JP6788839B2 - 荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画システムおよび描画データ生成方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画システムおよび描画データ生成方法 Download PDF

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Description

本開示は、マルチビームにて描画を行う荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画システムおよび描画データ生成方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスでは、フォトマスクやウエハに微細パターンを描画する際に、荷電粒子ビーム描画装置が用いられている。最近では、高速描画を行うために、複数の電子ビームを同時に照射して、複数の微細パターンを描画するマルチビーム方式の荷電粒子ビーム描画装置が注目されている。
荷電粒子ビーム描画装置は、レイアウト設計ツールなどで生成された描画データ(以下、元の描画データ)に基づいて描画を行う。荷電粒子ビーム描画装置は、GDSやOASISなどの名称で知られるベクトル形式の元の描画データを、ラスタ形式の描画データに変換して一旦保存し、保存されたラスタ形式の描画データに基づいて描画を行うのが一般的である(特許文献1参照)。
特表2012−527765号公報
荷電粒子ビーム描画装置は、ラスタ形式の描画データに基づいて、ピクセル単位で、電子線ビームの照射/非照射を切り替えて描画を行うが、元の描画データに含まれる微細パターンの寸法は、ピクセル間隔に必ずしも一致せず、また、電子線ビームのビーム径もピクセル幅に一致しないことから、描画前にラスタ形式の描画データを補正する必要がある。
しかしながら、ラスタ形式の描画データは、データ量が膨大であり、ラスタ形式の描画データをピクセル単位で補正した後、その描画データを保存して管理するようにすると、大容量の記録装置を必要とし、保存にも多大な時間を要してしまう。
補正処理後の描画データに不具合がないか否かを検証するために、描画データをデザインセンタ等に転送する処理を行う場合もありうるが、ラスタ形式の描画データはデータ量が膨大であるために、転送にも多大な時間を要し、結果として、補正処理後の描画データの検証を迅速に行えないという問題がある。
本開示は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、補正処理後の描画データを管理しやすくした荷電粒子ビーム描画装置、荷電粒子ビーム描画システムおよび描画データ生成方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様では、荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存する制御を行う第1記憶制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第3描画データに基づいて、前記ビーム生成部、記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを描画する荷電粒子ビーム描画装置が提供される。
前記第2画像変換部は、
前記第3描画データを2値化した2値データを生成する2値化部と、
前記2値データの輪郭を抽出して、前記第4描画データを生成する輪郭抽出部と、を有してもよい。
前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
前記検査部により不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出す第1記憶制御部と、
前記第1記憶制御部にて読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記第1画像変換部が前記第1描画データを前記第2描画データに変換する処理に不具合があったか否かを判断する補正不具合判断部と、を備えてもよい。
前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
前記第2画像変換部は、
前記第3描画データ内の同一のピクセル値を有する隣接したピクセル範囲を一つの分割領域にまとめる領域分割を行う領域分割部と、
前記領域分割された分割領域をベクトル化した前記第4描画データを生成するベクトル変換部と、を有してもよい。
前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
前記第2画像変換部は、
前記第3描画データに基づいて、前記荷電粒子ビームの前方散乱および後方散乱を考慮した描画シミュレーションを行って、蓄積ドーズ量分布を取得する蓄積ドーズ量分布取得部と、
前記蓄積ドーズ量分布をベクトルデータに変換する蓄積ドーズ量変換部と、
前記蓄積ドーズ量変換部にて変換されたベクトルデータの頂点数を削減して、前記第4描画データを生成する頂点数削減部と、を有してもよい。
前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
前記検査部により不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出す第1記憶制御部と、
前記第1記憶制御部にて読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記第2描画データを補正して前記第3描画データを生成する前記画像補正部が行う処理に不具合があったか否かを判断する補正不具合判断部と、を備えてもよい。
前記第1描画データ記憶部に保存された前記第4描画データをラスタ形式の第5描画データに変換する第3画像変換部を備え、
前記制御部は、前記第5描画データに基づいて、前記ビーム生成部、記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを再描画してもよい。
前記画像補正部は、前記第2描画データに含まれる描画パターンの角部のピクセルのピクセル値を補正して前記第3描画データを生成してもよい。
前記描画パターンに重なるピクセルは、前記描画パターンに重ならないピクセルよりも、ピクセル値が大きく設定されており、
前記画像補正部は、前記第2描画データに含まれる描画パターンの角部のピクセルのピクセル値を、より大きい値に補正して前記第3描画データを生成してもよい。
前記画像補正部は、前記第2描画データに含まれる描画パターンの境界線が位置する複数のピクセルのピクセル値を補正して前記第3描画データを生成してもよい。
前記第1描画データを第2描画データ記憶部に保存する制御を行う第2記憶制御部を備えてもよい。
本開示の他の一態様では、荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
前記第4描画データを保存する第1描画データ記憶部と、
前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
前記検査部により、不具合があると判断されると、前記画像補正部における補正処理に不具合があるか否かを判断する補正不具合判断部と、を備える、荷電粒子ビーム描画システムが提供される。
本開示の他の一態様では、荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
前記第2描画データに対してピクセル単位で補正処理を行って、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
前記第4描画データを保存する第1描画データ記憶部と、
前記第3描画データに基づいて、前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを描画する制御部と、
前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
前記検査部により、不具合があると判断されると、前記第4描画データを再生成する第1再生成部と、
前記再生成された第4描画データを用いて、ラスタ形式の前記第3描画データを再生成する第2再生成部と、を備え、
前記制御部は、前記再生成された前記第3描画データに基づいて、前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを再描画し、
前記第2画像変換部は、前記再生成された第3描画データを前記第4描画データに再変換し、
前記第1描画データ記憶部は、前記再変換された第4描画データを保存する荷電粒子ビーム描画システムが提供される。
本開示の一態様では、荷電粒子ビームに基づいて生成した複数の微小ビームを含むマルチビームを用いて、描画対象物の描画を行う荷電粒子ビーム描画装置にて用いられる描画データの生成方法において、
前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得するステップと、
前記第1描画データを、ラスタ形式の第2描画データに変換するステップと、
ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成するステップと、
前記第3描画データを、ベクトル形式の第4描画データに変換するステップと、
前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存するステップと、を備える描画データ生成方法が提供される。
前記第4描画データに変換するステップは、
前記第3描画データを2値化して2値化データを生成し、
前記2値データの輪郭を抽出して、前記第4描画データを生成してもよい。
前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断し、
前記不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出し、
前記読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較し、
前記比較した結果に基づいて、前記第1描画データを前記第2描画データに変換する処理に不具合があったか否かを判断してもよい。
前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
前記第4画像に変換するステップは、
前記第3描画データ内の同一のピクセル値を有する隣接したピクセル範囲を一つの分割領域にまとめる領域分割を行い、
前記領域分割された分割領域をベクトル化した前記第4描画データを生成してもよい。
前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
前記第3描画データに基づいて、前記荷電粒子ビームの前方散乱および後方散乱を考慮した描画シミュレーションを行って、蓄積ドーズ量分布を取得し、
前記蓄積ドーズ量分布をベクトルデータに変換し、
前記変換されたベクトルデータの頂点数を削減して、前記第4描画データを生成してもよい。
前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断し、
前記不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出し、
前記読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較し、
前記比較した結果に基づいて、前記第2描画データを補正して前記第3描画データを生成する処理に不具合があったか否かを判断してもよい。
本開示によれば、補正処理後の描画データを管理しやすくなり、ベクトル形式からラスタ形式へのデータ変換や補正処理に不具合があったか否かを簡易かつ迅速に判断できる。
一実施形態による荷電粒子ビーム描画装置の概略構成を示す図。 マルチビーム生成系の具体的な構成の一例を示す図。 アパーチャプレートとブランキングプレートに形成された複数の開口部をアパーチャプレートの上方から見た平面図。 一実施形態の制御系の具体的な内部構成の一例を示すブロック図。 図4の画像補正部が行う補正処理の第1例を説明する図。 図4の画像補正部が行う補正処理の第2例を説明する図。 図4の画像補正部が行う補正処理の第2例を説明する図。 図4の画像補正部が行う補正処理の第2例を説明する図。 図4の画像補正部が行う補正処理の第2例を説明する図。 一変形例による制御系の具体的な内部構成を示すブロック図。 画像補正処理とエラー要因特定処理を含めた制御系の処理手順の第1例を示すフローチャート。 制御系の再描画処理の一例を示すフローチャート。 図12の処理を行う制御系の内部構成を示すブロック図。 制御系の処理手順の第2例を示すフローチャート。 第2例による制御系のブロック図。 図15の処理を模式的に示す図。 図11のステップS5を第2手法にて行う場合の処理手順を示すフローチャート。 第3描画データの一例を示す図。 図18Aの第3描画データをドーズ量に応じて領域分割した例を示す図。 図18Bの各分割領域をポリゴン化したベクトルデータからなる第4描画データに変換する例を示す図。 図17の第2手法で生成された第4描画データを用いて図11のステップS10の処理を行う場合の詳細な処理手順を示すフローチャート。 図20の処理を模式的に説明する図。 図20の処理を模式的に説明する図。 図11のステップS4の処理をやり直して生成した第3描画データに基づいて、図20の処理により生成した第4描画データを示す図。 図11のステップS5を第3手法にて行う場合の処理手順を示すフローチャート。 第3描画データの一例を示す図。 図24Aの第3描画データを用いて描画シミュレーションを行って取得した蓄積ドーズ量分布を示す図。 図23のステップS62とS63の処理を説明する図。 図23のステップS62とS63の処理を説明する図。 図23の第3手法で生成された第4描画データを用いて図11のステップS10の処理を行う場合の詳細な処理手順を示すフローチャート。 図26の処理を模式的に説明する図。 制御系の再描画処理の一例を示すフローチャート。 図28の処理を行う制御系の内部構成を示すブロック図。 制御系の処理手順の第2例を示すフローチャート。 第2例による制御系のブロック図。
以下、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。図1は一実施形態による荷電粒子ビーム描画装置1の概略構成を示す図である。図1の荷電粒子ビーム描画装置1は、露光用マスクやシリコンウエハ等の描画対象物に微細パターンを形成する目的で用いられる。
図1の荷電粒子ビーム描画装置1は、大きく分けて、照明系2と、マルチビーム生成系3と、投影系4と、制御系35と、を備えている。
照明系2は、電子銃(ビーム生成部)7と、抽出系8と、偏向器9aと、照明レンズ9とを有する。電子銃7は、電子ビーム(電子線)を放射する。なお、本実施形態による荷電粒子ビーム描画装置1が描画に用いる荷電粒子は、必ずしも電子ビームに限定されない。例えば、水素イオンや重イオンなどの各種イオンのビームでもよいし、荷電原子クラスタや荷電分子のビームでもよい。ここで、重イオンとは、炭素(C)よりも重い元素(例えば、酸素、窒素など)のイオンを指す。あるいは、重イオンとは、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などを指す。以下では、荷電粒子ビームとして、電子ビームを用いる例を主に説明する。
偏向器9aは、電子銃7が放射した電子ビームの進行方向1aを制御する。照明レンズ9は、電子ビームの進行方向を揃える。照明レンズ9を通過した電子ビームは、幅広でテレセントリックなビーム1bとなる。
マルチビーム生成系3は、後に詳述するように、照明レンズ9を通過した電子ビーム1bから、複数の微小ビームを含むマルチビーム1cを生成する。
投影系4は、第1電磁レンズ6aと、第1偏向器11と、第2電磁レンズ6bと、アパーチャ部材10と、第3電磁レンズ6cと、第2偏向器12とを有する。投影系4に入射されたマルチビーム1cは、第1電磁レンズ6a、第1偏向器11および第2電磁レンズ6bを順に通過する。その後、アパーチャ部材10の開口部を通過したマルチビームのみが第3電磁レンズ6cと第2偏向器12を順に通過した後、ステージ5上に載置された描画対象物13を照射して描画が行われる。投影系4は、第1〜第3電磁レンズ6a〜6cを用いて、描画対象物13上にマルチビームを縮小投影する。ステージ5は、その設置面の二次元方向に移動可能とされている。よって、ステージ5を移動させながら、投影系4にて描画対象物13上にマルチビームを縮小投影することで、描画対象物13上の任意の場所に、描画を行うことができる。描画対象物13は、露光用マスクやシリコンウエハなどである。
この他、投影系4は、第1〜第3電磁レンズ6a〜6cと第1〜第2偏向器11,12とにおける色収差と幾何学的収差を広範に補償する光学的な処理を行う。
制御系35は、後に詳述するように、照明系2、マルチビーム生成系3および投影系4を制御する。この他、制御系35は、描画パターンの外観検査や、後述する補正処理の制御なども行う。
図2はマルチビーム生成系3の具体的な構成の一例を示す図である。図2のマルチビーム生成系3は、アパーチャプレート(アパーチャ部)16と、ブランキングプレート(ブランキング部)17とを有する。
アパーチャプレート16は、衝突する電子ビームからプレート16を保護する保護層15と、マルチビームを放射させる複数の開口部16aとを有する。保護層15は、必須の部材ではなく、省略しても構わない。
ブランキングプレート17は、アパーチャプレート16の各開口部16aに合わせて形成される複数の開口部17aを有する。
図3はアパーチャプレート16とブランキングプレート17に形成された複数の開口部16a,17aをアパーチャプレート16の上方から見た平面図である。図3の例では、アパーチャプレート16の面方向の二次元方向に一定間隔で複数の開口部16aが配置されている。
図2に示すように、ブランキングプレート17の各開口部17aの近傍には、一組の電極である接地電極18と偏向電極19とが設けられている。接地電極18と、対応する偏向電極19とを通電させることで、対応する開口部16a,17aを通過する電子ビームを偏向させて、図2の矢印21に示すように、電子ビームが図1のアパチャープレート10を通過しないようにする。一方、接地電極18と、対応する偏向電極19とを通電させない場合は、電子ビームは偏向されず、図2の矢印20に示すように、図1のアパチャープレート10を通過する。通電は、非導通状態におけるデフォルト電圧と十分に異なる電圧を接地電極18と偏向電極19との間に印加することにより行われる。通電しない状態でのデフォルト電圧は0Vであり、接地電極18と偏向電極19は同電位になっている。接地電極18と偏向電極19の電圧制御は、制御系35によって行われる。
このように、ブランキングプレート17の各開口部17aごとに、電子ビームを偏向させるか否かを制御できるため、図1のアパチャープレート10を通過するマルチビームのビーム数およびビーム位置を任意に制御できる。
シングルビーム方式の荷電粒子ビーム描画装置1の場合、描画対象物13上には1本の電子ビームしか照射されないので、その断面形状を矩形等の任意形状に加工し、任意の強度に調節した状態で照射することが可能である。したがって、例えば、露光対象面上で矩形の照射スポットを走査しながら矩形状のパターンを描画することも可能である。このため、寸法誤差が発生することはなく、正確なパターニングを行うことができるが、描画速度の向上は望めないため、描画時間が長くかかるという問題が生じる。
これに対して、マルチビーム方式の荷電粒子ビーム描画装置1の場合、多数の電子ビームを用いて極めて高速な描画を行うことができるメリットを有しているが、個々のビームの断面形状を個別に制御したり、個々のビームの強度を個別に制御したりすることは困難である。より具体的には、微細なアパーチャプレート16の開口部16aを通過した個々の電子ビームを個別に成形したり、個別に強度調節したりする機構を設けることはできない。
現在利用されている一般的なマルチビーム方式の荷電粒子ビーム描画装置1では、露光対象面上に直径φの多数の円形の照射スポットを形成することができるものの、照射スポットを任意の形状に成形することはできず、個々の電子ビームのON/OFF制御により描画を行う方法を採らざるを得ない。そこで、このマルチビーム方式の荷電粒子ビーム描画装置1の描画制御を行うために、二次元画素配列によって構成される描画データが利用される。
また、マルチビーム方式の荷電粒子ビーム描画装置1では、多数の電子ビームの強度を個別に制御することはできない。ただし、ブランキングプレート17を制御することにより、個々の電子ビームを個別にON/OFFすることは可能である。そこで、個々の照射基準点ごとに、それぞれ照射する電子ビームを個別にON/OFF制御し、露光時間を変えることにより露光強度を変える方法を採る。このような露光時間の制御は、実際には、露光回数の制御という形で行われる。これは、実際には、ステージ5を二次元的(図1の左右方向および奥行き方向)に移動させながら、多数の電子ビームを描画対象物13上で二次元的に走査しながら描画を行うためである。
例えば、数ナノ秒程度の露光時間を1回の電子ビーム照射時の単位露光時間と定めておき、1回の電子ビーム照射が完了するたびに、ステージ5をX軸方向にピッチdだけ移動させ、次の回の電子ビーム照射を行うようにすれば、特定の照射基準点Qに対しては、毎回異なる電子ビーム(隣接する電子ビーム)によって単位露光時間分の露光が行われることになる。このとき、毎回、個々の電子ビームごとに個別のON/OFF制御を行えば、段階的ではあるものの、個々の照射基準点ごとに固有の露光強度を設定することが可能になる。後述するように、露光強度を制御することで、描画パターンの形状やパターン幅を微調整することが可能である。
図4は本実施形態の制御系35の具体的な内部構成の一例を示すブロック図である。図4の制御系35は、制御部41と、取得部42と、第1画像変換部43と、画像補正部44と、第2画像変換部45と、第1記憶制御部46と、第1描画データ記憶部47と、第2記憶制御部48と、第2描画データ記憶部49とを有する。図4のうち、取得部42、第1画像変換部43、画像補正部44、第2画像変換部45、第1記憶制御部46および第2記憶制御部48は、荷電粒子ビーム描画装置1の内部に設けられ、第1描画データ記憶部47と第2描画データ記憶部49は荷電粒子ビーム描画装置1とは別個の装置(例えば、検査装置)内に設けられている。本明細書では、荷電粒子ビーム描画装置1と検査装置を合わせて荷電粒子ビーム描画システムと呼ぶ。
制御部41は、荷電粒子ビーム描画装置1内の各部を制御する。制御部41は、例えば、一台または複数台のコンピュータにより構成可能であるが、制御部41を実現する具体的な構成は特に問わない。制御部41は、後述する取得部42、第1画像変換部43、画像補正部44および第2画像変換部45の少なくとも一部の機能を含んでいてもよい。
取得部42は、描画対象物13に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する。ここで、ベクトル形式とは、線分情報と線の方向の情報とで描画データを管理することを意味する。取得部42は、不図示のレイアウト設計ツール等で生成した第1描画データをネットワーク経由、あるいは光ディスク等の記録メディアを介して取得する。第1描画データは、GDSやOASIS等の汎用のベクトル形式の描画データである。
第1画像変換部43は、取得部42が取得した第1描画データを、ラスタ形式の第2描画データに変換する。ここで、ラスタ形式とは、ピクセル単位のピクセルデータで描画データを管理することを意味する。
画像補正部44は、第2描画データが理想的な描画データに近づくようにピクセル単位で第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成する。画像補正部44が、ラスタ形式のままで補正処理を行う理由は、第2描画データのパターン画像の特徴的な箇所のみを抽出して補正処理を行うためである。
第2画像変換部45は、第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する。第2画像変換部45が、ラスタ形式からベクトル形式に描画データを変換する理由は、ラスタ形式のままだと、データ量が膨大となり、保存に適さないためである。
第1描画データ記憶部47は、第2画像変換部45が画像変換を行ったベクトル形式の第4描画データを保存する。第1記憶制御部46は、第4描画データを第1描画データ記憶47に保存する制御を行う。また、第2描画データ記憶部49は、補正処理前のベクトル形式の第1描画データを保存する。第2記憶制御部48は、第1描画データを第2描画データ記憶49に保存する制御を行う。なお、第2描画データ記憶部49は、必須の構成部分ではないため、省略してもよい。第2描画データ記憶部49を設ける利点は、描画対象物13に描画したパターンの外観検査で不具合がある、すなわちエラーと判断されたときに、その不具合の原因究明に役立てることができることである。すなわち、パターンの外観検査でエラーになる原因として、ベクトル形式からラスタ形式へのデータ変換と、補正処理の不具合(エラー)と、データ変換および補正処理以外の不具合(エラー)とが考えられる。補正処理の不具合か否かを判断するには、補正処理前の第1描画データと、補正処理後の第4描画データとを比較すればよい。よって、第2描画データ記憶部49に補正処理前の第1描画データが格納されていれば、補正処理のエラーか否かを簡易かつ迅速に判断することができる。
図5は図4の画像補正部44が行う補正処理の第1例を説明する図である。描画対象物13上に描画される描画パターン40の角部40aは、設計上の理想的なパターンが急峻な角度の角部を有していたとしても、実際に描画される際には、丸みを帯びた形状になりやすい。これは、電子ビームのビーム形状が丸まっていることと、電子ビームのビーム径がピクセル幅よりも大きい可能性があることと、電子ビームは、ビーム口径の中心部が最も輝度が高く、周縁に近づくにつれて輝度が次第に弱まること等による。
そこで、補正処理の第1例では、描画パターン40の角部40aに対応するピクセルの露光強度をより高くして、実際のパターン形状の丸みを抑える補正処理を行う。
図5は描画パターン40の1個の角部40aだけを拡大図示している。図5(a)は角部40aにおける第1描画データと、角部40aにおける第2描画データとを示している。第1描画データは、ベクトル形式の描画データであり、描画パターン40の線方向の情報と線分の長さの情報とを含んでいる。第2描画データは、描画パターン40を構成する各ピクセルのピクセル値の情報を含んでいる。ここで、ピクセルとは、描画パターン40内の単位領域であり、ピクセル値とは、描画パターン40内の単位領域当たりの電子ビームの照射量すなわちドーズ量である。
図5の例では、描画パターン40の角部40aの二辺の為す角度が90度であり、描画パターン40の境界線は、各ピクセルの中央を通過している。この場合、第2描画データは、描画パターン40がピクセル内の全域に存在するピクセルのピクセル値は15、描画パターン40がピクセル内の半分だけに存在するピクセルのピクセル値を7、描画パターン40の角部40aが存在するピクセルのピクセル値を4、描画パターン40がピクセル内に存在しないピクセルのピクセル値を0としている。描画パターン40の角部40aが存在するピクセルは、描画パターン40がピクセル内の1/4の面積に存在するため、そのピクセル値は15×1/4=3.75で、四捨五入すると4となる。
図5(b)は画像補正部44による補正処理後の第3描画データを示している。補正処理前は、描画パターン40の角部40aが存在するピクセルのピクセル値を4としていたが、補正処理を行うことで、このピクセルのピクセル値を15に変更する。これにより、第3描画データをベクトル変換した第4描画データは、角部40aが矩形状に拡大された描画データとなる。第1描画データ記憶部47は、この第4描画データを保存する。第4描画データはベクトル形式であるため、ラスタ形式の第3描画データを保存するよりも、保存するデータ量を大幅に削減できる。
図5(b)に示すように、描画パターン40の角部40aが矩形状に拡大された描画データに基づいて実際に描画を行うと、角部40aの丸みが抑制されて、設計上の理想的な描画パターン40に近づく。
このように、画像補正部44は、描画対象物13の描画データであるラスタ形式の第2描画データの中から、描画パターン40の角部40aを検出して、角部40aのピクセル値を補正する。第2画像変換部45は、補正後の第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換して、第1描画データ記憶部47に保存する。これにより、補正後の描画データを少ないデータ量で管理できることから、補正後の第4描画データを、デザインセンタなどに転送して検証する際のデータ量を削減でき、第4描画データの検証を行いやすくなる。
なお、画像補正部44が補正処理を行うのは、描画パターン40の角部40aだけに限定されるわけではない。例えば、描画パターン40の境界線についても補正処理を行ってもよい。
図6〜図9は図4の画像補正部44が行う補正処理の第2例を説明する図である。1個のピクセルが5nmのパターン幅の場合、5で割り切れるパターン幅の描画パターン40については、描画パターン40の境界線は、ピクセルの境界位置を通過する。図6は5の倍数のパターン幅(例えば20nm)の描画パターン40に対応する第3描画データの例を示している。図6では、描画パターン40が存在するピクセルのピクセル値を15、描画パターン40が存在しないピクセルのピクセル値を0としている。図6の例では、描画パターン40の境界線がピクセルの境界位置と一致している。
一方、5で割り切れないパターン幅の描画パターン40については、境界線に位置するピクセルのピクセル値を調整して、境界線をピクセルの境界位置からずらす必要がある。図7は、19nmのパターン幅の描画パターン40を描画しようとして、描画パターン40の境界線に位置するピクセルのピクセル値を15とした例を示している。
仮に、図7のような第3描画データを用いて描画を行ったときのパターン幅が19.5nmであったとする。この場合、あと0.5nm分、パターン幅を狭めなければならないため、例えば図8のように、描画パターン40の境界線に位置するピクセルのピクセル値をさらに小さい値である13にする。このときのパターン幅が図8に示すように、18.5nmであったとすると、例えば図9のように、描画パターン40の境界線に位置するピクセルのピクセル値を、境界線に沿って、交互に13と14が繰り返すようにする。画像補正部44は、このような補正を繰り返すことで、最適なパターン幅となるように、補正処理を行う。
図9の場合、境界線に沿った方向のピクセル値が13と14であり、第3描画データを変換したベクトル形式の第4描画データは、折れ線形状となる。境界線が折れ線形状となっても、その凹凸差は0.5nm程度であり、実用上は問題は無い。ただし、第4描画データには、折れ線の各交点座標と、折れ線の長さおよび方向とが含まれることになり、直線状の境界線を持った描画パターン40よりは、データ量が増える。ただし、ラスタ形式の第3描画データよりは、はるかに少ないデータ量で済む。
画像補正部44が補正処理を行った第3描画データにエラーがないか否かを検証する手法として、第3描画データをベクトル変換した第4描画データを、上述したデザインセンタ等に伝送して検証を行うことも考えられるが、制御系35にてエラーの有無を検証してもよい。エラーは、第3描画データに基づいて描画対象物13に実際に描画を行い、その描画パターン40の外観検査を第4描画データを用いて行って検出される。エラーが検出される要因として、画像補正部44の補正処理に不具合があった場合と、補正処理以外の処理に不具合があった場合とがある。よって、エラーが検出された場合には、エラーの要因を特定する必要がある。
制御系35にてエラー要因の特定処理まで行う場合のブロック構成は図10のようになる。図10は、図4に検査部50と補正不具合判断部51を追加したものである。検査部50は、描画対象物13に描画した描画パターン40の外観検査を行って、不具合の原因が画像補正部44の補正処理にあるか否かを判断する。補正不具合判断部51は、画像補正部44の補正処理に不具合があるか否かを判断して、不具合があれば、再度画像補正部44に対して補正処理を指示する。図10のうち、取得部42、第1画像変換部43、画像補正部44、第2画像変換部45、第1描画データ記憶部47、第2描画データ記憶部49、検査部50および補正不具合判断部51は、描画データ検証装置を構成している。
図11は画像補正処理とエラー要因特定処理を含めた制御系35の処理手順の第1例を示すフローチャートである。
まず、取得部42にて、描画対象物13に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する(ステップS1)。取得した第1描画データは、第2描画データ記憶部49に保存される(ステップS2)。このステップS2の処理は、後述するステップS3〜S6の処理に前後して行われる。次に、第1画像変換部43にて、第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する(ステップS3)。次に、画像補正部44にて第2描画データの補正処理を行い、ラスタ形式の第3描画データを生成する(ステップS4)。次に、第2画像変換部45にて、第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する(ステップS5)。ステップS5の処理の詳細について後述する。
次に、第1記憶制御部46は、第4描画データを第1描画データ記憶部47に保存する制御を行う(ステップS6)。第1描画データ記憶部47は、例えば荷電粒子ビーム描画装置1と情報通信を行う不図示のサーバの内部に設けられている。
次に、制御部41は、第3描画データに基づいて、描画対象物13に対して描画を行って、描画パターン40を形成する(ステップS7)。上述したステップS1〜S7の処理は、荷電粒子ビーム描画装置にて行われる。後述するステップS8〜S11の処理は、検査装置にて行われる。
ステップS8では、形成した描画パターン40を不図示の撮像装置にて撮像して、撮像した画像を分析し、描画パターン40の外観検査を行う。外観検査では、例えばDie to Die検査またはDie to Database検査を行う。Die to Die検査は、描画パターン40が形成された描画対象物13上で、同じ種類のセル同士を比較する検査である。セルとは、描画パターン40を構成する基本パターンである。一つの描画パターン40は、多数のセルを組み合わせて構成されている。形状の異なる複数種類のセルが存在しうるが、各種類のセルを任意の数だけ組み合わせて描画パターン40が構成されている。Die to Die検査では、検査対象セルの撮影画像を、同じ形状の別のセルの撮影画像と比較して、外観検査を行う。一方、Die to Database検査は、描画パターン40の撮影画像を、第1描画データと比較して、外観検査を行う。比較に用いる第1描画データは、第2描画データ記憶部49から読み出したものを用いてもよい。
次に、外観検査の結果、描画パターン40に外観上の不具合があるか否かを判断する(ステップS9)。外観上の不具合がなければ図11の処理を終了し、外観上の不具合があれば、第1描画データ記憶部47に保存されている第4描画データと、第2描画データ記憶部49に保存されている第1描画データとを比較して、画像補正部44で行った補正処理に不具合があるか否かを判断する(ステップS10)。ステップS10の処理の詳細については後述する。もし、補正処理に不具合がないと判断されると、補正処理以外に不具合があると認定して、予め定めたエラー処理を実行する(ステップS11)。ステップS10で補正処理に不具合があると判断されると、ステップS4に戻って、第2描画データの補正処理をやり直す。
ステップS5の処理を行うには、いくつかの手法が考えられる。以下では、代表的な第1手法〜第3手法を順に説明する。
図12は第1手法の処理手順を示すフローチャートである。まず、図11のステップS4で生成した第3描画データを2値化する(2値化部、ステップS21)。図13Aは第3描画データの一例を示す図、図13Bは図13Aの第3描画データを2値化した例を示す図である。図13Aの第3描画データは、最小値が0で、最大値が15のピクセル単位のラスタデータである。図12のステップS21では、閾値を適宜設定し、閾値以上のラスタデータを1、閾値未満のラスタデータを0として2値化する。閾値は任意の値を設定可能であるが、図13Bは閾値を5として2値化した例を示している。この2値化により、ピクセル単位のデータを1ビットで表現できるため、大幅にデータ量を削減できる。
ステップS21の処理を行う際に、値の異なる複数の閾値を設けて、各閾値ごとに2値データを生成してもよい。2値データは、元の第3描画データよりもはるかにデータ量が小さいため、複数の2値データを設けても、データ量が極端に増大するおそれはない。
次に、2値化したデータに基づいて、描画パターンの輪郭を抽出して、ベクトルデータである第4描画データを生成する(輪郭抽出部、ステップS22)。生成された第4描画データは、図11のステップS6にて、第1描画データ記憶部に保存される。
図14は図13Bの2値データに基づいて輪郭を抽出する例を示す図である。1と0の境界に沿って輪郭が抽出され、輪郭情報を含むベクトルデータが生成される。
図15は、図12の第1手法で生成された第4描画データを用いて図11のステップS9の処理を行う場合の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図11のステップS9で描画パターンに不具合があったと判定されると、不具合があると判定された箇所付近の第4描画データを、第1描画データ記憶部から読み出す(ステップS31)。
次に、ステップS31で読み出した第4描画データを第1描画データと比較する(ステップS32)。比較した結果、所定サイズ以上のデータの不一致が生じたか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33で不一致が検出されると、第1描画データから第2描画データへの変換時に何らかの問題が生じたと判断して(ステップS34)、図11のステップS3に移行する。ステップS33で不一致が検出されなければ、図11のステップS11のエラー処理を行う。
図16は図15の処理を模式的に示す図である。図16の実線は第4描画データ、破線は第1描画データ、×は図11のステップS9で判定された不具合の箇所である。図15の処理は、描画パターンのうち、図11のステップS9で不具合があると判定された箇所付近の第4描画データを読み出して、対応する第1描画データと比較するだけでよいため、描画パターン全体の第4描画データと第1描画データの比較を行わなくてよいことから、不具合箇所を高速に検査できる。
上述したように、閾値が異なる複数の第4描画データを第1描画データ記憶部47に保存している場合は、複数の第4描画データのそれぞれを第1描画データと比較して不具合箇所の検査を行ってもよい。これにより、不具合箇所の検査をより精度よく行うことができる。
図17は図11のステップS5を第2手法にて行う場合の処理手順を示すフローチャートである。まず、図11のステップS4で生成した第3描画データを各ピクセル値ごとに領域分割を行う(領域分割部、ステップS41)。ここで、第3描画データの各ピクセル値とは、電子ビームのドーズ量を表している。ステップS41では、同じドーズ量を有する隣接したピクセル範囲を一つの分割領域とする。
図18Aは第3描画データの一例を示す図、図18Bは図18Aの第3描画データをドーズ量に応じて領域分割した例を示す図である。図18Bでは、ドーズ量が「15」の1つの分割領域と、ドーズ量が「7」の3つの分割領域と、ドーズ量が「4」の1つの分割領域とを設ける例を示している。
次に、領域分割により得られた各分割領域内の第3描画データをベクトルデータである第4描画データに変換する(ベクトル変換部、ステップS42)。図19は図18Bの各分割領域をポリゴン化したベクトルデータからなる第4描画データに変換する例を示している。例えば、分割領域d1は、ドーズ量が「15」であるため、「15」の値とポリゴン情報を含む第4描画データに変換される。生成された第4描画データは、図11のステップS6にて、第1描画データ記憶部47に保存される。
図20は図17の第2手法で生成された第4描画データを用いて図11のステップS10の処理を行う場合の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図11のステップS9で描画パターンに不具合があったと判定されると、不具合があると判定された箇所付近の第4描画データを、第1描画データ記憶部47から読み出す(ステップS51)。
次に、ステップS51で読み出した第4描画データを第1描画データと比較する(比較部、ステップS52)。比較した結果、図11のステップS4の補正処理による補正が入りすぎているか否かを判定する(ステップS53)。補正が入りすぎていると判定されると、図11のステップS4にて第2描画データから第3描画データに変換する際に問題があったと結論づけて(補正不具合判断部、ステップS54)、図11のステップS11のエラー処理を行う。ステップS53で補正の入りすぎではないと判定されると、図11のステップS4に移行する。
図21Aおよび図21Bは図20の処理を模式的に説明する図である。図21の実線は第4描画データ、破線は第1描画データ、×は図11のステップS9で判定された不具合の箇所である。図21Aの不具合の箇所は、描画パターンの角部である。図21Bの不具合の箇所は、描画パターンの端部である。いずれの場合も、図11のステップS4の補正処理を再度やり直して、×付近のピクセル値を調整することで、不具合を解消できる。
図22は、図21Aの不具合がみつかったときに図11のステップS4の処理をやり直して生成した第3描画データに基づいて、図20の処理により生成した第4描画データを示す図である。図22の第4描画データを図21Aと比較すればわかるように、描画パターンの角部におけるピクセル値が変更されている。これにより、図11のステップS8およびS9の外観検査で正常と判定されるようになる。
図20の処理は、図11のステップS9で不具合があると判定された箇所付近の第4描画データを読み出して、対応する第1描画データと比較するだけでよいため、描画パターン全体の第4描画データと第1描画データの比較を行わなくてよいことから、不具合箇所を高速に検査できる。
図23は図11のステップS5を第3手法にて行う場合の処理手順を示すフローチャートである。まず、図11のステップS4で生成した第3描画データを用いて、電子ビームの前方散乱や後方散乱を考慮した描画シミュレーションを行って、蓄積ドーズ量分布を取得する(蓄積ドーズ量分布取得部、ステップS61)。前方散乱とは、電子ビームが目標照射位置だけでなく、目標照射位置の周囲にも照射される散乱現象を指す。後方散乱とは、電子ビームの一部がレジスト膜を貫通して下地の基板で反射されて、目標照射位置の周囲に照射される散乱現象を指す。ステップS61では、前方散乱や後方散乱を考慮した描画シミュレーションを行うことによって、目標照射位置の周囲に照射された電子ビームのドーズ量の分布を蓄積ドーズ量分布として取得する。
図24Aは第3描画データの一例を示す図、図24Bは図24Aの第3描画データを用いて描画シミュレーションを行って取得した蓄積ドーズ量分布を示す図である。蓄積ドーズ量分布は、目標照射位置から離れるほど、ドーズ量が減少する特性になる。
図23のステップS61で蓄積ドーズ量分布が取得されると、次に、蓄積ドーズ量分布を任意の閾値で制限して、レジストパターン像を生成し、このレジストパターン像をベクトルデータに変換する(蓄積ドーズ量変換部、ステップS62)。次に、ステップS62で変換したベクトルデータの頂点数を減らした矩形データを第4描画データとして第1描画データ記憶部に保存する(頂点数削減部、ステップS63)。
図25Aおよび図25Bは図23のステップS62とS63の処理を説明する図である。図24Bに示す蓄積ドーズ量分布のうち、例えば閾値が5以上のドーズ量を有するピクセルのみを抽出すると、図25Aのようなベクトルデータが得られる。このベクトルデータの輪郭線は、図25Aに示すように曲線であり、多数の頂点データを有する。よって、図23のステップS63では、図25Aのような曲線の輪郭線を持つベクトルデータを、図25Bのような直線状の輪郭線を持つ矩形データに変換する。これにより、頂点数を減らしたベクトルデータからなる第4描画データが得られる。
図26は図23の第3手法で生成された第4描画データを用いて図11のステップS10の処理を行う場合の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図11のステップS9で描画パターンに不具合があったと判定されると、不具合がみつかった箇所付近の第4描画データを、第1描画データ記憶部から読み出す(ステップS71)。
次に、ステップS71で読み出した第4描画データを第1描画データと比較する(比較部、ステップS72)。比較した結果、図11のステップS4の補正処理による補正が入りすぎているか否かを判定する(補正不具合判断部、ステップS73)。補正が入りすぎていると判定されると、図11のステップS4にて第2描画データから第3描画データに変換する際に問題があったと結論づけて(ステップS74)、図11のステップS11のエラー処理を行う。ステップS73で補正の入りすぎではないと判定されると、図11のステップS4に移行する。
図27は図26の処理を模式的に説明する図である。図27の実線は第4描画データ、破線は第1描画データ、×は図11のステップS9で判定された不具合の箇所である。第3手法では、電子ビームの前方散乱や後方散乱を考慮して第4描画データを生成するため、第4描画データの精度を向上でき、描画パターンの不具合箇所を精度よく検査することができる。
第3描画データは、図11のステップS7にて描画対象物に描画パターンを描画する処理が終わると、削除される。ただし、第1描画データ記憶部47に保存された第4描画データを用いて、描画対象物に再描画を行うことができる。再描画は、最初に描画した描画対象物(例えば、フォトマスク)が描画後に不良になった場合や、顧客からの要求により複数のフォトマスクの製造を依頼された場合などに行われる。再描画必要な場合は、例えば、以下の1)、2)または3)のような場合がある。
1)描画対象物13としてフォトマスクを製造する場合、フォトマスク用ブランクスに電子線感光性レジストを塗布し、電子線でパターンの描画を行い、その後、現像とエッチングにより基板を加工してフォトマスクを作製する。作製したフォトマスクは、図11のステップS8によって、描画パターンの外観検査を行う。外観検査によって、描画パターンが所望の形状に加工できていないことがわかると、新たなフォトマスク用ブランクスを用意して、再度描画を行う。
2)フォトマスク用ブランクス上に塗布した感光性レジストに電子線でパターンを描画した後に現像し、現像したパターンに不良が発見されると、レジストを剥離して、同じブランクス上に再び感光性レジストを塗布して、再度描画する。
3)フォトマスクを作製して出荷した後、顧客からの要望等により同じ描画パターンを有するフォトマスクを再度作製する必要が生じた場合に、同じ描画条件で、新たなフォトマスク用ブランクスに電子線感光性レジストを塗布して、再度描画を行う。
なお、再描画時には、以前とまったく同じ描画パターンで描画を行う場合と、以前の描画パターンに修正や補正を加えた描画パターンで描画を行う場合とがある。
図28は制御系35の再描画処理の一例を示すフローチャート、図29は図28の処理を行う制御系35の内部構成を示すブロック図である。図29は図10の構成に第3画像変換部52を追加したものである。第3画像変換部52は、第1描画データ記憶部47に保存された第4描画データをラスタ形式の第5描画データに変換する。制御部41は、第5描画データに基づいて、マルチビーム生成系3、アパーチャ部材10、投影系4および偏向器9a等を制御して、描画対象物に描画パターンを再描画する。
図28では、まず、第1描画データ記憶部47に保存された第4描画データを読み出して取得する(ステップS81)。次に、第3画像変換部52にて、第4描画データをラスタ形式の第5描画データに変換する(ステップS82)。次に、第5描画データを用いて、制御部41にて描画対象物に描画パターンを描画する(ステップS83)。
図30は制御系35の処理手順の第2例を示すフローチャート、図31は第2例による制御系35のブロック図である。第2例は、描画パターンに不具合があり、かつ第2描画データの補正処理に不具合があると判定された場合に、第2描画データの補正処理をやり直すのではなく、第4描画データを生成し直すものである。図31に示すように、第2例による制御系35は、図10の構成に加えて、第1再生成部53と、第2再生成部54とを有する。第1再生成部53は、補正不具合判断部51にて画像補正部44の補正処理に不具合があると判断されると、第1描画データ記憶部47に保存されている第4描画データを再生成する。第2再生成部54は、再生成された第4描画データに基づいて、ラスタ形式の第3描画データを再生成する。
図30のステップS91〜S101は図11のステップS1〜S11と共通する。ステップS100で補正処理に不具合があると判定されると、第1描画データ記憶部47に保存された第4描画データを読み出して、第1再生成部53にて再生成を行う(ステップS102)。次に、再生成された第4描画データに基づいて、第2再生成部54にてラスタ形式の第3描画データを再生成する(ステップS103)。再生成された第3描画データは、ステップS97の描画パターンを描画するのに用いられるとともに、ステップS95の第4描画データへの変換に用いられる。
図30のステップS102およびS103における第4描画データと第3描画データの再生成処理は、例えば、以下のようにして行われる。第4描画データを第1描画データ記憶部47から読み出して、ラスタ形式の第5描画データに変換し、この第5描画データに対して、図11のステップS10で見つかった不具合を解消するために補正処理を再度行って、第3描画データを生成し直す。また、生成し直した第3描画データを、ベクトルデータに変換して第4描画データを生成し直して第1描画データ記憶部47に保存する。
このように、本実施形態では、描画対象物13に描画すべきベクトル形式の第1描画データを、ラスタ形式の第2描画データに変換した後、第2描画データに基づいて、描画パターン40の補正を行うべき場所を特定して、ピクセル単位で補正処理を行って、ラスタ形式の第3描画データを生成する。第3描画データは、データ量が大きいため、このままでは、デザインセンタ等に伝送して検証を行うのが困難である。そこで、本実施形態は、第3描画データを、ベクトル形式の第4描画データに変換して、データ量を減らした状態で、第1描画データ記憶部47に記憶する。よって、必要に応じて、第1描画データ記憶部47から第4描画データを読み出して検証することを容易に行うことができ、補正処理が適正であったか否かを簡易かつ迅速に判断できる。
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 荷電粒子ビーム描画装置、2 照明系、3 マルチビーム生成系、4 投影系、5
ステージ、6a 第1電磁レンズ、6b 第2電磁レンズ、6c 第3電磁レンズ、7
電子銃、8 抽出系、9 照明レンズ、9a ブランキング偏向器、10 アパーチャ部材、11 第1偏向器、12 第2偏向器、13 描画対象物、16 アパーチャプレート、17 ブランキングプレート、18 接地電極、19 偏向電極、40 描画パターン、41 制御部、42 取得部、43 第1画像変換部、44 画像補正部、45 第2画像変換部、47 第1描画データ記憶部、49 第2描画データ記憶部、50 検査部、51 補正不具合判断部、52 第3画像変換部、53 第1再生成部、54 第2再生成部

Claims (15)

  1. 荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
    複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
    前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
    前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
    前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
    前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
    ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
    前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
    前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存する制御を行う第1記憶制御部と、
    前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
    前記検査部により不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出す第1記憶制御部と、
    前記第1記憶制御部にて読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記第1画像変換部が前記第1描画データを前記第2描画データに変換する処理に不具合があったか否かを判断する補正不具合判断部と、を備え、
    前記制御部は、前記第3描画データに基づいて、前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを描画し、
    前記第2画像変換部は、
    前記第3描画データを2値化した2値データを生成する2値化部と、
    前記2値データの輪郭を抽出して、前記第4描画データを生成する輪郭抽出部とを有する荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
    複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
    前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
    前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
    前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
    前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
    ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
    前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
    前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存する制御を行う第1記憶制御部と、を備え、
    前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
    前記第2画像変換部は、
    前記第3描画データ内の同一のピクセル値を有する隣接したピクセル範囲を一つの分割領域にまとめる領域分割を行う領域分割部と、
    前記領域分割された分割領域をベクトル化した前記第4描画データを生成するベクトル変換部と、を有する、荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
    複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
    前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
    前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
    前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
    前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
    ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
    前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
    前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存する制御を行う第1記憶制御部と、を備え、
    前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
    前記第2画像変換部は、
    前記第3描画データに基づいて、前記荷電粒子ビームの前方散乱および後方散乱を考慮した描画シミュレーションを行って、蓄積ドーズ量分布を取得する蓄積ドーズ量分布取得部と、
    前記蓄積ドーズ量分布をベクトルデータに変換する蓄積ドーズ量変換部と、
    前記蓄積ドーズ量変換部にて変換されたベクトルデータの頂点数を削減して、前記第4描画データを生成する頂点数削減部と、を有する、荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
    前記検査部により不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出す第1記憶制御部と、
    前記第1記憶制御部にて読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記第2描画データを補正して前記第3描画データを生成する前記画像補正部が行う処理に不具合があったか否かを判断する補正不具合判断部と、を備える、請求項2または3に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 前記第1描画データ記憶部に保存された前記第4描画データをラスタ形式の第5描画データに変換する第3画像変換部を備え、
    前記制御部は、前記第5描画データに基づいて、前記ビーム生成部、記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを再描画する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  6. 前記画像補正部は、前記第2描画データに含まれる描画パターンの角部のピクセルのピクセル値を補正して前記第3描画データを生成する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  7. 前記描画パターンに重なるピクセルは、前記描画パターンに重ならないピクセルよりも、ピクセル値が大きく設定されており、
    前記画像補正部は、前記第2描画データに含まれる描画パターンの角部のピクセルのピクセル値を、より大きい値に補正して前記第3描画データを生成する請求項6に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  8. 前記画像補正部は、前記第2描画データに含まれる描画パターンの境界線が位置する複数のピクセルのピクセル値を補正して前記第3描画データを生成する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  9. 前記第1描画データを第2描画データ記憶部に保存する制御を行う第2記憶制御部を備える請求項1乃至8のいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  10. 荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
    複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
    前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
    前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
    前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
    前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
    ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
    前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
    前記第4描画データを保存する第1描画データ記憶部と、
    前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
    前記検査部により、不具合があると判断されると、前記画像補正部における補正処理に不具合があるか否かを判断する補正不具合判断部と、を備える、荷電粒子ビーム描画システム。
  11. 荷電粒子ビームを生成するビーム生成部と、
    複数の開口部を有し、これら開口部に前記荷電粒子ビームを通過させて、複数の微小ビームを含むマルチビームを生成するアパーチャ部と、
    前記マルチビームを描画対象物に縮小投影する投影系と、
    前記アパーチャ部と前記投影系との間に介在され、前記複数の微小ビームを前記投影系に向けるか、前記投影系とは異なる方向に向けるかを制御するブランキング部と、
    前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御する制御部と、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得する取得部と、
    前記第1描画データをラスタ形式の第2描画データに変換する第1画像変換部と、
    前記第2描画データに対してピクセル単位で補正処理を行って、ラスタ形式の第3描画データを生成する画像補正部と、
    前記第3描画データをベクトル形式の第4描画データに変換する第2画像変換部と、
    前記第4描画データを保存する第1描画データ記憶部と、
    前記第3描画データに基づいて、前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを描画する制御部と、
    前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断する検査部と、
    前記検査部により、不具合があると判断されると、前記第4描画データを再生成する第1再生成部と、
    前記再生成された第4描画データを用いて、ラスタ形式の前記第3描画データを再生成する第2再生成部と、を備え、
    前記制御部は、前記再生成された前記第3描画データに基づいて、前記ビーム生成部、前記投影系および前記ブランキング部を制御して、前記描画対象物に描画パターンを再描画し、
    前記第2画像変換部は、前記再生成された第3描画データを前記第4描画データに再変換し、
    前記第1描画データ記憶部は、前記再変換された第4描画データを保存する荷電粒子ビーム描画システム。
  12. 荷電粒子ビームに基づいて生成した複数の微小ビームを含むマルチビームを用いて、描画対象物の描画を行う荷電粒子ビーム描画装置にて用いられる描画データの生成方法において、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得するステップと、
    前記第1描画データを、ラスタ形式の第2描画データに変換するステップと、
    ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成するステップと、
    前記第3描画データを、ベクトル形式の第4描画データに変換するステップと、
    前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存するステップと、
    前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断するステップと、
    前記不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出すステップと、
    前記読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較するステップと、
    前記比較した結果に基づいて、前記第1描画データを前記第2描画データに変換する処理に不具合があったか否かを判断するステップと、を備え、
    前記第4描画データに変換するステップは、
    前記第3描画データを2値化して2値データを生成し、
    前記2値データの輪郭を抽出して、前記第4描画データを生成する、描画データ生成方法。
  13. 荷電粒子ビームに基づいて生成した複数の微小ビームを含むマルチビームを用いて、描画対象物の描画を行う荷電粒子ビーム描画装置にて用いられる描画データの生成方法において、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得するステップと、
    前記第1描画データを、ラスタ形式の第2描画データに変換するステップと、
    ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成するステップと、
    前記第3描画データを、ベクトル形式の第4描画データに変換するステップと、
    前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存するステップと、
    前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
    前記第4描画データに変換するステップは、
    前記第3描画データ内の同一のピクセル値を有する隣接したピクセル範囲を一つの分割領域にまとめる領域分割を行い、
    前記領域分割された分割領域をベクトル化した前記第4描画データを生成する、描画データ生成方法。
  14. 荷電粒子ビームに基づいて生成した複数の微小ビームを含むマルチビームを用いて、描画対象物の描画を行う荷電粒子ビーム描画装置にて用いられる描画データの生成方法において、
    前記描画対象物に描画するためのベクトル形式の第1描画データを取得するステップと、
    前記第1描画データを、ラスタ形式の第2描画データに変換するステップと、
    ピクセル単位で前記第2描画データを補正して、ラスタ形式の第3描画データを生成するステップと、
    前記第3描画データを、ベクトル形式の第4描画データに変換するステップと、
    前記第4描画データを第1描画データ記憶部に保存するステップと、
    前記第3描画データは、複数のピクセルのそれぞれについてのピクセル値を含んでおり、
    前記第3描画データに基づいて、前記荷電粒子ビームの前方散乱および後方散乱を考慮した描画シミュレーションを行って、蓄積ドーズ量分布を取得し、
    前記蓄積ドーズ量分布をベクトルデータに変換し、
    前記変換されたベクトルデータの頂点数を削減して、前記第4描画データを生成する、描画データ生成方法。
  15. 前記描画対象物への描画後に、前記描画対象物の描画パターンの外観検査を行って、外観上の不具合があるか否かを判断し、
    前記不具合があると判断されると、不具合がある箇所周辺の前記第4描画データを前記第1描画データ記憶部から読み出し、
    前記読み出した前記第4描画データを前記第1描画データと比較し、
    前記比較した結果に基づいて、前記第2描画データを補正して前記第3描画データを生成する処理に不具合があったか否かを判断する、請求項13または14に記載の描画データ生成方法。
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