JP6784669B2 - 炎症性腸疾患及びセリアック病から過敏性腸症候群を識別するための方法及びシステム - Google Patents

炎症性腸疾患及びセリアック病から過敏性腸症候群を識別するための方法及びシステム Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み入れられる、2014年10月9日に出願され、現在係属中の米国仮特許出願番号62/061,877及び2014年12月1日に出願され、現在係属中の米国仮特許出願番号62/085,825に対する米国特許法119条(e)のもとでの優先権の主張を含む。
発明の分野
本発明は過敏性腸症候群、その診断及び治療に関する。
背景
本明細書での出版物はすべて、個々の出版物または特許出願のそれぞれが具体的に且つ個々に参照によって組み入れられるように指示されたかのような同じ程度に参照によって組み入れられる。以下の記載は本発明を理解することにおいて有用であってもよい情報を含む。それは、本明細書で提供される情報のいずれかが従来技術であるまたは現在請求されている発明に関連すると認めることではなく、または具体的にもしくは暗に参照される任意の出版物が従来技術であると認めることではない。
過敏性腸症候群(IBS)は、集団のおよそ15%である報告された罹病率を伴う、消化器にて最も一般的に診断される状態である。最近30年にわたって、IBSの診断は臨床的な基準に基づいていた。これは、この状態の病態生理の理解が乏しいためである。
IBSの病態形成において2つの微生物的概念が出現している。第1は、IBSの症状が小腸微生物叢における変化に関連すると思われることを示唆している。これについての証拠は、呼気検査、小腸培養、小腸微生物叢のディープシークエンシング、及び消化管特異的な抗生剤であるリファキシミンに対する臨床的な応答に基づく。第2の微生物的概念は、対象のサブセットが急性胃腸炎(AGE)の症状の発現に続いてIBSを発症するということである。従来の大流行のメタ解析はAGEの後にIBSを発症する比率はおよそ10%であることを示唆している。
IBSは、下痢、便秘及び交互に現れるパターンを含む腸機能における慢性的な変化、と同様に疼痛及び膨満感を含む腹部症状を生じる状態である。IBSの症状はIBD及びセリアック病のような器質性疾患と重複し得るので、IBSの診断は器質性疾患を除外した後に行われることが多い。最近の多国間での取り組みにおいて、IBSの専門家らは、これらの対象が主症状としての用便習慣の有意な変化及び膨満感に苦しんでいることを認めた。IBSの明瞭な病態生理の非存在下では、対象の特定は「除外診断」のアプローチに基づく。このアプローチには、それらの症状についての別の器質性の説明を除外するための頻繁な身体の画像撮影、内視鏡検査及び血液検査を含む、IBSの患者、特にD−IBSの患者に対するかなりの経費及び罹患率が関与する。
ローマ基準は臨床試験のためのIBSの動員の標準化にて有益であった一方で、これらの基準はそれらが非特異的であるとき依然として「除外診断」のアプローチを当てにする。たとえば、クローン病または潰瘍性大腸炎の対象の大半はローマ基準を満たす。ローマII基準はさらに、下痢及び便秘が優勢な形態であるような優勢な腸のパターンに基づいてIBSを定義することにおいて役立った。このアプローチはIBSにおける症状を制御することに基づくIBSの治療のための薬剤パイプラインをもたらした。C−IBSに対して運動促進剤及び分泌促進剤が開発されており、D−IBSに対して運動抑制剤が開発されている。しかしながら、これらの治療剤はIBSの原因となるメカニズムには基づかず、代わりに症状の制御に基づいている。その結果、それらは反対の症状を結果的に作り出し得る。
セリアック病の診断が血清の組織トランスグルタミナーゼの測定によって大きく向上している一方で、慢性下痢の精密検査にてIBDからIBSを識別する生体マーカーのニーズが残っている。IBSを診断し、たとえば、IBD及びセリアック病のような他のGIの病気からIBSを識別する方法、アッセイ、及びシステムに対する当該技術におけるニーズが残っている。
例となる且つ説明に役立つが、範囲の限定ではないことにする組成物及び方法と併せて以下の実施形態及びその態様が記載され、説明される。
本発明の種々の実施形態は、炎症性腸疾患(IBD)、セリアック病、またはその双方から過敏性腸症候群(IBS)を識別する診断を所望している対象から生体試料を得る段階と;生体試料にて抗ビンキュリン及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、抗CdtB抗体のレベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、もしくは抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下す段階、または、抗ビンキュリン抗体のレベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高くなく、且つ抗CdtB抗体のレベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高くなければ、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含む、炎症性腸疾患(IBD)、セリアック病、またはその双方から過敏性腸症候群(IBS)を識別する方法を提供する。
種々の実施形態では、生体試料は、全血、血清、または血漿である。
種々の実施形態では、生体試料にて検出する段階は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用することを含むことができる。種々の実施形態では、生体試料にて検出する段階は、免疫組織化学法、フローサイトメトリー、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、放射性免疫アッセイまたは親和性精製を使用することを含むことができる。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、ビンキュリンまたは配列番号7におけるエピトープに結合することが可能である。
種々の実施形態では、抗CdtB抗体は、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)のCdtBまたは配列番号5におけるエピトープに結合することが可能である。
特定の実施形態では、抗ビンキュリン抗体のレベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下すことができる。特定の実施形態では、抗CdtB抗体のレベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下すことができる。種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下すことができる。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、または双方の確立された対照レベルは、光学密度の測定値であることができる。
本発明の種々の実施形態は、炎症性腸疾患(IBD)、セリアック病、またはその双方から過敏性腸症候群(IBS)を識別する診断を所望している対象から生体試料を得る段階と;生体試料にて抗ビンキュリン及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、抗CdtB抗体のレベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、もしくは抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体のレベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高くなく、且つ抗CdtB抗体のレベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高くなければ、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と;IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階と;IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階と、を含む、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、またはセリアック病の治療を選択する方法を提供する。
種々の実施形態では、生体試料は、全血、血清、または血漿であることができる。
種々の実施形態では、生体試料にて検出する段階は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用することを含むことができる。種々の実施形態では、生体試料にて検出する段階は、免疫組織化学法、フローサイトメトリー、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、放射性免疫アッセイ、または親和性精製を使用することを含むことができる。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、ビンキュリンまたは配列番号7におけるエピトープに結合することが可能である。
種々の実施形態では、抗CdtB抗体は、カンピロバクター・ジェジュニのCdtBまたは配列番号5におけるエピトープに結合することが可能である。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方の確立された対照レベルは、光学密度の測定値であることができる。
特定の実施形態では、抗ビンキュリン抗体のレベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下すことができる。特定の実施形態では、抗CdtB抗体のレベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下すことができる。特定の実施形態では、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下すことができる。
[本発明1001]
炎症性腸疾患(IBD)、セリアック病、またはその双方からの過敏性腸症候群(IBS)の識別方法であって、
IBD、セリアック病、またはその双方からIBSを識別する診断を所望している対象から生体試料を得る段階と;
前記生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;
抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、もしくは抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下す段階、または
抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の前記確立された対照レベルよりも高くなければ、且つ抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高くなければ、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と
を含む、前記識別方法。
[本発明1002]
前記生体試料が、全血、血清、または血漿である、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記生体試料にて検出する段階が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用することを含む、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記生体試料にて検出する段階が、免疫組織化学法、フローサイトメトリー、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、放射性免疫アッセイ、または親和性精製を使用することを含む、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記抗ビンキュリン抗体が、ビンキュリンまたは配列番号7のエピトープに特異的に結合することができる、本発明1001の方法。
[本発明1006]
前記抗CdtB抗体が、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)のCdtBまたは配列番号5のエピトープに特異的に結合することができる、本発明1001の方法。
[本発明1007]
抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断が行われる、本発明1001の方法。
[本発明1008]
抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断が行われる、本発明1001の方法。
[本発明1009]
抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断が行われる、本発明1001の方法。
[本発明1010]
抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方の前記確立された対照レベルが、光学密度の測定値である、本発明1001の方法。
[本発明1011]
過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、またはセリアック病のための治療の選択方法であって、
IBD、セリアック病、またはその双方からIBSを識別する診断を所望している対象から生体試料を得る段階と;
前記生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;
抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、もしくは抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断を下す段階、または
抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の前記確立された対照レベルよりも高くなければ、且つ抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高くなければ、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と;
IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階と
を含む、前記選択方法。
[本発明1012]
前記生体試料が、全血、血清、または血漿である、本発明1011の方法。
[本発明1013]
前記生体試料にて検出する段階が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用することを含む、本発明1011の方法。
[本発明1014]
前記生体試料にて検出する段階が、免疫組織化学法、フローサイトメトリー、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、放射性免疫アッセイ、または親和性精製を使用することを含む、本発明1011の方法。
[本発明1015]
前記抗ビンキュリン抗体が、ビンキュリンまたは配列番号7のエピトープに特異的に結合することができる、本発明1011の方法。
[本発明1016]
前記抗CdtB抗体が、カンピロバクター・ジェジュニのCdtBまたは配列番号5のエピトープに特異的に結合することができる、本発明1011の方法。
[本発明1017]
抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方の前記確立された対照レベルが、光学密度の測定値である、本発明1011の方法。
[本発明1018]
抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断が行われる本発明1011の方法。
[本発明1019]
抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断が行われる、本発明1011の方法。
[本発明1020]
抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSの診断が行われる、本発明1011の方法。
本発明の他の特徴及び利点は、例として本発明の実施形態の種々の特徴を説明している添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
例となる実施形態が参照される図面にて説明される。本明細書で開示されている実施形態及び図面は制約ではなく説明に役立つと見なされるべきであることが意図される。
(A)本発明の種々の実施形態に従って群間で抗CdtB抗体のODを比較する図である。(B)抗CdtB抗体についての光学密度(OD)を群間で比較する図である。点はボックスプロットを越えた外れ値対象を表す。力価は他の群に比べてIBS対象で高かった(p<0.001)。力価は健常対照及びIBD対象に比べてセリアック病の対象で高かった(p<0.001)。 (A)本発明の種々の実施形態に従って群間で抗ビンキュリン抗体のODを比較する図である。(B)抗ビンキュリン抗体についての光学密度(OD)を群間で比較する図である。点はボックスプロットを越えた外れ値対象を表す。力価は他の群に比べてIBS対象で高かった(p<0.001)。 (A)本発明の種々の実施形態に係る試験にてIBS対象とすべての非IBS対象との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である(抗CdtB:上の線、抗ビンキュリン:下の線)。 (B)試験にてIBS対象とIBD対象との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である。AUC:曲線下面積、CI:信頼区間(抗CdtB:上の線、抗ビンキュリン:下の線)。 (C)試験にてIBS対象と健常対象との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である(抗CdtB:上の線、抗ビンキュリン:下の線)。 本発明の種々の実施形態に係る試験にてIBS対象とすべてのIBD対象との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である(抗CdtB:上の線、抗ビンキュリン:下の線)。 IBS対象とセリアック病対象との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である(抗CdtB:開始時上の線、抗ビンキュリン:開始時下の線)。 IBS対象と慢性下痢がある非IBS対象(すなわち、CD、UC及びセリアック病)との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である(抗CdtB:上の線、抗ビンキュリン:下の線)。 IBS対象とCD対象との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である(抗CdtB:上の線、抗ビンキュリン:下の線)。 IBS対象とUC対象との間で抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを比較する受信者動作曲線(ROC)を示す図である(抗CdtB:上の線、抗ビンキュリン:下の線)。
発明の説明
本明細書にて引用されている参考文献はすべて完全に言及されるかのようにその全体が参照によって組み入れられる。特に定義されない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語は本発明が属する当該技術の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。Singletonら,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,第3版,J.Wiley & Sons(New York,NY 2006);ならびにSambrook及びRussel,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第4版,Cold Spring Harbor Laboratory Press(Cold Spring Harbor,NY,2012)は本出願で使用される用語の多数に対する一般的な指針を当業者に提供する。抗体の調製の仕方に関する参考文献については、D.Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,第2版.(Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor NY,2013);Kohler及びMilstein,(1976),Eur.J.Immunol.6:511;Queenら.米国特許第5,585,089号;ならびにRiechmannら,Nature,332:323(1988);米国特許第4,946,778号;Bird,Science,242:423−42(1988);Hustonら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:5879−5883(1988);Wardら,Nature,334:544−54(1989);Tomlinson,I.及びHolliger,P.(2000),Methods Enzymol,326,461−479;Holliger,P.(2005),Nat.Biotechnol.Sep;23(9):1126−36)を参照のこと。
当業者は、本発明の実践で使用されてもよい、本明細書に記載されているものに類似するまたはそれと同等の多数の方法及び材料を認識するであろう。実際、本発明は記載されている方法及び材料に決して限定されない。本発明の目的で以下の用語が以下で定義される。
「哺乳類」は本明細書で使用されるとき、限定しないで、ヒト及びチンパンジーや他の類人猿やサル種のような非ヒト霊長類;たとえば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ及びウマのような家畜;イヌ及びネコのような愛玩動物;マウス、ラット及びモルモットのような齧歯類を含む実験動物等を含む哺乳動物綱のメンバーを指す。該用語は特定の年齢または性別を意味しない。従って、成獣(人)及び新生児の対象は、胎児と同様にオスであれメスであれ、この用語の範囲内に含まれているように意図される。
「治療」または「治療すること」は本明細書で使用されるとき、治療上の処置及び予防上または予防的な対策(たとえば、状態または病状を有する可能性を軽減するための)の双方を指し、その際、目的は、治療が最終的に上手く行かなくても標的とされる病態または疾病を防ぐまたは鈍化する(軽減する)ことである。治療を必要とするものには、すでに病態もしくは疾病を伴ったものと同様に病態もしくは疾病を有する傾向があるもの、または病態もしくは疾病が予防されるべきであるもの(たとえば、病態もしくは疾病を有する可能性を減らすこと)が挙げられる。
「抗体」(単数)または「抗体」(複数)には本明細書で使用されるとき、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、たとえば、単鎖(組換え)Fvのような抗体変異体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、及び抗体の免疫的に活性のある断片が挙げられる。
「特異的に結合する」は本明細書で使用されるとき、その抗原に結合する抗体の作用を指し、無作為なタンパク質間で起きてもよい低レベルの非特異的な結合を排除するように意図される。「特異的に結合する」は本明細書で使用されるとき、抗体は関連するエピトープを含むタンパク質と交差反応することができるので抗体は本明細書で開示されているようなタンパク質またはポリペプチド以外の任意のタンパク質に結合しないことを意図されず、且つそれを暗示しない。
「有意に高い」は参照または対照の量に関連して本明細書で使用されるとき、参照または対照の量よりも統計的に有意に高い量を指す。
カンピロバクター・ジェジュニの感染に基づく感染後IBS(PI−IBS)の新しく検証された動物モデルは、AGEがPI−IBSを引き起こし、小腸の微生物定着における有意な変化をもたらすことを示唆している。このモデルを用いて、これらの動物におけるIBS様の表現型の発症が特定の毒素である細胞致死性膨張性毒素B(CdtB)に依存することが断定された。重大なことに、この動物モデルにおけるIBS様の表現型の発症はCdtBの非存在下にて緩和された。実験のその後のシリーズにて、我々は、分子擬態を介してCdtBに対する宿主抗体が消化管の神経筋装置における宿主タンパク質であるビンキュリンと反応することを見いだした。動物モデルにおけるCdtB及びビンキュリンに対する循環抗体の存在は、深部筋叢におけるカハール介在細胞(ICC)の数における有意な低下を含む、消化管微生物集団の変化及び消化管神経筋装置における変化の発生に関連する。
IBSの根底にあるこれらの新しい病態生理学的なメカニズムに基づいて、我々は、IBS患者及び非IBS対照の大きなコホートにて抗CdtB抗体及び抗ビンキュリン抗体及びCdtBの保有率を評価し、ヒトにおけるビンキュリン及びCdtBに対する循環抗体の検出に基づいたIBSのための生体マーカーを検証した。
本明細書に記載されているように、我々は、特定の理論に束縛されることを望まないで、感染後IBSの病態生理学的なメカニズム及び宿主におけるビンキュリンに対する自己抗体のその後の発生に基づいてD−IBS用の生体マーカーを記載する。検査はD−IBSを診断することだけでなく慢性下痢の精密検査でも特異的であると思われ、IBDであるものからD−IBS対象を区別することができる。
単独の急性胃腸炎の後でIBSを発症する比率はおよそ10%である一方で、軍隊配備のデータ及び数学的なモデル化は、PI−IBSが米国におけるIBSの大きな部分を占めることを示唆している。PI−IBSは、専らではないが、たとえば、カンピロバクター・ジェジュニ、サルモネラ(Salmonella)、大腸菌(E.coli)及び赤痢菌(Shigella)のような細菌感染の後に主として起きる。これらの生物4つすべてによって共通して産生される1つの毒素が、3つのサブユニットCdtA、CdtB、及びCdtCのヘテロ三量体複合体である細胞致死性膨張性毒素であり、その中でCdtBが活性のあるサブユニットである。
C.ジェジュニ81〜176を用いて発達させた検証済動物モデルはIBS様の表現型を呈することが示されている。重大なことに、これらのラットは、IBSのヒトに特徴的な便形状の変化、小腸細菌の過剰増殖(SIBO)及び直腸上皮内リンパ球の増加を示す。このモデルでは、効果はカハール介在細胞の顕著な減少を伴う消化管の神経構造における変化によると思われた。さらに、CdtBを欠いている変異体C.ジェジュニ株を感染させたラットが、野生型C.ジェジュニを感染させたものに比べて、有意に緩和されたIBS様の表現型を示したということは、このモデルにおけるIBSの発症にCdtBが重要であったことを示唆している。このモデルにおける一連の免疫実験を介して、CdtBは単に直接的な毒性を介して作用するのではなく、むしろ、CdtBに対する抗体の宿主タンパク質であるビンキュリンとの交差反応を介して作用すると思われると断定された。CdtB及びビンキュリンに対する循環抗体のレベルはこれらの動物におけるSIBOの発生及びレベルに相関した。
ビンキュリンは、接着斑及び接着接合双方の重要な成分である117kDaの細胞質アクチン結合タンパク質であり、インテグリンまたはカドヘリンそれぞれとアクチン細胞骨格との間で結合を形成する。さらに、ビンキュリンは、ビンキュリンのノックアウトマウスにおける神経管、心筋及び心内膜の欠損、と同様にヘテロ接合体変異体におけるストレス誘導性の心筋症によって証拠付けられたように神経細胞の運動性及び収縮性及び心臓形成で重要であると思われる。最近公表された研究では、ヘリコバクター・プロルム(Helicobacter pullorum)に由来するCdtが、腸管上皮細胞におけるビンキュリンを標的とし、細胞接着の低下と一緒に接着斑からのビンキュリンの非定型の脱局在化を誘発することが示されている。別の研究はビンキュリンが赤痢菌のIpA毒素によって使用されて細胞へ侵入を達成することを明らかにした。
この動物モデルにおける病態生理学的な観察に基づいて、我々は、CdtBへの曝露がCdtBに対する検出可能な免疫と分子擬態に基づくビンキュリンに対する自己免疫とをもたらすという仮説を立てた。この研究では、我々は、多数のIBS及び非IBSの患者を用いて、初めて、これらの抗体のレベルがヒトにおいてD−IBSの生体マーカーとして役立つかどうかを評価する。我々は、生体マーカーが非IBSすべてからD−IBSを識別できると思われるように健常対照、セリアック病の対象、及びIBDの対象と比べて、D−IBSにおいてビンキュリン及びCdtBに対する血漿抗体が上昇したことを観察する。理想的なカットオフ力価に基づいて、検査はIBDに比べてD−IBSを特定するのに高い特異性を有する。tTGは慢性下痢の精密検査においてセリアック病の揺るぎない検査なので、実際の満たされていないニーズはIBDからIBSを確実に識別し得る生体マーカーである。興味深いことに、抗ビンキュリンではなく抗CdtBは同様にセリアック病で高かった。セリアック病について別の重大な満たされていないニーズは進行中のグルテン曝露から機能的な症状を容易に識別する検査である。研究は、グルテン曝露の後、IBSは非応答性セリアック病の2番目に最も一般的な原因なので、症状のこれらの原因間を識別し得る検査は臨床的に有用であることになる。
これらの結果に基づいて、抗CdtB及び抗ビンキュリンの循環抗体はD−IBSの生体マーカーであり、PI−IBSの病態生理における独特の視点を提供する。特定の理論に束縛されることを望まない一方で、第1に、これらは、腸管神経系及び消化管の運動性に対する変化が関与してもよいIBSの発症のメカニズムに基づく生体マーカーである。第2に、それらは、IBSを「除外診断」ではなく包含診断にする最初の機会を表す。D−IBSの対象すべてがこれらの生体マーカーについて陽性という結果を出すわけではないので、これらの抗体はメカニズム及び治療法が開発され得るIBSの亜群を特定することも可能である。最後に、それはIBSが器質的基盤を有してもよいことを示唆している。生体マーカーとして、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の測定値は過剰な探求をしないでD−IBSを特定するのに役立ち得るし、検査が陰性であるものにおける探求を対象とするのに役立ってもよい。
検査はセリアック病に比べてD−IBSを特定することに低い特異性を有する一方で、抗tTGによって付随して検査することが、これを補うはずである。
結論として、この研究は、大規模な前向き多施設試験を用いてIBD及び健常対照からD−IBSを分離する血液系の生体マーカーとしての抗ビンキュリン及び抗CdtBの存在を検証している。抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体は、感染後IBSの病態生理の一部であるとも思われ、所望の治療法についてD−IBSの亜群を特定してもよい。最も重要なことに、これはIBSの器質的基盤を決定することにおける重要な段階であると思われる。
IBD及びセリアック病からIBSを識別すること
本発明の種々の実施形態はIBD及びセリアック病からIBSを識別する方法、アッセイ、及びシステムを提供する。
方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体の存在を検出する段階と;抗ビンキュリン抗体の存在が検出されるならば、IBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体が存在しないならば、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければ、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病、またはそれらの組み合わせがない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病、またはそれらの組み合わせがない対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階と、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階を含む。
方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体の存在を検出する段階と;抗CdtB抗体の存在が検出されればIBSの診断を下す段階、または抗CdtB抗体が非存在であれば、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの診断を下す段階、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければ、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病またはそれらの組み合わせがない健常対象に由来する抗CdtB抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの診断を下す段階、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病、またはそれらの組み合わせがない対象に由来する抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在を検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在が検出されればIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体が非存在であれば、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD及びセリアック病からIBSを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければ、IBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病、またはそれらの組み合わせがない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBD、IBDの疑い、セリアック病もしくはセリアック病の疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病またはそれらの組み合わせがない対象に由来する抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、IBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階、またはセリアック病と診断されればもしくは疑われればセリアック病の治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、システムは、IBD及びセリアック病からIBSを識別することを所望している対象から単離された生体試料と、IBD及びセリアック病からIBSを識別するために抗ビンキュリン抗体の存在または抗ビンキュリン抗体のレベルを生体試料にて検出するためのアッセイと、を含むことができる。
種々の実施形態では、IBSは、C−IBS、D−IBS、A−IBS(M−IBSとしても知られる)、または感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)であることができる。特定の実施形態では、IBSはD−IBSである。
種々の実施形態では、IBDと診断されると、または疑われると、それはさらに、IBDの症状と相互に関連付けられ、IBDをさらに裏付けることができる。他の実施形態では、追加のIBDの検査を行ってIBDをさらに裏付けることができる。
種々の実施形態では、セリアック病と診断されると、または疑われると、それはさらに、セリアック病の症状と相互に関連付けられ、セリアック病をさらに裏付けることができる。他の実施形態では、追加のセリアック病の検査、たとえば、血清の組織トランスグルタミナーゼの測定を行ってセリアック病をさらに裏付けることができる。
種々の実施形態では、アッセイは、間接酵素結合免疫吸着アッセイ(間接ELISA)、サンドイッチELISA、競合ELISA、多重携帯用ELISAを含むが、これらに限定されない酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)である。
種々の実施形態では、アッセイは、生体試料が抗ビンキュリン抗体を含むのであれば生体試料と反応する第1の試薬(抗ビンキュリン抗体が存在しなければ、第1の試薬は生体試料と反応しないが、第1の試薬は依然としてアッセイに存在する)と、抗ビンキュリン抗体と反応する第2の試薬(たとえば、二次抗体)または第1の試薬と反応する第2の試薬と、基質と、を含む。種々の実施形態では、第1の試薬はビンキュリンまたはその断片である。種々の実施形態では、第2の試薬は抗ビンキュリン抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、標識は基質と反応する酵素である。種々の実施形態では、第1の試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、アッセイは抗ビンキュリン抗体と反応する第1の試薬を含む。種々の実施形態では、第1の試薬は抗ビンキュリン抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体もしくはその双方の存在が検出されればIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体もしくはその双方が非存在であるならば、IBDもしくはセリアック病の存在もしくは推定存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、機械はコンピュータである。種々の実施形態では、コンピュータは患者がIBS、IBD、またはセリアック病を有する可能性があるかどうかを表示するための表示要素を含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体もしくはその双方のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体もしくはその双方のレベルが確立された対照レベルと同等またはそれより低ければIBDの存在もしくは推定存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病、またはそれらの組み合わせがない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析することを含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体もしくはその双方のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければ、IBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体もしくはその双方のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBDの存在もしくは推定存在を判定するための、機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病またはそれらの組み合わせがない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方のレベルについて生体試料を分析することを含む。
種々の実施形態では、機械はコンピュータである。種々の実施形態では、コンピュータは患者がIBS、IBDまたはセリアック病を有する可能性があるかどうかを表示するための表示要素を含む。
種々の実施形態は、IBS、IBDまたはセリアック病を有してもよい対象にてIBSを治療することを提供する。方法は、IBSの治療を提供することと、本発明の方法を用いてIBSであると診断された対象にIBSの治療を投与することと、を含む。すなわち、対象は、本明細書にて議論されているように本発明の方法に従って抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在の検出を介してIBSであると診断されている。
種々の実施形態では、IBSの治療は本明細書に記載されているような治療である。種々の実施形態では、IBSの治療は抗生剤療法の治療単位を投与してIBSを治療することを含む。種々の実施形態では、IBSの治療は従来技術で利用可能な治療である。種々の実施形態では、IBSの治療は本明細書に記載されているような抗生剤療法の治療単位である。
種々の実施形態では、治療されるIBSはC−IBS、D−IBS、A−IBS(M−IBSとしても知られる)、または感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)であることができる。特定の実施形態では、IBSはD−IBSである。
IBSとIBDを識別すること
本発明の種々の実施形態は、IBSとIBDを識別する方法、アッセイ、及びシステムを提供する。
方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体の存在を検出する段階と;抗ビンキュリン抗体の存在が検出されればIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体が非存在であればIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれよりも低ければIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、セリアック病またはそれらの組み合わせがない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、またはその双方がない対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体の存在を検出する段階と;抗CdtB抗体の存在が検出されればIBSの診断を下す段階、または抗CdtB抗体が非存在であればIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの診断を下す段階、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれよりも低ければIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、またはその双方がない健常対象に由来する抗CdtB抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの診断を下す段階、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルはIBS、IBD、またはその双方がない対象に由来する抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在を検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在が検出されればIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体が非存在であればIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれよりも低ければIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、またはその双方がない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSとIBDを識別する診断を所望している対象から生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの診断を下す段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBDもしくはIBDの疑いの診断を下す段階と、を含むことができる。種々の実施形態では、確立された対照レベルはIBS、IBD、またはその双方がない対象に由来する抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、IBSと診断されればIBSの治療を選択する段階、またはIBDと診断されればもしくは疑われればIBDの治療を選択する段階を含む。
種々の実施形態では、システムは、IBSとIBDを識別することを所望している対象から単離された生体試料と、IBSとIBDを識別するために抗ビンキュリン抗体の存在または抗ビンキュリン抗体のレベルを生体試料で検出するためのアッセイと、を含むことができる。
種々の実施形態では、IBSは、C−IBS、D−IBS、A−IBS(M−IBSとしても知られる)、または感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)であることができる。特定の実施形態では、IBSはD−IBSである。
種々の実施形態では、IBDと診断されると、または疑われると、それはさらに、IBDの症状と相互に関連付けられ、IBDをさらに裏付けることができる。他の実施形態では、追加のIBDの検査を行ってIBDをさらに裏付けることができる。
種々の実施形態では、アッセイは、間接酵素結合免疫吸着アッセイ(間接ELISA)、サンドイッチELISA、競合ELISA、多重携帯用ELISAを含むが、これらに限定されない酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)である。
種々の実施形態では、アッセイは、生体試料が抗ビンキュリン抗体を含むのであれば生体試料と反応する第1の試薬(抗ビンキュリン抗体が存在しなければ、そのとき第1の試薬は生体試料と反応しないが、第1の試薬は依然としてアッセイに存在する)と、抗ビンキュリン抗体と反応する第2の試薬(たとえば、二次抗体)または第1の試薬と反応する第2の試薬と、基質と、を含む。種々の実施形態では、第1の試薬はビンキュリンまたはその断片である。種々の実施形態では、第2の試薬は抗ビンキュリン抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、標識は基質と反応する酵素である。種々の実施形態では、第1の試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、アッセイは抗ビンキュリン抗体と反応する第1の試薬を含む。種々の実施形態では、第1の試薬は抗ビンキュリン抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方の存在が検出されるのであればIBSの存在または推定存在を判定するための、または抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方が非存在であればIBDの存在または推定存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、機械はコンピュータである。種々の実施形態では、コンピュータは患者がIBSまたはIBDを有する可能性があるかどうかを表示するための表示要素を含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方のレベルが確立された対照レベルより高いのであればIBSの存在または推定存在を判定するための、または抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低いのであればIBDの存在または推定存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、またはその双方がない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方のレベルが確立された対照レベルより有意に高いのであればIBSの存在または推定存在を判定するための、または抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方のレベルが確立された対照レベルより有意に高くなければIBDの存在または推定存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBS、IBD、またはその双方がない健常対象に由来する抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、機械はコンピュータである。種々の実施形態では、コンピュータは患者がIBSまたはIBDを有する可能性があるかどうかを表示するための表示要素を含む。
IBSの診断
種々の実施形態は、対象にてIBSを診断するまたは特定する方法、アッセイ、及びシステムを提供する。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在を検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在が検出されればIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の非存在が検出されればIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体の存在を検出する段階と;抗ビンキュリン抗体の存在が検出されればIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗ビンキュリン抗体が非存在であればIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗ビンキュリン抗体のレベルを検出する段階と;抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体の存在を検出する段階と;抗CdtB抗体の存在が検出されればIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗CdtB抗体が非存在であればIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体の存在または非存在について生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗CdtB抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBSの診断を所望している対象からの生体試料を提供する段階と;生体試料にて抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定する段階、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定する段階と、を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
抗ビンキュリン抗体及び/または抗CdtB抗体の存在を伴う対象がすべてIBSを有するまたは発症するとは限らない;しかしながら、これらの方法は対象がIBSを有するかどうかまたはIBSを発症するかどうかの可能性に関する指標を提供する。IBSの推定存在の判定は、IBSの他の診断法または当該技術で既知のIBSの症状によってさらに関係付けられてもよいし、及び/または裏付けられてもよい。さらに、IBSの推定非存在の判定もIBSの他の診断法または当該技術で既知のIBSの症状によってさらに関係付けられ、及び/または裏付けられてIBSを除外してもよい。
種々の実施形態では、IBSは、C−IBS、D−IBS、A−IBS(M−IBSとしても知られる)、または感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)であることができる。特定の実施形態では、IBSはD−IBSである。
種々の実施形態では、システムは、IBSの診断を所望している対象から単離された生体試料と、生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在またはレベルを検出するためのアッセイと、を含む。
種々の実施形態では、システムは、IBSの診断を所望している対象から単離された生体試料と、生体試料にて抗ビンキュリン抗体の存在またはレベルを検出するためのアッセイと、を含む。
種々の実施形態では、システムは、IBSの診断を所望している対象から単離された生体試料と、生体試料にて抗CdtB抗体の存在またはレベルを検出するためのアッセイと、を含む。
種々の実施形態では、アッセイは、間接酵素結合免疫吸着アッセイ(間接ELISA)、サンドイッチELISA、競合ELISA、多重携帯用ELISAを含むが、これらに限定されない酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)である。
種々の実施形態では、アッセイは生体試料と反応する第1の試薬と、抗ビンキュリン抗体と反応する第2の試薬(たとえば、二次抗体)と、基質と、を含む。種々の実施形態では、第1の試薬はビンキュリンまたはその断片であり、それは、生体試料に存在すれば抗ビンキュリン抗体と反応する。種々の実施形態では、第2の試薬は抗ビンキュリン抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、標識は基質と反応する酵素である。種々の実施形態では、第1の試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、アッセイは抗ビンキュリン抗体と反応する第1の試薬を含む。種々の実施形態では、第1の試薬は抗ビンキュリン抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体の存在が検出されればIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または抗ビンキュリン抗体の非存在が検出されれば、IBSの非存在もしくは推定非存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、機械はコンピュータである。種々の実施形態では、コンピュータはIBSの存在または非存在があるかどうかを表示するための表示要素を含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければ、IBSの非存在もしくは推定非存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または抗ビンキュリン抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければ、IBSの非存在もしくは推定非存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗ビンキュリン抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗ビンキュリン抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、アッセイは生体試料と反応する第1の試薬と、抗CdtB抗体と反応する第2の試薬(たとえば、二次抗体)と、基質と、を含む。種々の実施形態では、第1の試薬はCdtBまたはその断片であり、それは、生体試料に存在すれば抗CdtB抗体と反応する。種々の実施形態では、第2の試薬は抗CdtB抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、標識は基質と反応する酵素である。種々の実施形態では、第1の試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、アッセイは抗CdtB抗体と反応する第1の試薬を含む。種々の実施形態では、第1の試薬は抗CdtB抗体の存在を示すシグナルを生成する標識を含む。種々の実施形態では、標識は放射性標識、発色団、蛍光色素分子、量子ドット、酵素、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ(AP)、ビオチンまたはそれらの組み合わせである。種々の実施形態では、試薬は固相上(たとえば、プレート、多穴プレート)にある。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗CdtB抗体の存在が検出されればIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または抗CdtB抗体の非存在が検出されれば、IBSの非存在もしくは推定非存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、機械はコンピュータである。種々の実施形態では、コンピュータはIBSの存在または非存在があるかどうかを表示するための表示要素を含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルと同等もしくはそれより低ければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗CdtB抗体のレベルの2標準偏差の範囲内の抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、システムはさらに、抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高ければIBSの存在もしくは推定存在を判定するための、または抗CdtB抗体のレベルが確立された対照レベルよりも有意に高くなければIBSの非存在もしくは推定非存在を判定するための機械を含む。種々の実施形態では、確立された対照レベルは、IBSではない対象に由来する抗CdtB抗体のレベルである。特定の実施形態では、方法はさらに、抗CdtB抗体のレベルについて生体試料を分析する段階を含む。
種々の実施形態では、アッセイは抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出するためのアッセイ(たとえば、上記で記載されているような)を含む。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体及び/または抗CdtB抗体の存在またはレベルを決定することは、IBSに関して判定を所望している対象に由来する生体試料に本明細書で議論されているようなビンキュリンまたはその断片及び/または本明細書で議論されているようなCdtBまたはその断片を加えること、その際、抗ビンキュリン抗体及び/または抗CdtB抗体は(生体試料に存在するのであれば)、生体試料におけるビンキュリンまたはその断片及び/またはCdtBまたはその断片に特異的に結合することと;生体試料における抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを測定することと;抗ビンキュリン抗体のレベルが抗CdtB抗体のレベルよりも高ければ対象がIBSを有することを特定することと、を含む。
種々の実施形態では、アッセイは、IBSに関して判定を所望している対象に由来する生体試料に本明細書で議論されているようなビンキュリンまたはその断片及び/または本明細書で議論されているようなCdtBまたはその断片を加えること、その際、抗ビンキュリン抗体及び/または抗CdtB抗体は(生体試料に存在するのであれば)、生体試料におけるビンキュリンまたはその断片及び/またはCdtBまたはその断片に特異的に結合することと;生体試料における抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを測定することと;抗ビンキュリン抗体のレベルが抗CdtB抗体のレベルよりも高ければ対象がIBSを有することを特定することと、を含む。
治療を選択すること及び治療
種々の実施形態はそれを必要とする対象のためにIBSの治療法を選択する方法を提供する。
種々の実施形態では、方法は、IBD、セリアック病またはその双方からIBSを識別する診断を所望している対象にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在を検出する段階と、IBSを治療する治療法を選択する段階と、を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD、セリアック病またはその双方からIBSを識別する診断を所望している対象にて抗ビンキュリン抗体の存在を検出する段階と、IBSを治療する治療法を選択する段階と、を含む。
種々の実施形態では、方法は、IBD、セリアック病またはその双方からIBSを識別する診断を所望している対象にて抗CdtB抗体の存在を検出する段階と、IBSを治療する治療法を選択する段階と、を含む。
本明細書で使用されるとき治療法を選択することには、治療に関して対象を選択すること、選ぶこと、対象に処方すること、アドバイスすること、推奨すること、指導することまたは助言することが挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態では、方法はさらにIBSを治療する治療法を投与する段階を含む。種々の実施形態では、治療法は本明細書に記載されているような治療法である。種々の実施形態では、利用できる治療法は抗生剤治療の治療単位を投与してIBSを治療することを含む。種々の実施形態では、治療法は従来技術で利用できる治療法である。
種々の実施形態では、方法は、抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在を検出する段階と、抗生剤治療の治療単位を選択してIBSを治療する段階と、を含む。種々の実施形態では、方法はさらに、抗生剤治療の治療単位を投与してIBSを治療する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、抗ビンキュリン抗体の存在を検出する段階と、IBSを治療するための抗生剤治療の治療単位を選択する段階と、を含む。種々の実施形態では、方法はさらに、抗生剤治療の治療単位を投与してIBSを治療する段階を含む。
種々の実施形態では、方法は、抗CdtB抗体の存在を検出する段階と、IBSを治療するための抗生剤治療の治療単位を選択する段階と、を含む。種々の実施形態では、方法はさらに、抗生剤治療の治療単位を投与してIBSを治療する段階を含む。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体またはその双方の存在を検出することは、本発明の方法またはシステムによって記載されているように実施することができる。
種々の実施形態では、対象は、たとえば、本明細書で議論されているようなIBSの1以上の症状を提示している対象であることができる。
抗生剤の例には、アミノグリコシド(たとえば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルミシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン)、アンサマイシン(たとえば、ゲルダナマイシン、ハービマイシン)、カルバセフェム(たとえば、ロラカルベフ)、カルバペネム(たとえば、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、シラスタチン、メロペネム)、セファロスポリン(たとえば、第1世代:セファドロキシル、セファゾリン、セファロチンまたはセファロシン、セファレキシン;第2世代:セファクロル、セファマンドール、セファキシチン、セフプロジル、セフロキシム;第3世代:セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン;第4世代:セフェピム;第5世代:セフトビプロール)、糖ペプチド(たとえば、テイコプラニン、バンコマイシン)、マクロライド(たとえば、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン)、モノバクタム(たとえば、アズトレオナム)、ペニシリン(たとえば、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、チカルシリン)、抗生剤ポリペプチド(たとえば、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンb)、キノロン(たとえば、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン)、リファマイシン(たとえば、リファムピシンまたはリファムピン、リファブチン、リファペンチン、リファキシミン)、スルホナミド(たとえば、メフェニド、プロントシル、スルフアセトアミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(co−トリモキサゾール、“tmp−smx”)、及びテトラサイクリン(たとえば、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン)、と同様にアルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタムブトール、ホスフォマイシン、フジシン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチンの組み合わせ、及びチニダゾール、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態では、抗生剤はリファキシミンとネオマイシンの併用である。種々の実施形態では、抗生剤はリファキシミンとドキシサイクリンの併用である。種々の実施形態では、抗生剤はリファキシミンとメトロニダゾールの併用である。
種々の実施形態では、抗生剤は非吸収性抗生剤である。非吸収性抗生剤の例には、リファキシミン、ネオマイシン、バシトラシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ラモプラニン及びパラモマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態では、治療されるIBSは、C−IBS、D−IBS、A−IBS(M−IBSとしても知られる)、または感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)であることができる。特定の実施形態では、IBSはD−IBSである。
種々の実施形態は対象にてIBSを治療することを提供する。方法は、IBS治療を提供する段階と、本発明の方法を用いてIBSであると診断された対象にIBS治療を投与する段階と、を含む。すなわち、対象は、本明細書で議論されているような本発明の方法に従って抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の存在を検出することを介してIBSであると診断されている。
種々の実施形態では、IBS治療は本明細書に記載されているような治療である。種々の実施形態では、IBS治療は、抗生剤治療の治療単位を投与してIBSを治療することを含む。種々の実施形態では、IBS治療は従来技術で利用できる治療である。種々の実施形態では、IBS治療は本明細書に記載されているような抗生剤治療の治療単位である。
種々の実施形態では、治療されるIBSは、C−IBS、D−IBS、A−IBS(M−IBSとしても知られる)、または感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)であることができる。特定の実施形態では、IBSはD−IBSである。
抗体レベルの測定値としての光学密度
特定の実施形態では、光学密度(OD)を用いて抗ビンキュリン抗体及び/または抗CDT抗体のレベルを測定する。たとえば、光学密度は種々の実施形態において確立された対照レベルとして役立つ。特定の実施形態では、抗ビンキュリン抗体のOD(OD)が1.62、1.86、または2.23より高い場合、対象はIBSを有すると判定される。種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体のOD(OD)が1.00、1.25、1.50、1.75、2.00、2.25、2.50、2.75より高い場合、対象はIBSを有すると判定される。特定の実施形態では、これらのOD数は、1:32の生体試料の希釈及び1.2ug/mlの抗原濃度に基づく。
特定の実施形態では、抗CDT抗体のOD(ODCDT)が2.48または2.79より高い場合、対象はIBSを有すると判定される。種々の実施形態では、抗CDT抗体のOD(ODCDT)が2.00、2.25、2.50、2.75、3.00より高い場合、対象はIBSを有すると判定される。特定の実施形態では、これらのOD数は、1:512の生体試料の希釈及び1.2ug/mlの抗原濃度に基づく。
他の実施形態では、OD及びODCDTのカットオフ点は、生体試料及び抗原の異なる希釈に基づいて決定することができ、本発明の実施形態の範囲内に含まれる。
さらなる実施形態では、上記決定を用いて治療を対象に向けてもよい。一実施形態では、IBSが推定で存在するまたはIBSを有する可能性がある対象はIBSの1以上の治療法で治療されてもよい。
当業者は、IBSの診断に基づいてIBSのための利用できる治療を選択することができるであろう。たとえば、リファキシミン及びネオマイシンのような抗生剤を用いてIBSを治療することができる。特に、リファキシミンを用いて下痢が優勢なIBSを治療することができ、且つリファキシミン/ネオマイシンの併用を用いて便秘が優勢なIBSを治療することができる。
抗ビンキュリン抗体
種々の実施形態では、これらの方法またはシステムで検出される抗ビンキュリン抗体はビンキュリンに特異的に結合する抗体である。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、ビンキュリンの5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基との少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。
別の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、ビンキュリンの5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基との少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の残基を含むポリペプチドに特異的に結合する。
別の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、ビンキュリンの5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基を含むまたはそれらから成るポリペプチドに特異的に結合する。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は配列番号7に特異的に結合する抗体である。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、配列番号7の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基との少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。
別の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、配列番号7の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基との少なくとも95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の残基を含むポリペプチドに特異的に結合する。
別の実施形態では、抗ビンキュリン抗体は、配列番号7の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基を含むまたはそれらから成るポリペプチドに特異的に結合する。
ビンキュリンまたは配列番号7の隣接する残基にはビンキュリンまたは配列番号7の任意のアミノ酸で開始し、任意のアミノ酸で終了するものが含まれる。
ビンキュリンのタンパク質配列(配列番号7)
Figure 0006784669
種々の実施形態では、抗体の存在または非存在を検出することは対象から得られる生体試料にて実施される。別の実施形態では、抗体の存在または非存在を検出することは対象から得られる血液、血清、または糞便の試料にて実施される。当業者は、ビンキュリン、配列番号7またはその断片に特異的に結合する抗体の存在または非存在を検出するのに使用することができる方法及びシステムを容易に十分に理解するであろう。これらの方法及びシステムには、ELISA、免疫組織化学法、フローサイトメトリー、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、放射性免疫アッセイまたは親和性精製が挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態では、ビンキュリン、配列番号7またはその断片(上述のような)は、抗ビンキュリン抗体(存在するならば)を結合する基質または試薬(たとえば、捕集装置、捕捉器)として使用される。
特定の実施形態では、ビンキュリン、配列番号7またはその断片に特異的に結合する抗体の存在または非存在を検出することは、対象から得られた生体試料にビンキュリン、配列番号7またはその断片を接触させてビンキュリン、配列番号7またはその断片に特異的に結合する抗体を単離することによって実施されてもよく、その際、ビンキュリン、配列番号7またはその断片に特異的に結合する抗体の単離は抗体の存在を示し、ビンキュリン、配列番号7またはその断片に特異的に結合する抗体の単離の欠如は抗体の欠如を示す。種々の実施形態では、ビンキュリンまたは配列番号7の断片は本明細書に記載されているような断片であってもよい。一例として、ビンキュリン、配列番号7またはその断片を含む親和性マトリクスを固相支持体に結合することができ;生体試料を親和性マトリクスに接触させて親和性マトリクス/抗体の複合体(抗体が存在するならば)を生じることができ;親和性マトリクス/抗体の複合体を生体試料の残りから分離することができ;抗体を親和性マトリクスから解放することができる。別の例では、標識(たとえば、蛍光標識)をビンキュリン、配列番号7またはその断片に取り付けることができ;標識されたビンキュリン、配列番号7またはその断片を生体試料と接触させて抗体が(存在すれば)標識されたビンキュリン、配列番号7またはその断片に特異的に結合できるようにすることができる。種々の実施形態では、標識されたビンキュリン、配列番号7またはその断片を分離し、抗体へのその結合について分析することができる。
抗CdtB抗体
種々の実施形態では、抗CdtB抗体はCDTのCdtBサブユニットに特異的に結合する抗体である。CdtBのアミノ酸配列の例は、カンピロバクター・ジェジュニの細胞致死性膨張性毒素Bであり、それはアミノ酸配列(配列番号5)を有する。CdtBのアミノ酸配列の別の例は、カンピロバクター・コリの細胞致死性膨張性毒素Bであり、それはアミノ酸配列(配列番号1)及び核酸配列(配列番号2)を有する。
Figure 0006784669
従って、種々の実施形態では、抗体は配列番号5(C.ジェジュニのCdtB)に特異的に結合する。種々の実施形態では、抗CdtB抗体は配列番号5に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列に特異的に結合する抗体である。
別の実施形態では、抗CdtB抗体は配列番号1(C.コリのCdtB)に特異的に結合する抗体である。種々の実施形態では、抗CdtB抗体は配列番号1に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列に特異的に結合する抗体である。
別の実施形態では、抗CdtB抗体はCdtBの17残基のペプチド(たとえば、配列番号1または5の17残基)に特異的に結合する抗体である。一実施形態では、17残基のペプチドは以下の配列:
Figure 0006784669
を有する。
他の実施形態では、抗CdtB抗体は、CdtBの17の隣接する残基(たとえば、配列番号1または5の17の隣接する残基)との少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する17残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。一実施形態では、CdtBの17残基は以下の配列:
Figure 0006784669
を有する。
他の実施形態では、抗CdtB抗体は、CdtBの17の隣接する残基(たとえば、配列番号1または5の17の隣接する残基)との少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する17の残基を含むポリペプチドに特異的に結合する抗体である。一実施形態では、CdtBの17の隣接する残基は以下の配列:
Figure 0006784669
を有する。
別の実施形態では、抗CdtB抗体は、抗体が以下の配列:
Figure 0006784669
を有する18残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。結合の目的でN末端でのシステインを配列番号3に付加した。
他の実施形態では、抗CdtB抗体は、以下:
Figure 0006784669
に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する18の残基を含むポリペプチドに特異的に結合する抗体である。
別の実施形態では、抗CdtB抗体は、CDtBの5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基(たとえば、配列番号1または5の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基)との少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。別の実施形態では、抗CdtB抗体は、CDtBの5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基(たとえば、配列番号1または5の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基)との少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22の残基を含むポリペプチドに特異的に結合する抗体である。配列番号1の隣接する残基には配列番号1の任意のアミノ酸で開始するもの及び任意のアミノ酸で終了するものが含まれる。配列番号5の隣接する残基には配列番号5の任意のアミノ酸で開始するもの及び任意のアミノ酸で終了するものが含まれる。
別の実施形態では、抗CdtB抗体は、抗体が以下:
Figure 0006784669
の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の隣接する残基(たとえば、配列番号3の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の隣接する残基)との少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。別の実施形態では、精製抗体は、配列番号3の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の隣接する残基(たとえば、配列番号3の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の隣接する残基)との少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の残基を含むポリペプチドに特異的に結合する。配列番号3の隣接する残基には配列番号3の任意のアミノ酸で開始するもの及び任意のアミノ酸で終了するものが含まれる。
別の実施形態では、抗CdtB抗体は、CdtBの遺伝子配列によってコードされる17残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。特定の実施形態では、抗CdtB抗体は、配列番号2によってコードされる17残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。種々の実施形態では、抗CdtB抗体は、配列番号2によってコードされる14、15、16、17、18、19、20、21、または22残基のペプチドに特異的に結合する抗体である。種々の実施形態では、精製抗体は、配列番号2によってコードされる14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する14、15、16、17、18、19、20、21、または22残基のペプチドに特異的に結合する。種々の実施形態では、抗CdtB抗体は、配列番号2によってコードされる14、15、16、17、18、19、20、21、または22の隣接する残基に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の相同性を有する14、15、16、17、18、19、20、21、または22の残基を含むポリペプチドに特異的に結合する抗体である。
別の実施形態では、抗CdtB抗体は、配列番号3の17のアミノ酸ペプチドをコードする以下の配列:
Figure 0006784669
を有する核酸配列によってコードされるペプチドに特異的に結合する抗体である。別の実施形態では、抗CdtB抗体は、配列番号6によってコードされるペプチドを含むポリペプチドに特異的に結合する抗体である。
別の実施形態では、抗CdtB抗体は、ほぼ完全長のCdtBのORFを過剰発現する大腸菌から精製されたCdtBに特異的に結合する抗体である(完全に言及されるかのようにその全体が参照によって本明細書に組み入れられるInfection and Immunity,2000年12月号、6535〜6541ページ、68巻12号を参照のこと)。
種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体の存在またはレベルを決定する場合、本明細書に記載されているようなビンキュリンタンパク質またはその断片を約1.2μg/mlの濃度で抗原として使用される。他の実施形態では、濃度は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0μg/mlの濃度であることができる。種々の実施形態では、抗ビンキュリン抗体の存在またはレベルの決定において約1:32希釈の生体試料(たとえば、血漿)を使用する。他の実施形態では、抗ビンキュリン抗体の存在またはレベルの決定において約1:8、1:10、1:12;1:16、1:20、1:24、1:30、1:36、1:48、または1:64の生体試料(たとえば、血漿)の希釈が使用される。他の実施形態では、抗ビンキュリン抗体の存在またはレベルの決定では、約1:8〜1:64の生体試料(たとえば、血漿)の希釈が使用される。
種々の実施形態では、抗CdtB抗体の存在またはレベルを決定する場合、本明細書に記載されているようなCdtBタンパク質またはその断片は約1.2μg/mlの濃度で抗原として使用される。別の実施形態では、濃度は約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0μg/mlの濃度であることができる。種々の実施形態では、抗CdtB抗体の存在またはレベルの決定では1:512希釈の生体試料(たとえば、血漿)が使用される。他の実施形態では、抗CdtB抗体の存在またはレベルの決定にて1:128、1:256、1:768または1:1024希釈の生体試料(たとえば、血漿)が使用される。他の実施形態では、抗CdtB抗体の存在またはレベルの決定にて約1:100、1:150、1:200、1:250、1:300、1:350、1:400、1:500、1:550;1:600、1:650、1:700、1:750、1:800、1:850、1:900、1:950、または1:1000希釈の生体試料(たとえば、血漿)が使用される。他の実施形態では、抗CdtB抗体の存在またはレベルの決定にて約1:100〜1:1000希釈の生体試料(たとえば、血漿)が使用される。
pH8.2のホウ酸緩衝化生理食塩水(BBS)にて高結合プレート(たとえば、96穴プレート)上に約4℃で約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20時間(たとえば、一晩、16時間を超える)抗原を固定化する。ウェルを交互に、抗原で被覆、またはBBSにて被覆なしのままにして、血漿の非特異的結合の測定を可能にする。ほぼ室温にて約1時間、1×PBS中の約3%ウシ血清アルブミンによってウェルをブロックする。次いで、室温にて約1時間、CdtBについての1:512希釈の血漿、及びビンキュリンについての1:32希釈の血漿と共に、被覆した及び被覆なしのウェルをインキュベートする。CdtB及びビンキュリンに対する抗体を陽性対照として使用する。これにHRPを結合した二次抗体との約1時間のインキュベートが続く。各工程には0.05%PBS−ツイーン20を用いた一連の洗浄が続く。最終的に3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液を視覚化に用い、プレートリーダー(たとえば、BioTek Synergy HT;Winooski,VT)で直ちに読み取る。光学密度(OD)を370nmにて約90分間読み取り、それを用いて抗CdtBまたは抗ビンキュリンのレベルを比較する。生のOD値をデータ解析に使用した。
IBSの型
種々の実施形態では、方法、アッセイまたはシステムによって検出されるIBSは、便秘が優勢のIBS(C−IBS)、下痢が優勢のIBS(D−IBS)、交互のIBS(A−IBS)(さらに最近、混合型(M−IBS)と改名された)、または感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)である。種々の実施形態では、IBSはD−IBSである。
特定の実施形態では、本発明の方法、アッセイまたはシステムに従ってIBSの診断を所望している対象はIBSを示す1以上の症状を有してもよい。IBSの症状の例には、下痢、便秘、膨満感及び腹痛が挙げられるが、これらに限定されない。
生体試料
生体試料の例には、体液、全血、血漿、糞便、腸液または腸吸引物、及び胃液または胃吸引物、血清、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、唾液、涙液、肺分泌物、乳腺吸引物、前立腺液、精液、子宮頸部剥離物、羊水、眼内液、粘液及び呼気水分が挙げられるが、これらに限定されない。方法の特定の実施形態では、生体試料は全血、血液血漿、血液血清、糞便、腸液または腸吸引物、または胃液または胃吸引物であってもよい。種々の実施形態では、生体試料は全血であってもよい。種々の実施形態では、生体試料は血清であってもよい。種々の実施形態では、生体試料は血漿であってもよい。
以下の実施例は請求される本発明をさらに良好に説明するために提供されるのであって、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。特定の物質が言及される程度に、それは単に説明目的であって、本発明の限定を意図するものではない。当業者は、発明の能力を発揮することなく、且つ本発明の範囲から逸脱することなく、同等の手段または反応物質を開発してもよい。
実施例1:材料及び方法
対象群
この血清マーカーの検証のために、下痢が優勢のIBS(D−IBS)における180施設の大規模無作為化比較治療試験からの対象が動員された(標的3)。D−IBSの対象をローマIII基準の存在に基づいて選択した。Cedars−Sinaiメディカルセンター及びBeth Israel Deaconessメディカルセンターから6人の健常対照を動員した。消化器疾患の既往と腸症状の既往及びそのアンケートの完了とについて健常対照すべてをスクリーニングした。腸症状の訴えの存在と、クローン病、潰瘍性大腸炎(UC)またはセリアック病に一致する結腸または小腸における慢性の炎症性変化の組織学的確認とに基づいて炎症性腸疾患(IBD)及びセリアック病の対象を動員した。
対象は、糖尿病、HIV、不安定性甲状腺疾患及び慢性的な睡眠剤の使用があれば、試験から除外された。IBS対象及び健常対照については腸の外科手術(胆嚢摘出または虫垂切除を除外する)も除外基準だった。
患者のデータ
すべての対象について年齢及び性別を含む患者デモグラフィクスを得た。IBDの症例では、疾患の種類(UCまたはクローン病)。
血漿の採取
すべての対象から血漿を採取した。これは紫色のフタの遠沈管にて静脈穿刺によって採取し、3500rpmで15分間遠心分離し、検査時まで−80℃で凍結保存した。標的3からのD−IBSの対象の症例では、試験における治療に先立って血漿を採取した。
ELISA検査
完全な組換えカンピロバクターCdtBタンパク質(Creative Biomart,Shirley,NY)または完全長ビンキュリンタンパク質(Novoprotein,Short Hills,NJ)のいずれかを1.2μg/ml濃度での抗原として用いてELISAを行った。pH8.2でのホウ酸緩衝化生理食塩水(BBS)(Medicago,Uppsala,Sweden)にて高結合96穴プレート(Grenier Bio−One,Monroe,NC)に対して4℃で一晩抗原を固定化した。ウェルを交互に、抗原で被覆、またはBBSにて被覆なしのままにして、血漿の非特異的結合の測定を可能にした。室温にて約1時間、1×PBS中の約3%ウシ血清アルブミンによってウェルをブロックした。次いで、室温にて約1時間、CdtBについての1:512希釈の血漿、及びビンキュリンについての1:32希釈の血漿と共に、被覆した及び被覆なしのウェルをインキュベートした。CdtB及びビンキュリンに対する抗体を陽性対照として使用した。これにHRPを結合した二次抗体(Jackson ImmunoResearch,West Grove,PA)との約1時間のインキュベートが続いた。各工程には0.05%PBS−ツイーン20を用いた一連の洗浄が続いた。最終的に3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液(Pierce,Rockford,IL)を視覚化に用い、BioTek Synergy HTプレートリーダー(Winooski,VT)で直ちに読み取った。光学密度(OD)を370nmにて約90分間読み取り、それを用いて抗CdtBまたは抗ビンキュリンのレベルを比較した。生のOD値をデータ解析に使用した。
統計的解析(セリアック病患者を含まないデータ)
データは平均値±標準誤差(SE)及び正確な95%の信頼区間(CI)として表した。複数の群の比較は、Bertlettの検定によって分散の同等性を確認した後、一方向性の分散分析(ANOVA)を用いて行った。データ分布の正規性は、重複するKernel密度を伴ったヒストグラムと正規分布曲線を用いて評価した。値をそれぞれ平方根及び平方に変換したのち正規化された抗ビンキュリン及び抗CdtBの分布。2群間の正規分布した変数の比較にはスチューデントのt検定を使用した。カテゴリーデータの比較にはPearsonのカイ二乗検定を使用した。ノンパラメータ法を用いて受信者動作特性(ROC)曲線を構築した。DeLong法を用いて曲線下面積(AUC)についての信頼区間を計算した。抗ビンキュリン及び抗CdtBの各独立した値の0.01ODの精度に対する感度、特異性及び尤度比を算出し、評価して最適なカットオフを捕捉した。0.05未満のP値を有意であると見なした。解析はSTATAバージョン11.2(STATA Corp.,Texas,USA)を用いて実施した。
統計的解析(セリアック患者を伴ったデータ)
数値変数は平均値±標準偏差によって要約した。データ分布の正規性は重複するKernel密度を伴ったヒストグラムと正規分布曲線を用いて評価した。抗ビンキュリンの分布は平方根変換によって正規化した。分散の均質性はBartlettの検定によって評価した。
2群間の正規分布する変数の比較にはスチューデントのt検定を使用した。2を超える群の間では、一元配置ANOVAと参照群としてのIBSを伴ったDunnettの事後検定とによって正規分布する変数を比較した。カテゴリー変数は頻度と百分率によって要約した。カテゴリーデータの比較にはPearsonのカイ二乗検定を使用した。標準の方法で受信者動作特性(ROC)曲線を構築した。DeLongら21の方法を用いて曲線下面積(AUC)についての信頼区間を計算した。抗ビンキュリン及び抗CdtBの0.01ODの精度に対する感度、特異性及び尤度比を算出し、評価して役に立つカットオフを得た。全体を通して0.05の有意水準を使用した。統計的解析はSTATAバージョン11.2(STATA Corp.,Texas,USA)及びSASバージョン9.3(SAS Institute,Cary,North Carolina,USA)を用いて実施した。
実施例1:結果
患者のデモグラフィクス(セリアック病に関する解析を含まない)
合計で2767人の対象を動員した(表1A)。これには、2564人のD−IBSの対象と、43人の健常対象と、10人のセリアック病の対象と、150人のIBDの対象(n=78のクローン病、72人の潰瘍性大腸炎(UC))と、が含まれた。IBDのコホートと比べて健常志願者、IBS、及びセリアック病のコホートでは有意に女性が多かった(P=0.01)。IBSの対象は非IBSの対象よりも平均6.7歳年上だった(P<0.01)。他の群間では年齢に有意差はなかった。
(表1A)患者のデモグラフィクス
Figure 0006784669
値は平均値±SDとして与えられる;OD−光学密度;CD−クローン病;UC−潰瘍性大腸炎
患者のデモグラフィクス(セリアック病に関する解析を含む)
合計で2681人の対象を動員した(表1B)。これには、2375人のD−IBSの対象と、43人の健常対象と、121人のセリアック病の対象と、142人のIBDの対象(n=73のクローン病、n=69の潰瘍性大腸炎)と、が含まれた。IBSの対象は非IBSの群よりも平均3.9歳年上だった(P<0.001)。IBSの対象及び非IBSの対象の性別分布に差異はなかったが、女性の比率は、IBD群に比べて健常対照群、IBS群及びセリアック病群で高かった(P<0.001)。
(表1B)患者のデモグラフィクス
Figure 0006784669
値は平均値±SDとして与えられる;CD−クローン病;UC−潰瘍性大腸炎
群間でのELISAの比較(セリアック病患者を含まない)
非IBS対象すべてにおいてよりもIBS対象において抗CdtBのレベルは有意に高かった(1.68±0.05(95%CI:1.58〜1.79)に比べて(2.54±0.01(95%CI:2.52〜2.57))(P<0.001)(図1A)。非IBS対象の間では抗CdtBのレベルに有意差はなかった(F検定、P=0.25)。
非IBS対象すべてに比べると抗ビンキュリンのレベルはIBS対象において有意に高かった(1.01±0.06(95%CI:0.89〜1.12)に比べて(1.3334±0.02(95%CI:1.30〜1.37))(P<0.001)(図2A)。非IBS対象の間での抗ビンキュリンのレベルの差異は統計的に有意ではなかった(F検定、P=0.08)。
群間におけるELISAの比較(セリアック病患者を含む)
光学密度のレベルを用いて、D−IBS対象における抗CdtB抗体のレベル(2.53±0.69)は、健常対象(1.81±0.73)、クローン病(1.72±0.81)、潰瘍性大腸炎(1.54±0.68)、及びセリアック病(2.23±0.70)よりも有意に高かった(P<0.001)(図1B)。健常対象とIBD対象との間で抗CdtBのレベルに差異はなかったが(p=0.23)、セリアック病の対象は他の非IBS群すべてよりも高い抗CdtBのレベルを有した(p<0.001)。
抗ビンキュリンのレベルも、健常対象(0.81±0.59)、クローン病(1.05±0.91)、潰瘍性大腸炎(0.96±0.77)、及びセリアック病(1.07±0.98)と比べると、D−IBS対象(1.34±0.85)において有意に高かった(P<0.0001)(図1B)。非IBS対象の間での抗ビンキュリンのレベルにおける差異は統計的に有意ではなかった。
感度及び特異性の分析(セリアック病患者を含まない)
受信者動作特性(ROC)を用いて非IBS、IBD、及び健常の個人からIBSの対象を識別することにおける抗ビンキュリン及び抗CdtBのレベルの有用性を評価した。図3A及び図4はそれぞれ、非IBSの対象すべてと及びIBDの対象とIBSの対象を比較した場合のこれら2つの検査についてのROC曲線を示す。抗CdtBの検査の方が抗ビンキュリンよりも良好に機能し、非IBS対象のすべてから、且つIBD群のみからIBSを同等に識別すると思われた。亜型解析では、IBDの型に基づく差異はないと思われた(データは示さず)。抗CdtB及び抗ビンキュリンの双方についてのROC曲線はD−IBSがこの検査に基づいて健常対象から識別できることを示している。
次いで各検査についての光学密度(OD)のレベルを用いてD−IBSの特定についての理想的な閾値を決定した。表2A及び表3Aは感度、特異性及び尤度比に基づくIBSの特定についての可能性のある光学密度閾値を明らかにしている。D−IBSについては、低い感度に関連するとしても高い特異性の方が望ましい。D−IBSでは、理想的な検査はIBSを明確に診断するので、侵襲性の検査に対するニーズを減らすことになる。それで特異性及び尤度比はさらに重要であると思われた。ROC曲線に基づいて、抗CdtBについての理想的なレベルは≧2.48のレベルであると思われ、抗ビンキュリンについては最適なレベルは≧1.62であったが、それらは感度に対する相対的に限定された効果と共に特異性を最適化すると思われる。
(表2A)他の原因と比較したIBSの診断についての抗CdtBの有利なカットオフ
Figure 0006784669
OD光学密度;+LR正の尤度比;−LR負の尤度比
(表3A)他の原因と比較したIBSの診断についての抗ビンキュリンの有利なカットオフ
Figure 0006784669
OD光学密度;+LR正の尤度比;−LR負の尤度比
感度及び特異性の解析(セリアック病患者を含む)
受信者動作特性(ROC)を用いてIBDの対象からD−IBSの対象を識別することにおける抗ビンキュリン及び抗CdtBのレベルの有用性を評価した。図3BはIBDの対象とD−IBSの対象を比較した場合のこれら2回の検査についてのROC曲線を示す。双方の検査はIBD群からD−IBSの対象を識別するのに有効であった一方で、D−IBS対IBDの診断についての曲線下面積(AUC)は抗CdtBの方が抗ビンキュリンよりも大きかった(それぞれ0.81及び0.62)。亜群解析では、IBDの型に基づく差異はないと思われた(データは示さず)。非IBS、セリアック病の対象及び健常対照と比べたD−IBSについてのROC曲線も識別力があった。
次いで各検査についての光学密度(OD)のレベルを用いてIBDと比べたときのD−IBSの特定のための理想的な閾値を決定した。表2B及び表3Bは感度、特異性及び尤度比に基づいたD−IBSの特定についての可能性のある光学密度閾値を明らかにしている。理想的な検査はIBSを明確に診断するので、侵襲性の検査に対するニーズを減らすことになる。従って、我々は、特異性及び正の尤度比に焦点を当てた。これに基づいて、D−IBSを特定するための抗CdtBの理想的な閾値は≧2.80であると思われた一方で、抗ビンキュリンについては最適な閾値は≧1.68であると思われた。
(表2B)IBDと比べたD−IBSの診断についての抗CdtBの有利なカットオフ
Figure 0006784669
OD光学密度;+LR正の尤度比;−LR負の尤度比
(表3B)IBDと比べたD−IBSの診断についての抗ビンキュリンの有利なカットオフ
Figure 0006784669
OD光学密度;+LR正の尤度比;−LR負の尤度比
生体マーカーに対する性別の影響(セリアック病患者を含まない)
抗CdtB及び抗ビンキュリンのレベルを、女性のみ及び男性のみにおいても比較した。D−IBS群と対照群の対象間での性差にもかかわらず、双方の生体マーカーを使用して男性及び女性の双方にてD−IBSを上手く特定することができた。
本明細書で使用されている見出しは単に組織化のためのものであって、いかなる方法によっても本開示を限定することを意図するものではない。個々の区分の内容はすべての区分に平等に適用可能であってもよい。
本発明の種々の実施形態が詳細な説明にて上述されている。これらの記載が上記実施形態を直接記載する一方で、当業者は本明細書に示され、記載されている特定の実施形態に対する改変及び/または変化を思いついてもよいことが理解される。この記載の範囲内に入るそのような改変または変化は同様にそれらに含まれることが意図される。具体的に言及されない限り、明細書及びクレームにおける単語及び語句には当業者にとって普通の且つ慣れた意味が与えられることは本発明者らの意図することである。
本出願の出願時点で出願者にとって既知である本発明の種々の実施形態の前述の記載は説明及び記載の目的で提示されており、そのように意図される。本記載は、本発明を開示されている正確な形態に対して網羅することも限定することも意図されない。記載されている実施形態は本発明の原理及びその実践的な適用を説明するのに役立ち、他の当業者が熟考された特定の用途に合うように種々の実施形態にて及び種々の改変と共に本発明を利用するのを可能にするのに役立つ。従って、本発明は本発明を実施するために開示されている特定の実施形態に限定されないことが意図される。
本発明の特定の実施形態が示され、記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本発明及びその境界の態様から逸脱することなく、変更及び改変を行ってもよく、従って、添付のクレームはそのような変更及び改変すべてを本発明の真の趣旨及び範囲の範囲内にあるようにその範囲内に包含すべきであることが当業者に明白であるであろう。一般に、本明細書で使用される用語は一般に「オープン」用語(たとえば、用語「含む(including)」は「含んでいるが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「挙げられる(includes)」は「挙げられるが、これらに限定されない」と解釈されるべきである、等)として意図されることが当業者によって理解されるであろう。

Claims (20)

  1. 炎症性腸疾患(IBD)およびセリアック病の双方からの過敏性腸症候群(IBS)の識別を補助する方法であって、
    IBDおよびセリアック病の双方からのIBSの識別を所望している対象由来の生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;
    抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、もしくは抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示されかつIBDおよびセリアック病が示されない段階
    を含む、前記識別を補助する方法。
  2. 前記生体試料が、全血、血清、または血漿である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体試料にて検出する段階が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記生体試料にて検出する段階が、免疫組織化学法、フローサイトメトリー、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、放射性免疫アッセイ、または親和性精製を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記抗ビンキュリン抗体が、ビンキュリンまたは配列番号7のエピトープに特異的に結合することができる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記抗CdtB抗体が、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)のCdtBまたは配列番号5のエピトープに特異的に結合することができる、請求項1に記載の方法。
  7. 抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示される、請求項1に記載の方法。
  8. 抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示される、請求項1に記載の方法。
  9. 抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示される、請求項1に記載の方法。
  10. 抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方の前記確立された対照レベルが、光学密度の測定値である、請求項1に記載の方法。
  11. 過敏性腸症候群(IBS)のための治療の選択を補助する方法であって、
    IBDおよびセリアック病の双方からのIBSの識別を所望している対象由来の生体試料にて抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体のレベルを検出する段階と;
    抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の確立された対照レベルよりも高ければ、もしくは抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示されかつIBDおよびセリアック病が示されない段階と;
    IBSが示されればIBSの治療を選択する段階と
    を含む、前記選択を補助する方法。
  12. 前記生体試料が、全血、血清、または血漿である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記生体試料にて検出する段階が、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用することを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記生体試料にて検出する段階が、免疫組織化学法、フローサイトメトリー、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、放射性免疫アッセイ、または親和性精製を使用することを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 前記抗ビンキュリン抗体が、ビンキュリンまたは配列番号7のエピトープに特異的に結合することができる、請求項11に記載の方法。
  16. 前記抗CdtB抗体が、カンピロバクター・ジェジュニのCdtBまたは配列番号5のエピトープに特異的に結合することができる、請求項11に記載の方法。
  17. 抗ビンキュリン抗体、抗CdtB抗体、またはその双方の前記確立された対照レベルが、光学密度の測定値である、請求項11に記載の方法。
  18. 抗ビンキュリン抗体の前記レベルが抗ビンキュリン抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示される請求項11に記載の方法。
  19. 抗CdtB抗体の前記レベルが抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示される、請求項11に記載の方法。
  20. 抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の双方のレベルが抗ビンキュリン抗体及び抗CdtB抗体の前記確立された対照レベルよりも高ければ、IBSが示される、請求項11に記載の方法。
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