JP6780424B2 - 押圧力検知センサおよび電子機器 - Google Patents
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Description
本発明は、押圧力を検知する押圧力検知センサ、および、それを備える電子機器に関する。
従来、押圧力検知センサとして、例えば、特許文献1に示すようなタッチ入力装置がある。このタッチ入力装置は、感圧センサと、感圧センサ上に重ねられたタッチパネルとを備える。タッチパネルの表面がタッチされると、タッチパネルの走査により、その座標位置が検出されるとともに、タッチパネルを介して感圧センサが押圧されることで、押圧力が検知される。
特許文献1のタッチ入力装置において、圧電フィルムが感圧センサに使用された場合、
感圧センサが同じ押圧力で押圧されたとしても、押圧位置によって圧電フィルムに生じる歪みが異なるので、押圧位置によって感圧センサの出力がばらつく。このため、押圧位置に応じた感圧センサの出力補正が必要になるので、押圧力検知の処理が複雑になってしまう。
感圧センサが同じ押圧力で押圧されたとしても、押圧位置によって圧電フィルムに生じる歪みが異なるので、押圧位置によって感圧センサの出力がばらつく。このため、押圧位置に応じた感圧センサの出力補正が必要になるので、押圧力検知の処理が複雑になってしまう。
本発明の目的は、押圧位置による出力のばらつきを抑制できる押圧力検知センサ、および、それを備えた電子機器を提供することにある。
本発明の押圧力検知センサは、キラル高分子を含み、少なくとも一方向に延伸された圧電フィルムと、前記圧電フィルムの両主面に設けられた、押圧力を検知するための押圧力検知電極と、を備え、前記圧電フィルムには、少なくとも1つの第1スリットが設けられ、前記第1スリットは、前記圧電フィルムの主面の法線方向から見て、前記圧電フィルムの延伸方向に対して平行でなくかつ直交しない方向に、前記圧電フィルムの内側から前記圧電フィルムの第1端部側に向かって伸長し、前記圧電フィルムの第1端部を分断している。
この構成では、第1スリットの伸長方向に直交する方向の圧電フィルムの歪みが断ち切られるので、押圧位置の変化に対して電位分布が変化しにくくなる。このため、押圧位置による押圧力検知センサの出力のばらつきが抑制される。特に、圧電フィルムの端部において、押圧位置の変化に対して電位分布が大きく変化することがある。このため、上記の構成では、押圧力検知センサの出力のばらつきが効果的に抑制される。
前記圧電フィルムには、少なくとも1つの第2スリットが設けられ、前記第2スリットは、前記圧電フィルムの主面の法線方向から見て、前記圧電フィルムの延伸方向に対して平行でなくかつ直交しない方向に、前記圧電フィルムの内側から、前記圧電フィルムの第1端部側に対向する前記圧電フィルムの第2端部側に向かって伸長し、前記圧電フィルムの第2端部を分断していることが好ましい。この構成では、第1端部だけでなく、第2端部においても、押圧位置の変化に対して電位分布が変化しにくくなる。このため、押圧力検知センサの出力のばらつきをさらに抑制できる。
前記第1スリットの長さは、前記第1スリットの伸長方向における前記圧電フィルムの長さの5%以上100%未満であることが好ましい。この構成では、押圧力検知センサの出力の反転が生じない。
前記第1スリットの長さは、前記第1スリットの伸長方向における前記圧電フィルムの長さの15%以上100%未満であることが好ましい。この構成では、押圧力検知センサの出力比が10以下となる。ここで、押圧力検知センサの出力比は、押圧位置を変化させた時の最小の押圧力検知センサの出力に対する、押圧位置を変化させた時の最大の押圧力検知センサの出力の比である。
本発明の電子機器は、本発明の押圧力検知センサと、前記押圧力検知センサの一方の主面側に設けられる透光性部材と、前記押圧力検知センサと前記透光性部材との間に設けられ、前記透光性部材側に表示面を有する表示部材と、を備える。
透光性部材と表示部材との間に押圧力検知センサが設けられると、ユーザは、押圧力検知センサを介して、表示部材の表示面に表示される映像を見ることになる。この場合、押圧力検知センサの圧電フィルムに形成された第1スリットまたは第2スリットにより、ユーザが見る映像が乱れてしまう。上記の構成では、透光性部材と表示部材との間に押圧力検知センサが設けられないので、圧電フィルムに第1スリットまたは第2スリットが形成されていても、ユーザが見る映像が乱れることがない。
本発明によれば、押圧位置による出力のばらつきを抑制できる。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るタッチパネル10の外観斜視図である。図2はタッチパネル10のA−A断面図である。タッチパネル10は本発明の「電子機器」の一例である。図1に示すように、タッチパネル10は、外観上、厚みの薄い直方体形状の筐体11と、筐体11の上面の開口部に配置された平面状のパネル12と、を備えている。パネル12は、透光性を有し、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、またはアクリルの平板によって形成されている。パネル12は本発明の「透光性部材」の一例である。パネル12は、利用者が指またはペン等を用いてタッチ操作を行うタッチ面として機能する。利用者が指またはペン等でパネル12の表面を押圧すると、パネル12は法線方向に撓む。
図1は第1の実施形態に係るタッチパネル10の外観斜視図である。図2はタッチパネル10のA−A断面図である。タッチパネル10は本発明の「電子機器」の一例である。図1に示すように、タッチパネル10は、外観上、厚みの薄い直方体形状の筐体11と、筐体11の上面の開口部に配置された平面状のパネル12と、を備えている。パネル12は、透光性を有し、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、またはアクリルの平板によって形成されている。パネル12は本発明の「透光性部材」の一例である。パネル12は、利用者が指またはペン等を用いてタッチ操作を行うタッチ面として機能する。利用者が指またはペン等でパネル12の表面を押圧すると、パネル12は法線方向に撓む。
なお、本明細書では、筐体11の幅方向(横方向)をX軸方向とし、長さ方向(縦方向)をY軸方向とし、厚み方向をZ軸方向とする。また、本明細書では、説明のために各構成の厚みを誇張して記載している。
図2に示すように、筐体11の内部には、開口部(パネル12)側から順にZ軸方向に沿って、粘着剤13、位置検知用の静電容量センサ14、粘着剤15、液晶ディスプレイ16、粘着剤17、押圧力検知センサ20、および制御回路モジュール18が配置されている。液晶ディスプレイ16は本発明の「表示部材」の一例である。
パネル12は、筐体11の開口部の外周部分において、全周が両面テープ等で筐体11に固定される。静電容量センサ14、液晶ディスプレイ16、および押圧力検知センサ20は、平板状であり、それぞれ筐体11の開口部(パネル12の下面)と平行になるように、筐体11の内部に配置されている。静電容量センサ14は粘着剤13を介してパネル12の下面に貼り付けられている。静電容量センサ14の下面には、粘着剤15を介して液晶ディスプレイ16が貼り付けられている。液晶ディスプレイ16の表示面はパネル12側に配置されている。液晶ディスプレイ16の下面には、粘着剤17を介して押圧力検知センサ20が貼り付けられている。即ち、パネル12は押圧力検知センサ20の一方の主面側に設けられている。液晶ディスプレイ16は、押圧力検知センサ20とパネル12との間に設けられ、パネル12側に表示面を有する。
なお、この例では、パネル12と液晶ディスプレイ16との間に静電容量センサ14が設けられているが、液晶ディスプレイの内部にインセル型の静電容量センサが設けられてもよい。
筐体11の底面と押圧力検知センサ20との間には、回路基板(不図示)が配置されており、当該回路基板に制御回路モジュール18が実装されている。制御回路モジュール18は、押圧力検知センサ20等の各種センサの検出値を処理するモジュールである。例えば、制御回路モジュール18は、液晶ディスプレイ16を制御して画像を表示させるとともに、押圧力検知センサ20等を介して受け付けた操作に応じて操作入力内容を決定する。
押圧力検知センサ20は、平面視で(Z軸方向から見て)、略長方形状である。押圧力検知センサ20は、PETフィルム21、検知用電極22、粘着剤23、圧電フィルム24、粘着剤25、グランド電極26、およびPETフィルム27を備えている。検知用電極22およびグランド電極26は本発明の「押圧力検知電極」の一例である。PETフィルム21の第1主面(上面側)は粘着剤17を介して液晶ディスプレイ16の下面に貼り付けられている。PETフィルム21の第2主面(下面側)には、検知用電極22が蒸着されている。検知用電極22には、粘着剤23を介して圧電フィルム24が貼り付けられている。圧電フィルム24には、粘着剤25を介してグランド電極26が貼り付けられている。グランド電極26はPETフィルム27に蒸着されている。PETフィルム21、検知用電極22、粘着剤23、圧電フィルム24、粘着剤25、グランド電極26、およびPETフィルム27は、平面視で、略長方形状であり、略同一寸法であり、そして、互いに略一致するように配置されている。
なお、この例では、検知用電極22がPETフィルム21に蒸着され、グランド電極26がPETフィルム27に蒸着される例を示しているが、検知用電極22およびグランド電極26は圧電フィルムの両主面に直接形成されていてもよい。この場合、PETフィルムは不要である。
このような構造により、押圧力検知センサ20の圧電フィルム24は、押圧力によるパネル12の変形(法線方向の撓み)に伴って法線方向に撓み、電荷を発生する。発生する電荷は検知用電極22で検知される。
圧電フィルム24はキラル高分子を含む。キラル高分子は、一軸延伸されたポリ乳酸(PLA)、さらにはL型ポリ乳酸(PLLA)であることが好ましい。キラル高分子は、主鎖が螺旋構造を有し、一軸延伸されて分子が配向すると、圧電性を有する。キラル高分子は、延伸等による分子の配向処理で圧電性が生じるため、PVDF等の他のポリマーまたは圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。特に、ポリ乳酸は、焦電性がないため、タッチ面に近い位置に押圧力検知センサを配置し、利用者の指等の熱が伝わる場合であっても、検出される電荷量が変化することがない。また、一軸延伸されたPLLAの圧電定数は高分子中で非常に高い部類に属する。さらに、PLLAの圧電定数は経時的に変動することがなく、極めて安定している。
図3は第1の実施形態に係る圧電フィルム24の平面図である。圧電フィルム24は、平面視で、長方形状である。圧電フィルム24は、その短手方向(X軸方向)に対して約45°の角度をなす方向に一軸延伸されている。圧電フィルム24には、複数のスリット241Aおよび複数のスリット241Bが形成されている。スリット241Aおよびスリット241Bは本発明の「第1スリット」および「第2スリット」の一例である。
複数のスリット241Aは、それぞれ、平面視で、X軸方向の略中央部から圧電フィルム24の一方の長辺端部242Aまで、X軸方向に伸長している。換言すると、圧電フィルム24の長辺端部242Aには、X軸方向に伸長する複数の切れ込みが形成されている。即ち、スリット241Aは、平面視で、圧電フィルム24の延伸方向に対して平行でなくかつ直交しない方向に、圧電フィルム24の内側から圧電フィルム24の長辺端部242A側に向かって伸長して、圧電フィルム24の長辺端部242Aを分断している。スリット241Aは、平面視で、一定間隔を置いて、圧電フィルム24の長手方向(Y軸方向)に並んでいる。複数のスリット241Aは互いに等しい長さを有する。
複数のスリット241Bは、それぞれ、平面視で、X軸方向の略中央部から他方の圧電フィルムの長辺端部242Bまで、X軸方向に伸長している。換言すると、圧電フィルム24の長辺端部242Bには、X軸方向に伸長する複数の切れ込みが形成されている。即ち、スリット241Bは、平面視で、圧電フィルム24の延伸方向に対して平行でなくかつ直交しない方向に、圧電フィルム24の内側から圧電フィルム24の長辺端部242B側に向かって伸長し、圧電フィルム24の長辺端部242Bを分断している。圧電フィルムの長辺端部242Bは、平面視で、圧電フィルムの長辺端部242Aに対向している。長辺端部242Aおよび長辺端部242Bは本発明の「第1端部」および「第2端部」の一例である。スリット241Bは、一定間隔を置いて、圧電フィルムのY軸方向に並んでいる。複数のスリット241Bは互いに等しい長さを有する。
スリット241Aとスリット241Bとは、Y軸方向において、同一位置に配置されている。スリット241Aとスリット241Bとは、X軸方向において、所定の間隔を置いて配置されている。スリット241Aとスリット241Bとは互いに等しい長さを有する。
なお、複数のスリットの長さが同じである必要はなく、また、隣り合うスリットの間隔も同じである必要はない。これらの寸法については、周囲の状態によって適宜設計すればよい。平面視で押圧力検知センサに長手方向および短手方向がある場合、押圧力検知センサの短手方向にスリットの伸長方向が平行となるように、圧電フィルムにスリットを形成することが好ましい。圧電フィルムの端部がスリットによって分断されていることが重要である。
図4は、本実施形態および比較例で使用される圧電フィルムに発生する電気変位を説明するための図である。座標系1,2,3は、圧電フィルムが2−3平面上にあり、圧電フィルムの延伸方向が3軸方向となるように取られる。座標系1’,2’,3’は、座標系1,2,3を1軸の周りに45°反時計回り方向に回転したものである。1軸および1’軸はZ軸に対応し、2’軸はX軸に対応し、3’軸はY軸に対応する。このとき、1軸方向に発生する圧電フィルムの電気変位D1は、D1=d14c44(S2'−S3')と表される。ここで、d14は、座標系1,2,3で定義されるせん断歪みの圧電定数である。c44は、座標系1,2,3で定義されるせん断弾性率である。S2'およびS3'は、座標系1’,2’,3’で定義される垂直歪みである。このため、圧電フィルムに発生する電位は、X軸方向に生じる垂直歪みと、Y軸方向に生じる垂直歪みとの差分に比例する。
図5は第1比較例に係る圧電フィルム34の平面図である。圧電フィルム34には、スリットが形成されない。第1比較例に係るタッチパネルの他の構成は、第1の実施形態に係るタッチパネル10と同様である。
図7(A)から図7(C)は、第1比較例に係るタッチパネルにおいて、パネル12に押圧力を加えた時に圧電フィルムに発生する電位分布の計算結果を示す図である。図7(A)は、パネル12の中央部付近(図6に示すB3の位置)に押圧力を加えた時に発生する電位分布を示す。図7(B)は、パネル12の左長辺端部の中央部付近(図6に示すA3の位置)に押圧力を加えた時に発生する電位分布を示す。図7(C)は、パネル12の下短辺端部の中央部付近(図6に示すB1の位置)に押圧力を加えた時に発生する電位分布を示す。図8は、第1比較例に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。押圧力検知センサの出力は、パネルを押圧した時に押圧力検知センサの電極間に発生する電圧の値である。
パネル12の中央部付近または左長辺端部付近を押圧した場合、パネル12の下短辺端部付近を押圧した場合に比べて、圧電フィルム34の長辺端部付近においてY軸方向の歪みの影響が大きい。このため、圧電フィルム34の中央部から圧電フィルム34の長辺端部に近づくにつれて電位が小さくなる。特に、パネル12の中央部付近または左長辺端部付近を押圧した場合、圧電フィルム34の長辺端部の中央部付近において、Y軸方向の歪みがX軸方向の歪みより大きいため、電位が負値となる。その結果、図8に示すように、パネル12の中央部付近または左長辺端部付近を押圧した場合、パネル12の下短辺端部付近を押圧した場合に比べて、押圧力検知センサの出力が小さくなる。特に、圧電フィルム34の長辺端部の中央付近(A3、E2およびE3の位置)を押圧した場合、押圧力検知センサの出力が反転している。このように、第1比較例に係るタッチパネルでは、押圧位置によって押圧力検知センサの出力が大きくばらつくことになる。
図9は、タッチパネル10において、図6に示した25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。第1の実施形態では、第1比較例と異なり、圧電フィルムの長辺端部の中央付近(A3、E2およびE3の位置)において、押圧力検知センサの出力が反転しない。第1の実施形態では、第1比較例と比べて、押圧力検知センサの出力のばらつきが低下している。第1の実施形態に係る押圧力検知センサの出力比は約9.7である。押圧力検知センサの出力比は、押圧位置を変化させた時の最小の押圧力検知センサの出力に対する、押圧位置を変化させた時の最大の押圧力検知センサの出力の比である。
図10は、スリットの長さの変化に対する押圧力検知センサの出力比の変化の計算結果を示す図である。図10に示す結果は、スリットの長さを除いて、タッチパネル10と同様に構成されたタッチパネルにおいて得られたものある。図10において、スリットの長さは圧電フィルムの短辺の長さ(X軸方向の長さ)に対する割合で表されている。スリットの長さが長くなるにつれて、押圧力検知センサの出力比が小さくなる。即ち、スリットの長さが長くなるほど、押圧力検知センサの出力のばらつきが低下する。スリットの長さが圧電フィルムの短辺の長さ(スリットの伸長方向における圧電フィルムの長さ)の5%以上100%未満の場合、押圧力検知センサの出力の反転が生じない。スリットの長さが圧電フィルムの短辺の長さの15%以上100%未満の場合、押圧力検知センサの出力比が10以下となる。このように、圧電フィルムに形成されるスリットの長さは長い方が好ましい。なお、図10に示す結果は、後述の第1の実施形態の変形例および他の実施形態の場合、ならびに、スリットが圧電フィルムの一方の端部のみを分断している場合でも同様に得られる。
第1比較例では、パネル12を押圧した時、概ね、Y軸方向の歪みよりX軸方向の歪みが優位となる。しかし、パネル12の長辺端部付近または中央部付近を押圧した場合、圧電フィルム34の長辺端部付近において、X軸方向の歪みよりY軸方向の歪みが優位となる。このため、押圧位置によって押圧力検知センサの出力がばらつく。第1の実施形態では、圧電フィルム24の長辺端部を分断するスリット241Aおよびスリット241Bが形成される。即ち、圧電フィルム24では、第1比較例においてY軸方向の歪みが最も大きくなる長辺端部が分断される。このため、パネル12の長辺端部付近または中央部付近を押圧した場合、圧電フィルム24の長辺端部付近において、Y軸方向の歪みが断ち切られて生じにくくなり、その結果、電位の低下が抑制される。従って、第1の実施形態では、第1比較例に比べて、押圧力検知センサの出力のばらつきが低下する。
図11は第1の実施形態の第1変形例に係る圧電フィルム44の平面図である。図12は第2比較例に係る圧電フィルム54の平面図である。圧電フィルム44では、圧電フィルム24に比べて、スリット241Aおよびスリット241Bの間隔が狭く、スリット241Aおよびスリット241Bの数が多い。圧電フィルム54には、平面視で、その内部のみに、X軸方向に伸長するスリット541が形成されている。第1の実施形態の第1変形例および第2比較例に係るタッチパネルの他の構成は、第1の実施形態に係るタッチパネル10と同様である。
図14(A)から図14(C)は、第1の実施形態の第1変形例に係るタッチパネルにおいて、パネル12に押圧力を加えた時に圧電フィルムに発生する電位分布の計算結果を示す図である。図14(A)は、パネル12の中央部付近(図13に示すB3の位置)に押圧力を加えた時に発生する電位分布を示す。図14(B)は、パネル12の左長辺端部の中央部付近(図13に示すA3の位置)に押圧力を加えた時に発生する電位分布を示す。図14(C)は、パネル12の下短辺端部の中央部付近(図13に示すB1の位置)に押圧力を加えた時に発生する電位分布を示す。図15は、第1の実施形態の第1変形例に係るタッチパネルにおいて、図13に示す15点の位置をそれぞれ押圧した時の押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。図16は、第2比較例に係るタッチパネルにおいて、図13に示す15点の位置をそれぞれ押圧した時の押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。
上記のように、X軸方向に伸長するスリットが圧電フィルムに形成されると、Y軸方向の歪みが断ち切られるので、負の極性の領域、換言すると、電位が負値となる領域が小さくなる。第1の実施形態の第1変形例では、第1比較例に比べて、パネル12の中央部付近を押圧した時、圧電フィルムの長辺端部に生じる負の極性の領域が減少するので、押圧力検知センサの出力が増加する。このため、第1の実施形態の第1変形例では、第1比較例に比べて、Y軸方向に沿った押圧力検知センサの出力分布が一様な分布となる。
第1の実施形態の第1変形例では、第1比較例に比べて、パネル12の左長辺端部を押圧した時、左長辺端部に生じる負の極性の領域が減少するので、押圧力検知センサの出力が増加する。このため、第1の実施形態の第1変形例では、第1比較例と異なり、パネル12の左長辺端部の中央付近を押圧した時、押圧力検知センサの出力が反転しない。
また、パネル12の下短辺端部を押圧した場合、スリットが圧電フィルムに形成されていなくてもY軸方向の歪みが小さいので、スリットが圧電フィルムに形成されてもY軸方向の歪みが略変化しない。このため、第1の実施形態の第1変形例では、パネル12の下短辺端部を押圧した時の電位分布が第1比較例の場合と略同様になるので、押圧力検知センサの出力も第1比較例の場合と略同様になる。
第1の実施形態の第1変形例および第2比較例では、第1比較例と異なり、圧電フィルムの長辺端部の中央付近(A3およびC3の位置)を押圧した時、押圧力検知センサの出力が反転しない。第1の実施形態の第1変形例では、押圧力検知センサの出力比が3.6である。第2比較例では、押圧力検知センサの出力比が5.5である。このように、スリットが平面視で圧電フィルムの長辺端部を分断している場合、スリットが平面視で圧電フィルムの内部のみに形成される場合に比べて、押圧力検知センサの出力のばらつきが低下する。
図17は第1の実施形態の第2変形例に係る圧電フィルム64の平面図である。圧電フィルム64には、長辺端部242Aを分断する複数のスリット641Aと、長辺端部242Bを分断する複数のスリット641BとがY軸方向に交互に形成されている。スリット641Aは、平面視で、長辺端部242Bよりも少し内部側から長辺端部242Aまで、X軸方向に伸長している。スリット641Bは、平面視で、長辺端部242Aよりも少し内部側から長辺端部242Bまで、X軸方向に伸長している。隣り合うスリット641Aとスリット641Bとの間隔、および、スリット641Aおよびスリット641Bの長さは、適宜設計される。
図18は、第1の実施形態の第2変形例に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。第1の実施形態の第2変形例でも、第1比較例に比べて、押圧力検知センサの出力のばらつきが低下する。第2変形例に係る押圧力検知センサの出力比は約9.4となる。
《第2の実施形態》
図19は第2の実施形態に係る圧電フィルム74の平面図である。図19において、破線は第2の実施形態に係る押圧力検知センサ70の輪郭を示している。圧電フィルム74のY軸方向の長さは、押圧力検知センサ70のY軸方向の長さの約1/3である。圧電フィルム74のY軸方向の長さは圧電フィルム74のX軸方向の長さより短い。
図19は第2の実施形態に係る圧電フィルム74の平面図である。図19において、破線は第2の実施形態に係る押圧力検知センサ70の輪郭を示している。圧電フィルム74のY軸方向の長さは、押圧力検知センサ70のY軸方向の長さの約1/3である。圧電フィルム74のY軸方向の長さは圧電フィルム74のX軸方向の長さより短い。
図20は第3比較例に係る圧電フィルム84の平面図である。図20において、破線は第3比較例に係る押圧力検知センサ80の輪郭を示している。圧電フィルム84には、スリットが形成されていない。第3比較例に係るタッチパネルのその他の構成は、第2の実施形態に係るタッチパネルと同様である。
図21は、第3比較例に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。図22は、第2の実施形態に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。
第1比較例では、上記のように、圧電フィルムの長辺端部に負の極性の領域が生じる。第3比較例では、第1比較例に比べて、上記の負の極性の領域に位置する圧電フィルムが削られるので、押圧力検知センサの出力が大きくなる。しかし、第3比較例では、パネル12の長辺端部付近(図6に示すA3およびE3の位置)を押圧した時、押圧力検知センサの出力が反転する。第2の実施形態では、第3比較例と異なり、パネル12の長辺端部を押圧した時、押圧力検知センサの出力が反転しない。第2の実施形態では、押圧力検知センサの出力比は約8となる。このように、第2の実施形態では、第1比較例および第3比較例に比べて、押圧力検知センサの出力のばらつきが低下する。
図23は第2の実施形態の第1変形例に係る圧電フィルム94の平面図である。図23において、破線は第2の実施形態の第1変形例に係る押圧力検知センサ90の輪郭を示している。圧電フィルム94のY軸方向の長さは、押圧力検知センサ90のY軸方向の長さの約1/5である。
図24は、第2の実施形態の第1変形例に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。第2の実施形態の第1変形例では、第3比較例と異なり、パネル12の長辺端部を押圧した時、押圧力検知センサの出力が反転しない。第2の実施形態の第1変形例では、押圧力検知センサの出力比は約7となる。
図25は第2の実施形態の第2変形例に係る圧電フィルム104の平面図である。破線は第2の実施形態の第2変形例に係る押圧力検知センサ100の輪郭を示している。圧電フィルム104のY軸方向の長さは、第2の実施形態の第1変形例の場合と同様に、押圧力検知センサ100のY軸方向の長さの約1/5である。スリット1041Aおよびスリット1041Bの間隔は、第2の実施形態の第1変形例の場合の約1/2である。スリット1041Aおよびスリット1041Bの数は、第2の実施形態の第1変形例の場合の約2倍である。
図26は、第2の実施形態の第2変形例に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。第2の実施形態の第2変形例では、第2の実施形態の第1変形例に比べて、パネル12の長辺端部付近および中央部付近を押圧した時の出力が大きくなる。第2の実施形態の第2変形例では、押圧力検知センサの出力比は約5となる。このように、圧電フィルムに形成されるスリットの間隔は狭い方が好ましい。
図27は第2の実施形態の第3変形例に係る圧電フィルム114の平面図である。図27において、破線は第2の実施形態の第3変形例に係る押圧力検知センサ110の輪郭を示している。圧電フィルム114のY軸方向の長さは、押圧力検知センサ110のY軸方向の長さの約1/10である。スリット1041Aおよびスリット1041Bの間隔は、第2の実施形態の第2変形例の場合と同様に定められている。
図28は、第2の実施形態の第3変形例に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。第2の実施形態の第3変形例では、押圧力検知センサの出力比は約5となる。第2の実施形態の第3変形例では、第2の実施形態の第2変形例に比べて、押圧力検知センサの出力が約1/2となる。
上記のように、圧電フィルムのY軸方向の長さを短くしていくと、押圧力検知センサの出力比は改善する傾向にある。一方、圧電フィルムのY軸方向の長さが押圧力検知センサのY軸方向の長さの約1/5の場合と、圧電フィルムのY軸方向の長さが押圧力検知センサのY軸方向の長さの約1/10の場合とにおいて、押圧力検知センサの出力比は略等しい。このため、圧電フィルムのY軸方向の長さを短くしていく際、押圧力検知センサの出力比の改善が得られる圧電フィルムのY軸方向の長さの限界は、押圧力検知センサのY軸方向の長さの約1/5である。
《第3の実施形態》
図29は第3の実施形態に係る圧電フィルム124の平面図である。図29において、破線は第3の実施形態に係る押圧力検知センサ120の輪郭を示している。圧電フィルム124は平面視で略正方形である。この正方形の一方の対角線はX軸方向に平行であり、この正方形の他方の対角線はY軸方向に平行である。圧電フィルム124のX軸方向の長さは押圧力検知センサ120のX軸方向の長さに等しい。圧電フィルム124のY軸方向の長さは押圧力検知センサ120のY軸方向の長さより短い。圧電フィルム124は、X軸方向に対して約45°の角度をなす方向に一軸延伸されている。圧電フィルム124には、X軸方向における略中央部から角部まで、X軸方向に伸長するスリット1241が形成されている。スリット1241が形成された圧電フィルムの角部は、押圧力検知センサ120の両長辺端部側に位置する。スリット1241は角部を分断している。
図29は第3の実施形態に係る圧電フィルム124の平面図である。図29において、破線は第3の実施形態に係る押圧力検知センサ120の輪郭を示している。圧電フィルム124は平面視で略正方形である。この正方形の一方の対角線はX軸方向に平行であり、この正方形の他方の対角線はY軸方向に平行である。圧電フィルム124のX軸方向の長さは押圧力検知センサ120のX軸方向の長さに等しい。圧電フィルム124のY軸方向の長さは押圧力検知センサ120のY軸方向の長さより短い。圧電フィルム124は、X軸方向に対して約45°の角度をなす方向に一軸延伸されている。圧電フィルム124には、X軸方向における略中央部から角部まで、X軸方向に伸長するスリット1241が形成されている。スリット1241が形成された圧電フィルムの角部は、押圧力検知センサ120の両長辺端部側に位置する。スリット1241は角部を分断している。
図30は第4比較例に係る圧電フィルム134の平面図である。図30において、破線は第4比較例に係る押圧力検知センサ130の輪郭を示している。圧電フィルム134には、スリットが形成されない。第4比較例に係るタッチパネルの他の構成は、第3の実施形態に係るタッチパネルと同様である。
図31は、第4比較例に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。図32は、第3の実施形態に係るタッチパネルにおいて、図6に示す25点の位置をそれぞれ押圧した時の単位押圧力あたりの押圧力検知センサの出力の計算結果を示す図である。第4比較例では、パネル12の長辺端部(図6に示すA3およびE3の位置)を押圧した時、押圧力検知センサの出力が反転する。第3の実施形態では、第4比較例と異なり、パネル12の長辺端部(図6に示すA3およびE3の位置)を押圧した時、押圧力検知センサの出力が反転しない。第3の実施形態では、押圧力検知センサの出力比が約5となる。
第1の実施形態のような圧電フィルムを製造する場合、例えば、長さ方向に一軸延伸されたPLLAロールから長方形状の圧電フィルムを、その長方形の辺がPLLAロールの延伸方向に対して45°の角度をなすように、切り出す。このため、PLLAロールに廃棄部分が生じる。これに対して、第3の実施形態に係る圧電フィルムを製造する場合、長さ方向に一軸延伸されたPLLAロールから正方形状の圧電フィルムを、その正方形の所定の辺がPLLAロールの延伸方向に平行になるように、切り出す。このため、PLLAロールの廃棄部分が低減されるので、圧電フィルムの取り個数が増加する。
図33(A)は第3の実施形態の第1変形例に係る圧電フィルム144の平面図である。図33(A)において、破線は第3の実施形態の第1変形例に係る押圧力検知センサ140の輪郭を示している。圧電フィルム144は平面視で略長方形状である。圧電フィルム144はその長手方向に一軸延伸されている。圧電フィルム144は、その長手方向がX軸方向に対して約45°の角度をなすように配置されている。圧電フィルム144には、X軸方向に伸長する複数のスリット1441が形成されている。スリット1441は、押圧力検知センサ140の両長辺端部側に位置する圧電フィルム144の角部を分断している。
図33(B)は第3の実施形態の第2変形例に係る圧電フィルム154の平面図である。図33(B)において、破線は第3の実施形態の第2変形例に係る押圧力検知センサ150の輪郭を示している。押圧力検知センサ150は複数の圧電フィルム154を有する。複数の圧電フィルム154は、押圧力検知センサ150のPETフィルム27(図2参照)の上面の略全体を覆うように形成されている。
圧電フィルム154は平面視で略長方形状である。圧電フィルム154はその長手方向に一軸延伸されている。圧電フィルム154は、その長手方向がX軸方向に対して約45°の角度をなすように配置されている。複数の圧電フィルム154は互いに略隙間なく配列されている。圧電フィルム154には、X軸方向に伸長する複数のスリット1541が形成されている。スリット1541は、押圧力検知センサ150の両長辺端部側に位置する圧電フィルム154の角部を分断している。
図33(C)は第3の実施形態の第3変形例に係る圧電フィルム164の平面図である。図33(C)において、破線は第3の実施形態の第3変形例に係る押圧力検知センサ160の輪郭を示している。圧電フィルム164は、平面視で、面取りされた長方形状である。圧電フィルム164の他の構成は圧電フィルム144(図33(A)参照)と同様である。
第3の実施形態の第1変形例から第3変形例に係る圧電フィルムを製造する場合でも、第1の実施形態のような圧電フィルムを製造する場合に比べて、圧電フィルムの取り個数を増やすことができる。また、第3の実施形態の第2変形例では、圧電フィルムに加わる押圧力の面内分布を調整することができる。
なお、第3の実施形態では、圧電フィルムが平面視で略正方形状または略長方形状である例を示したが、圧電フィルムは、平面視で、菱形状、平行四辺形状、円形状、楕円形状等でもよい。
《第4の実施形態》
図34は第4の実施形態に係る圧電フィルム174の平面図である。図34において、破線は第4の実施形態に係る押圧力検知センサ170の輪郭を示している。圧電フィルム174にはスリットが設けられていない。圧電フィルム174はその長手方向に一軸延伸されている。圧電フィルム174は、その延伸方向(延伸軸の方向)がPETフィルム21およびPETフィルム27(図2参照)の長手方向に対して交差するように、弾性体であるPETフィルム21およびPETフィルム27に貼り付けられている。圧電フィルム174の延伸方向と、PETフィルム21およびPETフィルム27の長手方向とのなす角度は45°であることが好ましい。
図34は第4の実施形態に係る圧電フィルム174の平面図である。図34において、破線は第4の実施形態に係る押圧力検知センサ170の輪郭を示している。圧電フィルム174にはスリットが設けられていない。圧電フィルム174はその長手方向に一軸延伸されている。圧電フィルム174は、その延伸方向(延伸軸の方向)がPETフィルム21およびPETフィルム27(図2参照)の長手方向に対して交差するように、弾性体であるPETフィルム21およびPETフィルム27に貼り付けられている。圧電フィルム174の延伸方向と、PETフィルム21およびPETフィルム27の長手方向とのなす角度は45°であることが好ましい。
圧電フィルム174は、第1の実施形態の場合と同様に、検知用電極22が蒸着されたPETフィルム21と、グランド電極26が蒸着されたPETフィルム27との間に配置されている(図2参照)。圧電フィルム174は、粘着剤23によりPETフィルム21に貼り付けられ、粘着剤25によりPETフィルム27に貼り付けられている(図2参照)。
圧電フィルム174は平面視で略長方形状である。圧電フィルム174は、上記のように、平面視で、その延伸方向がY軸方向に対して非平行となるように配置されている。圧電フィルム174を製造する場合、例えば、長さ方向に一軸延伸されたPLLAロールから長方形状の圧電フィルムを、その長方形の長辺がPLLAロールの延伸方向に平行になるように、切り出す。
第4の実施形態では、第3の実施形態の場合と同様に、第1の実施形態のような圧電フィルムを製造する場合に比べて、圧電フィルムの取り個数を増やすことができる。
なお、第4の実施形態では、圧電フィルム174がPETフィルム21およびPETフィルム27に貼り付けられる例を示したが、PETフィルム21およびPETフィルム27の代わりにFPC(Flexible Printed Circuits)基板が用いられてもよい。また、ガラス板等から形成されるパネルに圧電フィルム174が貼り付けられる構成により、パネルに加わる押圧力が検知されてもよい。
また、上記の実施形態では、押圧力検知センサがタッチパネルに用いられる例を示したが、押圧力検知センサが他の装置に用いられてもよいし、押圧力検知センサが単体で製品化されてもよい。
また、上記の実施形態では、スリットが圧電フィルムの両端部を分断する例を示したが、スリットは圧電フィルムの一方端部のみを分断してもよい。
10…タッチパネル
11…筐体
12…パネル(透光性部材)
13,15,17,23,25…粘着剤
14…静電容量センサ
16…液晶ディスプレイ(表示部材)
18…制御回路モジュール
20,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170…押圧力検知センサ
21,27…PETフィルム
22…検知用電極
24,34,44,54,64,74,84,94,104,114,124,134,144,154,164,174…圧電フィルム
26…グランド電極
241A,241B,541,641A,641B,1041A,1041B,1241,1441,1541,1641…スリット(第1スリットおよび第2スリット)
242A,242B…長辺端部(第1端部および第2端部)
11…筐体
12…パネル(透光性部材)
13,15,17,23,25…粘着剤
14…静電容量センサ
16…液晶ディスプレイ(表示部材)
18…制御回路モジュール
20,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170…押圧力検知センサ
21,27…PETフィルム
22…検知用電極
24,34,44,54,64,74,84,94,104,114,124,134,144,154,164,174…圧電フィルム
26…グランド電極
241A,241B,541,641A,641B,1041A,1041B,1241,1441,1541,1641…スリット(第1スリットおよび第2スリット)
242A,242B…長辺端部(第1端部および第2端部)
Claims (5)
- キラル高分子を含み、少なくとも一方向に延伸された圧電フィルムと、
前記圧電フィルムの両主面に設けられた、押圧力を検知するための押圧力検知電極と、を備え、
前記圧電フィルムには、少なくとも1つの第1スリットが設けられ、
前記第1スリットは、前記圧電フィルムの主面の法線方向から見て、前記圧電フィルムの延伸方向に対して平行でなくかつ直交しない方向に、前記圧電フィルムの内側から前記圧電フィルムの第1端部側に向かって伸長し、前記圧電フィルムの第1端部を分断している、押圧力検知センサ。 - 前記圧電フィルムには、少なくとも1つの第2スリットが設けられ、
前記第2スリットは、前記圧電フィルムの主面の法線方向から見て、前記圧電フィルムの延伸方向に対して平行でなくかつ直交しない方向に、前記圧電フィルムの内側から、前記圧電フィルムの第1端部側に対向する前記圧電フィルムの第2端部側に向かって伸長し、前記圧電フィルムの第2端部を分断している、請求項1に記載の押圧力検知センサ。 - 前記第1スリットの長さは、前記第1スリットの伸長方向における前記圧電フィルムの長さの5%以上100%未満である、請求項1または2に記載の押圧力検知センサ。
- 前記第1スリットの長さは、前記第1スリットの伸長方向における前記圧電フィルムの長さの15%以上100%未満である、請求項1または2に記載の押圧力検知センサ。
- 請求項1から4の何れかに記載の押圧力検知センサと、
前記押圧力検知センサの一方の主面側に設けられる透光性部材と、
前記押圧力検知センサと前記透光性部材との間に設けられ、前記透光性部材側に表示面を有する表示部材と、を備える、電子機器。
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