JP6789064B2 - 油脂含有排水の生物処理方法及び生物処理装置 - Google Patents

油脂含有排水の生物処理方法及び生物処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、油脂含有排水の生物処理方法及び生物処理装置の技術に関する。
食品工場からの排水等の油脂を多く含有する排水の生物処理においては、オイルボールの発生により、処理系内にオイルボールが蓄積して汚泥処分費が増加したり、処理水と共にオイルボールが流出して水質が悪化したりする場合がある。オイルボールとは、油脂が微生物中の分解酵素であるリパーゼ等により分解されて生じた脂肪酸と、カルシウムやマグネシウム等の無機成分が結合したものである。特に、食品工場等の排水から発生するオイルボールの多くは、カルシウムが結合した脂肪酸カルシウムである(例えば非特許文献1参照)。
「用水と排水」、Vol.56、No.5、2014年
そこで、本発明の目的は、油脂含有排水中の油脂を分解すると共に、オイルボールの発生を抑制することが可能な油脂含有排水の生物処理方法及び生物処理装置を提供することである。
本発明は、ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上である油脂含有排水を生物処理する油脂含有排水の生物処理方法であって、前記生物処理においてオイルボールが発生する際、前記油脂含有排水中の前記カルシウムに対して鉄の濃度比が0.1以上となるように、前記油脂含有排水に鉄塩を添加する油脂含有排水の生物処理方法である。
また、前記油脂含有排水の生物処理方法は、前記油脂含有排水中のカルシウム濃度が10mg/L以上である油脂含有排水の処理に好適である。
また、本発明の油脂含有排水の生物処理装置は、ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上である油脂含有排水を生物処理する生物処理槽と、前記油脂含有排水に鉄塩を添加する鉄塩添加手段と、を備え、前記鉄塩供給手段は、前記生物処理においてオイルボールが発生する際、前記油脂含有排水中の前記カルシウムに対して鉄の濃度比が0.1以上となるように、前記油脂含有排水に鉄塩を添加する油脂含有排水の生物処理装置である。
また、前記油脂含有排水の生物処理装置は、前記油脂含有排水中のカルシウム濃度が10mg/L以上である油脂含有排水の処理に好適である。
本発明によれば、油脂含有排水中の油脂を分解すると共に、オイルボールの発生を抑制することができる。
本実施形態に係る油脂含有排水処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る油脂含有排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 実験例1で発生したオイルボール量の結果を示す図である。 実験例2の油脂分解速度の結果を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る油脂含有排水処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示す油脂含有排水処理装置1は、調整槽10、生物処理槽12、鉄塩供給手段の一例としての鉄塩供給装置14を備える。調整槽10の排水入口には排水導入管16が接続され、調整槽10の排水出口には排水排出管18の一端が接続され、生物処理槽12の排水入口には排水排出管18の他端が接続され、生物処理槽12の処理水出口(不図示)には処理水排出管20が接続されている。
図での説明は省略するが、調整槽10及び生物処理槽12には、槽内の水温を加温する電気ヒータ等の加温装置(加温手段)、槽内を曝気する曝気装置(曝気手段)、槽内の生物量を制御するために槽内に生物製剤を添加する生物製剤添加装置(生物製剤添加手段)、槽内のpHを制御するために槽内に酸又はアルカリ等を添加するpH調整装置(pH調整手段)等が、適宜設置されることが望ましい。
鉄塩供給装置14は、貯留タンク22、鉄塩供給管24から構成されている。本実施形態では、図1に示すように、鉄塩供給管24の一端が貯留タンク22の鉄塩排出口に接続され、鉄塩供給管24の他端が調整槽10の鉄塩供給口に接続されている。鉄塩供給管24には、鉄塩の添加量を調節するためのバルブ(不図示)又はポンプ(不図示)等が設置されている。
次に、本実施形態に係る油脂含有排水処理装置1の動作について説明する。
ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上である油脂含有排水は、排水導入管16を通り調整槽10に供給される。そして、鉄塩が貯留タンク22から鉄塩供給管24を通り、調整槽10に供給される。ここで、鉄塩は、油脂含有排水中のカルシウムに対する鉄の濃度比が0.1以上となるように、調整槽10に添加される。具体的には、調整槽10内の排水のカルシウム濃度がCa濃度計により計測され、その計測値に対して、鉄の濃度が上記範囲を満たすように、鉄塩供給管24のバルブやポンプ等が制御され、鉄塩の供給量が調整される。
カルシウムに対する鉄の濃度比が0.1以上となるように鉄塩が添加された油脂含有排水は、排水排出管18から生物処理槽12に供給される。油脂含有排水中に上記所定量以上の鉄塩を存在させることで、槽内の油脂分解微生物の生育を促す栄養塩類の作用を有するだけでなく、油脂分解により生じた脂肪酸と排水中のカルシウムとの結合を抑制する作用も有する。したがって、生物処理槽12内では、鉄塩の存在下で、油脂含有排水と油脂分解微生物とが接触することで、油脂含有排水中の油脂が分解されると共に、油脂分解により生じるオイルボールの発生を効果的に抑制することが可能となる。このようにして、生物処理槽12で処理された排水は、処理水として処理水排出管20から系外へ排出される。
以下に、本実施形態に係る油脂含有排水処理装置1の処理条件の一例について説明する。
油脂含有排水は、如何なる由来の排水であってもよく、例えば、厨房排水、食用油製造工場排水、食肉加工工場排水、菓子類製造工場排水等が挙げられる。
油脂含有排水において、ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上であると、通常の生物処理では、油脂分解によるオイルボールの発生が顕著となる。特に、上記濃度比を満たし、且つ油脂含有排水中のカルシウム濃度が10mg/L以上であると、オイルボールの発生がより顕著となる。しかし、本実施形態の処理によれば、ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比及びカルシウム濃度が上記範囲を満たす場合であっても、油脂分解によるオイルボールの発生を効果的に抑制することが可能となる。本実施形態の処理は、ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上0.1以下、カルシウム濃度が10mg/L以上100mg/L以下の油脂含有排水に対して特に有効である。
処理対象である油脂含有排水中の油脂濃度は、ノルマルヘキサン抽出物質濃度に換算して、200〜3000mg/Lの範囲であることが好ましい。油脂含有排水中のノルマルヘキサン抽出物質濃度が3000mg/Lを超えると、生物処理に多くの時間を要することになり、実用的でない場合がある。また、本実施形態では、予め油脂を除去するための加圧浮上処理を必ずしも必要としないため、設備を簡素化することができ、処理コストも低減できる。更に、鉄塩の栄養塩類、酸化触媒等の作用によって、油脂の分解において、高価な油脂分解微生物や油脂分解酵素を必ずしも必要としないため、さらに処理コストが低減できる。
ノルマルヘキサン抽出物質とは、油脂含有排水とノルマルヘキサンとを混合することによりノルマルヘキサン側に抽出される油脂を主とした成分である。そして、ノルマルヘキサン抽出物質は、分液ロート中に油脂含有排水を適量(排水の油脂含有量によって100〜1000ml程度)投入し、さらにメチルオレンジ溶液を滴下した上で、溶液の色が赤に変化するまで塩酸を滴下し、そして、ノルマルヘキサン40mlを投入して2分間激しく振り混ぜることを2回繰り返し、ノルマルヘキサン層のみを分離した上で、ろ過、脱水を行って、80℃でノルマルヘキサンを揮発させることにより得られる。
鉄塩の添加量は、油脂含有排水中のカルシウムに対して鉄の濃度比が0.1以上であれば特に制限されるものではないが、オイルボールの発生量をより削減することができる点で、0.2以上であることが好ましい。本実施形態の処理における鉄塩の添加量は、通常の油脂分解のみを考慮した処理における鉄塩の添加量より多量である。例えば、排水中のカルシウム濃度が10mg/Lであり、ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02であると、排水中のノルマルヘキサン抽出物質濃度は500mg/Lとなる。このような排水において、本実施形態の処理を適用すると、鉄塩の添加量は、1mg/L以上となるが、油脂分解のみを考慮した処理では、それより1/2以下の鉄塩の添加量で充分である。このように、多量の鉄塩を油脂含有排水に添加することで、油脂含有排水中の油脂を分解すると共に、オイルボールの発生を抑制することが可能となる。
添加する鉄塩としては特に制限はなく、塩化第一鉄、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などを用いることができ、1種単独又は2種以上を併用してもよい。これらの鉄塩は粉体でもよいし、スラリー、溶液等でもよい。
油脂含有排水のpHは、オイルボールの抑制効果の点では、酸性側(例えばpH4以下)、中性付近(例えばpH7〜8)、アルカリ性側(例えばpH9以上)いずれの範囲でも良いが、鉄塩の存在下で微生物の生育をより向上させる点、最終的な処理水を中和して系外へ排出する操作を効率的に行うことができる点等から、油脂含有排水のpHを弱酸性〜弱アルカリ性に調整することが好ましく、例えば、pH6〜9の範囲に調整することが好ましく、pH6.5〜7.5の範囲に調整することがより好ましい。
生物処理槽12での生物処理は、好気処理、嫌気処理いずれでもよく、排水の性状に応じて適宜選択されればよい。なお、好気処理を行う場合には、生物処理槽12内に曝気装置を設置して、生物処理槽12内の溶存酸素濃度が0.5mg/L以上となるように酸素を供給することが好ましく、1.0mg/L以上となるように酸素を供給することがより好ましい。
生物処理槽12における油脂含有排水の滞留時間は、油脂含有排水の性状等によって適宜設定されればよく、特に制限されるものではないが、例えば、6時間から48時間の範囲とすることが好ましい。
生物処理槽12内の微生物量を維持する点等から、生物処理槽12内に市販の微生物製剤を投入することが好ましい。また、生物処理槽12内の微生物量を維持する点等から、スポンジ担体、ゲル担体、中空筒状単体、繊維状担体等の微生物担体を、生物処理槽12内に投入して微生物を固定化する方法を用いることも好ましい。
本実施形態では、調整槽10と生物処理槽12の2槽構成であるが、この槽構成に限定されるものではなく、例えば、単槽構成であってもよい。単槽の場合には、例えば、生物処理槽12に鉄塩を所定量供給し、生物処理槽12で生物処理を行えばよい。但し、オイルボールをより効果的に抑制する観点から、単槽構成より、生物処理槽12の前段に油脂含有排水と鉄塩を接触させる槽(例えば、図1に示す調整槽10)を設けた2槽構成またはそれ以上の複槽構成とすることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る油脂含有排水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2に示す油脂含有排水処理装置2において、図1に示す油脂含有排水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2に示す油脂含有排水処理装置2は、原水槽26、加圧浮上槽28を備えている。原水槽26の排水入口には排水導入管16aが接続され、原水槽26の排水出口には排水導入管16bの一端が接続され、加圧浮上槽28の排水入口には排水導入管16bの他端が接続されている。また、加圧浮上槽28の油脂出口には油脂導入管16cの一端が接続され、調整槽10の油脂入口には油脂導入管16cの他端が接続されている。調整槽10の油脂出口には油脂排出管16dの一端が接続され、生物処理槽12の油脂入口には油脂排出管16dの他端が接続されている。また、加圧浮上槽28の排水出口には排水排出管16eの一端が接続され、生物処理槽12の排水入口には排水排出管16eの他端が接続され、生物処理槽12の処理水出口には処理水排出管20が接続されている。
次に、本実施形態に係る油脂含有排水処理装置2の動作について説明する。
油脂含有排水は、排水導入管16aから原水槽26に貯留される。原水槽26内の油脂含有排水は、排水導入管16bから加圧浮上槽28に導入され、加圧浮上処理が行われる。加圧浮上処理により、加圧浮上槽28内の液面には、油脂を含むフロスが浮上する。この油脂フロスは、油脂導入管16cから調整槽10に導入され、前述した所定量の鉄塩が添加される。鉄塩が添加された油脂フロスは、油脂排出管16dから生物処理槽12に導入され、また、加圧浮上槽28で油脂が除去された排水が、排水排出管16eから、生物処理槽12に導入される。そして、生物処理槽12内では、鉄塩の存在下で、油脂が生物処理される。また、前述した所定量の鉄塩により、油脂分解により生じるオイルボールの発生が抑制される。このようにして生物処理された処理水は、処理水排出管20から排出される。なお、処理水中には懸濁物質が残存する場合があるため、生物処理槽12の処理水出口付近にフィルター30を設置して、処理水中の懸濁物質等を除去した後、処理水排出管20から排出することが望ましい。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<参考例>
Ca濃度及びノルマルヘキサン抽出物質濃度が異なる食品工場排水1〜8に対して、水温20度、初期pH7で、生物処理を24時間実施し、オイルボールの発生状況を確認した。その結果を表1に示す。
表1に示すように、Ca/ノルマルヘキサン抽出物質(Ca/n−Hex)の濃度比が0.016、Ca濃度が9mg/Lの食品工場排水1を生物処理しても、オイルボールは発生しなかった。しかし、食品工場排水1よりCa/n−Hexの濃度比及びCa濃度が高い食品工場排水2〜8を生物処理すると、オイルボールが発生した。
<実験例1>
処理対象となる油脂含有排水として、惣菜製造工場の排水を使用した。当該排水の水質は、CODcr濃度が2000mg/L、ノルマルヘキサン抽出物質濃度が400mg/L、カルシウム濃度が20mg/Lであった。密閉ネジ口ガラス瓶に当該排水及び塩化第一鉄を投入した。塩化第一鉄の添加量を、Fe/Ca濃度比で0(鉄塩無添加)、0.1、0.2、0.3、又は0.4とした。
鉄塩添加後、水温20℃、初期pH7.2で、生物処理を72時間行った。生物処理後、液面に浮上したオイルボールを採取し、105度で乾燥させ、乾燥重量をオイルボール量とした。Fe/Ca濃度比が0(鉄塩未添加)の場合に発生したオイルボール量を基準(100%)として、Fe/Ca濃度比が0.1、0.2、0.3、又は0.4の場合のオイルボール量を求めた。その結果を図3に示す。
図3に示すように、塩化第一鉄をFe/Ca濃度比が0.1となるよう添加することで、塩化第一鉄未添加の場合と比較して、発生するオイルボール量を45%削減することが可能となった。特に、塩化第一鉄をFe/Ca濃度比が0.2以上となるように添加することで、塩化第一鉄未添加の場合と比較して、発生するオイルボール量を63%以上削減することが可能となった。
<実験例2>
処理対象となる油脂含有排水として、惣菜製造工場の排水を使用した。当該排水の水質は、CODcr濃度が2000mg/L、ノルマルヘキサン抽出物質濃度が400mg/L、カルシウム濃度が20mg/Lであった。密閉ネジ口ガラス瓶に当該排水及び塩化第一鉄を投入した。塩化第一鉄の添加量を、未添加(Fe/Ca:0)、0.15mg/L(Fe/Ca:0.0075)、0.7mg/L(Fe/Ca:0.035)、1.4mg/L(Fe/Ca:0.07)、2.0mg/L(Fe/Ca:0.1)、4.0mg/L(Fe/Ca:0.2)とした。
鉄塩添加後、水温20℃、初期pH7.2で、生物処理を72時間行った。油脂分解に伴い消費される酸素量を記録し、時間当たりの酸素消費量(油脂分解速度)を求めた。その結果を図4に示す。
図4に示すように、鉄濃度が0.15mg/L(Fe/Ca:0.0075)となるように塩化第一鉄を添加した場合、塩化第一鉄未添加の場合と比較して、約2倍の油脂分解速度となり、鉄濃度が0.7mg/L(Fe/Ca:0.035)となるように塩化第一鉄を添加した場合、塩化第一鉄未添加の場合と比較して、約3倍の油脂分解速度となった。但し、鉄濃度が0.7mg/L以上となるように塩化第一鉄を添加しても、油脂分解速度の上昇は確認されなかった。また、0.7mg/L(Fe/Ca:0.035)となるように塩化第一鉄を添加した場合、塩化第一鉄未添加と同等量のオイルボールが発生していた。
以上のことから、ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上である油脂含有排水に、カルシウムに対する鉄の濃度比が0.1以上となるように、鉄塩を添加することで、油脂を効率的に分解することができると共に、オイルボールの発生を効果的に抑制することが可能となると言える。
1,2 油脂含有排水処理装置、10 調整槽、12 生物処理槽、14 鉄塩供給装置、16,16a,16b 排水導入管、16c 油脂導入管、16d 油脂排出管、16e,18 排水排出管、20 処理水排出管、22 貯留タンク、24 鉄塩供給管、26 原水槽、28 加圧浮上槽、30 フィルター。

Claims (4)

  1. ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上である油脂含有排水を生物処理する油脂含有排水の生物処理方法であって、
    前記生物処理においてオイルボールが発生する際、前記油脂含有排水中の前記カルシウムに対して鉄の濃度比が0.1以上となるように、前記油脂含有排水に鉄塩を添加することを特徴とする油脂含有排水の生物処理方法。
  2. 前記油脂含有排水中のカルシウム濃度は10mg/L以上であることを特徴とする請求項1に記載の油脂含有排水の生物処理方法。
  3. ノルマルヘキサン抽出物質に対するカルシウムの濃度比が0.02以上である油脂含有排水を生物処理する生物処理槽と、
    前記油脂含有排水に鉄塩を添加する鉄塩添加手段と、を備え、
    前記鉄塩供給手段は、前記生物処理においてオイルボールが発生する際、前記油脂含有排水中の前記カルシウムに対して鉄の濃度比が0.1以上となるように、前記油脂含有排水に鉄塩を添加することを特徴とする油脂含有排水の生物処理装置。
  4. 前記油脂含有排水中のカルシウム濃度は10mg/L以上であることを特徴とする請求項3に記載の油脂含有排水の生物処理装置。
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