JP6787264B2 - インクジェット記録用水性インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用水性インクに関する。
水性インクを用いて印刷用紙に記録を行うと、印字後の印刷用紙(印字物)がカールすることがある。印字物がカールすることを防止する方法として、例えば、水性インクにおいて有機溶媒の含有量を多くすることが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2010−42544号公報
水性インクにおいて有機溶媒の含有量を多くすると、水性インクの安定性が低下することがある。それだけでなく、裏抜けが発生することもある。また、今般、印字物がカールすることを防止できても、印字物のストック性が低下する場合があることが分かった。本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、インクの安定性と印字物のストック性とを維持しつつカールの発生と裏抜けの発生とを防止可能な水性インクの提供を目的とする。
本発明に係るインクジェット記録用水性インクは、20.0質量%以上30.0質量%以下の第1水溶性溶剤と、10.0質量%以下の第2水溶性溶剤と、0.5質量%以上1.5質量%以下の1,2−オクタンジオールと、0.5質量%以上5.0質量%以下のソルビトールとを含有する。前記第1水溶性溶剤の分配係数LogPが、0以上1未満である。前記第2水溶性溶剤の分配係数LogPが、0未満である。前記分配係数LogPは、n−オクタノール/水分配係数の常用対数値である。本発明に係るインクジェット記録用水性インクの粘度が、5.0mPa・s以上である。
本発明に係るインクジェット記録用水性インクによれば、インクの安定性と印字物のストック性とを維持しつつ、カールの発生と裏抜けの発生とを防止できる。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製の「Zetasizer nano−ZS(ゼータサイザー ナノZS)」)を用いて測定した値である。
また、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本実施形態に係るインクジェット記録用水性インク(以下、単に「水性インク」と記載することがある)は、記録媒体への記録に好適に用いられる。例えば、本実施形態に係る水性インクは、インクジェット記録装置の記録ヘッドの吐出面から記録媒体の印字面へ向かって吐出されて、記録媒体に記録される。記録媒体は、印刷用紙であることが好ましい。印刷用紙には、例えば、普通紙、コピー紙、再生紙、薄紙、厚紙、及び光沢紙が含まれる。
水性インクは、顔料分散体を含有する。顔料分散体は、複数の顔料粒子が水性媒体中において互いに分散されて構成されている。顔料粒子は、各々、顔料を含有する顔料コアと、樹脂塩からなる被覆樹脂とを含む。顔料コアの表面が被覆樹脂で被覆されることで、複数の顔料粒子が水性媒体中において互いに分散される。
[水性インクの基本構成]
本実施形態に係る水性インクは、次に示す構成(以下、「基本構成」と記載することがある)を有する。詳しくは、本実施形態に係る水性インクは、20.0質量%以上30.0質量%以下の第1水溶性溶剤と、10.0質量%以下の第2水溶性溶剤と、0.5質量%以上1.5質量%以下の1,2−オクタンジオールと、0.5質量%以上5.0質量%以下のソルビトールとを含有する。第1水溶性溶剤の分配係数LogPが、0以上1未満であり、第2水溶性溶剤の分配係数LogPが、0未満である。水性インクの粘度が5.0mPa・s以上である。
第1水溶性溶剤が2種以上の溶剤で構成される場合、第1水溶性溶剤を構成する2種以上の溶剤の各々の分配係数LogPが0以上1未満である。第1水溶性溶剤が2種以上の溶剤で構成される場合、第1水溶性溶剤を構成する2種以上の溶剤の含有量の合計が20.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましい。同様に、第2水溶性溶剤が2種以上の溶剤で構成される場合、第2水溶性溶剤を構成する2種以上の溶剤の各々の分配係数LogPが0未満である。第2水溶性溶剤が2種以上の溶剤で構成される場合、第2水溶性溶剤を構成する2種以上の溶剤の含有量の合計が10.0質量%以下であることが好ましい。
分配係数LogPは、n−オクタノール/水分配係数Pの常用対数値であり、JIS Z 7260−107:2000[分配係数(1−オクタノール/水)の測定−フラスコ振とう法]に記載の方法に準拠して測定される。水性インクの粘度は、25℃における水性インクの粘度を意味し、「JIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)」に記載の方法に準拠して測定される。
一般的に、インクジェット記録装置を用いて印刷用紙に記録を行う場合、環境負荷低減などの観点から水性インクの使用が提案されている。しかし、水性インクを用いて印刷用紙に記録を行うと、水(水性インクに含有される水)が印刷用紙に吸収されるため、印刷用紙に含まれるセルロース繊維の膨潤(以下、単に「セルロース繊維の膨潤」と記載する)、又はセルロース繊維の分子間水素結合の切断が起こり易い。そのため、印字物では、非印字面から印字面へ向かう方向に突出するカール(凸状カール)が起こり易い。
しかし、本実施形態に係る水性インクは、20.0質量%以上30.0質量%以下の第1水溶性溶剤を含有する。20.0質量%以上の第1水溶性溶剤を含有する水性インクを用いて印刷用紙に記録を行えば、セルロース繊維の膨潤を防止でき、また、セルロース繊維の分子間水素結合の切断を防止できる。これにより、印字物がカールすることを防止できる。30.0質量%以下の第1水溶性溶剤を含有する水性インクを用いて印刷用紙に記録を行えば、印刷用紙に対する水性インクの濡れ性を適正な範囲内とすることができる。これにより、裏抜けの発生を防止できる。「裏抜け」とは、印刷用紙に対する水性インクの浸透に起因して、印刷用紙の表面に形成された画像が印刷用紙の裏面に現れる現象を意味する。
本実施形態に係る水性インクは、10.0質量%以下の第2水溶性溶剤をさらに含有する。このように、本実施形態では、水性インクが第2水溶性溶剤をさらに含有するため、水性インクが第1水溶性溶剤を含有するにも関わらず、水性インクの安定性を維持できる。よって、水性インクの吐出性能を維持できる。水性インクの安定性を効果的に維持するためには、第2水溶性溶剤の含有量は、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは3.0質量%以上である。10.0質量%以下の第2水溶性溶剤を含有する水性インクを用いて印刷用紙に記録を行えば、セルロース繊維が膨潤し難く、また、セルロース繊維の分子間水素結合が切断され難い。このことによっても、印字物がカールすることを防止できる。
本実施形態に係る水性インクの粘度が5.0mPa・s以上である。このことによっても、裏抜けの発生を防止できる。水性インクの粘度が高すぎると、水性インクが吐出され難い。水性インクの吐出性能を維持するためには、水性インクの粘度は、好ましくは10.0mPa・s以下であり、より好ましくは9.0mPa・s以下であり、さらに好ましくは7.5mPa・s以下である。
本発明者らは、当初、印字物がカールすることを防止できれば、印字物のストック性を維持できる、と考えていた。しかし、今般、本発明者らが検討したところ、印字物のカール量が許容範囲内であっても、インクジェット記録装置から排出された印字物においてカールが残存することがあった(印字物のストック性の低下)(後述する比較例3及び5)。つまり、第1水溶性溶剤の材料、第1水溶性溶剤の含有量、第2水溶性溶剤の材料、又は第2水溶性溶剤の含有量を変更しただけでは、印字物のストック性を維持することは難しかった。本発明者らは、この検討結果を踏まえ、更なる検討を行った。その結果、水性インクが所定量の1,2−オクタンジオールと所定量のソルビトールとをさらに含有すれば、印字物のストック性を維持できることが分かった。このような結果が得られた理由として、本発明者らは、次に示すことを考えている。
詳しくは、1,2−オクタンジオールの分配係数LogPは、1.44であるため、第1水溶性溶剤の分配係数LogPよりも大きい。これにより、1,2−オクタンジオールは、第1水溶性溶剤よりも、さらに強い疎水性を有する。よって、1,2−オクタンジオールは、印刷用紙における隙間(例えば、隣り合うセルロール繊維の間)へ素早く浸透し易い。例えば、1,2−オクタンジオールは、印刷用紙の平面方向及び印刷用紙の厚さ方向の各々へ浸透し易い。そのため、所定量の1,2−オクタンジオールを含有する水性インクを用いて印刷用紙に記録を行えば、水性インクを印刷用紙の平面方向及び印刷用紙の厚さ方向の各々へ浸透させることができる。つまり、印字物において水性インクが局在化することを防止できる。
また、水性インクを用いて印刷用紙に記録を行うと、印刷用紙の印字面に存在する水分は、記録後すぐに、蒸発する。水分がなくなると、ソルビトールは、析出し易い。そのため、所定量のソルビトールを含有する水性インクを用いて印刷用紙に記録を行えば、印字物においてソルビトールが析出し易い。このことによっても、印字物における水性インクの局在化を防止できる。
印字物における水性インクの局在化を防止できれば、印字物において水性インクが乾燥し易い。これにより、水が印刷用紙に吸収されたことに起因してセルロール繊維が膨潤しても、膨潤したセルロール繊維は、比較的短時間(例えば30秒以内)で元の状態(印字前の状態)へ戻り易い。また、水が印刷用紙に吸収されたことに起因してセルロース繊維の分子間水素結合が切断しても、切断した分子間水素結合は、比較的短時間で再結合し易い。これらのことから、印字物がカールした場合であっても、カールを比較的短時間で印字物から取り除くことができる。よって、インクジェット記録装置から排出された印字物においてカールが残存することを防止できるため、印字物のストック性を維持できる。
1,2−オクタンジオールの含有量が多い方が、印字物における水性インクの局在化を防止し易い。しかし、1,2−オクタンジオールの含有量が多すぎると、水性インクの安定性が低下することがあり、裏抜けが発生することがある(後述する比較例4)。また、ソルビトールの含有量が多い方が、印字物における水性インクの局在化を防止し易い。しかし、ソルビトールの含有量が多すぎると、被覆樹脂が溶解することがあるため、顔料粒子の分散性が低下することがある。そのため、水性インクの安定性が低下することがある(後述する比較例6)。つまり、1,2−オクタンジオール及びソルビトールのうちの何れか一方のみを用いて印字物のストック性の維持を試みると、水性インクの安定性が低下することがある(後述する比較例4及び6)。また、裏抜けが発生することもある(後述する比較例4)。よって、1,2−オクタンジオールとソルビトールとを併用することが好ましい。より具体的には、1,2−オクタンジオールの含有量が0.5質量%以上1.5質量%以下であり、ソルビトールの含有量が0.5質量%以上5.0質量%以下である。
なお、印刷用紙へ浸透し易い材料として、多価アルコールモノアルキルエーテルが知られている。しかし、多価アルコールモノアルキルエーテルは、印刷用紙の平面方向への浸透性に優れるに過ぎない。一方、1,2−オクタンジオールは、印刷用紙の平面方向への浸透性だけでなく印刷用紙の厚さ方向への浸透性にも優れる。これにより、水性インクが1,2−オクタンジオールを含有すれば、水性インクが多価アルコールモノアルキルエーテルを含有するが1,2−オクタンジオールを含有しない場合に比べ、印字物における水性インクの局在化をより一層防止し易い。
1,2−オクタンジオールとソルビトールとが、各々、印字物における水性インクの局在化を防止するという作用を有することは、従来知られておらず、本発明者らによって今般初めて見出された。特に、ソルビトールについては、従来、潮解性と保湿性とを示す材料として知られているに過ぎない。今般、潮解剤として公知のソルビトールを1,2−オクタンジオールと併用することで、印字物において水性インクが比較的短時間で乾燥することが分かった。
[水性インクの好ましい構成]
第1水溶性溶剤はジオール類とエーテル類とを含むことが好ましく、第2水溶性溶剤はグリセリンと2−ピロリドンとを含むことが好ましい。ジオール類は、1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、及びヘキシレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。エーテル類は、トリエチレングリコールモノブチルエーテルであることが好ましい。以下、1、2−ペンタンジオールを「PD」と記載する。3−メチル−1,5−ペンタンジオールを「MPD」と記載する。へキシレングリコールを「HD」と記載する。PDとMPDとHDとを区別する必要がない場合には、PDとMPDとHDとの各々を「特定ジオール」と記載する。また、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを「BTG」と記載する。
従来、画質の向上を目的として、エーテル類の使用が提案されている。ここで、エーテル類は、水に比べて強い疎水性を有する。そのため、本発明者らは、第1水溶性溶剤としてエーテル類を使用すれば印字物がカールすること(第1の不具合)を防止できるのではないか、と考えた。しかし、エーテル類の含有量が多くなるほど、水性インクの安定性が低下した(第2の不具合)。また、第1の不具合の発生を防止可能な程度にまでエーテル類の含有量を増やすと、サテライトの発生が顕著となった(第3の不具合)。ここで、サテライトとは、記録ヘッドから吐出されたインク滴が分裂することを意味する。サテライトが発生すると、印刷用紙において着弾位置ずれが起こり易い。
第2の不具合の発生を防止する方法として、第2水溶性溶剤の使用が考えられる。従来、水性インクに含有される第2水溶性溶剤としては、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、又は2−ピロリドンが提案されている。しかし、提案されている第2水溶性溶剤のうちの何れか1つを用いても、第2の不具合の発生を防止できなかった。また、エーテル類と第2水溶性溶剤とを併用しただけでは、第3の不具合の発生を防止できなかった。
第3の不具合の発生を防止する方法として、エーテル類でない第1水溶性溶剤(他の第1水溶性溶剤)の使用が考えられる。しかし、他の第1水溶性溶剤として強い疎水性を有する溶媒を使用すると、第2の不具合の発生が顕著となった。
このような検討結果を踏まえ、本発明者らは、さらなる鋭意検討を行った。その結果、第1水溶性溶剤として前述の好ましい材料を用い、且つ第2水溶性溶剤として前述の好ましい材料を用いることで、第1〜第3の不具合の発生を防止できることが分かった。
詳しくは、エーテル類は、例えば、一般式R−O−(Cm2mO)nHで表される。ここで、Rは、置換基を有しても良い炭化水素基を表す。また、m及びnは、各々独立に、1以上の整数を表す。エーテル類では、Rの炭素数が多いほど、疎水性が強い傾向にあるが、水に対する溶解度が低下する傾向にある。BTGでは、Rの炭素数が4である。今般、Rの炭素数が4であるエーテル化合物は、疎水性と水溶性という相反する性質を有し易いことが分かった。そのため、BTGは、疎水性と水溶性という相反する性質を有し易い。さらに、BTGでは、mが2である。今般、mが2以下であるエーテル化合物は、mが3以上であるエーテル化合物に比べ、水に溶解し易いことが分かった。このことからも、BTGは、水溶性を有し易い。
同様に、ジオール類では、炭化水素基の炭素数が多いほど、疎水性が強い傾向にあるが、水に対する溶解度が低下する傾向にある。MPD及びHDでは、各々、炭化水素基の炭素数が6であり、PDでは、炭化水素基の炭素数が5である。今般、ジオール類のうち炭化水素基の炭素数が5又は6である化合物は、疎水性と水溶性という相反する性質を有し易いことが分かった。そのため、特定ジオールは、水溶性を有し易い。また、特定ジオールは、疎水性を有し易く、例えば、従来の水性インクに含有されているジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、又は1,3−ブタンジオール)に比べて強い疎水性を有する。
このように、好適な水性インクでは、BTGと特定ジオールとが第1水溶性溶剤として機能し得る。そのため、第1の不具合の発生を防止し易い。また、第3の不具合の発生を防止可能な程度にまでBTGの含有量を少なく抑えた場合であっても、特定ジオールの含有量を調整することで、第1の不具合の発生を効果的に防止できる。例えば、水性インクにおけるBTGの含有量は、5.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましく、水性インクにおける特定ジオールの含有量は、5.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。水性インクがPDとMPDとHDとのうちの少なくとも2つを含有する場合、それらの含有量の合計が5.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。例えば、水性インクがPDとMPDとを含有する場合、PDの含有量とMPDの含有量との合計が5.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましい。なお、本発明者らは、水性インクがBTGを含有するが特定ジオールを含有しない場合には第1の不具合の発生を効果的に防止できないことを確認している。また、本発明者らは、水性インクが特定ジオールを含有するがBTGを含有しない場合には第1の不具合の発生を効果的に防止できないことを確認している。
より好ましくは、水性インクにおけるBTGの含有量が5.0質量%以上20.0質量%以下である。これにより、第3の不具合の発生をより一層効果的に防止できる。さらに好ましくは、水性インクにおけるBTGの含有量が5.0質量%以上15.0質量%以下である。また、より好ましくは、水性インクにおける特定ジオールの含有量が15.0質量%以上25.0質量%以下である。これにより、水性インクの粘度が5.0mPa・s以上となり易い。さらに好ましくは、水性インクにおけるMPDの含有量が15.0質量%以上25.0質量%以下である。これにより、水性インクの粘度をより一層容易に5.0mPa・s以上とすることができる。より一層好ましくは、水性インクにおけるMPDの含有量が20.0質量%以上25.0質量%以下である。なお、特定ジオールの含有量が多すぎると、水性インクの粘度が高くなりすぎることがある。
BTG及び特定ジオールは、各々、水に溶解し易い。また、グリセリンは、水とBTG及び特定ジオールとの相溶を助ける溶剤として機能し易い、と考えられる。また、2−ピロリドンは、BTGと特定ジオールとの相溶を助ける溶剤として機能し易い、と考えられる。これらのことから、グリセリンと2−ピロリドンとを併用することで、第2の不具合の発生を防止し易い。例えば、水性インクにおけるグリセリンの含有量は、1.0質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、水性インクにおける2−ピロリドンの含有量は、1.0質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。なお、本発明者らは、水性インクがグリセリンを含有するが2−ピロリドンを含有しない場合には第2の不具合の発生を効果的に防止できないことを確認している。また、本発明者らは、2−ピロリドンを含有するがグリセリンを含有しない場合には第2の不具合の発生を効果的に防止できないことを確認している。
[水性インクに含有される材料]
以下、水性インクに含有される材料について、具体的に説明する。
水性インクは、顔料分散体を含有する。本実施形態では、水性インクは、第1水溶性溶剤と第2水溶性溶剤と1,2−オクタンジオールとソルビトールとをさらに含有する。水性インクは、界面活性剤、溶解安定剤、保湿剤、及び浸透剤のうちの少なくとも1つをさらに含有してもよい。以下では、顔料分散体、界面活性剤、溶解安定剤、保湿剤、及び浸透剤を主に説明する。
<顔料分散体>
顔料分散体では、複数の顔料粒子が水性媒体中において互いに分散する。顔料粒子は、各々、顔料コアと被覆樹脂とを含む。
(顔料コア)
顔料コアは、顔料を含有する。顔料としては、例えば、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、又は黒色顔料を使用できる。黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、110、120、128、138、139、151、154、155、173、180、185、又は193が挙げられる。橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ34、36、43、61、63、又は71が挙げられる。赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド122又は202が挙げられる。青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15又は15:3が挙げられる。紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット19、23、又は33が挙げられる。黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック7が挙げられる。
水性インクにおける顔料コアの含有量は、4質量%以上8質量%以下であることが好ましい。これにより、所望の画像濃度を有する画像が得られ易い。また、記録媒体に対する水性インクの浸透性を確保し易い。顔料コアの含有量が少なすぎると、所望の画像濃度を有する画像が得られないことがある。一方、顔料コアの含有量が多すぎると、記録媒体に対する水性インクの浸透性を確保できないことがある。また、水性インクにおいて顔料粒子の流動性を確保できないことがあるため、所望の画像濃度を有する画像が得られないことがある。
顔料コアの体積中位径(D50)は、30nm以上200nm以下であることが好ましい。これにより、水性インクの色濃度、色相、及び安定性が向上し易い。より好ましくは、顔料コアの体積中位径(D50)が70nm以上130nm以下である。
(被覆樹脂)
被覆樹脂は、顔料コアの表面に設けられる。被覆樹脂は、アニオン性を有することが好ましく、例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、及びビニルナフタレン−マレイン酸共重合体のうちの少なくとも1つであることが好ましい。より好ましくは、被覆樹脂は、スチレン−アクリル酸系樹脂である。被覆樹脂がスチレン−アクリル酸系樹脂であれば、顔料粒子を容易に作製できる。また、顔料コアの分散性を高めることができる。
スチレン−アクリル酸系樹脂は、スチレンに由来する単位と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルに由来する単位とを含む樹脂である。好ましくは、スチレン−アクリル酸系樹脂は、スチレンとアクリル酸とアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸とメタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸との共重合体、スチレンとマレイン酸とアクリル酸アルキルエステルとの共重合体、スチレンとメタクリル酸との共重合体、及びスチレンとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合体のうちの少なくとも1つである。より好ましくは、スチレン−アクリル酸系樹脂は、スチレンとメタクリル酸とメタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体である。より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂は、スチレンとメタクリル酸とメタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルとの共重合体である。
被覆樹脂の含有量は、100質量部の顔料コアに対して、15質量部以上100質量部以下であることが好ましい。これにより、記録後の記録媒体において裏抜けが生じることを防止し易い。また、所望の画像濃度を有する画像が得られ易い。被覆樹脂の含有量が少なすぎると、記録後の記録媒体において裏抜けが生じることがある。一方、被覆樹脂の含有量が多すぎると、所望の画像濃度を有する画像が得られないことがある。
(水性媒体)
水性媒体は、水を含有することが好ましく、より好ましくはイオン交換水を含有する。水性インクにおける水の含有量は、20質量%以上70質量%以下であることが好ましい。これにより、適切な粘度を有する水性インクを提供し易い。例えば、水性媒体は、イオン交換水とグリコールとを含有することが好ましい。水性インクがグリコールを含有すれば、水性インクの乾燥を防止し易い。
<界面活性剤>
水性インクが界面活性剤を含有すれば、記録媒体に対する水性インクの濡れ性が向上する。界面活性剤は、ノニオン界面活性剤であることが好ましい。水性インクにおけるノニオン界面活性剤の含有量は、0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。これにより、画像のオフセットを抑制しつつ、画像濃度が向上する。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ノニオン性アクリル樹脂又はそのプレポリマーが挙げられる。ノニオン性アクリル樹脂は、水溶性を有することが好ましく、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体であることが好ましい。親水性モノマーは、例えば、ポリエチレングリコールアクリレート(PEGA)、メタクリル酸メチル(MMA)、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル(EA)、又はメタクリル酸エチル(EMA)であることが好ましい。疎水性モノマーは、例えば、アクリル酸n−ブチル(BA)、ポリプロピレングリコールアクリレート(PPGA)、ラウリルアクリレート(LA)、ステアリルアクリレート(SA)、ベンジルアクリレート、又はベンジルメタクリレートであることが好ましい。ノニオン界面活性剤の一例としては、PEGAとMMAとBAとPPGAとLAとの共重合体が挙げられる。
ノニオン界面活性剤は、アセチレングリコール系界面活性剤であってもよい。市販のアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、日信化学工業株式会社製「オルフィン(登録商標)E1010」が挙げられる。「オルフィンE1010」は、アセチレンジオールのエチレンオキシド付加物を含む。ノニオン性アクリル樹脂又はそのプレポリマーとアセチレングリコール系界面活性剤とが併用されてもよい。
<溶解安定剤>
水性インクが溶解安定剤を含有すれば、水性インクに含まれる成分が相溶し易くなるため、水性インクの溶解状態を安定化できる。溶解安定剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、又はγ−ブチローラークトンが挙げられる。水性インクにおける溶解安定剤の含有量は、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
<保湿剤>
水性インクが保湿剤を含有すれば、水性インクからの液体成分の揮発を抑制できるため、水性インクの粘性を安定化できる。保湿剤としては、例えば、ポリアルキレングリコール類、又はアルキレングリコール類が挙げられる。ポリアルキレングリコール類は、ポリエチレングリコール、又はポリプロピレングリコールであることが好ましい。アルキレングリコール類は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−ブタンジオール、又は1,5−ペンタンジオールであることが好ましい。水性インクにおける保湿剤の含有量は、好ましくは2質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。
<浸透剤>
水性インクが浸透剤を含有すれば、記録媒体への水性インクの浸透性が向上する。浸透剤としては、例えば、1,2−へキシレングリコール、1,2−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、又は2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。水性インクにおける浸透剤の含有量は、好ましくは0.5質量%以上20.0質量%以下である。
[水性インクの好ましい製造方法]
まず、被覆樹脂を合成する。詳しくは、所定の溶媒に、重合により被覆樹脂を合成可能なモノマー又はプレポリマーと、重合開始剤とを加え、所定の温度で加熱還流を行う。このようにして、被覆樹脂が合成される。より具体的には、イソプロピルアルコールとメチルエチルケトンとの混合液に、スチレンと、(メタ)アクリル酸と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、重合開始剤とを加え、70℃で加熱還流を行う。これにより、スチレン−アクリル酸系樹脂が合成される。
次に、メディア型分散機を用いて、合成された樹脂と、顔料コアと、水性媒体とを混練する。このようにして、多数の顔料粒子を含む顔料分散液を得る。メディア型分散機で用いるメディアの粒子径(例えば、ビーズの径)を変えることで、顔料粒子の分散度合、顔料分散液に遊離する樹脂の量、又は顔料粒子の粒子径を調整できる。例えば、メディアの粒子径を小さくするほど、顔料粒子の粒子径が小さくなる傾向がある。
得られた顔料分散液と、他のインク成分とを混合する。攪拌機(例えば、新東科学株式会社製「スリーワンモーター(登録商標) BL−600」)を用いて、顔料分散液と他のインク成分とを混合することが好ましい。他のインク成分は、第1水溶性溶剤と第2水溶性溶剤と1,2−オクタンジオールとソルビトールとを含む。第1水溶性溶剤は、BTGと特定ジオールとを含むことが好ましい。第2水溶性溶剤は、グリセリンと2−ピロリドンとを含むことが好ましい。他のインク成分は、界面活性剤、溶解安定剤、保湿剤、及び浸透剤のうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。顔料分散液と他のインク成分とを混合した後、必要に応じてろ過を行う。このようにして、水性インクが得られる。
本発明の実施例を説明する。なお、複数の粒子を含む粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
評価1〜6では、実施例及び比較例に係る水性インクを用いて、カール量と裏抜け濃度と水性インクの粘度とを評価した。評価1〜6では、水性インクの構成は異なるが、水性インクの製造方法は共通する。また、評価1〜6では、水性インクの評価方法が共通する。そのため、以下では、まず、水性インクの製造方法のうち評価1〜6で共通する部分と、水性インクの評価方法とを説明する。次に、評価1〜6を順に説明する。
[水性インクの製造方法のうち、評価1〜6で共通する部分]
<被覆樹脂Aの合成>
まず、被覆樹脂A(以下、単に「樹脂A」と記載する)を合成した。詳しくは、四つ口フラスコ(容量:1000mL)に、スターラーと、窒素導入管と、コンデンサー(攪拌機)と、滴下ロートとをセットした。次に、フラスコに、100gのイソプロピルアルコールと300gのメチルエチルケトンとを入れた。フラスコの内容物に窒素をバブリングしながら、70℃で加熱還流を行った。
また、40.0gのスチレンと、10.0gのメタクリル酸と、40.0gのメタクリル酸メチルと、10.0gのアクリル酸n−ブチルと、0.4gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、重合開始剤)とを混合して、モノマー溶液を得た。70℃で加熱還流した状態で、約2時間かけて、モノマー溶液をフラスコに滴下した。滴下後、さらに6時間、70℃で加熱還流を行った。
0.2gのAIBNを含有するメチルエチルケトン溶液を、15分かけて、フラスコに滴下した。滴下後、さらに5時間、70℃で加熱還流を行った。このようにして、樹脂A(スチレン−アクリル酸系樹脂)を得た。得られた樹脂Aでは、質量平均分子量(Mw)が20000であり、酸価が100mgKOH/gであった。
樹脂Aの質量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(東ソー株式会社製「HLC−8020GPC」)を用いて、下記条件で、測定された。
カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」(4.6mmI.D.×15cmのセミミクロカラム)
カラム本数:3本
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.35mL/分
サンプル注入量:10μL
測定温度:40℃
検出器:IR検出器
なお、検量線は、東ソー株式会社製のTSKgel標準ポリスチレンから、F−40、F−20、F−4、F−1、A−5000、A−2500、及びA−1000の7種とn−プロピルベンゼンとを選択して作成された。
また、樹脂Aの酸価は、「JIS(日本工業規格)K0070−1992(化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法)」に記載の方法に準拠して、求められた。
<顔料分散液Lの調製>
樹脂Aを用いて、顔料分散液Lを調製した。表1に、顔料分散液Lの構成を示す。表1において、「樹脂A−Na」は、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液で中和された樹脂Aを意味する。また、「ノニオン界面活性剤S1」は、日信化学工業株式会社製「オルフィンE1010」を意味する。
Figure 0006787264
詳しくは、メディア型分散機(ウィリー・エ・バッコーフェン社(WAB社)製「ダイノミル」)のベッセル(容量:0.6L)に、6.0質量%の樹脂Aと、15.0質量%のフタロシアニンブルー15:3(東洋インキ株式会社製「リオノール(登録商標)ブルーFG−7330」)と、0.5質量%のノニオン界面活性剤S1(日信化学工業株式会社製「オルフィンE1010」)と、イオン交換水(残量)とを入れた。
また、樹脂Aの中和に必要な量の水酸化ナトリウム水溶液をベッセルに加えた。ここで、ベッセルの内容物のpHが8になるように、NaOH水溶液をベッセルに加えた。より具体的には、中和当量の1.05倍の質量のNaOH水溶液をベッセルに加えた。なお、顔料分散液Lを構成する材料の配合量を決定する際には、ベッセルに加えるべきNaの質量を樹脂Aの質量に加えた。また、NaOH水溶液に含まれる水の質量と中和反応で生じた水の質量とをイオン交換水の質量に加えた。
充填量がベッセルの容量に対して70体積%となるように、メディア(径が0.5mmのジルコニアビーズ)をベッセルに充填した。温度が10℃であり且つ周速が8m/秒である条件でベッセルを水冷しながら、顔料粒子の体積中位径(D50)が70nm以上130nm以下の範囲に入るようにメディア型分散機を用いてベッセルの内容物を混練した。このようにして、顔料分散液Lが得られた。
<顔料分散液Lと他のインク成分との混合>
顔料分散液Lと他のインク成分とを混合した。表2に、水性インクの組成を示す。詳しくは、表2に記載の材料を表2に記載の配合量でビーカーに入れた。攪拌機(新東科学株式会社製「スリーワンモーター BL−600」)を用いてビーカーの内容物を回転速度400rpmで攪拌して、ビーカーの内容物を均一に混合した。フィルター(孔径5μm)を用いて混合液をろ過し、混合液に含有される異物及び粗大粒子を除去した。このようにして、水性インクを得た。なお、ジオールX1、エーテルX2、及び配合量Z1〜Z6については、各々、評価1〜6で示す。
Figure 0006787264
以下に示すモノマー溶液を用いたことを除いては樹脂Aの合成方法に従い、表2におけるノニオン界面活性剤S2を合成した。詳しくは、60gのポリエチレングリコールアクリレート(PEGA)と、10gのアクリル酸n−ブチル(BA)と、10gのポリプロピレングリコールアクリレート(PPGA)と、12gのラウリルアクリレート(LA)と、8gのメタクリル酸メチル(MMA)と、0.4gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN、重合開始剤)とを混合して、ノニオン界面活性剤S2の合成に使用したモノマー溶液を調製した。
樹脂Aの質量平均分子量の測定方法に従ってノニオン界面活性剤S2の質量平均分子量を測定したところ、5000であった。また、ノニオン界面活性剤S2の水溶液(濃度:0.1質量%)を用いて表面張力を測定したところ、30.5mN/mであった。また、ノニオン界面活性剤S2は、イオン交換水に溶解可能であった。
[評価方法]
カール量の評価と裏抜け濃度の評価とでは、同一の評価機を用いた。以下では、評価機の準備方法を説明した後、各々の評価方法を説明する。
<評価機の準備>
インクジェット記録装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の試作評価機)の4つの記録ヘッド(それぞれラインヘッド)の各々に、水性インク(評価対象)を充填した。インク一滴あたりのインクの吐出量が11pLになるように、水性インクの吐出条件を設定した。また、搬送ベルトの吸引ユニットが発生させる負圧を0.6KPaとした。このようにして、評価機を準備した。
なお、記録ヘッドは、各々、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製のインクジェットヘッド(型番:KJ4B−QA、インク一滴あたりのインクの吐出量:11pL)であった。また、記録ヘッドは、その長手方向が紙の搬送方向に直交するように、間隔20mmで配列されていた。
<カール量の評価>
温度25℃且つ湿度60%RHの環境下で、評価機を用いて、A4サイズの普通紙(PPC用紙、富士ゼロックス株式会社製の「C2」)の片面の中央に、10cmの角のソリッド画像を記録した。なお、水性インクの種類が異なっても、記録条件を変更しなかった。
普通紙の印字面が下を向くように、普通紙を水平な台の上に静置した。ソリッド画像の記録から10秒が経過した時点で、普通紙が静置された台の面を基準として普通紙の四隅の高さを測定した。普通紙の四隅の高さの平均値(10秒後のカール量)を第1評価値とした。第1評価値が20mm以下であれば、印字物がカールし難い(良好)と評価した。第1評価値が20mm超であれば、印字物がカールし易い(不良)と評価した。
良好:第1評価値が20mm以下であった。
不良:第1評価値が20mm超であった。
第1評価値が20mm以下であれば、2面目への印字時においても、吸引ユニット(負圧:0.6KPa)とデカール機構とによって普通紙が搬送ベルトへ吸着され易い。そのため、第1評価値が20mm以下であれば印字物がカールし難い(良好)と評価した。
また、普通紙の印字面が下を向くように、普通紙を水平な台の上に静置した。ソリッド画像の記録から30秒が経過した時点で、普通紙が静置された台の面を基準として普通紙の四隅の高さを測定した。普通紙の四隅の高さの平均値(30秒後のカール量)を第2評価値とした。第2評価値が7mm以下であれば、インクジェット記録装置から排出された印字物にはカールが残存し難い(良好)と評価した。第2評価値が7mm超であれば、インクジェット記録装置から排出された印字物にはカールが残存し易い(不良)と評価した。
良好:第2評価値が7mm以下であった。
不良:第2評価値が7mm超であった。
<裏抜け濃度の評価>
温度25℃且つ湿度60%RHの環境下で、評価機を用いて、A4サイズの普通紙(富士ゼロックス株式会社製の「XEROX P紙」)に、ソリッド画像(印字率:100%)を記録した。なお、水性インクの種類が異なっても、記録条件を変更しなかった。
反射濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社販売「RD−19」)を用いて、裏面(印字面とは反対側の面)内の10箇所の画像濃度を測定した。10個の画像濃度の平均値を評価値とした。
良好:画像濃度の平均値が0.15未満であった。
不良:画像濃度の平均値が0.15以上であった。
<水性インクの粘度の評価>
まず、「JIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)」に記載の方法に準拠して、25℃における水性インクの粘度を測定した。このようにして、粘度の初期値を求めた。
次に、5mLの水性インクをポリエチレン製容器(容量:50mL)に入れた。開栓状態の容器を恒温槽(設定温度:60℃)に1週間静置した。水性インクを恒温槽から取り出して室温(約25℃)まで冷却した。その後、「JIS Z 8803:2011(液体の粘度測定方法)」に記載の方法に準拠して、25℃における水性インクの粘度を測定した。このようにして、保存後の粘度を求めた。下記式に基づいて、水性インクの粘度の変化率を算出した。水性インクの粘度の変化率を評価値とした。評価値が1.1未満であれば、水性インクの安定性が低下し難い(良好)と評価した。評価値が1.1以上であれば、水性インクの安定性が低下し易い(不良)と評価した。
水性インクの粘度の変化率=保存後の粘度/粘度の初期値
良好:水性インクの粘度の変化率が1.1未満であった。
不良:水性インクの粘度の変化率が1.1以上であった。
[評価1]
評価1では、水性インクB−11〜B−14を評価した。表3に、水性インクB−11〜B−14の各々の構成及び評価結果を示す。表3において、「1,2−OD」は、1,2−オクタンジオールを意味する。また、配合量の単位は、何れも、質量%である。
Figure 0006787264
水性インクB−11〜B−14では、水性インクの粘度が互いに異なる。詳しくは、水性インクB−11の粘度と水性インクB−12の粘度とは、各々、5.0mPa・s以上であった。しかし、水性インクB−13の粘度と水性インクB−14の粘度とは、各々、5.0mPa・s未満であった。また、水性インクB−11〜B−14では、MPDの配合量が互いに異なる。詳しくは、水性インクB−11及びB−12では、各々、MPDの配合量が20.0質量%以上であった。しかし、水性インクB−13及びB−14では、各々、MPDの配合量が20.0質量%未満であった。水性インクB−11〜B−14は、各々、5.0質量%のBTGと、3.0質量%のグリセリンと、3.0質量の2−ピロリドンと、1.0質量%の1,2−オクタンジオールと、1.0質量%のソルビトールとを、さらに含有していた。
[評価2]
評価2では、水性インクB−21〜B−25を評価した。表4に、水性インクB−21〜B−25の各々の構成及び評価結果を示す。表4において、「1,2−OD」は、1,2−オクタンジオールを意味する。また、配合量の単位は、何れも、質量%である。
Figure 0006787264
水性インクB−21〜B−25では、1,2−オクタンジオールの配合量が互いに異なる。詳しくは、水性インクB−21〜B−23では、各々、1,2−オクタンジオールの配合量が0.5質量%以上1.5質量%以下であった。しかし、水性インクB−24では、1,2−オクタンジオールの配合量が0.5質量%未満であった。また、水性インクB−25では、1,2−オクタンジオールの配合量が1.5質量%超であった。水性インクB−21〜B−25は、各々、20.0質量%のMPDと、5.0質量%のBTGと、3.0質量%のグリセリンと、3.0質量の2−ピロリドンと、1.0質量%のソルビトールとを、さらに含有していた。また、水性インクB−21〜B−25の粘度は、何れも、5.0mPa・s以上であった。
[評価3]
評価3では、水性インクB−31〜B−36を評価した。表5に、水性インクB−31〜B−36の各々の構成及び評価結果を示す。表5において、「1,2−OD」は、1,2−オクタンジオールを意味する。また、配合量の単位は、何れも、質量%である。
Figure 0006787264
水性インクB−31〜B−36では、ソルビトールの配合量が互いに異なる。詳しくは、水性インクB−31〜B−34では、各々、ソルビトーの配合量が0.5質量%以上5.0質量%以下であった。しかし、水性インクB−35では、ソルビトールの配合量が0.5質量%未満であった。また、水性インクB−36では、ソルビトールの配合量が5.0質量%超であった。水性インクB−31〜B−36は、各々、20.0質量%のMPDと、5.0質量%のBTGと、3.0質量%のグリセリンと、3.0質量の2−ピロリドンと、1.0質量%の1,2−オクタンジオールとを、さらに含有していた。また、水性インクB−31〜B−36の粘度は、何れも、5.0mPa・s以上であった。なお、水性インクB−32のインク組成は、水性インクB−22のインク組成と同一であった。
[評価4]
評価4では、水性インクB−41〜B−44を評価した。表6に、水性インクB−41〜B−44の各々の構成及び評価結果を示す。表6において、「1,2−OD」は、1,2−オクタンジオールを意味する。また、配合量の単位は、何れも、質量%である。表7に、ジオールX1の材料及び物性を示す。表7において、「LogP」には、n−オクタノール/水分配係数の常用対数値を記す。また、「溶解性」には、水に対するジオールX1の溶解性を記す。
Figure 0006787264
Figure 0006787264
水性インクB−41〜B−43では、ジオールX1の材料が互いに異なる。また、水性インクB−43と水性インクB−44とでは、ジオールX1の配合量が互いに異なり、エーテルX2の配合量が互いに異なる。詳しくは、水性インクB−41はPDを含有し、水性インクB−42はMPDを含有し、水性インクB−43及びB−44は各々HDを含有した。水性インクB−41〜B−43では、ジオールX1の配合量は、互いに同一であり、具体的には20.0質量%であった。水性インクB−41〜B−43では、エーテルX2の配合量は、互いに同一であり、具体的には5.0質量%であった。水性インクB−44では、ジオールX1の配合量が5.0質量%であり、エーテルX2の配合量が20.0質量%であった。水性インクB−41〜B−44は、各々、3.0質量%のグリセリンと、3.0質量の2−ピロリドンと、0.7質量%の1,2−オクタンジオールと、1.0質量%のソルビトールとを、さらに含有していた。また、水性インクB−41〜B−44の粘度は、何れも、5.0mPa・s以上であった。
[評価5]
評価5では、水性インクB−51〜B−56を評価した。表8に、水性インクB−51〜B−56の各々の構成及び評価結果を示す。表8において、「1,2−OD」は、1,2−オクタンジオールを意味する。また、配合量の単位は、何れも、質量%である。
Figure 0006787264
水性インクB−51〜B−56では、MPDの配合量が互いに異なるため、第1水溶性溶剤の配合量が互いに異なる。詳しくは、水性インクB−51〜B−53では、各々、MPDの配合量が15.0質量%以上25.0質量%以下であり、第1水溶性溶剤の配合量が20.0質量%以上30.0質量%以下であった。しかし、水性インクB−54及びB−55では、各々、MPDの配合量が15.0質量%未満であり、第1水溶性溶剤の配合量が20.0質量%未満であった。また、水性インクB−56では、MPDの配合量が25.0質量%超であり、第1水溶性溶剤の配合量が30.0質量%超であった。水性インクB−51〜B−56は、各々、5.0質量%のBTGと、3.0質量%のグリセリンと、3.0質量の2−ピロリドンと、0.7質量%の1,2−オクタンジオールと、1.0質量%のソルビトールとを、さらに含有していた。また、水性インクB−51〜B−56の粘度は、何れも、5.0mPa・s以上であった。なお、水性インクB−52のインク組成は、水性インクB−42のインク組成と同一であった。
[評価6]
評価6では、水性インクB−61〜B−65を評価した。表9に、水性インクB−61〜B−65の各々の構成及び評価結果を示す。表9において、「1,2−OD」は、1,2−オクタンジオールを意味する。また、配合量の単位は、何れも、質量%である。
Figure 0006787264
水性インクB−61〜B−65では、グリセリンの配合量が互いに異なり、2−ピロリドンの配合量が互いに異なる。そのため、水性インクB−61〜B−65では、第2水溶性溶剤の配合量が互いに異なる。詳しくは、水性インクB−61〜B−64では、各々、グリセリンの配合量が5.0質量%以下であり、2−ピロリドンの配合量が5.0質量%以下であるため、第2水溶性溶剤の配合量が10.0質量%以下であった。しかし、水性インクB−65では、グリセリンの配合量が5.0質量%であり、2−ピロリドンの配合量が6.0質量%であるため、第2水溶性溶剤の配合量が10.0質量%超であった。水性インクB−61〜B−65は、各々、20.0質量%のMPDと、5.0質量%のBTGと、0.7質量%の1,2−オクタンジオールと、1.0質量%のソルビトールとを、さらに含有していた。また、水性インクB−61〜B−65の粘度は、何れも、5.0mPa・s以上であった。なお、水性インクB−62のインク組成は、水性インクB−42のインク組成と同一であった。
[考察]
上記評価1〜6より、実施例1〜17に係る水性インクは、各々、前述の基本構成を有していた。詳しくは、実施例1〜17に係る水性インクは、各々、20.0質量%以上30.0質量%以下の第1水溶性溶剤と、10.0質量%以下の第2水溶性溶剤と、0.5質量%以上1.5質量%以下の1,2−オクタンジオールと、0.5質量%以上5.0質量%以下のソルビトールとを含有していた。第1水溶性溶剤の分配係数LogPが、0以上1未満であり、第2水溶性溶剤の分配係数LogPが、0未満であった。水性インクの粘度が5.0mPa・s以上であった。実施例1〜17に係る水性インクを用いて印刷用紙に記録を行えば、各々、10秒後のカール量が許容範囲内であり、30秒後のカール量が許容範囲内であった。また、裏抜けを防止できた。さらに、実施例1〜17に係る水性インクでは、各々、粘度の変化率を低く抑えることができた。
本発明に係る水性インクは、例えばカラープリンターにおいて画像の記録に用いることに適している。


Claims (2)

  1. 20.0質量%以上30.0質量%以下の第1水溶性溶剤と、
    3.0質量%以上10.0質量%以下の第2水溶性溶剤と、
    0.5質量%以上1.5質量%以下の1,2−オクタンジオールと、
    0.5質量%以上5.0質量%以下のソルビトールと、
    を含有し、
    前記第1水溶性溶剤は、ジオール類と、エーテル類とを含み、
    前記ジオール類の含有量が、5.0質量%以上25.0質量%以下であり、
    前記エーテル類の含有量が、5.0質量%以上25.0質量%以下であり、
    前記ジオール類は、1,2−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、及びヘキシレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記エーテル類は、トリエチレングリコールモノブチルエーテルであり、
    前記第2水溶性溶剤は、グリセリンと2−ピロリドンとを含み、
    前記第1水溶性溶剤の分配係数LogPが、0以上1未満であり、
    前記第2水溶性溶剤の分配係数LogPが、0未満であり、
    前記分配係数LogPは、n−オクタノール/水分配係数の常用対数値であり、
    5.0mPa・s以上の粘度を有する、インクジェット記録用水性インク。
  2. 前記ジオール類は、3−メチル−1,5−ペンタンジオールであり、
    前記3−メチル−1,5−ペンタンジオールの含有量が20.0質量%以上である、請求項に記載のインクジェット記録用水性インク。
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