JP6790930B2 - レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明はレンズ鏡筒と、このレンズ鏡筒を用いた撮像装置に関するものである。
オートフォーカス一眼レフカメラ等に用いられる交換レンズなどのレンズ鏡筒として、自動焦点調整手段と手動焦点調整手段とを備え、いずれかの調整手段により焦点調整を行うことができるレンズ鏡筒が知られている。このようなレンズ鏡筒では、自動焦点(AF)と手動焦点(MF)を切り替えるための操作部材を配設し、ユーザーがこの操作部材を操作してAFとMFを切り替えている。また、レンズ鏡筒には、ユーザーが合焦位置を確認するための距離目盛が配設されることが多い。
この種のレンズ鏡筒においては、レンズ鏡筒の周面に配設した操作部材と距離目盛を光軸方向に並んで配置するとレンズ鏡筒の光軸方向の長さが長くなるので、これを回避するために、操作部材と距離目盛を周方向に並んだ位置、すなわち光軸方向に重なる位置に配設することが好ましい。特許文献1においては、図5に示されるように、距離目盛と操作部材をレンズ鏡筒の光軸方向に重なった位置に配設した構成がとられている。特許文献2では、図3(A)に示されるように、操作部材を、表示目盛と推測される部位とレンズ鏡筒の光軸方向に重なった位置に配設した構成がとられている。
特開2013−3446号公報 特開2016−109960号公報
ところで、AFとMFを切り替えるための操作部材としては、例えば特許文献2に示される様に、電気的スイッチを採用する方法がある。また、コード板とブラシを用いて切り替える方法も採用され得る。この場合、操作部材のレンズ鏡筒内部にはスイッチ部材やコード板とブラシが必要となり、これらの部位は光軸回り方向の所定領域を占める。また、本発明者は、操作部材を利用してレンズ鏡筒内に配設した可動部材を直接的に移動して制御することを検討している。この場合には、操作部材の当該部位が占める領域は増大する。
一方、距離目盛はフォーカス動作を行う際に回転する環部材に設けられており、フォーカス動作時に当該環部材と共にレンズ鏡筒の光軸回りに所定角度だけ回転する。したがって、距離目盛と操作部材を光軸方向に重ねて配置したレンズ鏡筒では、距離目盛が回転したときに、距離目盛と操作部材のスイッチ部材等とが干渉するおそれがある。特に、本発明者が検討している操作部材では、可動部材と連結するための部位を含めると全体が大型化され易いため、距離目盛との干渉がさらに生じ易くなる。この干渉を回避するためには、操作部材を距離目盛から光軸回り方向に離した位置に配置する必要があり、これでは操作部材をレンズ鏡筒の側面の下側に配置せざるを得なくり、操作部材の操作性が悪くなるという課題が生じる。
この課題に対して、特許文献1は特に解決策を開示していない。特許文献1の図5から推測すると、AF−MF切替操作部材は少し段差が設けられた部分に配設されている。つまり、回転する環部材との干渉を避けるために、光軸方向には重なりつつ、レンズ鏡筒の径方向には重ならない位置に配設(つまり径方向にはズレて配置)されている。こうする事で環部材と操作部材(スイッチ)が干渉する事は避けられるが、干渉を逃げる分だけ径方向が大きくなる。結果としてレンズ鏡筒の外径寸法が大きくなり、レンズ鏡筒の小型化に不利になることは避けられない。特許文献2についても同様である。
本発明は、操作部材の操作性の改善、並びに光軸方向及び外径寸法を低減した小型のレンズ鏡筒と撮像装置を提供することを目的とする。
本発明のレンズ鏡筒は、光学系の調整を行うための可動機構を備え、当該可動機構に連結部を介して連結され、当該可動機構を制御するための操作部と、前記光学系の調整状態を表示する際に移動される表示体を有する表示部とを備えるレンズ鏡筒であって、前記操作部と前記表示部はレンズ鏡筒の光軸方向に重なって光軸回り方向に並んで配設され、前記操作部の前記連結部と前記表示部の前記表示体はレンズ鏡筒の径方向に重なる位置に配設されている。その上で、前記可動機構はレンズ鏡筒内において光軸回りに回転する環部材を含み、前記表示部の前記表示体は当該環部材の外周面に配設され前記操作部の前記連結部は前記環部材の外周面に沿った外径位置に配設され、前記操作部の前記連結部は前記環部材が回転したときに前記表示体が移動しない周方向の領域に設けられている。
本発明によれば、操作部材の配置位置の自由度を高めて操作部材の操作性を良好なものにするとともに、レンズ鏡筒の内部スペース効率を高めて光軸方向及び径方向の寸法を縮小した小型のレンズ鏡筒と撮像装置が得られる。
撮像装置(カメラ)用の本発明のレンズ鏡筒の上面図と左側面図。 実施形態1のレンズ鏡筒の光軸方向に沿った縦断面図 実施形態1のレンズ鏡筒の図2と異なる位置での要部の縦断面図。 解除機構と差動機構を含む要部の接続時の縦断面図。 解除機構と差動機構を含む要部の解除時の縦断面図。 出力環の外観斜視図。 図3のA−Aに沿った断面図で、無限端と至近端の状態を示す図。 解除機構の部分分解斜視図。 解除機構の動作を説明するための模式図。 実施形態2のレンズ鏡筒の接続時の縦断面図。 実施形態2のレンズ鏡筒の解除時の縦断面図。 解除機構の部分分解斜視図。 実施形態3のレンズ鏡筒の接続時の縦断面図。 実施形態3のレンズ鏡筒の解除時の縦断面図。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1のレンズ鏡筒1をカメラボディ2に装着した状態の図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は左側面図である。このレンズ鏡筒1の周面の前側(被写体側、以下同じ)にはフォーカス操作環73が配設されており、ユーザーが回転操作することによりマニュアルでの焦点合せを行うことができる。レンズ鏡筒1の周面の後側(像面側、以下同じ)にはズーム操作環63が配設されており、ユーザーが回転操作することによりレンズ鏡筒の焦点距離を変化させることができる。
レンズ鏡筒の左側面には、レンズ鏡筒1の光軸方向(以下、単に光軸方向と称する)の中間位置、すなわち前記フォーカス操作環73と前記ズーム操作環63との間に解除スイッチ85が配設されている。この解除スイッチ85の詳細については後述するが、ユーザーが解除スイッチ85をレンズ鏡筒1の周面に沿ってスライド操作することにより、フォーカス操作環73でのマニュアルフォーカス(MF:手動焦点調整)を有効にする状態と、これを解除する状態を切り替える操作部として構成されている。解除状態にしたときには、フォーカス操作環73を操作しても手動焦点調整が不能になる。
前記レンズ鏡筒1の上側面には、前記解除スイッチ85と周方向に隣り合う位置に距離表示部としての距離窓41が設けられており、この距離窓41を透して距離表示を視認することで、当該レンズ鏡筒の被写体までの合焦距離が確認できるようになっている。この距離窓41は後述する距離表示体42を含んでいる。この距離窓41は前記解除スイッチ85とはレンズ鏡筒1の光軸方向に一致ないし少なくとも一部が重なる位置に配設されていることになる。このように、距離窓41と解除スイッチ85を光軸方向に重なるように配設することにより、前記したように光軸方向に重ならないようにした構成に比較してレンズ鏡筒1の光軸方向の寸法を低減することができる。
図2と図3はレンズ鏡筒の縦断面図であり、図2は前記解除スイッチ85を含む径位置での縦断面図であり、図3は前記距離窓41を含む位置での一部の縦断面図である。図2において、レンズ鏡筒1内には、図2の左側、すなわち被写体側から1群レンズL1、2群レンズL2、3群レンズL3、4群レンズL4、5群レンズL5が配設されている。これら1〜5の群レンズL1〜L5は、前記ズーム操作環63を回転操作したときにレンズ鏡筒1の光軸方向に移動して当該レンズ鏡筒1の焦点距離を変化させる。また、2群レンズL2はズーム時及び焦点調整時に光軸方向に移動して焦点調整を行うためのフォーカスレンズとして構成されている。
前記レンズ鏡筒1内の像面側寄りにはフォーカスモーター3が配設されている。このフォーカスモーター3は、例えば前記カメラボディ2に設けられている不図示の自動焦点制御装置によって回転が制御され、回転したときに前記2群レンズL2を光軸方向に移動して自動焦点調整を実行するものである。このフォーカスモーター3は、本発明における自動焦点調整のためのアクチュエータの一部を構成する。ここではフォーカスモーター3としてDCモーターを採用しているが、ブラシレスDCモーター、ステッピングモーター、超音波モーター等であってもよい。
前記レンズ鏡筒1内には、前記フォーカスモーター3により駆動される自動焦点調整機構4と、前記フォーカス操作環73により駆動される手動焦点調整機構5と、これら自動焦点調整機構4と手動焦点調整機構5を連係する差動機構6が設けられている。この差動機構6により、フォーカスモーター3が回転したときに自動焦点調整機構4により2群レンズL2を自動焦点調整し、一方ではフォーカス操作環73を手操作したときに手動焦点調整機構5により2群レンズL2を手動焦点調整することが可能となる。そして、この差動機構6に付設された前記解除スイッチ85により手動焦点調整機構5と差動機構6との連係を断続させるようになっている。連係を断にした解除状態にしたときには、前記したようにフォーカス操作環73による手動焦点調整が不能になる。
前記レンズ鏡筒1は、レンズマウント90を備えた第1固定環91を備えている。この第1固定環91には第2固定環92と、その内径側の第3固定環93が連結されている。前記フォーカス操作環73と前記ズーム操作環63はこれら第2と第3の固定環92,93に支持されている。
前記第2固定環92には光軸方向の所定位置で、かつ円周方向に並んだ左側面と上側面の各位置にそれぞれ径方向に貫通する2つの開口(符号省略)が設けられている。図2のように、前者の開口には前記解除スイッチ85が装着される。図3のように後者の開口には前記距離窓41が構成される。この距離窓41は距離表示を確認するための指標等が設けられた防水及び防塵用の透明板41aを備えており、この透明板41aは前記第2固定環92の外側周面に設けられた凹部に埋設状態に固定されている。
前記第2固定環92の内径位置には後側支持環53が連結されており、この後側支持環53の被写体側には前側支持環50が連結されている。これら前後の支持環50,53の連結部には第2支持環57が連結されている。
前記後側支持環53の内径位置には内径方向に向けて順次に、直進環32とズームカム環31が同心配置されている。このズームカム環31の内径位置には、3群レンズL3を保持した3群レンズ枠21と、フォーカスカム環12と、2群レンズL2を保持した2群レンズ枠11が同心配置されている。また、ズームカム環31の被写体側の内径位置には1群レンズ枠15が配設され、像面側の内径位置には4群レンズ枠16と5群レンズ枠17が配設されている。
前記ズームカム環31は内外径に貫通するカム溝31aが設けられ、前記直進還32には光軸方向に延びる縦溝32aが設けられ、3群レンズ枠21の外周に植立したローラー(カムフォロアとも言う)21aが滑合している。また、これらズームカム環31と直進環32に設けられたカム溝31bと縦溝32bには前記1群レンズ枠15に設けられたローラー15aが滑合し、同様にカム溝31cと縦溝32cには4群レンズ枠16に設けられたローラー16aが滑合している。さらに、5群レンズ枠17に設けられたローラー17aは4群レンズ枠16に設けられた縦溝16bに滑合している。
これにより、ズーム操作環63が手動操作されてズームカム環31が回転されると、1群レンズ枠15と3群レンズ枠21は光軸方向に移動し、1群レンズL1と3群レンズL3が移動する。また、このズームカム環31の回転により、3群レンズL3とともに、1群レンズ枠15と4群レンズ枠16と5群レンズ枠17が光軸方向に移動し、さらには2群レンズ枠11も連動して光軸方向に移動する。これにより、1〜5群レンズL1〜L5が移動され、レンズ鏡筒1の焦点距離が変化する。
前記3群レンズ枠21の内周面には円周溝21bが設けられており、この円周溝21bに円周配置した複数の球14をフォーカスカム環12との間で挟持することで、フォーカスカム環12を回転自在にその内部に保持している。フォーカスカム環12は内外径に貫通するカム溝12aを有している。また、3群レンズ枠21には光軸方向に延びる縦溝21cが設けられている。その上で、2群レンズ枠11の外周に設けたローラー11aが、前記カム溝12aを貫通して縦溝21cに滑合している。これにより、2群レンズ枠11の回転を規制し、光軸方向のみ移動できるようになっている。
前記フォーカスカム環12には、光軸方向の像面側に延伸するフォーカスレバー13がネジ(符号省略)で固定されている。このフォーカスレバー13は、前記差動機構6の出力を受けて回転し、この回転によりフォーカスカム環12を一体的に回転し、かつ同時にフォーカスカム環12と共に光軸方向に進退する。
図4Aは前記差動機構6を含む領域の縦断面図であり、図2の一部のみを示し、かつ要部にのみ参照符号を付してある。この差動機構6は、前記第2固定環92と前記直進環32との径方向間の領域で、かつ前記フォーカス操作環73と、図2に示した前記フォーカスモーター3との光軸方向の間の領域に配設されている。この差動機構6は、いわゆる遊星機構で構成されており、後述するように、第1と第2の太陽車と、複数の遊星と、これら遊星を支持する遊星キャリアとを基本とする構成である。
前記後側支持環53の外径側には出力環51が配設されている。この後側支持環53の外周面には周方向の溝53aが設けられ、この溝53aに円周方向に配列した複数の球54を出力環51との間に介装することで、出力環51は後側支持環53に対して光軸方向には移動しないが、光軸回りには回転自在に保持される。
図5は前記出力環51の外観斜視図である。出力環51には光軸方向に延びる出力レバー52がネジで固定されていて、その先端は前記フォーカスレバー13と滑合している。この滑合は、回転方向には一体で光軸方向には自由である。したがって、出力環51が回転すると出力レバー52が回転し、さらにフォーカスレバー13にその回転が伝達し、これと一体のフォーカスカム環12が回転する。このフォーカスカム環12の回転により2群レンズ枠11が光軸方向に進退して焦点調整を行うことは前記したとおりである。
前記出力環51の外周面の円周方向3箇所には、外径方向に延伸する3つの回転軸51aが等配に設けられていて、その回転軸51aには遊星コロ55が遊合している。そして、3つの回転軸のうち、2つの回転軸には蓋56が出力環51にネジ固定されることで遊星コロ55の抜け止めとなっている。
前記出力環51の、他の1つの回転軸51a及び遊星コロ55を含む周方向の領域には、円弧状をした距離表示体42がネジ固定されている。この距離表示体42は、その内縁の周方向の一部が外径方向に凹設され、この凹部において前記他の1つの回転軸51aの蓋を兼ねるようにネジ固定され、遊星コロ55の抜け止めとなっている。
前記距離表示体42は径方向の断面形状が概ねT字型した円弧状に形成されており、その下縁部42aが前記出力環51の周面に連結され、周面部42bが円弧面に形成さている。したがって、距離表示体42はほぼ下縁部42aの長さ分だけ出力環51の周面よりも外径側に突出された状態とされ、出力環51と前記第2固定環92との径方向の間隙内に配設されることになる。また、図6(a)は図3のA−A線に沿ったレンズ鏡筒1の断面図であり、距離表示体42には周面部42bに円弧状に曲げられた板状の表示板43が取り付けられており、この表示板43には合焦距離を示す距離表示が印刷等により記され、あるいは距離表示を印刷したものが貼り付けられる。この表示板43の距離表示は前記距離窓41の内径側に臨んで配置され、前記したように前記透明板41aを透してレンズ鏡筒の外部から視認することができる。
前記距離表示体42及び表示板43の周方向の長さは、後述するように焦点調整時に出力環51が無限端から至近端の間で回転される際の回転角度にほぼ等しい中心角の円弧長に設定されている。そして、当該出力環51がレンズ鏡筒において回転され、これと一体に距離表示体42が回転されたときには、距離表示体42はレンズ鏡筒1の被写体側から見て、上側面から右側面にわたる領域内で回転され、少なくとも前記解除スイッチ85が配設されている領域には移動されないようになっている。
図4Aに示したように、レンズ鏡筒1内には、前記した3つの遊星コロ55を光軸方向に挟むように駆動ギア環61と駆動環71が配設されている。像面側の駆動ギア環61と第3固定環93との光軸方向の間には第2波ワッシャー62が介装されている。この第2波ワッシャー62は駆動ギア環61を被写体側に向けて付勢しており、この付勢力によって駆動ギア環61の被写体側の摺動面61aが遊星コロ55の像面側の周面に圧接されている。
また、前記駆動ギア環61の像面側の端縁には内歯車61bが設けられており、この内歯車61bには、前記フォーカスモーター3が不図示のギア機構を介して連結されている。これにより、駆動ギア環61はフォーカスモーター3が回転したときに、これに連動して回転する。駆動ギア環61は、この回転により圧接されている遊星コロ55を回転させて出力環51を回転させ、さらにはフォーカスカム環12を回転させて2群レンズL2による焦点調整を行うので、前記自動焦点調整機構4の一部を構成することになる。また、この駆動ギア環61は差動機構6の1つの入力部を構成している。
前記遊星コロ55を被写体側から挟む前記駆動環71は、像面側の端面が摺動面71aとして構成され、この摺動面71aは前記遊星コロ55に光軸方向に対向されている。また、駆動環71の中間一部に設けられた段差面(符号省略)と、前記前側支持環50との光軸方向の間に第1波ワッシャー72が介装されている。この第1波ワッシャー72は駆動環71を光軸方向の像面側に付勢しており、この付勢力により前記摺動面71aは前記遊星コロ55の被写体側の周面に圧接されている。
前記駆動環71の被写体側の外周には、円周方向の複数箇所にローラー71bが外径方向に植立されていて、これらローラー71bは前記フォーカス操作環73の内周面に設けられている複数の光軸方向の縦溝73aにそれぞれ滑合している。これにより、駆動環71はフォーカス操作環73に対して光軸方向に相対移動可能であるが、ユーザーがフォーカス操作環73を回転操作すると、縦溝73aとローラー71bとの滑合によって駆動環71が回転される。前記摺動面71aが前記遊星コロ55に圧接されているときには、駆動環71の回転により遊星コロ55を回転させて出力環51を回転させ、さらにはフォーカスカム環12を回転させて2群レンズL2による焦点調整を行うので、前記手動焦点調整機構5の一部を構成することになる。また、この駆動環71は差動機構6の他の1つの入力部を構成している。
この差動機構6の動作について説明する。図4Aにおいて、自動焦点調整時に、フォーカスモーター3が駆動されると、駆動ギア環61が回転され、その摺動面61aに圧接している遊星コロ55に駆動力が伝達される。遊星コロ55は出力環51の回転軸51a周りに回転する。このとき被写体側にある駆動環71は第1波ワッシャー72との間で発生する摩擦トルクにより回転せずに静止している。よって、遊星コロ55は回転軸51aの周りに自転しながら、出力環51は光軸回りに回転する。このとき出力環51は駆動ギア環61の略半分の回転量で回転することになる。
一方、ユーザーがフォーカス操作環73を操作すると駆動環71が回転され、その摺動面71aに圧接されている遊星コロ55に駆動力が伝達されて、遊星コロ55は出力環51の回転軸51a周りに回転する。このとき像面側にある駆動ギア環61は第2波ワッシャー62との間で発生する摩擦トルクにより回転せずに静止している。よって遊星コロ55は回転軸51aの周りに回転し、出力環51は光軸回りに回転する。
ここで、前記差動機構6において、2群レンズL2を光軸方向に動かすために必要な出力環51の回転トルクをT1、手動焦点調整時に回転される駆動環71の駆動トルクをT2、自動焦点調整時に回転される駆動ギア環61の駆動トルクをT3、駆動環71と第1波ワッシャー72との間で発生する摩擦トルクをT2’、駆動ギア環61と第2波ワッシャー62との間で発生する摩擦トルクをT3’、差動機構6の減速比をrとした場合、以下の関係が成り立つ必要がある。
rT1<T2
rT1<T3
T3<T2’
T2<T3’
一方でユーザーがフォーカス操作環73を操作する際の操作トルクは、駆動環71と第1波ワッシャー72との間で発生する静摩擦トルクと動摩擦トルクに因る。操作トルクは重すぎず、軽すぎず、適度なトルクとなることが望ましい。特許文献2の差動機構では摩擦トルクを与える押圧部材は本実施形態の第2波ワッシャーに相当する1つのみである。特に、自動焦点調整手段のアクチュエータに振動波モーターを採用している場合、ローターを付勢するための加圧部材が差動機構の遊星コロへ圧接するための押圧部材を兼ねているため、押圧部材の付勢力は振動波モーターが安定して動作するために必要な付勢力により決定されていた。よって、押圧部材の付勢力の決定には自由度は無く、操作環の操作トルクを適度なトルクに調整することは困難であった。
この実施形態1では、駆動環71と駆動ギア環61をそれぞれ別々の第1波ワッシャー72と第2波ワッシャー62で付勢しているため、各々独立して付勢力を調整することができる。前記したT1、T2、T3、T2’、T3’の条件を満たす範囲内であれば、例えば第1波ワッシャー72の付勢力を弱めに設定することで、フォーカス操作環73の操作トルクを軽めに設定することが可能である。
以上のようにして出力環51が回転すると、前記したように出力環51と一体の出力レバー52が回転し、さらにフォーカスレバー13にその回転が伝達し、これと一体のフォーカスカム環12が回転する。このフォーカスカム環12の回転により2群レンズ枠11が光軸方向に進退して焦点調整を行うことになる。このような図4Aに示した状態では、自動焦点調整と手動焦点調整が共に可能であるため、自動焦点調整により焦点調整したときに、ユーザーがフォーカス操作環73を操作すると、差動機構6を介して出力環51が回転する状態にある。
このような自動焦点調整時のフォーカス操作環73による差動機構6の移動を防止するための解除機構8を説明する。図7は解除機構8の部分分解斜視図であり、前記駆動環71の外径位置に円環状をした解除部材81が配設され、これを光軸方向に挟むように像面側に解除切換環82が、被写体側に押え環84が配設されている。なお、解除切換環82は前記出力環51の周囲を囲む光軸位置に配置されている。
前記解除切換環82は第2固定環92の内径位置において回転可能に保持されている。この解除切換環82が解除部材81と対向する面、すなわち軸方向の被写体側の面には円周方向に複数個(ここでは6個)の解除カム82aが形成されている。また、解除切換環82には後方に延伸する係合キー82bが設けられており、前記解除スイッチ85を支持している後述する解除スイッチ取付部材86の係合溝86aに係合している。これにより解除切換環82は解除スイッチ85に連結され、ユーザーが解除スイッチ85を円周方向に操作すると、これに連動して解除切換環82は光軸回りに回転する。
前記解除部材81は外周面に円周方向の3箇所に光軸方向に向けられた直進キー81aが設けられ、前記第2固定環92の内周面に設けられた縦溝92aに滑合していて、第2固定環92の内部において光軸回りの回転を規制されて直進可能に保持されている。また、解除部材81には前記解除切換環82の解除カム82aと光軸方向に対向する係合突起81bが設けられている。さらに、解除部材81の光軸方向の被写体側の面には全周にわたって、前記駆動環51に設けられて光軸方向の像面側に向けられた段差面(符号省略)に対向するようにリブ81cが形成されている。
前記押え環84は第2固定環92の前側部位にネジ等で固定されている。これら押え環84と解除部材81との間には円周方向の複数箇所において複数個(実施形態では6個)の圧縮コイルバネ83が介装されており、これらのバネ力によって解除部材81を光軸方向の像面側に向けて付勢している。この付勢により、解除部材81の係合突起81bは解除切換環82の解除カム82aに当接し、解除切換環82を付勢する。解除切換環82は解除部材81と第2固定環92の内周面に複数個設けられた押さえリブ92bとの間で保持されることになる。
前記解除スイッチ取付部材86は湾曲した板状に形成されており、導電ブラシ87と板バネ88が取り付けられている。これら導電ブラシ87と板バネ88は、レンズ鏡筒1の径方向についてみるとスイッチ取付部材86の板厚内に配設されている。この導電ブラシ87はレンズ鏡筒内に配設されている不図示のフレキシブルプリント基板に電気的に接触され、解除スイッチ85の回転位置を検出する。また、板バネ88はユーザーが解除スイッチ85を操作した際にスイッチの切り替わりを伝えるためのものであり、先端の曲げ部88aが第2固定環92の内周面に沿って移動されるそして、この移動に伴って当該内周面に形成されている谷部92c,92dに入り込むことでユーザーにクリック感としてスイッチの切り替わりを伝える。また、前記スイッチ取付部材86の内面の一部には、内径方向に突出したコ字型の凸壁に囲まれた係合溝86aが形成され、この係合溝86aに前記解除切換環82の係合キー82bが係合されている。これにより、解除スイッチ85と解除切換環82が連結される。
この解除機構8の動作について説明する。図7はレンズ鏡筒の上方側から解除機構8を仮想的に見た模式図であり、図8(a),(b)はそれぞれ図4Aと図4Bに対応する図である。図7、図4A及び図4Bを参照して説明する。
ユーザーが解除スイッチ85を操作して図8(a)に示す状態、すなわちレンズ鏡筒の上側にスライド操作されているときには、板バネ88の曲げ部88aが第2固定環92の内周面に形成されている谷部92cに係合しており、手動焦点調整が可能な状態となる。このとき、導電ブラシ87によってこの操作位置を検出することが可能である。
すなわち、図8(a)のように、解除スイッチ85が手動焦点調整が可能な位置に操作されると、解除切換環82は、解除カム82aと係合突起81bが当接しない位置まで回転される。そのため、解除部材81は圧縮コイルバネ83の付勢力により像面側に移動され、解除部材81のリブ81cは駆動環71の段差面から離間される。したがって、図4Aに示したように、駆動環71は第1波ワッシャー71の付勢力によって駆動環71の摺動面71aが遊星コロ55に圧接される。よって、ユーザーがフォーカス操作環73を操作すると出力環51が回転して手動にて焦点調整を行うことができる。
一方、図6(a)の状態から、図示は省略するが、解除スイッチ85が時計方向、すなわちレンズ鏡筒の下方に向けてスライド操作され、板バネ88の曲げ部88aが谷部92dの位置になると、手動焦点調整が解除された状態となる。図8(b)のように、解除スイッチ85が手動焦点調整を解除する位置に操作されると、解除切換環82は解除カム82aと係合突起81bが当接する位置に回転される。そのため、図4Bに示すように、解除部材81は圧縮コイルバネ83の付勢力に抗して被写体側に移動され、解除部材81のリブ81cは駆動環71の段差面に当接する。これにより、駆動環71は第1波ワッシャー71の付勢力に抗して被写体側に移動され、駆動環71の摺動面71aは遊星コロ55から離間される。よって、ユーザーがフォーカス操作環73を操作しても出力環51が回転することはなく、手動焦点調整を行うことができなくなる。
なお、導電ブラシ87により解除スイッチ85が解除位置まで操作されたことを検出したときに、説明を省略した制御回路においてフォーカスモーター3への通電を遮断して自動焦点調整による焦点調整を禁止する。
実施形態1では、解除スイッチ85をレンズ鏡筒の周方向に操作することによってフォーカス操作環73による操作を可能とし、あるいはこれを解除する構成となっている。そのため、解除スイッチ85を光軸方向に操作する場合に比較して、撮像時における操作性が向上するとともに、操作時における撮像装置の保持が安定なものになる。
また、実施形態1では、手動焦点調整を解除する際には、解除部材81が駆動環71を押動して駆動環71と遊星コロ55との接続を解除する構成としたことにより、フォーカス操作環73の回転位置に因らず任意の位置で解除が実行でき、特許文献1において生じていたようなフォーカス操作環73の微小回転に伴う焦点位置のずれを防止することができる。さらに部品公差から生じるガタも関係ないので確実に焦点位置のずれを防止することができる。
さらに、実施形態1では、手動焦点調整の解除時には、駆動環71が被写体側に移動されて第1波ワッシャー72がより押し込まれた圧縮状態となるため、第1波ワッシャー72の弾性復帰力が増大する。したがって、フォーカス操作環73を操作する際の回転トルクが増えるので、ユーザーはフォーカス操作環73の操作力の増大から感覚的に解除されたことが分かり易くなる。
また、手動焦点調整の解除時においても、出力環51の遊星コロ55は自動焦点調整を行うための駆動ギア環61の摺動面61aに圧接された状態とされている。これにより、解除時にレンズ鏡筒1に振動等が加わった場合でも出力環51が不用意に回転してしまうことはなく、確実に焦点位置のずれを防止することができる。
このように、解除スイッチ85を操作することにより解除切換環82を回転し、この回転により解除部材81を光軸方向に移動させることによって差動機構6における手動焦点調整手段5の接続が解除される。このことから、解除スイッチ85と、これを支持している解除スイッチ取付部材86は、差動機構6における接続とその解除を制御する解除機構8を操作するための操作部、すなわち解除状態を切り換える切換手段として構成される。すなわち、解除スイッチ85は解除スイッチ取付部材86及びこれに設けられている導電ブラシ87と板バネ88とともに、解除機構8及びこれに連動して制御される差動機構6を含めたレンズ鏡筒1の可動機構を制御するための操作部として構成されていることになる。
図1(a)から判るように、操作部の解除スイッチ85は第2固定環92の周面に配設されており、同様に距離表示部の表示窓41も第2固定環92の周面に配設されている。特に、解除スイッチ85は表示窓41に近い位置で、かつユーザーが操作し易いレンズ鏡筒1の左側面に配設されている。また、図6(a)から判るように、操作部の解除スイッチ取付部材86は、周方向の一部にのみ解除切換環82と連結されている連結部、すなわち係合キー82bに係合している係合溝86aが設けられている。この係合溝86aが差動機構6の出力環51の外周面と第2固定環92の内周面との径方向の間隙内に配設されており、この間隙内には距離表示部の距離表示体42と表示板43も配設されている。
したがって、解除機構8に連結されている操作部の係合溝86a、すなわち本発明における連結部(以下、連結部86aと称する)と、距離表示部の距離表示体42はレンズ鏡筒1の径方向に重なる位置に配設されている。換言すれば、レンズ鏡筒の内部の可動機構である解除機構8に機械的に連結されている操作部の解除スイッチ取付部材86のうち連結部86aと、距離表示体42を含む距離表示部は互いに径方向に重なる位置に配設されていることになる。これに対し、解除スイッチ取付部材86の連結部86a以外の部位は、距離表示体42とは径方向に外れた位置、すなわち外径側の位置に配設されている。
操作部がこのように構成されることで、図6(a)のように、レンズ鏡筒1が無限端に合焦しているときには、出力環51は時計方向に最大に回転しており、距離表示体42に設けた表示板43の距離表示の無限遠表示が距離窓41を通して視認される。このとき、距離表示体42の時計方向側の端部は解除スイッチ取付部材86の一部と周方向に重なるが、連結部86aの位置には移動されておらず、両者が干渉することはない。
図6(b)はレンズ鏡筒1が至近端で合焦しているときの図6(a)と同様の断面図であり、このときには、出力環51は反時計方向に最大に回転しており、距離表示体42の至近距離表示が距離窓41を通して視認される。このとき、距離表示体42は解除スイッチ取付部材86から離れる方向に移動されているため、両者が干渉することは全くない。このとき、1つの遊星コロ55が時計方向から解除スイッチ85に向けて移動されてくるが、この遊星コロ55が解除スイッチ取付部材86にまで到達することはない。したがって、レンズ鏡筒1において無限端から至近端にわたって合焦を行うべく出力環51が回転されても、出力環51及びこれに設けられている距離表示体42と遊星コロ55が解除スイッチ取付部材86に干渉することはない。
このように、距離表示部と操作部をレンズ鏡筒1の周面の光軸方向に重なる位置に配設することにより、レンズ鏡筒1の光軸方向の長さを縮小できる。また、距離表示部の距離表示体42と、操作部のスイッチ切換部材86の連結部86aをレンズ鏡筒1の径方向に重なる位置に配設しているので、スイッチ切換部材86の全体が径方向に重なる構成に比較して、距離表示体42が所定量だけ移動(回転)してもスイッチ切換部材86と干渉することを抑制し、解除スイッチ85を表示窓41に近接した位置に配設することができ、解除スイッチ85の操作性が改善される。距離表示体42の移動によって、スイッチ切換部材86が距離表示体42と周方向に重なる状態が生じても、当該スイッチ切替部材86は、連結部86a以外の厚みの小さい部位が距離表示体42と周方向に重なるのみであるので、レンズ鏡筒1の外径寸法の増大が抑制できる。したがって、操作部材の操作性を高めた小型のレンズ鏡筒が実現でき、当該レンズ鏡筒を備えるカメラ等の撮像装置の小型化が実現できる。
本発明は、レンズ鏡筒に距離表示部と、レンズ鏡筒の内部に設けられている可動部材を操作するための操作部を配設するレンズ鏡筒であれば適用できるので、次の実施形態2,3のようなレンズ鏡筒にも適用できる。
(実施形態2)
図9Aは、実施形態1における解除切換環82と解除部材81を一体化した解除切換環部材82Aとして構成した実施形態2の断面図である。実施形態1と等価な部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。実施形態2では、図10に解除切換環部材82Aの斜視図を示すように、解除切換部材82Aの像面側の面にテーパ状の解除カム82aを設ける。また、この解除カム82aと光軸方向に対向している第2固定環92の光軸方向に向けられた面に係合突起92bを設ける。これら解除カム82aと係合突起92bは解除切換環部材82Aの回転位置の変化により係合し、あるいは係合しない状態とされる。そして、解除切換環部材82Aは光軸方向に若干移動できる状態で第2固定環92の内径位置に内装されるとともに、押え環84との間に介装された圧縮コイルバネ83により像面側に付勢される。この圧縮コイルバネ83は、第3波ワッシャーで構成してもよい。これにより、解除カム82aは係合突起92bに当接する方向に付勢される。
この実施形態2では、解除スイッチ85を周方向に操作したときには、図9Aのように、解除切換環部材82Aは周方向に回転し、解除カム82aが係合突起92bに当接し、あるいは当接しない状態となる。解除カム82aが係合突起92bに当接しないときには、解除切換環部材82Aは圧縮コイルバネ83の付勢力により像面側の位置にある。また、第1波ワッシャー72により駆動環71は像面側に押圧されている。これにより、駆動環71の摺動面71aは遊星コロ55に圧接される。したがって、ユーザーがフォーカス操作環73を操作すると出力環51が回転して手動による焦点調整を行うことができる。
一方、解除スイッチ85の操作により解除カム82aが係合突起92bに当接したときには、図9Bのように、解除切換環部材82Aは圧縮コイルバネ83の付勢力に抗して被写体側に移動され、駆動環71を被写体側に移動する。これにより、駆動環71の摺動面71aは遊星コロ55から離間され、解除状態となる。したがって、ユーザーがフォーカス操作環73を操作しても出力環51が回転せず、手動による焦点調整ができなくなる。
この実施形態2では、1つの解除切換環部材82Aで駆動環71を光軸方向に移動して差動機構6との接続、解除を行うことができるので、レンズ鏡筒1の部品点数の削減を図り、レンズ鏡筒1の小型化に有利となる。また、実施形態2においても、図示は省略するが、実施形態1と同様に解除スイッチを含む操作部を、距離窓や距離表示体を含む距離表示部を光軸方向及び径方向の重なる位置に配設することにより、レンズ鏡筒の小型化が実現できる。
(実施形態3)
図11Aは、実施形態1における解除切換環82と解除部材81をカム溝構造により構成した実施形態3の断面図である。実施形態1と等価な部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。実施形態3では、解除切換環82は筒状に形成されるとともに、その周面にカム溝82cが設けられる。解除部材81は解除切換環82の内径側に配設され、その一部に前記カム溝82cに係合するローラー81dが設けられる。さらに、駆動環71には補助駆動環71Aがネジにより光軸方向に連結されており、これら駆動環71と補助駆動環71Aとで解除部材81の一部を光軸方向に挟持している。駆動環71は像面側の摺動面71aが遊星コロ55に対向配置され、補助駆動環71Aはフォーカス操作環73に係合されている。なお、ここでは実施形態1の第1波ワッシャー72は設けられていない。
実施形態3では、解除スイッチ85を操作して解除切換環82を回転すると、図11Aのように、カム溝82cとローラー81dとの滑合により解除部材81は光軸方向の像面側に移動する。これにより、解除部材81を挟持している駆動環71と補助駆動環71Aも像面側に移動する。したがって、カム溝82cの形状を適宜に設計することにより、解除スイッチ85を手動焦点調整が可能な位置に操作したときには、駆動環71は像面側に移動して摺動面71aが遊星コロ55に圧接され、フォーカス操作環73による手動焦点調整が可能になる。
一方、解除スイッチ85を手動焦点調整を解除する位置に操作したときには、図11Bのように、解除切換環82の回転に伴うカム溝82cとローラー81dとの滑合によって解除部材81は被写体側に移動し、これと一体的に駆動環71と補助駆動環71Aは被写体側に移動する。これにより、駆動環71の摺動面71aが遊星コロ55から離間され、フォーカス操作環73による手動焦点調整ができなくなる。このとき、第2波ワッシャー62により駆動ギア環61が被写体側に移動される。実施形態3では、実施形態1,2のような後側支持環53の溝53aと球54が設けられていないため、駆動ギア環61の当該移動に伴い出力環51も被写体側に移動されるが、出力環51の被写体側の端面51aが第2支持環57に当接されるため、移動が制限され、前記した駆動環71が遊星コロ55から離間された状態が保たれる。
この実施形態3においても、図示は省略するが、実施形態1と同様に、解除スイッチを含む操作部を、距離窓や距離表示体を含む距離表示部と光軸方向及び径方向の重なる位置に配設することにより、レンズ鏡筒の小型化が実現できる。
本発明における操作部は実施形態1〜3に記載した解除スイッチに限られるものではなく、レンズ鏡筒の内部機構を切り替えるための操作部であれば適用できる。したがって、操作部の操作により可動される可動部材も実施形態1〜3の部材に限定されるものではない。また、本発明における表示部は、実施形態1に記載したような合焦距離を表示する距離表示部に限られるものではなく、ズーミング(レンズ焦点距離)を表示する焦点距離表示部、さらにはレンズ絞り値を表示する絞り表示部として構成されてもよい。
本発明は以上説明した交換レンズ等のレンズ鏡筒に限られるものではなく、カメラボディに一体化されたレンズ鏡筒にも適用できる。また、静止画撮影用カメラのレンズ鏡筒に限られるものではなく、動画撮影用カメラのレンズ鏡筒、さらにデジタル撮像装置用のレンズ鏡筒にも適用できる。さらに、本発明は、このレンズ鏡筒を交換レンズとして、あるいは、装置本体に一体的に組み込んだカメラあるいは動画撮影用の撮像装置として構成された形態を含むものであることは言うまでもない。
1 レンズ鏡筒
2 カメラボディ
3 フォーカスモーター(アクチュエータ)
4 自動焦点調整機構
5 手動焦点調整機構
6 差動機構
8 解除機構(可動機構)
9 操作部
41 距離窓(表示部)
42 距離表示体(表示部)
43 表示板
51 出力環
55 遊星コロ
61 駆動ギア環
71 駆動環
73 フォーカス操作環(手動焦点調整環)
81 解除部材
82 解除切換環
85 解除スイッチ(操作部:切換手段)
86 解除スイッチ取付部材(操作部)
L1〜L5 群レンズ

Claims (7)

  1. 光学系の調整を行うための可動機構を備え、
    当該可動機構に連結部を介して連結され、当該可動機構を制御するための操作部と、
    前記光学系の調整状態を表示する際に移動される表示体を有する表示部を備えるレンズ鏡筒であって、
    前記操作部と前記表示部はレンズ鏡筒の光軸方向に重なる位置において光軸回り方向に並んで配設され、
    前記操作部の前記連結部と、前記表示部の前記表示体はレンズ鏡筒の径方向に重なる位置に配設され、
    前記可動機構はレンズ鏡筒内において光軸回りに回転する環部材を含み、
    前記表示部の前記表示体は当該環部材の外周面に配設され
    前記操作部の前記連結部は前記環部材の外周面に沿った外径位置に配設され、
    前記操作部の前記連結部は前記環部材が回転したときに前記表示体が移動しない周方向の領域に設けられていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記可動機構は前記光学系の合焦位置を調整する機構であり、前記表示部は当該光学系の合焦位置を表示するための距離表示部として構成され、前記表示体は距離表示が付された距離目盛体として構成される請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記可動機構は前記光学系の手動焦点調整手段と自動焦点調整手段をそれぞれ入力部とする差動機構を含み、前記環部材は当該差動機構の出力環として構成され、前記操作部は前記手動焦点調整手段の接続状態を解除する解除スイッチとして構成される請求項2に記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記出力環はレンズ鏡筒の周方向の少なくとも一部に遊星コロを支持しており、前記操作部は出力環が回転したときに当該遊星コロが移動しない領域に配設されている請求項3に記載のレンズ鏡筒。
  5. レンズ鏡筒の固定環には前記光軸方向に重なる位置でかつ前記周方向に並んだ位置に2つの開口が開設され、一方の開口には前記表示体の周面に記された距離表示を視認するための距離窓が配設され、他方の開口には前記解除スイッチが配設される請求項3又は4に記載のレンズ鏡筒。
  6. 光学系の焦点調整を行う可動機構と、
    当該可動機構により自動焦点調整と手動焦点調整を切り換える切換手段と、
    前記光学系の焦点調整状態を表示するための表示部を備えるレンズ鏡筒であって
    前記切換手段と前記表示部はレンズ鏡筒の光軸方向に重なる位置に配設され、
    かつ前記切換手段と前記表示部は一部がレンズ鏡筒の径方向に重なる位置に配設され、
    前記可動機構はレンズ鏡筒内においてレンズ鏡筒の光軸回りに回転する環部材を含み、
    前記表示部は当該環部材の外周面に配設され
    前記切換手段は前記環部材の外周面に沿った外径位置に配設され、
    前記切換手段は前記環部材が回転したときに前記表示部が移動しない周方向の領域に設けられていることを特徴とするレンズ鏡筒。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のレンズ鏡筒を備える撮像装置。
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