JP6786625B2 - フジツボの幼生期の冷凍保存 - Google Patents
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Description
本発明は、請求項1の前提部分に記載のフジツボの卵、フジツボのノープリウス幼生及び/又はフジツボの幼体の大規模凍結保存方法に関する。本発明は、また、凍結保存された生体の蘇生化の方法に関する。さらに、本発明は、凍結保存された製品又は餌及び使用に関する。
海洋魚の幼生は、食べ始めてから最初の餌料である生餌の生物に主に依存するようになると、発達が早くなる。乾燥飼料餌などの人工餌は、次善の選択であり、海洋魚の幼生用餌として、成長の初期段階で当該人工餌を使用すると死亡率が高く、成長率の低下がよく見受けられる。初期の給餌段階において、このような人工餌の欠点にはいくつかの理由がある。他にも当該欠点の理由はあるが、人工餌の欠点の主な理由は、一般に、生きていない餌生物のため摂取率が低く、消化率が低下するだけでなく、人工餌の栄養価が欠如しており、水中の有機物負荷が高くなることである。したがって、海洋魚の幼生への初期給餌は、自然から捕獲した又は養殖目的で育てた生きた餌生物の供給に大きく依存される。海洋魚の幼生の初期給餌に使用される最も一般的な生物は、ブラインシュリンプ(アルテミア フランシスカーナ)及びワムシ類(ツボワムシ sp)の異なる系統である。これらの餌生物の生体は、一般的には養殖場で養殖され、生きた餌生物として直接摂取される。しかし、生餌として広く用いられているにもかかわらず、これら餌生物の生体の栄養価は、海洋魚の幼生の最適な成長、発達及び生存を担保するには最適ではない。オメガ3脂肪酸の含有量が高い海産油などのように、栄養価を向上させるためにさまざまな濃縮技術が開発されているが、それらの餌の栄養価はまだ最適ではないと考えられており、自然から捕獲した餌生物に基づく餌料と比較して、一般的に死亡率が高くなり、成長が抑制され、多くの場合発育不良が起こることになる。さらに、海洋魚の幼生の飼育及び改善には、手間とコストがかかる。
本発明は、フジツボの保存及び蘇生のための方法を提供することを目的としており、特に初期発育期、すなわちフジツボの卵期、胚性期、幼生期、及び幼体期に焦点を当てている。より詳細には、本発明は、一般的に海洋沿岸域に生息するこれらの生体の効率的な凍結保存のための凍結保存のプロトコルを提供することを目的とする。さらに、本発明は、海洋魚の幼生への初期給餌等の初期給餌目的の餌として好適な新種の海洋生物種の開拓を促進することを目的とし、また、産業用途に重点を置いた新種の海洋生物種を開拓できる方法を提供することを目的とする。本発明の別の目的は、海洋養殖生産における現在の生餌の体制と効率的に代替するように使用可能な生餌の生体の長期保存方法を提供することである。特に、本発明は、早熟な海洋魚の幼生の初期給餌などの養殖生産における生餌料として使用できる生体の大規模(量的)の凍結保護のための方法を提供することを目的とする。
本発明は、フジツボの種の様々な初期発育期(卵、ノープリプス幼生、及び幼体)の保存及び蘇生のための凍結保存のプロトコルに関する。本発明の主な目的の一つは、海洋養殖生産における現在の生餌体制と代替可能又は補完可能である、これらの生きた飼料生体を含む保存される貯蔵可能な製品の生産に関する。
前記方法は、以下の順序で実施される工程:
−生体から水を排水する工程と、
−エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びジメチルスルホキシド又はそれらの混合物質からなる群から選択される抗凍結剤を含有する抗凍結溶液を5〜10M添加する工程と、
以下の(i)〜(iii)に続く工程に従って、容器中の混合物を凍結する工程と、
を含む方法に関する。
30〜40℃の温水浴中で凍結保存された生体を解凍する方法、
冷凍された材料を粉砕し、10℃以下の冷海水の流水で前記材料を洗ってから、5℃以下で最大36時間かけて前記生体を蘇生する方法、及び
凍結した材料を粉砕し、10℃以下で通気して海水中で前記材料をインキュベートした後、5℃以下で最大36時間かけて前記生体を蘇生する方法、から選択されるいずれかの方法を適用する、凍結保存された生体の蘇生化方法である。
本発明の詳細な説明及び好ましい実施形態
本発明は、フジツボの種の種々の初期発育期(卵、ノープリウス幼生、及び幼体)の保存及び蘇生のための凍結プロトコルに関する。本発明の1つの主な目的は、海洋養殖生産における現在の生餌体制と代替可能又は補完可能である、これらの生きた飼料生体を含む保存される貯蔵可能な製品の生産に関する。
第1の工程として、保存される生体から海水を排出する。例えば、前記生物を保持するために適切なメッシュ又は細孔サイズを有するネット又はフィルターを使用することによって、海水の排出を行うことができる。典型的には、排水後において、チシマフジツボ(Semibalanus balanoides)又はハナフジツボ(Balanus crenatus)のようなフジツボの乾燥物質含量は、約10%である。しかし、これは、水を保持するための特性及び生体に依存して変化する可能性がある。したがって、乾燥重量含量は、最終製品の品質に著しい影響を与えることなく、6〜14%で変動し得る。
一般的には、長い凍結時間の方が、短い時間よりも良好な生存率をもたらすものであり、5時間未満の凍結時間でもある程度の生存率を示すが、大きなバッチにとっては最適な条件ではなかった。典型的には、このプロセスは、凍結プロセスで使用される体積に応じて12〜24時間かかる。空気が冷凍庫の内部で冷却される冷凍庫を使用する代わりに、液体冷凍庫も使用しようできる。後者の場合、凍結プロセス及び熱放出のより効率的な制御により、凍結時間が短縮されうる。
凍結保存された生体の効率的な蘇生は、種々の方法を用いて達成することができる。凍結生体を含むポーチは、30〜40℃の水浴中で解凍することができ、ポーチを多かれ少なかれ連続的に混練して当該ポーチ内部の温度分布を均一に達成することが重要である。解凍後、生体を100μmフィルターメッシュに注ぎ、海水で(好ましくは10℃未満で)洗浄して抗凍結剤を除去する。洗浄後、3時間以上にわたり、通気された海水(5℃未満、好ましくは0℃〜3℃)で蘇生されて良好な遊泳活動を達成する。6時間から36時間の時間窓でより良い遊泳活動が達成される。解凍されたノープリウス幼生の温度は、蘇生段階の間にゆっくりと魚のタンクの温度に適合させることができる。
1.満潮帯のチシマフジツボ(Semibalanus balanoides)又は潮間帯下のハナフジツボ(Balanus crenatus)から選択されるフジツボからの卵及び/又はノーリプリウス幼生/幼生/早生期の採取又は培養。
1.水を含む貯留タンクへの生体の随意移送と中間貯蔵のための通気
2.水を排水するためのフィルターによる適量の生体の濾過
3.1:4〜1:1(体積比)の割合でエチレングリコールの7.2mol溶液(氷上に保つ)を濾過した排水された材料に添加する。
理論的には、生体と完全に平衡化している場合、混合物中のエチレングリコールの最終濃度が3.6molとなる。しかしながら、上記に説明され、以下の実験で示されるように、生体による抗凍結剤の同化ははるかに低い。平衡が100%ではなく、むしろこれらの生体では15%未満という傾向がある。抗凍結剤は、40%のエチレングリコール及び60%の海水体積:体積(30psu;PSU=実用塩分単位=g/kg)を含有する(7.2mol溶液に対応する)。海水は、エチレングリコールと混合する前に、50〜70PSUの最終濃度にさらに塩水化される。
4.通常、約600gの混合生体及び抗凍結剤をプラスチックポーチ(例えば、500mm×190mm×10mm;非常に低い温度に耐えるように作られている)に移し、5℃(平衡)又は他の適切な容器で30分間インキュベートする。
5.凍結保存すべき生体を有するポーチ/容器及び抗凍結剤は、プログラム可能なフリーザー又は通常の超冷凍機に移されて凍結される。
6.混合物を約−12〜−13℃の温度に凍結する。約600gの前記ポーチについて、+5℃〜−12℃の間で、毎分約−0.05〜−0.5℃の凍結速度が適用される。約−13℃及び約−39℃では、温度が全体の材料中に均一に分布するように、毎分凍結速度−0.025〜−0.07℃の凍結速度が使用される。材料中の均質な温度分布が達成される限り、生体を傷つけることなく、この段階でより高い凍結速度を適用することができる。保持時間が適用されている場合(上記を参照)は特に生体を傷つけることなく、この段階でより高い凍結速度を適用する。
7.混合物中の生体は、通常、−12℃〜−16℃の範囲で結晶化し始める。この範囲では、熱放出による温度上昇は可能な限り低くなければならない。これは、−0.02〜−0.1℃/分の間の好ましい凍結速度によって達成される。あるいは、結晶化の開始前にポーチ内の均質な温度分布が達成されるように、温度を約12〜−15℃付近で一定に保つことができる。
8.抗凍結剤は、約−22℃の温度で結晶化する。この範囲では、熱放出による温度上昇は可能な限り低くなければならない。これは、−0.02〜−0.1℃/分、好ましくは−0.04℃/分の好ましい凍結速度によって達成される。あるいは、結晶化の開始前にポーチ内の均質な温度分布が達成されるように、温度を約−22〜−25℃付近で一定に保つことができる。
9.通常、−0.01〜−0.1℃/分、好ましくは−0.04℃/分の低い凍結速度が約−25℃から約−38〜−43℃の温度範囲内で適用される。この工程に使用される時間は、好ましくは、もしくは5〜20時間以内、好ましくは12〜20時間以内であるべきである。
10.凍結した材料は、冷凍庫から迅速に取り出し、液体窒素に移し、蘇生まで低温(例えば、−196℃)で保存する。
実験1−毒性試験
チシマフジツボ(Semibalanus balanoides)のフジツボノープリウス幼生ステージI及びIIを、7.2molのエチレングリコール溶液(ストック溶液)に接触させて、氷上で保存した。0、1、2、4、8、12及び24時間後にサンプルを取り出し、抗凍結剤を洗い流して、ノープリウスの生存率を調べた。生存率は、0、1、2、3、4及び5に分類して評価した。“0”は活性がなく(ノープリウス幼生の死)、“1〜3”は凍結前のノープリウス幼生よりも少ない付属器官が痙攣状態を示すが、“3”は、自然な遊泳に近い状態である。“4”は、凍結前のノープリウス幼生として遊泳し、“5”は過剰活性されたノープリウス幼生を示す。驚くべきことに、抗凍結剤に24時間接触させた後でさえも、全ノープリウス幼生は再生し(レベル2〜3)、比較的良好な遊泳行動(個体の80〜90%)を示した。
種々の抗凍結剤の適合性を、本発明の凍結保存法を用いて下記の試験で評価した。下記のこれらの実験で適用した凍結保存法及び解凍手順の詳細は以下の通りである:
フジツボノープリウス幼生(チシマフジツボ(Semibalanus balanoides)又はハナフジツボ(Balanus crenatus))を排水及び濃縮(10%乾燥重量)し、抗凍結剤(氷上で)と1:1の割合で混合した。当該混合により得られた混合物を充填し、密閉し、5℃で30分間、ポーチ(300mlの抗凍結剤及び300mlのフジツボからなる600g)中で平衡化した後、制御された冷凍庫に移した。前記ポーチをアルミニウムラックに入れ、温度ロガーを前記ポーチの中及び前記冷凍庫に入れて空気温度を測定した。試験では、代替的に約60g又はバイアルの少量を使用した。
抗凍結剤として7.2molのエチレングリコール溶液を用いて、当該抗凍結剤と後述のフジツボ生体との1:1の比率で混合した後に、当該フジツボ生体である、チシマフジツボ(Semibalanus balanoides)又はハナフジツボ(Balanus crenatus)由来のフジツボノープリウス幼生ステージI及びIIを凍結保存した。解凍後における前記ノープリウス幼生は高い生存率を示し、50%を超えるノープリウス幼生は、常態の遊泳活動(レベル4)に達しており、残りは、遊泳活動1〜3(常態未満であるが、常態の遊泳活動に近い)に達していた。
抗凍結剤として6molのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を用い、当該抗凍結剤と後述のフジツボ生体と比率が1:1に混合して、当該フジツボ生体である、チシマフジツボ(Semibalanus balanoides)由来のフジツボノープリウス幼生ステージI及びIIを処理した。3〜5℃で30分間平衡化工程を行った。
エチレングリコールの代わりに、グルコース又はプロピレングリコール(60体積%の海水と混合した40体積%グルコース、メタノール又はプロピレングリコール;エチレングリコール3.4M、プロピレングリコール5.4M)を用いて、チシマフジツボ(Semibalanus balanoides)のノープリウス幼生ステージI及びII(体積比1:1)に、本発明の凍結保存法を適用して試験した。ノープリウス幼生の生存が僅かに見られたが、解凍後の生存可能なノープリウス幼生の割合は、抗凍結剤としてエチレングリコールを使用した場合と比較して極僅かであった。
本発明による凍結保存後のチシマフジツボ(Semibalanus balanoides)由来のフジツボノープリウス幼生ステージI及びIIの生存率について、抗凍結剤であるエチレングリコールとプロピレングリコール又はグリセロールとの異なる混合物の効果を評価した。この実験では、25%、50%、又は75%のエチレングリコールをプロピレングリコール又はグリセロール(体積対体積)で置換した。75%のエチレングリコールをプロピレングリコール又はグリセロールと置換すると、7.2Mのエチレングリコール溶液(生体との体積比1:1)を使用した場合よりはるかに低い生存率が得られた。50%のエチレングリコールをプロピレングリコール又はグリセロールで置換すると、生存率の観点ではより良好な結果が得られたが(50%のプロピレングリコールを使用すると、50%のグリセロールを使用した場合よりも、はるかによい結果を示したが)、一方、25%のプロピレングリコールを使用した場合は、エチレングリコールを抗凍結剤として使用した場合と同等以上の生存率を示した。25%のグリセロールを使用した場合は、50%のグリセロールを使用した場合より良好な結果を与えたが、25%のプロピレングリコールを使用した場合に対して随分劣る結果となった。
凍結保存される生体の体積に対する抗凍結剤の種々の体積比の影響を試験した。細胞内に浸透する抗凍結剤は、一般に、体積比で50%の抗凍結剤を、凍結保護されるべき50%の体積の生体に添加される。
抗凍結剤との平衡に達するまでのインキュベーション時間の短縮の影響をチシマフジツボ(Semibalanus balanoides)のノープリウス幼生I及びIIのサンプルで試験した。
チシマフジツボ(Semibalanus balanoides)由来のフジツボのノープリウス幼生を、本発明に記載されているように、生体に対して1:1の体積比で7.2Mエチレングリコールを用い、600gパック中で凍結保存した。解凍後、エチレングリコールを洗浄及び排水の直後に、エチレングリコールについてノープリウス幼生を解析した。小片の凍結物質をフィルター上に採取し、解凍するまですすいだ後、凍結して分析した。これは、時間ゼロ条件のサンプルであり、7400〜11000ppmのエチレングリコールが含有している結果が得られた。この結果は、約5%のエチレングリコールが生体に取り込まれていることを示唆している。おそらく、エチレングリコールの流出が起こったかもしれないが、生体内に10%を超えるエチレングリコールが存在するとは考え難い。そのため、完全に平衡状態になると、生体内部には、3.6Mのエチレングリコールが存在すると予想される。7.2Mのエチレングリコールのストック溶液は、400000ppmの濃度を示すものである。次いで、600グラムのサンプルを15リットルの海水に移し、15分後(排水及び凍結)に分析すると、2%未満加えられたエチレングリコール又は約0.1molのエチレングリコールである、6100から7000ppmのエチレングリコールを示した。第2段階(養殖場での製品の洗浄を模倣する)、水の排水、及びフジツボのノープリウス幼生の洗浄用の15リットルの海水を添加した場合、生体内の濃度は300ppm未満であった。蘇生した際、フジツボのノープリウス幼生から、再度海水を排水し、30リットルの海水を添加した。1時間後、排水されたフジツボのノープリウス幼生におけるエチレングリコール含量は、25ppm未満であった。2時間後、排水されたフジツボのノープリウス幼生におけるエチレングリコール含量は、検出レベル10ppm以下であった。エチレングリコールに対する水生生物の耐性レベルは、非常に変動するものであるが、一般に水生生物にとっては100ppm以下のレベルは無毒性であるとみなされている。
本発明は、低温保存餌料粒子又はペレットの製造方法をさらに開示する。海洋水産養殖の目的のための出発餌料として後の使用のために、より小さい単位でペレット化餌料粒子を効率的に製造するための試験が行われてきた。
A)本発明で開示された方法に従って予め凍結保存された大量バッチの材料、例えば、数百グラムの材料を含み、かつ液体窒素中に貯蔵されたポーチ/プレートは、液体窒素中でより小さい粒子/ペレットに機械的に粉砕できる。
体積比で1:1になるよう7.2Mのエチレングリコールと生体とを用いて、本発明に記載されているようにパック600g中で試験を行った。得られた粒子は、いかなる形でも包装又は封止されることなく液体窒素中で直接保存することができる。粉砕後液体窒素中で7ヶ月以上保存した場合でも、粉砕工程は後の蘇生化速度に影響しなかった。
Claims (16)
- フジツボの卵、フジツボのノープリウス幼生及び/又はフジツボの幼体の凍結保存用の方法であって、
前記方法は、以下の順序で実施される工程:
前記フジツボの卵、前記フジツボのノープリウス幼生及び前記フジツボの幼体からなる群から選択される少なくとも1種である生体から水を排水する工程と、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物質からなる群から選択される抗凍結剤を含有する抗凍結溶液を5〜8M添加する工程と、
以下の(i)〜(iii)に続く工程に従って、容器中の前記混合物を凍結する工程と、
(i)前記混合物中の前記生体が結晶化し始める温度に至るまで、毎分1℃以下の温度を低下させる第1の低速凍結速度で凍結する工程;
(ii)前記混合物中の前記生体及び前記抗凍結剤が完全に結晶化するまで、毎分0.1℃/分以下の温度を低下させる第2の低速凍結速度で凍結する工程;並びに
(iii)低温保存温度まで第1の高速凍結速度で凍結する工程
を含む。 - 前記第1の低速凍結速度は、毎分0.5℃/分以下の温度を低下する、好ましくは毎分0.3℃/分以下の温度を低下する、より好ましくは毎分0.1℃/分以下の温度を低下する、請求項1に記載の方法。
- 前記(i)の工程又は前記(iii)の工程の前に、平衡化工程を実施し、好ましくは5〜60分間、より好ましくは15〜30分間、最も好ましくは約15分間平衡化工程を実施する、請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
- 前記第2の低速凍結速度は、毎分0.015℃〜毎分0.1℃の温度を低下する、好ましくは毎分0.04℃〜毎分0.08℃の温度を低下する、より好ましくは毎分0.05℃の温度を低下する、最も好ましくは毎分0.04℃の温度を低下する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 前記排水された生体は、排水後において、6〜14%、より好ましくは8〜12%、最も好ましくは約10%の乾燥重量含量を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記生体に添加される前記抗凍結剤の濃度は、6M〜8M、より好ましくは6.5M〜7.5Mである、最も好ましくは7.2Mである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記抗凍結剤は、エチレングリコールとプロピレングリコールとの混合物であり、好ましくはそれぞれ約50%、より好ましくは約75%のエチレングリコールと25%のプロピレングリコールとの混合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 1つのユニット中で凍結保存される材料の量は、少なくとも5g〜10g、好ましくは少なくとも10g〜50g、より好ましくは少なくとも50g〜100g、最も好ましくは200g〜2000gである、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 前記1つのユニット中で凍結保存される材料における均一温度が約−10℃〜約13℃、好ましくは約−12℃〜約−13℃に至ると、前記第1の低速凍結速度が終了する、請求項8に記載の方法。
- 前記凍結プロセスの全体は、少なくとも5時間、好ましくは6〜10時間、より好ましくは10〜12時間、最も好ましくは12時間超継続する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記生体は、型内、好ましくはシリコーン製の型内で、5〜50ml、好ましくは10〜25mlの容量で凍結保存される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記生体は、プレート又はポーチ内で凍結され、前記プレート又は前記ポーチ内で凍結保存された生体は、液体窒素中で小さな粒子に粉砕され、それにより、得られた前記粒子は、好ましくは、液体窒素中に充填されることなく保存される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 前記凍結保存された生体を蘇生する生体の蘇生化方法であって
30〜40℃の温水浴中で前記凍結保存された生体を解凍すること、
前記凍結された材料を粉砕し、10℃以下の冷海水の流水で前記材料を洗ってから、5℃未満で最大36時間かけて前記生体を蘇生化すること、及び
前記凍結した材料を粉砕し、10℃以下で通気して海水中で前記材料をインキュベートした後、5℃未満で最大36時間かけて前記生体を蘇生化すること、から選択されるいずれかの方法を適用する、請求項8又は9のいずれかに記載の凍結保存された生体の蘇生化方法。 - 前記解凍された生体は、解凍後に給餌される養殖場のタンク中の水温に適応する、請求項13に記載の方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の方法によって得られることを特徴とする、凍結保存製品又は飼料。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の方法によって初期発育期のフジツボを凍結保存し、かつその後蘇生化する、海洋魚類の幼生及び無脊椎動物用の生餌としての初期発育期のフ
ジツボの使用。
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