以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更することができる。
図1は、本実施形態に係るシステム100の概略図である。図1に示されるシステム100は、MFP(MultiFunction Peripheralの略)10A、10B(以下、これらを総称して、「MFP10」と表記することがある。)と、携帯端末50A、50B(以下、これらを総称して、「携帯端末50」と表記することがある。)と、サーバ70とで構成される。なお、システム100は、MFP10に代えて或いはMFP10に加えて、プリンタ単能機を備えていてもよい。また、サーバ70は省略可能である。
MFP10、携帯端末50、及びサーバ70は、例えば、無線LANに属している。すなわち、MFP10、携帯端末50、及びサーバ70は、アクセスポイント102を経由して相互に通信することができる。但し、MFP10、携帯端末50、及びサーバ70が属する通信ネットワークの具体例は無線LANに限定されず、例えば、インターネット、有線LAN、或いはこれらの組み合わせであってもよい。
システム100は、例えば、特定の組織に所属するユーザのみが利用可能に構成されている。すなわち、組織に所属するユーザにはアカウント情報が配布されており、当該アカウント情報が設定された携帯端末50のみが無線LANに接続可能となる。なお、本明細書中の「組織」とは、階層関係を有する複数のユーザが所属する集団を指し、例えば、会社、学校等であってもよい。すなわち、会社における階層関係とは、上司と部下の関係を指す。また、学校における階層関係とは、教師と生徒の関係を指す。
MFP10は、図2(A)に示されるように、プリンタ11と、スキャナ12と、ディスプレイ23と、入力I/F24と、Wi−Fi(Wi-Fi Allianceの登録商標)通信I/F25と、NFC通信I/F26と、検出部27と、CPU31と、メモリ32と、通信バス33とを主に備える。MFP10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。MFP10は、画像処理装置の一例である。MFP10は、装置IDによって一意に識別される。例えば、MFP10Aは装置ID“MFP-A”で識別され、MFP10Bは装置ID“MFP-B”で識別される。
プリンタ11は、画像データで示される画像をシートに記録するプリント動作を実行する。プリンタ11の記録方式としては、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ12は、原稿に記録されている画像を読み取ってスキャンデータを生成するスキャン動作を実行する。
ディスプレイ23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示画面を備える。
入力I/F24は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。入力I/F24は、受付インタフェースの一例である。具体的には、入力I/F24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、入力I/F24は、ディスプレイ23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。ディスプレイ23の表示画面に表示されたオブジェクトを指定する操作、文字列或いは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。「オブジェクト」とは、例えば、ディスプレイ23に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニュー等である。
タッチセンサとして実現される入力I/F24は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。また、入力媒体が表示画面に触れていなくても、表示画面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させる「ホバー」或いは「フローティングタッチ」を、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。ディスプレイ23に表示されたアイコンの位置をタップするユーザ操作は、当該アイコンを指定する指定操作の一例である。
Wi−Fi通信I/F25は、外部装置と通信可能な第1通信インタフェースの一例である。Wi−Fi通信I/F25は、例えば、Wi−Fi規格に準拠した無線通信を行う。MFP10は、Wi−Fi通信I/F25を通じて携帯端末50及びサーバ70に各種情報を送信し、Wi−Fi通信I/F25を通じて携帯端末50及びサーバ70から各種情報を受信する。
Wi−Fi通信I/F25は、例えば、アクセスポイント102等の中継装置を経由して外部装置と無線通信する間接無線通信(以下、「Wi−Fi通信」と表記する。)と、中継装置を経由せずに外部装置と無線通信する直接無線通信(以下、「Wi−Fiダイレクト通信」と表記する。)とが可能であってもよい。直接無線通信は、例えば、Wi−Fi Direct(Wi-Fi Allianceの登録商標)規格に準拠した無線通信である。Wi−Fi規格及びWi−Fiダイレクト規格は、第1プロトコルの一例である。
NFC通信I/F26は、外部装置との間で近接無線方式の無線信号を送受信する。NFC通信I/F26は、受付インタフェース或いは第2通信インタフェースの一例である。NFC通信I/F26は、例えば、NFC規格に準拠した無線通信(以下、「NFC通信」と表記する。)を行う。すなわち、MFP10は、NFC通信I/F26を通じて携帯端末50に各種情報を送信し、NFC通信I/F26を通じて携帯端末50から各種情報を受信する。NFC通信は、Wi−Fi通信及びWi−Fiダイレクト通信と比較して、通信範囲が狭く且つ通信速度が遅い。
NFC規格は、例えば、ISO/IEC21481又は18092の規格である。NFC規格は、近接無線通信プロトコル或いは第2プロトコルの一例である。但し、近接無線通信プロトコルはNFCに限定されず、MFP10との距離が所定の範囲内の外部装置と通信可能な他のプロトコルであってもよい。近接無線通信プロトコルの他の例として、TransferJet(TransferJet コンソーシアムの登録商標)規格、Bluetooth(Bluetooth SIG, Inc.の登録商標)、Bluetooth Low Energy、Bluetooth Smart、iBeacon(Apple Inc.の登録商標)等が挙げられる。また、MFP10は、各々が異なる近接無線通信プロトコルに準拠した複数の通信I/Fを備えてもよい。
検出部27は、MFP10の設置位置を含む地域で災害が発生したことを検出する。検出部27は、例えば、気象庁から発信される緊急地震速報を受信するアンテナであってもよいし、地震の揺れを検出する地震計等であってもよい。また、Wi−Fi通信I/F25が検出部27の役割を担ってもよい。すなわち、MFP10は、緊急地震速報を受信した携帯端末50からWi−Fi通信I/F25を通じて、緊急地震速報を受信してもよい。また、災害の具体例は、地震に限定されず、例えば、火事、放射能漏れ、津波等であってもよい。
CPU31は、MFP10の全体動作を制御するものである。CPU31は、入力I/F24から出力される各種信号、及び通信I/F25、26を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムをメモリ32から取得して実行する。すなわち、CPU31及びメモリ32は、コントローラの一例を構成する。
メモリ32には、OS34と、装置プログラム35とが記憶される。なお、装置プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。また、メモリ32には、装置プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。メモリ32は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、HDD、MFP10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
メモリ32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
携帯端末50は、図2(B)に示されるように、ディスプレイ53と、入力I/F54と、Wi−Fi通信I/F55と、NFC通信I/F56と、電話部57と、CPU61と、メモリ62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれるディスプレイ53、入力I/F54、Wi−Fi通信I/F55、NFC通信I/F56、CPU61、メモリ62、及び通信バス63は、MFP10に含まれるディスプレイ23、入力I/F24、Wi−Fi通信I/F25、NFC通信I/F26、CPU31、メモリ32、及び通信バス33と同様の構成であるので、説明は省略する。CPU61及びメモリ62は、コントローラの一例である。
携帯端末50は、例えば、携帯電話、スマートフォン、或いはタブレット端末等である。より詳細には、携帯端末50のディスプレイ53は、表示画面のサイズが12インチ以下、より好ましくは8インチ以下であるのが望ましい。また、携帯端末50の入力I/F54は、ディスプレイ53の表示画面に重ねられたタッチセンサであるのが望ましい。
電話部57は、移動体通信回線によって接続された基地局を通じて外部装置と音声データを送受信する通話機能を実現する。通話機能の実現には、例えば、携帯端末50が備える不図示のマイク及び不図示のスピーカがさらに利用される。すなわち、携帯端末50は、不図示のマイクで集音した音声を示す音声データを電話部57を通じて外部装置に送信し、電話部57を通じて外部装置から受信した音声データで示される音声を不図示のスピーカを通じて出力する。
電話部57には、自電話番号が設定されている。電話部57に設定された自電話番号は、携帯端末50を識別する端末IDとして用いることができる。端末IDは、端末識別情報の一例である。例えば、携帯端末50Aの電話部57には自電話番号“ggg-gggg-gggg”が設定され、携帯端末50Bの電話部57には自電話番号“ppp-pppp-pppp”が設定されている。但し、端末IDの具体例は自電話番号に限定されず、Wi−Fi通信I/F55に割り当てられたMACアドレス等であってもよい。
例えば、携帯端末50Aの電話部57は、携帯端末50Bが自電話番号“ggg-gggg-gggg”に対して発信した通話要求を受け付けて、携帯端末50Bとの間で音声データを送受信することができる。また、携帯端末50Aの電話部57は、後述するローカルアドレスリストに登録された電話番号のうち、入力I/F54を通じて指定された電話番号“ppp-pppp-pppp”で特定される携帯端末50Bに、通話要求を発信することができる。電話部57の機能は既に周知なので、の詳細な説明は省略する。
メモリ62は、OS64と、端末プログラム65とを記憶している。OS64は、例えば、Android(Google inc.の登録商標) OS、iOS(Cisco Systems,Inc.の登録商標)、Windows Phone(Microsoft Corporationの登録商標) Operating System等であってもよい。
メモリ62は、ローカルアドレスリストを記憶することができる。ローカルアドレスリストは、1以上のローカルアドレス情報を含む。ローカルアドレス情報は、自端末と異なる携帯端末50のユーザの連絡先を示す情報である。ローカルアドレス情報は、例えば図4(B)に示されるように、電話番号と、当該電話番号で特定される携帯端末50のユーザの氏名を示すテキスト情報とを含む。但し、連絡先の具体例は電話番号に限定されず、例えば、電子メールの宛先を示すメールアドレス等であってもよい。
端末プログラム65は、例えば、入力I/F54を通じてローカルアドレス情報の入力を受け付け、入力されたローカルアドレス情報をローカルアドレスリストに追加することができる。携帯端末50Aのローカルアドレスリストには、例えば、図4(B)の自電話番号“ggg-gggg-gggg”に対応付けられたローカルアドレス情報が登録されている。また、携帯端末50Bのローカルアドレスリストには、例えば、図4(B)の自電話番号“ppp-pppp-pppp”に対応付けられたローカルアドレス情報が登録されている。
サーバ70は、所謂ストレージサーバ或いはデータベースサーバである。サーバ70は、例えば、MFP10から受信した情報をサーバメモリに記憶させ、MFP10から要求された情報をサーバメモリから読み出してMFP10に送信する。サーバ70は、例えば、図3及び図4に示される情報を記憶することができる。
図3は、システム100が導入された組織の組織アドレスリストを示す。組織アドレスリストは、1以上のアドレス情報を含む。アドレス情報は、組織に属する複数のユーザのうちの1人の連絡先を示す。アドレス情報は、例えば、システム100の管理者によって、サーバ70が備える入力I/Fを通じて入力される。
アドレス情報は、例えば、対応するユーザの電話番号、氏名、所属部、所属課、役職を示す。電話番号は、対応するユーザが所持する携帯端末50の電話部57に設定された自電話番号である。電話番号は、アドレス情報を識別するアドレス識別情報の一例である。氏名は、対応するユーザの氏名である。所属部及び所属課は、組織内において、対応するユーザが所属するグループを示す。役職は、所属部及び所属課で示されるグループ内におけるユーザの地位を示す。
所属部“営業部”は、所属課“第1課”、“第2課”、“第3課”を含む。すなわち、所属部“営業部”は、所属課“第1課”、“第2課”、“第3課”より上の階層のグループである。換言すれば、所属課“第1課”、“第2課”、“第3課”は、所属部“営業部”より下の階層のグループである。一方、同一の所属部“営業部”に属する複数の所属課“第1課”、“第2課”、“第3課”は、同一階層のグループである。所属部“総務部”等の他のグループについても、前述のような階層関係が設定されている。
また、所属課“第1課”に属する複数のユーザのうちの1人に、役職“課長”が設定されている。すなわち、所属課“第1課”に属する複数のユーザのうち、役職“課長”が設定されたユーザは、役職“課長”が設定されていないユーザより上位のユーザである。換言すれば、所属課“第1課”に属する複数のユーザのうち、役職“課長”が設定されていないユーザは、役職“課長”が設定されたユーザより下位のユーザである。以下、役職“部長”、“課長”が設定されたユーザを、「役職者」と表記する。
すなわち、役職“課長”が設定されたアドレス情報には、同一の所属課に属し且つ役職“課長”が設定されていない1以上のアドレス情報(以下、「子アドレス情報」或いは「部下アドレス情報」と表記する。)が対応付けられている。換言すれば、役職“課長”が設定されていないアドレス情報には、同一の所属課に属し且つ役職“課長”が設定された1つのアドレス情報(以下、「親アドレス情報」或いは「上司アドレス情報」と表記する。)が対応付けられている。
一方、同一の役職が設定されており、且つ異なるグループに属する複数のユーザ(以下、「同位役職者」と表記する。)は、同一階層に位置していると言える。以下、同一の役職が設定されており、且つ異なるグループに属する複数のアドレス情報を、「同位アドレス情報」と表記する。なお、これらの階層関係は、同一の所属部に属する複数のユーザの間にも、同様に適用される。
図4(A)は、装置IDと自電話番号とを対応付けて記憶する近接端末リストを示す。近接端末リストは、MFP10A、10Bに近づいた携帯端末50を示すリストである。すなわち、近接端末リストには、装置IDと、装置IDで識別されるMFP10に近づいた携帯端末50の自電話番号とが対応付けられている。なお、近接端末リストには、システム100の導入時には情報が登録されておらず、後述する端末情報収集処理で情報が登録される。
図4(B)は、自電話番号とローカルアドレス情報とを対応付けて記憶する収集アドレスリストを示す。収集アドレスリストには、携帯端末50から収集したローカルアドレス情報が登録される。すなわち、収集アドレスリストは、自電話番号と、自電話番号で特定される携帯端末50から収集したローカルアドレス情報とが対応付けられている。収集アドレスリストには、システム100の導入時には情報が登録されておらず、後述する端末情報収集処理で情報が登録される。
また図示は省略するが、サーバ70は、存在確認リストを記憶することができる。存在確認リストには、MFP10に近づいたユーザが所持する携帯端末50の自電話番号が登録される。存在確認リストには、システム100の導入時には情報が登録されておらず、後述するアドレスシート出力処理2で情報が登録される。
図5及び図6を参照して、本実施形態に係るシステム100の動作を説明する。
本明細書のフローチャートは、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU31の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「制御」等の処理は、CPU31の処理を表している。CPU31による処理は、OS34を介したハードウェア制御も含む。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
なお、以下に説明する処理の開始時点において、MFP10はPoll動作を実行しており、携帯端末50はListen動作を実行しているものとする。Poll動作とは、所定の時間間隔でポーリング信号を繰り返し出力し、当該ポーリング信号の応答であるレスポンス信号を監視する動作である。Listen動作とは、ポーリング信号を監視し、ポーリング信号を受信したことを条件としてレスポンス信号を出力する動作である。なお、MFP10がListen動作を実行し、携帯端末50がPoll動作を実行してもよい。
[端末情報収集処理]
まず、図5(A)を参照して、端末情報収集処理を説明する。端末情報収集処理は、MFP10が携帯端末50から情報を収集し、収集した情報をサーバ70に記憶させる処理である。端末情報収集処理は、例えば、MFP10の検出部27が災害の発生を検出する前に実行される。まず、MFP10Aの装置プログラム35は、Poll動作を実行するNFC通信I/F26を通じて、携帯端末50からレスポンス信号を受信するまで、以降の処理を待機する(S11:No)。
そして、装置プログラム35は、例えば、ユーザがMFP10Aに携帯端末50Aを近づけたことによって、Poll動作を実行中のNFC通信I/F26を通じて携帯端末50Aからレスポンス信号を受信する。次に、装置プログラム35は、レスポンス信号の送信元である携帯端末50Aとの間に、NFC規格に従った所定の手順で通信リンク(以下、「NFCリンク」と表記する)を確立する(S11:Yes)。NFCリンクを確立することは、近接無線接続の一例である。以降、MFP10と携帯端末50とは、このNFCリンクを通じて情報等を送受信する。この処理は、第2接続処理の一例である。
次に、装置プログラム35は、近接無線接続されたNFC通信I/F26を通じて携帯端末50Aから自電話番号“ggg-gggg-gggg”を受信する(S12)。そして、装置プログラム35は、自装置の端末ID“MFP-A”と、S12で受信した自電話番号“ggg-gggg-gggg”とを対応付けて、サーバ70の近接端末リストに登録する(S13)。
装置プログラム35は、サーバ70に情報を記憶させるために、例えば、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70に登録指示情報を送信する。登録指示情報は、例えば、登録先のリストを識別する情報(例えば、近接端末リスト)と、当該リストに登録すべき情報(例えば、端末ID“MFP-A”、自電話番号“ggg-gggg-gggg”)とを含む。また図示は省略するが、サーバ70は、登録指示情報をMFP10Aから受信し、受信した登録指示情報に含まれる情報を、指定されたリストに登録する。後述するS15、S33についても同様である。
次に、装置プログラム35は、Wi−Fi通信I/F25を通じて携帯端末50Aからローカルアドレスリストを受信する(S14)。そして、装置プログラム35は、S12で受信した自電話番号“ggg-gggg-gggg”と、S14で受信したローカルアドレスリストとを対応付けて、サーバ70の収集アドレスリストに登録する(S15)。S12&S14の処理は第1受信処理の一例であり、S15の処理は記憶処理の一例である。
より詳細には、装置プログラム35は、S14において、近接無線接続されたNFC通信I/F26を通じて携帯端末50Aから接続情報を受信する。接続情報は、携帯端末50AとWi−Fiダイレクト接続するために必要な情報である。接続情報は、例えば、IPアドレス、MACアドレス、或いはSSID等であってもよい。この処理は、第3受信処理の一例である。次に、装置プログラム35は、受信した接続情報を用いて携帯端末50AとWi−Fiダイレクト接続する。そして、装置プログラム35は、Wi−Fiダイレクト接続されたWi−Fi通信I/F25を通じて携帯端末50Aからローカルアドレスリストを受信する。
そして、MFP10A、10Bが端末情報収集処理を繰り返し実行することによって、例えば、図4(A)に示される近接端末リストと、図4(B)に示される収集アドレスリストとが、サーバ70に記憶される。なお、装置プログラム35は、自電話番号及びローカルアドレスリストを、携帯端末50Aから纏めて受信してもよい。この場合の通信方式は、NFC通信であってもよいし、Wi−Fiダイレクト通信であってもよい。また、装置プログラム35は、Bluetoothに準拠した方式で、自電話番号及びローカルアドレスリストを携帯端末50Aから受信してもよい。後述するS31、S32についても同様である。
[アドレスシート出力処理1]
次に、図5(B)を参照して、アドレスシート出力処理1を説明する。アドレスシート出力処理1は、災害発生時に必要となる連絡先をシートに記録する処理である。なお、アドレスシート出力処理1の実行時点において、図3及び図4に示される情報がサーバ70に記憶されているものとする。まず、MFP10Aの装置プログラム35は、検出部27を通じて災害の発生を検出するまで、以降の処理を待機する(S21:No)。
次に、装置プログラム35は、検出部27を通じて災害の発生を検出したことに応じて(S21:Yes)、予め定められた抽出条件に合致するアドレス情報を、図3に示さる組織アドレスリストから抽出する(S22)。S22の抽出条件は、例えば、システム100の管理者によってMFP10A、10Bに共通して設定されてもよいし、システム100のユーザによってMFP10A、10B毎に別々に設定されてもよい。S21の処理は検出処理の一例であり、S22の処理は第2抽出処理の一例である。
S22の抽出条件は、例えば、組織アドレスリストで示される階層関係の一部を示す。S22の抽出条件は、例えば、階層関係における所定の階層より上の階層に属することである。より詳細には、S22の抽出条件は、組織アドレスリストに登録されたアドレス情報のうち、部下アドレス情報が対応付けられていることである。換言すれば、S22の抽出条件は、図3に示される組織アドレスリストのうち、役職“部長”、“課長”が設定されていることである。S22の抽出条件によれば、全てのMFP10A、10Bで、同一のアドレス情報が抽出される。
一例として、装置プログラム35は、抽出条件に合致するアドレス情報を取得するために、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70に抽出指示情報を送信する。抽出指示情報は、例えば、抽出元のリストを識別する情報(例えば、組織アドレスリスト)と、抽出条件を示す情報(例えば、抽出条件を示すクエリ)とを含む。そして、装置プログラム35は、ユーザ“AAA”、“BBB”、“GGG”、“OOO”、“QQQ”のアドレス情報を、抽出指示情報の応答として、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70から受信する。後述するS34、S36、S39についても同様である。
他の例として、装置プログラム35は、抽出条件に合致するアドレス情報を取得するために、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70に送信指示情報を送信する。送信指示情報は、抽出元のリストに含まれる全ての情報の送信を指示するための情報であって、抽出元のリストを識別する情報(例えば、組織アドレスリスト)を含む。そして、装置プログラム35は、送信指示情報の応答として受信したリストから、抽出条件に合致するアドレス情報を抽出する。後述するS34、S36、S39についても同様である。
次に、装置プログラム35は、S22で1以上のアドレス情報を抽出したか否かを判断する(S23)。そして、装置プログラム35は、S22でアドレス情報を抽出したことに応じて(S23:Yes)、抽出した全てのアドレス情報で示される連絡先を含むアドレスシートをプリンタ11に出力させる(S24)。一方、装置プログラム35は、S22でアドレス情報を抽出しなかったことに応じて(S23:No)、S24の処理をスキップしてアドレスシート出力処理1を終了する。S24の処理は、第3プリント処理の一例である。
アドレスシートのレイアウトは特に限定されないが、各アドレス情報に含まれる氏名及び電話番号が対応付けられた状態で、シートに記録されるのが望ましい。アドレスシートは、例えば、S22で抽出されたアドレス情報を、図3に示されるレイアウトでシートに記録したものであってもよい。
[アドレスシート出力処理2]
次に、図6を参照して、アドレスシート出力処理2を説明する。アドレスシート出力処理2は、災害が発生してしばらくしてから必要となる連絡先をシートに記録する処理である。すなわち、アドレスシート出力処理2は、検出部27を通じて災害の発生を検出した後に実行される。まず、MFP10Aの装置プログラム35は、Poll動作を実行するNFC通信I/F26を通じて、携帯端末50からレスポンス信号を受信するまで、以降の処理を待機する(S31:No)。
そして、装置プログラム35は、例えば、ユーザがMFP10Aに携帯端末50Aを近づけたことによって、Poll動作を実行中のNFC通信I/F26を通じて携帯端末50Aからレスポンス信号を受信する。次に、装置プログラム35は、レスポンス信号の送信元である携帯端末50Aとの間にNFCリンクを確立する(S31:Yes)。次に、装置プログラム35は、近接無線接続されたNFC通信I/F26を通じて携帯端末50Aから自電話番号“ggg-gggg-gggg”を受信する(S32)。
S31、S32の処理は、アドレス情報の出力指示及び自電話番号の入力を受け付ける受付処理の一例である。すなわち、携帯端末50AをMFP10Aに近づけることは、アドレス情報の出力を指示すると共に、携帯端末50Aの自電話番号を入力するユーザ操作の一例である。また、S31の処理は第1接続処理の一例であり、S32の処理は第2受信処理の一例である。なお、出力指示及び自電話番号は、NFC通信で受信することに限定されず、入力I/F24を通じてユーザに入力させてもよい。
次に、装置プログラム35は、S32で受信した自電話番号“ggg-gggg-gggg”を存在確認リストに登録する(S33)。次に、装置プログラム35は、予め定められた抽出条件に合致するローカルアドレス情報を、図4(B)に示される収集アドレスリストから抽出する(S34)。この処理は、第1抽出処理の一例である。S34の抽出条件は、例えば、図4(B)に示される複数のローカルアドレス情報のうち、S32で受信した自電話番号“ggg-gggg-gggg”に対応付けられていることである。
すなわち、装置プログラム35は、自電話番号“ggg-gggg-gggg”に対応付けられたユーザ“OOO”、“PPP”、“XXX”のローカルアドレス情報を、図4(B)に示される収集アドレスリストから抽出する。そして、装置プログラム35は、抽出した全てのローカルアドレス情報で示される連絡先を含むアドレスシートをプリンタ11に出力させる(S34)。この処理は、第1プリント処理の一例である。
次に、装置プログラム35は、携帯端末50Aのユーザ“GGG”が役職者か否かを判断する(S35)。より詳細には、装置プログラム35は、自電話番号“ggg-gggg-gggg”を含む抽出指示情報を、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70に送信する。次に、装置プログラム35は、ユーザ“GGG”のアドレス情報を、抽出指示情報の応答として、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70から受信する。そして、装置プログラム35は、受信したアドレス情報に役職“部長”、“課長”が設定されているか否かを判断する。
次に、装置プログラム35は、携帯端末50Aのユーザ“GGG”が役職者だと判断したことに応じて(S35:Yes)、予め定められた抽出条件に合致するアドレス情報を、図3に示される組織アドレスリストから抽出する(S36)。S36の抽出条件は、階層関係の一部を示し且つS22の抽出条件と異なる抽出条件の一例である。S36の抽出条件は、例えば、指定アドレス情報に対応付けられた部下アドレス情報であることである。指定アドレス情報は、S32で受信した自電話番号“ggg-gggg-gggg”を含むアドレス情報である。すなわち、装置プログラム35は、ユーザ“GGG”の部下であるユーザ“HHH”、“KKK”のアドレス情報を、組織アドレスリストから抽出する。
次に、装置プログラム35は、携帯端末50Aのユーザ“GGG”に同位役職者がいるか否かを判断する(S37)。すなわち、装置プログラム35は、所属課が“第2課”と異なり且つ役職“課長”が設定されたアドレス情報を、組織アドレスリストから抽出する。本実施形態では、ユーザ“BBB”、“OOO”のアドレス情報が、ユーザ“GGG”に同位役職者のアドレス情報として抽出される。次に、装置プログラム35は、ユーザ“GGG”に同位役職者“BBB”、“OOO”がいると判断したことに応じて(S37:Yes)、同位役職者“BBB”、“OOO”が所持する携帯端末50の自電話番号が存在確認リストに登録されているか否かを判断する(S38)。S37、S38の処理は、特定処理の一例である。
より詳細には、装置プログラム35は、電話番号“bbb-bbbb-bbb”、“ooo-oooo-oooo”が存在確認リストに登録されているか否かを問い合わせる問合せ情報を、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70に送信する。そして、装置プログラム35は、問合せ情報に含まれる各電話番号が存在確認リストに登録されているか否かを示す回答情報を、問合せ情報の応答として、Wi−Fi通信I/F25を通じてサーバ70から受信する。
次に、装置プログラム35は、電話番号“bbb-bbbb-bbb”が存在確認リストに登録されておらず、電話番号“ooo-oooo-oooo”が存在確認リストに登録されていると判断したことに応じて(S38:No)、予め定められた抽出条件に合致するアドレス情報を、図3に示される組織アドレスリストから抽出する(S39)。S39の抽出条件は、例えば、ユーザ“GGG”の同位役職者“BBB”、“OOO”のうち、存在確認リストに電話番号が登録されていない同位役職者“BBB”のアドレス情報に対応付けられた部下アドレス情報であることである。そして、装置プログラム35は、同位役職者“BBB”の部下であるユーザ“CCC”、“DDD”、“EEE”のアドレス情報を、組織アドレスリストから抽出する。
次に、装置プログラム35は、S36、S39で抽出した全てのアドレス情報で示される連絡先を含むアドレスシートをプリンタ11に出力させる(S40)。前述の例では、ユーザ“CCC”、“DDD”、“EEE”、“HHH”、“KKK”の連絡先が出力される。なお、S36で抽出したアドレス情報で示される連絡先と、S39で抽出したアドレス情報で示される連絡先とは、同一のシートに記録されてもよいし、別々のシートに記録されてもよい。
一方、装置プログラム35は、ユーザ“GGG”に同位役職者がいないと判断したことに応じて(S37:No)、或いはユーザ“GGG”の全ての同位役職者の電話番号が存在確認リストに既に登録されていると判断したことに応じて(S38:Yes)、S39の処理をスキップして、S40の処理を実行する。さらに、装置プログラム35は、携帯端末50Aのユーザ“GGG”が役職者でないと判断したことに応じて(S35:No)、S36〜S40の処理をスキップして、アドレスシート出力処理2を終了する。
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、端末情報収集処理において、NFC通信より通信速度の速いWi−Fi通信でローカルアドレス情報を携帯端末50から受信するので、ローカルアドレス情報の収集をスムーズに行うことができる。一方、アドレスシート出力処理2において、Wi−Fi通信より通信範囲の狭いNFC通信で携帯端末50AのユーザがMFP10Aの近くにいることを検出するので、アドレスシートが第三者に持ち去られることを抑制できる。
また、上記の実施形態によれば、複数のMFP10A、10Bのうち、MFP10Aを通じてローカルアドレス情報をサーバ70のメモリに記憶させ、MFP10Bにアドレスシートを出力させることができる。これにより、例えば、複数のMFP10A、10Bが接続された社内LANなどの環境において、災害発生時に近くにあるMFP10からアドレスシートを取得することができる。
また、上記の実施形態によれば、災害の発生を検出したタイミングで、組織アドレスリストに登録された複数のアドレス情報のうち、S22の抽出条件に合致するアドレス情報で示される連絡先がアドレスシートに記録される。これにより、組織アドレスリストに登録された全てのアドレス情報を出力する場合と比較して、避難しようとするユーザに迅速にアドレスシートを取得させることができる。
より詳細には、システム100が導入された会社に所属する各ユーザは、災害が発生した直後において、前述の階層関係の上位層に位置するユーザ(すなわち、役職者)に、自分の安否を報告したり、今後の行動に対する指示を受けたりすることが考えられる。そこで、災害が発生した直後には、所定の階層より上の階層に属するユーザの連絡先がアドレスシートに記録されるのが望ましい。
また、上記の実施形態によれば、災害が発生した後において、MFP10Aに携帯端末50Aがかざされた場合に、S22の抽出条件と異なるS36の抽出条件で抽出された連絡先がアドレスシートに記録される。S36の抽出条件は、例えば、災害の発生後しばらく経ってから必要となる連絡先を抽出する条件であってもよい。これにより、災害の発生直後と、災害の発生後しばらく経ってからとで、それぞれに適したアドレスシートをユーザに取得させることができる。
より詳細には、かざされた携帯端末50Aから受信した自電話番号“ggg-gggg-gggg”に対応するユーザの部下の連絡先がアドレスシートに記録される。これにより、役職者たるユーザは、当該アドレスシートを利用して、自分の部下の安否を確認することができる。また、受信した自電話番号“ggg-gggg-gggg”は、抽出される部下アドレス情報の範囲を制限する権限情報或いは認証情報として機能するので、関係の薄いユーザの連絡先が流出することを抑制できる。
また、システム100は、S31でMFP10Aにかざされた携帯端末50Aのユーザが無事であるとを確認できる。換言すれば、存在確認リストに登録されていない自電話番号に対応するユーザは、安否が未だ確認できていないと考えることができる。そこで、MFP10Aに携帯端末50Aをかざしたユーザ“GGG”の同位役職者“BBB”の安否が確認できていない場合に、同位役職者“BBB”の部下の連絡先をアドレスシートに記録することによって、ユーザ“GGG”に安否の確認をさせることができる。
また、上記構成によれば、会社の構成員のみならず、各ユーザの携帯端末50のローカルアドレスリストに登録された人(例えば、親、子、配偶者、友人等)の連絡先もアドレスシートに記録される。これにより、携帯端末50の電池が切れる前に、ローカルアドレス情報で示される連絡先をアドレスシートに記録することができるので、さらに有用なアドレスシートをユーザに取得させることができる。
一方図示は省略するが、装置プログラム35は、検出部27を通じて災害の発生を検出する前において、入力I/F24、Wi−Fi通信I/F25、NFC通信I/Fを通じて、アドレス情報の出力指示を受け付けたとしても、アドレスシートを出力しないのが望ましい。これにより、不要不急の場合にアドレス情報が流出しないので、組織内におけるプライバシーが保護される。
[変形例]
S22の抽出条件、S36の抽出条件、S39の抽出条件、及びS34の抽出条件は、上記の実施形態の例に限定されない。すなわち、MFP10の利用態様に合わせた抽出条件をMFP10に設定しておくことにより、有用な連絡先を含むアドレスシートをユーザに取得させることができる。
S22の抽出条件の他の例として、近接端末リストに登録された自電話番号に対応するユーザが所属するグループのうち、当該ユーザより上の層に属することであってもよい。より詳細には、S22の抽出条件は、組織アドレスリストに登録されたアドレス情報のうち、近接端末リストに登録された自電話番号を含むアドレス情報が、部下アドレス情報として対応付けられていることであってもよい。S22の抽出条件によれば、MFP10A、10Bで、異なるアドレス情報が抽出される可能性がある。
すなわち、MFP10Aの装置プログラム35は、装置ID“MFP-A”に対応付けられた自電話番号“ggg-gggg-gggg”、“ooo-oooo-oooo”、“ppp-pppp-pppp”を、近接端末リストから抽出する。そして、装置プログラム35は、自電話番号“ggg-gggg-gggg”、“ooo-oooo-oooo”を含むアドレス情報が部下アドレス情報として対応付けられたユーザ“AAA”のアドレス情報と、自電話番号“ppp-pppp-pppp”を含むアドレス情報が部下アドレス情報として対応付けられたユーザ“OOO”のアドレス情報とを、組織アドレスリストから抽出する。
一方、MFP10Bの装置プログラム35は、装置ID“MFP-B”に対応付けられた自電話番号“aaa-aaaa-aaaa”、“bbb-bbbb-bbbb”を、近接端末リストから抽出する。そして、装置プログラム35は、自電話番号“bbb-bbbb-bbbb”を含むアドレス情報が部下アドレス情報として対応付けられたユーザ“AAA”のアドレス情報を、組織アドレスリストから抽出する。
大きな会社では役職者の数も多くなるので、全ての役職者の連絡先をアドレスシートに記録しようとすると、アドレスシートが迅速に出力できない可能性がある。そこで、上記の変形例のように、災害が発生する前にMFP10の傍にいたユーザの上司の連絡先を抽出することによって、有用な連絡先を含むアドレスシートを迅速に出力できる。
前述のS22の抽出条件は、組織アドレスリストで示される階層関係の一部を示す。換言すれば、前述のS22の抽出条件は、組織アドレスリストに含まれる複数のアドレス情報の一部を抽出するための抽出条件である。但し、S22の抽出条件の具体例は前述の例に限定されない。他の例として、S22の抽出条件は、収集アドレスリストに含まれるローカルアドレス情報のうち、複数の自電話番号が対応付けられていることである。
より好ましくは、収集アドレスリストに登録された全ての自電話番号“ggg-gggg-gggg”、“ppp-pppp-pppp”が対応付けられたユーザ“ooo-oooo-oooo”を含むローカルアドレス情報が、収集アドレスリストから抽出される。収集アドレスリストにおいて、複数の自電話番号に対応付けられたローカルアドレス情報で示される連絡先は、システム100を利用する複数のユーザの安否を心配しているユーザである可能性が高い。そこで、このような連絡先を抽出することによって、有用なアドレスシートを出力することができる。
また、MFP10AとNFC通信が可能な範囲にいるユーザは、災害発生時にもMFP10Aの近くにいる可能性がある。そこで、端末情報収集処理において、このようなユーザの携帯端末50Aから自電話番号及びローカルアドレス情報を収集することによって、災害発生時に有用なアドレスシートを出力することができる。但し、近接端末リストに登録する自電話番号、及び収集アドレスリストに登録するローカルアドレス情報の収集方法は、前述の例に限定されない。
他の例として、携帯端末50Aの端末プログラム65は、入力I/F54を通じてユーザが指定した画像データに対するプリント動作を、MFP10Aに実行させることができてもよい。より詳細には、端末プログラム65は、Wi−Fi通信I/F55を通じてMFP10Aにプリント指示情報を送信する。プリント指示情報は、プリント動作の実行を指示するための情報であって、ユーザが指定した画像データを含む。
一方、MFP10Aの装置プログラム35は、Wi−Fi通信I/F25を通じて携帯端末50Aからプリント指示情報を受信する。この処理は、第4受信処理の一例である。次に、装置プログラム35は、受信したプリント指示情報に従ったプリント動作を、プリンタ11に実行させる。すなわち、プリンタ11は、プリント指示情報に含まれる画像データで示される画像をシートに記録する。この処理は、第2プリント処理の一例である。
そして、装置プログラム35は、プリント指示情報の送信元の携帯端末50Aから、自電話番号及びローカルアドレス情報を収集してもよい。より詳細には、装置プログラム35は、Wi−Fi通信I/F25を通じて携帯端末50Aに送信指示情報を送信する。そして、装置プログラム35は、自電話番号及びローカルアドレス情報を、送信指示情報の応答として、Wi−Fi通信I/F25を通じて携帯端末50Aから受信する。
MFP10Aに第2プリント処理を指示するユーザは、災害発生時にもMFP10Aの近くにいる可能性がある。そこで、このようなユーザの携帯端末からローカルアドレス情報を収集することによって、災害発生時に有用なアドレスシートを出力することができる。また、上記構成によれば、第2プリント処理で出力されたシートを取りに来たユーザが携帯端末50を所持していなくても、当該携帯端末50からローカルアドレス情報を収集することができる。
また、組織アドレスリスト、近接端末リスト、収集アドレスリスト、存在確認リストは、MFP10のメモリ32に記憶されてもよい。すなわち、MFP10に接続されたメモリとは、通信ネットワークを通じて接続されたサーバメモリでもよいし、内部バスの一例である通信バス33を通じて接続されたメモリ32でもよい。
また、上記の実施形態に係るMFP10の装置プログラム35は、アドレス情報を出力するトリガを検出する検出処理と、検出処理でトリガを検出したことに応じて、予め定められたセキュリティレベルに従って、アドレス情報の出力を許可するか否かを判断する判断処理と、判断処理で許可すると判断したことに応じて、サーバ70に記憶されたアドレス情報で示される連絡先を、シートに対してプリンタ11に記録させるプリント処理とを実行すると言い換えることができる。
そして、装置プログラム35は、検出処理で第1トリガを検出したことに応じて(S21:Yes)、第1セキュリティレベルに従って判断処理を実行する。第1トリガは、例えば、検出部27を通じて災害の発生を検出したことに対応する。第1セキュリティレベルは、例えば、アドレスシートを取得する可能性のあるユーザの認証が必要ないセキュリティレベルである。
また、装置プログラム35は、検出処理で第2トリガを検出したことに応じて(S31:Yes)、第1セキュリティレベルより高い第2セキュリティレベルに従って判断処理を実行する。第2トリガは、第1トリガの検出後にアドレス情報の出力を指示する指示操作を受け付けたことに対応する。第2セキュリティレベルは、例えば、アドレスシートを取得する可能性のあるユーザの認証が必要なセキュリティレベルである。より詳細には、組織アドレスリストに登録された電話番号が入力された場合にのみ、アドレスシートの出力が許可されるセキュリティレベルである。
さらに、装置プログラム35は、検出処理で第3トリガを検出したことに応じて、第2セキュリティレベルより高い第3セキュリティレベルに従って判断処理を実行する。第3トリガは、第1トリガの検出前に指示操作を受け付けたことに対応する。第3セキュリティレベルは、例えば、アドレスシートの出力を許可しないセキュリティレベルである。
さらに、上記の実施形態に係るMFP10の装置プログラム35は、アドレス情報を出力するトリガを検出する検出処理と、検出処理でトリガを検出したことに応じて、サーバ70に記憶された複数のアドレス情報のうち、予め定められた抽出条件に合致するアドレス情報を抽出する抽出処理と、抽出処理で抽出したアドレス情報で示される連絡先を、シートに対してプリンタ11に記録させるプリント処理とを実行すると言い換えることができる。
そして、装置プログラム35は、検出処理で第1トリガを検出した場合の抽出処理において、S22の抽出条件に合致するアドレス情報を抽出する。また、装置プログラム35は、検出処理で第2トリガを検出した場合の抽出処理において、S22の抽出条件と異なるS36の抽出条件に合致するアドレス情報を抽出する。さらに、装置プログラム35は、検出処理で第3トリガを検出した場合の抽出処理において、アドレス情報を抽出しない。
また、上記の実施形態のMFP10及び携帯端末50において、メモリ32、62に記憶された各種プログラムがCPU31、61によって実行されることによって、本発明のントローラが実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、コントローラの構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路等のハードウェアで実現してもよい。
さらに、本発明は、MFP10及び携帯端末50として実現できるだけでなく、MFP10及び携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワークを通じてMFP10及び携帯端末50に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワークを通じて配信されてもよい。