以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。図1乃至図14は、一実施の形態及びその変形例を説明するための図である。このうち、図1は、一実施形態に係る錠剤管理装置1を示す斜視図である。
図1に示す錠剤管理装置1は、錠剤の利用に関する情報を管理するモジュール付パッケージである。錠剤管理装置1は、複数の錠剤を収容するパッケージ体2を有し、このパッケージ体2は、電子部品を収容したモジュール体5に装着されている。パッケージ体2から錠剤が取り出されると、この取り出しの情報がパッケージ体2に配置されたパッケージ回路13(図3参照)にて検出され、パッケージ回路13からモジュール体5に送られるようになっている。
とりわけ、図1に示すパッケージ体2は、モジュール体5に着脱可能に保持されている。この場合、パッケージ体2内の錠剤がなくなると、使用済みのパッケージ体2を新たなパッケージ体2と交換すればモジュール体5を繰り返し使用することができるため、経済的である。しかしながら、パッケージ体2の交換は、通常患者によって行われるため、新たなパッケージ体2をモジュール体5に正しく装着できないおそれがある。そこで、本実施の形態の錠剤管理装置1は、パッケージ体2を交換する際に、新たなパッケージ体2をモジュール体5に確実に取り付けることができるような工夫がなされている。以下、このように構成された錠剤管理装置1を構成する各構成要素について説明する。
先ず、図2を参照して、錠剤を収容するパッケージ体2について説明する。図2は、パッケージ体2を示す平面図である。図2に示すように、パッケージ体2は、錠剤を収容するための複数の膨出部11を含む収容領域10と、収容領域10に接続された取付領域20と、を含んでいる。収容領域10に収容される錠剤としては、医薬品として用いられるものや健康食品として用いられるものが挙げられる。本実施の形態では、錠剤として、医薬品としての錠剤が収容されている。なお、錠剤とは、カプセルやタブレットとも呼ばれ得るものを含む概念である。
パッケージ体2は、積層構造体として構成されている。具体的には、図1に示すように、複数の膨出部11が形成された成形基材3に、カバー材4を積層することにより形成されている。膨出部11をカバー材で覆うことにより、錠剤を収容する収容空間12が規定される。なお、本実施の形態では、成形基材3がパッケージ体2の表面2aを規定し、カバー材4がパッケージ体2の裏面2bを規定する。
本実施の形態によるパッケージ体2は、図2に示す方向からみた平面視において、矩形状の輪郭をもつ。具体的には、パッケージ体2の外縁2cは、当該パッケージ体2の長手方向ldに対向する直線状の上縁2d及び下縁2eと、長手方向ldに直交する幅方向wdに対向する直線状の一対の側縁2f、2gと、を含んでいる。各側縁2f、2gは、上縁2d及び下縁2eの対応する端部間を延びている。
複数の膨出部11は、収容領域10内で二次元配列されている。図2に示す例では、パッケージ体2の幅方向wdに並んだ2つの膨出部11が、パッケージ体2の長手方向ldに5列並べられ、合計で10個の膨出部11が設けられている。
取付領域20は、パッケージ体2のうちのモジュール体5に装着される部分を構成する。取付領域20は、収容領域10に隣り合って位置し、パッケージ端子群21を有している。パッケージ端子群21は、パッケージ体2の裏面2bに配置されている。
また、図2に示すように、取付領域20には、受容孔23が形成されている。この受容孔23は、後述する成形基材3の突起部53と協働して、パッケージ体2をモジュール体5に確実に取り付けるように機能する。
図3に、図2に示すパッケージ体2の配線図を示す。図3に示すように、収容領域10には、パッケージ回路13が配置されている。パッケージ回路13は、収容空間12から錠剤が取り出された情報を検出するための回路である。パッケージ回路13は、取付領域20に配置されたパッケージ端子群21に接続されている。
本実施の形態では、パッケージ回路13は、膨出部11を覆うカバー材4の部分に掛け渡された複数の分枝13aを含み、パッケージ端子群21は、パッケージ体2の幅方向wdに並べられた複数の端子21aを含んでいる。パッケージ端子群21の各端子21aは、対応するパッケージ回路13の分枝13aに接続されている。この場合、錠剤を取り出すべくカバー材4が突き破られると、膨出部11を覆うカバー材4の部分に掛け渡された分枝13aが断線する。この断線した情報が、パッケージ端子群21の対応する端子21aに電気信号として伝わることにより、収容空間12から錠剤が取り出された情報を検出するようになっている。
このようなパッケージ体2は、モジュール体5に取り外し可能に装着される。図4にモジュール体5の斜視図を示し、図5にモジュール体5の平面図を示す。図4及び図5に示すように、モジュール体5は、旋回可能に接続された第1部品50及び第2部品60を有している。図4及び図5に示す例では、第1部品50に、パッケージ端子群21からの情報を処理する情報処理機器が収容され、第2部品60は、第1部品50に旋回可能に支持されたカバー部品として構成されている。以下の説明では、第1部品50を本体部品と呼び、第2部品60をカバー部品と呼ぶ。
このうち、カバー部品60は、薄板状の部材として構成され、旋回軸65を介して本体部品50に取り付けられている。カバー部品60の端部には、係止片61が設けられている。
モジュール体5は、本体部品50とカバー部品60との間でパッケージ体2を挟んで当該パッケージ体2を保持する(図1参照)。本実施の形態では、本体部品50とカバー部品60との間でパッケージ体2を挟んだ状態で、本体部品50に設けられたロック部材70を作動させることにより、パッケージ体2を挟持するようになっている。とりわけ、図4に示すロック部材70は、本体部品50の端部に旋回可能に取り付けられており、その先端に係止爪71を含んでいる。ロック部材70の係止爪71をカバー部品60の係止片61に引っ掛ける(係止させる)ことにより、カバー部品60を本体部品50にロックすることが可能となる。
本体部品50は、図4に示すように、カバー部品60に覆われる内面50aを含んでいる。本体部品50の内面50aに、第1方向d1に延びる溝50bが形成されていて、この溝50b内に端子接続部材90及びモジュール端子群51(図6参照)が配置されている。なお、端子接続部材90については後述する。
モジュール端子群51は、カバー部品60との間でパッケージ体2を挟んだ状態においてパッケージ端子群21と接続される。とりわけ、本実施の形態では、モジュール端子群51は、溝50bの長手方向に平行な第1方向d1に並べられた複数の端子51a(図6参照)を含み、各端子51aは、対応するパッケージ端子群21の端子21aに接続されるようになっている。
なお、本明細書において、モジュール端子群51がパッケージ端子群21と接続されるとは、モジュール端子群51とパッケージ端子群21とが端子間で電子情報のやりとりを行うことをいう。したがって、モジュール端子群51の各端子が、直接的または間接的に対応するパッケージ端子群21の端子21aと接触して導通する例に限定されず、モジュール端子群51とパッケージ端子群21とが、物理的に接触せずに端子間で電子情報のやりとりを行ってもよい。かかるモジュール端子群51とパッケージ端子群21との非接触式の接続として、誘電作用による渦電流を利用して端子間で電子情報のやりとりを行ってもよい。
溝50bの周りに、ガイド壁52が配置されている。ガイド壁52は、モジュール体5にパッケージ体2を装着する際にパッケージ体2を案内して、パッケージ端子群21とモジュール端子群51との位置合わせを容易にするためのものである。本実施の形態のガイド壁52は、パッケージ体2の外縁2cに当接して、パッケージ体2の移動範囲を規制するようになっている。なお、図4に示す例では、ガイド壁52は、内面50aの一部を構成する。
図4に示すように、ガイド壁52は、第1方向d1に対向する一対の側ガイド部52a、52bと、第1方向d1と直交する第2方向d2からパッケージ体2を案内する前ガイド部52cと、を含んでいる。本実施の形態において、各側ガイド部52a、52bは、対応するパッケージ体2の側縁2f、2gを案内し、前ガイド部52cは、対応するパッケージ体2の上縁2dを案内する。
図1及び図4から理解されるように、パッケージ体2がモジュール体5に装着された状態において、パッケージ体2は、一対の側ガイド部52a、52b及び前ガイド部52cによって囲まれる領域内に位置する。このため、一対の側ガイド部52a、52b及び前ガイド部52cによって囲まれる内面50aの領域50cは、パッケージ体2に面で接触するよう、平滑面として構成されている。
図6に、一対の側ガイド部52a、52bの断面を模式的に示す。図6に示すように、各側ガイド部52a、52bのうち、内面50aの他の部分に接続された端部を基端部E1と呼び、基端部E1の反対側の端部を先端部E2と呼ぶ。すなわち、先端部E2は、各側ガイド部52a、52bのうちの最もカバー部品60側に位置する端部である。図7に示すように、各側ガイド部52a、52bは、基端部E1から先端部E2に向かうにつれて、他方の側ガイド部52a、52bから離れるように傾斜している。したがって、一対の側ガイド部52a、52bの第1方向d1に沿った間隔Sは、基端部E1側よりも先端部E2側の方が拡くなっている。言い換えると、一対の側ガイド部52a、52bの先端部E2の第1方向d1に沿った間隔S2は、一対の側ガイド部52a、52bの基端部E1の第1方向d1に沿った間隔S1よりも拡くなっている。
とりわけ、本実施の形態では、一対の側ガイド部52a、52bの第1方向d1に沿った間隔Sは、基端部E1から先端部E2に向かうにつれて、徐々に拡がっていく。
図4に戻って、本体部品50は、第2方向d2における一端に、旋回軸65が挿入される筒状部分55を含んでいる。そして、前ガイド部52cは、溝50bと筒状部分55との間に配置されている。この場合、パッケージ体2は、筒状部分55の反対側からモジュール体5に挿入されることから、パッケージ体2をモジュール体5に挿入するときの前方に前ガイド部52cが位置することになる。
さて、上述のように、使用済みのパッケージ体2を新たなパッケージ体2に交換する作業は、通常患者によって行われることから、新たなパッケージ体2をモジュール体5に正しく装着できないおそれがある。そこで、本実施の形態による錠剤管理装置1では、本体部品50及びパッケージ体2のうちの一方に、突起部53が設けられていて、本体部品50及びパッケージ体2のうちの他方に、突起部53を受け入れる受容孔23が設けられている。図示する例では、本体部品50に突起部53が設けられていて、パッケージ体2に受容孔23(図2参照)が設けられている。
このうち、受容孔23は、図2に示すように、パッケージ体2の取付領域20を貫通する孔として形成されている。図2に示す受容孔23は、円形の輪郭をもつ孔として形成されているが、受容孔23の輪郭の形状は、突起部53の輪郭の形状に対応する限り特に限定されない。
また、受容孔23は、パッケージ体2の一方の側縁2fよりも他方の側縁2g寄りに配置されている。すなわち、受容孔23は、一対の側縁2f、2gの中央となる位置を結んだ中央線M1から他方の側縁2g寄りにずれた位置に配置されている。
これに対し、図4に示すように、突起部53は、本体部品50の内面50aから外側つまりカバー部品60側に突出している。図4に示す突起部53は、円筒状に形成されているが、突起部53の形状は、受容孔23の輪郭の形状に対応する限り特に限定されない。
図7は、一対の側ガイド部52a、52bの断面を模式的に示す断面図である。図7に示すように、突起部53は、本体部品50の一方の側ガイド部52aよりも他方の側ガイド部52b寄りに配置されている。すなわち、突起部53は、一対の側ガイド部52a、52bの中央となる位置を結んだ中央線M2から他方の側ガイド部52b寄りにずれた位置に配置されている。
図7に示すように、パッケージ体2を、パッケージ端子群21が配置された裏面2bを本体部品50に向き合させた状態で本体部品50とカバー部品60との間に挿入すると、パッケージ体2がガイド壁52に案内され、パッケージ体2に設けられた受容孔23に本体部品50に設けられた突起部53が受け入れられる。これにより、パッケージ端子群21とモジュール端子群51との位置合わせがなされる。その後、カバー部品60を閉じることで、本体部品50とカバー部品60との間でパッケージ体2を挟持することができるようになっている。
これに対し、図8は、パッケージ体2の表裏を反転させてモジュール体5に挿入した状態を示す断面図である。図8に示すように、突起部53が他方の側ガイド部52b寄りに配置されていることから、パッケージ体2を、裏面2bをカバー部品60に向き合させた状態で本体部品50とカバー部品60との間に挿入すると、受容孔23に突起部53が受け入れられずに突起部53がパッケージ体2と当接する。これにより、パッケージ体2と本体部品50との間に隙間clを形成し、本体部品50とカバー部品60との間でパッケージ体2を挟持することができなくなる。
すなわち、突起部53と受容孔23とが上述のように構成されていることにより、パッケージ体2をモジュール体5に確実に装着することが可能となると共に、パッケージ体2を表裏反転させてモジュール体5に誤って装着されることを効果的に防ぐことが可能となる。
さて、突起部53が受容孔23内に受け入れられることにより、パッケージ体2をモジュール体5に確実に装着することに大きく貢献するが、部品精度や繰り返し使用に伴う摩耗等によって、パッケージ端子群21とモジュール端子群51との位置決め誤差が大きくなるおそれがある。そこで、本実施の形態では、図6に示す状態において、パッケージ体2のパッケージ端子群21は、端子接続部材90を介してモジュール体5のモジュール端子群51に接続されている。この端子接続部材90は、部品精度や繰り返し使用に伴い生じ得る、パッケージ端子群21とモジュール端子群51との位置決め誤差を補償するために設けられている。図7に示すように、端子接続部材90は、溝50b内に配置され、モジュール端子群51上に位置している。本実施の形態の端子接続部材90は、溝50bに嵌合した状態で、当該溝50bからはみ出している。すなわち、端子接続部材90は、溝50bに嵌合した状態で、本体部品50の内面50aから突出している。
本実施の形態において、端子接続部材90は、異方導電性部材からなる。異方導電性部材からなる端子接続部材90は、パッケージ体2のパッケージ端子群21に押圧されると、パッケージ端子群21とモジュール体5のモジュール端子群51とを接続するようになっている。その一方で、異方導電性部材からなる端子接続部材90は、押圧されていない状態においては、パッケージ端子群21とモジュール体5のモジュール端子群51とを接続することができない。
すなわち、異方導電性部材からなる端子接続部材90によれば、パッケージ体2がモジュール体5に保持された状態でパッケージ体2と本体部品50とが向き合う方向d3に押圧されたときに、パッケージ端子群21とモジュール端子群51との間を導通させることができる。
このような端子接続部材90を構成する異方導電性部材として、絶縁性の樹脂材料からなる絶縁樹脂層内に導電性粒子を分散させたタイプのものや、シリコーンゴムシートの厚み方向に複数の炭素繊維を貫通させたタイプのもの等が挙げられる。後者の一例として、信越ポリマー社製、製品名インターコネクタSタイプが挙げられる。
このように、パッケージ回路13にて検出された錠剤の取り出しに関する情報は、パッケージ端子群21からモジュール端子群51に伝わる。モジュール端子群51に伝わった情報は、本体部品50内に収容された情報処理機器によって処理される。図9に、本体部品50に収容される情報処理機器80の構成をブロック図として示す。
情報処理機器80は、薄膜状の機器である。図9に示す情報処理機器80は、例えば、本体部品50内に実装されるASIC(Application Specific Integrated Circuit)81と、水晶振動子82と、ボタン電池83と、スピーカ84と、を有している。
ASIC81は、モジュール端子群51に接続され、パッケージ端子群21からモジュール端子群51を介して錠剤を取り出した情報を受け取る。ASIC81は、この受け取った情報を時刻情報とともに時系列で記憶し、記憶した情報に関して不図示のホストコンピュータとの間で無線通信を行う。ASIC81がホストコンピュータとの間で行う無線通信として、例えば、いわゆるNFC(Near Field Communication、近接無線通信)やBluetooth(登録商標)の非接触通信が挙げられる。ASIC81がホストコンピュータとの間で無線通信を行うことにより、利用者の健康に関する情報をホストコンピュータ側で把握し一元的に管理することができる。
NFCでは、規格上電力の送受もできるため、電池なしで情報処理機器80を駆動することも原理的には可能である。ただし、本実施形態の情報処理機器80は、スピーカ84も備えており、電力の消費量が比較的大きいため、ボタン電池83を搭載している。なお、ボタン電池83は、本体部品50から取り外されて、新たなボタン電池83に交換可能になっている。
次に、このような構成からなる錠剤管理装置1の利用方法の一例について説明する。
錠剤管理装置1は、例えば通院中の患者によって利用される。利用者は、食後や決まった時間帯にパッケージ体2に収容された錠剤を取り出して服用する。錠剤を取り出すべくパッケージ体2のカバー材4が突き破られると、パッケージ回路13の配線が断線し、この断線した情報が、収容空間12から錠剤が取り出された情報を示す電気信号としてパッケージ端子群21からモジュール端子群51に伝わる。モジュール端子群51に伝わった信号は、情報処理機器80で処理される。
服用を繰り返し、パッケージ体2内の錠剤がなくなると、使用済みのパッケージ体2を新たなパッケージ体2に交換する必要が生じる。新たなパッケージ体2に交換する際には、先ず、図1に示す状態からロック部材70によるロックを解除し、カバー部品60を開ける。その後、使用済みのパッケージ体2を本体部品50から取り外す。
図10に、本体部品50にパッケージ体2を装着する様子を示す。図10に示すように、本体部品50にパッケージ体2を装着するには、パッケージ端子群21が配置されたパッケージ体2の裏面2bを本体部品50側に向けながら、パッケージ体2のパッケージ端子群21をモジュール端子群51が配置された溝50bに近づけていく。パッケージ端子群21が溝50bに近づくと、パッケージ体2の外縁2cがガイド壁52に当接して案内されていく。ガイド壁52の案内に従い、パッケージ端子群21が溝50b内に配置された端子接続部材90に位置合わせされていくと共に、パッケージ体2の受容孔23にモジュール体5の突起部53が位置合わせされていく。その後、パッケージ体2の受容孔23にモジュール体5の突起部53が収容され、パッケージ端子群21が端子接続部材90に接触する。
この状態で、ロック部材70でカバー部品60を本体部品50にロックすると、端子接続部材90がパッケージ体2と本体部品50とが向き合う方向d3に押圧されて、パッケージ端子群21とモジュール端子群51とが端子接続部材90を介して接続される。
一方、仮に、図8に示すように、パッケージ体2の表裏を反転させて、パッケージ体2をモジュール体5に挿入した場合、突起部53が他方の側ガイド部52b寄りに配置されていることから、ガイド壁52にパッケージ体2の外縁2cが干渉してしまい受容孔23に突起部53を挿入することができない。このため、突起部53がパッケージ体2の受容孔23以外の部分に当接し、パッケージ体2と本体部品50との間に隙間clを形成する。パッケージ体2と本体部品50との間に隙間clが形成されることにより、パッケージ体2がモジュール体5に装着されていないことを目視にて認識することができる。このため、誤った向きでパッケージ体2をモジュール体5に取り付けようとしていることに直ちに気付く。また、もし万が一、誤った向きでパッケージ体2をモジュール体5に取り付けたことを見落としてしまい、カバー部品60を閉じてしまっても、前記隙間clのおかげでロック部材70で本体部品50とカバー部品60とをロックすることができない。このため、本実施の形態の錠剤管理装置1によれば、誤った向きでパッケージ体2をモジュール体5に取り付けるおそれを低減することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、錠剤を収容するための複数の膨出部11、膨出部11が配置された領域10とは異なる領域20に配置されたパッケージ端子群21、及び、パッケージ端子群21に接続されたパッケージ回路13を含むパッケージ体2と、旋回可能に接続された第1部品50及び第2部品60を有し、第1部品50と第2部品60との間でパッケージ体2のパッケージ端子群21を含む領域20を挟んで当該パッケージ体2を保持するモジュール体5と、を備え、第1部品50は、第2部品60との間でパッケージ体5を挟んだ状態においてパッケージ端子群21と接続可能なモジュール端子群51と、第2部品60との間でパッケージ体2を挟んだ状態において当該第2部品60に覆われる位置に配置され、第1部品50と第2部品60との間にパッケージ体2を挿入する際にパッケージ体2を案内するためのガイド壁52を有している。このような形態によれば、パッケージ体2を交換する際に、第1部品50と第2部品60との間に挿入される新たなパッケージ体2をガイド壁52によって案内することができる。このため、ガイド壁52によって新たなパッケージ体2を適切な装着位置に導くことができ、この結果、新たなパッケージ体2をモジュール体5により確実に装着することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、ガイド壁52は、一対の側ガイド部52a、52bを含み、パッケージ体2は、一対の側ガイド部52a、52bの間に配置された状態で、モジュール体5に保持される。この場合、パッケージ体2を交換する際に、新たなパッケージ体2を一対の側ガイド部52a、52bの間に挿入すればよいことから、新たなパッケージ体2をモジュール体5に装着する作業が容易になる。
また、本実施の形態によれば、各側ガイド部52a、52bは、第1部品50の他の部分に接続された基端部E1と、当該基端部E1の反対側の端部となる先端部E2と、を含み、一対の側ガイド部52a、52bの先端部E2の間の間隔S2は、一対の側ガイド部52a、52bの基端部E1の間の間隔S1よりも拡くなっている。このような形態によれば、パッケージ体2を交換する際に、新たなパッケージ体2が一対の側ガイド部52a、52bの間に進入し始めるときには、一対の側ガイド部52a、52bの先端部E2の間隔S2が相対的に広くなっているため、一対の側ガイド部52a、52bの間に容易に進入し易くなる。その一方で、一対の側ガイド部52a、52bの基端部E1の間の間隔S1が相対的に狭くなっているため、新たなパッケージ体2が第1部品50への設置位置に接近すると、新たなパッケージ体2が第1部品50に対してずれないように位置合わせされる。したがって、このような形態によれば、新たなパッケージ体2を第1部品50に装着する作業性を確保しながら、一対の側ガイド部52a、52bの向き合う方向におけるパッケージ体2の位置を第1部品50に対してずれないように有効に合わせることができる。
また、本実施の形態によれば、一対の側ガイド部52a、52bの間隔Sは、基端部E1から先端部E2に向かうにつれて、拡がっていく。このような形態によれば、パッケージ体2を交換する際に、新たなパッケージ体2が一対の側ガイド部52a、52bの間に進入し始めるときには、一対の側ガイド部52a、52bの先端部E2の間隔Sが相対的に広くなっているため、一対の側ガイド部52a、52bの間に容易に進入し易くなる。
そして、一対の側ガイド部52a、52bの間隔Sが先端部E2から基端部E1に向けて狭くなっていくため、新たなパッケージ体2が第1部品50への設置位置に接近するのに伴い、新たなパッケージ体2の位置が第1部品50に対してずれないように徐々に修正されていく。したがって、このような形態によれば、新たなパッケージ体2を第1部品50に装着する作業性を確保しながら、一対の側ガイド部52a、52bの向き合う方向におけるパッケージ体2の位置を第1部品50に対してずれないようにさらに有効に合わせることができる。
また、本実施の形態によれば、ガイド壁52は、一対の側ガイド部52a、52bが対向する方向d1と直交する方向d2からパッケージ体2を案内する前ガイド部52cをさらに含む。この場合、パッケージ体2を交換する際に、新たなパッケージ体2を、一対の側ガイド部52a、52bに加えて、前ガイド部52cによって、一対の側ガイド部52a、52bの対向する方向d1と直交する方向d2からも案内することができるため、新たなパッケージ体2をモジュール体5にさらに容易に装着することができる。
また、本実施の形態によれば、第1部品50及びパッケージ体2のうちの一方に、突起部53が設けられていて、第1部品50及びパッケージ体2のうちの他方に、突起部53を受け入れる孔または切欠き23が設けられていて、パッケージ端子群21が配置された一方の面2bが第1部品50に向き合う状態で、パッケージ体2が第1部品50と第2部品60との間に挟まれると、パッケージ体2がガイド壁52に案内されて、突起部53が受容孔23に受け入れられるようになっている。この場合、突起部53が受容孔23に受け入れられることで、パッケージ体2がモジュール体5に適切に設置されたことを認識することができるため、より確実に、パッケージ体2をモジュール体5に装着することが可能となる。
その上、本実施の形態によれば、パッケージ端子群21が配置された一方の面2bが第2部品60に向き合う状態で、パッケージ体2が第1部品50と第2部品60との間に挟まれると、突起部53が受容孔23に受け入れられずにパッケージ体2と第1部品50または第2部品60との間に隙間clを形成する。このような形態によれば、誤った向きでパッケージ体2をモジュール体5に装着しようとすると、パッケージ体2と第1部品50または第2部品60との間に隙間clが形成されることにより、パッケージ体2がモジュール体5に誤った向きで装着されたことを認識することができる。すなわち、誤った向きでパッケージ体2をモジュール体5に取り付けるおそれを低減することができる。
また、本実施の形態によれば、第1部品50に設けられた突起部53または受容孔23は、一対の側ガイド部52a、52bの中央となる位置を結ぶ中央線M2からずれて配置されている。この場合、パッケージ端子群21が配置された一方の面2bが第2部品60に向き合う状態で、パッケージ体2が第1部品50と第2部品60との間に挟まれた場合、突起部53と受容孔23との位置を合わせようとしても、パッケージ体2が一対の側ガイド部52a、52bに干渉してしまい、ますますパッケージ体2を表裏反対で配置できなくなる。このため、誤ってパッケージ体2をモジュール体5に取り付けるおそれをさらに低減することができる。
また、本実施の形態によれば、パッケージ回路13は、膨出部11に収容された錠剤を取り出すべく、当該膨出部11を覆うパッケージ体2の部分が突き破られると、その一部が破断されて、その電気的変化をパッケージ端子群21に伝えるようになっている。この場合、膨出部11に収容された錠剤が取り出された情報をパッケージ端子群21からモジュール端子群51に確実に伝えることに寄与する。
また、本実施の形態によれば、錠剤を収容するための複数の膨出部11、膨出部11が配置された領域10とは異なる領域20に配置されたパッケージ端子群21、及び、パッケージ端子群21に接続されたパッケージ回路13を含むパッケージ体2と、旋回可能に接続された第1部品50及び第2部品60を有し、第1部品50と第2部品60との間でパッケージ体2のパッケージ端子群21を含む領域20を挟んで当該パッケージ体2を保持するモジュール体5と、を備え、第1部品50は、第2部品60との間でパッケージ体5を挟んだ状態においてパッケージ端子群21と接続可能なモジュール端子群51を有し、 第1部品50及びパッケージ体2のうちの一方に、突起部53が設けられていて、第1部品50及びパッケージ体2のうちの他方に、突起部53を受け入れる孔または切欠き23が設けられている、という錠剤管理装置1が提供される。このような形態によれば、パッケージ体2を交換する際に、突起部53を孔または切欠き23に挿入することで、新たなパッケージ体2をモジュール体5に対して位置合わせすることができ、この結果、新たなパッケージ体2をモジュール体5により確実に装着することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、パッケージ体2のパッケージ端子群21は、端子接続部材90を介して、モジュール体5のモジュール端子群51に接続されるようになっていて、端子接続部材90は、パッケージ体2がモジュール体5に保持された状態でパッケージ体2とモジュール体5の第1部品50とが向き合う方向d3に押圧されたときに、パッケージ端子群21とモジュール端子群51との間を導通させるようになっている。仮に、パッケージ端子群21とモジュール端子群51とを直接的に接触させて導通させる場合、パッケージ端子群21とモジュール端子群51とが擦れて、損傷を受けてしまうおそれがある。この点、本実施の形態によれば、パッケージ端子群21とモジュール端子群51とが端子接続部材90を介して接続されるため、パッケージ端子群21とモジュール端子群51とが直接擦れ合うことはない。このため、パッケージ端子群21及びモジュール端子群51が損傷されることを抑制し、錠剤管理装置1を繰り返し安定して利用することに寄与する。
≪変形例≫
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
上述した実施の形態では、図2及び図4に示すように、本体部品50に突起部53が設けられていて、パッケージ体2に受容孔23が設けられた例を示したが、突起部53及び受容孔23の配置は、上述した例に限定されない。図11に、突起部53及び受容孔23の他の配置例を示す。図11に示す例では、本体部品50に孔からなる受容孔23が設けられていて、パッケージ体2に円筒状の突起部53が設けられている。このような形態であっても、上述した実施の形態と同様な作用効果を奏することができる。
また、上述した実施の形態では、図4に示すように、本体部品50に設けられた突起部53は、円筒状の形状をもつ例を示したが、突起部53の形態は、上述した例に限定されない。図12に、突起部53の他の形態を示す。図12に示す突起部53は、角柱状、より詳細には三角柱状の形状をもつ。すなわち、突起部53の突出方向pd言い換えると軸方向に直交する断面における当該突起部53の外輪郭は、三角形状の形状をもち、非点対称な形状である。すなわち、突起部53の突出方向pdに直交する断面内で突起部53を180°回転させたときに、回転後の突起部53の外輪郭53cは、回転前の突起部53の外輪郭53cと重ならない。より詳細には、突起部53の突出方向pdに直交する断面内で突起部53の軸線rを中心として突起部53を180°回転させたときに、回転後の突起部53の外輪郭53cは、回転前の突起部53の外輪郭53cと重ならない。なお、突起部53を受容する受容孔23の形状は、三角形状の断面であっても、円形の断面であってもよい。
図12に示す変形例によれば、パッケージ体2の長手方向ld及び幅方向wdを含む平面(図2に示す平面)内でパッケージ体2を180°回転させてモジュール体5に装着させようとしても、突起部53が非点対称な形状をもつことから、受容孔23に受け入れられ難い。このため、誤った向きでパッケージ体2をモジュール体5に取り付けるおそれを低減することができる。
また、上述した実施の形態では、図2に示すように、パッケージ体2に受容孔23が設けられた例を示したが、このような例に限定されない。第1部品50及びパッケージ体2のうちの一方に、突起部53が設けられ、第1部品50及びパッケージ体2のうちの他方に、突起部53を受け入れる孔または切欠き23が設けられていれば、本発明の範囲に含まれる。図13及び図14に、第1部品としての本体部品50に突起部53が設けられ、パッケージ体2に突起部53を受け入れる切欠き23が設けられた例を示す。
図13は、本体部品50に設けられた突起部53を示す斜視図である。図13に示すように、モジュール端子群51の長手方向となる第1方向d1の両側に、それぞれ突起部53が設けられている。各突起部53は、対応する側ガイド部52a、52bに接続され、当該側ガイド部52a、52bから、他の側ガイド部52b、52a側に向かって延び出している。
図14は、パッケージ体2に設けられた切欠き23を示す平面図である。図14に示すように、一対の切欠き23は、一対の突起部53の配置に対応して設けられている。図14に示す例では、各切欠き23は、パッケージ体2の側縁2f、2gから幅方向wdに延び出している。
とりわけ、図14に示す例では、一対の切欠き23は、幅方向wdからみたときに互いにずれた位置に配置されている。換言すれば、一対の切欠き23は、長手方向ldにおける位置が互いに異なっている。このような形態によれば、パッケージ体2を表裏反転してモジュール体5に装着しようとしても、一対の突起部53が対応する切欠き23に受け入れられずにパッケージ体2と第1部品50との間またはパッケージ体2と第2部品60との間に隙間clを確実に形成する。このため、パッケージ体2をモジュール体5に取り付けることができず、誤ってパッケージ体2をモジュール体5に取り付けるおそれを効果的に低減することができる。
また、上述した実施の形態では、図1に示すように、モジュール体5のロック部材70が、本体部品50に旋回可能に支持された例を示したが、ロック部材70の形態は、上述した例に限定されない。図15に、ロック部材70の他の形態を示し、図16に、図15に示すモジュール体5を開いた状態を示す。図15及び図16に示す例では、ロック部材70は、カバー部品60の端部にスライド可能に取り付けられており、その先端に係止爪71を含んでいる。ロック部材70をスライドさせ、ロック部材70の係止爪71を本体部品50に引っ掛ける(係止させる)ことにより、カバー部品60を本体部品50にロックすることが可能となる。
なお、図15及び図16に示す例では、カバー部品60にディスプレイ62が設置されており、パッケージ回路13からの情報を処理した結果がディスプレイ62に表示されるようになっている。
また、上述した実施の形態では、図10に示すように、モジュール体5のカバー部品60が、モジュール端子群51の長手方向となる第1方向d1に平行な旋回軸65を中心として旋回する例を示したが、カバー部品60が旋回する態様は、上述した例に限定されない。図17に、カバー部品60が旋回する他の態様を示す。図17に示す例では、カバー部品60は、モジュール端子群51の長手方向に直交する第2方向d2に平行な旋回軸65を中心として旋回可能になっている。とりわけ、図17に示すカバー部品60は、一方の側ガイド部52aよりも第1方向d1において外側となる位置で、本体部品50に旋回可能に支持されている。
また、上述した実施の形態では、図2及び図3に示すように、パッケージ体2は、複数の膨出部11が形成された成形基材3に、カバー材4を積層することにより作成される例を示したが、パッケージ体2の構成は、上述した例に限定されない。図18及び図19に、パッケージ体2の他の構成例を示す。
図18及び図19に示すパッケージ体2は、可撓性をもつ紙またはプラスチックからなる単一のシート200を、長手方向に三等分して折り畳んだ構造になっている。なお、図18は、パッケージ体2をなす単一のシート200を表側から示した平面図であり、図19は、パッケージ体2をなす単一のシート200を裏側から示した平面図である。
図18及び図19に示すように、シート200は、シート200の長手方向にこの順で並べられた上基板213、下基板211及び中基板212を含んでいる。上基板213と下基板211とは、長手折曲補助手段202を介して接続され、下基板211と中基板212とは、別の長手折曲補助手段202を介して接続されている。
上基板213は、折り畳まれた状態において、最も上側に重ねられた層をなす。上基板213の表側となる面には、パッケージ体2の表紙としての印刷情報が印刷されている。
また、上基板213には、膨出部11を通過させるための複数の繰抜孔213aが設けられている。
中基板212は、折り畳まれた使用状態において、下基板211と上基板213との間に位置する。中基板212の裏側となる面には、収容空間12から錠剤が取り出された情報を検出するためのパッケージ回路13と、パッケージ回路13に接続されたパッケージ端子群21と、が配置されている。中基板212に配置されたパッケージ回路13は、重ねられた下基板211に覆われ、利用者から観察されないようになっている。また、中基板212には、膨出部11の形状に対応した複数の繰抜用切込み212aが設けられている。
下基板211は、折り畳まれた使用状態において、最も下側に重ねられた層をなす。下基板211は、中基板212に配置されたパッケージ回路13を保護する機能ももつ。下基板211には、膨出部11の形状に対応した複数の繰抜用切込み211aが設けられている。
図18及び図19に示すパッケージ体2においては、互いに重ねられた中基板212と下基板211とがヒートシールされ、互いに重ねられた上基板213と中基板212とがヒートシールされるようになっている。
隣り合う基板211〜213の間の各長手折曲補助手段202は、当該隣り合う2つの基板211〜213を折り曲げた際に、当該長手折曲補助手段202を設けられた位置にて基板211〜213が折り曲げられること、さらには基板211〜213が折り畳まれることを促進するためのものである。なお、長手折曲補助手段202は、図18に示す例に限定されず、それ自体既知の態様で実現され得る。例えば、長手折曲補助手段202は、連続的に形成された溝からなるハーフカットラインや断続的に形成された破線(ミシン目)であってもよい。
このようなシート200によれば、図19に示す展開状態から、下基板211と中基板212とを長手折曲補助手段202を利用して折り畳んだ後に、これらを互いに貼り合わせる。続いて、上基板213と下基板211とを長手折曲補助手段202を利用して折り畳み、さらに、上基板213と中基板212との間に複数の膨出部11が形成された成形基材3を挟み込むことで、図2に示すようなパッケージ体2が得られる。このようにして得られるパッケージ体2によれば、工業的な生産過程でパッケージ体2を効率よく作成することができる。