JP6787179B2 - ガラス積層体、電子デバイス作製用基板、及び電子デバイスの製造方法。 - Google Patents

ガラス積層体、電子デバイス作製用基板、及び電子デバイスの製造方法。 Download PDF

Info

Publication number
JP6787179B2
JP6787179B2 JP2017034301A JP2017034301A JP6787179B2 JP 6787179 B2 JP6787179 B2 JP 6787179B2 JP 2017034301 A JP2017034301 A JP 2017034301A JP 2017034301 A JP2017034301 A JP 2017034301A JP 6787179 B2 JP6787179 B2 JP 6787179B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
layer
resin
resin layer
electronic device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017034301A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018140885A (ja
Inventor
梓 清水
梓 清水
若山 芳男
芳男 若山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2017034301A priority Critical patent/JP6787179B2/ja
Publication of JP2018140885A publication Critical patent/JP2018140885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6787179B2 publication Critical patent/JP6787179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Description

本発明は、電子デバイス作製用基板に用いることができる、第1のガラス層を含むガラス積層体に関し、ガラス積層体上に電子デバイス部材を形成する工程において剥離、気泡が生じることなく、電子デバイス部材形成後に第1のガラス層をレーザーを照射することで剥離できるガラス積層体に関する。
近年、有機ELパネル、太陽電池、薄膜二次電池等の電子デバイス(以下、電子部品ともいう)の薄型化、軽量化が進行しており、これらの電子デバイスに用いられるガラス基板の薄板化が進行している。しかしながら、薄板化によりガラス基板の強度が低下すると、ガラス基板のハンドリング性が悪化するという問題があった。また、ハンドリング性の観点から、ガラス基板の代わりに、樹脂基板を用いることも可能であるが、樹脂基板は、耐薬品性、耐透湿性及び耐熱性等に問題があった。
そこで、最近では、ガラスフィルムに透明樹脂を積層させてハンドリング性を向上させた可視光透過性に優れたガラスフィルム積層体を電子デバイス用の基板として用いることが提案されている。
一方で、ガラスフィルム積層体は剛直性が不十分であるため、通常のガラス基板の使用を前提としたデバイス形成工程を適用することは難しい。そこで、支持体とガラスフィルムを積層させて剛性を向上させ、ガラスフィルム上に液晶素子等の電子デバイス材を積層した後、レーザーを照射することで支持体を剥離する、ガラス基板の製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、支持ガラスと、光吸収層と、ガラスフィルムが積層され、光吸収層が無機膜であり、光吸収層にパルスレーザーを照射して、支持ガラスからガラスフィルムを剥離するガラス基板の製造方法が開示されている。
国際公開第2015/182558号パンフレット
しかしながら、特許文献1の製造方法において、レーザーを照射し支持ガラスからガラスフィルムを剥離した場合、ガラスフィルムには保護する樹脂層等が積層されていないため、ガラスフィルムが破損するおそれがあった。
このため、レーザー照射により支持体を剥離でき、かつハンドリング性に優れたガラス基板が望まれている。
本発明者らは上記の課題に鑑みて鋭意検討した結果、第1のガラス層、樹脂層および第2のガラス層をこの順に備えるガラス積層体であって、該樹脂層が所定の樹脂を含み、かつ所定の物性を満たすことで、電子デバイス作製用基板として好適に用いることができるガラス積層体を開発するに至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
[1] 第1のガラス層、樹脂層及び第2のガラス層をこの順に備えるガラス積層体であって、
該樹脂層は、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以上であるポリエーテルイミド樹脂(A)と、
0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%未満である熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含み、
かつ0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以下であり、
該熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミドであることを特徴とするガラス積層体。
[2] 前記ポリエーテルイミド樹脂(A)が、イソプロピリデン基を有することを特徴とする[1]に記載のガラス積層体。
[3] 前記樹脂層は、前記ポリエーテルイミド樹脂(A)と前記熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を80:20〜20:80の重量割合で含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載のガラス積層体。
[4] 該樹脂層のガラス転移温度が100℃以上、300℃以下であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載のガラス積層体。
[5] 前記樹脂層と第1のガラス層との密着性が、碁盤目試験法(JIS K5400準拠)で剥離しない碁盤目の数が全体の90%以上あることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載のガラス積層体。
[6] [1]乃至[5]のいずれかに記載のガラス積層体を用いる電子デバイス作製用基板。
[7] [6]の電子デバイス作製用基板を用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
本発明に係るガラス積層体は、その製造が容易であり、また、電子デバイス部材形成工程においては、真空、加熱などの外部環境の変化や洗浄等による物理的刺激があっても、各層の剥離や気泡の発生が生ぜず積層構成を維持することができ、また、電子デバイス部材形成後においては、レーザー照射によりパーティクル等異物が発生することなく容易に第1のガラス層を剥離することができる。
以下、本発明に係るガラス積層体、さらにそれらを構成する材料について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
本発明に係るガラス積層体は、第1のガラス層、樹脂層、及び第2のガラス層をこの順に備える。以下、ガラス積層体を構成する各材料について説明する。
<1.第1のガラス層>
本発明に係る第1のガラス層は、電子デバイス部材の形成工程における第2のガラス層のハンドリング性を向上させ、変形や破損を抑制する。
本発明に係る第1のガラス層の厚みは、電子デバイス部材形成工程において第2のガラス層の変形、傷付き、破損などを防ぐことが出来れば特に限定されないが、通常0.1mm以上であり、0.3mm以上であることが好ましい。また、第1のガラス層は、電子デバイス部材形成後に剥離する際に、割れずに適度に撓むような剛性が望まれる理由から、通常5mm以下であり、3mm以下であることが好ましい。
本発明に係る第1のガラス層の波長308nmにおける分光透過率は、40%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。一方、上限は特に限定されないが、通常は95%以下である。
第1のガラス層の波長308nmにおける分光透過率が上記範囲内であれば、照射するレーザー光を樹脂層で効率よく吸収できるため、低パワーのレーザー照射で、ガラス積層体から第1のガラス層を剥離できる傾向にある。
上記の分光透過率を満たす第1のガラス層の材料として、例えば、無アルカリガラスを好適に用いることができる。
<2.樹脂層>
本発明に用いられる樹脂層は、第1のガラス層と第2のガラス層との間に介在する層であり、該樹脂層は、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以上であるポリエーテルイミド樹脂(A)と、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%未満である熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含み、かつ、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以下であり、該熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミドである。
0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以上であるポリエーテルイミド樹脂(A)および0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%未満である熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を組み合わせることで、当該樹脂層の0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率を上記範囲に調整することができる。
また、当該ポリエーテルイミド樹脂(A)と当該熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を組み合わせることで、樹脂層と第1のガラス層との密着強度や当該樹脂層のガラス転移温度を調整できる。
このため、本発明に係るガラス積層体は、その製造が容易であり、また、電子デバイス部材形成工程においては、積層構成を維持することができ、また、電子デバイス部材形成後においては、レーザー照射によりパーティクル等異物が発生することなく容易に第1のガラス層を剥離することができる。
本発明に係る樹脂層は、ポリエーテルイミド樹脂(A)および主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミドである熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含むことが重要である。
当該ポリエーテルイミド樹脂(A)および当該熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を組み合わせることで、樹脂層と第1のガラス層との密着強度の調整でき、また樹脂層の0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率を後述する範囲に調整でき、また樹脂層のガラス転移温度を後述する範囲に調整することが可能となるためである。
(ポリエーテルイミド樹脂(A))
本発明に係るポリエーテルイミド樹脂(A)は、樹脂層の波長308nmにおける分光透過率を調整する観点から、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以上であることが重要である。
ポリエーテルイミド樹脂(A)の0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率は、20%以上、50%以下が好ましく、20%以上、40%以下がより好ましく、20%以上、30%以下がさらに好ましく、21%以上、30%以下が特に好ましい。
ポリエーテルイミドは通常、その構造単位にエーテル結合とイミド結合を含む熱可塑性樹脂であり、例えば、下記構造式(1)に示す繰り返し単位を有するポリエーテルイミドが挙げられる。
[式1]
Figure 0006787179
上記構造式(1)中、Rはアルキレン基(例えば炭素数1〜10)を表す。また、構造式(1)中、2つのイミド環は、フェニレン基に対して相互にメタ位又はパラ位で結合するのが好ましい。
本発明に係るポリエーテルイミド樹脂(A)は、その波長308nmにおける分光透過率を上述の範囲とし、第1のガラス層との密着強度を調整できることから、上記構造式(1)に示す繰り返し単位を有することが好ましく、さらに上記構造式(1)中にイソプロピリデン基を有することが好ましく、特に上記構造式(1)中のRがイソプロピリデン基であることが好ましい。
具体的には、例えば、上記構造式(1)において、Rがイソプロピリデン基であり、かつ2つのイミド環がフェニレン基に対して相互にパラ位で結合している繰り返し単位を有するポリエーテルイミドがSABIC社製の商品名「Ultem CRS5001」として市販されており、上記構造式(1)において、Rがイソプロピリデン基であり、かつ2つのイミド環がフェニレン基に対して相互にメソ位で結合している繰り返し単位を有するポリエーテルイミドがSABIC社製の商品名「Ultem 1000」として市販されている。
本発明においては上記構造式(1)において、Rがイソプロピリデン基であり、かつ2つのイミド環がフェニレン基に対して相互にメソ位で結合している繰り返し単位を有するポリエーテルイミドが好適に使用される。
本発明に係るポリエーテルイミド樹脂(A)の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、上記構造式(1)においてRがイソプロピリデン基であるポリエーテルイミド樹脂は、4,4´−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)ジフタル酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重縮合物として、または、4,4´−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)ジフタル酸二無水物とm−フェニレンジアミンとの重縮合物として公知の方法によって合成される。また、当該ポリエーテルイミド樹脂(A)には、本発明の主旨を超えない範囲でポリイミド単位などの共重合可能な他の単量体単位を導入してもかまわない。なお、使用するポリエーテルイミド樹脂は、1種類を単独で、2種類以上を組み合わせて用いることが出来る。
(熱可塑性ポリイミド樹脂(B))
本発明に係る熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、樹脂層と第1のガラス層との密着強度や当該樹脂層のガラス転移温度の観点から、主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミドであることが重要である。
主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミドの具体的な構造としては、芳香環を有する芳香族ジアミン成分と、芳香環を有する酸二無水物成分からなる酸成分とを反応させて得られるポリイミドが挙げられる。
芳香族ジアミン成分としては、下記構造式(2)で表される主鎖にエーテル結合を有するジアミンが好ましい。
[式2]
Figure 0006787179
上記構造式(2)中、nは0〜20の整数、好ましくは0〜13の整数、より好ましくは0〜9の整数を表す。なお、上記構造式(2)において、ベンゼン環がそれぞれ独立に置換基(例えば炭素数1〜10のアルキル基)を有していてもよい。
反応させるジアミン成分の一部を上記構造式(2)で表わされる芳香族ジアミンとすることで、得られるポリイミドの可撓性を高めることができる。また、得られるポリイミドの可撓性と耐熱性の観点から、上記構造式(2)においてn=0又は1で表される芳香族ジアミンを用いることが好ましい。
構造式(2)で示されるジアミンの例には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−メチルベンゼン、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2−エチルベンゼン、1,3−ビス(3−(2−アミノフェノキシ)フェノキシ)−5−sec−ブチルベンゼン、1,3−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジメチルベンゼン、1,3−ビス(4−(2−アミノ−6−メチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(2−アミノ−6−エチルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(3−アミノフェノキシ)−4−メチルフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)−4−tert−ブチルフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,4−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−2,3−ジメチルベンゼン、1,4−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、1,2−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)−4−メチルベンゼン、1,2−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ)−3−n−ブチルベンゼン、及び1,2−ビス(3−(2−アミノ−3−プロピルフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン等が含まれる。これらは、単独で用いても、2以上を組み合わせて用いてもよい。
ジアミン成分と反応させる酸成分は、特に制限されないが、好ましくは芳香族テトラカルボン酸二無水物であり、より好ましくは下記構造式(3)、(4)で表わされる一種以上の酸二無水物を用いることが好ましい。
[式3]
Figure 0006787179
構造式(3)中、Rは、単結合、エーテル結合、カルボニル基、スルホニル基のいずれかを表す。
[式4]
Figure 0006787179
上記構造式(3)、(4)で表わされるテトラカルボン酸二無水物に含まれるベンゼン環は、置換基(例えばフッ素原子等)を有してもよい。
上記構造式(3)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物のうち、得られるポリイミドの可撓性と構造式(3)で表されるテトラカルボン酸二無水物の方が好ましい。
テトラカルボン酸二無水物の一部を上記構造式(3)で表わされるテトラカルボン酸二無水物とすることで、得られるポリイミドの可撓性をより高めることができる。
構造式(3)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の例には、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,2’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ジフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサフルオロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、6,6’−ビス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、および2,2’,5,5’,6,6’−ヘキサキス(トリフルオロメチル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が含まれ、その中でも、樹脂層と第1のガラス層との密着強度や当該樹脂層のガラス転移温度の観点から、4,4’−オキシジフタル酸二無水物が好ましい。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、第1のガラス層との密着強度や当該樹脂層の可撓性、ガラス転移温度の観点から、上記構造式(2)で表される芳香族ジアミン成分と、構造式(3)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリイミドが好ましく、上記構造式(2)で表される芳香族ジアミン成分と4,4’−オキシジフタル酸二無水物とを反応させて得られるポリイミドがより好ましく、上記構造式(2)(n=0又は1)で表される芳香族ジアミン成分と4,4’−オキシジフタル酸二無水物とを反応させて得られるポリイミドが特に好ましい。
また構造式(4)で表される芳香族テトラカルボン酸二無水物の例には、ピロメリット酸二無水物、3−フルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物等が含まれる。
ジアミン成分と反応させる酸成分には、上記構造式(3)、(4)で表されるテトラカルボン酸二無水物以外の他のテトラカルボン酸二無水物が含まれてもよい。他のテトラカルボン酸二無水物は、耐熱性の観点からは芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、可撓性の観点からは脂肪族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、樹脂層の波長308nmにおける分光透過率を調整する観点から、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%未満であることが重要である。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド樹脂(B)の0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。一方、下限は特に限定されないが、通常は0.1%以上である。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、全構造単位中のイソプロピリデン基を含む構造単位の割合が10%以下であることが好ましい。
この範囲内であれば、波長308nmにおける分光透過率が低い値となり、かつ第1のガラス層との密着強度も確保できるため、ポリエーテルイミド樹脂(A)および熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含む樹脂層の0.5μm厚に調整した時の波長308nmの分光透過率も20%以下になり、レーザー照射により第1のガラス層を剥離できる傾向にある。
熱可塑性ポリイミド樹脂(B)における全構造単位中のイソプロピリデン基を含む構造単位の割合は5%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましく、イソプロピリデン基を含む構造単位を有しないことが殊更に好ましい。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド樹脂(B)のガラス転移温度は100℃以上、300℃以下が好ましく、150℃以上、280℃以下がより好ましい。上記範囲内であれば、樹脂層のガラス転移温度を所定範囲に調整しやすく、また、ガラス積層体の製造が容易となる傾向にある。
ガラス転移温度は、後述する方法で測定することができる。
本発明に係る熱可塑性ポリイミド樹脂(B)の製造方法は特に制限はなく、ジアミン成分と酸成分とを所定の条件で混合して攪拌することにより重縮合させて得ることができる。また、熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は1種類を単独で、2種類以上を組み合わせて用いることが出来る。
本発明に係る樹脂層は、ポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を80:20〜20:80の重量割合で含むことが好ましい。
上記範囲でポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)が含むことにより、当該樹脂層と第1のガラス層との密着強度や、当該樹脂層を0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率、当該樹脂層のガラス転移温度を所定範囲に調整することができる傾向があり、これにより、エキシマレーザー(波長308nm)を第1のガラス層側から当該樹脂層に照射した場合に、当該樹脂層と第1のガラス層の界面付近でのみ樹脂層成分のプラズマ化が起こり、剥離起点が形成され、樹脂層成分の炭化によるパーティクル等異物が発生することなく、ガラス積層体から第1のガラス層を容易に剥離できる傾向にある。
本発明に係る樹脂層は、ポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を70:30〜30:70の重量割合で含むことがより好ましい。
本発明に係る樹脂層は、本発明の目的を損なわない範囲において、各種溶媒、上記以外の樹脂、並びにシランカップリング剤、充填剤、難燃剤及び難燃助剤等の添加剤を添加してもよい。
本発明に係る樹脂層の0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率は20%以下であることが重要である。
当該透過率が20%以下であれば、樹脂層に対してエキシマレーザー(波長308nm)で照射したときに、エキシマレーザーの照射に伴う当該樹脂層成分の炭化によるパーティクル等異物が発生することなく、ガラス積層体から第1のガラス層を容易に剥離することができる。
本発明に係る樹脂層の透過率は18%以下が好ましく、15%以下がさらに好ましい。下限は限定されないが通常0.5%以上である。
本発明に係る樹脂層の波長308nmにおける分光透過率の調整方法としては、例えば、ポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)の混合割合を調整したり、ベンゼン環やイミド環を含む他の樹脂や各種添加剤を加えて調整したりする方法が挙げられる。
本発明に係る樹脂層の透過率は、0.5mm厚の無アルカリガラス(OA−10G、日本電気硝子社製)上に0.5μmの当該樹脂層を積層し、日立ハイテク製の分光光度計「UV−4000」を用いて、波長308nmにおける上述の積層体の分光透過率を測定し、当該樹脂層の透過率(308nm)とする。
本発明に係る樹脂層のガラス転移温度は100℃以上、300℃以下が好ましい。
当該樹脂層のガラス転移温度が300℃以下であれば、熱ラミネートによりガラス積層体を作製することが容易になり、100℃以上であれば、電子デバイス部材形成工程中の加熱工程においても不具合が生じにくい傾向にある。
本発明に係る樹脂層のガラス転移温度の上限は250℃以下がより好ましく、230℃以下がさらに好ましく、下限は130℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。
本発明に係る樹脂層のガラス転移温度の調整方法として、例えば、ポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)の混合割合を調整し、溶剤中で相溶させることで、当該樹脂層のガラス転移温度を調整することができる。また、ポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)以外の第3の成分を添加することによって、当該樹脂層のガラス転移温度を調整しても構わない。
本発明に係る樹脂層のガラス転移温度は、例えば、動的粘弾性測定における振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分の条件で当該樹脂層を測定した際の、tanδ(=損失弾性率/貯蔵弾性率)のピーク温度で評価できる。なお、tanδのピーク温度が複数ある場合には、最も高い温度をガラス転移温度とする。
本発明に係る樹脂層の厚みは通常1μm以上、10μm以下であり、好ましくは7μm以下であり、5μm以下である。下限は限定されないが、通常0.5μm以上である。
本発明に係る樹脂層の厚みが上記範囲であれば、当該樹脂層から発生するアウトガスの量を抑制でき、また、第1のガラス層から第2のガラス層及び樹脂層を剥離した後も、第2のガラス層が破損し、飛散防止する効果が十分に発揮できる。
本発明に係る樹脂層の耐熱温度は400℃以上が好ましい。
本発明に係る樹脂層の耐熱温度が400℃以上であれば、電子デバイス部材形成工程で当該樹脂層から発生するアウトガスの量を抑制でき、アウトガスによる電子デバイスの性能低下を防止することができる傾向にある。
本発明に係る樹脂層の耐熱温度は450℃以上が好ましく、500℃以上がさらに好ましい。上限は限定されないが通常700℃以下である。
耐熱温度の測定には、熱重量測定装置を用いることができ、例えば、RIGAKU製Thermo plus TG8120を用いて、窒素50mL/min雰囲気下、昇温速度20℃/minにおける樹脂層の熱減量を測定し、熱減量が5%となる温度を樹脂層の耐熱温度とする。
本発明に係る樹脂層と第1のガラス層との密着性が、碁盤目試験法(JIS K5400準拠)で剥離しない碁盤目の数が全体の90%以上あることが好ましい。
碁盤目試験法で剥離しない碁盤目の数が90%以上であれば、電子デバイスの基板として、電子デバイス部材形成工程中の洗浄プロセス等の搬送工程において、第1のガラス層である支持ガラスから第2のガラス層および樹脂層の積層体が脱離することなく、好適に使用することができる。
本実施形態において、ガラス積層体における各層間の剥離強度を調整する方法として、用いる樹脂の種類により接着力を調整する方法や、各層の表面処理により接着力を調整する方法があげられる。接着力を調整する表面処理としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などによるカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理などの化成処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理などの放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理などの電磁波照射処理、その他火炎処理、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ワックス系樹脂を含む離型剤による離型処理などがあげられる。
<3.第2のガラス層>
本発明に係るガラス積層体を構成する第2のガラス層は、電子デバイス用基板として使用でき、可撓性を有するものであれば、特に限定されない。当該第2のガラス層の構成材料として、具体的には、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどを例示することができる。
本発明に係る第2のガラス層と樹脂層との密着性を向上させる目的で、当該第2のガラス層の表面に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などによるカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理などの化成処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理などの放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理などの電磁波照射処理、その他火炎処理などの表面処理などの各種表面処理が施されていてもよい。
本発明に係る第2のガラス層の厚みは、可撓性の観点から、通常10μm以上、200μm以下であり、15μm以上、150μm以下であることが好ましく、20μm以上、100μm以下であることがより好ましい。
本発明に係る第2のガラス層は市販品を使用することができ、具体的には例えば、旭硝子株式会社製の商品名「Spool」、Corning社製の商品名「Willow Glass」、日本電気硝子株式会社製の商品名「OA−10G」などを挙げることができる。さらに市販の200μm以上のガラスを研磨してもよいし、フッ化水素で溶かし、薄膜化することもできる。
<4.ガラス積層体>
本発明に係るガラス積層体は、第1のガラス層、樹脂層及び第2のガラス層をこの順に備え、該樹脂層は、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以上であるポリエーテルイミド樹脂(A)と、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%未満である熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含み、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以下であり、該熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミドであることにより、その製造が容易であり、また、当該ガラス積層体の第2のガラス層上に電子デバイス部材を形成する工程において、真空、加熱などの外部環境の変化や洗浄等による物理的刺激があっても、各層の剥離や気泡の発生が生ぜず積層構成を維持することができ、また、電子デバイス部材形成後においては、樹脂層へのレーザー照射によりパーティクル等異物が発生することなく容易に支持ガラスを剥離することができる。
<5.ガラス積層体の製造方法>
本発明に係るガラス積層体の製造方法は、第1のガラス層上にポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含む樹脂層を形成する樹脂層形成工程、及び当該樹脂層上に第2のガラス層を積層する積層工程を含む。
<5−1.樹脂層形成工程>
本発明に係るガラス積層体の製造方法における樹脂層形成工程は、第1のガラス層上にポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含む樹脂層を形成する工程である。
本工程では、例えば、第1のガラス層上に、ポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含む樹脂組成物からなる層を形成した後、当該層を乾燥・硬化させる工程が挙げられる。
第1のガラス層上に、ポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含む樹脂組成物からなる層を形成する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、スピンコータ塗工、ダイコータ塗工、バーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、ディップコートなどを挙げることができる。
塗工における塗布速度、吐出量等は特に限定されず、樹脂組成物からなる層の組成や塗布スピード、樹脂層の所望の厚みから適宜調整することができる。
また、樹脂組成物に溶剤を含む場合には、樹脂組成物からなる層を形成した後、溶剤を除去する工程を含んでもよい。
樹脂組成物からなる層を形成した後、当該層を乾燥・硬化させる方法としては、既存の熱処理装置等を用いて、所定温度、所定時間で処理する方法が挙げられる。
<5−2.積層工程>
本発明に係るガラス積層体の製造方法における積層工程は、樹脂層形成工程で得られた第1のガラス層とポリエーテルイミド樹脂(A)と熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含む樹脂層との積層体に、当該樹脂層を介して第2のガラス層を積層する工程である。
積層する方法としては、熱ラミネートする方法が挙げられる。
熱ラミネートする場合、既知の装置を用いればよいが、例えば熱ラミネート装置の一部分に、樹脂組成物を第1のガラス層上に塗工する塗工装置、及び塗工後の樹脂組成物を乾燥させる乾燥装置を組み込んだ熱ラミネート装置とし、第1のガラス層上への樹脂層の形成と、第2のガラス層の積層を連続的に行ってもよい。
樹脂層表面には、熱ラミネート前に、第2のガラス層との密着性を向上させるためにプラズマ処理やコロナ処理などの表面処理を行ってもよい。
熱ラミネートは、樹脂層を介して第1のガラス層と第2のガラス層を積層したものを、熱プレスや、所定温度に加熱したニップロール間に通過させることで行う。熱プレスの温度及び加熱したニップロールの温度は、樹脂層のガラス転移温度以上、+100℃以下が好ましい。
また、ニップロールを用いて積層する場合、ニップロール圧は、第2のガラス層および第1のガラス層の破損を防ぎ、かつ、第2のガラス層と樹脂層との密着性を高める観点から、通常0.5MPa・cm以上、5MPa・cm以下である。
<6.ガラス積層体から第1のガラス層を剥離する方法>
本発明に係るガラス積層体から第1のガラス層を剥離する方法は、剥離起点を形成する剥離起点形成工程と、形成された剥離起点から、第1のガラス層を剥離する剥離工程を有する。
<6−1.剥離起点形成工程>
本発明に係るガラス積層体からの第1のガラス層の剥離方法における剥離起点形成工程は、第1のガラス層側から樹脂層に対してエキシマレーザー(波長308nm)を照射することで、第1のガラス層と樹脂層との剥離起点を形成する工程である。
第1のガラス層側からの樹脂層に対するエキシマレーザー(波長308nm)の照射に伴って、当該波長の光を吸収する樹脂層の第1のガラス層近傍部分がプラズマ化する。
樹脂層の第1のガラス層近傍部分のプラズマ化により生じたガスが、第1のガラス層と樹脂層とを分離させるように両層を押し分ける。この作用により、第1のガラス層の一部が樹脂層から剥離して、剥離起点部が形成される。
エキシマレーザーの各種条件は特に限定されないが、例えば、XeClレーザーを用い、繰り返し周波数50Hz、70mJ以上、220mJ以下のエネルギー密度、7.8mm/secのビームスピードで照射することにより、剥離起点部を形成することができる。
<6−2.剥離工程>
本発明に係るガラス積層体からの第1のガラス層の剥離方法における剥離工程は、剥離起点形成工程後に、ガラス積層体から第1のガラス層を剥離する工程である。
既に剥離起点形成工程において、第1のガラス層と樹脂層との界面において剥離起点が形成されているおり、第1のガラス層をガラス積層体から剥離できれば、特に限定されない。
例えば、第1のガラス層と樹脂層との界面に、水と圧縮空気との混合流体を吹き付けたりして剥離することができる。好ましくは、ガラス積層体において、第1のガラス層が上側、第2のガラス層が下側となるように定盤上に設置し、第2のガラス層側を定盤上に真空吸着し、この状態で第1のガラス層側を複数の真空吸着パッドで吸着し、真空吸着パッドを上昇させる。そうすると第1のガラス層と樹脂層との界面へ空気層が形成され、その空気層が界面の全面に広がり、ガラス積層体から第1のガラス層を容易に剥離することができる。
また、例えば、第1のガラス層を固定した状態で、第2のガラス層側を複数のサクショングリップで吸着し、サクショングリップを上昇させる。そうすると第1のガラス層と樹脂層との界面へ空気層が形成され、その空気層が界面の全面に広がり、ガラス積層体から第1のガラス層を容易に剥離することができる。
<7.ガラス積層体の用途>
本発明に係るガラス積層体は、例えば、有機EL素子などの電子デバイス作製用基板として好適に用いることができる。有機EL素子などの電子デバイス作製用基板として用いた場合、ガラス積層体の第2のガラス層上に電子デバイス部材を形成した後、上述した方法で樹脂層と第1のガラス層との界面で剥離することによって、可撓性に優れた電子デバイスを得ることができるため、フレキシブルディスプレイやフレキシブル照明に用いることができる。
電子デバイスとしては、有機EL素子以外にも、太陽電池素子、薄膜二次電池素子、液晶表示素子、等が挙げられる。
なお、電子デバイス部材とは、第2のガラス層上に形成され、電子デバイスの少なくとも一部を構成する部材であり、具体的には、有機EL素子、太陽電池素子、薄膜二次電池素子、液晶表示素子、または、各種電子部品などに用いられる部材が挙げられる。
有機EL素子に用いられる部材としては、透明電極や、金属電極、絶縁層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等が挙げられる。
また、太陽電池素子に用いられる部材としては、有機太陽電池素子の場合は、有機電子供与体及び有機電子受容体からなる有機半導体層、透明電極層、金属電極層等が挙げられ、その他に化合物型、色素増感型、量子ドット型太陽電池素子などに対応する各種部材等が挙げられる。
また、液晶表示素子に用いられる部材としては、透明電極層、液晶層等が挙げられる。
また、薄膜二次電池用部材としては、リチウムイオン型では、透明電極層、リチウム化合物を含む電解質層、金属を含む集電層が挙げられる。その他に、ニッケル水素型、ポリマー型、セラミックス電解質型などに対応する各種部材等が挙げられる。
また、電子部品用部材としては、CCDやCMOSでは、導電部や、絶縁部
等が挙げられ、その他に、圧力センサ、加速度センサなどの各種センサに対応する各種部材等が挙げられる。
第2のガラス層のみを基板として電子デバイスを形成しようとすると、第2のガラス層が非常に割れやすいために、第2のガラス層上に電子デバイス部材を形成する工程が困難になる。また、第2のガラス層に予め樹脂層を積層した場合、割れなどは改善されるものの、基板自体が可撓性を有するため、電子デバイス部材の形成工程で基板を固定する際などに基板がたわんでしまい、電子デバイスの厚みや位置精度の不良が発生しやすくなる。
そこで、第2のガラス層を、樹脂層などを介して第1のガラス層に固定することで、電子デバイス部材を形成する工程中のハンドリング性が著しく向上し、良好な電子デバイスを形成することができる。
さらに、電子デバイス部材形成工程後にガラス積層体から第1のガラス層を剥離する際は、上述したようにレーザーを照射することにより、第2のガラス層を破損することなく、支持板を容易に剥離することができる。
このように、本発明に係るガラス積層体を電子デバイス作製用基板として用いた電子デバイスの製造方法は優れた効果を有している。
また、上述したような電子デバイス部材形成工程後に、ガラス積層体から第1のガラス層を樹脂層との界面で剥離して得られる電子デバイス、或いはフレキシブルデバイスは、第2のガラス層表面を樹脂層で覆っていることから、ガラス基板の割れや飛散を防止することが可能となる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が以下の実施例に記載の態様に限定されるものではない。
なお、実施例における測定・評価は以下の方法・基準で行った。
<測定・評価>
(碁盤目試験)
碁盤目試験法(JIS K5400準拠)により、樹脂層と第1のガラス層との密着性を評価した。
具体的には、樹脂層にカッターナイフを用いて、第1のガラス層に達する11本の切り傷をつけ、100個の碁盤目を作った。切り傷の間隔は1mmとした。
碁盤目部分にセロテープ(登録商標)を圧着させ、テープの端を45°の角度で引き剥がし、剥離した碁盤目の個数を数えた。
(樹脂層の耐熱温度の測定方法)
RIGAKU製Thermo plus TG8120を用いて、窒素50mL/min雰囲気下、昇温速度20℃/minにおける熱減量を測定し、熱減量が5%となる温度を樹脂層の耐熱温度とした。
(樹脂層の波長308nmにおける分光透過率の測定方法)
樹脂層の透過率は0.5mmの無アルカリガラス(OA−10G、日本電気硝子社製)上に0.5μmの樹脂層を積層し、日立ハイテク製の分光光度計「UV−4000」を用いて、波長308nmにおける積層体の分光透過率を測定し、樹脂層の波長308nmにおける分光透過率とした。
(ガラス転移温度の測定方法)
ガラス転移温度は、動的粘弾性測定における振動周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分の条件でシート状に成形した各樹脂層を測定した際の、tanδ(=損失弾性率/貯蔵弾性率)のピーク温度で評価した。なお、tanδのピーク温度が複数ある場合には、最も高い温度をガラス転移温度とした。
(ガラス積層体のレーザー剥離試験)
XeClレーザーを用い、繰り返し周波数50Hz、70mJ以上、220mJ以下のエネルギー密度、7.8mm/secのビームスピードで、第1のガラス層側からガラス積層体の樹脂層に向けて照射することにより、剥離起点部を形成した後、第2のガラス層および樹脂層の積層体端部を手で把持し第1のガラス層から剥離を試み、剥離可否判断と樹脂層表面の観察を行った。
判断基準:
○:剥離時に第2のガラス層に破損なし、かつ樹脂層表面にパーティクル等異物(黒粉)が発生していない。
×:剥離時に第2のガラス層破損、または、樹脂層表面にパーティクル等異物(黒粉)が発生している。
(超音波試験)
電子デバイス部材形成工程前のガラス基板の洗浄を想定し、超音波試験を行った。具体的にはガラス積層体を60℃の温水中で30分間超音波洗浄を施し、ガラス積層体中の発泡及び剥離現象を目視で確認した。
評価基準は、ガラス積層体を60℃の温水中での超音波洗浄中、ガラス積層体中に1mm2以上の気泡が発生するまでの時間であり、以下のとおりである。
○:30分間で発泡せず、且つ、ガラス積層体中に剥離が見られなかった。
×:5分未満で発泡し、且つ、ガラス積層体中に一部剥離が見られた。
(加熱試験)
電子デバイス部材形成工程中のガラス基板の加熱を想定し、加熱試験を行った。加熱試験の評価基準は、ガラス積層体を350℃のオーブンに入れた時に、ガラス積層体中に1mm2以上の気泡が発生するまでの時間であり、以下のとおりである。
○:1時間以上
×:1時間未満
実施例および比較例においては、以下の樹脂材料を使用した。
・ポリエーテルイミド樹脂(A):SABIC社製、商品名「Ultem1000」
上述の構造式(1)において、Rがイソプロピリデン基であり、かつ2つのイミド環がフェニレン基に対して相互にメソ位で結合している繰り返し単位を有する。
・熱可塑性ポリイミドワニス(B−1):上述の構造式(2)においてn=1で表される構造を有する1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと、上述の構造式(3)において、Rがエーテル結合である4,4’−オキシジフタル酸二無水物を反応させて得られる構造単位を有する熱可塑性ポリイミド樹脂(B)をN−メチル−2ピロリドンに溶解させたポリイミドワニス(固形分濃度15重量%)。
・ポリイミドワニス(C−1):ジアミン成分として1、4−フェニレンジアミンを、酸二無水物成分として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を反応性させて得られる構造単位を有するポリイミド樹脂(C)をN−メチル−2ピロリドンに溶解させたポリイミドワニス(固形分濃度18重量%)。
[実施例1]
ポリエーテルイミド樹脂(A−1)をN−メチル−2ピロリドンに溶解させ、ポリエーテルイミド溶液を得た。ポリエーテルイミド溶液を固形分換算で70重量%、熱可塑性ポリイミドワニス(B−1)を固形分換算で30重量%の割合で混合した。
前記混合液を、第1のガラス層(日本電気硝子社製無アルカリガラス、商品名「OA−10G」厚さ:0.5mm)上に乾燥後の膜厚が3μmになるように塗工させた後、熱風乾燥炉中で乾燥させた。さらに、第2のガラス層(日本電気硝子社製 商品名「OA−10G」 厚み:50μm)を熱ラミネートし、ガラス積層体を得た。
得られたガラス積層体についてレーザー剥離試験、洗浄試験および加熱試験を行った。各種評価結果は表1に示す。
[実施例2]
ポリエーテルイミド溶液と熱可塑性ポリイミドワニス(B−1)を固形分換算で50重量:50重量で混合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス積層体を得た。
得られたガラス積層体についてレーザー剥離試験、洗浄試験および加熱試験を行った。各種評価結果は表1に示す。
[実施例3]
ポリエーテルイミド溶液と熱可塑性ポリイミドワニス(B−1)を固形分換算で30重量:70重量で混合した以外は、実施例1と同様にして、ガラス積層体を得た。
得られたガラス積層体についてレーザー剥離試験、洗浄試験および加熱試験を行った。各種評価結果は表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同様に、得たポリエーテルイミド溶液を第1のガラス層(日本電気硝子社製無アルカリガラス、商品名「OA−10G」厚さ:0.5mm)上に乾燥後の膜厚が3μmになるように塗工させた後、熱風乾燥炉中で乾燥させた。さらに、第2のガラス層(日本電気硝子社製 商品名「OA−10G」 厚み:50μm)を熱ラミネートし、ガラス積層体を得た。
得られたガラス積層体についてレーザー剥離試験を行ったところ、レーザー照射により樹脂層が炭化し樹脂層表面に黒粉が付着していた。洗浄試験、加熱試験および各種評価結果は表1に示す。
[比較例2]
比較例1と同様に、ポリイミドワニス(C−1)を第1のガラス層(日本電気硝子社製無アルカリガラス、商品名「OA−10G」厚さ:0.5mm)上に乾燥後の膜厚が3μmになるように塗工させた後、熱風乾燥炉中で乾燥、焼成させた。さらに第2のガラス層(日本電気硝子社製 商品名「OA−10G」 厚み:50μm)を熱ラミネートしようとしたが、熱プレスや加熱ニップロールの設定上限温度よりも、ポリイミド樹脂のTgが高いため、熱ラミネートすることができなかった。各種評価結果は表1に示す。
[比較例3]
熱可塑性ポリイミドワニス(B−1)を第1のガラス層(日本電気硝子社製無アルカリガラス、商品名「OA−10G」厚さ:0.5mm)上に乾燥後の膜厚が3μmになるように塗工させた以外は比較例1と同様にして、ガラス積層体を得た。
得られたガラス積層体についてレーザー剥離試験を行ったところ、樹脂層と第1のガラス層との密着強度が高すぎるため、第2のガラス層の一部が破損した。洗浄試験、加熱試験および各種評価結果は表1に示す。
Figure 0006787179
(考察)
実施例1乃至3の結果から、樹脂層が0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以上であるポリエーテルイミド樹脂(A)と、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%未満であり、主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミド熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含み、かつ0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以下であれば、レーザー剥離試験の結果が良好であり、超音波試験や加熱試験においても剥離や発泡等の不具合が生じない、電子デバイス作製用基板として好適なガラス積層体が得られることが分かった。
比較例1と比較例3の結果から、ポリエーテルイミド樹脂(A)、または主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミド熱可塑性ポリイミド樹脂(B)からなる樹脂層を有するガラス積層体では、レーザー剥離時に不具合が生じることが分かった。
比較例2の結果から、主鎖にエーテル結合を有しない芳香族ポリイミド樹脂(C)からなる樹脂層では、樹脂層自体のガラス転移温度が高く、また熱可塑性を有しないため、ガラス積層体を作製することができなかった。

Claims (7)

  1. 第1のガラス層、樹脂層及び第2のガラス層をこの順に備えるガラス積層体であって、
    該樹脂層は、0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以上であるポリエーテルイミド樹脂(A)と、
    0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%未満である熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を含み、
    かつ0.5μm厚に調整した時の波長308nmにおける分光透過率が20%以下であり
    該熱可塑性ポリイミド樹脂(B)は、主鎖にエーテル結合を有する芳香族ポリイミドであることを特徴とするガラス積層体。
  2. 前記ポリエーテルイミド樹脂(A)が、イソプロピリデン基を有することを特徴とする請求項1に記載のガラス積層体。
  3. 前記樹脂層は、前記ポリエーテルイミド樹脂(A)と前記熱可塑性ポリイミド樹脂(B)を80:20〜20:80の重量割合で含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス積層体。
  4. 該樹脂層のガラス転移温度が100℃以上、300℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス積層体。
  5. 前記樹脂層と第1のガラス層との密着性が、碁盤目試験法(JIS K5400準拠)で剥離しない碁盤目の数が全体の90%以上あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス積層体。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス積層体を用いる電子デバイス作製用基板。
  7. 請求項6の電子デバイス作製用基板を用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
JP2017034301A 2017-02-27 2017-02-27 ガラス積層体、電子デバイス作製用基板、及び電子デバイスの製造方法。 Active JP6787179B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034301A JP6787179B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 ガラス積層体、電子デバイス作製用基板、及び電子デバイスの製造方法。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017034301A JP6787179B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 ガラス積層体、電子デバイス作製用基板、及び電子デバイスの製造方法。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018140885A JP2018140885A (ja) 2018-09-13
JP6787179B2 true JP6787179B2 (ja) 2020-11-18

Family

ID=63526323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017034301A Active JP6787179B2 (ja) 2017-02-27 2017-02-27 ガラス積層体、電子デバイス作製用基板、及び電子デバイスの製造方法。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6787179B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5531864B2 (ja) * 2010-09-01 2014-06-25 Jsr株式会社 被加工層の加工方法および剥離方法ならびに仮固定用組成物
KR101773651B1 (ko) * 2013-04-09 2017-08-31 주식회사 엘지화학 적층체 및 이를 이용하여 제조된 기판을 포함하는 소자
CN104512075B (zh) * 2013-10-04 2017-06-23 财团法人工业技术研究院 离型层、基板结构、与柔性电子元件工艺
JP6216727B2 (ja) * 2014-05-08 2017-10-18 東京応化工業株式会社 支持体分離方法
CN107405907B (zh) * 2015-03-26 2019-06-18 东丽株式会社 树脂层叠膜及含有其的层叠体、tft基板、有机el元件滤色片,以及它们的制造方法
JP2017024368A (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 積層体及びその製造方法並びに電子デバイス及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018140885A (ja) 2018-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101723254B1 (ko) 유리/수지 적층체 및 그것을 사용한 전자 디바이스
TWI466949B (zh) 聚醯胺酸樹脂組成物、由其製備之聚醯亞胺薄膜及積層材料
JP5531781B2 (ja) 積層体、電気回路付加積層板、半導体付加積層体およびその製造方法
WO2011040441A1 (ja) 熱伝導性封止部材およびエレクトロルミネッセンス素子
TW201244937A (en) Laminate and method for manufacturing the same and method for manufacturing device structure using the same
TW201518108A (zh) 剛性複合疊層板與其製造方法、疊層體及利用該疊層體之元件的製造方法
JP6965978B2 (ja) ポリイミドフィルムと無機基板の積層体
KR20170121322A (ko) 폴리이미드 필름, 이를 포함하는 폴리이미드 적층체, 및 이를 포함하는 폴리이미드/금속 적층체
TW201534657A (zh) 顯示裝置及其製造方法、以及顯示裝置用的聚醯亞胺膜
JPWO2014119648A1 (ja) 積層体、積層体の製造方法、およびフレキシブル電子デバイスの製造方法
TW201223356A (en) Polyimide film and the method for producing the same, the method for producing the laminate
JP6210201B2 (ja) フレキシブル電子デバイスの製造方法
TW201223767A (en) Polyimide film laminate and metal laminate employing the same
JP2011222334A (ja) 熱伝導性封止部材および素子
WO2011126083A1 (ja) 熱伝導性封止部材およびそれにより封止された電子デバイス
KR20170056543A (ko) 적층체 및 플렉시블 디바이스의 제조 방법
JP6638415B2 (ja) フレキシブル電子デバイスの製造方法
KR20140084220A (ko) 열박리형 시트
JP6878870B2 (ja) 積層体、積層体の製造方法およびフレキシブルデバイスの製造方法
JP6787179B2 (ja) ガラス積層体、電子デバイス作製用基板、及び電子デバイスの製造方法。
JP6969111B2 (ja) ガスバリア層付きポリイミド/無機基板積層体およびその製造方法
TW201509242A (zh) 透明電路基板之製造方法
JP2018099800A (ja) 積層体、積層体の製造方法およびフレキシブルデバイスの製造方法
KR20160137392A (ko) 내열성 유기 고분자층의 박리 방법 및 플렉시블 배선판의 제조 방법
JPH02181975A (ja) フィルム太陽電池

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190826

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201012

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6787179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151