JP6782953B2 - 無線電力伝送システム - Google Patents

無線電力伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP6782953B2
JP6782953B2 JP2016074656A JP2016074656A JP6782953B2 JP 6782953 B2 JP6782953 B2 JP 6782953B2 JP 2016074656 A JP2016074656 A JP 2016074656A JP 2016074656 A JP2016074656 A JP 2016074656A JP 6782953 B2 JP6782953 B2 JP 6782953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power transmission
transmission system
wireless power
electromagnetic wave
impedance matching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016074656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017188985A (ja
Inventor
昌也 田村
昌也 田村
一平 高野
一平 高野
和暉 小松
和暉 小松
耀介 渡邊
耀介 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyohashi University of Technology NUC
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyohashi University of Technology NUC filed Critical Toyohashi University of Technology NUC
Priority to JP2016074656A priority Critical patent/JP6782953B2/ja
Publication of JP2017188985A publication Critical patent/JP2017188985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6782953B2 publication Critical patent/JP6782953B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

本発明は、無線電力伝送システムに関する。とくに、金属体や絶縁体などの障害物を有する金属で囲われた配管やエンジンルーム、工場内部などに設置されたセンサ等へ無線で電力を供給する、あるいは情報を送受信するための構造体および無線伝送システムに関するものである。
従来の離れた場所への無線電力伝送システムは、レクテナの原理に基づいて、電磁波を受電するアンテナと、前記アンテナと接続された整流回路からなる。前記アンテナを複数個近接して配置して実効的な受電面積を拡張させるアレー構造を設けることで無線電力伝送システムが構成される。
例えば、特許文献1には、マイクロ波を受信する受信手段と、受信したマイクロ波を整流する第1及び第2整流回路と、前記受信手段と前記第1及び第2整流回路との間に介装されたハイブリッド回路を備えたレクテナが開示されている。
特開2012−23857号公報
このような従来の無線電力伝送システムでは、送電側システムと受電側システム間の見通しが良い場所での無線電力伝送が前提であるため、金属体や絶縁体などの障害物により見通しが悪い場所では、電力伝送効率は著しく劣化することが分かっている。
すなわち、従来の無線電力伝送システムでは、使用するアンテナの利得を決定する、アンテナの実効面積に応じて受電側システムでの電磁界強度が決まってしまうため、送受電アンテナ間に金属体や絶縁体を有する金属で囲われた配管やエンジンルーム、工場内部など複雑な構造物内では十分な実効面積を持つ送電アンテナを配置できないため、見通しの悪い場所にある受電アンテナに十分な量の電力が届かず、受電側システムでの電磁界強度が著しく低下することが課題であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、使用するアンテナの実効面積が小さく、障害物等により見通しの悪い場所であっても高効率な無線電力伝送を実現するものである。
本発明にかかる第一の無線電力伝送システムは、適宜な比透磁率を有する材料で形成された電磁波反射部材によって全体が包囲された構造体と、該構造体の内部に設置された少なくとも1つの送電部および少なくとも1つの受電部とを備え、前記送電部は、前記設備本体を導波路共振器と想定する場合における共振周波数による電磁波を送信するものであることを特徴とする。
本発明に係る第二の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第一の無線電力伝送システムであって、前記構造体は、一部が他と異なる種類の電磁波反射部材が使用されていることを特徴とする。
本発明に係る第三の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第一または第二の無線電力伝送システムであって、前記構造体を包囲する電磁波反射部材は、一部の領域または全体に貫通孔を有するものであることを特徴とする。
本発明に係る第四の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第三の無線電力伝送システムであって、前記貫通孔は、前記電磁波反射部材の一部または全部が、適宜な比透磁率を有する材料によって網目状に形成することによって設けられるものであることを特徴とする。
本発明に係る第五の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第一ないし第四のいずれかの無線電力伝送システムであって、前記共振周波数は、基底共振周波数に設定されていることを特徴とする。
本発明に係る第六の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第一ないし第五のいずれかの無線電力伝送システムであって、前記ケーシングの内部に金属体および/または絶縁体からなる遮蔽物が設置される場合における前記共振周波数は、前記遮蔽物をリアクタンス素子とみなして算出される基底共振周波数に設定されていることを特徴とする。
本発明に係る第七の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第一ないし第六のいずれかの無線電力伝送システムであって、前記送電部と前記受電部との間における伝送路間でインピーダンス整合させていることを特徴とする。
本発明に係る第八の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第七の無線電力伝送システムであって、前記受電部が複数である場合における前記インピーダンス整合は、任意の受電部を選択し、該受電部と前記送電部との間における伝送路間でインピーダンス整合したものであることを特徴とする。
本発明に係る第九の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第七の無線電力伝送システムであって、前記受電部が複数である場合における前記インピーダンス整合は、複数ポート同時整合法による基準インピーダンスによりインピーダンス整合したものであることを特徴とする。
本発明に係る第十の無線電力伝送システムは、前記本発明に係る第七の無線電力伝送システムであって、前記受電部が複数である場合における前記インピーダンス整合は、前記送電部と個別の受電部との間における伝送路間でインピーダンス整合させるものであって、適宜時間を単位として異なる伝送路間のインピーダンス整合に切り替えるものであることを特徴とする。
本発明により、金属や絶縁体などの障害物を有する金属で囲われた遮蔽空間内全体に定在波を発生させることができるため、前記遮蔽空間内の任意の場所で電界強度、磁界強度のいずれか、あるいは両方が強くなり、電力を得ることができる。その結果として、送電用無線電力伝送システムと受電用無線電力伝送システムの見通しが悪くとも高効率の電力伝送を実現できる。
本発明に係る無線電力伝送システムの第一の構成を表す図である。 本発明に係る無線電力伝送システムの第二の構成を表す図である。 本発明に係る実施例1に記載の無線電力伝送システムにおいて見通し内に受電器を設置した無線電力伝送システムの斜視図である。 パネルマウントタイプのSMAコネクタの斜視図である。 本発明に係る実施例1に記載の無線電力伝送システムにおいて見通し外に受電器を設置した第一の無線電力伝送システムの斜視図である。 本発明に係る実施例1に記載の無線電力伝送システムにおいて見通し外に受電器を設置した第二の無線電力伝送システムの斜視図である。 本発明に係る実施例1に記載の無線電力伝送システムにおける電力伝送効率の周波数特性を示す図である。 本発明に係る実施例2に記載の無線電力伝送システムの斜視図である。 本発明に係る実施例2に記載の無線電力伝送システムにおける電力伝送効率の周波数特性を示す図である。 本発明に係る実施例3に記載の無線電力伝送システムの斜視図である。 本発明に係る実施例3に記載の無線電力伝送システムにおける電力伝送効率の周波数特性を示す図である。
本発明に係る無線電力伝送システムについて、以下に図を用いて説明する。
図1は本発明に係る無線電力伝送システムの構成図である。図1において、無線電力伝送システム1は内部に少なくとも1つ以上の送電器2と、少なくとも1つ以上の受電器3を有しており、前記無線電力伝送システム1は電磁波を反射する材料である電磁波反射板4で全面が囲われている。すなわち、前記無線電力伝送システム1は無線給電を実施する構造物全体を指している。
前記電磁波反射板4は、銅や鉄などの金属や高い比透磁率を有する導電性材料からなる。さらに、前記電磁波反射板4は板状の部材だけでなく、前記金属や導電材料からからなるメッシュ状または網状の部材であってもよい。
次に、前記本発明に係る無線電力システムの構成を具体的に説明する。前記無線電力伝送システム1は前記電磁波反射板4で遮蔽された空間を有するため、導波管共振器として考えることができる。したがって、前記無線電力伝送システム1においてx軸方向の辺の長さをa、y軸方向の辺の長さをb、z軸方向の辺の長さをcとすると、下記数式1から求められる共振周波数fr1m,n,pを送電周波数に設定することで、前記無線電力伝送システム1内全体に電磁界を分布させることができる。
Figure 0006782953
ここで、vは光速、μrは比透磁率、εrは比誘電率、m、n、pはそれぞれ整数を示している。
前記共振周波数のうち、最も低い周波数を示す共振周波数を基底共振周波数と呼ぶ。例えば、図1に示すように、前記無線電力伝送システム1が直方体であり、前記送電器2をz軸方向に配置した場合、m=1、n=0、p=1となるTE101モードが基底共振周波数を示す。送電周波数を基底共振周波数に設定すると前記無線電力伝送システム1内全体に電磁界定在波が生じる。
前記電磁界定在波では、電界定在波の振幅が密な場所では磁界定在波の振幅が疎となり、電界定在波の振幅が疎の場所では磁界定在波の振幅は密となる。したがって、前記受電器3は、電界定在波の振幅が密の場所では電界から、磁界定在波の振幅が密の場所では磁界から電力を得ることができる。また、電界定在波と磁界定在波の両方が存在する場所では、電界および磁界の両方から電力を得ることができる。
続いて、前記無線電力伝送システム1の内部に、少なくとも一面が前記電磁波反射板4と接続された金属体5が、少なくとも1つ以上存在する無線電力伝送システム6を考える。
図2に示すように、前記無線電力伝送システム6の内部に配置された前記送電器1をz軸方向に配置した場合、前記金属体5が、電界定在波が集中する位置に配置されているならば、電界エネルギーが蓄えられるため容量性、一方、前記金属体5が、磁界定在波が集中する位置に配置されているならば、磁気エネルギーが蓄えられるため誘導性を示す。すなわち、前記金属体5はリアクタンス素子として動作する。
その結果、前記無線電力伝送システム6の共振周波数fr2m,n,pは、前記無線電力伝送システム1の共振周波数fr1m,n,pよりも低周波となる。したがって、前記無線電力伝送システム6においては共振周波数fr2m,n,pを送電周波数に設定することで前記無線電力伝送システム6内全体に電磁界を分布させることができる。
前記無線電力伝送システム6において、送電周波数を共振周波数fr2m,n,pに設定した場合、前記無線電力伝送システム1において送電周波数を共振周波数fr1m,n,pに設定した場合と同様に、前記無線電力伝送システム6内に生じる定在波は、電界定在波が密な場所では磁界定在波が疎となり、電界定在波が疎の場所では磁界定在波は密となる。したがって、前記受電器3は、電界定在波の振幅が密の場所では電界から、磁界定在波の振幅が密の場所では磁界から電力を得ることができる。また、電界定在波と磁界定在波の両方が存在する場所では電界および磁界の両方から電力を得ることができる。
上記の構成により、無線電力伝送システム内全体に電磁界を分布させることができるため、受電部での電磁界強度を低下させることなく電力を得ることができ、結果として、無線電力伝送効率の高効率化が実現できる。具体的には、本発明に係る無線電力伝送システムの受電器に接続された、温度センサや照度センサ、湿度センサなどのセンサモジュールといった電子機器を駆動させることができる。
さらに、前記無線電力伝送システム1の内部に少なくとも絶縁体が、少なくとも1つ以上存在する無線電力伝送システムを考える。すなわち、前記無線電力伝送システム6の前記金属体5を前記絶縁体に置き換えた場合である。
前記無線電力伝送システム6と同様に、前記無線電力伝送システムの内部に配置された前記送電器1をz軸方向に配置した場合、前記絶縁体が、電界定在波が集中する位置に配置されているならば、前記絶縁体の誘電性からコンデンサとみなすことができる。一方、前記絶縁体が、磁界定在波が集中する位置に配置されているならば、前記絶縁体の磁性からインダクタとみなすことができる。すなわち、前記絶縁体はリアクタンス素子として動作する。
その結果、前記無線電力伝送システム6の共振周波数fr3m,n,pは、前記無線電力伝送システム1の共振周波数fr1m,n,pよりも低周波となる。したがって、前記無線電力伝送システムにおいては共振周波数fr3m,n,pを送電周波数に設定することで、前記無線電力伝送システム6と同様の効果を得ることができる。
さらに、前記受電器3が複数配置された場合を考える。このような場合でも、電界定在波の振幅が密の場所では電界から、磁界定在波の振幅が密の場所では磁界から、電界定在波と磁界定在波の両方が存在する場所では電界および磁界の両方から、同時に電力を得ることができる。
なお、複数配置された前記受電器3から同時に電力を得る場合は電力分配されるため、受電器1個あたりの受電電力は低下するが、各受電器を時分割して受電することで、前記送電器2と前記受電器3を1対1とする場合と同等の状況を作り出し、結果として、受電器1個あたりの受電電力を向上させることができる。
なお、送電周波数を基底共振周波数に設定することで最も低い周波数で電力を伝送することができるため、受電器に接続されて使用する整流回路の高効率化を実現できる。結果として、無線電力伝送効率の向上を実現できる。
なお、前記電磁波反射板4を、銅や鉄などの金属や高い比透磁率を有する導電性材料からなるメッシュ状や網状の部材に置き換えた場合、電力供給する周波数においてのみ電磁波反射板と同様に動作させることができる。
そのため、情報通信を行う場合、通信周波数はメッシュ状や網状の部材を通過するので、前記情報通信を前記無線電力伝送システム1外、あるいは前記無線電力伝送システム6外から制御することができる。例えば、前記無線電力伝送システム1内、あるいは前記無線電力伝送システム6内でセンシングの指示や、センシングデータを前記無線電力伝送システム1外、あるいは前記無線電力伝送システム6外で送受信することができる。
図3に示す前記電磁波反射板5をアルミニウムからなる金属板、前記送電器2と前記受電器3を銅製のモノポールプローブ、前記金属体5を銅からなる遮蔽物7、8、9、10、11からなる前記無線電力伝送システム6を考える。
前記無線電力伝送システム6の内寸はx軸方向に496mm、y軸方向に477mm、z軸方向に291mmとする。前記無線電力伝送システム6の各面は導通接続されている。前記無線電力伝送システム6のうち前記送電器2と前記受電器3および前記遮蔽物7、8、9、10、11が配置されている面を面12とする。前記面12上の配置はx座標、y座標ごとにmm単位で表記する。
前記励振プローブ2、3は、図4に示すようにパネルマウントタイプのSMA(Sub Miniature TypeA)コネクタ13の中心導体14に銅線15をはんだづけしたものであり、ねじおよびナットにより前記面12に固定することができる。ここでは、前記銅線15は前記中心導体14を軸とした螺旋部の内径が12mm、螺旋のピッチが11mmの螺旋形状で、軸方向の長さは95mmとする。
前記送電器2はx座標が346mm、y座標が94mmの位置に、前記受電器3はx座標が170mm、y座標が319mmの位置にそれぞれ取り付ける。ここで、前記送電器2と前記受電器3の座標位置は前記中心導体14を基準として定められるものとする。
例えば、前記遮蔽物7はx座標316mm、y座標346mmを基準とし、x軸方向に160mm、y軸方向に100mm、z軸方向に150mmの大きさ、
前記遮蔽物8はx座標30mm、y座標406mmを基準とし、x軸方向に150mm、y軸方向に40mm、z軸方向に170mmの大きさ、
前記遮蔽物9はx座標316mm、y座標200mmを基準とし、x軸方向に160mm、y軸方向に50mm、z軸方向に110mmの大きさ、
前記遮蔽物10はx座標195mm、y座標33mmを基準とし、x軸方向に50mm、y軸方向に150mm、z軸方向に100mmの大きさ、
前記遮蔽物11はx座標60mm、y座標18mmを基準とし、x軸方向に50mm、y軸方向に270mm、z軸方向に130mmの大きさのいずれも銅製の箱とする。
前記遮蔽物7、8、9、10、11は前記面12と導通させるため、前記面12へ、例えば導電性テープを用いて固定される。
前記遮蔽物7、8、9、10、11の配置から、前記送電器2と前記受電器3は互いに見通し内に位置されている。
前記遮蔽物7、8、9、10、11を含まない前記無線電力伝送システム1の基底共振周波数は、その内寸から下記数式2より求められ、436.3MHzである。
Figure 0006782953
一方、前記遮蔽物7、8、9、10、11を含んだ前記無線電力伝送システム6は前記無線電力伝送システム1に比べてリッジ効果により共振周波数は低周波化する。
前記共振周波数は電磁界シミュレーション(例えば、ANSYS社製HFSS(登録商標))などを用いることで構造から容易に計算することができる。図3に示す構造は357.5MHzと求められる。よって、電力伝送に用いる周波数は357.5MHzとなる。
上記の構成において、前記送受電器2、3を含む送受電システムがインピーダンス整合された状態での電力伝送効率は74.4%となる。
一方、前記送電器2の見通し外となるように前記受電器3を、図5に示すようにx座標396mm、y座標298mmとなる見通し外の位置に移動させた場合のインピーダンス整合後の電力伝送効率は39.6%となり、図6に示すようにx座標152.5mm、y座標108mmとなる見通し外の位置に移動させた場合のインピーダンス整合後の電力伝送効率は46.7%となる。
前記受電器3を、図7中に示す各位置、x座標170mm、y座標319mmと、x座標396mm、y座標298mm、およびx座標152.5mm、y座標108mmに配置した時の電力伝送効率の最大値を図7に示す。
以上により、前記受電器3に接続された、温度センサや照度センサ、湿度センサなどのセンサモジュールといった電子機器を駆動させることができる。
図3に示す前記無線電力伝送システム6において、図8に示すように新たにx座標396mm、y座標298mmの位置に設置した受電器16、およびx座標152.5mm、y座標108mmの位置に設置した受電器17を前記面12に配置し、1つの送電器から3つの受電器に同時に電力を伝送する。
このとき、前記受電器3は前記受電器2の見通し内、前記受電器13、14は前記送電器2の見通し外に位置している。
送電周波数は、実施例1と同様に、内部に前記遮蔽物7、8、9、10、11を含む前記無線電力伝送システム6の基底共振周波数である357.5MHzである。
前記送電器2および前記受電器3、16、17を4ポート同時整合法により基準インピーダンスでインピーダンス整合を行った場合、図9に示すように、前記送電器2から前記受電器3への電力伝送効率は47.3%となり、前記受電器16への電力伝送効率は4.5%となり、前記受電器17への電力伝送効率は6.6%となる。
一方、前記送電器2および前記受電器3、16、17の回路側から見たインピーダンスが同じになるように整合を行った場合には、見通し内に位置する前記受電器3が電力を受け取りやすく、見通し外に位置する前記受電器16、17は電力を受け取りにくい。
しかしながら、インピーダンス整合時に前記送電器2および前記受電器3、16、17の回路側から見たインピーダンスが異なるように整合すれば、前記受電器3、16、17に対する電力伝送効率を任意に操作することができる。よって、整合条件を操作することにより全ての受電器に対し同等な伝送効率を達成することが可能である。
なお、送電器と、ある1つの受電器のみに注目して整合し、該受電器以外の他の受電器が電力を受け取れない状態にすれば、特定の受電器に高効率に電力を伝送することが可能である。
例えば、時分割で送電対象を変更することで単位時間あたりの電力伝送量を向上できる。1W出力で前記送電器2から各受電器3、16、17に電力を伝送することを考える場合、3秒間に伝送できるエネルギーは、同時給電時には前記受電器3に1,419mJ、前記受電器16に135mJ、前記受電器17に198mJとなるのに対し、1秒毎に受電器を切り替えて電力を伝送した場合には、前記受電器3に744mJ、前記受電器16に396mJ、前記受電器17に467mJとなる。これは、温度センサや照度センサ、湿度センサなどのセンサモジュールといった電子機器を駆動させるには十分な電力量である。
図8に示す前記無線電力伝送システム6において、図10に示すように前記電磁波反射板4の面12の対面を別の材料からなる電磁波反射板18に置き換えた無線電力伝送システム19、実施例2と同様に見通し内外の3つの受電器へ同時給電を行う。
前記電磁波反射板18は網目が約1.5mmのナイロン製の網に純銀をコーティングした金属メッシュであり、前記電磁波反射板4に絶縁テープにより貼り付けられる。
実施例2と同様に、送電器2から受電器3、16、17に同時給電を行う。前記無線電力伝送システム19の共振周波数は、全面が同一の電磁波反射板4を示すアルミニウム板から前記電磁波反射板18に置き換わったことにより、358.5MHzに変化する。したがって、前記共振周波数値で電力を伝送する。
前記送電器2および前記受電器3、16、17を基準インピーダンスにインピーダンス整合を行った場合、図11に示すように、前記送電器2から前記受電器3への電力伝送効率は45.1%となり、前記送電器2から前記受電器プローブ16への電力伝送効率は4.2%となり、前記送電器2から前記受電器17への電力伝送効率は5.8%となる。
本発明に係る無線電力伝送システムの開口面を電磁波反射板で遮蔽することにより、擬似的に完全な遮蔽空間と見なすことができ、高い効率を維持したまま軽量化が可能となる。
なお、前記電磁波反射板18は金属箱1の壁面に用いられる金属板より軽量であり、網目が電力伝送に使用する周波数の波長より十分短い銅や鉄などの金属や高い比透磁率を有する導電性材料など電磁波を反射する材料でも代用できる。これにより、軽量化や通気性の確保が可能であり、より広い用途に適用することができる。
1、6、19 無線電力伝送システム
2 送電器
3、16、17 受電器
4、18 電磁波反射板
5 金属体
7、8、9、10、11 遮蔽物

Claims (10)

  1. 適宜な比透磁率を有する材料で形成された電磁波反射部材によって全体が包囲された構造体と、該構造体の内部に設置された少なくとも1つの送電部および少なくとも1つの受電部とを備え、
    前記送電部は、前記構造体の全体を導波路共振器と想定する場合における共振周波数による電磁波を送信するものであり、
    前記構造体を包囲する電磁波反射部材には、該構造体の内部と外部との間で情報通信のために設けられた貫通孔を有する領域が形成されていることを特徴とする無線電力伝送システム。
  2. 適宜な比透磁率を有する材料で形成された電磁波反射部材によって全体が包囲された構造体と、該構造体の内部に設置された少なくとも1つの送電部および少なくとも1つの受電部とを備え、
    前記送電部は、前記構造体の全体を導波路共振器と想定する場合における共振周波数による電磁波を送信するものであり、
    前記構造体を包囲する電磁波反射部材には、該電磁波反射部材の一部が適宜な比透磁率を有する材料によって網目状に構成されることにより、貫通孔を有する領域が形成されていることを特徴とする無線電力伝送システム。
  3. 前記構造体の内部に金属体もしくは絶縁体またはこれらの双方による遮蔽物が設置される場合において、前記領域は、前記送電部、前記受電部および前記遮蔽物が設置される面と対向する面に形成されるものである請求項1または2に記載の無線電力伝送システム。
  4. 前記領域は、ナイロン製の網に純銀をコーティングしてなる金属メッシュで構成され、周囲の前記電磁波反射部材に対して絶縁材料を介して貼着されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  5. 前記共振周波数は、基底共振周波数に設定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  6. 前記構造体の内部に金属体もしくは絶縁体またはこれらの双方による遮蔽物が設置される場合における前記共振周波数は、前記遮蔽物をリアクタンス素子とみなして算出される基底共振周波数に設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  7. 前記送電部と前記受電部との間における伝送路間でインピーダンス整合させていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の無線電力伝送システム。
  8. 前記受電部が複数である場合における前記インピーダンス整合は、任意の受電部を選択し、該受電部と前記送電部との間における伝送路間でインピーダンス整合したものであることを特徴とする請求項7に記載の無線電力伝送システム。
  9. 前記受電部が複数である場合における前記インピーダンス整合は、複数ポート同時整合法による基準インピーダンスによりインピーダンス整合したものであることを特徴とする請求項7に記載の無線電力伝送システム。
  10. 前記受電部が複数である場合における前記インピーダンス整合は、前記送電部と個別の受電部との間における伝送路間でインピーダンス整合させるものであって、適宜時間を単位として異なる伝送路間のインピーダンス整合に切り替えるものであることを特徴とする請求項7に記載の無線電力伝送システム。
JP2016074656A 2016-04-01 2016-04-01 無線電力伝送システム Active JP6782953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016074656A JP6782953B2 (ja) 2016-04-01 2016-04-01 無線電力伝送システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016074656A JP6782953B2 (ja) 2016-04-01 2016-04-01 無線電力伝送システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017188985A JP2017188985A (ja) 2017-10-12
JP6782953B2 true JP6782953B2 (ja) 2020-11-11

Family

ID=60046604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016074656A Active JP6782953B2 (ja) 2016-04-01 2016-04-01 無線電力伝送システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6782953B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7039000B2 (ja) * 2017-11-13 2022-03-22 国立大学法人豊橋技術科学大学 受電装置およびそれを用いる無線電力伝送システム
JP7307933B2 (ja) * 2018-11-30 2023-07-13 国立大学法人豊橋技術科学大学 送受電器およびそれを用いる無線電力伝送システム
WO2022168401A1 (ja) * 2021-02-02 2022-08-11 株式会社村田製作所 無線電力伝送システムおよび無線電力伝送システム用の共振周波数調整部

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19729959C5 (de) * 1997-07-12 2006-06-08 Conti Temic Microelectronic Gmbh Brennkraftmaschine mit von einer Zentraleinheit gesteuerten elektronischen Komponenten
US8026857B2 (en) * 2008-01-17 2011-09-27 The Boeing Company Wireless data communication and power transmission using aircraft structures having properties of an electromagnetic cavity
TWI364895B (en) * 2008-06-09 2012-05-21 Univ Nat Taipei Technology Wireless power transmitting apparatus
WO2013179284A2 (en) * 2012-05-29 2013-12-05 Humavox Ltd. Wireless charging device
JP2014193086A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Panasonic Corp ワイヤレスグリッド及びそれを用いた無線センサネットワークシステム
EP2984705A4 (en) * 2013-04-12 2016-12-07 Sikorsky Aircraft Corp HOLLOW COMPOSITE STRUCTURE AS WAVE GUIDE
FI127914B (fi) * 2014-08-21 2019-05-15 Stealthcase Oy Sähkömagneettisia aaltoja ohjaava laite ja menetelmä
JP6394182B2 (ja) * 2014-08-27 2018-09-26 株式会社デンソー 非接触給電装置
US10707685B2 (en) * 2014-12-08 2020-07-07 Disney Enterprises, Inc. Resonant cavity mode enabled wireless power transfer

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017188985A (ja) 2017-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101767266B1 (ko) 무선전력전송소자의 임피던스 정합을 위한 직접 급전 장치 및 그를 이용한 송수신기
US9905931B2 (en) Antenna for short-range applications and use of an antenna of this type
JP6973781B2 (ja) 無線電力伝送システム
US20180226187A1 (en) Signal and power transmission system
JP6051879B2 (ja) パッチアンテナ
JP6782953B2 (ja) 無線電力伝送システム
JP7307933B2 (ja) 送受電器およびそれを用いる無線電力伝送システム
US20170187250A1 (en) Electromagnetic wave radiation-based wireless power transmitter and wireless power transfer system using high gain antenna and beam forming and steering technology
KR20170062354A (ko) 맨홀 커버형 전방향성 안테나
CN106605335A (zh) 天线以及电气设备
US10530424B2 (en) Antenna device for short-range applications and use of an antenna device of this type
JP6270219B2 (ja) 電力供給装置
JP2015023638A (ja) 無線電力伝送システム
JP5556716B2 (ja) 電磁結合器及びそれを搭載した無線端末
JP5505794B2 (ja) 電磁結合器及びそれを搭載した情報通信機器
KR20180093601A (ko) 안테나 장치
JP2019047328A (ja) アンテナ及び通信装置
EP3182513B1 (en) Mobile terminal with a transmission line antenna
CN103427149B (zh) 天线及电子装置
KR101360024B1 (ko) 커패시터를 이용한 무선 전력 전송 장치 및 방법
CN108140938B (zh) 家用器具中的hf传输路径
CN108475844B (zh) 天线、无人机的地面控制系统以及无人机系统
WO2015008483A1 (ja) 無線装置
US8923776B1 (en) Short loop connection method
JP5519995B2 (ja) アンテナ及びそれを搭載した地中レーダ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200929

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6782953

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250