JP3416732B2 - 磁気泳動方式濃度検出方法及び装置 - Google Patents

磁気泳動方式濃度検出方法及び装置

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JP3416732B2 JP2000202689A JP2000202689A JP3416732B2 JP 3416732 B2 JP3416732 B2 JP 3416732B2 JP 2000202689 A JP2000202689 A JP 2000202689A JP 2000202689 A JP2000202689 A JP 2000202689A JP 3416732 B2 JP3416732 B2 JP 3416732B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁場勾配中に設置
されたキャピラリー等のセル内の溶媒中の微粒子の磁気
泳動速度と微粒子の半径とを測定し、その磁気泳動速度
と微粒子の半径とから微小粒子内に含まれる微量の所定
の磁性化学種の濃度を決定する磁気泳動方式濃度検出方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】外部場として磁場を利用する分離法は、1
970年代より、回転ディスク式磁気分離や高勾配磁気
分離(HGMS)が実用化されてきた。それらの方法で
は、混合物質を様々な磁気勾配を用いて分離している。
特に、HGMSでは、線径数10〜100μm程度の強
磁性線に外部磁界を垂直に印加することによって、磁性
線周辺に非常に大きな磁気勾配を発生させ、分離対象粒
子をさらに微細な磁性の弱いものにまで広げた。また、
近年の超伝導磁石の発達によって、より大きな磁場強
度、磁場勾配が利用できるようになり、磁気分離は、環
境化学および生命化学の分析手法としても期待されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまでの磁気分離法
では、概して、最終的に所定の成分を分離することが重
視されてきたため、粒子個々の磁気泳動挙動については
あまり細部まで議論されることはなかった。本発明は、
磁気粒子の分離という点にこだわることなく、磁性粒子
の磁気泳動挙動を解析することで粒子の様々な物理的、
化学的性質が知れる(Velocimetry)との認
識のもとに、完成されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気泳動方式濃
度検出方法は、磁場勾配中に設置されたセル内の溶媒中
の微粒子の磁気泳動速度を測定し、その速度から微粒子
内に含まれる微量の所定の磁性化学種の濃度を決定する
磁気泳動方式濃度検出方法であって、種々の既知濃度M
の所定磁性化学種を含む微粒子を含む溶媒について該セ
ル内の磁場勾配中での微粒子の磁気泳動速度Vxと微小
粒子の半径rとを求め、該既知濃度MとVx/rとの
間の検量線を作成し、濃度が未知の微量の所定の磁性化
学種を含む微粒子を含有する溶媒をセル内に導入し、セ
ル内溶媒中の微粒子の磁気泳動速度及び微粒子の半径と
を測定し、測定した微粒子の磁気泳動速度と微粒子の半
径とから該検量線に基づいて該微粒子内に含まれる微量
の所定の磁性化学種の濃度を決定することを特徴とす
る。
【0005】また、本発明の磁気泳動方式濃度検出装置
は、磁場勾配を形成する1対の磁石と、1対の磁石の間に
設置され、磁性微粒子を含む溶媒を充填するセルと、磁
場付加中にセル内溶媒中の微粒子の磁気泳動速度を測定
する測定器、該微粒子の半径を測定する測定器、所定の
磁性化学種の既知濃度MとVx/r との間で予め作成し
た検量線に基づき、測定した該微粒子の磁気泳動速度及
び半径から微粒子内に含まれる微量の所定の磁性化学種
の濃度を決定する演算装置とからなることを特徴とす
る。
【0006】磁場付加中にセル内溶媒中の微粒子の磁気
泳動速度を測定する測定器と該微粒子の半径を測定する
測定器とが、セル中の微粒子を観測する顕微鏡と、顕微
鏡で得られた画像を電気信号に変換するCCDカメラ
と、CCDカメラで変換された電気信号を記録するレコ
ーダと、記録された電気信号を解析する解析装置とする
ことができる。
【0007】演算装置においては、種々の既知濃度Mの
所定磁性化学種を含む微小粒子を含有する溶媒について
該セル内での磁場勾配中での微粒子の磁気泳動速度Vx
と微小粒子の半径rとの測定値に基づき、該既知濃度M
とVx/rとの間の検量線を作成する。さらに、濃度
が未知の超微量の所定の磁性化学種を含む微粒子の溶媒
がセル内に導入され、セル内溶液中の微小粒子の磁気泳
動速度及び微小粒子の半径とが測定された後、演算装置
は、測定された微小粒子の磁気泳動速度と微小粒子の半
径とから検量線に基づいて該微小粒子内に含まれる微量
の所定の磁性化学種の濃度を決定することが好ましい。
なお、演算装置としてパーソナルコンピュータを用いる
ことができる。また、演算装置に上記記録された電気信
号を解析する機能を兼用させることもできる。
【0008】以下に、本発明に至った実験及び技術解析
及び理論的構成について説明する。 (1) 不均一磁場中で磁性粒子が受ける力と磁気泳動
速度 小型の永久磁石あるいは、磁場中において磁化された一
対の微小磁極片を400マイクロメータ程度の空隙を空
けて配置したときに磁石端付近に生じる磁場勾配に、1
00マイクロメータ×100マイクロメータ程度の正方
形の断面積を有するガラスキャピラリーを設置し、これ
に微粒子を含む水溶媒または非水溶媒を導入する。図1
(a)参照。溶媒が弱い反磁性で、微粒子が強磁性物質
を含む場合、微粒子には、磁石端の外約100マイクロ
メータのB=0の点から磁石の空隙内に向かう磁気力が
作用し(図1(b)参照)、これに対抗する粘性カとの
差の力により等速の運動が生じる。溶媒が常磁性で、微
粒子が弱い反磁性の場合は、磁気浮力により泳動の方向
が磁石の空隙内からB=0点に向かう。磁極間には磁気
勾配があるので、このときの運動はキャピラリー壁方向
に直線的に泳動するのではなく、弧を描くように移動
し、ついにはキャピラリー壁に接触する。
【0009】図1(a)においてキャピラリー軸方向
(以下、x方向とする)について考えると磁性粒子が不
均一磁場中で受ける力、すなわち磁気力は次のように表
される。
【数1】
【0010】図1(b)のグラフはシミュレーションか
ら求めたB(dB/dx)の値である。また、媒体にも
この力が同様に働くので粒子は媒体から次のような磁気
浮力を受ける。
【数2】
【0011】さらに磁性粒子が速度を持ったときには、
溶媒から次の粘性力を受ける。
【数3】
【0012】したがって、微粒子は以上三つの力を受け
る。これらの力を運動方程式に代入すると
【数4】 となる。ここで加速度の項は無視できるほど小さいの
で、磁性微粒子の磁気泳動速度は次のように表される。
【数5】 つまり、磁性微粒子の磁性泳動速度を決定する磁場以外
の要因は、粒子と媒体との体積磁化率の差と粒子の大き
さである。
【0013】(2)磁性粒子の磁性泳動速度の測定 溶媒中の磁性粒子の磁性粒子の磁気泳動速度を実際に、
以下の方法及び装置を用いて測定した。 (2−1) 試料 磁気泳動速度解析の対象として、磁化率が大きく、入手
しやすい塩化マンガン水溶液の液滴を選んだ。0.00
1〜1.0mol dm-3の塩化マンガン水溶液を実験を開始
する直前に媒体である安息香酸エチル5mlが入ったス
クリュー管に30μl加え超音波で液滴に分散させたも
のを試料とした。安息香酸エチルは水で飽和したもの
と、そうでないものを用いた。また磁化率を測定するた
めの試料に0.02〜2.5mol dm-3の塩化マンガン水
BR>溶液を用いた。
【0014】(2−1) 測定装置 (2−1−1)磁気泳動速度測定装置及び実験条件 図2に示す磁気泳動速度測定装置を用いて、微粒子の磁
気泳動速度を測定した。磁気泳動速度測定装置は、セル
としてのキャピラリーCを間に配置する一対の磁石1
と、微粒子の磁気泳動を観察する顕微鏡2と、キャピラ
リーに光を当てるための照射ライト3、顕微鏡で得られ
た画像の光信号を電気信号として変換するCCDカメラ
4と、モニター装置5と、顕微鏡で得られた画像を電気
信号として記録するビデオテープレコーダ6と、演算装
置(パソコン)7とからなる。また、セルを水平面で
X,Y方向に位置調節するためのXYステージ8を設け
た。
【0015】試料液を入れるセルには、内寸100μm
×100μm 、外寸300μm ×300μm の正方形型
キャピラリー(Polymicro Technolo
ges,Square Flexible Fused
Silica Capillary Tubing)
を用いた。上記キャピラリー(長さ20cm)に前述の
試料液を入れ図2のように二枚の磁石間に設置した。磁
石には大きさ16.85mm×19.6mm×2.9m
mのNd−Fe−B磁石(住友特殊金属,NEOMA
X)を使用した。泳動速度の測定領域は磁場勾配の大き
な、磁石端から200μm 内側とした。大きな泳動速度
を得るためにはB(dB/dx)の値を大きくする必要
があるので、アルミニウムのスペーサーを用いて、二枚
の磁石間の距離を400μm とした。二枚の磁石はアル
ミニウム製の磁石ホルダーに固定されており、磁石ホル
ダーはXYステージによりその位置を調節した。ポリス
チレン粒子の泳動挙動は、顕微鏡(中央精機)、CCD
カメラ(ELMO,CN42H)、モニターにより観測
し、ビデオに録画して画像をパソコンに取り込みその解
析を行った。
【0016】(2−2−2) 磁化率の測定 磁化率の測定には磁化率測定器(Sherwood S
cientificLTD,MSB−AUTO)を用い
た。
【0017】(2−3)磁場解析ソフト”SUPERM
OMENT”によるシミュレーションコイルや磁石の作
る磁場や発生するトルクなどを計算することを磁場解析
というが、これらの計算手法には、磁気モーメント法、
有限要素法、境界要素法などがある。本発明で磁場解析
のために使用した”SUPERMOMENT’(H.S
ekiya,1998)は磁気モーメント法のプログラ
ムであり、従来大型コンピューターが使われていた磁場
解析をパソコン上で実行できるようにした製品である。
【0018】この“SUPERMOMENT”によっ
て、磁石が作るおおよその磁場を計算することはできる
が、厳密に磁石周辺での磁場強度を計算することはでき
ない。理由は、実際の磁石の性質と形は完全に整ってい
るわけではないので、実験系ではその影響が出てきてし
まうからである。特に、本発明で扱ったような非常にミ
クロな空間では、磁石の端の丸みなどが磁場の形成に大
きな影響を与える。しかし、ガウスメーターなどの磁場
測定器を使用できないような小さな空間の磁場を予想す
るには、”SUPERMOMENT”による磁場解析は
非常に有用な手段である。
【0019】シミュレーション用の磁石には17mm×
19mm×3mmのNeFeB40磁石(上のNd−Fe
−B磁石と同じ)は同じものを用いた。X軸は磁石端を
0、磁石の内側方向を正の向きとし、Z軸は磁石の中心
を0とした.磁石間の距離は実験と同様、400mmで
ある。 (3)実験結果とその考察 (3−1) 磁場の形と泳動挙動 シミュレーションから得た磁場の形を図3(a)に示
す。図3(b)は磁石及びキャピラリーとX軸及びZ軸
との関係を示す。ここからB(dB/dx)の概形を導
くと、図4(a)と図4(b)のようになる。この図4
(a)と図4(b)と式(5)を見ると、x=200μ
m付近で速度が最も大きくなる事がわかる。また、z方
向には近いほうの磁石に引き付けられるように泳動する
ことも分かる。図5は泳動中の液滴の画像を1秒ごとに
パソコンに取り込み重ね合わせた図であるがシミュレー
ションでの予想どおりに動いている。0〜300μmで
液滴のx方向の速度を測定したものが図6である。この
グラフから分かるように、速度は磁場の形を反映して位
置で変化しx=200μm付近で最大になる。また粒
径、濃度に依存することが分かる。
【0020】(3−2) x=200μm 付近での速度
の粒径依存性 式(5)から分かるように、速度vは粒径rの二乗に
比例する。図7は液滴に0.06mol dm−3塩化マンガ
ン水溶液を用いたときの、x=200μm でのvをr
2に対しプロットしたものであり比例関係が得られた。
【0021】(3−3) △xとマンガン濃度との関係 磁気天秤を用いて、△xとマンガン濃度[Mn2+]との
関係を調べた結果が、図8である。このグラフから△x
と[Mn2+]との間に次の式が成り立つことが分かっ
た。
【数6】 (3−4)x=200μm付近でのVxの濃度依存性 式(5)、(6)から△xは[Mn2+]にも比例するこ
とが分かる。
【数7】
【0022】このことを確かめるために、v/r2
[Mn2+]に対してプロットしたグラフが図9であ
る。グラフを見るとv/r2は[Mn2+]に依存して
いることは分かるが単純な比例関係でもないようであ
る。式(7)に実験で求めたx=20μmでのB(dB
/dx)を代入して得た理論値が図9中の斜めの直線で
ある。なぜこのような関係になったのかを考えると、安
息香酸エチル5mlに塩化マンガン水溶液を30μl分
散させていることから、安息香酸エチル中に液滴の水が
溶け出しており、[Mn2+]が大きくなっているとい
うことが考えられた。
【0023】(3−5) 水を飽和した安息香酸エチル
を用いた実験の結果 液滴が濃縮されて[Mn2+]が大きくなっているかど
うかを調べるため、水を飽和した安息香酸エチルを媒体
として実験を行い、図6と同じようにv/r2を[M
2+]に対してプロットし図9に加えたものが図10
である。新たにプロットしたものは理論値と良い一致を
示している。よって、水が溶け出していたと考えてまず
間違いない。
【0024】(3−6) elocimetryの可
能性について (3−6a)塩化マンガン液滴中の水の濃度 図10から水の水相/安息香酸エチル相での分配比を考
えることができる。まず図の黒点と理論値を比べること
で、[Mn2+]の変化量△[Mn2+]を求めることが
できる。[Mn2+]の濃度を持った塩化マンガン水溶
液の塩化マンガンの質量パーセント濃度を100X
MnC12(%)、溶液の密度をd(g/ml)とすれ
ば、
【数8】
【0025】液滴中の水の質量パーセント濃度をXH20
とすると
【数9】 よって、液滴中の水の濃度は
【数10】
【0026】(3−6b)安息香酸エチル中の水の濃度 安息香酸エチル中に分散する前の塩化マンガン水溶液の
Mn2+濃度、H2O濃度、密度をそれぞれ[Mn2+
initial、[H2O]initial、d
initial分散後を[Mn2+real、[H
2O]real、drealとすれば、分散前後で液滴
中の水の濃度変化△[H2O]は
【数11】
【0027】△[H2O]の分だけ安息香酸エチル相に
分配されるとすると、安息香酸エチル中の水の濃度[H
2O]は、
【数12】 ここでMn2+は安息香酸エチル中に分配されないとす
れば、
【数13】 よって安息香酸エチル中の水の濃度は、
【数14】 以上のことから分配比は次のように求められる。
【数15】
【0028】今のところ密度が未知なのでこの計算はで
きないが、これが分かれば、Dの[Mn2+]依存性が
確かめられる。
【0029】したがって、泳動速度のキヤビラリー軸方
向成分(x軸とする)を求めると、この磁気泳動速度の
x成分は、微粒子が球形の場合はその半径の二乗に比例
するとともに、強磁性物質の量(濃度)に比例する。た
とえば、濃度が未知の強磁性物質を含む微粒子の泳動速
度をCCDカメラとビデオ記録システムを有する顕微鏡
により測定し、速度のx成分を求め、これを予め求めて
おく検量線と比較することにより、その濃度を決定する
ことができる。実際に、マンガンを含む水滴の安息香駿
エチル中での磁気泳動速度を求めると、その濃度が決定
できることが明らかになった。磁気勾配が400T2
mの場合、フェムトモルのマンガン(III)イオンが容
易に検出でき、超伝導磁石を用いて磁場勾配をさらに大
きくするならば、アツトモルのマンガン(III)イオン
の検出も可能と予想される。これは、現在、原子吸光法
や質量分析法等の最新の機器分析法によっても困難な検
出限界である。このような微量定量を、泳動速度だけか
ら得られることは、本法の最大の特徴である。
【0030】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の実施の態様につ
いて述べる。 (1)微粒子、磁性化学種 本発明においては、磁性化学種を含有する微粒子として
は、上記実験のように水等の溶媒等とすることができ、
該溶媒等には密度が1に近く水と混じりあわない非水溶
媒、高分子、セラミック、環境浮遊微粒子、生体微粒子
等の固体を挙げることができ、また磁性化学種として
は、マンガン(II)、鉄(II)などの遷移金属イオンや希
土類金属イオン他、それらを含む化合物を挙げることが
できる。また、微粒子の粒径としては、0.1ミクロン
から100ミクロン位の微粒子が本願発明で特に適合
し、また磁性化学種の濃度は、10−5〜1 mol
dm−3位とすることが好ましい。
【0031】(2)溶媒 微粒子を分散させる溶媒としては、水及び水以外の透明
な液体を用いることができる。微粒子と微粒子懸濁溶媒
との好ましい組合せとしては、例えば水溶液と安息香酸
エチル、2−フルオロベンゼン、アニソール等が上げら
れる。また、溶媒中に分散させる微粒子の濃度は特に限
定されるものではないが10−5〜1mol dm−3
が本発明の磁気泳動方式濃度検出方法に特に適合する。
なお、微粒子を形成する物質が溶媒中に溶解する場合に
は該物質を飽和させた溶媒を用いて同様の測定を行い検
量線を補正して本発明の磁気泳動方式濃度検出を行うこ
とができる。
【0032】(3)セル セルとしては、キャピラリー管、ガラスセル、プラスチ
ックセルを用いることができ、キャピラリーの寸法は特
に限定されるものではないが、例えば、断面席100ミ
クロン×100ミクロンとすることが好ましい。 (4)その他 その他、本法は、有機溶液に水溶液を分散させたもので
も、あるいは逆に水溶液に有機溶液を分散させたものに
対しても適用可能である。
【0033】微粒子形成媒質、粒度 また、微粒子は、その磁化率が媒体より大きいか、小さ
いかにより泳動の方向を異にするので、泳動の方向から
含まれる物質が反磁性か強磁性か等も判定することがで
きる。泳動速度から濃度を決定する考え方は、他の泳動
法にも適用できる。
【0034】なお、本願発明では実施例がかなり少ない
ですが、すぐ上の磁化率についても含め、更に実施例を
追加することができますか。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は磁石に狭まれたキヤビラリー内の溶
液中で磁性粒子の受けるカを示す説明する図であり、
(b)はキャピラリーX軸変位に対するBdB/dxを
示す図である。
【図2】 本発明に係る粒子の泳動速度の磁気泳動測定
装置を模式的に示す。
【図3】 (a)は磁場解析ソフト“SUPERMOM
ENT”によるシミュレーションによって得られた磁場
の形を示し、(b)は磁石及びキャピラリーとX軸及び
Z軸との関係を示す。
【図4】 (a)は磁場解析ソフト“SUPERMOM
ENT”によるシミュレーションのB(dB/dx)/
−1の測定結果をしめし、(b)は(dB/d
z)/T−1の測定結果を示す。
【図5】 キヤピラリー内の安息香酸エチル中の塩化マ
ンガン液滴の磁気泳動挙動の測定例を示す。
【図6】 0〜300μmでの液滴のX方向の速度を測
定した結果を示し、磁気泳動速度の位置、粒径、濃度依
存性を示すものである。
【図7】 0.06mol dm-3の塩化マンガン水溶液液滴
の泳動速度(キャピラリー軸方向成分vx)を液滴半径r
に対してプロットした図である。
【図8】 実験例におけるΔχとマンガン濃度との関係
を示す。
【図9】 乾燥安息香酸エチル(a)と水飽和安息香酸
エチル(b)を用いたときの磁気泳動速度性をマンガン
濃度に対してプロットした図である。
【図10】 水を飽和させた安息香酸エチルを媒体とし
て用いて実験した場合の磁気泳動速度性をマンガン濃度
に対してプロットした図である。
【符号の簡単な説明】
1・・・一対の磁石、2・・・顕微鏡、3・・・照射ラ
イト、4・・・CCDカメラ、5・・・モニター装置、
6・・・ビデオテープレコーダ、7・・・演算装置(パ
ソコン)、8・・・XYステージ、C・・・キャピラリ
フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−105218(JP,A) 特開2000−28512(JP,A) Maciej Zborowski et al.,Analytical Magnetapheresis of Ferritin−Labeled Lymphocytes,Analye ical Chemistry,1995 年,Vol.67,p.3702−3712 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場勾配中に設置されたセル内の溶媒に
    懸濁させた微粒子の磁気泳動速度を測定し、その速度か
    ら微粒子内に含まれる微量の所定の磁性化学種の濃度を
    決定する磁気泳動方式濃度検出方法であって、種々の既
    知濃度Mの所定磁性化学種を含む微粒子を含む溶媒につ
    いて該セル内の磁場勾配中での微粒子の磁気泳動速度V
    xと微小粒子の半径rとを求め、該既知濃度MとVx/
    との間の検量線を作成し、濃度が未知の微量の所定
    の磁性化学種を含む微粒子を懸濁させた溶媒をセル内に
    導入し、セル内溶媒中の微粒子の磁気泳動速度及び微粒
    子の半径とを測定し、測定した微粒子の磁気泳動速度と
    微粒子の半径とから該検量線に基づいて該微粒子内に含
    まれる微量の所定の磁性化学種の濃度を決定する磁気泳
    動方式濃度検出方法。
  2. 【請求項2】 該所定の磁性化学種を含む微粒子が該溶
    媒中に溶解する場合には、微粒子の溶媒に対する溶解度
    に基づき、前記検量線を補正する請求項1に記載の磁気
    泳動方式濃度検出方法。
  3. 【請求項3】 該検量線の補正方法が、該所定の磁性化
    学種を含む微粒子を含有する該溶媒として微粒子を構成
    する物質を飽和させた溶媒を用いる請求項2に記載の磁
    気泳動方式濃度検出方法。
  4. 【請求項4】 磁気泳動方式濃度検出装置は、磁場勾配
    を形成する1対の磁石と、1対の磁石の間に設置され、磁
    性微粒子を含む溶媒を充填するセルと、磁場付加中にセ
    ル内溶媒中の微粒子の磁気泳動速度を測定する測定器、
    該微粒子の半径を測定する測定器、所定の磁性化学種の
    既知濃度MとVx/r との間で予め作成した検量線に基
    づき、該微粒子の磁気泳動速度及び半径から微粒子内に
    含まれる微量の所定の磁性化学種の濃度を決定する演
    算装置とからなる磁気泳動方式濃度検出装置。
  5. 【請求項5】 磁場付加中にセル内溶媒中の微粒子の磁
    気泳動速度を測定する測定器と該微粒子の半径を測定す
    る測定器とが、セル中の微粒子を観測する顕微鏡と、顕
    微鏡で得られた画像を電気信号に変換するCCDカメラ
    と、CCDカメラで変換された電気信号を記録するレコ
    ーダと、記録された電気信号を解析する解析装置とから
    なる請求項4に記載した磁気泳動方式濃度検出装置。
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