JP6782971B2 - 磁場生成装置、測定セル、分析装置、及び粒子分離装置 - Google Patents

磁場生成装置、測定セル、分析装置、及び粒子分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁場生成装置、測定セル、分析装置、及び粒子分離装置に関する。
本発明者等は、過去に、粒子pの体積磁化率を測定する磁化率測定装置を開発した(特許文献1参照)。この磁化率測定装置は、磁気泳動発生部を備える。磁気泳動発生部は、2つの磁石と、2つの磁石を収容する筐体とを備える。筐体は、2つの収容部と、2つの連結部とからなる。2つの収容部は磁石を1つずつ収容する。2つの連結部は、2つの収容部間に空隙が形成されるように、2つの収容部を連結する。
粒子pを磁気泳動させるには、磁束密度が数T(テスラ)の強い磁場を発生させる必要がある。また、2つの収容部間の空隙の幅を0.4mm以上1mm以下の短い幅に設定して、大きな磁場勾配(磁束密度の勾配)を発生させる必要がある。2つの連結部は、2つの収容部間の空隙の幅(2つの磁石間の距離)が維持されるように、2つの収容部を堅固に固定する。
特開2013−253882号公報
粒子pの体積磁化率を算出するには、粒子pを磁気泳動させて、磁気泳動速度を取得する必要がある。磁気泳動速度は、粒子pの粒子径に依存する。具体的には、磁気泳動速度は、粒子pの半径に依存する。したがって、粒子pの磁気泳動速度を検出するには、粒子pの粒子径に応じて、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を調整する必要がある。例えば、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値が同じ値であっても、粒子径が数百μm程度の大きな粒子pは、粒子径が1nm以上1μm未満のナノスケールの粒子pと比べて磁気泳動速度が顕著に速くなる。この結果、大きな粒子pの磁気泳動速度は、検出が困難になる可能性がある。よって、大きな粒子の分析時には、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を小さくする必要がある。
特許文献1に記載の磁化率測定装置において、2つの連結部は、2つの磁石間の距離を固定する磁石間距離固定治具である。2つの収容部は2つの連結部によって堅固に固定されている。したがって、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値は調整できない。このため、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値が異なる複数種類の磁気泳動発生部を予め用意しておき、磁気泳動速度を検出することが可能な磁気泳動発生部を探し当てる必要がある。換言すると、磁石を変更して、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を調整する必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、磁石を変更することなく磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を制御することができる新規な磁場生成装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、新規な磁場生成装置に用いられる測定セル、及び新規な磁場生成装置を備えた分析装置を提供することを目的とする。更に、本発明は、新規な磁場生成装置を用いて構成される粒子分離装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁場生成装置は、第1磁石と、第2磁石と、位置調整機構とを備える。前記第2磁石は、前記第1磁石と共に磁場を発生させる。前記位置調整機構は、前記第1磁石の位置を調整する。前記磁場生成装置は、前記位置調整機構による前記第1磁石の位置の調整を介して、前記磁場における磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を制御する。
ある実施形態では、前記第1磁石と前記第2磁石との間の空間が、その外部の空間に、前記第1磁石と前記第2磁石とが並ぶ方向を除いて開放されている。
ある実施形態において、前記位置調整機構は、万力と、移動ステージとを含む。前記万力は、前記移動ステージの一部、又は前記第1磁石を把持する。
ある実施形態において、前記磁場生成装置は、第1突出片と、第2突出片とを更に備える。前記第1突出片は、前記第1磁石の前記第2磁石に近い側の面から突出する。前記第2突出片は、前記第2磁石の前記第1磁石に近い側の面から突出する。
ある実施形態において、前記第1突出片及び前記第2突出片は、ポールピースである。
本発明に係る測定セルは、第1係合部と、第2係合部とを備える。前記第1係合部は、上記した磁場生成装置が備える前記第1突出片に係合する。前記第2係合部は、上記した磁場生成装置が備える前記第2突出片に係合する。前記測定セルは、前記第1突出片に前記第1係合部が係合し、且つ前記第2突出片に前記第2係合部が係合することによって、前記第1突出片及び前記第2突出片に支持される。
本発明に係る分析装置は、泳動部と、検出部と、演算部とを備える。前記泳動部は、流路内で測定対象を泳動させる。前記検出部は、前記流路内での前記測定対象の動きを検出する。前記演算部は、前記検出部が検出した前記測定対象の動きから、前記測定対象の移動速度を取得する。前記泳動部は、上記した磁場生成装置を含む。前記検出部は、前記磁場生成装置が生成する前記磁場によって磁気泳動している前記測定対象の動きを検出する。前記演算部は、前記検出部が検出した磁気泳動中の前記測定対象の動きから、前記測定対象の磁気泳動速度を取得する。前記演算部は、前記測定対象の半径と前記磁気泳動速度とから前記測定対象の体積磁化率を取得する。
ある実施形態において、前記磁場生成装置の前記位置調整機構は、前記測定対象が磁気泳動しない位置まで前記第1磁石を前記第2磁石から離す。
ある実施形態において、前記泳動部は、電場生成装置を更に含む。前記電場生成部は、前記測定対象を電気泳動させる電場を生成する。
ある実施形態において、前記検出部は、磁気泳動中の前記測定対象の動きを検出する領域と同じ領域において、電気泳動中の前記測定対象の動きを検出する。前記演算部は、前記検出部が検出した電気泳動中の前記測定対象の動きから、前記測定対象の電気泳動速度を取得する。前記演算部は、前記電気泳動速度から前記測定対象のゼータ電位を取得する。
ある実施形態において、前記検出部は、前記測定対象が磁気泳動する領域に含まれる2カ所の領域において前記測定対象の動きを検出する。
ある実施形態において、前記演算部は、前記2カ所の領域のうちの一方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第1移動速度を取得するとともに、前記2カ所の領域のうちの他方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第2移動速度を取得する。
ある実施形態において、前記演算部は、前記第1移動速度と前記第2移動速度との差、並びに、前記一方の領域と前記他方の領域との間の前記磁束密度と磁束密度の勾配との積の値の差に基づいて、前記測定対象の体積磁化率を取得する。
ある実施形態では、前記流路が鉛直方向に沿って延びている。前記演算部は、前記測定対象の半径と前記体積磁化率とに基づいて、前記一方の領域又は前記他方の領域における前記測定対象の磁気泳動速度を取得する。前記演算部は、前記第1移動速度又は前記第2移動速度と、前記一方の領域又は前記他方の領域における前記測定対象の磁気泳動速度とに基づいて、前記測定対象の重力沈降速度を取得する。前記重力沈降速度は、前記測定対象が重力場由来の力を受けて沈降する速度を示す。
ある実施形態において、前記演算部は、前記重力沈降速度から前記測定対象の比重又は質量を取得する。
ある実施形態において、前記磁場生成装置の前記位置調整機構は、前記測定対象が磁気泳動しない位置まで前記第1磁石を前記第2磁石から離す。
ある実施形態において、前記泳動部は、電場生成装置を更に含む。前記電場生成装置は、前記測定対象を電気泳動させる電場を生成する。
ある実施形態において、前記検出部は、前記2カ所の領域と同じ領域において、電気泳動中の前記測定対象の動きを検出する。前記演算部は、前記第1移動速度と前記第2移動速度との差から、前記測定対象の電気泳動速度を取得する。前記演算部は、前記電気泳動速度から前記測定対象のゼータ電位を取得する。
ある実施形態において、前記泳動部は、前記磁場生成装置を2つ含む。
ある実施形態において、前記2つ磁場生成装置は、前記磁束密度と磁束密度の勾配との積の値が互いに異なる2つの磁場を生成する。
ある実施形態において、前記検出部は、前記磁場が生成された2カ所の領域において、磁気泳動中の前記測定対象の動きを検出する。
ある実施形態において、前記演算部は、前記2カ所の領域のうちの一方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第1移動速度を取得するとともに、前記2カ所の領域のうちの他方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第2移動速度を取得する。
ある実施形態において、前記演算部は、前記第1移動速度と前記第2移動速度との差、及び、前記2カ所の領域の間の前記磁束密度と磁束密度の勾配との積の値の差に基づいて、前記測定対象の体積磁化率を取得する。
ある実施形態では、前記流路が鉛直方向に沿って延びている。前記演算部は、前記測定対象の半径と前記体積磁化率とに基づいて、前記2つの磁場のうちの一方の磁場に応じた前記測定対象の磁気泳動速度を取得する。前記演算部は、前記第1移動速度又は前記第2移動速度と、前記2つの磁場のうちの一方の磁場に応じた前記測定対象の磁気泳動速度とに基づいて、前記測定対象の重力沈降速度を取得する。前記重力沈降速度は、前記測定対象が重力場由来の力を受けて沈降する速度を示す。
ある実施形態において、前記演算部は、前記重力沈降速度から前記測定対象の比重又は質量を取得する。
ある実施形態において、前記2つの磁場生成装置の前記位置調整機構は、前記測定対象が磁気泳動しない位置まで前記第1磁石を前記第2磁石から離す。
ある実施形態において、前記泳動部は、電場生成装置を更に含む。前記電場生成装置は、前記測定対象を電気泳動させる電場を生成する。
ある実施形態において、前記検出部は、前記磁場が生成される領域と同じ2カ所の領域において、電気泳動中の前記測定対象の動きを検出する。前記演算部は、前記第1移動速度と前記第2移動速度との差から、前記測定対象の電気泳動速度を取得する。前記演算部は、前記電気泳動速度から前記測定対象のゼータ電位を取得する。
本発明に係る粒子分離装置は、第1磁石と、第2磁石と、位置調整機構とを備える。前記第2磁石は、前記第1磁石と共に磁場を発生させる。前記位置調整機構は、前記第1磁石の位置を調整する。前記位置調整機構は3軸ステージを含む。前記粒子分離装置は、前記位置調整機構による前記第1磁石の位置の調整を介して、前記磁場にゆがみを発生させる。
本発明によれば、磁石を変更することなく磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を調整することができる。
本発明の実施形態1に係る磁場生成装置を示す斜視図である。 (a)は図1に示す磁場生成装置の平面図であり、(b)は図1に示す磁場生成装置の正面図である。 図1に示す磁場生成装置の他の状態を示す正面図である。 (a)及び(b)は粒子の磁気泳動の挙動を示す図である。 本発明の実施形態1に係る分析装置の構成の一部を示す図である。 本発明の実施形態2に係る磁場生成装置の一部を示す平面図である。 本発明の実施形態3に係る分析装置の構成の一部を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る磁場生成装置の正面図である。 本発明の実施形態4に係る磁場生成装置の一部を示す正面図である。 本発明の実施形態4に係る分析装置の構成の一部を示す図である。 本発明の実施形態5に係る分析装置が備える2つの磁場生成装置を示す平面図である。 本発明の実施形態5に係る分析装置の構成の一部を示す図である。 本発明の実施形態6に係る分析装置が備える2つの磁場生成装置を示す正面図である。 本発明の実施形態6に係る分析装置の構成の一部を示す図である。 (a)は本発明の実施形態7に係る測定セルを示す平面図であり、(b)は本発明の実施形態7に係る測定セルを示す断面図である。 本発明の実施形態8に係る粒子分離装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態8に係る測定セルを示す図である。 本発明の他の実施形態に係る分析装置の構成の一部を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[実施形態1]
まず、図1〜図5を参照して、本発明の磁場生成装置及び分析装置に係る実施形態(実施形態1)について説明する。図1は、実施形態1に係る磁場生成装置100を示す斜視図である。磁場生成装置100は、第1磁石1と、第2磁石2と、第1突出片3と、第2突出片4と、位置調整機構5と、固定部材6とを備える。本実施形態では、磁場生成装置100は固定台座7に設置される。
第1磁石1及び第2磁石2は永久磁石であり、互いに異なる極性を有する。例えば、第1磁石1はN極磁石であり、第2磁石2はS極磁石である。したがって、第1磁石1と第2磁石2とによって磁場が発生する。
第1突出片3は、第1磁石1の第2磁石2に近い側の面から突出する。第2突出片4は、第2磁石2の第1磁石1に近い側の面から突出する。第1突出片3と第2突出片4とは互いに対向する。
本実施形態において、第1突出片3及び第2突出片4はいずれも磁性体から形成されている。したがって、第1突出片3及び第2突出片4はいずれもポールピースである。以下、第1突出片3を第1ポールピース3aと記載するとともに、第2突出片4を第2ポールピース4aと記載する場合がある。
第1ポールピース3aは、第1磁石1の周囲に巻かれた鉄板(図示せず)と接続し、第2ポールピース4aは、第2磁石2の周囲に巻かれた鉄板(図示せず)と接続している。第1ポールピース3a及び第2ポールピース4aを使用することにより、強い磁場及び大きな磁場勾配(磁束密度の勾配)を容易に生成することができる。
位置調整機構5は第1磁石1を保持し、固定部材6は第2磁石2を保持する。固定部材6は、例えば、第2磁石2を把持する万力を含み得る。位置調整機構5及び固定部材6はいずれも固定台座7上に配置(固定)される。第1磁石1及び第1ポールピース3aは、位置調整機構5を介して固定台座7に固定され、第2磁石2及び第2ポールピース4aは、固定部材6を介して固定台座7に固定される。本実施形態では、y方向に沿って第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)とが対向するように位置調整機構5及び固定部材6が配置されており、第1磁石1と第2磁石2との間の空間は、その外部の空間に、第1磁石1と第2磁石2とが並ぶ方向(y方向)を除いて開放されている。
位置調整機構5は、第2ポールピース4a(第2磁石2)に対する第1ポールピース3a(第1磁石1)の位置を調整する。具体的には、位置調整機構5は、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間の距離を調整する。位置調整機構5による第1ポールピース3a(第1磁石1)の位置の調整を介して、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値の制御が可能となる。
位置調整機構5は、万力8と、移動ステージ9とを含む。万力8は第1磁石1を把持する。万力8は移動ステージ9に固定される。万力8を使用することにより、磁束密度が数T(テスラ)の磁場を発生させた状態であっても、第1ポールピース3a(第1磁石1)の位置の調整を容易に行うことができる。
好ましくは、万力8は、マイクロメーター付きの万力である。換言すると、第1磁石1を保持する治具は、微動距離可変治具であることが好ましい。第1磁石1を保持する治具に微動距離可変治具を使用することで、第1磁石1を治具に保持させる作業が容易になる。なお、第1磁石1を保持する治具は万力8に限定されるものではない。第1磁石1を保持する治具は、磁束密度が数Tの磁場を発生させた状態において第1磁石1を保持できる治具であれば、特に限定されない。
移動ステージ9は2軸ステージ(所謂XYステージ)であり、第1ステージ9aと第2ステージ9bとを含む。万力8は第2ステージ9bに固定される。第1ステージ9aはy方向に移動する。この結果、第2ステージ9b(万力8)がy方向に移動する。換言すると、第1磁石1及び第1ポールピース3aがy方向に移動する。第2ステージ9bはx方向に移動する。この結果、万力8がx方向に移動する。換言すると、第1磁石1及び第1ポールピース3aがx方向に移動する。
第1ステージ9aは、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間の距離を調整する。第2ステージ9bは、第2ポールピース4a(第2磁石2)に対する第1ポールピース3a(第1磁石1)のx方向の位置を調整する。第1ポールピース3a(第1磁石1)のx方向の位置を調整することにより、磁気泳動に適した磁力線を発生させることができる。本実施形態によれば、磁気泳動に適した磁力線の発生に移動ステージ9を用いることができる。したがって、磁気泳動に適した磁力線を容易に発生させることができる。
好ましくは、移動ステージ9(第1ステージ9a及び第2ステージ9b)は、マイクロメーター付きのマイクロステージ(精密ステージ又は微動ステージ)である。換言すると、第1ステージ9a及び第2ステージ9bは、マイクロメートル単位(マイクロメートルオーダー)で移動することが好ましい。移動ステージ9にマイクロメーター付きのマイクロステージを用いることにより、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を、測定対象に応じて、より精度よく制御することができる。また、磁力線をより高い精度で制御することが可能となる。
図2(a)は、図1に示す磁場生成装置100の平面図である。図2(a)に示すように、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間に測定セル10が配置される。図2(b)は、図1に示す磁場生成装置100の正面図である。図2(b)は、測定セル10の断面を示している。なお、図2(a)及び図2(b)は、粒子pの体積磁化率の測定時における磁場生成装置100の状態を示している。
測定セル10は、流路10aを有する。測定セル10の流路10aに、溶媒mに粒子pが分散された溶液sが導入される。磁場生成装置100は、磁場(磁束密度の勾配)により、粒子pを所定の方向に移動させる。
本実施形態において、測定セル10は管状部材である。具体的には、測定セル10の流路10aはキャピラリである。例えば、測定セル10は、その長手方向(軸方向)に直交する断面が略0.3mm角の略正方形状に構成される。測定セル10の流路10aは、その長手方向(軸方向)に直交する断面が略0.1mm角の略正方形状に構成される。測定セル10の材料は、例えば、石英ガラスのようなガラス素材、又は、アクリル樹脂のような樹脂である。
測定セル10は、その長軸がx方向に沿うように、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間に配置される。換言すると、測定セル10は、水平に配置される。
図示しないが、測定セル10は溶液sの流入口及び排出口を有する。流入口及び排出口は流路10aに連通する。測定セル10は、毛細管現象により、溶液sを流路10a内に導入することができる。
測定セル10の流入口及び排出口は、溶液sが毛細管現象によって流路10a内に吸い込まれた後に、例えば接着剤又はワセリンによって塞がれる。詳しくは、測定セル10に溶液sを導入して、流路10a内の気泡が抜けた後に、測定セル10の流入口及び排出口が封止される。
測定セル10は、溶液sが平衡状態に達した後に、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間に配置される。測定セル10は、測定セル10の流入口及び排出口が封止された後に、測定セル10の流路10a内において粒子pが分散するように、揺する等されてもよい。
なお、測定セル10(キャピラリ)は、粒子pを観測する領域を除いて、曲がった形状を有してもよい。また、測定セル10及び流路10aの断面形状は矩形状に限定されない。例えば、測定セル10及び流路10aの断面形状は円形状であり得る。また、測定セル10は、管状部材(キャピラリ)に限定されない。測定セル10は、例えば、溶液sが導入される流路が形成されたガラス製の板状部材であり得る。
粒子pの体積磁化率の測定時には、粒子pの磁気泳動速度を検出できるように、第1ポールピース3a(第1磁石1)の位置が調整される。詳しくは、粒子pの磁気泳動速度を検出できるように、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間の距離が調整される。粒子pは、生成された磁場(磁束密度のx方向の勾配)によって、x方向に沿って移動する。
図3は、図1に示す磁場生成装置100の他の状態を示す正面図である。詳しくは、図3は、粒子pのゼータ電位の測定時における磁場生成装置100の状態を示している。図3に示すように、粒子pのゼータ電位の測定時には、位置調整機構5によって、第1ポールピース3a(第1磁石1)が第2ポールピース4a(第2磁石2)から離される。具体的には、粒子pが磁場(磁束密度の勾配)によって磁気泳動しない位置まで、第1ポールピース3a(第1磁石1)が第2ポールピース4a(第2磁石2)から遠ざかるように、第1ステージ9aがy方向に沿って移動する。
続いて、図4(a)及び図4(b)を参照して、粒子pの磁気泳動の挙動を説明する。図4(a)及び図4(b)は、粒子の磁気泳動の挙動を示す図である。
図4(a)に示すように、粒子pの体積磁化率が溶媒mの体積磁化率よりも小さい場合、粒子pは磁場から遠ざかる方向(−x方向)に移動する。一方、図4(b)に示すように、粒子pの体積磁化率が溶媒mの体積磁化率よりも大きい場合、粒子pは磁場に近づく方向(+x方向)に移動する。粒子pの磁気泳動速度は、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値によって変化する。なお、粒子pは磁石(ポールピース)の端部の近傍において力を受ける。例えば、粒子pは磁石(ポールピース)の端部から±200μm程度の範囲で力を受ける。
続いて図5を参照して、実施形態1に係る分析装置101について説明する。図5は、実施形態1に係る分析装置101の構成の一部を示す図である。分析装置101は、図1〜図4を参照して説明した磁場生成装置100を備える。分析装置101は、更に、レーザー光源11、検出部12、演算部13、第1電極14、第2電極15、電源16、及び光源17を備える。
分析装置101において、第1電極14、第2電極15、及び電源16は、電場生成装置を構成する。電場生成装置は、測定対象である粒子pを電気泳動させる電場を生成する。また、磁場生成装置100、及び電場生成装置(第1電極14、第2電極15、及び電源16)は、泳動部を構成する。泳動部は、測定対象である粒子pを泳動させる。具体的には、泳動部は、粒子pを磁気泳動させる。また、泳動部は、粒子pを電気泳動させる。
レーザー光源11は、粒子径が10nm以上1μm未満の粒子pを分析する際にレーザー光Lを出射する。レーザー光Lは、測定セル10(流路10a)に導入された溶液sに照射される。この結果、溶液sに含まれる粒子pによって、レーザー光Lが散乱される。換言すると、散乱光が発生する。なお、測定セル10の表面のうち、レーザー光Lが入射する面は、鏡面仕上げされていることが好ましい。鏡面仕上げにより、測定セル10によるレーザー光の散乱を抑制することができる。
レーザー光源11は、ほぼ均一な波長のレーザー光Lを出射する。レーザー光Lは、連続波であってもよく、パルス波であってもよい。なお、レーザー光Lの波長は任意であり、特に限定されない。ただし、レーザー光Lの波長が短い程、粒子pによる散乱の程度が大きいため、レーザー光Lの波長は短いことが好ましい。
レーザー光Lのスポットは、磁束密度の勾配が発生している領域を少なくとも含む。例えば、レーザー光Lのスポット径は、数μm〜数百μm程度である。なお、レーザー光源11を配置する位置は、磁束密度の勾配が発生している領域をレーザー光Lによって照射することが可能な限り、特に限定されない。例えば、レーザー光源11は、図1を参照して説明した固定台座7の下側に配置されてもよい。固定台座7の下側にレーザー光源11を配置する場合、固定台座7はレーザー光Lが通過する開口を有する。
検出部12は、粒子pの位置を検出する。具体的には、検出部12は、粒子pによって散乱された散乱光を検出する。散乱光の検出結果は、粒子pの位置を示す。したがって、散乱光の検出結果を解析することにより、粒子pの位置を特定することができる。また、粒子pが移動している場合、検出部12が異なる時刻の散乱光を検出することにより、粒子pの動きを検出することができる。なお、検出部12を配置する位置は、散乱光の検出が可能な限り、特に限定されない。例えば、検出部12は、図1を参照して説明した固定台座7の下側に配置されてもよい。固定台座7の下側に検出部12を配置する場合、固定台座7は散乱光が通過する開口を有する。
検出部12は、拡大部121と撮像部122とを含む。例えば、拡大部121は対物レンズを含む。例えば、撮像部122は電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)を含む。撮像部122の各画素は、フォトダイオード又は光電子増倍管で構成されてもよい。撮像部122は、粒子pによって散乱された散乱光を、拡大部121を介して撮像する。散乱光の撮像結果から、粒子pの位置を特定できる。
演算部13は、散乱光の検出結果に基づいて、粒子pの磁気泳動速度、電気泳動速度、体積磁化率及びゼータ電子を測定する。例えば、演算部13として、パーソナルコンピューターのような汎用コンピューターが用いられる。
電源16は、第1電極14及び第2電極15に接続される。電源16は、直流電圧を生成する。電源16が直流電圧を生成することにより、第1電極14はプラス極となり、第2電極15はマイナス極となる。この結果、測定セル10の流路10aに、均一電場が発生する。
電源16は、測定セル10の流路10aに導入された粒子pを電気泳動させる際に、直流電圧を生成する。換言すると、電源16は、粒子pのゼータ電位の測定時に、直流電圧を生成する。詳しくは、図3を参照して説明したように、粒子pが磁場(磁束密度の勾配)によって磁気泳動しない位置まで、第1ポールピース3a(第1磁石1)が第2ポールピース4a(第2磁石2)から離された後に、電源16は直流電圧を生成する。
粒子pの体積磁化率を測定する際には、粒子pの磁気泳動速度を測定できるように、位置調整機構5によって、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間の距離が調整される。検出部12は、磁気泳動中の粒子pの動きを検出する。演算部13は、磁気泳動中の粒子pの動きから、粒子pの磁気泳動速度及び体積磁化率を測定する。
具体的には、演算部13は、撮像部122によって撮像された粒子pの動きから磁気泳動速度を取得する。より詳細には、演算部13は、撮像部122によって検出された粒子pのx方向に沿った位置の時間的な変化から、粒子pのx方向の磁気泳動速度を取得する。例えば、撮像部122が所定の時間間隔ごとに粒子pを撮像するとともに、演算部13が、それらの撮像結果から粒子pの磁気泳動速度を取得してもよい。その後、演算部13は、粒子pのx方向の磁気泳動速度から粒子pの体積磁化率を測定する。
例えば、演算部13は、以下の式1に基づいて、粒子pの体積磁化率を算出する。
[式1]
x={2(χp−χm)r2/9ημo}×B(dB/dx)
式1において、vxは粒子pのx方向の磁気泳動速度を示し、χpは粒子pの体積磁化率を示し、χmは溶媒mの体積磁化率を示し、rは粒子pの半径を示し、ηは溶媒mの粘性率を示し、μoは真空の透磁率を示し、Bは磁束密度を示し、dB/dxは磁場勾配(磁束密度のx方向の勾配)を示す。詳しくは、dB/dxは、磁束密度のx方向における変化率を示す。式1は、測定セル10(キャピラリ)の軸方向に受ける粒子p及び溶媒mの磁気力の差と、粘性抵抗力とがほぼ等しいことから導かれる。
図4(a)及び図4(b)を参照して説明したように、粒子pの磁気泳動方向は、粒子pの体積磁化率と溶媒mの体積磁化率との大きさの関係に応じて決定される。また、上記の式1から理解されるように、粒子pの磁気泳動速度は、磁束密度及び磁束密度の勾配に依存して変化する。
なお、磁束密度の勾配は、磁石(ポールピース)の端部からの距離に応じて変化する。上記の式1を用いて体積磁化率を算出する場合、磁束密度のx方向の勾配の平均値を用いる。この場合、磁気泳動速度は、磁気泳動している粒子pのx方向における平均速度を示す。
粒子pの半径rは、例えば、粒子pの粒子径の文献値を利用して取得し得る。あるいは、粒子pの直径を測定してもよい。粒子pの直径は検出部12を用いて測定することができる。具体的には、磁気泳動している粒子pの撮像結果から、粒子pの粒子径を直接的に求めることができる。したがって、磁気泳動している粒子pの撮像結果から、粒子pの磁気泳動速度及び粒子径を同時に測定できる。例えば、演算部13が、撮像部122によって撮像された溶液sの画像をモノクロ化し、その輝度を数値化する。次に、演算部13が、輝度値の微分値をしきい値と比較して粒子pの境界を設定する。その後、演算部13が、粒子pの面積を検出し、その面積に対応する円の半径から粒子径を求める。あるいは、粒子pの中心を規定し、粒子pの中心を通過する複数の直線を引き、各直線において粒子pの境界と交わる2つの点の間の距離の平均を求める。
粒子pのゼータ電位を測定する際には、第1ポールピース3a(第1磁石1)が第2ポールピース4a(第2磁石2)から離された後に、電源16が直流電圧を生成する。この結果、測定セル10の流路10aに電場が発生して、粒子pが電気泳動する。検出部12は、電気泳動中の粒子pの動きを検出する。演算部13は、電気泳動中の粒子pの動きから、粒子pの電気泳動速度及びゼータ電位を測定する。
具体的には、演算部13は、磁気泳動速度と同様に、撮像部122によって撮像された粒子pのx方向の動きから、粒子pのx方向の電気泳動速度を取得する。その後、演算部13は、粒子pのx方向の電気泳動速度から粒子pのゼータ電位を測定する。例えば、演算部13は、ヘルムホルツ・スモルコフスキーの式に基づいてゼータ電位を算出する。
光源17は、粒子径が1μm以上の粒子pを分析する際に光Laを発生する。具体的には、光源17は、粒子径がマイクロメートルサイズ(1μm以上1mm未満)及びミリメートルサイズ(1mm以上1cm未満)の粒子pの分析に用いられる。なお、光源17が光Laを出射する際には、レーザー光源11はレーザー光Lを出射しない。同様に、レーザー光源11がレーザー光Lを出射する際には、光源17は光Laを出射しない。
光源17は、可視光成分を含む比較的高い強度の光Laを出射する。光Laの波長スペクトルは比較的ブロードであってもよい。光源17として、例えば、ハロゲンランプが好適に用いられる。
光源17は検出部12と同軸上に配置する。光源17によって光Laが照射される領域は、磁場生成装置100によって磁場が生成される領域を少なくとも含む。検出部12は、光源17から出射されて溶液sを透過した光Laによって粒子pの位置を検出する。具体的には、撮像部122が、光源17から出射されて溶液sを透過した光Laを、拡大部121を介して撮像する。この結果、粒子pの位置が検出される。
なお、光源17を配置する位置は、検出部12と同軸上である限り、特に限定されない。例えば、光源17は、図1を参照して説明した固定台座7の下側に配置されてもよい。固定台座7の下側に光源17を配置する場合、固定台座7は光Laが通過する開口を有する。
以上、実施形態1について説明した。実施形態1によれば、位置調整機構5による第1ポールピース3a(第1磁石1)の位置の調整を介して、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値の制御が可能となる。したがって、磁石を変更することなく、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を制御することができる。この結果、ナノスケールの粒子pからミリスケールの粒子pまで分析が可能になる。
具体的には、測定対象の粒子pの粒子径が比較的大きい場合、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値が小さくなるように、第1ポールピース3a(第1磁石1)を第2ポールピース4aから遠ざける。逆に、測定対象の粒子pの粒子径が比較的小さい場合、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値が大きくなるように、第1ポールピース3a(第1磁石1)を第2ポールピース4aに近づける。
また、磁石間距離固定治具によって2つの磁石間の距離を固定する構成では、磁石周りが閉鎖的になり、光学系の設計が難しい。これに対して、実施形態1によれば、第1磁石1と第2磁石2との間の空間が、その外部の空間に、y方向を除いて開放される。この結果、レーザー光源11、検出部12、及び光源17の配置の制約が緩和され、光学系の設計が容易になる。更に、レーザー光源11、検出部12、及び光源17の配置の制約が緩和されることにより、測定セルの形状、及び、測定セルに形成する流路の形状の制約も緩和される。
また、実施形態1によれば、第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間の距離を大きくして、粒子pが磁気泳動しないようにすることができる。したがって、磁気泳動中の粒子pの動きを検出する領域と同じ領域において、電気泳動中の粒子pの動きを検出することができる。よって、ゼータ電位の測定時に、体積磁化率の測定時と同じ位置で粒子pを観測することができる。換言すると、同じ位置で、磁気泳動及び電気泳動の観測が可能となる。
なお、実施形態1では、位置調整機構5が2軸ステージを含む形態について説明したが、位置調整機構5は、y方向にのみ移動する1軸ステージを含んでもよい。
また、実施形態1では、移動ステージ9に万力8を固定したが、万力が移動ステージを把持する形態であってもよい。
また、実施形態1では、磁場生成装置100が第1突出片3(第1ポールピース3a)及び第2突出片4(第2ポールピース4a)を備えたが、第1突出片3(第1ポールピース3a)及び第2突出片4(第2ポールピース4a)は省略され得る。
また、実施形態1では、測定セル10がx方向に沿って配置されたが、測定セル10は、x方向以外の方向に沿って配置され得る。例えば、測定セル10は、z方向に沿って配置され得る。換言すると、測定セル10は、垂直に配置され得る。あるいは、測定セル10は、z方向に直交する平面に斜めに交差する方向に沿って配置され得る。
また、実施形態1では、粒子pの泳動速度(磁気泳動速度及び電気泳動速度)と粒子径とを同時に取得する形態について説明したが、粒子pの粒子径は、粒子pを泳動(磁気泳動及び電気泳動)させていない状態で取得してもよい。
また、実施形態1では、画像を解析して粒子pの粒子径を取得する形態について説明したが、粒子径が比較的大きい場合、光源17から光Laを出射して、粒子pの画像を表示することにより、表示された粒子pの画像から粒子径を求めてもよい。あるいは、動的光散乱法によって粒子pの粒子径を測定してもよい。具体的には、粒子径が3μm以下の粒子pはブラウン運動を行う。したがって、粒子径が3μm以下の場合、粒子pを泳動(磁気泳動及び電気泳動)させていない状態で、レーザー光源11からレーザー光Lを照射して散乱光の揺らぎを取得することにより、粒子pの粒子径を求めることができる。詳しくは、散乱光の揺らぎの解析結果から、粒子pの粒子径を求めることができる。
また、実施形態1では、粒子径が比較的小さい粒子pの分析時にレーザー光源11からのレーザー光Lを利用し、粒子径が比較的大きい粒子pの分析時に光源17からの光Laを利用したが、粒子pが蛍光粒子である場合は、レーザー光Lを利用することなく、粒子pを分析することができる。即ち、光源17からの光Laのみを利用して、粒子pを分析することができる。
また、実施形態1では、分析装置101が粒子pの体積磁化率とゼータ電位とを測定する構成について説明したが、分析装置101は粒子pのゼータ電位を測定しない構成であってもよい。換言すると、分析装置101は、第1電極14、第2電極15、及び電源16を含まない構成であってもよい。
[実施形態2]
続いて図1〜6を参照して、本発明の磁場生成装置及び分析装置に係る他の実施形態(実施形態2)について説明する。実施形態2は、溶液sが測定セル10(流路10a)内を流れている状態で粒子pの体積磁化率及びゼータ電位を取得する点において実施形態1と異なる。
図6は、実施形態2に係る磁場生成装置100の一部を示す平面図である。図6は、測定セル10(流路10a)内を流れる粒子pの挙動を示している。具体的には、図6は、時刻とともに移動する粒子pの位置の変化を示している。本実施形態では、測定セル10の流入口にポンプが接続されており、ポンプを駆動源として、測定セル10(流路10a)内を溶液sが流れている。好ましくは、ポンプは、バルブを介して測定セル10の流入口に接続される。
粒子pは、磁束密度の勾配が発生していない領域では、溶媒mから受ける流体駆動力Ffにより、x方向に沿って測定セル10(流路10a)内を流れる。一方、粒子pは、磁束密度の勾配が発生している領域において、溶媒mから受ける流体駆動力Ffと、磁束密度のx方向の勾配に由来する磁気力とを受けて、x方向に沿って測定セル10(流路10a)内を流れる。
図6には、説明のために、磁束密度のx方向の勾配dB/dxの分布を示している。図6に示すように、磁束密度のx方向の勾配dB/dxは、ポールピース(第1ポールピース3a及び第2ポールピース4a)の端部からの距離に応じて変化する。この結果、磁気泳動速度は、磁束密度のx方向の勾配dB/dxの分布により、x方向の沿った位置に応じて変化する。したがって、領域Aを通過する粒子pのx方向の移動速度は、領域Bを通過する粒子pのx方向の移動速度と異なる。
本実施形態に係る分析装置101が備える演算部13は、2カ所で粒子pの移動速度を測定する。例えば、演算部13は、図6に示す領域A及び領域Bにおいて粒子pの移動速度を測定する。具体的には、演算部13は、領域Aを通過する粒子pのx方向に沿った動きから、第1移動速度を取得する。また、演算部13は、領域Bを通過する粒子pのx方向に沿った動きから、第2移動速度を取得する。領域A及び領域Bはいずれも、磁束密度の勾配が発生している領域に含まれる。第1移動速度及び第2移動速度はいずれも、粒子pのx方向に沿った移動速度を示す。
演算部13は、第1移動速度及び第2移動速度を取得すると、以下の式2に基づいて、粒子pの体積磁化率を算出する。
[式2]
Δvx={2(χp−χm)r2/9ημo}×ΔB(dB/dx)
式2において、Δvxは、領域Aを通過する粒子pのx方向の磁気泳動速度と、領域Bを通過する粒子pのx方向の磁気泳動速度との速度差を示す。また、ΔB(dB/dx)は、領域Aにおける磁束密度と磁束密度のx方向の勾配との積の値と、領域Bにおける磁束密度と磁束密度のx方向の勾配との積の値との差を示す。
Δvxは、第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、求めることができる。詳しくは、第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、溶媒mから受ける流体駆動力Ffに由来するx方向の速度成分が相殺されて、領域Aを通過する粒子pのx方向の磁気泳動速度と、領域Bを通過する粒子pのx方向の磁気泳動速度との速度差を求めることができる。
なお、粒子pのゼータ電位を取得する際にも、領域Aを通過する粒子pの移動速度(第1移動速度)と、領域Bを通過する粒子pの移動速度(第2移動速度)との差の値を算出する。第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、電気泳動速度を求めることができる。
以上、実施形態2について説明した。実施形態2によれば、流路10aを流れている粒子pの体積磁化率及びゼータ電位を取得することができる。また、毛細管現象を利用して溶液s(粒子p)をキャピラリ内に導入する場合、キャピラリ内に溶液sが導入された後、キャピラリの両端を封止する。しかし、キャピラリ内に溶液sを導入する際に、キャピラリ内に気泡が入って、キャピラリ内に気泡が残存することがある。キャピラリ内に気泡が存在する場合、溶媒mの体積磁化率と気泡(気体)の体積磁化率との差に起因して、磁気泳動中の粒子pが不規則な挙動を示すことがある。粒子pが不規則に移動すると、体積磁化率を正確に求めることが困難になる。これに対し、実施形態2によれば、溶液sが流路10aを流れるため、流路10a内には気泡が存在しない。したがって、体積磁化率の測定精度が向上する。
[実施形態3]
続いて図7を参照して、本発明の磁場生成装置及び分析装置に係る他の実施形態(実施形態3)について説明する。実施形態3は、サイフォンの原理を利用して、測定セル10の流路10aに溶液sを導入する点が、実施形態2と異なる。
図7は、実施形態3に係る分析装置101の一部を示す断面図である。図7に示すように、実施形態3に係る分析装置101は、供給部41と、回収部42と、バルブ43とを備える。また、測定セル10の流路10aは、導入部51と、本体部52と、流出部53とを含む。
導入部51、本体部52、及び流出部53はこの順に連接する。具体的には、本体部52の長手方向の一方の端部に導入部51が連接し、本体部52の長手方向の他方の端部に流出部53が連接する。導入部51及び流出部53は下方向に延在し、流出部53は導入部51よりも長い。換言すると、流出部53の出口が、導入部51の入口よりも下方に位置する。
供給部41は導入部51の下方に位置し、回収部42は流出部53の下方に位置する。バルブ43は流出部53に設けられる。また、バルブ43は、導入部51の入口よりも下方に位置する。
測定セル10の本体部52に溶液s(粒子p)を流入させる際には、バルブ43を閉じた状態で、供給部41に溶液sを供給する。その後、バルブ43を開くことにより、サイフォンの原理に従って、供給部41から測定セル10に溶液sが流入する。測定セル10に流入した溶液sは、導入部51、本体部52、及び流出部53をこの順に流れて、回収部42で回収される。その結果、溶液sに含まれる粒子pが、導入部51、本体部52、及び流出部53をこの順に流れる。
以上、実施形態3について説明した。実施形態3によれば、実施形態2と同様に、流路10aを流れている粒子pの体積磁化率及びゼータ電位を取得することができる。また、体積磁化率の測定精度を向上させることができる。
[実施形態4]
続いて図8〜図10を参照して、本発明の磁場生成装置及び分析装置に係る他の実施形態(実施形態4)について説明する。実施形態4は、粒子pの体積磁化率と同時に粒子pの比重を測定する点において実施形態1と異なる。
図8は、実施形態4に係る磁場生成装置100の正面図である。図8に示すように、測定セル10はz方向に沿って配置される。換言すると、測定セル10は、鉛直方向に沿って配置される。実施形態3において、固定台座7は、測定セルが貫通する開口7aを有する。粒子pの比重が溶媒mの比重よりも大きい場合、測定セル10を鉛直方向に沿って配置することにより、粒子pは、重力場由来の力を受けて、比重に応じた速度でz方向に沈降(重力落下)する。
図9は、実施形態4に係る磁場生成装置100の一部を示す正面図である。図9は、測定セル10(流路10a)内を流れる粒子pの挙動を示している。具体的には、図9は、時刻とともに移動する粒子pの位置の変化を示している。
本実施形態では、粒子pは、磁束密度の勾配が発生している領域において、重力場由来の力と共に、磁束密度のz方向の勾配に由来する磁気力を受けて、z方向に移動する。したがって、磁束密度の勾配が発生している領域において、粒子pのz方向の移動速度は、重力沈降速度(重力落下速度)に磁気泳動速度を加えた速度となる。
図9には、説明のために、磁束密度のz方向の勾配dB/dzの分布を示している。dB/dzは、磁束密度のz方向における変化率を示す。図9に示すように、磁束密度のz方向の勾配dB/dzは、ポールピース(第1ポールピース3a及び第2ポールピース4a)の端部からの距離に応じて変化する。この結果、磁気泳動速度は、磁束密度のz方向の勾配dB/dzの分布により、z方向の沿った位置に応じて変化する。したがって、領域Aを通過する粒子pのz方向の移動速度は、領域Bを通過する粒子pのz方向の移動速度と異なる。
図10は、実施形態4に係る分析装置101の構成の一部を示す図である。演算部13は、2カ所で粒子pの移動速度を測定する。例えば、演算部13は、図9に示す領域A及び領域Bにおいて粒子pの移動速度を測定する。具体的には、演算部13は、領域Aを通過する粒子pのz方向に沿った動きから、第1移動速度を取得する。また、演算部13は、領域Bを通過する粒子pのz方向に沿った動きから、第2移動速度を取得する。領域A及び領域Bはいずれも、磁束密度の勾配が発生している領域に含まれる。第1移動速度及び第2移動速度はいずれも、粒子pのz方向に沿った移動速度を示す。
演算部13は、第1移動速度及び第2移動速度を取得すると、以下の式3に基づいて、粒子pの体積磁化率を算出する。
[式3]
Δvz={2(χp−χm)r2/9ημo}×ΔB(dB/dz)
式3において、Δvzは、領域Aを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度と、領域Bを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度との速度差を示す。また、ΔB(dB/dz)は、領域Aにおける磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積の値と、領域Bにおける磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積の値との差を示す。
Δvzは、第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、求めることができる。詳しくは、第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、重力場に由来するx方向の速度成分が相殺されて、領域Aを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度と、領域Bを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度との速度差を求めることができる。
演算部13は、粒子pの体積磁化率を取得すると、例えば以下の式4に基づいて、領域Aを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度を算出する。
[式4]
z={2(χp−χm)r2/9ημo}×B(dB/dz)
式4において、vzは、領域Aを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度を示す。また、B(dB/dz)は、領域Aにおける磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積を示す。更に、演算部13は、領域Aを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度と、第1移動速度との差の値を算出する。この値は、重力沈降速度(重力落下速度)を示す。演算部13は、重力沈降速度から粒子pの比重を測定する。
なお、粒子pのゼータ電位を取得する際にも、領域Aを通過する粒子pの移動速度(第1移動速度)と、領域Bを通過する粒子pの移動速度(第2移動速度)との差の値を算出する。第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、電気泳動速度を求めることができる。
以上、実施形態4について説明した。実施形態4によれば、粒子pの体積磁化率と比重とを同時に取得することができる。
なお、演算部13は、粒子pの質量を測定してもよい。具体的には、演算部13は、粒子pの粒子径を用いて粒子pの体積を算出する。その後、演算部13は、粒子pの比重と体積とを用いて、粒子pの質量を算出する。演算部13に粒子pの体積が予め設定されている場合には、演算部13は、予め設定されている粒子pの体積を用いて、粒子pの質量を算出する。
また、実施形態4では、粒子pの比重又は質量を取得する際に、演算部13が、領域Aを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度を取得したが、演算部13は、領域Bを通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度を取得してもよい。
[実施形態5]
続いて図11及び図12を参照して、本発明の磁場生成装置及び分析装置に係る他の実施形態(実施形態5)について説明する。実施形態5は、分析装置101の泳動部が2つの磁場生成装置100を含む点において実施形態2と異なる。詳しくは、実施形態2では、一対のポールピース(一対の磁石)によって磁束密度の勾配が発生している領域内で、2点間の移動速度の差の値を取得したが、実施形態5では、2つの磁場生成装置100を用いて、2点間の移動速度の差の値を取得する。
図11は、実施形態5に係る分析装置101が備える2つの磁場生成装置100(第1磁場生成装置100a及び第2磁場生成装置100b)を示す平面図である。図11に示すように、第1磁場生成装置100a及び第2磁場生成装置100bは、x方向に沿って間隔を空けて配置される。
測定セル10は、第1磁場生成装置100aが備える第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間、及び、第2磁場生成装置100bが備える第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間を粒子pが流れるように配置される。本実施形態では、測定セル10の流入口にポンプが接続されており、ポンプを駆動源として、測定セル10(流路10a)内を溶液sが流れる。
第1磁場生成装置100aは、第2磁場生成装置100bが生成する磁場とは強度(磁束密度)が異なる磁場を生成する。この結果、第1磁場生成装置100aと第2磁場生成装置100bとの間で、磁束密度と磁束密度のx方向の勾配との積の値に差ΔB(dB/dx)が生じる。以下、第1磁場生成装置100aによって磁束密度の勾配が発生している領域を「第1領域」と記載するとともに、第2磁場生成装置100bによって磁束密度の勾配が発生している領域を「第2領域」と記載する場合がある。
第1領域と第2領域との間で、磁束密度と磁束密度のx方向の勾配との積の値に差が生じる結果、第1領域を通過する粒子pのx方向の移動速度(泳動速度)と、第2領域を通過する粒子pのx方向の移動速度(泳動速度)との間に差が生じる。
図12は、実施形態5に係る分析装置101の構成の一部を示す図である。実施形態5に係る分析装置101は、2つのレーザー光源11(第1レーザー光源11a及び第2レーザー光源11b)と、2つの検出部12(第1検出部12a及び第2検出部12b)と、2つの光源17(第1光源17a及び第2光源17b)とを備える。第1レーザー光源11a、第1検出部12a、及び第1光源17aは、図11を参照して説明した第1磁場生成装置100aに対応して配置される。第2レーザー光源11b、第2検出部12b、及び第2光源17bは、図11を参照して説明した第2磁場生成装置100bに対応して配置される。
演算部13は、第1磁場生成装置100aによって磁束密度の勾配が発生している領域(第1領域)を通過する粒子pのx方向に沿った動きから、第1移動速度を取得する。また、演算部13は、第2磁場生成装置100bによって磁束密度の勾配が発生している領域(第2領域)を通過する粒子pのx方向に沿った動きから、第2移動速度を取得する。
演算部13は、第1移動速度及び第2移動速度を取得すると、実施形態2において説明した式2に基づいて、粒子pの体積磁化率を算出する。実施形態5において、Δvxは、第1領域を通過する粒子pのx方向の磁気泳動速度と、第2領域を通過する粒子pのx方向の磁気泳動速度との速度差を示す。また、ΔB(dB/dx)は、第1領域における磁束密度と磁束密度のx方向の勾配との積の値(平均値)と、第2領域における磁束密度と磁束密度のx方向の勾配との積の値(平均値)との差を示す。
なお、粒子pのゼータ電位を取得する際にも、第1領域を通過する粒子pの移動速度(第1移動速度)と、第2領域を通過する粒子pの移動速度(第2移動速度)との差の値を算出する。第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、電気泳動速度を求めることができる。
以上、実施形態5について説明した。実施形態5によれば、実施形態2と同様に、流路10aを流れている粒子pの体積磁化率及びゼータ電位を取得することができる。また、実施形態5によれば、磁束密度の勾配の分布を測定することなく、流路10aを流れている粒子pの体積磁化率を取得することができる。
なお、実施形態5では、ポンプを用いて溶液sを流す形態について説明したが、溶液sは、実施形態3において説明したサイフォンの原理によって測定セル10(流路10a)内を流されてもよい。
[実施形態6]
続いて図13及び図14を参照して、本発明の磁場生成装置及び分析装置に係る他の実施形態(実施形態6)について説明する。実施形態6は、分析装置101の泳動部が2つの磁場生成装置100を含む点において実施形態4と異なる。詳しくは、実施形態4では、一対のポールピース(一対の磁石)によって磁束密度の勾配が発生している領域内で、2点間の移動速度の差の値を取得したが、実施形態6では、2つの磁場生成装置100を用いて、2点間の移動速度の差の値を取得する。
図13は、実施形態6に係る分析装置101が備える2つの磁場生成装置100(第1磁場生成装置100a及び第2磁場生成装置100b)を示す正面図である。図13に示すように、第1磁場生成装置100a及び第2磁場生成装置100bは、z方向に沿って間隔を空けて設置される。
測定セル10は、第1磁場生成装置100aが備える第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間、及び、第2磁場生成装置100bが備える第1ポールピース3a(第1磁石1)と第2ポールピース4a(第2磁石2)との間を粒子pが流れるように配置される。本実施形態では、粒子pは、磁束密度の勾配が発生している領域において、重力場由来の力と共に、磁束密度のz方向の勾配に由来する磁気力を受けて、z方向に移動する。したがって、磁束密度の勾配が発生している領域において、粒子pのz方向の移動速度は、重力沈降速度(重力落下速度)に磁気泳動速度を加えた速度となる。
第1磁場生成装置100aは、第2磁場生成装置100bが生成する磁場とは強度(磁束密度)が異なる磁場を生成する。この結果、第1磁場生成装置100aと第2磁場生成装置100bとの間で、磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積の値に差ΔB(dB/dz)が生じる。以下、第5実施形態と同様に、第1磁場生成装置100aによって磁束密度の勾配が発生している領域を「第1領域」と記載するとともに、第2磁場生成装置100bによって磁束密度の勾配が発生している領域を「第2領域」と記載する場合がある。
第1領域と第2領域との間で、磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積の値に差が生じる結果、第1領域を通過する粒子pのz方向の移動速度(泳動速度)と、第2領域を通過する粒子pのz方向の移動速度(泳動速度)との間に差が生じる。
図14は、実施形態6に係る分析装置101の構成の一部を示す図である。実施形態6に係る分析装置101は、2つのレーザー光源11(第1レーザー光源11a及び第2レーザー光源11b)と、2つの検出部12(第1検出部12a及び第2検出部12b)と、2つの光源17(第1光源17a及び第2光源17b)とを備える。第1レーザー光源11a、第1検出部12a、及び第1光源17aは、図13を参照して説明した第1磁場生成装置100aに対応して配置される。第2レーザー光源11b、第2検出部12b、及び第2光源17bは、図13を参照して説明した第2磁場生成装置100bに対応して配置される。
演算部13は、第1磁場生成装置100aによって磁束密度の勾配が発生している領域(第1領域)を通過する粒子pのz方向に沿った動きから、第1移動速度を取得する。また、演算部13は、第2磁場生成装置100bによって磁束密度の勾配が発生している領域(第2領域)を通過する粒子pのz方向に沿った動きから、第2移動速度を取得する。
演算部13は、第1移動速度及び第2移動速度を取得すると、実施形態4において説明した式3に基づいて、粒子pの体積磁化率を算出する。実施形態6において、Δvzは、第1領域を通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度と、第2領域を通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度との速度差を示す。また、ΔB(dB/dz)は、第1領域における磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積の値(平均値)と、第2領域における磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積の値(平均値)との差を示す。
更に、演算部13は、粒子pの体積磁化率を取得すると、実施形態4において説明した式4に基づいて、第1領域を通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度を算出する。実施形態6において、vzは、第1領域を通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度(平均速度)を示す。また、B(dB/dz)は、第1領域における磁束密度と磁束密度のz方向の勾配との積を示す。
演算部13は、第1領域を通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度と、第1移動速度との差の値を算出する。この値は、重力沈降速度(重力落下速度)を示す。演算部13は、重力沈降速度から粒子pの比重を測定する。
なお、粒子pのゼータ電位を取得する際にも、第1領域を通過する粒子pの移動速度(第1移動速度)と、第2領域を通過する粒子pの移動速度(第2移動速度)との差の値を算出する。第1移動速度と第2移動速度との差を取ることにより、電気泳動速度を求めることができる。
以上、実施形態6について説明した。実施形態6によれば、実施形態4と同様に、粒子pの体積磁化率と比重とを同時に取得することができる。また、実施形態6によれば、磁束密度の勾配の分布を測定することなく、流路10aを流れている粒子pの体積磁化率を取得することができる。
なお、実施形態4において説明したように、演算部13は、粒子pの質量を算出してもよい。また、実施形態6では、粒子pの比重又は質量を取得する際に、演算部13が、第1領域を通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度を取得したが、演算部13は、第2領域を通過する粒子pのz方向の磁気泳動速度を取得してもよい。
[実施形態7]
続いて図15(a)、及び図15(b)を参照して、本発明の測定セルに係る実施形態(実施形態7)について説明する。図15(a)は、実施形態7に係る測定セル10を示す平面図である。図15(b)は、実施形態7に係る測定セル10を示す断面図である。詳しくは、図15(a)及び図15(b)は、磁場生成装置100に設置された測定セル10を示している。また、図15(b)は、磁場生成装置100の正面を示している。なお、図15(a)及び図15(b)は、粒子pの体積磁化率の測定時における磁場生成装置100の状態を示している。実施形態7に係る磁場生成装置100は、実施形態1において説明した磁場生成装置100と同じ構成を有している。
図15(a)及び図15(b)に示すように、測定セル10は長軸を有し、その長手方向(軸方向)に直交する断面はT字形状である。詳しくは、測定セル10は、本体部21と天板部22とを備える。本体部21は、その長手方向に沿って延びる流路10aを有する。本体部21に形成された流路10aは上面が開放されている。換言すると、本体部21に形成された流路10aは溝である。流路10aは、例えば、切削加工によって形成し得る。天板部22は、例えば接着剤によって、本体部21の側壁部の上面に密着している。この結果、流路10aの上面が天板部22によって覆われて、流路10aはキャピラリとなる。したがって、毛細管現象により、溶液sを流路10a内に導入することができる。
天板部22は、第1係合部22a及び第2係合部22bを含む。第1係合部22aは、測定セル10の長軸方向に直交する方向の一方側へ向けて、本体部21から突出する。第2係合部22bは、測定セル10の長軸方向に直交する方向の他方側へ向けて、本体部21から突出する。本実施形態では、第1係合部22aは−y方向へ向けて突出し、第2係合部22bは+y方向へ向けて突出する。
測定セル10は、水平に配置される。具体的には、測定セル10は、本体部21が第1ポールピース3aと第2ポールピース4aとの間に位置するように、x方向に沿って配置される。より詳しくは、測定セル10は、第1係合部22aが第1ポールピース3aに係合するとともに、第2係合部22bが第2ポールピース4aに係合するように配置される。この結果、第1係合部22aが第1ポールピース3aによって支持されるとともに、第2係合部22bが第2ポールピース4aによって支持される。換言すると、測定セル10が、第1ポールピース3a及び第2ポールピース4aによって支持される。
本体部21及び天板部22の材料は、例えば、石英ガラスのようなガラス素材、又は、アクリル樹脂のような樹脂である。天板部22の材料にガラス素材を選択する場合、天板部22は、例えばガラス板であり得る。なお、図5を参照して説明したレーザー光源11は、天板部22を介して本体部21の流路10aにレーザー光Lが入射するように配置することが好ましい。天板部22を介して流路10aにレーザー光Lが入射する場合、天板部22の本体部21とは反対側の面を鏡面仕上げることにより、測定セル10によるレーザー光Lの散乱を抑制することができる。したがって、鏡面仕上げの作業が容易となる。
第1係合部22a及び第2係合部22bの突出量は、第1ポールピース3aの+y方向への移動を妨げず、かつ、測定セル10が落下しない限り、特に限定されない。具体的には、第1ポールピース3aは、ナノスケールの粒子pの磁気泳動速度(体積磁化率)を取得する際に、第2ポールピース4aに最も近づく。よって、第1係合部22a及び第2係合部22bの突出量は、ナノスケールの粒子pの磁気泳動速度を取得可能な位置まで第1ポールピース3aが第2ポールピース4aに近づくことができるように設計する。また、第1ポールピース3aは、ゼータ電位の取得時に、第2ポールピース4aから最も離れる。具体的には、第1ポールピース3aは、測定対象の粒子pが磁気泳動しない位置まで第2ポールピース4aから離れる。よって、第1係合部22a及び第2係合部22bの突出量は、測定対象の粒子pが磁気泳動しない位置まで第1ポールピース3aが移動した際に、第1係合部22a及び第2係合部22bが第1ポールピース3a及び第2ポールピース4aから脱落しないように設計する。
以上、実施形態7について説明した。実施形態7によれば、測定セル10の設置が容易になる。
なお、実施形態7では、第1係合部22a及び第2係合部22bが、本体部21に沿って延びているが、第1係合部22a及び第2係合部22bは、本体部21に沿って延びていなくてもよい。第1ポールピース3a及び第2ポールピース4aによって支持されることが可能な形状であればよい。例えば、第1係合部22a及び第2係合部22bは、天板部22の第1ポールピース3a及び第2ポールピース4aに対応する箇所にのみ設けられてもよい。
また、実施形態7では、第1突出片3及び第2突出片4がポールピース(第1ポールピース3a及び第2ポールピース4a)であったが、第1突出片3及び第2突出片4はポールピースでなくてもよい。換言すると、第1突出片3及び第2突出片4は磁性体とは異なる材料によって形成されてもよい。
また、測定セル10(本体部21)は、粒子pを観測する領域を除いて、曲がった形状を有してもよい。また、本体部21及び流路10aの断面形状は矩形状に限定されない。例えば、本体部21及び流路10aの断面形状は半円形状であり得る。
また、実施形態7では、毛細管現象により、溶液sを流路10a内に導入する形態について説明したが、溶液sは、例えばポンプを用いて流路10a内に導入され得る。あるいは、溶液sは、例えばサイフォンの原理によって流路10a内に導入され得る。
[実施形態8]
続いて図16及び図17を参照して、本発明の粒子分離装置に係る実施形態(実施形態8)ついて説明する。図16は、実施形態8に係る粒子分離装置102を示す斜視図である。粒子分離装置102は、移動ステージ9が3軸ステージ(所謂XYZステージ)である点で、図1を参照して説明した磁場生成装置100と異なる。具体的には、移動ステージ9は、第1ステージ9a及び第2ステージ9bに加えて、第3ステージ9cを更に含む。
第3ステージ9cは、第1ステージ9aに固定される。第2ステージ9bは、x方向に移動可能に第3ステージ9cに支持される。第3ステージ9cは、第2ステージ9bをz方向に移動させる。第3ステージ9cが第2ステージ9bをz方向に移動させることで、第1磁石1及び第1ポールピース3aがz方向に移動する。
第3ステージ9cは、第2ポールピース4a(第2磁石2)に対する第1ポールピース3a(第1磁石1)のz方向の位置を調整する。第1ポールピース3a(第1磁石1)のz方向の位置を調整することで、磁場にゆがみを生じさせることができる。したがって、磁場のゆがみを利用して、磁気泳動による粒子pの分離が可能になる。
図17は、実施形態8に係る測定セル10を示す図である。詳しくは、図17は、粒子pの体積磁化率が溶媒mの体積磁化率よりも小さい場合における測定セル10の配置を示している。
実施形態8に係る測定セル10の流路10aは、溶媒導入部10b、粒子導入部10c、粒子分離部10d、第1粒子排出部10e、及び第2粒子排出部10fを含む。測定セル10は、磁場勾配(磁束密度の勾配)が発生している領域に粒子分離部10dが位置するように配置される。
図16を参照して説明した粒子分離装置102は、z方向(測定セル10の幅方向)に沿った位置に応じて強度が異なる磁場を生成する。したがって、z方向に沿った位置に応じて、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値B(dB/dx)が異なる。実施形態8では、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値B(dB/dx)がz方向に沿ってほぼ単調に変化するように、第1ポールピース3aのz方向の位置が調整される。
溶媒導入部10bは、z方向において、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値B(dB/dx)が比較的小さい領域と対応するように配置される。粒子導入部10cは、z方向において、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値B(dB/dx)が比較的大きい領域と対応するように配置される。
第1粒子排出部10eは、z方向において、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値B(dB/dx)が比較的小さい領域と対応するように配置される。第2粒子排出部10f、z方向において、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値B(dB/dx)が比較的大きい領域と対応するように配置される。
溶媒導入部10bの入口側にはポンプが接続される。溶媒導入部10bから粒子分離部10dに、ポンプを駆動源として溶媒mが導入される。したがって、溶媒mは、測定セル10の流路10a(キャピラリ)の長手方向(x方向)に沿って、+x方向に流れる。粒子導入部10cは、毛細管現象を駆動力として、溶液s(粒子pが分散された溶媒m)を粒子分離部10dに導入する。粒子pは、溶媒導入部10bから導入された溶媒mと合流した後、磁場が発生している領域の近傍に到達する。
粒子pは、溶媒導入部10bから導入された溶媒mからの流体駆動力Ffを受けて、測定セル10の流路10aの長手方向に沿って+x方向に流れる。この結果、粒子pは流速Vfで移動し、磁場が発生している領域の近傍まで移動する。
粒子pは、第1ポールピース3a及び第2ポールピース4a(第1磁石1及び第2磁石2)の近傍に達すると、磁気力を受ける。実施形態8では、粒子pの体積磁化率が溶媒mの体積磁化率よりも小さいため、磁気力は、溶媒mの流れに対して粒子pを押し戻す方向に作用する。粒子pが受ける磁気力は、z方向の位置に応じて異なる。具体的には、磁束密度と磁束密度の勾配との積の値B(dB/dx)が小さい程、粒子pが受ける磁気力のx方向の成分Fmxが小さくなる。
粒子pは、第1ポールピース3a及び第2ポールピース4a(第1磁石1及び第2磁石2)の近傍に到達すると、流体駆動力Ffよりも大きい磁気力を受ける。この結果、粒子pは、流体駆動力Ffと磁気力とのベクトルの和で表される方向に進む。典型的には、粒子pは、z方向に対して斜め方向に移動する。粒子pが斜めに移動していくほど、粒子pが受ける磁気力Fmxは減少する。粒子pが受ける磁気力Fmxが、溶媒mから受ける流体駆動力Ffとほぼ等しくなると、粒子pは、磁場勾配が発生している領域を通過する。
粒子pの体積磁化率が比較的小さい場合、すなわち、溶媒mの体積磁化率と粒子pの体積磁化率との差が比較的大きい場合、磁気力Fmxは比較的大きくなる。その結果、粒子pはz方向(測定セル10の幅方向)に比較的長い距離移動しないと、磁場勾配が発生している領域を通過できない。したがって、粒子pは、磁場勾配が発生している領域を通過した後、第1粒子排出部10eに流入する。
反対に、粒子pの体積磁化率が比較的大きい場合、すなわち、溶媒mの体積磁化率と粒子pの体積磁化率との差が比較的小さい場合、磁気力Fmxは比較的小さくなる。その結果、粒子pは、z方向に移動する距離が比較的短くても、磁場勾配が発生している領域を通過できる。したがって、粒子pは、磁場勾配が発生している領域を通過した後、第2粒子排出部10fに流入する。
以上、実施形態8について説明した。実施形態8によれば、粒子pの体積磁化率に応じて粒子pをz方向に移動させて粒子pを分別することができる。したがって、正常細胞と癌細胞との選別等が可能となる。
なお、実施形態8では、測定セル10の流路10aは、溶媒mが流れる方向の下流側において2つの流路(第1粒子排出部10e及び第2粒子排出部10f)に分かれているが、測定セル10の流路10aは、溶媒mが流れる方向の下流側において3つ以上の流路に分かれてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本発明による実施形態では、画像を解析して粒子pの移動速度を取得したが、粒子pの移動速度の取得方法は画像を解析する方法に限定されない。例えば、図18に示す構成によって粒子pの移動速度を取得してもよい。以下、図18を参照して、本発明の分析装置の他の実施形態について説明する。
図18は、本発明の他の実施形態に係る分析装置101の構成の一部を示す図である。図18に示す分析装置101は、散乱光の周波数変化をヘテロダイン法によって解析して粒子pの移動速度を測定する。具体的には、図18に示す分析装置101は、回折格子31を更に備える。また、図18に示す分析装置101は、ミラー32を更に備える。なお、回折格子31に替えて、ハーフミラーが使用されてもよい。また、ミラー32は、光学系の設計によっては省略することができる。
回折格子31は、レーザー光源11と測定セル10との間に配置される。レーザー光源11から出射されたレーザー光Lは回折格子31に入射する。回折格子31によって回折されたレーザー光Lの一部は、測定セル10に入射する。
測定セル10に入射したレーザー光Lは粒子pに照射される。詳しくは、測定セル10に入射したレーザー光Lは、磁場生成装置100が磁束密度の勾配を発生させる領域に入射する。検出部12は、粒子pによって散乱されたレーザー光L(散乱光)を検出する。
また、回折格子31によって回折されたレーザー光Lの他の一部は、測定セル10を通過することなく、参照光として検出部12に検出される。本実施形態では、参照光は、ミラー32によって検出部12へ導かれる。
検出部12は、散乱光と参照光とを合成した光を検出する。この結果、検出部12の出力は、散乱光と参照光とを合成した光の周波数を示す信号となる。演算部13は、散乱光と参照光とを合成した光の周波数変化を解析して、粒子pの移動速度を取得する。
図18に示す分析装置101によれば、溶液sが測定セル10(流路10a)内を流れている状態であっても、粒子pの移動速度を取得することができる。なお、図18に示す分析装置101において、演算部13は、散乱光と参照光とを合成した光のスペクトルを解析することにより、粒子pの粒子径を測定し得る。したがって、溶液sが測定セル10内を流れている状態であっても、粒子pの粒子径を取得することができる。
本発明は、粒子を分析する装置に有用である。
1 第1磁石
2 第2磁石
3 第1突出片
3a 第1ポールピース
4 第2突出片
4a 第2ポールピース
5 位置調整機構
8 万力
9 移動ステージ
9a 第1ステージ
9b 第2ステージ
9c 第3ステージ
10 測定セル
10a 流路
11 レーザー光源
11a 第1レーザー光源
11b 第2レーザー光源
12 検出部
12a 第1検出部
12b 第2検出部
13 演算部
14 第1電極
15 第2電極
16 電源
17 光源
17a 第1光源
17b 第2光源
22a 第1係合部
22b 第2係合部
100 磁場生成装置
100a 第1磁場生成装置
100b 第2磁場生成装置
101 分析装置
102 粒子分離装置
L レーザー光
La 光
p 粒子

Claims (15)

  1. 第1磁石と、
    前記第1磁石と共に磁場を発生させる第2磁石と、
    前記第1磁石の位置を調整する位置調整機構と
    を備え、
    前記第1磁石と前記第2磁石との間の空間が、その外部の空間に、前記第1磁石と前記第2磁石とが並ぶ方向を除いて開放されており、
    前記位置調整機構による前記第1磁石の位置の調整を介して、前記磁場における磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を制御する磁場生成装置。
  2. 前記位置調整機構は、
    前記第1磁石と前記第2磁石とが引き合う磁力に抗して前記第1磁石の位置を保持する治具と、
    前記第1磁石を移動させる移動ステージと
    を含み、
    前記治具は、前記移動ステージに固定される、請求項1に記載の磁場生成装置。
  3. 第1磁石と、
    前記第1磁石と共に磁場を発生させる第2磁石と、
    前記第1磁石の位置を調整する位置調整機構と
    を備え、
    前記位置調整機構は、
    前記第1磁石と前記第2磁石とが引き合う磁力に抗して前記第1磁石の位置を保持する治具と、
    前記第1磁石を移動させる移動ステージと
    を含み、
    前記治具は、前記移動ステージに固定され
    前記位置調整機構による前記第1磁石の位置の調整を介して、前記磁場における磁束密度と磁束密度の勾配との積の値を制御する磁場生成装置。
  4. 前記第1磁石の前記第2磁石に近い側の面から突出する第1突出片と、
    前記第2磁石の前記第1磁石に近い側の面から突出する第2突出片と
    を更に備える、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁場生成装置。
  5. 前記第1突出片及び前記第2突出片は、ポールピースである、請求項4に記載の磁場生成装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の磁場生成装置に使用される測定セルであって、
    前記第1突出片に係合する第1係合部と、
    前記第2突出片に係合する第2係合部と
    を備え、
    前記第1突出片に前記第1係合部が係合し、且つ前記第2突出片に前記第2係合部が係合することによって、前記第1突出片及び前記第2突出片に支持される、測定セル。
  7. 流路内で測定対象を泳動させる泳動部と、
    前記流路内での前記測定対象の動きを検出する検出部と、
    前記検出部が検出した前記測定対象の動きから、前記測定対象の移動速度を取得する演算部と
    を備え、
    前記泳動部は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁場生成装置を含み、
    前記検出部は、前記磁場生成装置が生成する前記磁場によって磁気泳動している前記測定対象の動きを検出し、
    前記演算部は、
    前記検出部が検出した磁気泳動中の前記測定対象の動きから、前記測定対象の磁気泳動速度を取得し、
    前記測定対象の半径と前記磁気泳動速度とから前記測定対象の体積磁化率を取得する、分析装置。
  8. 前記磁場生成装置の前記位置調整機構は、前記測定対象が磁気泳動しない位置まで前記第1磁石を前記第2磁石から離し、
    前記泳動部は、前記測定対象を電気泳動させる電場を生成する電場生成装置を更に含み、
    前記検出部は、磁気泳動中の前記測定対象の動きを検出する領域と同じ領域において、電気泳動中の前記測定対象の動きを検出し、
    前記演算部は、
    前記検出部が検出した電気泳動中の前記測定対象の動きから、前記測定対象の電気泳動速度を取得し、
    前記電気泳動速度から前記測定対象のゼータ電位を取得する、請求項7に記載の分析装置。
  9. 前記検出部は、前記測定対象が磁気泳動する領域に含まれる2カ所の領域において前記測定対象の動きを検出し、
    前記演算部は、
    前記2カ所の領域のうちの一方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第1移動速度を取得するとともに、前記2カ所の領域のうちの他方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第2移動速度を取得し、
    前記第1移動速度と前記第2移動速度との差、並びに、前記一方の領域と前記他方の領域との間の前記磁束密度と磁束密度の勾配との積の値の差に基づいて、前記測定対象の体積磁化率を取得する、請求項7に記載の分析装置。
  10. 前記流路が鉛直方向に沿って延びており、
    前記演算部は、
    前記測定対象の半径と前記体積磁化率とに基づいて、前記一方の領域又は前記他方の領域における前記測定対象の磁気泳動速度を取得し、
    前記第1移動速度又は前記第2移動速度と、前記一方の領域又は前記他方の領域における前記測定対象の磁気泳動速度とに基づいて、前記測定対象の重力沈降速度を取得し、
    前記重力沈降速度から前記測定対象の比重又は質量を取得し、
    前記重力沈降速度は、前記測定対象が重力場由来の力を受けて沈降する速度を示す、請求項9に記載の分析装置。
  11. 前記磁場生成装置の前記位置調整機構は、前記測定対象が磁気泳動しない位置まで前記第1磁石を前記第2磁石から離し、
    前記泳動部は、前記測定対象を電気泳動させる電場を生成する電場生成装置を更に含み、
    前記検出部は、前記2カ所の領域と同じ領域において、電気泳動中の前記測定対象の動きを検出し、
    前記演算部は、
    前記第1移動速度と前記第2移動速度との差から、前記測定対象の電気泳動速度を取得し、
    前記電気泳動速度から前記測定対象のゼータ電位を取得する、請求項9又は請求項10に記載の分析装置。
  12. 前記泳動部は、前記磁場生成装置を2つ含み、
    前記2つ磁場生成装置は、前記磁束密度と磁束密度の勾配との積の値が互いに異なる2つの磁場を生成し、
    前記検出部は、前記磁場が生成された2カ所の領域において、磁気泳動中の前記測定対象の動きを検出し、
    前記演算部は、
    前記2カ所の領域のうちの一方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第1移動速度を取得するとともに、前記2カ所の領域のうちの他方の領域における前記測定対象の動きから前記測定対象の第2移動速度を取得し、
    前記第1移動速度と前記第2移動速度との差、及び、前記2カ所の領域の間の前記磁束密度と磁束密度の勾配との積の値の差に基づいて、前記測定対象の体積磁化率を取得する、請求項7に記載の分析装置。
  13. 前記流路が鉛直方向に沿って延びており、
    前記演算部は、
    前記測定対象の半径と前記体積磁化率とに基づいて、前記2つの磁場のうちの一方の磁場に応じた前記測定対象の磁気泳動速度を取得し、
    前記第1移動速度又は前記第2移動速度と、前記2つの磁場のうちの一方の磁場に応じた前記測定対象の磁気泳動速度とに基づいて、前記測定対象の重力沈降速度を取得し、
    前記重力沈降速度から前記測定対象の比重又は質量を取得し、
    前記重力沈降速度は、前記測定対象が重力場由来の力を受けて沈降する速度を示す、請求項12に記載の分析装置。
  14. 前記2つの磁場生成装置の前記位置調整機構は、前記測定対象が磁気泳動しない位置まで前記第1磁石を前記第2磁石から離し、
    前記泳動部は、前記測定対象を電気泳動させる電場を生成する電場生成装置を更に含み、
    前記検出部は、前記磁場が生成される領域と同じ2カ所の領域において、電気泳動中の前記測定対象の動きを検出し、
    前記演算部は、
    前記第1移動速度と前記第2移動速度との差から、前記測定対象の電気泳動速度を取得し、
    前記電気泳動速度から前記測定対象のゼータ電位を取得する、請求項12又は請求項13に記載の分析装置。
  15. 第1磁石と、
    前記第1磁石と共に磁場を発生させる第2磁石と、
    前記第1磁石の位置を調整する位置調整機構と
    を備え、
    前記位置調整機構は3軸ステージを含み、
    前記位置調整機構による前記第1磁石の位置の調整を介して、前記磁場にゆがみを発生させる粒子分離装置。
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