法と称される、従来公知の溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。
【0085】
以下、バンド法を例として製膜の工程を説明する。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、前記の公技番号 2001−1745の25頁〜30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
【0086】
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50〜50℃であることが好ましい。更には−30〜40℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたセルロースアシレート溶液は、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフィルムを保持することができる。これにより、セルロースアシレートから有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できるものである。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0〜70%RHが好ましく、さらには0〜50%RHが好ましい。また、本発明ではセルロースアシレート溶液を流延する流延部の支持体の温度が−50〜130℃であり、好ましくは−30〜25℃である。流延部を本発明の温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
【0087】
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及び又は逐次共流延してもよい。
【0088】
前記のような二層以上の複数のセルロースアシレート溶液を共流延する方法としては、例えば、支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させる方法(例えば、特開平11−198285号公報記載の方法)、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延する方法(特開平6−134933号公報記載の方法)、高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出す方法(特開昭56−162617号公報記載の方法)等が挙げられる。本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0089】
得られたフィルムを支持体(バンド)から剥ぎ取り、更に乾燥させる。乾燥工程における乾燥温度は40〜250℃、特に70〜180℃が好ましい。
更に残留溶媒を除去するために、50〜160℃で乾燥させ、その場合逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることが好ましい。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載されている。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することができる。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組み合わせに応じて適宜選ぶことができる。最終仕上がりフィルムの残留溶媒量は2質量%以下、更に0.4質量%以下であることが、寸度安定性良好なフィルムを得る上で好ましい。これらの乾燥工程の具体的な方法は、例えば、前述の発明協会公開技報に記載の従来公知の方法及び装置のいずれを用いてもよく、特に限定されるものではない。
【0090】
本発明に従い製造されるフィルムの厚さは、5〜500μmであることが好ましく、15〜300μmであることが更に好ましく、20〜200μmであることが最も好ましい。また、光学フィルム用の場合には20〜120μm、更には30〜80μmも好ましい態様である。
【0091】
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。これらについては、詳細が前記の公技番号 2001−1745の30頁〜32頁に詳細に記載されている。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
【0092】
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行うことも好ましい。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、例えば、特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに内容の記載が挙げられる。
【0093】
フィルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレートフィルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。これらの下塗層についての詳細は、前記の公技番号 2001−1745の32頁に記載されている。また本発明のセルロースアシレートフィルムの機能性層についても各種の機能層が前記の公技番号 2001−1745の32頁〜45頁に詳細に記載されている。
【0094】
本発明で作製されたセルロースアシレートフィルムの用途についてまず簡単に述べる。
本発明のセルロースアシレートフィルムからなる光学フィルムは、特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
【0095】
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な用途で用いることができ、画像表示装置、特に液晶表示装置の光学補償シートとして用いると効果がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、前記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。セルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置又はHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
【0096】
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、WO9848320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00−65384号に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。以上述べてきたこれらの詳細なセルロースアシレートフィルムの用途は前記の公技番号 2001−1745の45頁〜59頁に詳細に記載されている。
【0097】
また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体としても有用である。本発明のセルロースアシレートフィルムは、印刷製版用、医療用、一般写真用等のいずれのハロゲン化銀写真感光材料の支持体として用いることができる。また、その膜厚は30〜250μmであることがより好ましい。このようなハロゲン化銀写真感光材料についてはT. H. James et. al. The Theory of the Photographic Process 第4版 (Macmillan Publishing Co., Inc. 1977)等に記載されている。
【0098】
【実施例】
以下に本発明のセルロースアシレートフィルムについての具体的な実施例を記述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0099】
<ポリエステル(PE)の合成例>
ポリエステル(PE)合成例1:ポリエステル(PE−1)
1,4−シクロヘキサンメタンジオール72.1g、シクロヘキサンジカルボン酸無水物76g、ジブチルスズオキサイド0.01g及びメシチレン220gの混合物をDean-Star環流装置を付したフラスコ中で攪拌しながら環流下に6時間加熱した。室温に冷却後、メタノール800ml中に再沈し、液状物をデカント後補集し、減圧下に乾燥した。得られた生成物の収量は42gで、質量平均分子量(ゲルパーミエーション測定方法におけるポリスチレン換算値)Mwは7×103であった。以下にポリエステル(PE−1)の化学構造を挙げる。
【0100】
【化12】
Figure 0004034680
【0101】
ポリエステル(PE)の合成例2:ポリエステル(PE−2)
1,6−ヘキサンジオール26.4g、トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン−8,9−ジカルボン酸38g、p−トルエンスルホン酸1水和物0.2g及びキシレン50gの混合物を、ポリエステル(PE−1)と同様にして反応した。室温に冷却後、メタノール1リットル中に再沈し、析出した固形物を濾取し、減圧乾燥した。収量は67gで、得られたせ生成物の重量平均分子量Mwは1×104であった。以下にポリエステル(PE−2)の化学構造を挙げる。
【0102】
【化13】
Figure 0004034680
【0103】
ポリエステル(PE)の合成例3:ポリエステル(PE−3)
5.ノルボルネン−2,3−ジメタノール77.1g、グルタル酸無水物54.2g、ドデセニルコハク酸無水物6.7g及びジズチルスズオキサイド0.01gの混合物を温度120℃に加熱した。窒素気流下に減圧度約30mmHgで2時間攪拌し、更に温度を180℃に加熱して減圧度約5mmHg下で2時間攪拌した。放冷後、テトラヒドロフラン300gを投入して溶解した後、メタノール1リットル中に再沈した。沈殿物を濾集し、減圧乾燥した。放冷後、メタノール600ml中に再沈し、沈殿物を補集・減圧乾燥して、収量41gでMw8×103の生成物を得た。以下にポリエステル(PE−3)の化学構造を挙げる。
【0104】
【化14】
Figure 0004034680
【0105】
ポリエステル(PE)の合成例4〜10:ポリエステル(PE−4)〜(PE−10)
ポリエステル(PE)の合成例1と同様にして、下記表1の各ポリエステルを合成した。各ポリエステル(PE−4)〜(PE−10)のMwは8×103〜1.5×104の範囲であった。
【0106】
【表1】
Figure 0004034680
【0107】
<ポリウレタン(PU)の合成例>
ポリウレタン(PU)の合成例1:ポリウレタン(PU−1)
下記構造のジオール41.2g、ジブチルスズジラウレート0.02g及びメチルエチルケトンgの混合液を、窒素気流下に攪拌しつつ温度65℃に加温した。これにイソホロンジイソシアネート22.2gとメチルエチルケトン148gの混合溶液を2時間で滴下し、更に4時間攪拌した。次に温度60℃にした後に、エタノール5gを添加して1時間攪拌した。常温に冷却後に石油エーテルLに再沈して、沈降物を捕集後、減圧乾燥した。得られた生成物は、赤外吸収スペクトルでイソシアネート由来のピークを確認した所、消失し認められなかった。収量56gでMwは4×104であった。
【0108】
【化15】
Figure 0004034680
【0109】
ポリウレタン(PU)の合成例2〜6:ポリウレタン(PU−2)〜(PU−6)
ポリウレタン(PU)の合成例1と同様にして、下記表−2の各ポリウレタン(PU−2)〜(PU−6)を合成した。各ポリウレタンのMwは1×104〜4×104の範囲であった。
【0110】
【表2】
Figure 0004034680
【0111】
参考例1、実施例2、比較例1及び比較例2
<セルローストリアセテートフィルムの製造>
参考例1
(セルローストリアセテート溶液(D−1)の調製)
攪拌羽根を有するステンレス製溶解タンクに、下記の溶媒混合溶液によく攪拌しつつ、セルローストリアセテート粉体(平均サイズ2mm)を徐々に添加してドープを調製した。添加後、室温(25℃)にて1時間、35℃にて放置しセルローストリアセテートを膨潤させた。なお、溶媒である酢酸メチルとメチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n−ブタノールは、すべてその含水率が0.2質量%以下のものを利用した。
参考例1のドープの調製に用いた各成分の成分比を下記に示す。
【0112】
Figure 0004034680
【0113】
以下にUV吸収剤(U1)及び(U2)としてUV吸収剤(U)の構造を挙げる。
【0114】
【化16】
Figure 0004034680
【0115】
つぎに、このドープは弱い超音波照射することで泡抜きを実施した。脱泡したドープは1.5MPaに加圧した状態で、最初公称孔径5μmの焼結金属フィルターを通過させ、ついで同じく2.5μmの焼結金属フィルターを通過させた。それぞれの1次圧、1.5、1.2であり、2次圧はそれぞれ1.0、0.8MPaであった。濾過後のドープの温度は35℃に調整してステンレス製のストックタンク内に貯蔵した。ストックタンクは中心軸にアンカー翼を有して周速0.3m/secで常時攪拌された。
【0116】
(フィルム製膜)
上記の溶解法で得られたドープを40℃にし、流延ギーサーを通して表面温度20℃とした鏡面ステンレス支持体上に流延して製膜した。
バンド上に流延されたドープは、最初に平行流の乾燥風を送り乾燥した。乾燥する際の乾燥風からのドープへの総括伝熱係数は24kcal/m2・hr・℃であった。乾燥風の温度はバンド上部で140℃、下部で100℃とした。
流延後5秒間は遮風装置により乾燥風が直接ドープに当らない様にし、その後、多数のロールを有する乾燥ゾーンを搬送することで、厚さ80μmのセルロースアセテートを作製した。
【0117】
実施例2
参考例1のセルローストリアセテート溶液(D−1)のポリエステル(PE−1)の代わりに、ポリウレタン(PU−1)を同量用いた他は、参考例1と同様にして、セルローストリアセテートフィルムを作製した。
【0118】
比較例1
参考例1のセルローストリアセテート溶液(D−1)の調製における組成分において、ポリエステル(PE−1)の代わりに下記構造のポリエステル(PER)を用いた他は、参考例1と同様にして乾燥後の膜厚80μmのセルロースアセテートフィルムを作製した。
【0119】
【化17】
Figure 0004034680
【0120】
比較例2
参考例1のセルローストリアセテート溶液(D−1)の調製における組成分において、ポリエステル(PE−1)の代わりに下記構造のポリウレタン(PUR)を用いた他は、参考例1と同様にして乾燥後の膜厚80μmのセルロースアセテートフィルムを作製した。
【0121】
【化18】
Figure 0004034680
【0122】
<偏光子の作製>
PVAフィルムをヨウ素2.0g/L、ヨウ化カリウム4.0g/Lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/Lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、テンター延伸機に導入し、5.3倍に延伸し、以降幅を一定に保ち、収縮させながら80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱して巻き取った。延伸開始前のPVAフィルムの含水率は31%で、乾燥後の含水率は1.5%であった。
左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であった。テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
得られた偏光子の550nmにおける透過率43.7%、偏光度は99.97%であった。
【0123】
<偏光板の作製>
上記の各製膜したセルローストリアセテートフィルムを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度40℃に昇温した後に、下記に示す組成のアルカリ溶液(S−1)をロッドコーターを用いて塗布量15cc/m2で塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に15秒滞留させた後に、同じくロッドコーターを用いて純水を3cc/m2塗布した。この時のフイルム温度は40℃であった。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に70℃の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥した。
アルカリ溶液(S−1)組成
水酸化カリウム 8.55質量%
水 23.235質量%
イソプロパノール 54.20質量%
界面活性剤(K−1:C14H29O(CH2CH2O)20H) 1.0質量%
プロピレングリコール 13.0質量%
消泡剤サーフィノールDF110D(日信化学工業(株)製) 0.015質量%
乾燥後それぞれのセルローストリアセテートのアルカリ鹸化処理した側にポリビニルアルコール系粘着材を約30μmの厚みに塗布し、上記偏光子の両側に貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して偏光板を作成した。
【0124】
<結果>
上記の得られたセルローストリアセテートフィルム及び偏光板の性能の結果を表3に記載した。
【0125】
【表3】
Figure 0004034680
【0126】
表3記載の評価項目の評価方法は以下の通りにして行なった。
1)膜の離型性
セルローストリアセテートフィルムの製膜実験中において、流延バンドからの製膜フィルムの離型性を目視観察した。
○:流延バンドから問題なく離型出来る。
×:流延バンド上に付着現象を生じ、離型されない。
【0127】
2)ヘイズ
セルローストリアセテートフィルムのヘイズは、日本電色工業(株)製、1001DP型を用いて、90℃/80%の高温高湿下で500時間保管しその後で調べた。
【0128】
3)引き裂き強度
セルローストリアセテートフィルムの引き裂き強度は、東洋精機製作所製軽過重引き裂き強度試験器を用い、ISO6383/2.1983に従って引き裂きに要する過重を評価した。90℃/80%の高温高湿下で500時間保管しその後で調べた。試料サイズは50mm×64mm、25℃60%RHで2時間調整した後に実施した。
【0129】
4)折れ曲げ性
ISO8776に準じて、東洋精機製耐折試験機を用いて測定した。測定は1水準につき試料の長手方向、幅方向でそれぞれ10回行い、その平均値を求めた。これを試料の厚みから次式を用いて100μm厚みの値に換算した。
100μm換算の耐折強度(回)=実測耐折強度(回)×(厚み(μm)/100)×4
評価は、以下の基準に従った。
◎ 400回以上、○ 200回以上、△ 100回以上、× 80回以下
5)異物・汚れ
セルローストリアセテートフィルムを(50℃/80%RH)の条件下に100時間曝した後で調べた。そのフィルムから全幅で長手方向に1mの長さに切り出し、この試料にシャーカステン上で光を透過させながらルーペで異物・汚れの有無及び大きさを観察し、下記グレードで評価した。
A:50μm以上の大きさの異物、汚れはなく、50μm未満のものが、0〜10個観察された。
B:50μm以上の大きさの異物、汚れはなく、50μm未満のものが、11〜30個観察された。
C:50μm以上の大きさの異物、汚れが1〜10個観察され、50μm以下のものが31〜50個観察された。
D:50μm以上の大きさの異物、汚れが11〜30個観察され、50μm以下のものが51〜99個観察された。
E:50μm以上の大きさの異物、汚れが31個以上観察され、50μm以下のものが100個以上観察された。
【0130】
6)偏光度
偏光板の偏光度は、分光光度計により可視領域における並行透過率Yp、直行透過率Ycを求め、次式に基づき偏光度Pを決定した。
【0131】
【数1】
Figure 0004034680
【0132】
7)耐久性
偏光板から150mm×150mmの大きさの試料を2枚切り出し、(50℃/80%RH)の条件下に100時間曝し、クロスニコルにより偏光板の縁に発生する白抜けの面積を全体の面積に対する面積比として観察して、下記のグレードで評価した。
◎:白抜け部分が全くなかった。
○:白抜けが全体の面積に対して2%未満。
○〜△:白抜け部分が全体の面積に対して2%以上6%未満。
△:白抜け部分が全体の面積に対して5%以上10%未満。
×:白抜け部分が全体の面積に対して10%以上あった。
【0133】
参考例1及び実施例2のセルローストリアセテートフィルムの光学特性(ヘイズ値、異物・汚れ、等)、膜の引き裂き強度及び耐折れ曲げ性は良好であり、それらを用いて作製した偏光板も、偏光度、耐久性は良好であった。
一方、比較例1の各セルローストリアセテートフィルムは、引き裂き強度及び折れ曲げ性において低い値を示した。比較例2の各セルローストリアセテートフィルムは、強制経時で黄変が生じてヘイズ値、異物・汚れが低下し、引き裂き強度も低かった。又、両比較例ともに、偏光板とした場合にも耐久性が不充分であった。
以上の様に、本発明のセルローストリアセテートフィルム及びそれを用いた偏光板は、優れた性能を示した。
【0134】
実施例3〜実施例12
参考例1におけるセルローストリアセテートフィルム溶液(D−1)において、ポリエステル(PE−1)の代わりに、下表4の各化合物を同量づつ用いた他は、参考例1と同様にして、乾燥後の膜厚80μmの各セルローストリアセテートフィルム、更に各偏光板を作製した。
【0135】
【表4】
Figure 0004034680
【0136】
得られた実施例3、5、6、8〜12、参考例4,7の各セルローストリアセテートフィルム及び各偏光板を、参考例1と同様にして性能と評価を行なった。各実施例のものは、参考例1と同等以上の性能を示し、良好であった。
【0137】
実施例13
(セルローストリアセテート溶液の調製)
参考例1におけるセルローストリアセテート溶液の組成物の代わりに、下記内容の組成物を用いた他は、参考例1と同様にしてセルローストリアセテート溶液を得た。
【0138】
セルローストリアセテート(置換度2.82、6位アセチル基の置換度0.93、粘度平均重合度320、含水率0.2質量%) 20質量部
ジクロロメタン 62質量部
アセトン 5質量部
メタノール 6質量部
ブタノール 5質量部
可塑剤(C):トリフェニルフォスフェート 0.7質量部
UV吸収剤(U1) 1.5質量部
下記光学異方性調整剤(D) 0.6質量部
シリカ微粒子(粒径20nm) 0.1質量部
ポリエステル(PE−3) 0.4質量部
ポリウレタン(PU−6) 0.30質量部
【0139】
【化19】
Figure 0004034680
【0140】
次に、上述したセルローストリアセテート溶液をスクリュー押し出し機で送液して、−70℃で10分間となるように冷却部分を通過させた。冷却は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒(3M社製、『フロリナート』を用いて実施した。そして、冷却により得られた溶液は、静止型混合器を設置した熱交換器により120℃まで温度を上昇させ、3分間保持した後冷却し50℃としてステンレス製の容器に移送し、50℃で2時間攪拌し脱泡を行った。この後、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、『#63』)で濾過し、さらに、絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、『FH 025』)にて濾過し、セルローストリアセテート溶液を調製した。
【0141】
(フィルム製膜)
参考例1と同様にして、膜厚65μmのセルローストリアセテートフィルムを作製した。
【0142】
(偏光板の作製)
上記のフィルムを用いて、参考例1と同様にして、偏光板を作製した。得られたフィルム及び偏光板の性能について、参考例1と同様に評価した。
本発明のセルロースアセテートフィルムは、膜の離型性に全く問題がなく、ヘイズ値も小さくて、異物・汚れも見られなかった。又、引き裂き強度・耐折れ曲げ性及び耐久性も極めて良好であった。偏光板の性能も良好であった。
【0143】
実施例14
特開平11−316378号公報の(実施例1)において、その第1透明支持体を本発明の実施例13で得られるセルローストリアセテートフィルム(第2フィルム)に変更する以外は、全く同様にして特開平11−316378号公報の(実施例1)を実施して試料1を作製した。得られた楕円偏光板は、優れた光学特性は優れたものであった。従って、本発明のセルローストリアセテートフィルムが光学偏光板に適応されても問題のない好ましい態様であることが明らかである。
【0144】
実施例15
特開平7−333433号公報の実施例1の富士写真フィルム(株)製セルローストリアセテートを、本発明の実施例13のセルローストリエステルフィルムに変更する以外は、特開平7−333433号公報の実施例1と全く同様にした光学補償フィルターフィルム試料を作製した。得られたフィルターフィルムは左右上下に優れた視野角を有するものであった。したがって、本発明のセルローストリアセテートフィルムが、光学的用途として優れたものであることが判る。
【0145】
実施例16
本発明のフィルムは更に多種の光学用途に利用される。本発明の代表として実施例13のフィルムを、例えば特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示装置に用いたところ良好な性能が得られた。
【0146】
実施例17
参考例1および実施例2の本発明の各試料において、そのフィルム厚さを100μmとする以外は、参考例1と全く同様にしてそのフイルムである本発明の試料を作製した。得られたフィルムの一方に、特開平4−73736号公報の実施例1の(バック層組成)第一層及び第2層を付与し、カチオン系ポリマーを導電性層とするバック層を作製した。更に、得られたバック層を付与したフィルムベースの反対の面に、特開平11−38568号公報の実施例1の試料105を塗布し、ハロゲン化銀カラー写真感光材料を作製した。得られたカラーフイルムは優れた映像が得られかつその取り扱い性においても問題のないものであった。
【0147】
【発明の効果】
本発明のセルロースアシレートフィルムは、引き裂き強度、耐折強度及び光学特性に優れ、良好な長期保存安定性を有する。
上記特性に優れた本発明のセルロースアシレートフィルムは、光学フィルム、偏向板、光学補償フィルムなどに好適に用いられる。これらのフィルムは液晶表示装置などに適用することが出来る。また、本発明のセルロースアシレートフィルムはハロゲン化銀写真感光材料の支持体にも好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 環式骨格を含むジオール及び脂環式骨格を含むジイソシアナートから誘導されるポリウレタン成分を含有するポリウレタン重合体、並びに、セルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  2. 炭素数5〜32の多環状脂環式骨格を少なくとも含有する、ポリエステル重合体及びポリウレタン重合体から選択される少なくとも1種の重合体、並びに、セルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  3. 該重合体が、炭素数4以上18以下のアルキル基又はアルケニル基を置換基として有することを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルム。
  4. 微粒子を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 前記のセルロースアシレートが、その水酸基への置換度が、下記式(IIIa)乃至(IIIb)の全てを満足するセルロースアシレートであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルム。
    (IIIa) 2.6≦SA’+SB’≦3.0
    (IIIb) 2.0≦SA’≦3.0
    (IIIc) 0≦SB’≦0.8
    SA’はアセチル基の置換度、SB’は炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。
  6. セルロースアシレート及び、請求項1記載の重合体及び
    請求項2記載の重合体のうち少なくとも1種の重合体を含有するセルロースアシレート組成物を、溶液流延方法により製膜することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを使用した光学フィルム。
  8. 請求項1乃至5のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを使用した画像表示装置。
  9. 膜厚が30〜250μmである請求項1乃至5のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムを使用したハロゲン化銀写真感光材料用支持体。
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