JP6790369B2 - 成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、延伸成形用多層シート、成形品およびその製造方法に関する。
食品、非食品(医薬品、電子部材等)等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制し、その機能や性質を保持するために、酸素、水蒸気等のガスの透過を遮断するガスバリア性を備えることが求められる。ガスバリア性を備える包装材料として、基材の少なくとも片面にガスバリア層を設けたガスバリア性シートが広く用いられている。
特許文献1には、熱溶融性フッ素樹脂からなる無延伸且つ単一層のシートを加熱し、容器形状に真空成形または真空圧空成形する場合、シートの加熱温度は熱溶融性フッ素樹脂の融点近傍が好ましいこと、加熱温度が前記融点近傍から大きく外れると成形不良やピンホールが生じることが記載されている。
特開2009−214412号公報
成形容器に内容物を収容した後、蓋材等で開口をシールするために、成形容器のシール面にシーラント層が設けられていることが好ましい。
しかし、本発明者らの検討によれば、基材とガスバリア層とシーラント層とがこの順に積層した多層シートを真空成形機等により延伸成形した場合、成形後に本来のガスバリア性が発現しないことがある。
本発明は、上記事情を鑑みてされたものであり、延伸成形したときに成形不良およびピンホールが発生しにくく、成形後であっても充分なガスバリア性を発現する延伸成形用多層シート、ならびにこれを用いた成形品および成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
<1>熱可塑性樹脂を含む基材と、熱可塑性樹脂を含むシーラント層と、前記基材と前記シーラント層との間に設けられた、樹脂を含むガスバリア層と、を備え、
前記基材および前記シーラント層それぞれの熱可塑性樹脂の融点が、前記ガスバリア層の樹脂のガラス転移温度+15℃以上であることを特徴とする延伸成形用多層シート。
<2>前記シーラント層の熱可塑性樹脂の融点が、前記ガスバリア層の樹脂のガラス転移温度+30℃以上である<1>に記載の延伸成形用多層シート。
<3>前記基材の熱可塑性樹脂の融点が、前記ガスバリア層の樹脂のガラス転移温度+30℃以上である<1>または<2>に記載の延伸成形用多層シート。
<4>前記シーラント層の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系重合体である<1>〜<3>のいずれかに記載の延伸成形用多層シート。
<5>前記ガスバリア層が、ポリカルボン酸系重合体を含む層(A)と、多価金属成分とバインダー樹脂とを含む層(B)と、を備える<1>〜<4>のいずれかに記載の延伸成形用多層シート。
<6>前記層(B)のバインダー樹脂のガラス転移温度が、前記層(A)のポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度よりも低い<5>に記載の延伸成形用多層シート。
<7>前記層(A)が、可塑剤をさらに含む<5>または<6>に記載の延伸成形用多層シート。
<8><1>〜<7>のいずれかに記載の延伸成形用多層シートを用いた成形品。
<9><1>〜<7>のいずれかに記載の延伸成形用多層シートを、前記ガスバリア層の樹脂のガラス転移温度+15℃以上の温度になるように加熱し、延伸させて成形品を得る工程を有する成形品の製造方法。
本発明によれば、延伸成形したときに成形不良およびピンホールが発生しにくく、成形後であっても充分なガスバリア性を発現する延伸成形用多層シート、ならびにこれを用いた成形品および成形品の製造方法を提供できる。
本発明の第一実施形態の延伸成形用多層シートの構成を示す模式断面図である。 本発明の第二実施形態の成形品(丸型の成形容器)を示す上面図である。 図2に示す成形品のIII−III断面図である。 本発明の第三実施形態の成形品(四角型の成形容器)を示す上面図である。 図4に示す成形品のV−V断面図である。
以下、図面を参照し、実施形態を示して本発明の延伸成形用多層シート(以下、単に「多層シート」ともいう。)、成形品およびその製造方法を詳細に説明する。ただし本発明は以下に記載する実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態の多層シート10の構成を示す模式断面図である。
多層シート10は、基材1と、シーラント層5と、基材1とシーラント層5との間に設けられたガスバリア層4と、を備える。つまり基材1とガスバリア層4とシーラント層5とがこの順に積層したものである。
多層シート10において、基材1とガスバリア層4とは直接積層している。ガスバリア層4とシーラント層5とは直接または図示しない接着層を介して積層している。
ガスバリア層4は、基材1側から順に、第一の層2と第二の層3とが積層したものである。
多層シート10において、シーラント層5は、多層シート10の内容物側の最表層に配置されており、基材1は、多層シート10の外側の最表層に配置されている。
ここで、多層シート10の内容物側とは、多層シート10を延伸成形して成形品(例えば後述する第二〜第三実施形態の成形容器)とし、成形品に内容物を収容して包装体としたときに内容物と接する側を意味する。外側とは、内容物側とは反対側を意味する。
延伸成形前の多層シート10の厚さは、成形品の厚さ等に応じて適宜決められるが、10μm以上50mm以下が好ましく、10μm以上1500μm以下がより好ましい。
(基材1)
基材1は、熱可塑性樹脂を含む。
熱可塑性樹脂の種類は特に限定されず、例えばポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体等が挙げられる。
ポリエステル系重合体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバリレートおよびそれらの共重合体等が挙げられる。ポリアミド系重合体としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6,66共重合体、ナイロン6,12共重合体、メタキシレンアジパミド・ナイロン6共重合体およびそれらの共重合体等が挙げられる。ポリオレフィン系重合体としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン、それらの共重合体およびそれらの酸変性物等が挙げられる。
基材1の熱可塑性樹脂としては、延伸成形性の点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド系重合体、環状オレフィンコポリマー、ポリプロピレン系重合体等が好ましい。
基材1の熱可塑性樹脂の融点は、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃以上であり、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+30℃以上であることが好ましい。基材1の熱可塑性樹脂の融点がガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃よりも低い場合、多層シート10を基材1の熱可塑性樹脂の融点付近の温度に加熱して延伸成形したときに、ガスバリア層4の延伸性が乏しいためにガスバリア層4に亀裂が入り、成形後に本来のガスバリア性が発現しないおそれがある。
ガスバリア層4が複数の層から構成され、各層の樹脂のガラス転移温度が異なる場合、基材1の熱可塑性樹脂の融点は、各層の樹脂のガラス転移温度のうち最も高いガラス転移温度+15℃以上であり、各層の樹脂のガラス転移温度のうち最も高いガラス転移温度+30℃以上であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量分析(DSC)により測定される。詳しい測定条件は後述の実施例に示すとおりである。
基材1の熱可塑性樹脂の融点は、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度との間の上記の関係を満たし、かつ130℃以上300℃以下であることが好ましい。基材1の熱可塑性樹脂の融点が上記範囲の下限未満では、多層シート10から成形された容器をレトルト用途に用いる場合、レトルト処理による熱で容器が変形するおそれがあり、上記範囲の上限を超えると、容器への成形性が悪くなるおそれがある。
基材1は、単一の層から構成されてもよく、複数の層から構成されていてもよい。複数の層で構成されている場合、各層に含まれる熱可塑性樹脂は、融点がガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃以上であればよく、同じでも異なってもよい。
基材1としては、例えば上記熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。
基材1は、延伸されていてもよく、未延伸であってもよい。
基材1の表面には、ガスバリア層4との密着性の観点から、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面活性化処理が施されていてもよい。
多層シート10の延伸成形前における基材1の厚さは、10μm以上50mm以下が好ましく、10μm以上500μm以下がより好ましい。基材1の厚さが上記下限値以上であれば、ピンホールの発生等の成形不良がなく、成形性が良好である。基材1の厚さが上記上限値以下であれば、多層シート10を成形品とした後、加熱殺菌処理を行ったときに、水蒸気が成形品の外側(基材1側)から基材1を通ってガスバリア層4に供給され、後述するようなポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基と多価金属イオンとのイオン結合の形成が進行し易い。
(ガスバリア層)
ガスバリア層4は、第一の層2と第二の層3とを備える。第一の層2は、ポリカルボン酸系重合体を含む層(A)であり、第二の層3は、多価金属成分とバインダー樹脂とを含む層(B)である。
ガスバリア層4に対し、例えばレトルト処理のような加熱殺菌処理を行うと、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基が、第二の層3に含まれる多価金属成分に由来する多価金属イオンとイオン結合を形成し、安定したガスバリア性が発現する。そのため、第一の層2と第二の層3とを有するガスバリア層4を有する成形品はレトルト用途に好適である。
ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度は、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点−15℃以下である。
「ガスバリア層の樹脂のガラス転移温度」とは、ガスバリア層において連続相(マトリックス)を形成している樹脂のガラス転移温度であり、示差走査熱量分析(DSC)により測定される。詳しい測定条件は後述の実施例に示すとおりである。
本実施形態のガスバリア層4は複数の層(第一の層2および第二の層3)から構成されており、この場合、複数の層それぞれの樹脂(第一の層2のポリカルボン酸系重合体および第二の層3のバインダー樹脂)のガラス転移温度が、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点−15℃以下である。
[第一の層(層(A))]
第一の層2は、ガスバリア層4を構成する層で、ポリカルボン酸系重合体を含む。
ポリカルボン酸系重合体とは、分子内に2個以上のカルボキシ基を有する重合体の総称である。
ポリカルボン酸系重合体としては、特に制限はなく、具体例としては、アクリル酸またはメタクリル酸の単独重合体、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、アクリル酸および/またはメタクリル酸と、アクリル酸およびメタクリル酸以外の他のエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体等が挙げられる。他のエチレン性不飽和カルボン酸としては、例えばクロトン酸、ビニル乳酸、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸等が挙げられる。ポリカルボン酸系重合体は1種を単独で用いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。
ポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度は、前述のとおり、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点−15℃以下であり、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点−30℃以下が好ましい。
ポリカルボン酸系重合体の数平均分子量は特に限定されない。第一の層2の形成性の観点で、10,000以上10,000,000以下の範囲であることが好ましく、さらには、5,000以上1,000,000以下であることが好ましい。
ポリカルボン酸系重合体の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた、ポリスチレン換算の値である。
原料としてのポリカルボン酸系重合体(第二の層3に含まれる多価金属成分の金属イオンとイオン結合を形成する前のポリカルボン酸系重合体)は、成形品のガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性を損なわない範囲で、カルボキシ基の一部が一価の金属(アルカリ金属等)やアンモニアで中和されていてもよい。
原料としてのポリカルボン酸系重合体(第二の層3に含まれる多価金属成分の金属イオンとイオン結合を形成する前のポリカルボン酸系重合体)は、成形品のガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する安定性の観点から、それを単独でフィルムに成形したときに、乾燥条件下(30℃、相対湿度0%)で測定される酸素透過係数が、1000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であることが好ましく、500cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であることがより好ましく、100cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であることが特に好ましい。
ここでいう酸素透過係数は、例えば、以下の方法で求めることができる。
ポリカルボン酸系重合体を水等の溶媒に溶解して10質量%の溶液を調製する。次に、調製した溶液を、バーコーターを用いて、プラスチックからなる基材上に塗工および乾燥することにより、厚さ1μmのポリカルボン酸系重合体層が形成されたコーティングフィルムを作製する。得られたコーティングフィルムについて、30℃、相対湿度0%における酸素透過度を測定する。ここで、基材として、その酸素透過度が既知の任意のプラスチックフィルムを用いる。そして、得られたコーティングフィルムの酸素透過度が、基材として用いたプラスチックフィルム単独の酸素透過度に対して10分の1以下であれば、その酸素透過度の測定値が、ほぼポリカルボン酸系重合体層単独の酸素透過度と見なすことができる。また得られた値は、厚さ1μmのポリカルボン酸系重合体層の酸素透過度であるため、その値に1μmを乗じることにより、酸素透過係数に変換することができる。
第一の層2は、可塑剤をさらに含むことが好ましい。
可塑剤は、第一の層2の延伸性を高めるために添加される。具体的には、ポリカルボン酸系重合体に可塑剤を添加することで、第一の層2中のポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度が低下し、より低い温度条件で延伸することができる。
可塑剤としては、例えば、グリセリンおよびその重合体、グリコール類等が挙げられる。それらの具体例としては、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。これらの可塑剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を組合わせて用いてもよい。
可塑剤としては、上記の中でも、多層シート10の延伸成形性および得られる成形品のガスバリア性の観点から、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等が好ましい。
第一の層2において、前記ポリカルボン酸系重合体と前記可塑剤との質量比(ポリカルボン酸系重合体/可塑剤)は、95/5〜80/20の範囲内であることが好ましく、95/5〜85/15の範囲内であることがより好ましい。前記可塑剤の含有量が上記範囲の下限値以上であれば、第一の層2の延伸性がより優れる。前記可塑剤の含有量が上記範囲の上限値を超えると、相対的に、ガスバリア性に寄与するポリカルボン酸系重合体の割合が減るため、ガスバリア性が不充分になるおそれがある。
第一の層2は、必要に応じて、ポリカルボン酸系重合体および可塑剤以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分としては、例えばシランカップリング剤等が挙げられる。
多層シート10の延伸成形前における第一の層2の厚さは、酸素ガスバリア性の点で、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、0.05μm以上10μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上5μm以下であることが特に好ましい。第一の層2の厚さが上記範囲の下限値未満であると、成膜が困難となる傾向にあり、第一の層2の厚さが上記範囲の上限値を超えると生産性に劣る傾向がある。
[第二の層3]
第二の層3は、多価金属成分とバインダー樹脂とを含む。
多価金属成分は、第一の層2に含まれるポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基とイオン結合し、ガスバリア性を向上させるために用いられる。バインダー樹脂は、第二の層3の成膜性向上のために用いられる。
多価金属成分としては、多価金属原子単体、多価金属化合物等が挙げられる。
多価金属は、金属イオンの価数が2以上の金属であり、例えばベリリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の遷移金属、アルミニウム等が挙げられる。成形品のガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性、製造性の観点で、多価金属は、金属イオンの価数が2である2価金属が好ましい。
多価金属化合物の具体例としては、前記多価金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩および無機酸塩、前記多価金属のアンモニウム錯体および2〜4級アミン錯体、それら錯体の炭酸塩および有機酸塩、多価金属のアルキルアルコキシド等が挙げられる。有機酸塩としては、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、ステアリン酸塩、モノエチレン性不飽和カルボン酸塩等が挙げられる。無機酸塩としては、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられる。
多価金属成分の形態は、特に限定されない。多層シート10の透明性の観点で、多価金属成分は、粒状で、その粒径が小さい方が好ましい。また、後述するように多層シート10を製造するための塗工液を調製する場合、調製時の効率化、より均一な塗工液を得る観点でも、多価金属化合物は粒状で、その粒径は小さい方が好ましい。
粒状の多価金属成分の平均粒径としては、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.1μm以下が特に好ましい。
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等であって、塗料用に用いられている樹脂を好適に使用することができる。バインダー樹脂として具体的には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂が挙げられ、ポリエステル系樹脂が特に好ましい。
バインダー樹脂のガラス転移温度は、前述のとおり、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点−15℃以下であり、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点−30℃以下が好ましい。
バインダー樹脂のガラス転移温度は、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点との間の上記の関係を満たし、かつ第一の層2のポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度よりも低いことが好ましい。第二の層3は、多価金属成分を含むため、延伸成形時に亀裂等が生じやすい。バインダー樹脂のガラス転移温度がポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度よりも低くすることで、第二の層3の延伸性が向上する。
第二の層3においては、前記多価金属成分と前記バインダー樹脂との質量比(多価金属化合物/バインダー樹脂)は、35/65〜92/8の範囲内であることが好ましく、50/50〜90/10の範囲内であることがより好ましく、60/40〜90/10の範囲内であることが特に好ましい。多価金属成分の含有量が上記範囲の下限値未満では、得られる成形品のガスバリア性が不充分となる傾向にあり、多価金属成分の含有量が上記範囲の上限値を超えると、成形性が乏しくなる傾向にある。
第二の層3は、硬化剤としてイソシアネート化合物をさらに含んでもよい。
第二の層3は、必要に応じて、多価金属成分、バインダー樹脂およびイソシアネート化合物以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分としては、例えばアンチブロッキング剤等が挙げられる。
多層シート10の延伸成形前における第二の層3の厚さは、延伸成形性およびガスバリア性の点で、0.05μm以上50μm以下であることが好ましく、0.1μm以上10μm以下であることがより好ましく、0.2μm以上5μm以下であることが特に好ましい。第二の層3の厚さが上記範囲の下限値未満では、得られる成形品のガスバリア性が不充分となる傾向にあり、第二の層3の厚さが上記範囲の上限値を超えると成形性が乏しくなる傾向にある。
(シーラント層)
シーラント層5は、多層シート10への耐磨耗性付与、光沢性付与、ヒートシール性付与、強度付与、防湿性付与等の目的に応じて、ガスバリア層4の表面に設けられる層である。
シーラント層5は、熱可塑性樹脂を含む。
シーラント層5における熱可塑性樹脂としては、ヒートシール性や延伸成形性を考慮して適宜決めることができ、例えばポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリオレフィン系重合体等が挙げられる。これらの重合体の具体例としては、基材1で挙げたものと同様のものが挙げられる。
シーラント層5の熱可塑性樹脂としては、ヒートシール性や延伸成形性、耐熱性の観点から、ポリプロピレン系重合体が好ましい。
シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点は、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃以上であり、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+30℃以上であることが好ましい。シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点がガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃よりも低い場合、多層シート10をシーラント層5の熱可塑性樹脂の融点付近の温度に加熱して延伸成形したときに、ガスバリア層4の延伸性が乏しいためにガスバリア層4に亀裂が入り、成形後に本来のガスバリア性が発現しないおそれがある。
ガスバリア層4が複数の層から構成され、各層の樹脂のガラス転移温度が異なる場合、シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点は、各層の樹脂のガラス転移温度のうち最も高いガラス転移温度+15℃以上であり、各層の樹脂のガラス転移温度のうち最も高いガラス転移温度+30℃以上であることが好ましい。
シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点は、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度との間の上記の関係を満たし、かつ130℃以上200℃以下であることが好ましい。シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点が上記範囲の下限未満では、多層シート10から成形された容器をレトルト用途に用いる場合、レトルト処理による熱で容器が変形するおそれがあり、上記範囲の上限を超えると、容器への成形性が悪くなるおそれがある。
シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点と、基材1の熱可塑性樹脂の融点とは同じであってもよく異なってもよい。
多層シート10を任意の加熱温度にて加熱し、延伸成形する際、加熱温度が同じであれば、シーラント層5の厚さによりシーラント層5の熱可塑性樹脂の融点に達するまでの加熱時間が異なる。具体的には、シーラント層5の厚さが厚いほど、長い加熱時間を要する。そのため、シーラント層5の厚さが基材1の厚さよりも厚い場合は、シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点が、基材1の熱可塑性樹脂の融点よりも低いことが好ましい。
シーラント層5は、単一層から構成されてもよく、複数の層から構成されていてもよい。複数の層から構成されている場合、各層に含まれる熱可塑性樹脂は、融点がガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃以上であればよく、同じでも異なってもよい。
シーラント層5としては、例えば上記熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。
シーラント層5は、延伸されていてもよく、未延伸であってもよい。
多層シート10の延伸成形前におけるシーラント層5の厚さは、成形品の厚さ等に応じて適宜決められるが、1μm以上2000μm以下であることが好ましく、5μm以上1500μm以下であることがより好ましく、10μm以上1000μm以下であることが特に好ましい。前述のとおり、多層シート10を任意の加熱温度にて加熱し、延伸成形する際、シーラント層5の厚さによりシーラント層5の熱可塑性樹脂の融点に達するまでの加熱時間が異なる。基材1の厚さを一定とした場合、延伸するための適正加熱時間がシーラント層5の厚さにより変われば、基材1側からガスバリア層4に伝わる熱も変わり、ガスバリア層4の延伸性も変わる。シーラント層5の厚さが上記上限値以下であれば、ガスバリア性が良好である。シーラント層5の厚さが上記下限値以上であれば、ピンホールの発生等の成形不良がなく、成形性が良好である。
(多層シートの製造方法)
多層シート10の製造方法としては、例えば、以下の工程(α1)、(α2)および(α3)を有する製造方法が挙げられる。
(α1)ポリカルボン酸系重合体と液状媒体とを含む第一の塗工液を基材1の片面に塗工し、乾燥することで第一の層2を形成する工程、
(α2)多価金属成分とバインダー樹脂と液状媒体とを含む第二の塗工液を第一の層2の表面に塗工し、乾燥することで第二の層3を形成する工程、
(α3)第二の層3の表面にシーラント層5を積層する工程。
[工程(α1)]
第一の塗工液の液状媒体としては、ポリカルボン酸系重合体を溶解するものが好ましく、例えば水、水と有機溶剤との混合溶媒等が挙げられる。ポリカルボン酸系重合体の溶解性、コストの面では水が好ましい。
第一の塗工液は、可塑剤をさらに含むことが好ましい。第一の塗工液におけるポリカルボン酸系重合体と可塑剤との質量比の好ましい範囲は、第一の層2におけるポリカルボン酸系重合体と可塑剤との質量比の好ましい範囲と同様である。
第一の塗工液は、ポリカルボン酸系重合体および可塑剤以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は第一の層2における他の成分と同様である。
第一の塗工液は、各成分を混合することにより調製できる。
第一の塗工液の調製方法の一例を説明する。まず、例えば数平均分子量200,000のポリアクリル酸を蒸留水で希釈し、ポリアクリル酸の5質量%水溶液を調製する。得られたポリアクリル酸水溶液に対してグリセリンを、質量比(固形分比)でポリアクリル酸/グリセリンが90/10になるように混合し、第一の塗工液(ポリアクリル酸/グリセリン混合物水溶液)を調製する。
第一の塗工液の塗工方法としては、特に限定されず、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイコーター、メイヤーバー、刷毛等で塗工する方法、スプレー等で噴霧する方法、浸漬法を含む方法等が挙げられる。
塗工した第一の塗工液の乾燥条件としては、60〜120℃の乾燥温度にて、1秒間〜5分間程度の乾燥時間が好ましい。
[工程(α2)]
第二の塗工液における多価金属成分とバインダー樹脂との質量比の好ましい範囲は、第二の層3における多価金属成分とバインダー樹脂との質量比の好ましい範囲と同様である。
第二の塗工液の液状媒体としては、多価金属成分を分散するものが好ましく、例えば酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等が挙げられる。
第二の塗工液は、硬化剤としてイソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。
第二の塗工液は、多価金属成分、バインダー樹脂およびイソシアネート化合物以外の他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は第二の層3における他の成分と同様である。
第二の塗工液は、各成分を混合することにより調製できる。第二の塗工液がイソシアネート化合物を含む場合、多価金属成分とバインダー樹脂と液状媒体との混合分散液を調製し、この混合分散液にイソシアネート化合物を加えて第二の塗工液を調製することが好ましい。
第二の塗工液の調製方法の一例を説明する。まず、酸化亜鉛粒子とポリエステル系樹脂との混合分散液(溶媒:酢酸エチル)を調製し、必要に応じてこの混合分散液100質量部に対し、イソシアネート化合物0〜15質量部を混合して、第二の塗工液を調製する。
第二の塗工液の塗工方法としては、特に限定されず、例えば、第一の塗工液の塗工方法と同様の方法が挙げられる。
塗工した第二の塗工液の乾燥条件としては、60〜120℃の乾燥温度にて、1秒間〜5分間程度の乾燥時間が好ましい。
[工程(α3)]
第二の層3の表面にシーラント層5を積層する方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることができ、例えば、ドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、ホットメルトラミネート法等が挙げられる。
第二の層3の表面にシーラント層5を積層する際、必要に応じて、接着剤を用いてもよい。例えば、第二の層3の表面に、接着剤を用いてドライラミネート法によりシーラント層5を接着させることができる。接着剤を用いた場合、第二の層3とシーラント層5との間に接着層が形成される。接着剤としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリウレタン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、塩素化ポリプロピレン系等の公知の接着剤を用いることができる。
第二の層3とシーラント層5とを接着層を介して積層する場合、この接着層のガラス転移温度も、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度と同様に、基材1およびシーラント層5それぞれの融点−15℃以下であることが好ましい。
以上の方法により、多層シート10を作製することができる。ただし多層シート10の製造方法は上記の方法に限定されない。例えば、シーラント層5に第二の塗工液を塗工、乾燥して第二の層3を形成し、第二の層3の表面に第一の層2の表面に塗工、乾燥して第一の層2を形成し、第一の層2の表面に基材1を積層してもよい。
(用途)
多層シート10は、延伸成形に用いられる。本明細書および特許請求の範囲において、「延伸成形」とは、多層シートの延伸を伴う成形を意味する。
多層シート10は、延伸成形により成形品とされる。例えば、多層シート10を、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度以上の温度まで加熱し、その状態で多層シート10を延伸させて任意の形状に成形することで、成形品とされる。かかる成形品は、少なくとも一部が延伸された多層シート10を備える。成形品の例としては、成形容器、袋等が挙げられる。
(作用効果)
多層シート10にあっては、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点が、それらの間に設けられたガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃以上であるため、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点近傍の温度に多層シート10を加熱したときに、ガスバリア層4の温度がガラス転移温度よりも高くなる。そのため、加熱後に延伸したときに成形不良およびピンホールが発生しにくい。また、延伸の際にガスバリア層4に亀裂が入りにくく、成形後であってもガスバリア性を発現させることができる。
<第二実施形態>
図2は、本発明の第二実施形態の成形容器11(成形品)を示す上面図であり、図3は、この成形容器11のIII−III断面図である。なお、以下に示す実施形態において、前出の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本実施形態の成形容器11は、上面視丸型の容器本体12からなる。
容器本体12は、円形状の底部12aと、底部12aの周縁から立ち上がる周壁部12bと、周壁部12bの上縁の外周面から略水平に延出するフランジ部12cとを有してる。周壁部12bは、上縁に向かって外径が徐々に大きくなる逆円錐台形状に形成されている。
容器本体12においては、周壁部12bの上縁によって開口部が形成されており、底部12aと周壁部12bとで囲まれた領域が、内容物を収容する収容部になっている。
容器本体12の開口部の直径(W)は特に限定されないが、例えば、20mm以上300mm以下であることが好ましい。
容器本体12の収容部の深さ(D)は特に限定されないが、例えば、20mm以上100mm以下であることが好ましい。
容器本体12は、多層シート10を用いたものである。つまり延伸成形された多層シート10から構成されている。
容器本体12において多層シート10は、基材1側を容器本体12の外側、シーラント層5側を容器本体12の内側に向けて配置されている。そのため、フランジ部12cの上面がシーラント層5から構成されている。これにより、収容部に内容物を収容した後、開口部を蓋材等で覆い、ヒートシールして開口部を密閉できるようになっている。
(成形容器の製造方法)
成形容器11(容器本体12)は、多層シート10を延伸成形することにより製造できる。
成形容器11の製造方法としては、多層シート10を、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃以上の温度(以下、「延伸成形温度」ともいう。)になるように加熱し、容器形状に延伸させて成形容器を得る工程を有する製造方法が好ましい。
延伸成形温度がガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+15℃よりも低いと、ガスバリア層4の延伸性が乏しいために、延伸時にガスバリア層4に亀裂が入り、本来のガスバリア性が発現しないおそれがある。
基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点が、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+30℃以上である場合、延伸成形温度は、ガスバリア層4の樹脂のガラス転移温度+30℃以上であることが好ましい。
延伸成形温度は、T又はその近傍であることが好ましい。
ここでTは、基材1およびシーラント層5の厚さが異なる場合は、基材1およびシーラント層5のうち、厚さが厚い方の熱可塑性樹脂の融点を示し、基材1およびシーラント層5の厚さが同じである場合は、基材1およびシーラント層5それぞれの熱可塑性樹脂の融点のうち高い方の融点を示す。例えばシーラント層5の厚さが基材1よりも厚い場合は、シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点がTである。
基材1の熱可塑性樹脂の融点をTとする場合であって基材1が複数の層から構成されている場合は、最も高い融点をもつ層が延伸されるように、各層の熱可塑性樹脂の融点のうち最も高い融点をTとする。
シーラント層5の熱可塑性樹脂の融点をTとする場合であってシーラント層5が複数の層から構成されている場合は、最も高い融点をもつ層が延伸されるように、各層の熱可塑性樹脂の融点のうち最も高い融点をTとする。
延伸成形温度がTに対して低すぎたり高すぎたりすると、得られる成形容器の寸法が目標の寸法からずれる成形不良が生じたり、延伸時に基材1やシーラント層5にピンホールが生じるおそれがある。
延伸成形は、1.5倍〜20倍の面積倍率で行うことが好ましく、1.5倍〜15倍の面積倍率で行うことがより好ましく、1.5倍〜10倍の面積倍率で行うことが特に好ましい。
面積倍率は、開口部の面積に対するフランジ部を除いた容器表面積の割合を示す。
多層シート10の延伸成形方法の一例として、多層シート10を、真空成形機を用いて加熱軟化させ、真空成形する方法が挙げられる。具体的には、400〜500℃に設定した加熱炉内で多層シート10を5〜30秒間程度加熱軟化させる。このときの加熱温度および加熱時間によって延伸成形温度を調整できる。加熱後すぐに多層シート10を任意形状の成形型(樹脂型または金属型)上に配置し、多層シート10と成形型との間の空気を吸引して多層シート10を成形型に密着させ、冷却して型形状に成形する。
ただし延伸成形方法はこれに限定されるものではない。成形機としては、真空成形機に限定されず、圧空成形機、溶融成形機等を用いてもよい。また、必要により、更にプラグを併用した型形状に成形する方法(ストレート法、ドレープ法、エアースリップ法、スナップバック法、プラグアシスト法)等の公知の成形方法を用いることができる。
上記のようにして得られた成形容器11(容器本体12)に対し、加熱殺菌処理を施すことができる。加熱殺菌処理を施すことにより、第二の層3中の多価金属イオンを第一の層2に移動せしめ、前記多価金属イオンと前記ポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基との間にイオン結合を形成せしめることができる。これにより、優れたガスバリア性を発現させることができる。
加熱殺菌処理とは、高温高湿度の雰囲気下または熱水に曝す処理のことをいう。このような加熱殺菌処理の具体例としては、ボイル処理、レトルト処理、無菌包装米飯等に用いられる殺菌処理等が挙げられる。
加熱殺菌処理の処理温度としては80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。
さらに、加熱殺菌処理が、成形容器を高温高湿度の雰囲気下に曝す処理である場合において、雰囲気の相対湿度は90%以上であることが好ましい。
加熱殺菌処理は、成形容器11に内容物を収容する前に行ってもよく、内容物を収容し、必要に応じて開口部を蓋材で密閉した後に行ってもよい。内容物を収容した後に行う場合、加熱殺菌処理は、内容物の加熱殺菌処理を兼ねることができる。
加熱殺菌処理を必要とする内容物の具体例としては、例えば、調味食品(カレー、シチュー等)、電子レンジ用調理済み食品(ベビーフード、米飯、レディミール等)、スープ類、デザート類、ペットフード類(特にウェットタイプ)、農畜産加工品等が挙げられる。
成形容器11は、前記例に挙げたような食品用の包装容器として好適に使用することができる。
蓋材としては、成形容器11と接触する面(シール面)にシーラント層を有し、該シーラント層が、成形容器11のシーラント層5の熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。例えば成形容器11のシーラント層5の熱可塑性樹脂がポリプロピレン系重合体であれば、蓋材のシーラント層の熱可塑性樹脂もポリプロピレン系重合体であることが好ましい。蓋材の形状は特に限定されず、シート状でもよく、立体的な形状でもよい。
<第三実施形態>
図4は、本発明の第三実施形態の成形容器21(成形品)を示す上面図であり、図4は、この成形容器21のV−V断面図である。
本実施形態の成形容器21は、上面視略四角型の容器本体22からなる。
容器本体22は、四角形の角の部分に丸みをつけた略四角形状の底部22aと、底部22aの周縁から立ち上がる周壁部22bと、周壁部22bの上縁の外周面から略水平に延出するフランジ部22cとを有してる。周壁部22bは、上縁に向かって外径が徐々に大きくなる逆四角錐台形状に形成されている。
容器本体22においては、周壁部22bの上縁によって開口部が形成されており、底部22aと周壁部22bとで囲まれた領域が、内容物を収容する収容部になっている。
容器本体22の開口部の一辺の長さ(W)は特に限定されないが、例えば、20mm以上300mm以下であることが好ましい。
容器本体22の収容部の深さ(D)は特に限定されないが、例えば、20mm以上100mm以下であることが好ましい。
容器本体22は、多層シート10を用いたものである。
容器本体22において多層シート10は、基材1側を容器本体22の外側、シーラント層5側を容器本体22の内側に向けて配置されている。そのため、フランジ部22cの上面がシーラント層5から構成されている。これにより、収容部に内容物を収容した後、開口部を蓋材等で覆い、ヒートシールして開口部を密閉できるようになっている。
成形容器21は、成形型を変更する以外は第二実施形態の成形容器11と同様にして製造できる。
以上、第一実施形態〜第三実施形態を示して本発明の多層シート、成形容器およびその製造方法を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
例えば、本発明の多層シートにおけるガスバリア層は、第一実施形態に示したガスバリア層4に限定されない。例えば、ガスバリア層4のような層(A)と層(B)とを備える多層構造のほか、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)からなる層を含む単層または多層構造、ポリ塩化ビニリデンからなる層を含む単層または多層構造等であってもよい。これらの中では、層(A)と層(B)とを備える多層構造が好ましい。かかる多層構造のガスバリア層であれば、レトルト処理等の加熱殺菌処理により第二の層3の多価金属イオンが第一の層2に移行し、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基とイオン結合して優れたガスバリア性が発現する。そのため、得られる成形容器がレトルト用途に用いるのに好適である。EVOHは分子内に親水性の高い高水素結合性基を含有する重合体であるため、成形容器をレトルト用途に用いる場合、親水性に起因して高湿度下でのガスバリア性が低下する問題がある。
ガスバリア層が、層(A)と層(B)とを備える多層構造である場合、その層構成は、第一実施形態に示したガスバリア層4のような、基材側から順に、層(A)および層(B)が積層したもの(層(A)/層(B))に限定されない。層(A)/層(B)のほか、層(B)/層(A)、層(A)/層(B)/層(A)、層(B)/層(A)/層(B)等の層構成であってもよい。
上記層(A)と層(B)とを備える多層構造において、層(A)と層(B)とが隣接していなくてもよい。層(A)に含まれるポリカルボン酸系重合体のカルボキシ基と層(B)に含まれる多価金属成分由来の多価金属イオンとのイオン結合を生成しやすい点で、層(A)と層(B)とが隣接した層構成単位を少なくとも1単位含むことが好ましい。層(A)と層(B)と層(A)が隣接した層構成単位または層(B)と層(A)と層(B)とが隣接した層構成単位を少なくとも1単位含む層構成も好ましい。
本発明の多層シートは、基材のシーラント層側の面に、ガスバリア層(以下、外側ガスバリア層ともいう。)をさらに有していてもよい。外側ガスバリア層としては、前述のものと同様のものが挙げられる。
本発明の多層シートにおいては、基材とガスバリア層とが接着層またはアンカーコート層を介して積層していてもよい。これにより、基材とガスバリア層との間の密着性が向上する。接着層またはアンカーコート層としては、例えば第二の層3に含まれる樹脂と同様の成分を含むものが挙げられる。
接着層またはアンカーコート層を有する場合、接着層またはアンカーコート層のガラス転移温度も、ガスバリア層の樹脂のガラス転移温度と同様に、基材およびシーラント層それぞれの融点−15℃以下であることが好ましい。
本発明の成形品は、第二、第三実施形態に示した成形容器に限定されない。例えば成形容器の容器本体の上面視での形状は、上記のような丸型、四角型以外の形状であってもよい。また、断面形状は、上記のような線対称な形状であってもよく、非対称な形状であってもよい。また、成形容器は、成形容器11、21のような、単体の容器(容器本体12、22)からなる形態のほか、2つ以上の容器が連結した形態であってもよい。2つ以上の容器が連結した形態の場合、各容器の形状および大きさは同じであってもよく異なっていてもよい。
本発明の成形品は、成形容器以外の成形品であってもよい。成形容器以外の成形品としては、例えばパウチ等の袋が挙げられる。袋にはスパウトが取り付けられてもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例において、DSCは以下の測定条件により行った。データは全て2サイクル目の値とした。
(DSCの測定条件)
「CPP、PET」
温度範囲:20〜300℃、
昇温レート:10℃/分、
サイクル数:2サイクル。
「第一の層」
温度範囲:20〜200℃、
昇温レート:10℃/分、
サイクル数:2サイクル。
「第二の層」
温度範囲:−20〜100℃、
昇温レート:10℃/分、
サイクル数:2サイクル。
(実施例1)
ポリカルボン酸系重合体としてポリアクリル酸(以下「PAA」と略称する。)を4.5質量部、可塑剤としてグリセリンを0.5質量部、液状媒体として蒸留水を95質量部混合し、塗工液(1−1)を調製した。
基材1として、融点が205℃、厚さが25μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に塗工液(1−1)をバーコーターにより塗布し、ドライヤーで乾燥させ、膜厚約1.0μmの第一の層2を形成した。このとき第一の層2の樹脂のガラス転移温度は110℃であった。
次に、多価金属成分として酸化亜鉛粒子を7質量部、バインダー樹脂としてポリエステル系樹脂を3質量部、液状媒体として酢酸エチルを90質量部混合し、得られた混合分散液に対し、ポリイソシアネート系硬化剤を5質量部混合して塗工液(1−2)を調製した。
第一の層2の表面に塗工液(1−2)をバーコーターにより塗布し、乾燥機で70℃、30秒間乾燥させ、膜厚約1.2μmの第二の層3を形成した。このとき第二の層3の樹脂のガラス転移温度は15℃であった。
次に、第二の層3の表面に、ポリウレタン系接着剤を介して、テスター産業(株)製 小型卓上ラミネーターにて、シーラント層5として融点が168℃、厚さが600μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)シートをドライラミネート法により接着させ、多層シートを作製した。ポリウレタン系接着剤としては、三井化学(株)製、2液硬化型接着剤、タケラックA525(主剤)/タケネートA52(硬化剤)を使用した。得られた多層シートはシーラント層5の貼り合わせ後、40℃にて4日間エージングした。
得られた多層シートを、柳下技研(株)製 真空・圧空成形機を用いて、加熱、延伸成形することで、図2〜3に示す構成の成形容器を作製した。加熱炉内の設定温度は450℃、シート加熱時間はシート温度がシーラント層のCPPの融点である168℃となる15.5秒に設定し、延伸成形は、成形容器の開口部の直径がφ78mm、深さが25mmの寸法になるように行った。
(実施例2)
ポリカルボン酸系重合体としてPAAを5質量部、液状媒体として蒸留水を95質量部混合し、塗工液(2−1)を調製した。
基材1として、融点が205℃、厚さが25μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に塗工液(2−1)をバーコーターにより塗布し、ドライヤーで乾燥させ、膜厚約1.0μmの第一の層2を形成した。このとき第一の層2の樹脂のガラス転移温度は125℃であった。
その後、第二の層3の形成、第二の層3の表面へのシーラント層5の接着、得られた多層シートの延伸成形を実施例1と同様に行うことで、実施例2の成形容器を作製した。
(実施例3)
シーラント層5として融点が168℃、厚さが400μmのCPPシートを用いた以外は実施例1と同様にして多層シートを作製した。
得られた多層シートを、シート加熱時間をシーラント層のCPPの融点である168℃となる11.5秒に設定し、加熱炉内設定温度および延伸成形寸法は実施例1と同様の条件で延伸成形することで、実施例3の成形容器を作製した。
(比較例1)
シーラント層5として融点が120℃、厚さが600μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)シートを用いた以外は実施例1と同様にして多層シートを作製した。
得られた多層シートを、シート加熱時間をシート温度がシーラント層のLLDPEの融点である120℃となる9.0秒に設定し、加熱炉内設定温度および延伸成形寸法は実施例1と同様の条件で延伸成形することで、比較例1の成形容器を作製した。
(比較例2)
比較例1にて得られた多層シートを、柳下技研(株)製 真空・圧空成形機を用いて、シート加熱時間を実施例1にて設定した15.5秒とし、加熱炉内設定温度および延伸成形寸法は実施例1と同様の条件で延伸成形することで、比較例2の成形容器を作製した。
(評価1:延伸成形性評価)
実施例1〜3および比較例1、2で得られた成形容器について、成形不良の有無(指定寸法通りの成形が可能であったかどうか)と、ピンホールの有無を評価した。これらの結果を表1に示す。
また、実施例1〜3および比較例1、2におけるガスバリア層(第一の層、第二の層)の樹脂のガラス転移温度、シーラント層および基材それぞれの熱可塑性樹脂の融点および厚さ、各例で実施した延伸成形のシート加熱時間およびシート温度(設定値)を併せて表1に示す。
Figure 0006790369
表1に示す通り、基材およびシーラント層それぞれの熱可塑性樹脂の融点がガスバリア層の樹脂のガラス転移温度(第一の層の樹脂のガラス転移温度)+15℃以上であり、このガラス転移温度+15℃以上の温度にて延伸成形した実施例1〜3では、指定寸法通りの成形が可能であり、ピンホールも見られなかった。
基材およびシーラント層それぞれの熱可塑性樹脂の融点がガスバリア層の樹脂のガラス転移温度+15℃よりも低いが、このガラス転移温度+15℃以上の温度にて延伸成形した比較例1では、指定寸法通りの成形が可能であり、ピンホールも見られなかった。
一方、基材およびシーラント層それぞれの熱可塑性樹脂の融点がガスバリア層の樹脂のガラス転移温度+15℃よりも低く、実施例1〜3と同じ延伸成形温度にて延伸成形した比較例2では、成形不良およびピンホールが生じた。
(評価2:ガスバリア性評価)
評価1にて、成形不良やピンホールなく延伸成形できた実施例1〜3および比較例1で作製した成形容器のレトルト処理前後の酸素透過度、および延伸成形により成形容器とする前の多層シート(未延伸シート)のレトルト処理後の酸素透過度を測定し、ガスバリア性を評価した。
レトルト処理は、レトルト処理機((株)日阪製作所:RCS−600)を用いて、温度120℃で30分間のレトルト処理(シャワー式)を行った。
成形容器については、酸素透過試験器(OXTRAN2/20、Modern Control社製)を用いて、成形容器の内側の雰囲気を温度23℃、相対湿度50%とした場合の酸素透過度を測定した。
未延伸シートの酸素透過度については、雰囲気を温度30℃、相対湿度70%とした場合の酸素透過度を測定した。
成形容器にて得られた測定値は、雰囲気中の酸素濃度(20%)および成形容器の表面積(0.0018m)の値を用いて換算して、酸素濃度100%、表面積1mにおける酸素透過度[単位:cm(STP)/(m・day・MPa)]の値を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0006790369
表2に示す通り、実施例1〜3および比較例1は、未延伸シートでのガスバリア性に関しては大差のない結果であったが、レトルト処理後の成形容器の酸素透過度に大きな差が見られた。実施例1においては、高いガスバリア性を示す低い数値であり、実施例2、3も、実施例1には劣るものの、充分に高いガスバリア性を示す数値であり、延伸後の容器形状においても本来のガスバリア性が発揮されていた。一方、基材およびシーラント層それぞれの熱可塑性樹脂の融点がガスバリア層の樹脂のガラス転移温度(第一の層の樹脂のガラス転移温度)+15℃よりも低い比較例1の成形容器は、ガスバリア性が大きく損なわれた結果となった。
1・・・基材
2・・・第一の層
3・・・第二の層
4・・・ガスバリア層
5・・・シーラント層
10・・・多層シート
11・・・成形容器(成形品)
12・・・容器本体
21・・・成形容器(成形品)
22・・・容器本体

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂を含む基材と、熱可塑性樹脂を含むシーラント層と、前記基材と前記シーラント層との間に設けられたガスバリア層と、を備え、前記ガスバリア層が、ポリカルボン酸系重合体を含む層(A)と、多価金属成分とバインダー樹脂とを含む層(B)と、を備え、前記基材および前記シーラント層それぞれの熱可塑性樹脂の融点が、前記ガスバリア層の前記ポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度+15℃以上かつ前記バインダー樹脂のガラス転移温度+15℃以上である延伸成形用多層シートを、前記ガスバリア層の樹脂のガラス転移温度+15℃以上であってTである温度になるように加熱し、延伸させて成形品を得る工程を有し、
    前記Tは、前記基材および前記シーラント層の厚さが異なる場合は、前記基材および前記シーラント層のうち、厚さが厚い方の熱可塑性樹脂の融点であり、前記基材および前記シーラント層の厚さが同じである場合は、前記基材および前記シーラント層それぞれの熱可塑性樹脂の融点のうち高い方の融点である、成形品の製造方法。
  2. 前記シーラント層の厚さが、前記基材の厚さよりも厚く、前記シーラント層の熱可塑性樹脂の融点が、前記基材の熱可塑性樹脂の融点よりも低く、前記Tが、前記シーラント層の熱可塑性樹脂の融点である請求項1に記載の成形品の製造方法。
  3. 前記シーラント層の熱可塑性樹脂の融点が、前記ガスバリア層の前記ポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度+30℃以上かつ前記バインダー樹脂のガラス転移温度+30℃以上である請求項1または2に記載の成形品の製造方法。
  4. 前記基材の熱可塑性樹脂の融点が、前記ガスバリア層の前記ポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度+30℃以上かつ前記バインダー樹脂のガラス転移温度+30℃以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  5. 前記シーラント層の熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン系重合体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  6. 前記基材の熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレートである請求項1〜5のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  7. 前記層(B)のバインダー樹脂のガラス転移温度が、前記層(A)のポリカルボン酸系重合体のガラス転移温度よりも低い請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
  8. 前記層(A)が、可塑剤をさらに含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の成形品の製造方法。
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