JP3416733B2 - 懸濁させた磁性微粒子の磁化率測定方法及び装置 - Google Patents

懸濁させた磁性微粒子の磁化率測定方法及び装置

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JP3416733B2 JP2000261557A JP2000261557A JP3416733B2 JP 3416733 B2 JP3416733 B2 JP 3416733B2 JP 2000261557 A JP2000261557 A JP 2000261557A JP 2000261557 A JP2000261557 A JP 2000261557A JP 3416733 B2 JP3416733 B2 JP 3416733B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁場勾配中に設置
されたキャピラリー等のセル内の溶媒中の微粒子の磁気
泳動速度と微粒子の半径とを測定し、その磁気泳動速度
と微粒子の半径とに基づいて微小粒子の磁化率を決定す
る微粒子磁気泳動方式磁化率測定方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、ある程度の分量の固体、液体の磁化
率の測定については、グーイの磁気てんびんが利用され
ているが、微粒子一個一個の磁化率を測定する方法はこ
れまでに存在していない。本発明により、磁化率の微粒
子による偏り、あるいは磁化率の分布を知ることができ
る。今日、高度の品質を追求する素材産業分野では、微
粒子材質の均質性が問題となっている。本発明は、これ
らの問題に対応しう唯一の測定法を提供することを目的
とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、小型永久磁石
あるいは外部磁場により磁化された微小磁極片を用いて
100マイクロメータ〜数100マイクロメータ程度の微少幅
を隔てて領域に大きな磁場勾配を発生させ、また発生し
た磁場勾配を用いて、キヤビラリー内の溶液中の磁性微
粒子に磁気泳動を引き起こし、この磁性微粒子の磁気泳
動速度と粒径とを測定し、磁性微粒子の磁気泳動速度と
粒径の測定値とに基づいて微粒子の磁化率を決定する方
法および装置に関する。
【0004】より詳しく述べると、本発明の磁気泳動移
動速度の測定から微粒子の磁化率を決定する方法は、磁
場勾配中に設置されたセル内の溶媒に懸濁させた微粒子
の磁気泳動速度および粒径を測定し、測定した微粒子の
磁気泳動速度および粒径、媒体の粘度および磁化率並び
に測定磁気勾配に基づいて個々の微粒子の磁化率を決定
することを特徴とする。
【0005】さらに、本発明の磁気泳動移動速度の測定
から磁性微粒子の磁化率を決定する別の方法は、磁場勾
配中に設置されたセル内の溶媒に懸濁させた磁化率未知
の磁性微粒子の磁気泳動速度および粒径を測定し、一方
磁場勾配中に設置されたセル内の溶媒に懸濁させた磁化
率既知の磁性微粒子の磁気泳動速度および粒径を測定
し、磁化率既知の微粒子の磁気泳動速度および粒径の測
定値に基づいて磁場分布を決定し、決定した磁場分布、
磁化率未知の微粒子の磁気泳動速度および粒径の測定値
に基づいて個々の微粒子の磁化率を決定することを特徴
とする。
【0006】磁性微粒子が溶媒中に溶解する場合には、
微粒子の溶媒に対する溶解度に基づき磁化率を補正す
る。また、所定の磁性微粒子を含有する該溶媒として微
粒子を構成する物質を飽和させた溶媒を用いることが好
ましい。その理由は、磁性微粒子が溶媒中に溶解して粒
径が変動することが防止できるからである。
【0007】本発明の磁気泳動方式の磁性微粒子の磁化
率測定装置は、微小磁場を形成する1対の磁石と、1対の
磁石の間に形成された微小磁場空間に設置され、磁性微
粒子を含む溶媒を充填するセルと、磁場付加中にセル内
溶媒中の磁性微粒子の磁気泳動速度を測定する測定器、
該微粒子の半径を測定する測定器、測定した微粒子の磁
気泳動速度および粒径、媒体の粘度および磁化率並びに
測定磁気勾配に基づいて磁性微粒子の磁化率を決定する
演算装置とからなる。
【0008】磁場付加中にセル内溶媒中の磁性微粒子の
磁気泳動速度を測定する測定器と該微粒子の半径を測定
する測定器とが、セル中の微粒子を観測する顕微鏡と、
顕微鏡で得られた画像を電気信号に変換するCCDカメ
ラと、CCDカメラで変換された電気信号を記録するレ
コーダと、記録された電気信号を解析する解析装置とす
ることができる。
【0009】
【発明の実施の態様】以下に、本発明を適宜図面を参照
して詳細に説明する。まず、本発明の発明の背景等につ
いて言及する。本発明者は、一対の小型永久磁石あるい
は、永久磁石、電磁石、超伝導磁石により磁化された一
対の微小磁極片を100マイクロメータ〜数百マイクロメ
ータ、例えば、500マイクロメータ程度の一定距離の空僚
を空けて配置し、一方の磁極片から他方の磁極片に磁力
線が該空隙を通り抜けるようにした場合、その空隙の磁
石間端から外方、例えば約100マイクロメータの位置
に磁力線の向きが逆転する点(磁束密度B=0)が存在す
るため、この点の両側、特にこの点から空隙の内側に大
きな磁気勾配が発生することを見出した。その大きさを
示すB(dB/dx)の値は容易に400T2/mに逢することを
発見した。これは、通常、超伝導磁石により発生させる
ことのできる強度である。
【0010】この空隙を通って、断面積が100マイクロ
メータx100マイクロメータ程度の正方形であるガラス
キヤビラリーを設置して、微粒子を含む水溶液または非
水溶液を導入し、流れを止めた状態にする。キャピラリ
ー内の溶媒と微粒子の磁化率の差に応じて、微粒子はB
=0の点に近づく方向、あるいは、遠ざかる方向に泳動
する。このときの磁性微粒子の粒径と泳動速度とをCCD
カメラとビデオ記録システムを有する顕微鏡により測定
する。このとき、粒径と磁化率が既知の微粒子を用いて
泳動速度を測定することによって、空隙内の磁場強度の
マイクロメータオーダーの分布を決定することができ
る。通常広く使用されているガウスメータでは、このよ
うな微小部分における磁場分布を求めることは不可能で
ある。
【0011】次いで、磁化率既知の媒体中の磁化率未知
の微粒子について泳動速度を測定し、位置と泳動速度と
の関係から、その微粒子の磁化率を決定することができ
る。細いキャピラリーと顕徴鏡とを用いるので、数マイ
クロメータ程度までの大きさの微粒子の磁化率を決定す
ることができる。微粒子の状態は、形状と大きさが判定
できるものであれば、液体、固体、気体のいずれのもの
でもよい。したがって、試料としては、微小粒子を含む
生体試料、環境試料、機能性材料等のいかなる試料にも
適用できる。マイクロシリンジあるいはマイクロポンプ
を用いてキヤビラリーに試料を連続的に送り込むことが
できるので、多数の試料を迅速に計測することができ
る。
【実施の態様】
【0012】以下に、本発明に至った実験及び技術解析
及び理論的構成についてさらに詳細に説明する。 (1) 不均一磁場中で磁性粒子が受ける力と磁気泳動
速度 小型の永久磁石あるいは、磁場中において磁化された一
対の微小磁極片を100〜400マイクロメータ程度の
空隙を空けて配置したときに該空隙の両磁石の端部間付
近に生じる磁場勾配に、100マイクロメータ×100
マイクロメータ程度の正方形の断面積を有するガラスキ
ャピラリーを設置し、これに微粒子を含む水溶媒または
非水溶媒を導入する。図1(a)および図1(b)参
照。この場合、図のように磁極片(例えば、鉄片)の長
い方を磁石に対して垂直につけると、磁極片が磁石の散
らばっている磁力線を寄せ集め、その先端により強い磁
場を発生させる。このとき鉄片のx軸(キヤピラリーの
中心軸)に沿って大きな磁場勾配が生じるので、この領
域に生じる磁気浮力を泳動の駆動力として利用し、ま
た、x軸は、フローの方向を正の向きとし、フローが流
れてくる方の磁極片の端を0にとった。図中、1、1は
対向させた1対の磁石、MPは各磁石の対向面に垂直で
内側方向に向けて上記空隙を空けて取付けた鉄片、Cは
鉄片MP,MPの間の空隙を通して配置したガラスキャ
ピラリーを示す。溶媒が弱い反磁性で、微粒子が強磁性
物質を含む場合、微粒子には、磁石端の外約100マイ
クロメータのB=0の点から磁石の空隙内に向かう磁気
力が作用し(図1(c)参照)、これに対抗する粘性カ
との差の力により等速の運動が生じる。溶媒が常磁性
で、微粒子が弱い反磁性の場合は、磁気浮力により泳動
の方向が磁石の空隙内からB=0点に向かう。磁極間に
は磁気勾配があるので、このときの運動はキャピラリー
壁方向に直線的に泳動するのではなく、弧を描くように
移動し、ついにはキャピラリー壁に接触する。
【0013】(2) 不均一磁場中に置かれた物質は、
その磁性により磁気力を受ける。その物質が常磁性体な
らば磁場の強い方へと力を受け、反磁性ならば磁場の弱
い方へと力を受ける。図2(a)は、常磁性の微細粒子
が磁場の強い方へと引き寄せられていく様子を表してい
る。このとき、キャピラリー軸方向(以下、x方向とす
る)について考えると磁性粒子が不均一磁場中で受ける
力、すなわち磁気力は近似的に次式で表される。
【数1】 ここで、Vは粒子の体積(m3)、μは真空の透磁率
(Ns2c−2)、χは粒子の体積磁化率(−)、Hは外部
磁界(Am-1)、dH/dxは磁界勾配(Am-2)である。
磁界Hと磁束密度B(T)との間にはB=μμHの関
係が成り立つので、μ=1とすると、(1)式は次のよう
に書き換えることができる。
【数2】 不均一磁場中にある媒体中の粒子にもこのような磁気力
がはたらくが、この場合、媒体にも同様に磁気力がはた
らくので、それにより発生する力についても考慮しなけ
ればならない。つまり、粒子には、図2(b)にあるよ
うな二つの力がはたらくことになる。ひとつは粒子自身
にはたらく磁気力Fであり、もうひとつは粒子と同体
積の媒体にはたらく力と大きさが等しく、向きが逆向き
の力、磁気浮力Fである。よって、媒体中の粒子が受
ける力Fは(2)式より、
【数3】 となる。ここで、χ、χはそれぞれ粒子と媒体の体
積磁化率である。一方、粒子が磁気力により媒体中を泳
動すると、その粒子は泳動方向とは逆向きに流体抵抗力
を受けるが、粒子が球形である場合、その力の大き
さはストークスの法則により次のように表される。
【数4】 ここで、ηは媒体の粘度(Pas)、rは粒子半径(m)、
vは粒子の速度(ms )である。我々の扱う泳動現象
では粒子の質量と加速度が十分小さいので、FとF
が常につりあいながら泳動していると考えて、粒子の泳
動速度として次式を得る。
【数5】 (5)式より明らかなように、泳動速度は粒子の位置に
より決定される。また、粒子の泳動速度を大きくするた
めには、粒子と媒体の磁化率の差を大きくするかB(d
B/dx)の値を大きくすることが必要である。われわ
れの実験では、例えば、媒体に強磁性溶液の塩化マンガ
ン水溶液を用いることによって粒子と媒体の磁性差を大
きくし、主に磁気浮力により粒子を泳勤させている。
【0014】(2)磁性粒子の磁性泳動速度の測定 溶媒中の磁性粒子の磁性粒子の磁気泳動速度を実際に、
以下の方法及び装置を用いて測定した。 (2−1) 試料 磁気泳動速度解析の対象として、磁化率が大きく、入手
しやすい塩化マンガン水溶液の液滴を選んだ。実験を開
始する直前に0.001〜1.0mol dm-3の塩化マンガ
ン水溶液を媒体である安息香酸エチル5mlが入ったス
クリュー管に30μl加え超音波で液滴に分散させたも
のを試料とした。安息香酸エチルは水で飽和したもの
と、そうでないものを用いた。また磁化率を測定するた
めの試料に0.02〜2.5mol dm-3の塩化マンガン水
溶液を用いた。
【0015】(2−2) 測定装置 (2−2−1)磁気泳動速度測定装置及び実験条件 図3に示す磁気泳動速度測定装置を用いて、微粒子の磁
気泳動速度を測定した。磁気泳動速度測定装置は、セル
としてのキャピラリーCを間に配置する一対の磁石1
と、微粒子の磁気泳動を観察する顕微鏡2と、キャピラ
リーに光を当てるための照射ライト3、顕微鏡で得られ
た画像の光信号を電気信号として変換するCCDカメラ
4と、モニター装置5と、顕微鏡で得られた画像を電気
信号として記録するビデオテープレコーダ6と、演算装
置(パソコン)7とからなる。また、セルを水平面で
X,Y方向に位置調節するためのXYステージ8を設け
た。
【0016】試料液を入れるセルには、内寸100μm
×100μm 、外寸300μm ×300μm の正方形型
キャピラリー(Polymicro Technolo
ges,Square Flexible Fused
Silica Capillary Tubing)
を用いた。上記キャピラリー(長さ20cm)に前述の
試料液を入れ図3のように二枚の磁石間に設置した。磁
石には大きさ16.85mm×19.6mm×2.9m
mのNd−Fe−B磁石(住友特殊金属,NEOMA
X)を使用した。泳動速度の測定領域は磁場勾配の大き
な、磁石端から200μm 内側とした。大きな泳動速度
を得るためにはB(dB/dx)の値を大きくする必要
があるので、アルミニウムのスペーサーを用いて、二枚
の磁石間の距離を400μm とした。二枚の磁石はアル
ミニウム製の磁石ホルダーに固定されており、磁石ホル
ダーはXYステージによりその位置を調節した。ポリス
チレン粒子の泳動挙動は、顕微鏡(中央精機)、CCD
カメラ(ELMO,CN42H)、モニターにより観測
し、ビデオに録画して画像をパソコンに取り込みその解
析を行った。
【0017】(2−2−2)磁化率の測定 磁化率の測定には、磁化率測定器(Sherwood
Scientific LTD,MSB−AUTO)を
用いた。
【0018】(2−3)磁場解析ソフト”SUPERM
OMENT”によるシミュレーション コイルや磁石の作る磁場や発生するトルクなどを計算す
ることを磁場解析というが、これらの計算手法には、磁
気モーメント法、有限要素法、境界要素法などがある。
本発明で磁場解析のために使用した”SUPERMOM
ENT’(H.Sekiya,1998)は磁気モーメ
ント法のプログラムであり、従来大型コンピューターが
使われていた磁場解析をパソコン上で実行できるように
した製品である。
【0019】この“SUPERMOMENT”によっ
て、磁石が作るおおよその磁場を計算することはできる
が、厳密に磁石周辺での磁場強度を計算することはでき
ない。理由は、実際の磁石の性質と形は完全に整ってい
るわけではないので、実験系ではその影響が出てきてし
まうからである。特に、本発明で扱ったような非常にミ
クロな空間では、磁石の端の丸みなどが磁場の形成に大
きな影響を与える。しかし、ガウスメーターなどの磁場
測定器を使用できないような小さな空間の磁場を予想す
るには、”SUPERMOMENT”による磁場解析は
非常に有用な手段である。
【0020】シミュレーション用の磁石には17mm×
19mm×3mmのNeFeB40磁石(上のNd−Fe
−B磁石と同じ)は同じものを用いた。X軸は磁石端を
0、磁石の内側方向を正の向きとし、Z軸は磁石の中心
を0とした.磁石間の距離は実験と同様、400mmで
ある。 (3)実験結果とその考察 (3−1) 磁場の形と泳動挙動 シミュレーションから得た磁場の形を図3(a)に示
す。図3(b)は磁石及びキャピラリーとX軸及びZ軸
との関係を示す。ここからB(dB/dx)の概形を導
くと、図5(a)と図5(b)のようになる。この図5
(a)と図5(b)と式(5)を見ると、x=200μ
m付近で速度が最も大きくなる事がわかる。また、z方
向には近いほうの磁石に引き付けられるように泳動する
ことも分かる。図6は泳動中の液滴の画像を1秒ごとに
パソコンに取り込み重ね合わせた図であるがシミュレー
ションでの予想どおりに動いている。0〜300μmで
液滴のx方向の速度を測定したものが図7である。この
グラフから分かるように、速度は磁場の形を反映して位
置により変化しx=200μm付近で最大になる。また
粒径、濃度に依存することが分かる。
【0021】(3−2) x=200μm 付近での鞄の
粒径依存性 式(5)から分かるように、速度v性は粒径rの二乗
に比例する。図8は液滴に0.06mol dm−3塩化マン
ガン水溶液を用いたときの、x=200μm でのv
2に対しプロットしたものであり比例関係が得られ
た。
【0022】(3−3) △xとマンガン濃度との関係 磁気天秤を用いて、△xとマンガン濃度[Mn2+]との
関係を調べた結果が、図9である。このグラフから△x
と[Mn2+]との間に次の式が成り立つことが分かっ
た。
【数6】 (3−4)x=200μm付近でのVxの濃度依存性 式(5)、(6)から△xは[Mn2+]にも比例するこ
とが分かる。
【数7】
【0023】このことを確かめるために、v/r2
[Mn2+]に対してプロットしたグラフが図10であ
る。グラフを見るとv/r2は[Mn2+]に依存して
いることは分かるが単純な比例関係でもないようであ
る。式(7)に実験で求めたx=20μmでのB(dB
/dx)を代入して得た理論値が図10中の斜めの直線
である。なぜこのような関係になったのかを考えると、
安息香酸エチル5mlに塩化マンガン水溶液を30μl
分散させていることから、安息香酸エチル中に液滴の水
が溶け出しており、[Mn2+]が大きくなっていると
いうことが考えられた。
【0024】(3−5) 水に飽和した安息香酸エチル
を用いた実験の結果 液滴が濃縮されて[Mn2+]が大きくなっているかど
うかを調べるため、水に飽和した安息香酸エチルを媒体
として実験を行い、図7と同じようにv/r 2を[M
2+]に対してプロットし図10に加えたものが図1
1である。新たにプロットしたものは理論値と良い一致
を示している。よって、水が溶け出していたと考えてま
ず間違いない。
【0025】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の実施の態様につ
いて述べる。 (1)微粒子、磁性化学種 本発明においては、磁性化学種を含有する微粒子として
は、上記実験のように水等の溶媒等とすることができ、
該溶媒等には密度が1に近く水と混じりあわない非水溶
媒、高分子、セラミック、環境浮遊微粒子、生体微粒子
等の固体を挙げることができ、また磁性化学種として
は、マンガン(II)、鉄(II)などの遷移金属イオンや希
土類金属イオン他、それらを含む化合物を挙げることが
できる。また、微粒子の粒径としては、0.1ミクロン
から100ミクロン位の微粒子の微粒子が本願発明で特
に適合し、また溶媒等な化の磁性化学種の濃度はまた磁
性化学種の濃度は、10−5〜1 mol dm−3
とすることが好ましい。
【0026】(2)溶媒 微粒子を分散させる溶媒としては、水及び水以外の透明
な液体を用いることができる。微粒子と微粒子懸濁溶媒
との好ましい組合せとしては、例えば水溶液と安息香酸
エチル、2−フルオロベンゼン、アニソール等が上げら
れる。また、溶媒中に分散させる微粒子の濃度は特に限
定されるものではないが1x10−5〜1 mol d
−3が本発明の磁気泳動方式磁化率測定方法に特に適
合する。なお、微粒子を形成する物質が溶媒中に溶解す
る場合には該物質を飽和させた溶媒を用いて同様の測定
を行い検量線を補正して本発明の磁気泳動方式磁化率測
定を行うことができる。また、微粒子は、その磁化率が
媒体より大きいか、小さいかにより泳動の方向を異にす
るので、泳動の方向から含まれる物質が反磁性か強磁性
か等も判定することができる。泳動速度から濃度を決定
する考え方は、他の泳動法にも適用できる。
【0027】(3)セル セルとしては、キャピラリー管、ガラスセル、プラスチ
ックセルを用いることができ、キャピラリーの寸法は特
に限定されるものではないが、例えば、断面席100ミ
クロン×100ミクロンとすることが好ましい。 (4)その他 その他、本法は、有機溶液に水溶液を分散させたもので
も、あるいは逆に水溶液に有機溶液を分散させたものに
対しても適用可能である。
【0028】
【実施例】(実施例1)図1の磁石と鉄片の配置によっ
て生じるB(dB/dx)の値を見積もるために、磁気
泳動速度の測定を行った。試料液を粒径3μmのポリスチ
レン粒子を含む0,6M塩化マンガン水溶液とし、顕微鏡
によりポリスチレン粒子の泳動速度を測定した。磁石1
にはNd−Fe−B磁石を、磁極片MPとしての鉄片には大
きさが3×1×7mmで純度が99.8%のものを使用した。ま
た、二枚の磁石間の距離を保つために厚さ14.4mmのア
ルミニウムスペーサを用いた。図のように鉄片の長い方
を磁石に対して垂直につけると、鉄片が磁石の散らばっ
ている磁力線を寄せ集めて磁極片の役割を果たし、その
先端により強い磁場を発生させる。このとき鉄片のx軸
(キヤピラリーの中心軸)に沿って大きな磁場勾配が生
じるので、この領域に生じる磁気浮力を泳勤の駆動力と
して利用した。 また、ここでのx軸は、フローの方向
を正の向きとし、フローが流れてくる方の鉄片の端を0
にとった。図12,13は0.6M塩化マンガン水溶液中
での3μmポリスチレン粒子の泳動速度、およびその結果
から予想されるB(dB/dx)をそれぞれ示してい
る。ここで、図中の破線間の距離は鉄片の幅を表してい
る。これらのグラフから分かるように、粒子が凝集する
現象は観測されなかった。泳動速度の最高値はx=95
μmで、−62μmsとなっているが、これは鉄片を
用いないときの3μmポリステレン粒子の最高速度のお
よそ4倍である。つまり鉄片を使うことによって、これ
までの磁石配置よりも約4倍大きい磁気浮力を得たこと
になる。このことは図4のB(dB/dx)の最高値約
1,800T/mであることから明らかである。 (実施例2)赤血球の体積磁化率の測定 鉄片を使った磁石配置で赤血球の泳動速度を観測した結
果が図14である。赤血球は0.1Mの塩化マンガン水溶
液中で、ポリステレン粒子と同じ泳動方向、つまり磁気
浮力方向に泳動しているのが分かる。赤血球の主要成分
であるヘモグロビンはもともと常磁性(体積磁化率1
0.08×10−6)であるが、酸素が結合すると反磁
性を示すようになる。実験で使用した赤血球には酸素と
結合したものと、そうでないものが両方含まれていると
考えられるが、いずれにしてもその磁化率は0.1Mの塩
化マンガン水溶液(体積磁化率10.54x10−6)に比べ
てはるかに小さいために磁気浮力により泳勤したと思わ
れる。この赤血球の泳動速度をB(dB/dx)に対し
てプロットしたものが図15である。横軸のB(dB/
Dx)は、ポリスチレン粒子の泳動実験結果(図13)
から求めたものである。このグラフにおける傾き−2・7
2×10−8(m −2)は、式(5)から分かる
ように赤血球に関する情報、2(χ−χ)r/9μ
μを与えるので、これより赤血球の体積磁化率を求め
ることができる。ただし、赤血球は球形ではなく円盤状
になっているため、以下の補正式によりその補正半径
r,を見積もることにする。
【数8】 ここでJは赤血球の泳動方向の特性長(m)、Vは体積
(m)、Aは泳動方向に垂直な面の最大断面積(m
である。血液中での赤血球の体積8×10−17(m)と
A/l=5.5×10−6(m)を用いると、赤血球の補正
半径は2.3×10 (m)、体積磁化率は−17×10−6
となる。しかし、この値は赤血球の体積磁化率の値とし
ては大きすぎる。そこで0.1M塩化マンガン水溶液中で
は赤血球が少し膨張しているとして、その補正半径を3
・0×10−6(m)(体積は1.3×10 −16(m))と
すると、体積磁化率は−5.8×10−6と求まる。この値
は、完全に脱酸素化された赤血球の体積磁化率−3.8×
10−6と比べても十分妥当なものである。ただし、この
ようにして体積磁化率を決定するためには、正確に補正
半径rを求めることが必要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)および(b)は、磁極片間の微小間隙
を通ってキャピラリーが配置されていることを示す模式
図であり、(c)はキャピラリーX軸変位に対するBd
B/dxを示す図である。
【図2】 (a)は常時性微粒子が磁場の強い方へ引き
寄せられる様子を示し、(b)は磁性粒子にはたらく磁
気力と磁気浮力との関係を示す。
【図3】本発明に係る粒子の泳動速度の磁気泳動測定装
置を模式的に示す。
【図4】(a)は磁場解析ソフト“SUPERMOME
NT”によるシミュレーションによって得られた磁場の
形を示し、(b)は磁石及びキャピラリーとX軸及びZ
軸との関係を示す。
【図5】(a)は磁場解析ソフト“SUPERMOME
NT”によるシミュレーションのB(dB/dx)/T
−1の測定結果をしめし、(b)は(dB/dz)
/T−1の測定結果を示す。
【図6】キヤピラリー内の安息香酸エチル中の塩化マン
ガン液滴の磁気泳動挙動の測定例を示す。
【図7】0〜300μmでの液滴のX方向の速度を測定
した結果を示し、磁気泳動速度の位置、粒径、濃度依存
性を示すものである。
【図8】0.06mol dm-3の塩化マンガン水溶液液滴の
泳動速度(キャピラリー軸方向成分vx)を液滴半径r
に対してプロットした図である。
【図9】実験例におけるΔχとマンガン濃度との関係を
示す。
【図10】 乾燥安息香酸エチル(a)と水飽和安息香
酸エチル(b)を用いたときの磁気泳動速度性をマンガ
ン濃度に対してプロットした図である。
【図11】水を飽和させた安息香酸エチルを媒体として
用いて実験した場合の磁気泳動速度性をマンガン濃度に
対してプロットした図である。
【図12】鉄片を使った強磁場内における0.6M塩化
マンガン中のポリスチレンの泳動速度を示すグラフであ
る。
【図13】泳動速度から求めたキャピラリー内の磁場強
度B(dB/dx)を示すグラフである。
【図14】鉄片により生じた磁場勾配中の赤血球の泳動
速度を示すグラフである。
【図15】赤血球の泳動速度と磁場強度B(dB/d
x)の関係を示すグラフである。
【符号の簡単な説明】
1・・・一対の磁石、2・・・顕微鏡、3・・・照射ラ
イト、4・・・CCDカメラ、5・・・モニター装置、
6・・・ビデオテープレコーダ、7・・・演算装置(パ
ソコン)、8・・・XYステージ、MP・・・磁極片、
C・・・キャピラリー
フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−105218(JP,A) 特開2000−28512(JP,A) Maciej Zborowski et al.,Analytical Magnetaresis of Fe rritin−Labeled Lym phocytes,Analyteca l Chemistry,1995年,Vo l.67,p.3702−3712 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 G01N 15/00 - 15/14 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場勾配中に設置されたセル内の溶媒に
    懸濁させた磁性微粒子の磁気泳動速度および粒径を測定
    し、測定した微粒子の磁気泳動速度および粒径、媒体の
    粘度および磁化率並びに測定磁気勾配に基づいて微粒子
    の磁化率を決定することを特徴とする、個々の微粒子の
    磁化率測定方法。
  2. 【請求項2】磁場勾配中に設置されたセル内の溶媒に懸
    濁させた磁化率未知の磁性微粒子の磁気泳動速度および
    粒径を測定し、一方磁場勾配中に設置されたセル内の溶
    媒に懸濁させた磁化率既知の磁性微粒子の磁気泳動速度
    および粒径を測定し、磁化率既知の微粒子の磁気泳動速
    度および粒径の測定値に基づいて磁場分布を決定し、決
    定した磁場分布、磁化率未知の微粒子の磁気泳動速度お
    よび粒径を測定値を基づいて該微粒子の磁化率を決定す
    ることを特徴とする、個々の磁性微粒子の磁化率測定方
    法。
  3. 【請求項3】 磁性微粒子が溶媒中に溶解する場合に
    は、微粒子の溶媒に対する溶解度に基づき磁化率を補正
    することを特徴とする、請求項1または2の個々の微粒
    子の磁化率測定方法。
  4. 【請求項4】 微小磁場を形成する1対の磁石と、1対の
    磁石の間に形成された微小磁場空間に設置され、磁性微
    粒子を含む溶媒を充填するセルと、磁場付加中にセル内
    溶媒中の磁性微粒子の磁気泳動速度を測定する測定器、
    該微粒子の半径を測定する測定器、測定した微粒子の磁
    気泳動速度および粒径、媒体の粘度および磁化率並びに
    測定磁気勾配に基づいて磁性微粒子の磁化率を決定する
    演算装置とからなる磁気泳動方式の個々の磁性微粒子の
    磁化率測定装置。
  5. 【請求項5】 磁場付加中にセル内溶媒中の磁性微粒子
    の磁気泳動速度を測定する測定器と該微粒子の半径を測
    定する測定器とが、セル中の微粒子を観測する顕微鏡
    と、顕微鏡で得られた画像を電気信号に変換するCCD
    カメラと、CCDカメラで変換された電気信号を記録す
    るレコーダと、記録された電気信号を解析する解析装置
    からなる、請求項4に記載の磁気泳動方式の個々の磁性
    微粒子の磁化率測定装置。
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