JP6780002B2 - 無段変速機用の駆動ベルトのための横断部材 - Google Patents

無段変速機用の駆動ベルトのための横断部材 Download PDF

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Description

本発明は、無段変速機用の駆動ベルトの横断部材に関し、この無段変速機は、駆動ベルトを収容するための2つのプーリを備えていて、これら2つのプーリの、少なくとも部分的に円錐状のプーリシーブの間に駆動ベルトは収容される。公知の駆動ベルトは、少なくとも1つの柔軟なリングから成る、しかしながら通常は、重ねられた柔軟な複数のリングのセットから成る、無端の、すなわちリング状のキャリアと、この無端キャリアの周に沿って一緒に1つの列を形成する複数の横断部材とを有している。通常、駆動ベルトの前記柔軟なリングと横断部材とは両方とも、金属、特に鋼から成っている。さらに通常は、横断部材の厚さは、無端キャリアの周方向長さと比較して小さいので、1つの駆動ベルトには数百の横断部材が含まれている。
横断部材はそれぞれ、主として幅方向に、すなわち駆動ベルトの円周方向に対して軸方向に延在する、少なくとも実質的に台形の輪郭を有するベース部分と、ベース部分のそれぞれの軸方向側から、駆動ベルトの前記軸方向および周方向にほぼ垂直な方向、すなわち駆動ベルトの湾曲部分で半径方向に延びる2つのピラー部分とを有する。したがって、各横断部材は、横断部材のピラー部分とベース部分との間で中央に位置する開口を画定しており、この開口内には、無端キャリアの横断部材の厚さに相当する小さい周方向区分が収容されている。このようなほぼV字型の横断部材を有する駆動ベルトは例えば欧州特許出願公開第1219860号明細書の特に図6により公知である。
公知の横断部材のベース部分には、その前側主面にいわゆる傾動区分が設けられている。
傾動区分は、ほぼ一定の厚さの、すなわち前記周方向においてほぼ一定の寸法の各横断部材の半径方向外側区分と、半径方向内側方向で少なくともほぼ先細りしている横断部材の半径方向内側区分との間で、軸方向に延在する移行部である。横断部材のこのような傾動区分と先細りする内側区分とにより、隣接する横断部材は、これら隣接する横断部材が、傾動区分に位置する、少なくとも、軸方向に向けられた接触線により物理的に接触を維持しながら、変速機の駆動ベルトの湾曲する軌道部分で互いに傾動することができる。
各変速機プーリにおける横断部材間の前記接触線の各半径方向位置の間の比は、これらのプーリ間の回転速度比を決定することに留意されたい。さらに、欧州特許出願公開第1219860号明細書の図6に記載の横断部材の特別な設計により、最も大きい変速比と最も小さい変速比との間の変速比の範囲が好適には、欧州特許出願公開第1219860号明細書の図4に記載の駆動ベルトを備えた同様の変速機と比較して好適には拡大されていることに留意されたい。さらに特に、この後者の駆動ベルトの設計では、前記接触線の最も大きな半径方向位置は、幾分、前記接触線の半径方向外側に位置する無端キャリアが、軸方向で(も)変速機プーリによって包含されていなければならないという要件によって制限される。しかしながらこのような要件は、無端キャリアが横断部材によって、すなわち横断部材の各ピラー部分によって軸方向で完全に包含されている欧州特許出願公開第1219860号明細書の図6に記載の駆動ベルトには適用されない。
横断部材には、横断部材のベース部分のそれぞれ軸方向の側面に、変速機プーリのプーリシーブに摩擦係合するための接触面が設けられている。これらのプーリ接触面は、ベルト角度Φと記載される角度で互いに方向付けられていて、この角度は、プーリの円錐状のプーリシーブ間でこれらプーリシーブによって画定される、プーリ角度と記載される角度に少なくとも近似により適合する。さらに、これらのプーリ接触面は、肉眼で見えるプロファイルにより波形を付けられているか、または粗面構造を有しており、これによりこの波形プロファイルの比較的高く位置する部分のみが、または面粗さのピークのみがプーリシーブに接触するようになっている。このような特別な特徴により、公知の変速機に適用される冷却オイルが、波形プロファイルの比較的低く位置する部分に、または面粗さの谷部に受容されるようになるので、駆動ベルトと変速機プーリとの間の摩擦は最適にされる。
変速機の作動中、変速機の駆動プーリのプーリシーブ間に位置する駆動ベルトの横断部材は、これらプーリシーブによって、これら横断部材のプーリ接触面に加えられる摩擦力によって駆動ベルトの回転方向で駆動される。これらの駆動される横断部材は、駆動ベルトの無端キャリアの周方向に沿って先行する横断部材を押し、最終的には、同じく摩擦によって変速機の被駆動プーリを回転駆動する。横断部材と変速機プーリのプーリシーブとの間にこのような摩擦(力)を発生させるために、プーリのプーリシーブは、軸方向に互いに向かって押し付けられ、これにより横断部材に軸方向で、互いに反対方向の挟持力を及ぼす。
当該技術分野では、プーリ接触面のほぼ発散方向に沿って規定されるプーリ接触面の長さLに関して幾つかの要件が記載されている。明らかに、少なくともこのような長さLは、駆動ベルトの所望の耐用期間に関して、プーリ接触面に求められる耐摩耗性を提供するのに十分でなければならない。欧州特許出願公開第0896171号明細書には、この特別な側面において技術的な分析が記載されている。このような長さLに関する別の要件は、欧州特許出願公開第0367620号明細書に記載されている。この後者の文献の根底にある形状的な分析によれば、このような長さLは、横断部材をプーリシーブに整列させるのに十分でなければならない。さらに特に、欧州特許出願公開第0367620号明細書によれば、横断部材のプーリ接触面とプーリシーブとの間の(エッジ接触とは対照的なものとしての)線接触を促すための設計規則が記載されている。特にこの公知の設計規則は、プーリシーブ間で駆動ベルトが位置している、駆動ベルトの周方向で延在する軸線を中心とした横断部材の回転の自由度を制限している。
したがって、欧州特許出願公開第1219860号明細書の図4による駆動ベルトのさらなる利点は、横断部材のプーリ接触面を、少なくとも部分的にピラー部分に設けることができることである。これによりプーリ接触面の所定の必要長さLのために、ベース部分の半径方向の寸法を(より)小さくすることができる。したがって最終的にこのような設計の特徴により、前記接触線は(より)小さい、極めて小さい半径方向の位置をとり、これにより変速比の範囲をさらに拡張することができる。
実際には、プーリ接触面の全長さLのうち、ピラー部分に設けることができる部分に対する制限が、したがって、ベース部分の最小限の半径方向寸法に対する制限がある。結局、横断部材にプーリによって加えられる挟持力は、プーリ接触面を介して駆動ベルトの横断部材によって支持される。ピラー部分に位置するプーリ接触面の部分がますます大きくなると、ピラー部分は、挟持力の影響下でますますプーリシーブから離れるように曲がり、これによりベース部分は、挟持力によりますます負荷されることになる。さらにこのようなピラー部分の曲がりは、駆動ベルトの損傷につながる恐れがある。
本発明の課題は、変速比の範囲をさらに延長する、すなわち広げることである。本発明によれば、この課題は、好適には変速機プーリの設計および相互の配置の変更なしに駆動ベルトを最適化することにより達成することができる。より詳細には、プーリ接触面に関する公知の要件の再考により、駆動ベルトの横断部材の設計に関する新規かつ驚くべき洞察が得られた。
本発明による駆動ベルトは、本明細書に添付の請求の範囲に規定されている。特に本発明によれば、横断部材の各側のプーリ接触面は、2つの別個の区分に設けられており、これら2つの区分は、これら区分の間に設けられた、各横断部材の、比較的低く位置するプーリ非接触面によって分離されていて、前記2つの別個の区分のうち第1の区分は少なくとも部分的にベース部分に設けられていて、第2の区分は、各横断部材のそれぞれピラー部分に設けられている。したがって、プーリ接触面の前記第1の区分の位置に応じて、プーリ非接触面は、ピラー部分に部分的にまたは完全に設けられる。
横断部材このような設計により、プーリ接触面の所定の長さLに関して、ピラー部分によって支持される挟持力の配分は、少なくとも等しい長さLの連続的に形成されたプーリ接触面と比較して、好適には減じられる。横断部材のこのような新規の態様は、実際には、(十分な)耐摩耗性を提供するために必要とされるプーリ接触面の長さが、恐らくは、横断部材と、プーリ接触面との間の前記線接触を促すために必要なプーリ接触面の長さよりも少なくてもよい、という考察に基づくものである。したがって、プーリ接触面は必ずしも、プーリ接触面の全長Lに沿ってプーリシーブに接触する必要なない。その代わりに、半径方向でプーリ接触面の2つの区分の間に前記プーリ非接触面を設けることが完全に許容されることがわかる。
接触面の波状部を設けることにより、公知のプーリ接触面にも、プーリに接触する部分、すなわち隆起部と、プーリに接触しない部分、すなわち谷部とが設けられることに留意されたい。しかしながら、プーリ接触面の波形プロファイルのこれら谷部は、横断部材の前記プーリ非接触面よりも少なくとも1/2小さい。
本発明による横断部材のより詳しい態様ならびに本発明の根底を成す総論は、以下に、図面を参照して、以下の説明に基づいてさらに例として説明される。
2つのプーリと駆動ベルトとを備えた変速機を簡略化して概略的に示す側面図である。 ほぼV字型の横断部材を有する公知の駆動ベルトを、周方向に面した断面図と、駆動ベルトの横断部材のみを示す別個の側面図とで概略的に示す図である。 変速比が駆動ベルトとプーリとの相互作用によりどのように規定されるかを概略的に示す図である。 駆動ベルトの、特にその横断部材の、設計により変速機の最も極端な変速比に影響を与える公知の方式を概略的に示す図である。 本発明による新規の横断部材を概略的に示す図である。 変速機プーリと相互作用する新規の横断部材を概略的に示す図である。
図1には、例えば乗用車の動力伝達経路で使用するための無段変速機100の中心的な部分が概略的に示されている。この変速機100はそれ自体よく知られており、少なくとも第1の可変プーリ101と、第2の可変プーリ102とを有している。動力伝達経路では、第1のプーリ101がエンジンに連結されていて、エンジンにより駆動され、第2のプーリ102は通常、複数のギアを介して自動車の被駆動輪に連結されている。
両変速機プーリ101,102は、各プーリ101,102のプーリ軸103,104に不動に固定された第1の円錐状のプーリシーブと、各プーリ軸103,104に対して相対的に軸方向に移動可能であって、回転方向でのみこれらの軸に不動に固定されている第2の円錐状のプーリシーブとを有している。変速機100の駆動ベルト50は、プーリ101,102の回りに巻き掛けられており、プーリのプーリシーブの間に収容されている。図1に示されたように、変速機100における駆動ベルト50の軌道は、2つの直線区分Sと2つの湾曲区分Cとを含む。湾曲区分で駆動ベルト50は、2つの変速機プーリ101,102のそれぞれ一方の回りで湾曲している。
変速機100の作動中、駆動ベルト50は、両プーリ101,102のプーリシーブの間にプーリシーブによって挟まれて、したがって摩擦によりこれらプーリシーブの間で、回転接続を提供している。このために、電気的に制御可能かつ液圧的に作動する移動手段が変速機100には設けられていて(図示せず)、この移動手段は、各プーリ101,102のそれぞれ可動のプーリシーブに作用する。これらの移動手段は、駆動ベルト50に挟持力を加える他に、プーリ101,102における駆動ベルトのそれぞれ半径方向の位置RおよびRも制御し、すなわち、変速機100のプーリ軸103,104間で生じる変速比を制御する。
公知の駆動ベルト50は、無端キャリア8と、この無端キャリア8の上に、無端キャリアの周に沿って、少なくともほぼ連続的な列を成すように取り付けられた複数の横断部材1とから成っている。駆動ベルト50において横断部材1は、無端キャリア8の周に沿って可動である。この無端キャリア8は通常、互いの回りに互いに積層された、すなわち相互に重ねられた複数の柔軟な金属リングまたは金属帯から成っている。
図2には、駆動ベルト50の多数の公知の態様のうちの1つが図示されている。図2の左側では駆動ベルト50は断面図で示されており、図2の右側では、駆動ベルトの側面図が示されている。図2により、駆動ベルト50の横断部材1は、ほぼ文字「V」のような形状であることが、すなわちほぼV字型であることがわかる。この場合、横断部材1の側面の間の角度Φは、変速機プーリ101,102の円錐状のプーリシーブの間に存在する角度に密に適合するように設計されている。
各横断部材1は、1つのベース部分10と2つのピラー部分11とを有している。そのうちベース部分10は、駆動ベルト50の主に軸方向に延在しており、ピラー部分11は、ベース部分10のそれぞれ軸方向の側面から駆動ベルト50の主に半径方向に延在している。厚さ方向では、各横断部材1は、横断部材1の前側主面3と後側主面2との間に延在しており、これら両主面は、駆動ベルト50の少なくともほぼ周方向に向けられている。各横断部材のピラー部分11とベース部分10との間には開口5が画定されており、この開口内には、無端キャリア8の小さな周区分が収容されている。
横断部材のここに図示した態様では、横断部材1のピラー部分11には、開口5の上方で軸方向に延在するフック部分9がそれぞれ設けられている。これにより無端キャリア8は、変速機100の駆動ベルト50の作動中に開口5内に固定されて含まれる。さらに、横断部材1のピラー部分11にはそれぞれ、各前側主面3からほぼ前記周方向で突出する突出部6が設けられている。駆動ベルト50において、突出部6は、隣接する横断部材1の対向面、すなわち後側主面2に設けられた凹部7内に挿入されていて、隣接する横断部材1の間の相対運動を、少なくとも半径方向で、しかしながら通常は軸方向でも制限している。
横断部材1にはそれぞれ、横断部材1の軸方向の側面に、変速機プーリ101,102(のプーリシーブ)に接触するための接触面12が設けられている。実際には、これらのプーリ接触面12は波形を付けられているか、または粗面構造を有しており、これによりこの波形プロファイルの比較的高く位置する部分のみが、または面粗さのピークのみがプーリ101,102に物理的に接触するようになっている。
当該技術分野では、プーリ接触面のほぼ発散方向に沿って規定されるプーリ接触面12の長さLに関して幾つかの要件が記載されている。少なくとも、このような長さLは、プーリ接触面に必要な耐摩耗性を提供するのに十分でなければならないが、勿論、この場合、この接触面の全ての表面積のうちの一部のみが、すなわち接触面の比較的高く位置する部分またはピークのみが、実際にプーリシーブに接触するということが考慮されている。
このような長さLに関する別の要件は、この長さLが、横断部材1を半径方向でプーリシーブに対して整列させるのに十分でなければならない、ということである。この設計の規則は、欧州特許出願公開第0367620号明細書により以下のように公知である:
L≧sin(1/2Φ)×W
上記式で、Wは、横断部材1の軸方向での最大寸法、すなわち幅を表しており、この場合、横断部材はプーリシーブになお接触していて、すなわち接触面12の半径方向外側の範囲で測定されている。このように計算された最小長さLは、事実上最大長さLも表すが、設計上の自由度のために、通常は25%程度まで大きい値であってもよく、不正確さと摩耗を考慮して好適には10%の最小限界値が適用される:
1.25×(sin(1/2Φ)×W)≧L≧1.10×(sin(1/2Φ)×W)
横断部材のベース部分10においては、横断部材1にはそれぞれいわゆる傾動区分4が設けられている。この傾動区分4は、ほぼ一定の厚さの各横断部材1の半径方向外側区分と、半径方向内側方向に先細りしている横断部材の半径方向内側区分との間で、軸方向に延在する移行部を表している。通常、この傾動区分4は、各横断部材1の前側主面3の滑らかに凸状に湾曲する面部分として組み込まれている。隣接する横断部材1が、駆動ベルト50の湾曲区分Cで互いに相対的に傾動するとき、これらの横断部材は、傾動区分4で接触を維持する(ことができる)。
図3には、プーリ101,102における駆動ベルト50の各半径方向位置Rmax、Rminに対して変速比がどのように関連しているかが概略的に示されている。特に図3では、駆動ベルト50が、第1のプーリ101において最も小さい半径方向位置Rminで示されていて、第2のプーリ102において最も大きな半径方向位置Rmaxで示されている。これにより、変速機100は全体として、Rmax/Rminに対応する「LOW」と呼ばれる最も減速した変速比を提供する。この場合、RmaxおよびRminは各プーリ101,102における駆動ベルト50の横断部材1の傾動区分4の半径方向位置によって数値的に決められる。変速機100によって提供される変速比の総範囲または変速比幅RCは、このような最も減速される変速比と、最も加速される変速比との積により定義され、これは、変速比LOWの2乗に相当する、または少なくとも近似することができる。RmaxとRminの実際の値はそれぞれ75mmと30mmであり、これにより最も減速する2.5の変速比LOWと、約6.3の変速比幅RCが生じる。
このような形式の変速機100の設計における一般的な開発目標は、その変速比幅RCを最大にすることである。原理的にはこの目標は、駆動ベルト50の設計において実現することができ、この場合、好適には、プーリ101,102の設計を変更することなく、駆動ベルトの横断部材1のプーリ接触面12を横断部材1のベース部分10だけではなく、ピラー部分11にも部分的に配置することにより実現される。ピラー接触面12のこのような特別な配置は図4に、再び、プーリ101,102における駆動ベルト50の各半径方向位置Rmax、Rminとの関係で示されている。
図4の横断部材1において、横断部材1のベース部分10の半径方向の寸法または高さは、図3に示された横断部材1に対して減じられているので、横断部材1を、プーリ軸103のより近くに配置することができる。したがって、傾動区分4によって決定されるように、第1のプーリ101における横断部材1の最も小さい半径方向位置Rminを、好適には対応する量だけ減じることができる。同じく図4に示されるように、第2のプーリ102における横断部材1の最も大きな半径方向位置Rmaxは、図4の態様ではプーリ接触面12がピラー部分11内へと延在しているため、結果として対応する量だけ減じられる。しかしながら、最も小さい半径方向位置Rminと最も大きな半径方向位置Rmaxとの間の比、すなわち変速比LOWおよび、したがって変速機100の変速比幅RCは、好適にはこれにより増大する。例えば、RmaxおよびRminの上述した実際の値が両方とも2mm減少すると、最も減速する比LOWは、2.5から2.6へと増大し、変速比幅RCは約6.3から6.8へと増大する。
図4によると横断部材1の設計において、挟持力の大部分はピラー部分11によってもたらされる。しかしながら、ベース部分10とは異なり、ピラー部分11は軸方向で支持されていないので、これらピラー部分11は、図4に矢印Bで概略的に示したように軸方向内側に向かってある程度屈曲する。しかしながらピラー部分11のこのような屈曲は極めて限られた程度でしか許容することはできない。なぜならば、さもないとピラー部分11は無端キャリア8に接触し、ピラー部分と無端キャリアとの間には過剰な摩擦が生じるからであり、あるいはピラー部分11が、曲げ応力疲労によりベース部分10から裂断してしまうからである。結果として、横断部材1のプーリ接触面12は、実際には、ピラー部分11には限られた範囲でしか存在することはできず、したがってこれにより達成することできる変速比幅RCの増大は限られている。特に、RmaxとRminの前記値は、このような測定によれば実際には、0.5mmしか減じることはできない。したがって、変速比幅RCの増加は約0.1に制限され、すなわち6.3から6.4に増加するだけである。
しかしながら本発明は、横断部材1のための新規の設計を提案する。これは図5に示されており、横断部材1のピラー部分11が過度に屈曲することなく達成可能な変速比幅RCの改善のために設けられている。この新規の横断部材1では、横断部材1の各側のプーリ接触面12は、2つの別個の区分13と14とに設けられており、これら2つの区分は、これら区分の間に設けられた、比較的低く位置するプーリ非接触面15によって分離されていて、第1の区分13は部分的にベース部分10に設けられていて、第2の区分14は、各横断部材1の各ピラー部分11に完全に設けられている。特に、プーリ接触面12の第1の区分13の長さL13は、耐摩耗性の基準が満たされるように選択されている。すなわち、駆動ベルト50の所望の使用期間は、これらプーリ接触面12の摩耗という観点では得られる。欧州特許出願公開第0896171号明細書では、L13に関して3.8mmの最小値が言及されている。
さらに、本発明によれば、プーリ接触面12の全体長さLは、横断部材1のプーリ接触面とプーリシーブとの間の(エッジ接触とは対照的なものとしての)線接触を促すための公知の基準をなお満足させなければならない。幅Wが24mm、角度Φが22度の横断部材1の場合、この全体長さLは、上述の式を用いて4.5〜5.2mmの範囲の値に計算することができる。
図5の横断部材1の新規の設計により、周方向に沿った駆動ベルトと変速機プーリ101,102との間の摩擦は、プーリ接触面12の前記第1の区分13に集中し、前記第2の区分14は、軸方向を中心とした横断部材1の回転を所望のように遮断する。
図5の横断部材1の新規の設計により、プーリ接触面12の所定の長さLに関して、ピラー部分11によって支持される挟持力の配分は、少なくとも図4に示された等しい長さLの連続的に形成されたプーリ接触面12と比較して、好適には減じられる。したがって、図5の横断部材1の新規の設計により、プーリ接触面12を、プーリ挟持力がかかることによりピラー部分が軸方向に過度に屈曲することなく、ピラー部分11内へも良好に延ばすことができる。したがって要するに、図6に示したように、上述した変速比幅RCの6.3から6.8への増加を実現可能とすることができる。
必然ではないが、好適には、プーリ接触面12の前記第2の区分14は、プーリシーブとの単一の接触点を提供する。これによりピラー部分11における軸方向かつ接線方向の力は好適には小さくなる。
必然ではないが、好適には、プーリ接触面12の前記第1の区分13は完全に、横断部材1のベース部分10に設けられている。これによりピラー部分11にかかる軸方向かつ接線方向の力は好適には小さくなる。
上述した新規の横断部材1の実際の態様では、プーリ非接触面15の長さL15は、プーリ接触面12の第1の区分13の前記長さL13の10〜50%であり、好適には20〜40%である。駆動ベルト50の現在市販されている設計に関しては、この要件によると、プーリ非接触面15の長さL15が絶対的に約0.5〜2.5mmになる。
本発明は、先行する全ての説明と添付の図面の全ての詳細に加えて、請求の範囲の全ての特徴にも関し、全ての特徴も含む。請求項内の( )内の参照符号は請求の範囲を限定するものではなく、むしろ各特徴の拘束力のない例として記載されている。請求の範囲に記載の特徴は、場合によって別個に提供製品または提供プロセス内に適用することができるが、これらの特徴の2つ以上のあらゆる組み合わせに適用することもできる。
この開示に代表される本発明は、本明細書で明白に言及した実施態様および/または例に限定されるものではなく、特に、当業者により達成される本発明の補正、改良、および実際の使用例も包括する。

Claims (4)

  1. 駆動ベルト(50)のための横断部材(1)であって、前記駆動ベルトは無端キャリア(8)と、前記無端キャリア(8)の周に沿って取り付けられた複数の横断部材(1)とを有しており、前記横断部材(1)は少なくとも、1つのベース部分(10)と2つのピラー部分(11)とを有しており、前記ピラー部分(11)はそれぞれ前記ベース部分(10)の各側から高さ方向に延在しており、前記横断部材(1)にはその両側で、前記駆動ベルト(50)が設けられている変速機(100)のプーリ(101,102)に摩擦接触するための接触面(12)がそれぞれ設けられている、駆動ベルト(50)のための横断部材(1)において、
    前記横断部材(1)の両接触面(12)はそれぞれ個々に、前記横断部材(1)の比較的低く位置する面(15)によって分離された別個の2つの区分(13,14)へと高さ方向で分割されており、前記比較的低く位置する面(15)は、前記変速機(100)における前記プーリ(101,102)に接触せず、
    前記両接触面(12)の前記2つの区分(13,14)のうち第1の区分(13)は、前記横断部材(1)の前記ベース部分(10)に位置していて、高さ方向で前記ベース部分の全寸法にわたって延在しており、前記両接触面(12)の前記2つの区分(13,14)のうち前記第1の区分(13)には、ピーク、すなわち比較的高く位置する部分と、谷部とを有する面プロファイルが設けられており、前記ピークおよび谷部のうちピークのみが、前記変速機(100)における前記プーリ(101,102)に接触し、
    前記両接触面(12)の前記2つの区分(13,14)のうち第2の区分(14)は完全に、前記横断部材(1)の各ピラー部分(11)に設けられており
    前記横断部材(1)の前記比較的低く位置する各面(15)の高さ方向の寸法は、前記面プロファイルの前記谷部の寸法よりも少なくとも2倍大きいことを特徴とする、駆動ベルト(50)のための横断部材(1)。
  2. 前記両接触面(12)の前記2つの区分(13,14)のうち前記第2の区分(14)はそれぞれ、前記変速機(100)における前記プーリ(101,102)との単一の接触点に設けられている、請求項記載の横断部材(1)。
  3. 前記横断部材(1)の前記比較的低く位置する面(15)の高さ方向の寸法は、この方向での前記接触面(12)の前記2つの区分(13,14)のうちの前記第1の区分(13)の寸法の10%〜50%である、請求項1または2記載の横断部材(1)。
  4. 各接触面(12)の前記2つの区分(13,14)の高さ方向の寸法と、前記横断部材(1)の、前記2つの区分の間にそれぞれ設けられた前記比較的低く位置する面(15)の高さ方向の寸法との和は、1.10×(sin(1/2Φ)×W)〜1.25×(sin(1/2Φ)×W)の範囲の値を有しており、この場合、Φは前記横断部材(1)の両接触面(12)の間に接触面(12)によって画定される角度であり、Wは前記横断部材(1)の幅方向における、前記接触面(12)の前記2つの区分(13,14)のうち前記第2の区分(14)の間の前記第2の区分(14)の位置における寸法である、請求項記載の横断部材(1)。
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