JP6783467B2 - 吸熱式冷却機構、吸熱式遺体冷却装置 - Google Patents
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Description
また、冷却プレートと、熱電子冷却素子と、放熱ブロックとを備えた冷却装置が知られている(例えば、特許文献2)。
また、上述した従来の冷却装置は、冷却プレートが、単に、厚みが均一な構造であったため、被冷却物の内部を冷却することが困難であるという問題があった。
さらに、伝熱部材の剛性も高まるため、被冷却物の重量が大きい場合でも支持しながら冷却することができる。
また、被冷却物の上側からドライアイスで被冷却物を冷却する場合と比べて、短い時間で被冷却物の内部の熱が伝熱部材を介してヒートシンクから放熱されるため、短い時間で被冷却物を冷却して例えば細菌の繁殖を抑制し、被冷却物の良好な状態を保つことができる。
つまり、被冷却物の表面が凍ってしまうことも変色することもない。
さらに、ドライアイスを使用した場合と比べて、二酸化炭素の発生量を大幅に低減して環境問題に大きく貢献でき、費用も大幅に低減できる。
さらに、伝熱部材の剛性も高まるため、遺体の重量が大きい場合でも支持しながら冷却することができる。
また、遺体の胸側からドライアイスで遺体を冷却する場合と比べて、短い時間で遺体の内部の内臓の熱が伝熱部材を介してヒートシンクから放熱されるため、短い時間で遺体を冷却して細菌の繁殖を抑制し、遺体の良好な状態を保つことができる。
つまり、遺体の表面が凍ってしまうことも変色することもない。
さらに、ドライアイスを使用した場合と比べて、二酸化炭素の発生量を大幅に低減して環境問題に大きく貢献でき、費用も大幅に低減できる。
また、本発明の吸熱式遺体冷却装置は、遺体に対して下方から接触するとともに支持する伝熱部材と、熱電子冷却素子を有して吸熱側を伝熱部材と接触させた熱電子冷却ユニットと、熱電子冷却ユニットの発熱側と接触するヒートシンクとを備え、伝熱部材が、水平方向に延設されて遺体と接触する接触部と、接触部から下方に延設された支持部とを有してT字状に形成され、T字正面視の支持部における上方部分の幅が、支持部における下方部分の幅よりも広く形成されていることにより、効率よくスムーズに遺体の熱を伝導して冷却効果を十分に高めるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
また、熱電子冷却ユニットは、ペルチェ素子などの熱電子冷却素子を備え、吸熱側と発熱側とを有する構造であれば如何なるものであっても構わない。
ここで、図1は、本発明の第1実施例の吸熱式遺体冷却装置100を示す全体概略斜視図であり、図2は、図1に示す符号2から視た概略側方図であり、図3は、吸熱式冷却機構CLを示す斜視図であり、図4(A)は、図3に示す符号4Aから視た正面図であり、図4(B)は、図3に示す符号4Bから視た側方図であり、図5(A)は、胴体用伝熱部材110Aの正面図であり、図5(B)は、頭用伝熱部材110Bの正面図であり、図6(A)は、図3に示す符号6Aから視たペルチェユニット130の正面透視図であり、図6(B)は、図6(A)に示す符号6B−6Bから視た内部図である。
このうち、安置台160は、天板161と、天板161より下方に設けられた側板162とを有している。
また、台車部170は、安置台160の下方に設けられ、安置台160を移動自在にするために複数のキャスター171を備えている。
天板161の裏面には、下方に延びた支柱部163が設けられている。
吸熱式冷却機構CLは、一例として、遺体の頭用に1つ、胴体用に3つ設けられている。
頭用と胴体用とは、吸熱式冷却機構CLを構成する伝熱部材110およびゴム製台座120の形状が異なるだけであるので、先に胴体用のものを説明し、後に異なる形状箇所について説明する。
このうち、伝熱部材110は、遺体に対して下方から接触するとともに支持するように構成されている。
具体的に、伝熱部材110は、ゴム製台座120にはめ込まれて、天板161の上に配設されている(図1および図2参照)。
そして、ペルチェユニット130の吸熱側が、伝熱部材110の下端面と隙間なく接触している。
ここで、ペルチェユニット130の吸熱側の面と、伝熱部材110の下端面との間に空気が入らないように、シリコーングリースなどを塗って熱抵抗を下げるようにしてもよい。
これにより、ペルチェユニット130の吸熱側の面と、伝熱部材110の下端面との間の密着性がよくなり、熱伝導がよくなる。
放熱用吸気ファン150は、ヒートシンク140の下方に配設され、放熱用吸気ファン150より上方でヒートシンク140に触れている空気を吸引して下方の側板162の内側へ排出して、ヒートシンク140の熱を放出させるように構成されている。
さらに、T字正面視の支持部112における上方部分112aの幅W1が、支持部112における下方部分112bの幅W2よりも広く形成されている。
つまり、上方に行くに従って徐々に幅広になるように支持部112の側方面が支持部112の延設方向(鉛直方向)に対して傾斜した傾斜部分112cが、支持部112における接触部側に形成されている。
その結果、効率よくスムーズに遺体の熱を伝導して冷却効果を十分に高めることができる。
さらに、伝熱部材110の剛性も高まる。
その結果、遺体の重量が大きい場合でも支持しながら冷却することができる。
なお、T字正面視の伝熱部材110の接触部111の厚みは、十分な蓄熱効果を得るために8mm〜15mm程度であることが望ましい。
また、厚くしすぎると、重量が重くなる。
このうち、ヒートシンクベース部141は、ペルチェユニット130の発熱側と接触している。
また、フィン部142は、ヒートシンクベース部141から下方に向かって突出するとともに水平方向に延設されている。
本実施例では、一例として、フィン部142が、18本形成されている。
また、フィン部142の延設方向D(長尺方向)は、吸熱式遺体冷却装置100の幅方向でもある。
これにより、放熱用吸気ファン150を中心としてフィン部142の延設方向Dに沿ってフィン部142の両端側から中心に向かって気流が発生する。
その結果、フィン部142の延設方向Dのどちらか一方に偏りなく熱を放出させることができる。
つまり、フィン部142の延設方向Dにおいて偏った位置に放熱用吸気ファン150が設置された場合と比べて効率よく熱を放出させることができる。
また、吸気量と排気量とが同じになり、熱交換の効率が高まる。
これにより、ペルチェユニット130の発熱側から発せられる熱が先ずヒートシンクベース部141に一時的に蓄熱されてからフィン部142に伝導してフィン部142から放熱される。
その結果、ペルチェユニット130の発熱側に熱が溜まってしまうことを回避できる。
言い換えると、貫通穴113が、支持部112における鉛直方向で傾斜部分112cから傾斜していない部分112dにまたがるようにして、幅方向中央に形成されている。
これにより、幅広箇所の肉厚が貫通穴113の分だけ小さくなって過剰な蓄熱がなくなる。
その結果、接触部111から支持部112の幅広箇所を介して支持部112の下端までの熱伝導をよくすることができる。
これにより、放熱用吸気ファン150によって側板162の内側に放たれる熱気(図4(A)参照)が、側板162の上端162aと天板161との間から側板162の外側へ逃げる。
その結果、側板162の内側に熱が溜まることを回避して効率よく遺体を冷却することができる。
また、安置台160の外部の空気が、隙間Sから安置台160の内部のヒートシンク140に取り込まれるため、ヒートシンク140の放熱効果をより高めて、遺体をより一層効果的に冷却することができる。
頭用伝熱部材110Bの高さは、胴体用伝熱部材110Aの高さと比べて高く設けられている。
これは、寝るときの枕と同様、少し頭の位置を高くするためである。
また、頭用伝熱部材110Bの幅は、胴体用伝熱部材110Aの幅と比べて狭く設けられている。
これは、胴体より頭の方が幅を必要としないからである。
このうち、ペルチェ素子131は、リード線134と接続され、ペルチェ素子131の吸熱側および発熱側の両方にはセラミック面(図示せず)が形成されている。
ペルチェ素子131に電流が流れると、ペルチェ素子131の吸熱側で吸熱現象が発生し、ペルチェ素子131の発熱側で発熱現象が発生するように構成されている。
発熱側金属133は、ペルチェ素子131の発熱側と隙間なく面接触して配設されている。
樹脂製ケース135は、ペルチェ素子131と、吸熱側金属132の一部とを覆うとともに、発熱側金属133に接着されている。
シリコーンシール材136は、樹脂製ケース135の内部の隙間をなくすために樹脂製ケース135の内部に充填されて、シリコーンシール材136の一部が樹脂製ケース135から出ている。
さらに、衝撃を受けた場合であっても、シリコーンシール材136が弾性変形して衝撃を吸収するため、ペルシェユニットは、衝撃に耐えることができる。
また、仮に、吸熱側で結露が生じた場合であっても、樹脂製ケース135の内部に水分が入らないため、ペルチェ素子131が破損してしまうことを回避できる。
これにより、伝熱部材110と、吸熱側金属132との間に隙間が生じにくくなる。
また、ペルチェユニット130の発熱側金属133および樹脂製ケース135が一体となって、ヒートシンク140のヒートシンクベース部141にネジ留めされる構成である。
これにより、ヒートシンクベース部141と、発熱側金属133との間に隙間が生じにくくなる。
さらに、ペルチェ素子131に対して応力が加わりにくくなるため、応力によってペルチェ素子131が破損してしまうことを回避することができる。
つまり、伝熱部材110、吸熱側金属132、発熱側金属133、ヒートシンク140の熱膨張・熱収縮による応力をペルチェ素子131が受けにくくなるため、ペルチェ素子131の破損を回避できる。
特に、従来の伝熱部材とヒートシンクとが互いにネジ留めされてペルチェユニットを挟み込んだ構造と比べて、本実施例では、ペルチェ素子131への負担が大幅に低減されるため、ペルチェ素子131の寿命を大幅に長くすることができる。
このとき、マット(専用ふとん)において、伝熱部材110およびゴム製台座120と対応する位置に、伝熱部材110およびゴム製台座120を挿通させる挿通穴を配設するのは、言うまでもない。
さらに、T字正面から背面に向かって貫通した貫通穴113が、T字正面視の支持部112における少なくとも幅広箇所範囲の一部の幅方向中央に形成されていることにより、接触部111から支持部112の幅広箇所を介して支持部112の下端までの熱伝導をよくすることができる。
また、遺体の安置台160を構成する天板161と、天板161より下方に設けられた側板162とを備え、伝熱部材110の接触部111が、天板161から上方に突出して配設され、ヒートシンク140が、天板161より下方に配設されているとともに、側板162の上端162aと天板161との間に隙間Sが設けられていることにより、側板162の内側に熱が溜まることを回避して効率よく遺体を冷却することができるなど、その効果は甚大である。
ここで、図7(A)は、本発明の第2実施例の吸熱式遺体冷却装置200を示す全体概略平面図であり、図7(B)は、図7(A)に示す符号7Bから視た全体概略側面図である。
第2実施例の吸熱式遺体冷却装置200は、第1実施例の吸熱式遺体冷却装置100の安置台160の形状を変更して天板を3つに分割して連結・切り離し自在にしたものであり、多くの要素について第1実施例の吸熱式遺体冷却装置100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
第1天板261A、第2天板261B、第3天板261Cの裏面には、それぞれ脚部264が設けられている。
同様に、第2天板261Bの裏面における第1天板側には、マグネット265が設けられている。
これにより、第1天板261Aと、第2天板261Bとが、連結・切り離し自在に構成される。
同様に、第3天板261Cの裏面における第2天板側には、マグネット265が設けられている。
これにより、第2天板261Bと、第3天板261Cとが、連結・切り離し自在に構成される。
他方、使用しないとき、第1天板261A、第2天板261B、第3天板261Cのそれぞれを切り離して、コンパクトにして、収納することができる。
なお、一対のマグネット265の一方のみをマグネット265にするとともに他方をマグネット265の磁力を受けやすい金属にしてもよい。
また、幅方向両側にマグネットをそれぞれ配設したが、幅方向中央に配設してもよい。
110、 210 ・・・ 伝熱部材
110A、210A・・・ 胴体用伝熱部材
110B、210B・・・ 頭用伝熱部材
111 ・・・ 接触部
112 ・・・ 支持部
112a ・・・ 上方部分
112b ・・・ 下方部分
112c ・・・ 傾斜部分
112d ・・・ 傾斜していない部分
113 ・・・ 貫通穴
120、 220 ・・・ ゴム製台座
130 ・・・ ペルチェユニット(熱電子冷却ユニット)
131 ・・・ ペルチェ素子(熱電子冷却素子)
132 ・・・ 吸熱側金属
133 ・・・ 発熱側金属
134 ・・・ リード線
135 ・・・ 樹脂製ケース
136 ・・・ シリコーンシール材
140、 240 ・・・ ヒートシンク
141 ・・・ ヒートシンクベース部
142 ・・・ フィン部
150、 250 ・・・ 放熱用吸気ファン
160、 260 ・・・ 安置台
161 ・・・ 天板
261A・・・ 第1天板
261B・・・ 第2天板
261C・・・ 第3天板
162 ・・・ 側板
162a ・・・ 上端
163 ・・・ 支柱部
264 ・・・ 脚部
265 ・・・ マグネット
170 ・・・ 台車部
171 ・・・ キャスター
CL ・・・ 吸熱式冷却機構
S ・・・ 隙間
D ・・・ フィン部の延設方向(長尺方向)
W1 ・・・ 支持部の上方部分の幅
W2 ・・・ 支持部の下方部分の幅
Claims (4)
- 被冷却物に対して下方から接触するとともに支持する伝熱部材と、熱電子冷却素子を有して吸熱側を伝熱部材と接触させた熱電子冷却ユニットと、前記熱電子冷却ユニットの発熱側と接触するヒートシンクとを備えて被冷却物から熱を吸収して被冷却物を冷却する吸熱式冷却機構において、
前記伝熱部材が、水平方向に延設されて被冷却物と接触する接触部と、前記接触部から下方に延設された支持部とを有してT字状に形成され、
前記電子冷却ユニットの吸熱側が、前記支持部に接触され、
T字正面視の支持部における上方部分の幅が、前記支持部における下方部分の幅よりも広く形成され、
前記ヒートシンクが、前記熱電子冷却ユニットの発熱側と接触するヒートシンクベース部と、前記ヒートシンクベース部から下方に向かって突出するとともに水平方向に延設された複数のフィン部とを有し、
前記ヒートシンクベース部の厚みが、6mm以上であり、
前記T字正面から背面に向かって貫通した貫通穴が、前記T字正面視の支持部における少なくとも幅広箇所範囲の一部の幅方向中央に形成されていることを特徴とする吸熱式冷却機構。 - 前記ヒートシンクの熱を放出させる放熱用吸気ファンが、前記フィン部の下方、かつ、水平方向においてフィン部の延設範囲の中央位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の吸熱式冷却機構。
- 遺体に対して下方から接触するとともに支持する伝熱部材と、熱電子冷却素子を有して吸熱側を伝熱部材と接触させた熱電子冷却ユニットと、前記熱電子冷却ユニットの発熱側と接触するヒートシンクとを備えて遺体から熱を吸収して遺体を冷却する吸熱式遺体冷却装置において、
前記伝熱部材が、水平方向に延設されて遺体と接触する接触部と、前記接触部から下方に延設された支持部とを有してT字状に形成され、
前記電子冷却ユニットの吸熱側が、前記支持部に接触され、
T字正面視の支持部における上方部分の幅が、前記支持部における下方部分の幅よりも広く形成され、
前記ヒートシンクが、前記熱電子冷却ユニットの発熱側と接触するヒートシンクベース部と、前記ヒートシンクベース部から下方に向かって突出するとともに水平方向に延設された複数のフィン部とを有し、
前記ヒートシンクベース部の厚みが、6mm以上であり、
前記T字正面から背面に向かって貫通した貫通穴が、前記T字正面視の支持部における少なくとも幅広箇所範囲の一部の幅方向中央に形成されていることを特徴とする吸熱式遺体冷却装置。 - 前記遺体の安置台を構成する天板と、前記天板より下方に設けられた側板とを備え、
前記伝熱部材の接触部が、前記天板から上方に突出して配設され、
前記ヒートシンクが、前記天板より下方に配設されているとともに、
前記側板の上端と天板との間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の吸熱式遺体冷却装置。
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JP2017053390A JP6783467B2 (ja) | 2017-03-17 | 2017-03-17 | 吸熱式冷却機構、吸熱式遺体冷却装置 |
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