JP6778500B2 - 耐食性に優れたステンレス鋼加工品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)研磨目をステンレス鋼加工品の表面に有し、着色を有する酸化皮膜が該表面上に存在せず、該表面上における表面欠陥が抑制された、孔食電位が0.4V以上である、耐食性に優れたステンレス鋼加工品。
ただし、PIは以下の式(1)で与えられる。
PI=Cr+3Mo 式(1)
本発明のステンレス加工品は、研磨目をステンレス加工品の表面に有し、着色を有する酸化皮膜が該表面上に存在せず、該表面上における表面欠陥が抑制されている、孔食電位が0.4V以上の耐食性に優れたステンレス鋼加工品である。
ステンレス鋼加工品の表面研磨は、ステンレス鋼加工品の成形前の段階の例えばステンレス鋼板について表面研磨を行い、研磨後のステンレス鋼板を用いてステンレス鋼加工品としたものでもよい。また、ステンレス鋼加工品を構成した後に表面研磨を行ってもよい。
PI=Cr+3Mo 式(1)
本発明のステンレス鋼加工品の製造方法は、研磨後のステンレス鋼加工品表面を、酸性溶液に浸漬させる工程を有し、該酸性溶液はフッ化水素酸を3〜12質量%、硝酸を3〜12質量%含有する製造方法である。酸性溶液は、酸化性の酸である硝酸と還元性の酸であるフッ化水素酸とを含むことにより強い溶解力を持つ混酸である。また、本発明のステンレス鋼加工品の製造方法においては、ステンレス鋼加工品の成形前に、ステンレス鋼加工品を構成する研磨後のステンレス鋼板の表面を、酸性溶液に浸漬させる工程を有し、酸洗処理後のステンレス鋼板を用いてステンレス鋼加工品を成形してもよい。
鋼種2(SUS304) Cr:18%、Ni:8%、Si:0.6%、Mn:0.8%、残部Fe
寸法:板厚1.5mm×幅200mm×長さ1000mm。
ライン速度:1.8m/min
ホイール回転数:1500rpm
ホイール直径:400mm
光学顕微鏡を用いて、実施例1〜6及び比較例1〜6のステンレス鋼板表面を200倍に拡大し、100μm×100μm(0.01mm2)の範囲を観察した。5μm以上の金属素地の被さりを有する表面欠陥が5個以内の場合には表面欠陥が抑制された状態として「○」と評価し、5個より多い場合には表面欠陥が抑制されていない状態として「×」と評価した(表1参照)。
実施例1〜6及び比較例1〜6のステンレス鋼板の表面を光学顕微鏡で400倍の倍率で観察し、茶褐色のシミ状物質である酸化皮膜が50μm四方において面積比率でどの程度存在しているかを算出した。残存酸化皮膜の面積比率5%未満である場合は、着色を有する酸化皮膜が存在しないとして「○」と評価し、面積比率5%以上の場合は着色を有する酸化皮膜が存在するとして「×」と評価した(表1参照)。
実施例1〜6及び比較例1〜6のステンレス鋼板の孔食電位を測定した。具体的には、JIS G 0577に準拠して行い、B法(3.5%(質量分率)塩化ナトリウム水溶液試験方法)を用い、3.5質量%塩化ナトリウム水溶液中における動電位法を用いた。該塩化ナトリウム水溶液のpHは7とし、温度は30℃とした。また、電位掃引速度は20mV/分とした。孔食電位が0.4V以上0.6V未満の場合は耐食性に優れるとして「○」とし、0.6V以上の場合は耐食性に特に優れるとして「◎」とし、0.4V未満の場合は「×」と評価した(表1参照)。
研磨目残りを評価するために、実施例1〜6及び比較例1〜6のステンレス鋼板の表面粗度Raを測定し、Ra≧0.10μmの場合に「○」と評価した。一方、Ra<0.10μmの場合に「×」と評価した。表面粗度Raは、JIS B 0601に準拠し測定し、接触式の表面粗度計を用いた(表1参照)。
JIS Z 8741に準拠して、実施例1〜6及び比較例1〜6のステンレス鋼板表面の60度光沢度を、光沢計を用いた測定した(表1参照)。
実施例1〜6及び比較例1〜6のステンレス鋼板について、以下の条件で耐食性試験(塩乾湿複合サイクル試験(CCT試験))を行った。
条件:(1)塩水噴霧(35℃、5%NaCl、15分)
(2)乾燥 (60℃、30%RH、60分)
(3)湿潤 (50℃、95%RH、3時間)
(1)〜(3)を1サイクルとして、30サイクル繰り返した。
評価:試験後の発銹面積が、鋼板表面全体の5%以内のときに耐食性が良好として「○」と評価し、5%より大きい場合は耐食性が不良として「×」と評価した(表1参照)。
A、B・・・電流密度の変化領域
Claims (6)
- 研磨目をステンレス鋼加工品の表面に有し、
前記表面の任意の10点を光学顕微鏡で400倍の倍率で観察したときに、着色を有する酸化皮膜の面積比率が50μm四方において5%未満であり、
光学顕微鏡を用いて、前記表面の任意の10点における100μm×100μmの範囲を200倍に拡大し観察したときに、前記表面上における5μm以上の金属素地の被さりを含む表面欠陥の平均個数が0.01mm2当たり5個以内であり、
60度光沢度が75以下であり、
孔食電位が0.4V以上、0.7V以下であり、
前記ステンレス鋼加工品がフェライト系ステンレス鋼加工品である、耐食性に優れたステンレス鋼加工品。 - 前記研磨目が長手一方向の研磨目を含む、請求項1記載のステンレス鋼加工品。
- 前記ステンレス鋼加工品がフェライト系ステンレス鋼板から構成され、前記フェライト系ステンレス鋼板の耐孔食指数(PI)が20以上である、請求項1又は2に記載のステンレス鋼加工品。
ただし、PIは以下の式(1)で与えられる。
PI=Cr+3Mo 式(1) - 前記ステンレス鋼加工品がフランジ材とウェブ材とを備える形鋼であり、前記フランジ材と前記ウェブ材との接合部が溶接継手である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステンレス鋼加工品。
- 研磨後のステンレス鋼加工品の表面を、酸性溶液に浸漬させる工程を有し、
前記酸性溶液はフッ化水素酸を3〜12質量%及び硝酸を3〜12質量%含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のステンレス鋼加工品の製造方法。 - 前記ステンレス鋼加工品の成形前に、前記ステンレス鋼加工品を構成する研磨後のステンレス鋼板の表面を、酸性溶液に浸漬させる工程を有し、
前記酸性溶液はフッ化水素酸を3〜12質量%及び硝酸を3〜12質量%含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のステンレス鋼加工品の製造方法。
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