JP6786228B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
脱穀装置の前部側では、脱穀処理物が投入されてからの経過時間が短いとか、脱穀処理物が扱き処理を受け始めてからの経過時間が短いとかに起因し、多量の脱穀処理物が位置しがちである。また、脱穀装置に多量の穀稈を纏めて投入できるように、扱胴と天板との間隔を広くした場合、扱胴と天板との間に多量の脱穀処理物が位置する。多量の脱穀処理物が位置しても送塵弁が脱穀処理物に適確に作用するように、脱穀装置の前部側に位置する送塵弁の下端が扱胴の外周部の回転軌跡の近くに位置するよう構成した場合、脱穀装置の後部側に位置する送塵弁の下端も、脱穀装置の前部側に位置する送塵弁の下端と同様に、扱胴の外周部の回転軌跡の近くに位置する。すると、脱穀装置の後部側に単粒化した状態で位置する穀粒が送塵弁による案内作用を受け易く、穀粒が脱穀装置の外部に排出され易くなる。
刈取穀稈を搬送するフィーダと、
前記フィーダからの刈取穀稈が投入され、投入された刈取穀稈を扱き処理する脱穀装置と、を備え、
前記脱穀装置に、扱室に回転駆動可能に設けられた扱胴と、前記扱室の天板に、前記扱胴の回転軸芯に沿う方向に並ぶ状態で支持され、穀稈を前記扱室の後方へ向けて送り案内する複数の送塵弁と、前記扱胴の前部に、螺旋羽根を有すると共に前記螺旋羽根の回転によって穀稈を前記扱室内部側に掻き込む掻込み部と、前記扱胴における前記掻込み部よりも後側の扱き処理部と、が備えられ、
前記脱穀装置の前部側に位置する前記送塵弁の下端は、前記脱穀装置の後部側に位置する前記送塵弁の下端よりも、前記扱胴の外周部の回転軌跡に近い位置に位置し、
前記扱き処理部の上方に位置する前記送塵弁は、その下端縁が送り方向始端側ほど前記天板に近付くように、先細り形状に形成され、
前記扱き処理部の前部の上方に位置する前記送塵弁の先細り量は、前記扱き処理部の後部の上方に位置する前記送塵弁の先細り量よりも大きく、かつ、前記扱き処理部の前部の上方に位置する前記送塵弁における先細部の周方向の長さは、前記扱き処理部の後部の上方に位置する前記送塵弁における先細部の周方向の長さよりも大きい。
脱穀装置の後部側における送塵弁の下端と扱胴の外周部との間隔が、脱穀装置の前部側における送塵弁の下端と扱胴の外周部との間隔よりも広くなるので、脱穀装置の後部側に位置する穀粒が送塵弁の案内を受けることを抑制できる。
また、本構成によれば、扱き処理部の前部の上方に位置する送塵弁の先細り量が扱き処理部の後部の上方に位置する送塵弁の先細り量よりも大きく、かつ、扱き処理部の前部の上方に位置する送塵弁における先細部の周方向の長さが扱き処理部の後部の上方に位置する送塵弁における先細部の周方向の長さよりも大きいので、扱き処理部の前部の上方に位置する送塵弁の先端部を脱穀処理物が引っ掛かり難い先細り形状にできる。
下端が扱胴外周部の回転軌跡に近い位置に位置して、脱穀処理部の前部に位置する脱穀処理物を扱室の後方に向けて効果的に送る送塵弁を、先端部に脱穀処理物が引っ掛かり難くて脱穀処理部の滞留や詰まりを起こし難い状態で得ることができ、脱穀処理部の前部に位置する脱穀処理物を多い少ないにかかわらず、扱室の後方へスムーズに送って能率よく脱穀処理できる。
前記扱胴の前部に、螺旋羽根を有すると共に前記螺旋羽根の回転によって穀稈を前記扱室内部側に掻き込む掻込み部が備えられ、前記掻込み部の上方に位置する前記送塵弁の下端は、前記脱穀装置の後部側に位置する前記送塵弁の下端よりも、前記扱胴の外周部の回転軌跡に近い位置に位置しているという構成を備えた。
前記扱胴の前部に、螺旋羽根を有すると共に前記螺旋羽根の回転によって穀稈を前記扱室内部側に掻き込む掻込み部が備えられ、
前記扱胴における前記掻込み部の後側に扱き処理部が備えられ、
前記扱き処理部の前部の上方に位置する前記送塵弁の下端は、前記扱き処理部の後部の上方に位置する前記送塵弁の下端よりも前記扱き処理部の外周部の回転軌跡に近い位置に位置しているという構成を備えた。
前記扱胴の回転軸芯に沿う方向視において、前記送塵弁の幅方向中央側部分における前記天板から前記扱胴に向かって径方向に突出する突出高さが、前記送塵弁の幅方向両端側部分における前記天板から前記扱胴に向かって径方向に突出する突出高さよりも高いという構成を備えた。
車体フレーム1における左側の前端部には、作業走行時に車体の前方に位置する水稲や麦あるいは菜種などの作物の穀稈を刈り取って搬送する刈取搬送部4を、左右向きの昇降軸芯P1を支点にした昇降揺動が可能な状態で連結してある。刈取搬送部4の昇降揺動は、車体フレーム1とフィーダ5とにわたって架設した油圧式の昇降シリンダ6の伸縮作動で行う。車体フレーム1の左半部には、刈取搬送部4が搬送する刈り取り後の穀稈を脱穀対象物として受け入れて脱穀処理し、脱穀処理後の処理物に選別処理を施す脱穀装置7を設けてある。車体フレーム1の右後部には、揚送装置(図示せず)によって脱穀装置7から搬送された単粒化穀粒を回収して貯留する穀粒タンク8を設けてある。穀粒タンク8には、貯留された穀粒を搬出するスクリューコンベヤで成る搬出オーガ9を装備してある。
刈取搬送部4は、車体の走行に伴って、その前部の左右両端に配備したデバイダ11によって未刈り穀稈を収穫対象の穀稈と収穫対象外の穀稈とに梳き分ける。又、刈取搬送部4の前部上方に配備した回転リール12によって収穫対象穀稈の穂先側を後方に向けて掻き込み、刈取搬送部4の底部に装備したバリカン型の刈取装置13によって収穫対象穀稈の株元側を切断して、収穫対象の穀稈を刈り取る。そして、刈取装置13の後方に配備した横送オーガ14によって刈取り穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めて後方に送り出し、その所定箇所から脱穀装置7にわたって架設されたフィーダ5によって刈取り穀稈を脱穀装置7に投入する。
脱穀装置7及び扱胴21の説明にあたり、脱穀装置7及び扱胴21の処理始端側[穀稈投入側(図2の紙面下側)]が「前」とし、脱穀装置7及び扱胴21の処理終端側[穀稈排出側(図2の紙面上側)]が「後」とする。
図2,4,5,6に示すように、扱胴21は、脱穀部7Aの処理方向での扱胴軸芯を回転軸芯P2として回転駆動されるように扱室20に支持されている支軸29と、扱胴21の前部に設けられ、支軸29によって回転駆動される掻込み部30と、扱胴21のうちの掻込み部30の後側の部位に設けられ、支軸29によって回転駆動される扱き処理部40とを備えている。
図2,4,6に示すように、掻込み部30は、扱胴21の前端側ほど小径である基台部31と、基台部31の外周部から基台部31の外側に向かって立ち上がる状態で基台部31の外周部に設けられた螺旋羽根32とを備えている。2つの螺旋羽根32が備えられている。2つの螺旋羽根32は、基台部31の周方向に間隔を空けて並んだ2重螺旋状で、基台部31の後端部から先端部に亘って設けられている。2つの螺旋羽根32は、螺旋羽根32の終端側における基台部31からの立ち上がり高さA1(図6参照)が螺旋羽根32の始端側のおける立ち上がり高さA2(図6参照)よりも低くなる状態で設けられている。基台部31の先細り形状にかかわらず、螺旋羽根32の終端側から始端側に至る全体の外径が一定又はほぼ一定になっている。螺旋羽根32の搬送面側と反対の側面において螺旋羽根32を支持する複数の支持部材39を、螺旋羽根32の長手方向に間隔を空けて並ぶ状態で基台部31の外周部に立設してある。
図10に示すように、螺旋羽根32の終端側と脱穀装置7の横壁28との間隙Kを切欠き部32cによって広くでき、脱穀処理物を扱き処理部40へ移動し易くできる。
図12に示すように、扱き処理部40の前部の上方に位置する送塵弁50Bは、先端部50bsの終端から送塵弁50Bの後端50rに至る部位での下端50Btと回転軌跡Tとの間隔aが同一である状態に構成されている。図13に示すように、扱き処理部40の後部の上方に位置する送塵弁50Cは、先端部50Csの終端から送塵弁50Cの後端50Crに至る部位での下端50Ctと回転軌跡Tとの間隔bが同一である状態に構成されている。送塵弁50Aの間隔aと、送塵弁50Bの間隔aとは、同じ大きさの間隔になっている。送塵弁50Cの間隔bは、送塵弁50Aの間隔a及び送塵弁50Bの間隔aよりも大きい間隔になっている。
送塵弁50Bの先端部50bの周方向長さL1を送塵弁50Cの先端部50Csの周方向長さL2よりも大きく設定してある。送塵弁50Bの下端50Bnと回転軌跡Tとの間隔aは、送塵弁50Cの下端50Cnと回転軌跡Tとの間隔bよりも狭いが、送塵弁50Bの先端部50Bsを脱穀処理物が引っ掛かりにくい先細り形状にできる。
本実施例では、送塵弁50Cの先端部50Csにおける下端縁を扱室内側に向かって突の曲線状に形成している。送塵弁50Cの先端部50Csにおける下端縁は、送塵弁50Bの先端部50Bsの下端縁50BLと同様に直線状に形成可能である。
図2に示すように、選別部7Bには、受網24の下方に設けた揺動選別装置55を備えてある。揺動選別装置55には、後端部に備えた偏心カム式の駆動機構56が作動することで前後方向に揺動する。又、揺動選別装置55の前下方に唐箕57を配備してある。唐箕57は、左側面視左回り方向に回転する送風体によって選別風を発生させる。揺動選別装置55は、揺動しながら受網24からの処理物などを受け止め、受け止めた処理物を選別対象の処理物として選別処理方向に移送しながら篩い選別し、かつ唐箕57からの選別風によって風力選別する。
回収部7Cでは、揺動選別装置55の選別処理方向上手側の下方に1番回収部58を形成してある。又、揺動選別装置55の選別処理方向下手側の下方に2番回収部59を形成してある。1番回収部58は、側面視底窄まり形状に形成してあり、揺動選別装置55の選別処理方向上手側から流下した単粒化穀粒を1番物として底部に流下案内する。1番回収部58の底部には、1番物搬出用の1番スクリュー58aを左右向きに配備してある。
1番スクリュー58aは、1番回収部58の底部に流下した1番物を、1番スクリュー58aの右端部に連通接続した揚送装置(図示せず)に搬送する。2番回収部59は、側面視下窄まり形状に形成してあり、揺動選別装置55の選別処理方向下手側から流下した枝梗付き穀粒などを2番物として底部に流下案内する。2番回収部59の底部には、2番物搬出用の2番スクリュー59aを左右向きに配備してある。2番スクリュー59aは、2番回収部59の底部に流下した2番物を、2番スクリュー59aの右端部に連通接続した2番還元装置60に供給する。2番還元装置60は、2番スクリュー59aからの2番物を揚送して揺動選別装置55に還元する。
(1)図14は、第1の別実施構造を備えたガイド部材37を示す平面図である。第1の別実施構造を備えたガイド部材37では、ガイド部材37の終端側が螺旋羽根32のうちのライナー部材35には連結されず、螺旋羽根32の取付部材32Aだけに連結された状態で螺旋羽根32に支持されている。
7 脱穀装置
20 扱室
21 扱胴
27 天板
30 掻込み部
32 螺旋羽根
40 扱き処理部
50A 送塵弁
50At 下端
50B 送塵弁
50Bh 突出高さ
50Bs 先端部
50Bt 下端
50Bx 突出高さ
50Bz 突出高さ
50C 送塵弁
50Ch 突出高さ
50Cs 先端部
50Ct 下端
50Cx 突出高さ
50Cz 突出高さ
Bs 先細り量
Cs 先細り量
L1 周方向長さ
L2 周方向長さ
P2 回転軸芯
T 回転軌跡
Claims (4)
- 刈取穀稈を搬送するフィーダと、
前記フィーダからの刈取穀稈が投入され、投入された刈取穀稈を扱き処理する脱穀装置と、を備え、
前記脱穀装置に、扱室に回転駆動可能に設けられた扱胴と、前記扱室の天板に、前記扱胴の回転軸芯に沿う方向に並ぶ状態で支持され、穀稈を前記扱室の後方へ向けて送り案内する複数の送塵弁と、前記扱胴の前部に、螺旋羽根を有すると共に前記螺旋羽根の回転によって穀稈を前記扱室内部側に掻き込む掻込み部と、前記扱胴における前記掻込み部よりも後側の扱き処理部と、が備えられ、
前記脱穀装置の前部側に位置する前記送塵弁の下端は、前記脱穀装置の後部側に位置する前記送塵弁の下端よりも、前記扱胴の外周部の回転軌跡に近い位置に位置し、
前記扱き処理部の上方に位置する前記送塵弁は、その下端縁が送り方向始端側ほど前記天板に近付くように、先細り形状に形成され、
前記扱き処理部の前部の上方に位置する前記送塵弁の先細り量は、前記扱き処理部の後部の上方に位置する前記送塵弁の先細り量よりも大きく、かつ、前記扱き処理部の前部の上方に位置する前記送塵弁における先細部の周方向の長さは、前記扱き処理部の後部の上方に位置する前記送塵弁における先細部の周方向の長さよりも大きいコンバイン。 - 前記扱胴の前部に、螺旋羽根を有すると共に前記螺旋羽根の回転によって穀稈を前記扱室内部側に掻き込む掻込み部が備えられ、
前記掻込み部の上方に位置する前記送塵弁の下端は、前記脱穀装置の後部側に位置する前記送塵弁の下端よりも、前記扱胴の外周部の回転軌跡に近い位置に位置している請求項1に記載のコンバイン。 - 前記扱胴の前部に、螺旋羽根を有すると共に前記螺旋羽根の回転によって穀稈を前記扱室内部側に掻き込む掻込み部が備えられ、
前記扱胴における前記掻込み部の後側に扱き処理部が備えられ、
前記扱き処理部の前部の上方に位置する前記送塵弁の下端は、前記扱き処理部の後部の上方に位置する前記送塵弁の下端よりも前記扱き処理部の外周部の回転軌跡に近い位置に位置している請求項1または2に記載のコンバイン。 - 前記扱胴の回転軸芯に沿う方向視において、前記送塵弁の幅方向中央側部分における前記天板から前記扱胴に向かって径方向に突出する突出高さが、前記送塵弁の幅方向両端側部分における前記天板から前記扱胴に向かって径方向に突出する突出高さよりも高い請求項1から3のいずれか一項に記載のコンバイン。
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