JP6790850B2 - 連続鋳造鋳片の表層欠陥処理方法 - Google Patents
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Description
特許文献1では、赤色光を自発光する高温鋳片の疵検査技術として、自発光と干渉しない短波長光源を用いて光切断法によって被検査体表面の凹凸情報を取得すると共に、被検査体の表面輝度画像情報を取得し、これら双方の情報に基づいて被検査体表面の凹凸疵を検査する技術が開示されている。これにより、被検査体表面に模様やスケールがあっても精度のよい検査が可能になるとされている。
特許文献2では、被検査材表面を撮像して疵有無の一次判定を行い、一次判定で疵有り二次検査要と判定されたものについて画像表示装置に画像を表示し、判定員が表示された画像を観察して疵有無の二次判定を行う技術が開示されている。これにより、本来合格とすべき被検査材を疵有り不合格とする過検出、及び本来疵有り不合格とすべき被検査材を合格としてしまう未検出をともに極少にして精度の高い疵検査を行うことが可能になるとされている。
特許文献3では、周波数10MHz以上の超音波を用いて垂直超音波探傷法により鋳片の内部に存在する非金属介在物又は気泡を検査するに際して、鋳片の表面を研削して鋳片の表面に対して0.03〜0.2ラジアンの傾斜角を有する傾斜平面を形成し、該傾斜平面上で探触子を走査して超音波探傷を行う技術が開示されている。これにより、鋳片の表面から20mm程度迄に存在する非金属介在物等の欠陥の深さ方向の分布を簡便かつ迅速に検査することが可能になるとされている。
特許文献1や特許文献2に記載の技術は、高温のままの連続鋳造鋳片表面に発生した疵を見つけることはできるものの、鋳片段階では表面に露出しておらず熱間圧延時に表面疵発生の原因となる、連続鋳造鋳片の表層部に存在する非金属介在物に起因する欠陥(以下、「介在物系欠陥」と呼ぶ。)を捉えることはできない。
また、特許文献3記載の技術は、鋳片の表面から20mm程度迄に存在する非金属介在物の検査が可能であるが、連続鋳造した鋳片を一旦常温まで冷却することが必要であり、高温のままの鋳片の疵検査は不可能である。
予め鉄鋼製品ごとに、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させるための幅圧下比を求め、前記連続鋳造設備から排出される鋳片を前記幅圧下比で幅圧下し、前記幅圧下された鋳片の表面を検査し、前記検査によって発見された前記鋳片の表面疵を除去することを特徴としている。
α≧K/(d/t)+1 (1)
ここで、α:製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させるための幅圧下比、K:定数、d:鉄鋼製品時の疵幅[mm]、t:鋳造時換算疵深さ[mm]
また、介在物系欠陥を表面に露出させることにより疵の有無が判断できるので、疵部位の部分手入れを行うだけでよく、歩留ロスを最小限に抑えることができる。
製品時の表面疵となる介在物系欠陥は、表面に露出していないため、鋳片段階の検査において発見することは従来、不可能であった。その結果、次工程(例えば熱間圧延工程)において、鉄鋼製品に表面疵として顕在化し、品質/歩留の観点から悪影響を及ぼしていた。その対策として、介在物系欠陥の発生部以外も含む鋳片表面全面にスカーフィングを行うことで、鋳片表面〜数mmの範囲での欠陥除去を図っており、過剰対応によって歩留ロスを招いている。
そこで、本発明では、この介在物系欠陥を鋳片段階にて表面に露出させることにより、表面疵発現部位のみを精整する技術を提案する。
従来例1は、鋳片表面のみ検査する方法であるため、鋳片表面に露出していない介在物系欠陥を発見することができず、鉄鋼製品において表面疵が発現している。
また、従来例2は、鋳片表層部を全てスカーフィングする方法である。従来例2では、製品品質が厳格な対象に対して、熱間圧延工程で表面疵の原因となる介在物系欠陥の有無に関わらず溶削除去を行うことによって製品品質を維持するが、鉄分ロスが多大であり、歩留の観点から好ましくない。
一方、本発明では、連続鋳造設備から排出される鋳片を幅圧下することによって、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させる。そして、グラインダー等により介在物系欠陥周辺のみを熱間精整(除去)するので、製品品質を維持しつつ歩留ロスを最小限に抑えることができる。
図4(A)〜(C)は、介在物系欠陥によって鉄鋼製品に発生する表面疵を模式的に示したものである。鋳片段階では表層部に埋没していた介在物系欠陥が熱間圧延によって表面に露出して表面疵になることを示している。表面疵の幅は、介在物系欠陥のサイズとほぼ同じである。
同図より、疵幅が大きいほど、即ち介在物系欠陥のサイズが大きいほど、深い位置のものまで表面疵となることがわかる。また、同じ介在物系欠陥でも製品によって表面疵となる深さが変わることがわかる。
幅圧下による介在物系欠陥の露出の有無が製品Aでは実線で示す境界線、製品Bでは破線で示す境界線で区別できる。それぞれの境界線よりも大きな幅圧下比の幅圧下を鋳片に加えることで、熱間圧延で発生する介在物起因の表面疵を鋳片段階で発現させることが可能となる。
図6に示す表面疵を鋳片段階で発現させることができる領域は、(2)式のように表現できる。本発明では、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させるための幅圧下比を(2)式を用いて求める。
α≧K/(d/t)+1 (2)
ここで、α:製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させるための幅圧下比、K:定数、d:鉄鋼製品時の疵幅[mm]、t:鋳造時換算疵深さ[mm]
d/tとKをそれぞれ(2)式に代入して、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させるための幅圧下比αを求めると、鉄鋼製品Aではα≧1.46、鉄鋼製品Bではα≧1.21となる。
本発明の一実施の形態に係る連続鋳造鋳片の表層欠陥処理方法を実施する、連続鋳造鋳片の表層欠陥処理設備10のブロック図を図2に示す。連続鋳造鋳片の表層欠陥処理設備10は、連続鋳造設備14と熱間圧延設備15の間のラインに設置されており、連続鋳造設備14から排出される鋳片を幅圧下する幅圧下装置11と、幅圧下装置11で幅圧下された鋳片の表面を検査する検査装置12と、検査装置12によって発見された鋳片の表面疵を除去する精整装置13とを備えている。
また、本実施の形態では、連続鋳造設備14から排出された鋳片を、連続鋳造鋳片の表層欠陥処理設備10に搬送する前に加熱できるように、加熱炉16が設置されている。
なお、熱間圧延設備15には、熱間圧延前に鋳片を加熱する加熱炉を含む。
(1)連続鋳造工程(ST10):連続鋳造設備14を用いて鋳片を製造する。
(2)加熱工程(ST12):連続鋳造設備14によって製造された鋳片の温度が1080℃未満の場合、加熱炉16に鋳片を投入し、1080℃以上に加熱する。
(4)検査工程(ST13):幅圧下された鋳片の表面を検査装置12を用いて検査する。検査方法としては、特許文献1や特許文献2に記載されている方法を用いることができる。高温状態にある鋳片は赤熱しているため、その自発光と干渉しない短波長の光源(青色)を用いることが有効である。
(6)熱間圧延工程(ST15):検査装置12から直接、あるいは精整装置13によって精整された後、熱間圧延設備15に鋳片が搬送され、加熱された後、熱間圧延される。
実施例三条件と従来例一条件について検証試験を実施した。その結果を表1に示す。
実施例では、加熱炉にて1080℃に昇温した鋳片を表1に示す幅圧下比で幅圧下を行った後、鋳片表面の疵検査を熱間で行った。一方、従来例では幅圧下を行わず、鋳片表面の疵検査を熱間で行った。そして、疵を確認した鋳片については熱間精整による部分手入れを行った後、疵が発見されなかった鋳片については精整工程を経ることなく、熱間圧延工程へ払い出した。
・従来例の場合、幅圧下しなかったため、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を露出させることができず、熱間圧延で多数の表面疵が発生した。
・実施例1の場合、鋳片段階の幅圧下を行ったことで介在物系欠陥の一部を露出させ除去することができたが、幅圧下比が1.42未満であったため、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を全て露出させることができず、製品時に表面疵が若干発生した。
・実施例2及び3の場合、幅圧下比が1.42以上であったため、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を全て露出させることができ、製品時に表面疵が発生しなかった。
Claims (2)
- 連続鋳造設備と熱間圧延設備の間のラインに設置され、前記連続鋳造設備から排出される鋳片を幅圧下する幅圧下装置と、前記幅圧下装置で幅圧下された鋳片の表面を検査する検査装置と、前記検査装置によって発見された前記鋳片の表面疵を除去する精整装置とを備える、連続鋳造鋳片の表層欠陥処理設備を用いて鋳片の表層部に存在する介在物系欠陥を発見して除去する方法であって、
予め鉄鋼製品ごとに、製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させるための幅圧下比を求め、前記連続鋳造設備から排出される鋳片を前記幅圧下比で幅圧下し、前記幅圧下された鋳片の表面を検査し、前記検査によって発見された前記鋳片の表面疵を除去することを特徴とする連続鋳造鋳片の表層欠陥処理方法。 - 請求項1記載の連続鋳造鋳片の表層欠陥処理方法において、前記幅圧下比は(1)式で求めることを特徴とする連続鋳造鋳片の表層欠陥処理方法。
α≧K/(d/t)+1 (1)
ここで、α:製品時の表面疵となる介在物系欠陥を鋳片表面に露出させるための幅圧下比、K:定数、d:鉄鋼製品時の疵幅[mm]、t:鋳造時換算疵深さ[mm]
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JP2017005186A JP6790850B2 (ja) | 2017-01-16 | 2017-01-16 | 連続鋳造鋳片の表層欠陥処理方法 |
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