このような問題に対して、特許文献1では、トーションバネによりローラーをテープに押し付けつつ、テープの搬送に伴って順に通過するポケットの形状に沿ってローラーを振動させることで、テープと部品との接着の解消を図っている。ただし、テープの搬送に従動させてローラーを振動させるため、テープの搬送が不安定になるおそれがある。
一方、特許文献2には、テープの下面に当接するように設けられた直流振動子ユニットを制御部によって上下方向に駆動している。このように直流振動子ユニットをテープに従動させるのではなく、制御部によって駆動することで、テープを安定的に搬送しつつテープと部品との接着の解消を図ることができる。ただし、直流振動子ユニットを駆動するためにモーターやアクチュエーター等の駆動源を別途設ける必要があり、装置の大型化やコストアップが生じてしまう。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、テープの安定的な搬送と、テープへの部品の接着の解消とを、駆動源の増加を伴わずに可能とする技術の提供を目的とする。
本発明の第1態様に係る部品供給装置は、複数の収納部のそれぞれに部品を収納したキャリアテープと、キャリアテープに貼り付けられて収納部を覆うカバーテープとを有するテープを駆動するトルクを出力するフィードモーターと、フィードモーターのトルクをテープに伝達することで、テープに収納された部品を供給する部品供給箇所へ向かうフィード方向へテープを送るフィード用動力伝達部と、部品供給箇所よりもフィード方向の上流側でテープに接触可能な衝撃印加部材とを備え、衝撃印加部材は、フィードモーターのトルクによってテープに衝撃を与える。
このように構成された本発明の第1態様(部品供給装置)は、テープのフィード方向への駆動と、衝撃印加部材によるテープへの衝撃の印加とを、同一のフィードモーターによって実行している。したがって、テープの安定的な搬送と、テープへの部品の接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
また、フィードモーターのトルクを衝撃印加部材に伝達する衝撃用動力伝達部をさらに備え、衝撃印加部材は、衝撃用動力伝達部により伝達されたトルクによってテープに衝撃を与えるように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成は、フィードモーターのトルクを衝撃用動力伝達部により衝撃印加部材に伝達することで、テープのフィード方向への駆動と、衝撃印加部材によるテープへの衝撃の印加とを、同一のフィードモーターによって実行可能としている。したがって、テープの安定的な搬送と、テープへの部品の接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
本発明の第2態様に係る部品供給装置は、複数の収納部のそれぞれに部品を収納したキャリアテープと、キャリアテープに貼り付けられて収納部を覆うカバーテープとを有するテープを、テープに収納された部品を供給する部品供給箇所へ向かうフィード方向へ送るフィード機構と、キャリアテープから剥がされたカバーテープを回収するトルクを出力する回収モーターと、回収モーターのトルクをカバーテープに伝達することで、部品供給箇所よりもフィード方向の上流側で剥がされたカバーテープをテープ回収容器に回収する回収用動力伝達部と、部品供給箇所よりもフィード方向の上流側でテープに接触可能な衝撃印加部材とを備え、衝撃印加部材は、回収モーターのトルクによってテープに衝撃を与える。
このように構成された本発明の第2態様(部品供給装置)は、キャリアテープから剥がされたカバーテープの回収と、衝撃印加部材によるテープへの衝撃の印加とを、同一の回収モーターにより実行している。したがって、テープの安定的な搬送と、テープへの部品の接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
また、回収モーターのトルクを衝撃印加部材に伝達する衝撃用動力伝達部をさらに備え、衝撃印加部材は、衝撃用動力伝達部により伝達されたトルクによってテープに衝撃を与えるように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成は、回収モーターのトルクを衝撃用動力伝達部により衝撃印加部材に伝達することで、カバーテープの回収と、衝撃印加部材によるテープへの衝撃の印加とを、同一の回収モーターによって実行可能としている。したがって、テープの安定的な搬送と、テープへの部品の接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
また、回収用動力伝達部は、第1方向へ回転する回収モーターのトルクをカバーテープに伝達することでカバーテープを回収する一方、第1方向と逆の第2方向へ回転する回収モーターのトルクのカバーテープへの伝達を遮断し、衝撃用動力伝達部は、第1方向へ回転する回収モーターのトルクおよび第2方向へ回転する前収モーターのトルクの両方を衝撃印加部材に伝達するように、部品供給装置を構成しても良い。このような構成では、第1方向へ回収モーターを回転させることで、カバーテープの回収とテープへの衝撃の印加とを実行できる。また、第2方向へ回収モーターを回転させることで、カバーテープの回収を実行せずに、テープへの衝撃の印加のみを実行できる。したがって、カバーテープを回収しない期間においても、テープへ衝撃を与えて、テープへの部品の接着を解消することができる。
また、衝撃印加部材は、キャリアテープ側からテープに接触することでテープに衝撃を与えるように、部品供給装置を構成しても良い。これによって、キャリアテープへの部品の接着を効果的に解消できる。
また、部品供給箇所よりもフィード方向の上流側の開封箇所でカバーテープを開封する開封部材をさらに備え、衝撃印加部材は、開封箇所と部品供給箇所との間でテープに接触することでテープに衝撃を与えるように、部品供給装置を構成しても良い。これによって、部品が部品供給箇所に供給される直前にこの部品のテープへの接着を解消でき、部品供給箇所からの部品吸着の失敗を抑制することができる。なお、カバーテープの開封は、キャリアテープからカバーテープを剥がすことで行っても良いし、カバーテープを切り開くことで行っても良い。
また、衝撃印加部材は、カバーテープ側からテープに接触することでテープに衝撃を与えるように、部品供給装置を構成しても良い。これによって、カバーテープへの部品の接着を効果的に解消できる。
また、衝撃印加部材は、回転軸を中心に回転する回転部材を有し、回転部材がその周面でテープに接触しつつ衝撃用動力伝達部から伝達されたトルクによって回転することで、テープに衝撃を与えるように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成では、回転する回転部材によってテープに衝撃を与えて、テープへの部品の接着を解消することができる。
また、回転部材の周面には複数の突起が並び、回転部材は突起でテープに接触するように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成では、回転する回転部材に設けられた突起によってテープに衝撃を的確に与えて、テープへの部品の接着を効果的に解消することができる。
また、突起の先端は曲面形状を有し、回転部材は突起の先端でテープに接触するように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成では、回転部材の突起の接触による部品の損傷を抑制しつつテープに衝撃を与えて、テープへの部品の接着を効果的に解消することができる。
また、キャリアテープでは、複数の収納部が第1ピッチで並び、回転部材の周面では、複数の突起が第2ピッチで並び、テープが第1ピッチを移動するのに伴って、回転部材の周面は第2ピッチ以上移動するように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成では、部品供給箇所に部品を送る度にテープに衝撃を与えて、テープへの部品の接着を効果的に解消することができる。
また、衝撃印加部材は、テープに接触可能なハンマーと、ハンマーを支持する弾性部材とを有し、衝撃用動力伝達部は、ハンマーに対して間欠的にトルクを伝達し、ハンマーは、衝撃用動力伝達部により伝達されたトルクによって弾性部材の弾性力に抗して変位した後、衝撃用動力伝達部からのトルクの消失に伴って弾性部材の弾性力によって振動することで、テープに衝撃を与えるように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成では、弾性的に振動するハンマーによってテープに衝撃を与えて、テープへの部品の接着を解消することができる。
また、キャリアテープでは、複数の収納部が第1ピッチで並び、テープが第1ピッチを移動するのに伴って、衝撃用動力伝達部は、ハンマーに対して1回以上間欠的にトルクを伝達するように、部品供給装置を構成しても良い。かかる構成では、部品供給箇所に部品を送る度にテープに衝撃を与えて、テープへの部品の接着を効果的に解消することができる。
本発明に係る部品実装機は、上記の部品供給装置と、部品供給装置により供給される部品を基板に実装する実装ヘッドとを備える。したがって、テープの安定的な搬送と、テープへの部品の接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
本発明によれば、テープの安定的な搬送と、テープへの部品の接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
図1は本発明に係る部品実装機を模式的に示す部分平面図である。図1では、Z方向を鉛直方向とするXYZ直交座標を示す。図1に示すように、部品実装機1は、基台11の上に設けられた一対のコンベア12、12を備える。そして、部品実装機1は、コンベア12によりX方向(基板搬送方向)の上流側から実装処理位置(図1の基板Bの位置)に搬入した基板Bに対して部品Cを実装し、部品実装を完了した基板Bをコンベア12により実装処理位置からX方向の下流側へ搬出する。
部品実装機1では、Y方向に延びる一対のY軸レール21、21と、Y方向に延びるY軸ボールネジ22と、Y軸ボールネジ22を回転駆動するY軸モーターMyとが設けられ、X軸レール23が一対のY軸レール21、21によりY方向に移動可能に支持された状態でY軸ボールネジ22のナットに固定されている。X軸レール23には、X方向に延びるX軸ボールネジ24と、X軸ボールネジ24を回転駆動するX軸モーターMxとが取り付けられており、ヘッドユニット20がX軸レール23にX方向に移動可能に支持された状態でX軸ボールネジ24のナットに固定されている。したがって、Y軸モーターMyによりY軸ボールネジ22を回転させてヘッドユニット20をY方向に移動させ、あるいはX軸モーターMxによりX軸ボールネジ24を回転させてヘッドユニット20をX方向に移動させることができる。
一対のコンベア12、12のY方向の両側それぞれでは、2つの部品供給部3がX方向に並んでいる。各部品供給部3に対しては、複数のテープフィーダー4がX方向に並んで着脱可能に装着されている。テープフィーダー4はY方向に延設されており、Y方向におけるヘッドユニット20側の先端部の部品供給箇所Lsに、集積回路、トランジスター、コンデンサ等の小片状の部品Cを供給する。なお、テープフィーダー4の詳細については、後に説明する。
ヘッドユニット20は、いわゆるロータリー型の実装ヘッド5を有する。つまり、実装ヘッド5には、回転軸A5を中心に円周状に等角度間隔で配列された複数(8個)のノズル51が着脱可能に取り付けられており、複数のノズル51は、回転軸A5を中心に回転可能である。そして、実装ヘッド5はノズル51を昇降させて、部品Cの吸着・実装を行う。具体的には、ヘッドユニット20は、部品供給箇所Lsに供給された部品Cに実装ヘッド5のノズル51を上方から対向させる。続いて、実装ヘッド5は、ノズル51を下降させてノズル51の下端面を部品Cの上面に接触させると、ノズル51により部品Cを吸着しつつノズル51を上昇させて、部品Cを保持(ピックアップ)する。さらに、実装ヘッド5は部品Cを保持しつつ基板Bの上方へ移動する。そして、実装ヘッド5は、ノズル51を下降させて部品Cを基板Bに接触させると、ノズル51による吸着を解除して、部品Cを基板Bに実装する。
図2はテープフィーダーに装填されるテープの一例を模式的に示す斜視図である。テープ6は、キャリアテープ61とカバーテープ62とを有する。キャリアテープ61には、複数のポケット611が所定のポケットピッチP1で一列に並び、各ポケット611に部品Cが収納されている。また、キャリアテープ61の周縁に沿って、複数の係合孔612が等ピッチで一列に並ぶ。カバーテープ62はキャリアテープ61に貼り付けられて、各ポケット611に収納された部品Cを覆う。
図3は図1の部品実装機が備えるテープフィーダーの一例の内部を模式的に示す図であり、図4は図3のテープフィーダーの外観を部分的に示す斜視図である。テープフィーダー4はフィーダーケース41を備え、フィーダーケース41の後端部には、テープ6が挿入されるテープ挿入箇所Liが設けられ、フィーダーケース41の先端部に部品供給箇所Lsが設けられている。また、フィーダーケース41内には、テープ挿入箇所Liから部品供給箇所Lsに至るテープ供給経路411が形成されており、テープフィーダー4は、テープ供給経路411に沿ってテープ6を送る。これによって、テープ挿入箇所Liから部品供給箇所Lsへ向かうフィード方向Dfにテープ6が送られて、テープ6に収納された複数の部品Cが順に部品供給箇所Lsに供給される。
テープフィーダー4は、フィーダーケース41の先端部に収納されたテープフィード機構43を備える。テープフィード機構43は、テープ6を駆動するためのトルクを出力するフィードモーターMfと、部品供給箇所Lsに下方から対向するスプロケット431と、フィードモーターMfのトルクをスプロケット431に伝達するギア列432とを有する。つまり、フィードモーターMfが出力するトルクは、ギア列432によってスプロケット431に伝達され、スプロケット431を回転させる。スプロケット431には、テープ挿入箇所Liからテープ供給経路411に沿って挿入されたテープ6の先端の係合孔612が係合しており、テープ6はスプロケット431の回転に伴ってフィード方向Dfに送られる。具体的には、フィードモーターMfは、ポケットピッチP1ずつ間欠的にテープ6をフィード方向Dfに送ることで、部品供給箇所Lsに順に部品Cを供給する。
また、テープフィーダー4は、部品供給箇所Lsのフィード方向Dfの上流側の剥離箇所Laで、キャリアテープ61からカバーテープ62を剥がすテープ剥離部材44を備える。テープ剥離部材44は、キャリアテープ61から剥がされたカバーテープ62をフィード方向Dfの上流側へ折り返す折り返し部材441を有し、次に説明するテープ回収機構45がカバーテープ62を巻き取るトルクを利用して折り返し部材441によりカバーテープ62を剥がす。したがって、部品供給箇所Lsには、カバーテープ62が剥がされて露出したポケット611内の部品Cが供給される。
さらに、テープフィーダー4は、剥がされたカバーテープ62を回収するテープ回収機構45を備える。このテープ回収機構45は、フィーダーケース41に内蔵されたテープ回収室451と、テープ回収室451の入口に設けられたピンチローラー452とを有する。さらに、テープ回収機構45は、キャリアテープ61を回収するトルクを出力する回収モーターMcと、ピンチローラー452との間にカバーテープ62を挟み込む駆動ローラー453と、回収モーターMcのトルクを駆動ローラー453に伝達するギア列454とをフィーダーケース41内に備える。したがって、回収モーターMcが出力するトルクは、ギア列454によって駆動ローラー453に伝達され、駆動ローラー453を回転させる。また、駆動ローラー453は、ピンチローラー452との間にカバーテープ62を挟み込んでいる。そのため、駆動ローラー453の回転に従動してピンチローラー452が回転し、駆動ローラー453およびピンチローラー452によってカバーテープ62がテープ回収室451に回収される。こうして、テープ回収室451にカバーテープ62が回収される。
ちなみに、ギア列454を構成する複数のギアのうちの一つには、ワンウェイクラッチが取り付けられており、ギア列454はこのワンウェイクラッチの機能によって、回収モーターMcの一方向Raへの回転のみを駆動ローラー453に伝達する。つまり、ギア列454は、一方向Raへの回収モーターMcの回転を駆動ローラー453に伝達して、テープ6を巻き取る方向に駆動ローラー453を回転させる一方、一方向Raと逆の他方向Rbへの回収モーターMcの回転の駆動ローラー453への伝達を遮断する。
ところで、図2に示したようなテープ6では、部品Cがテープ6に接着してしまう場合がある。具体的には、キャリアテープ61のポケット611の隅に部品Cが引っ掛かったり、カバーテープ62に部品Cが貼り付いたりすることで、テープ6への部品Cの接着が生じうる。これに対して、テープフィーダー4は、テープ6への部品Cの接着を解消するために、上流側衝撃印加機構46と、上流側衝撃印加機構46のフィード方向Dfの下流側の下流側衝撃印加機構47を備える。続いては、これらの衝撃印加機構46、47について順に説明する。
図5は上流側衝撃印加機構の一例を模式的に示す図である。上流側衝撃印加機構46は、部品供給箇所Lsよりフィード方向Dfの上流側でテープ6のカバーテープ62に上方から接触する衝撃印加ローラー461と、回収モーターMcのトルクを衝撃印加ローラー461に伝達するギア列462とを有する。このギア列462は複数のギア、具体的には、5個のギア462a、462b、462c、462d、462eを有する。衝撃印加ローラー461の周面461aには、複数の突起461bが所定の突起ピッチP2で周方向に並ぶ。したがって、回収モーターMcの回転に伴って衝撃印加ローラー461が回転軸A461を中心に回転すると、複数の突起461bの先端が順にテープ6を押圧して、テープ6には間欠的に衝撃が与えられる。なお、突起461bの先端は面取りされて、曲面形状を有する。
つまり、図5において斜線が施された突起461bに注目すると、「第1状態」では印加箇所Lpの回転方向Rcの上流側に位置した突起461bが、「第2状態」では衝撃印加ローラー461の回転方向Rcへの回転に伴って印加箇所Lpに到達して、その先端でテープ6を押圧する。こうして、印加箇所Lpの突起461bによってテープ6に衝撃が与えられ、テープ6への部品Cの接着の解消が図られる。さらに、「第3状態」では、衝撃印加ローラー461の回転方向Rcへの回転に伴って、突起461bは印加箇所Lpの回転方向Rcの下流側へ移動する。
この際、フィードモーターMfがテープ6をポケットピッチP1だけ移動させる間に、回収モーターMcは、衝撃印加ローラー461の周面461aを突起ピッチP2以上移動させる。これによって、部品供給箇所Lsに間欠的に部品Cが供給される度に、1回以上の衝撃がテープ6に与えられる。
ちなみに、ギア列462は、一方向Raへ回転する回収モーターMcのトルクおよび他方向Rbへ回転する回収モーターMcのトルクの両方を衝撃印加ローラー461に伝達する。したがって、回収モーターMcは、一方向Raへ回転することでテープ6を巻き取りつつテープ6に衝撃を印加できるとともに、他方向Rbへ回転することでテープ6の巻き取りを停止しつつテープ6に衝撃を印加できる。
図6は下流側衝撃印加機構の一例を模式的に示す図である。下流側衝撃印加機構47は、部品供給箇所Lsよりフィード方向Dfの上流側でテープ6のキャリアテープ61に下方から接触するハンマー471と、ハンマー471を支持する弾性部材472(例えば板バネ等のバネ)とを有する。さらに、下流側衝撃印加機構47は、ハンマー駆動ローラー473およびギア列474を有し、これらによってフィードモーターMfのトルクをハンマー471に伝達する。このギア列474は、複数のギア、具体的には、5個のギア474a、474b、474c、474d、474eを有する。
具体的には、ハンマー駆動ローラー473の周面には、複数の突起473bが周方向に等ピッチで並び、ギア列474がフィードモーターMfのトルクをハンマー駆動ローラー473に伝達して、ハンマー駆動ローラー473を回転させる。このハンマー駆動ローラー473の回転に伴って、複数の突起473bが順にハンマー471を弾性振動させ、ハンマー471による振動衝撃がテープ6に間欠的に与えられる。
つまり、図6において斜線が施された突起473bに注目すると「第1状態」ではハンマー471の回転方向Rdの上流側に位置した突起473bが、「第2状態」ではハンマー駆動ローラー473の回転方向Rdへの回転に伴ってハンマー471に接触し、弾性部材472の弾性力に抗してハンマー471をテープ6側へ変位させる。さらに、「第3状態」では、ハンマー駆動ローラー473の回転方向Rcへの回転に伴って、突起473bがハンマー471の回転方向Rdの下流側へ移動する。これによって、突起473bからハンマー471へ伝達されるトルクが消失し、矢印に示すように、ハンマー471が弾性部材472の弾性力によって振動する。こうして、振動するハンマー471によってテープ6に衝撃が与えられ、テープ6への部品Cの接着の解消が図られる。
こうして、ハンマー駆動ローラー473は、複数の突起473bを順にハンマー471に接触させることで、ハンマー471に対して間欠的にトルクを伝達する。これによって、ハンマー471は、間欠的に振動を繰り返して、テープ6に衝撃を与える。この際、フィードモーターMfがテープ6をポケットピッチP1だけ移動させる間に、ハンマー駆動ローラー473は、ハンマー471に対して1回以上トルクを伝達して、ハンマー471を振動させる。これによって、部品供給箇所Lsに間欠的に部品Cが供給される度に、1回以上の衝撃がテープ6に与えられる。
以上に説明した本実施形態では、テープ6のフィード方向Dfへの駆動と、ハンマー471によるテープ6への衝撃の印加とを同一のフィードモーターMfによって実行している。したがって、テープ6の安定的な搬送と、テープ6への部品Cの接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
また、フィードモーターMfのトルクをハンマー471に伝達するハンマー駆動ローラー473およびギア列474が具備されており、ハンマー471は、これらにより伝達されたトルクによってテープ6に衝撃を与える。これによって、テープ6のフィード方向Dfへの駆動と、ハンマー471によるテープ6への衝撃の印加とを、同一のフィードモーターMfによって実行可能としている。したがって、テープ6の安定的な搬送と、テープ6への部品Cの接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
この際、ハンマー471は、キャリアテープ61側からテープ6に接触することでテープ6に衝撃を与える。これによって、キャリアテープ61への部品Cの接着を効果的に解消できる。
さらに、キャリアテープ61から剥がされたカバーテープ62の回収と、衝撃印加ローラー461によるテープ6への衝撃の印加とを、同一の回収モーターMcにより実行している。したがって、テープ6の安定的な搬送と、テープ6への部品Cの接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
また、回収モーターMcのトルクを衝撃印加ローラー461に伝達するギア列462をさらに備え、衝撃印加ローラー461は、ギア列462により伝達されたトルクによってテープ6に衝撃を与える。これによって、カバーテープ62の回収と、衝撃印加ローラー461によるテープ6への衝撃の印加とを、同一の回収モーターMcによって実行可能としている。したがって、テープ6の安定的な搬送と、テープ6への部品Cの接着の解消とが、駆動源の増加を伴わずに可能となっている。
この際、衝撃印加ローラー461は、カバーテープ62側からテープ6に接触することでテープ6に衝撃を与える。これによって、カバーテープ62への部品Cの接着を効果的に解消できる。
また、ギア列454および駆動ローラー453は、一方向Raへ回転する回収モーターMcのトルクをカバーテープ62に伝達することでカバーテープ62を回収する一方、他方向Rbへ回転する回収モーターMcのトルクのカバーテープ62への伝達を遮断する。これに対して、ギア列462は、一方向Raへ回転する回収モーターMcのトルクおよび他方向Rbへ回転する回収モーターMcのトルクの両方を衝撃印加ローラー461に伝達する。このような構成では、一方向Raへ回収モーターMcを回転させることで、カバーテープ62の回収とテープ6への衝撃の印加とを実行できる。また、他方向Rbへ回収モーターMcを回転させることで、カバーテープ62の回収を実行せずに、テープ6への衝撃の印加のみを実行できる。したがって、カバーテープ62を回収しない期間においても、テープ6へ衝撃を与えて、テープ6への部品Cの接着を解消することができる。
また、上流側衝撃印加機構46は、回転軸A461を中心に回転する衝撃印加ローラー461を有し、衝撃印加ローラー461がその周面461aでテープ6に接触しつつギア列462から伝達されたトルクによって回転することで、テープ6に衝撃を与える。かかる構成では、回転する衝撃印加ローラー461によってテープ6に衝撃を与えて、テープ6への部品Cの接着を解消することができる。
また、衝撃印加ローラー461の周面461aには複数の突起461bが並び、衝撃印加ローラー461は突起461bでテープ6に接触する。かかる構成では、回転する衝撃印加ローラー461に設けられた突起461bによってテープ6に衝撃を的確に与えて、テープ6への部品Cの接着を効果的に解消することができる。
また、衝撃印加ローラー461の突起461bの先端は曲面形状を有し、衝撃印加ローラー461は突起461bの先端でテープ6テープに接触する。かかる構成では、衝撃印加ローラー461の突起461bがカバーテープ62に接触してカバーテープ62が傷むことを抑制でき、突起461bの接触による部品Cの損傷を抑制しつつテープ6に衝撃を与えて、テープ6への部品Cの接着を効果的に解消することができる。
また、テープ6では、複数のポケット611がポケットピッチP1で並ぶ。これに対して、衝撃印加ローラー461の周面461aでは、複数の突起461bが突起ピッチP2で並ぶ。そして、テープ6がポケットピッチP1を移動するのに伴って、衝撃印加ローラー461の周面461aは突起ピッチP2以上移動する。かかる構成では、部品供給箇所Lsに部品Cを送る度にテープ6に衝撃を与えて、テープ6への部品Cの接着を効果的に解消することができる。
また、下流側衝撃印加機構47では、テープ6に接触可能なハンマー471と、ハンマー471を支持する弾性部材472とが設けられ、ハンマー駆動ローラー473およびギア列474がハンマー471に対して間欠的にトルクを伝達する。そして、ハンマー471は、ハンマー駆動ローラー473からのトルクによって弾性部材472の弾性力に抗して変位した後、ハンマー駆動ローラー473からのトルクの消失に伴って弾性部材472の弾性力によって振動することで、テープ6に衝撃を与える。かかる構成では、弾性的に振動するハンマー471によってテープ6に衝撃を与えて、テープ6への部品Cの接着を解消することができる。
また、ハンマー駆動ローラー473は、テープ6がポケットピッチP1を移動するのに伴って、ハンマー471に対して1回以上間欠的にトルクを伝達する。したがって、部品供給箇所Lsに部品Cを送る度にテープ6に衝撃を与えて、テープ6への部品Cの接着を効果的に解消することができる。
このように本実施形態では、部品実装機1が本発明の「部品実装機」の一例に相当し、テープフィーダー4が本発明の「部品供給装置」の一例に相当する。
フィードモーターMfが本発明の第1態様の「フィードモーター」の一例に相当し、スプロケット431およびギア列432が協働して本発明の第1態様の「フィード用動力伝達部」の一例として機能し、ハンマー471および弾性部材472が協働して本発明の第1態様の「衝撃印加部材」の一例として機能し、ハンマー駆動ローラー473およびギア列474が協働して本発明の第1態様の「衝撃用動力伝達部」の一例として機能する。
テープフィード機構43が本発明の第2態様の「フィード機構」の一例に相当し、回収モーターMcが本発明の第2態様の「回収モーター」の一例に相当し、テープ回収室451が本発明の第2態様の「テープ回収容器」の一例に相当し、駆動ローラー453およびギア列454が協働して本発明の第2態様の「回収用動力伝達部」の一例として機能し、衝撃印加ローラー461が本発明の第2態様の「衝撃印加部材」の一例に相当し、ギア列462が本発明の第2態様の「衝撃用動力伝達部」の一例に相当する。
部品供給箇所Lsが本発明の「部品供給箇所」の一例に相当し、フィード方向Dfが本発明の「フィード方向」の一例に相当し、一方向Raが本発明の「第1方向」の一例に相当し、他方向Rbが本発明の「第2方向」の一例に相当し、衝撃印加ローラー461が本発明の「回転部材」の一例に相当し、突起461bが本発明の「突起」の一例に相当し、ポケットピッチP1が本発明の「第1ピッチ」の一例に相当し、突起ピッチP2が本発明の「第2ピッチ」の一例に相当し、ハンマー471が本発明の「ハンマー」の一例に相当し、弾性部材472が本発明の「弾性部材」の一例に相当する。また、テープ6が本発明の「テープ」の一例に相当し、キャリアテープ61が本発明の「キャリアテープ」の一例に相当し、ポケット611が本発明の「収納部」の一例に相当し、カバーテープ62が本発明の「カバーテープ」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、2個の衝撃印加機構46、47それぞれに関する構成を適宜変形しても良い。
具体的には、上流側衝撃印加機構46において、衝撃印加ローラー461に代えてハンマー471を設けて、このハンマー471によってテープ6に衝撃を与えても良い。また、テープ6のカバーテープ62側ではなく、キャリアテープ61側に衝撃を与えるように、上流側衝撃印加機構46を構成しても良い。
また、下流側衝撃印加機構47において、ハンマー471に代えて衝撃印加ローラー461を設けて、この衝撃印加ローラー461によってテープ6に衝撃を与えても良い。また、テープ6のキャリアテープ61側ではなく、カバーテープ62側に衝撃を与えるように、下流側衝撃印加機構47を構成しても良い。
さらに、2個の衝撃印加機構46、47を設ける必要も無い。つまり、上流側衝撃印加機構46および下流側衝撃印加機構47のいずれか一方のみを設けるようにテープフィーダー4を構成しても良い。
また、テープ6に衝撃を与える具体的構成は、図5および図6に示した例に限られない。
また、テープ6に衝撃を与える位置も適宜変更が可能である。例えば、テープ剥離部材44(開封部材)の剥離箇所La(開封箇所)と部品供給箇所Lsとの間でテープ6に衝撃を与えても良い。これによって、部品Cが部品供給箇所Lsに供給される直前にこの部品Cのテープ6への接着を解消でき、部品供給箇所Lsからの部品吸着の失敗を抑制することができる。
また、テープフィーダー4におけるカバーテープ62の開封は、上述のようにカバーテープ62をキャリアテープ61から剥がして部品Cを露出させることで行っても良いし、カバーテープ62をカッター(開封部材)により切り開いて部品Cを露出させることで行っても良い。後者の場合には、フィードモーターMfのトルクを用いてテープ6に衝撃を与えるように構成すれば良い。
さらに、カバーテープ62を切り開く箇所(開封箇所)と部品供給箇所Lsとの間でキャリアテープ61に衝撃を与えても良い。これによって、部品Cが部品供給箇所Lsに供給される直前にこの部品Cのテープ6への接着を解消でき、部品供給箇所Lsからの部品吸着の失敗を抑制することができる。
また、テープフィーダー4は、特開2017−017362号公報に記載のような、テープ挿入箇所Liに挿入されたテープ6を自動的にローディングするものであっても良い。かかるローディング機能を有するテープフィーダー4においては、ローディングのためにテープ6を駆動するモーター(ローディングモーター)が出力するトルクによって、テープ6に衝撃を与えても良い。この場合、テープ挿入箇所Liに挿入されたテープ6をフィード方向Dfに駆動するローディングモーターが本発明の第1態様の「フィードモーター」の一例に相当する。