JP6790694B2 - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの製造方法に関する。
光ファイバ用のガラス母材を加熱して線引して細径のガラスファイバとし、その外周に樹脂を被覆して光ファイバを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。ITU−T勧告G652A規格等では、通信用のシングルモード光ファイバの特性として、被覆樹脂に対するガラスファイバの偏心量の上限値(12.5μm)が定められている。光ファイバの線引中に、被覆樹脂に対するガラスファイバの偏心量が規格を外れていることに気付かないまま線引を完了させてしまうと、多量の製品不良を発生させてしまう。
例えば、特許文献1〜3には、光ファイバの被覆樹脂の偏肉を評価する技術として、線引工程中の光ファイバに対して側方からレーザ光を照射して偏肉の度合を測定することが記載されている。また、特許文献4,5には、線引工程中に被覆後の光ファイバの偏心を測定し、樹脂塗布装置に入線するガラスファイバの軸心と樹脂塗布装置の軸心とを合わせるように相互の位置を調整することが記載されている。また、特許文献6には、被覆ファイバの同心円性を監視し、樹脂塗布装置の傾きを調整することにより、ファイバ被覆に同心円性をもたせることが記載されている。
特開昭60−238737号公報 特開平4−315939号公報 特開平4−319641号公報 特開2000−109347号公報 特開昭62−52143号公報 特開昭61−91047号公報
光ファイバの線引工程において、ガラスファイバの外周に樹脂を均等に塗布するには、樹脂塗布装置内において、樹脂がガラスファイバの全周に均等に流れ込んで塗布されることが必要である。しかし、上記特許文献1〜6の技術を採用しただけでは、必ずしも光ファイバの被覆樹脂の偏肉を抑制できないことがあった。
そこで、本発明の目的は、光ファイバの被覆樹脂の偏肉を抑制することが可能な光ファイバの製造方法を提供することにある。
本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、光ファイバ用のガラス母材を加熱して線引して細径のガラスファイバとし、その外周に樹脂を被覆して光ファイバを製造する方法であって、
前記ガラスファイバの外周に塗布された樹脂の偏肉量を測定する測定工程と、
前記測定工程の測定結果と、前記ガラスファイバの外周に塗布する樹脂の粘度とに基づいて、塗布する樹脂の偏肉量調整を行う調整工程と、を含む。
本発明によれば、光ファイバの被覆樹脂の偏肉を抑制することが可能な光ファイバの製造方法を提供できる。
光ファイバの製造装置の一例として線引きされたガラスファイバに被覆を形成する装置の概略構成図である。 偏肉量測定部の一例を示す概略断面図である。 本実施形態の光ファイバの製造方法で使用する樹脂塗布装置および樹脂塗布装置制御部の一例を示す概略構成図である。 (a)は検証実験で使用したロットA、ロットBの樹脂粘度の温度特性を示すグラフであり、(b)は(a)の一部を拡大した図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態を列記して説明する。
本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、
(1) 光ファイバ用のガラス母材を加熱して線引して細径のガラスファイバとし、その外周に樹脂を被覆して光ファイバを製造する方法であって、
前記ガラスファイバの外周に塗布された樹脂の偏肉量を測定する測定工程と、
前記測定工程の測定結果と、前記ガラスファイバの外周に塗布する樹脂の粘度とに基づいて、塗布する樹脂の偏肉量調整を行う調整工程と、を含む。
塗布する樹脂の粘度に応じて偏肉量調整を行うことにより、塗布する樹脂のロットが変わった場合などでも従来に比べて高精度の偏肉量調整を行うことができる。したがって、光ファイバの被覆樹脂の偏肉を抑制することが可能となる。
(2) 前記調整工程は、前記ガラスファイバの外周に樹脂を塗布するための樹脂塗布装置の位置、前記樹脂塗布装置の傾き、前記樹脂塗布装置における樹脂塗布圧力、および前記樹脂塗布装置における樹脂温度、の少なくとも一つを調整することで前記偏肉量調整を行う。
樹脂の粘度に基づいて、樹脂塗布装置の位置、樹脂塗布装置の傾き、樹脂塗布装置における樹脂塗布圧力、および樹脂塗布装置における樹脂温度の少なくとも一つを調整することで、偏肉量調整を高精度に行いやすい。
(3) 前記ガラスファイバの外周に塗布する樹脂のロットを変更する際に、変更後のロットの樹脂における粘度の温度依存性データに基づき、所望の樹脂粘度となるよう樹脂温度を調整する工程を含む。
樹脂のロットによって粘度の温度依存性が異なる場合が多く、樹脂のロットを変更すると偏肉量調整の条件が変化してしまうが、所望の樹脂粘度となるよう樹脂温度を調整することで、偏肉量調整の条件を最適化して偏肉量調整を高精度に行いやすくなる。
(4) 前記ガラスファイバの外周に塗布する樹脂のロットを変更する際に、または、前記ガラスファイバの外周に樹脂を塗布するための樹脂塗布装置をリセットした際に、前記樹脂塗布装置の位置、前記樹脂塗布装置の傾き、前記樹脂塗布装置における樹脂塗布圧力、および前記樹脂塗布装置における樹脂温度、をそれぞれ変動させた場合の偏肉量の応答性を確認する確認工程を含み、
前記確認工程で得られた偏肉量の応答性データを基に、前記調整工程を行う。
樹脂のロット変更後または樹脂塗布装置のリセット後には偏肉量調整の条件が変化してしまうが、樹脂塗布装置の位置、樹脂塗布装置の傾き、樹脂塗布装置における樹脂塗布圧力、および樹脂塗布装置における樹脂温度の変動に対する偏肉量の応答性を確認しておくことで、偏肉量調整を高精度に行いやすくなる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光ファイバの製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1は、光ファイバの製造装置の一例である線引装置の概略構成図である。
図1に示す光ファイバの製造装置1では、光ファイバ用のガラス母材2の下端部が、線引炉3で加熱、溶融され、ガラス母材2は線引きされる。ガラス母材2が線引きされて形成されたガラスファイバGは、ガラスファイバGの走行方向(図1中の矢印Aの方向)において線引炉3の下流に設けられた冷却装置4を通過する。冷却されたガラスファイバGは、冷却装置4の下流に設けられた樹脂塗布装置5を通過する。樹脂塗布装置5には、図示しない樹脂供給部から供給された液状の樹脂6が溜められている。そのため、ガラスファイバGが樹脂塗布装置5を通過することにより、ガラスファイバGの外周に樹脂6が塗布される。なお、製造される光ファイバ9の被覆層は二層以上であってもよい。例えば被覆層が二層の場合、プライマリー樹脂、セカンダリー樹脂の両方、或いはプライマリー樹脂が塗布されるものでもよい。
次に、樹脂6が塗布されたガラスファイバGは、樹脂塗布装置5の下流に設けられている樹脂硬化装置7を通過することで、表面に塗布された樹脂6が硬化する(例えば、樹脂が紫外線硬化樹脂であれば、樹脂硬化装置として紫外線照射装置等を使用する)。樹脂6が硬化することによって、被覆された光ファイバ9が形成され、この光ファイバ9は、偏肉量測定部10を通過する。そして、光ファイバ9は、偏肉量測定部10を通過した後、ガイドローラ8aおよび引取り部8bを経て巻取りドラム8cに巻き取られる。
光ファイバ9は、偏肉量測定部10を通過する際に、ガラスファイバGの外周に塗布された樹脂6によって形成された被覆層9bの偏肉量が測定される。図2は、偏肉量測定部の一例を示す概略断面図である。
偏肉量測定部10は、例えば図2に示すように、光ファイバ9の周囲に、走行方向(図1中の矢印Aの方向)に直交する二方向にそれぞれ設けられた照射部11と、受光部12とを備えている。偏肉量測定部10は、照射部11からガラスファイバ9aと被覆層9bとからなる光ファイバ9に光(例えば、レーザ光)を照射し、前方散乱光を受光部12で検出するなどにより偏肉量を測定する。偏肉量測定部10により、ガラスファイバ9aの位置が測定された場合、偏肉が全く無い場合のガラスファイバ9a’の中心位置C1とガラスファイバ9aの中心位置C2との距離である偏肉距離Dおよび偏肉角度θ(基準となる方向からの角度)を偏肉量とする。測定された光ファイバ9の偏肉量のデータは、樹脂塗布装置制御部20に送信される。偏肉量調整部21は、測定された偏肉量に基づいて樹脂塗布装置5を制御する。
次に、樹脂塗布装置制御部20および樹脂塗布装置5について説明する。
図3は、樹脂塗布装置制御部および樹脂塗布装置の一例を示す概略構成図である。図3に示すように、樹脂塗布装置制御部20は、偏肉量調整部21と、樹脂塗布装置5の位置を制御する位置制御部22と、樹脂塗布装置5に供給する樹脂の圧力を制御する樹脂供給圧力制御部23と、樹脂塗布装置5における樹脂温度を制御する温度制御部24と、樹脂塗布装置5の傾きを制御する傾き制御部25とを有する。
偏肉量調整部21は、偏肉量測定部10によって測定された偏肉量と、ガラスファイバGの外周に塗布する樹脂6の粘度とに基づいて、塗布する樹脂6の偏肉量調整を行うように、位置制御部22、樹脂供給圧力制御部23、温度制御部24、傾き制御部25のうち少なくとも一つを制御する。なお、これらの制御部による制御の詳細は後述する。
樹脂塗布装置5は、例えば図3に示す構成を有する。図3において、樹脂塗布装置5は、ガラスファイバGの周囲に樹脂6を塗布するダイス61と、ダイス61を支持するダイスホルダ53と、ガラスファイバGをダイス61に導くポイント52とを備えている。
ポイント52は、ガラスファイバGを通すためのテーパ状の通し孔51が中央部に形成されている。ポイント52の上端外周縁部には、ダイスホルダ53の上端部に形成された段部54に摺動自在に載置される環状のフランジ部55が形成されている。ダイスホルダ53の上端には、中央部に開口56が形成された封板57が取り付けられている。この封板57とダイスホルダ53の段部54とによって、ポイント52のフランジ部55が緊密に挟まれた状態となる。これによって、ポイント52がダイスホルダ53から抜け外れないように保持される。
ダイスホルダ53に対し、ガラスファイバGの走行方向(図中、上方から下方)と垂直な方向に変位し得るポイント52のフランジ部55の外周面には、それぞれ一直線状をなすように相互に180度隔てて対向する二組のポイント位置修正ねじ58の先端部が当接している。一方の組のポイント位置修正ねじ58の対向方向(図中、左右方向であり、以下、これをX方向と記述する)は、図示しない他方の組のポイント位置修正ねじの対向方向(図中、紙面に対して垂直な方向であり、以下、これをY方向と記述する)に対して90度位相がずれた状態となっている。
これらポイント位置修正ねじ58には、ダイスホルダ53に対するこれらポイント位置修正ねじ58のねじ込み量を調整することにより、ダイスホルダ53に対するポイント52の通し孔51の位置を修正するためのねじ駆動モータ59がそれぞれ連結されている。これらねじ駆動モータ59のポイント位置修正ねじ58の径方向の突出位置は、位置制御部22によってそれぞれ調整される。そして、ダイスホルダ53に対するポイント52の通し孔51のX方向およびY方向の位置を制御することができる。
また、ダイスホルダ53の下部には、下側ほど径が漸減するテーパ状のノズル60が中央部に形成されたダイス61がポイント52に対して隙間を隔てて収納されている。そして、ダイスホルダ53に囲まれたダイス61とポイント52との間の隙間が、樹脂溜め62として機能する。この樹脂溜め62に連通するようにダイスホルダ53の側壁部に形成された貫通孔63には、所定温度および所定圧に調整された樹脂6を樹脂溜め62に供給するための樹脂供給管64の先端部が接続されている。この樹脂供給管64の基端側は、図示しない樹脂供給源に接続されている。
ダイスホルダ53および樹脂供給管64は、温度制御部24により図示しないヒータを用いて温度が制御される。また、樹脂供給源から樹脂溜め62に供給される樹脂は、樹脂供給圧力制御部23によってその供給圧が制御される。
下端中央部に開口65が形成されたダイスホルダ53は、矩形の固定ステージ66に重ね合わされる矩形の可動ステージ67上に固定されている。これら固定ステージ66および可動ステージ67の四つの隅部のうちの一つは、球面継手(ピボット軸受)68を介して傾動自在に枢着されている。これら固定ステージ66と可動ステージ67との間には、これらが相互に重なり合うように付勢する図示しないばねが介装されている。これら固定ステージ66および可動ステージ67の中央部には、ガラスファイバGを通すための開口69,70がそれぞれ形成されている。また、可動ステージ67には、固定ステージ66との間隔を調整するための傾斜位置修正ロッド71をそれぞれ下向きに突設した二つのロッド駆動モータ72が、可動ステージ67の球面継手68が設けられた隅部に隣接する二つの隅部にそれぞれ設けられている。これらロッド駆動モータ72の傾斜位置修正ロッド71の突出量は、傾き制御部25によってそれぞれ調整される。そして、固定ステージ66に対する可動ステージ67の傾斜角度およびその傾斜方向を任意に制御することができる。
ところで、ガラスファイバGの外周に樹脂6を均等に塗布するには、樹脂塗布装置5内において、樹脂6がガラスファイバGの全周に均等に流れ込んで塗布されることが必要である。ところが、従来技術のように、樹脂塗布装置5に入線するガラスファイバGの軸心と樹脂塗布装置5の軸心とを合わせるように、相互の位置や角度を調整することのみでは、必ずしも光ファイバ9の偏肉を抑制できない場合があった。
本発明者は、樹脂塗布装置5内において、樹脂6がガラスファイバGの全周に均等に流れ込むか否かは、樹脂6の粘度が大きな因子になっているのではないかと考えた。この考察に基づき、本発明者は、樹脂温度を変えることで樹脂6の粘度を変えて光ファイバ9を製造する実験を行い、樹脂粘度によって偏肉量に違いが生じるか否かを検証した。
検証実験では、温度による粘度特性の異なる2ロットの樹脂(ロットA、ロットB)を用意し、製造装置1を用いて、ガラス母材2が線引きされて形成されたガラスファイバGの外周に、上記樹脂を塗布、硬化させることで光ファイバ9を製造した。そして、製造された光ファイバ9に対して偏肉量を測定した。
まず、この検証実験で使用したロットA、ロットBの樹脂粘度の温度特性を図4に示す。図4の(a)はロットA、ロットBの樹脂粘度の温度特性を示すグラフであり、図4の(b)は図4の(a)の一部を拡大した図である。
(実験例1)
まず、実験例1として、ロットAの樹脂を用いて、樹脂温度を30.0℃となるように加熱し、光ファイバ9を製造した。このときの樹脂粘度は3.1Pa・sである(図4の(b)参照)。ロットAで線引き中に、樹脂塗布装置5の位置及び傾きの調整を実施し、ガラスファイバGの被覆部に対する偏心が無くなるように調整を行って、光ファイバ9を製造した結果、偏肉距離Dが0.5μmの光ファイバ9が得られた。
(実験例2)
次に、実験例2として、製造設備の状態を変えずに、樹脂のロットをロットAからロットBに入れ替え、樹脂温度を30.0℃となるように加熱し、光ファイバ9を製造した。このときの樹脂粘度は3.3Pa・sである(図4の(b)参照)。製造された光ファイバ9の偏肉距離Dは、9.2μmであり、光ファイバ9の偏肉量は大きく悪化した(偏肉距離Dが大きくなった)。
(実験例3)
実験例2に続けて、実験例3を行った。樹脂の粘度が上記実験例1の場合と同じになるように、樹脂のロットBを用いて、温度を30.0℃から30.7℃に上げて光ファイバ9の製造を続けた。このときの樹脂粘度は3.1Pa・sである(図4の(b)参照)。その結果、得られた光ファイバ9の偏肉距離Dは0.8μmと大幅に改善し、実験例1で得られた光ファイバ9とほぼ同等の偏肉量であった。
以上の実験結果により、ガラスファイバGの外周に塗布する樹脂6の粘度が、光ファイバ9の偏肉量に影響することが検証された。本実施形態に係る光ファイバの製造方法は、以上のような実験および考察に基づくものであり、偏肉量の測定結果と樹脂6の粘度に基づいて、樹脂塗布装置5において樹脂6がガラスファイバGの全周に均等に流れ込んで塗布されるように制御して、光ファイバ9を製造するものである。
以下、本実施形態に係る光ファイバの製造方法について説明する。
本実施形態に係る光ファイバの製造方法は、光ファイバ用のガラス母材2を加熱して線引して細径のガラスファイバGとし、その外周に樹脂6を被覆して光ファイバ9を製造する方法である。そして、本実施形態に係る光ファイバの製造方法は、ガラスファイバGの外周に塗布された樹脂6の偏肉量を測定する測定工程と、測定工程の測定結果と、ガラスファイバGの外周に塗布する樹脂6の粘度とに基づいて、塗布する樹脂6の偏肉量調整を行う調整工程と、を有している。
(測定工程)
図1で示した光ファイバの製造装置1において、光ファイバ9が偏肉量測定部10を通過する際に、ガラスファイバGの外周に塗布された樹脂6によって形成された被覆層9bの偏肉量を測定する。例えば、図2で示す偏肉量測定部10により、照射部11からガラスファイバ9aと被覆層9bとからなる光ファイバ9に光(例えば、レーザ光)を照射し、前方散乱光を受光部12で検出することにより偏肉量(偏肉距離Dおよび偏肉角度θ)を測定する。
(調整工程)
調整工程は、上記測定工程の測定結果である偏肉量(偏肉距離Dおよび偏肉角度θ)と、ガラスファイバGの外周に塗布する樹脂6の粘度とに基づいて、塗布する樹脂6の偏肉量調整を行う。例えば、ガラスファイバGの外周に樹脂を塗布するための樹脂塗布装置5の位置(後述の(a)参照)、樹脂塗布装置5の傾き(後述の(b)参照)、樹脂塗布装置5における樹脂塗布圧力(後述の(c)参照)、および樹脂塗布装置5における樹脂温度(後述の(d)参照)、の少なくとも一つを調整することで偏肉量調整を行う。
ガラスファイバGへ塗布する樹脂6の粘度の変化によるガラスファイバGの樹脂塗布状態への影響を、以下の1、2の場合に分けて説明する。
1.樹脂6の粘度が高くなった場合
樹脂塗布装置5において、樹脂溜め62に供給された樹脂6のガラスファイバGの周囲への回り込み性が悪化する。これにより、ガラスファイバGにおける樹脂塗布状態は、樹脂供給管64側の側面では樹脂6が厚く塗布された状態となり、樹脂供給管64側の反対側の側面では樹脂6が薄く塗布された状態となる。
2.樹脂6の粘度が低くなった場合
樹脂塗布装置5において、樹脂溜め62に供給された樹脂6のガラスファイバGの周囲への回り込み性が良くなる。これにより、ガラスファイバGにおける樹脂供給管64側の反対側に樹脂6が塗布されやすくなる。
以上のような、ガラスファイバGへ塗布する樹脂6の粘度の変化によるガラスファイバGの樹脂塗布状態への影響に基づいた、偏肉量調整の各方法(a)〜(d)について、以下説明する。
(a)樹脂塗布装置5の位置
樹脂粘度が高い場合は、ガラスファイバGの位置が樹脂塗布装置5の中心にあるときよりも樹脂供給管64側に近づくように樹脂塗布装置5の位置を、位置制御部22によって調整する。これにより、ガラスファイバGにおける樹脂供給管64側の側面の樹脂塗布厚は薄くなり、反対側の樹脂塗布厚は厚くなる。樹脂粘度が高いことで生じる、樹脂塗布厚の変化を調整することができる。
樹脂粘度が低い場合、位置制御部22は、ガラスファイバGの位置を樹脂供給管64側に近づけないで、樹脂塗布装置5の中心付近に維持させる。
(b)樹脂塗布装置5の傾き
樹脂粘度が高い場合は、樹脂溜め62において樹脂供給管64側の反対側に回り込む樹脂6の量が少なくなるので、傾き制御部25によって樹脂供給管64側が高くなるように樹脂塗布装置5を傾ける。これにより、樹脂溜め62における樹脂供給管64側の反対側に樹脂6が回り込みやすくなる。
樹脂粘度が低い場合は、樹脂溜め62における樹脂供給管64側の反対側に樹脂6が回り込む量は少なくならないので、傾き制御部25によって樹脂塗布装置5の傾きを小さくする。
(c)樹脂塗布装置5における樹脂塗布圧力
樹脂粘度が高い場合は、樹脂6がガラスファイバGの周囲に回り込みづらくなるので、樹脂供給圧力制御部23によって樹脂塗布圧力を上げて樹脂6を強制的にガラスファイバGの周囲に均等に回り込むようにさせる。
樹脂粘度が低い場合は、樹脂6がガラスファイバGの周囲に回り込み易くなるので、樹脂供給圧力制御部23によって樹脂塗布圧力を下げる(樹脂塗布圧力を下げても、樹脂6はガラスファイバGの周囲に均等に回り込む)。
(d)樹脂塗布装置5における樹脂温度
樹脂粘度は、樹脂温度によって変化し、樹脂温度が高くなるほど樹脂粘度は低くなる。このため、樹脂粘度が変化した際に、樹脂6を温度制御部24によって樹脂粘度を調整できる。
樹脂粘度が高くなった場合は、温度制御部24により樹脂6の温度を上げるようにする。
樹脂粘度が低くなった場合は、温度制御部24により樹脂6の温度を下げるようにする。
以上の(a)〜(d)で説明したように、樹脂6の粘度に基づいて、樹脂塗布装置5の位置、樹脂塗布装置5の傾き、樹脂塗布装置5における樹脂塗布圧力、および樹脂塗布装置5における樹脂温度の少なくとも一つを調整することで、偏肉量調整を高精度に行いやすい。
また、ガラスファイバの外周に塗布する樹脂のロットを変更する際に、変更後のロットの樹脂における粘度の温度依存性データに基づき、所望の樹脂粘度となるよう樹脂温度を調整する工程を含むようにしてもよい。
例えば、上記樹脂温度を調整する工程は、以下のような運用を行う。まず、特定の製造設備においてターゲットとする所望の樹脂粘度を決める。所望の樹脂粘度が例えば3.1Pa・sであると想定し、上記製造設備における種々の製造パラメータの調整を実施する。そして、次の樹脂ロットが入荷した際に、上記所望の樹脂粘度となる温度に、温度制御部24を用いて温度調整を行って、ガラスファイバGに塗布される樹脂6の粘度が上記所望の樹脂粘度に近い粘度となるように調整して、線引工程を実施する。
樹脂6のロットによって粘度の温度依存性が異なる場合が多く、樹脂6のロットを変更すると偏肉量調整の条件が変化してしまうが、所望の樹脂粘度となるよう樹脂温度を調整することで、偏肉量調整の条件を最適化して偏肉量調整を高精度に行いやすくなる。
ガラスファイバの外周に塗布する樹脂のロットを変更する際に、または、ガラスファイバの外周に樹脂を塗布するための樹脂塗布装置をリセットした際に、樹脂塗布装置の位置、樹脂塗布装置の傾き、樹脂塗布装置における樹脂塗布圧力、および樹脂塗布装置における樹脂温度、をそれぞれ変動させた場合の偏肉量の応答性を確認する確認工程を含むようにしてもよい。そして、この確認工程で得られた偏肉量の応答性データを基に、前述の調整工程を行う。
例えば、樹脂塗布装置5の直下に、図2で示した偏肉量測定部10のような偏肉量(偏肉距離Dおよび偏肉角度θ)を測定するセンサーを設置しておく。そして、当該センサーの出力結果をモニター装置に出力する。モニター装置に出力された偏肉量を確認しながら、製造設備における種々の製造パラメータを少しずつ変更して、各製造パラメータを振ったときの偏肉量の変化(応答性)を確認しておく。
樹脂6のロット変更後または樹脂塗布装置5のリセット後には偏肉量調整の条件が変化してしまうが、樹脂塗布装置5の位置、樹脂塗布装置5の傾き、樹脂塗布装置5における樹脂塗布圧力、および樹脂塗布装置5における樹脂温度の変動に対する偏肉量の応答性を確認しておくことで、偏肉量調整を高精度に行いやすくなる。
以上、詳述したように、本実施形態に係る光ファイバ9の製造方法によれば、塗布する樹脂6の粘度に応じて偏肉量調整を行うことにより、塗布する樹脂6のロットが変わった場合などでも従来に比べて高精度の偏肉量調整を行うことができる。したがって、光ファイバ9の被覆層9bの偏肉を抑制することが可能となる。
1 光ファイバの製造装置
2 ガラス母材
3 線引炉
4 冷却装置
5 樹脂塗布装置
6 樹脂
7 樹脂硬化装置
8a ガイドローラ
8b 引取り部
8c 巻取りドラム
9 光ファイバ
9a、9a’ ガラスファイバ
9b 被覆層
10 偏肉量測定部
11 照射部
12 受光部
20 樹脂塗布装置制御部
21 偏肉量調整部
22 位置制御部
23 樹脂供給圧力制御部
24 温度制御部
25 傾き制御部
51 通し孔
52 ポイント
53 ダイスホルダ
54 段部
55 フランジ部
56 開口
57 封板
58 ポイント位置修正ねじ
59 ねじ駆動モータ
60 ノズル
61 ダイス
62 樹脂溜め
63 貫通孔
64 樹脂供給管
65 開口
66 固定ステージ
67 可動ステージ
68 球面継手
69、70 開口
71 傾斜位置修正ロッド
C1、C2 中心位置
D 偏肉距離
G ガラスファイバ
θ 偏肉角度

Claims (3)

  1. ファイバ用のガラス母材を加熱して線引して細径のガラスファイバとし、その外周に樹脂を被覆して光ファイバを製造する方法であって、
    前記ガラスファイバの外周に塗布された樹脂の偏肉量を測定する測定工程と、
    前記測定工程の測定結果と、前記ガラスファイバの外周に塗布する樹脂の粘度とに基づいて、塗布する樹脂の偏肉量調整を行う調整工程と、
    前記ガラスファイバの外周に塗布する樹脂のロットを変更する際に、または、前記ガラスファイバの外周に樹脂を塗布するための樹脂塗布装置をリセットした際に、前記樹脂塗布装置の位置、前記樹脂塗布装置の傾き、前記樹脂塗布装置における樹脂塗布圧力、および前記樹脂塗布装置における樹脂温度、をそれぞれ変動させた場合の偏肉量の応答性を確認する確認工程と、
    を含み、
    前記確認工程で得られた偏肉量の応答性データを基に、前記調整工程を行う、
    光ファイバの製造方法。
  2. 前記調整工程は、前記ガラスファイバの外周に樹脂を塗布するための樹脂塗布装置の位置、前記樹脂塗布装置の傾き、前記樹脂塗布装置における樹脂塗布圧力、および前記樹脂塗布装置における樹脂温度、の少なくとも一つを調整することで前記偏肉量調整を行う、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記ガラスファイバの外周に塗布する樹脂のロットを変更する際に、変更後のロットの樹脂における粘度の温度依存性データに基づき、所望の樹脂粘度となるよう樹脂温度を調整する工程を含む、請求項1または請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
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