JP6778327B2 - シアノノルボルネンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルとを用いたシアノノルボルネンの製造方法に関する。
ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルを用いたシアノノルボルネンの製造方法は、例えば、特許文献1、2に記載されている。
特許文献1、2には、シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンと、アクリロニトリルとを連続的に反応させてシアノノルボルネンを製造するに際し、反応生成物に含まれる未反応原料であるアクリロニトリルとシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンを回収し、これらを原料として再利用する方法が開示されている。特許文献1、2の実施例等には、反応系にメチルビシクロノナジエンが含まれることが記載されている。
特許文献3には、テトラヒドロインデンは、ディールス−アルダー反応における反応性が低く、さらに分解温度が高いことから、循環再利用する原料化合物に混入して系内に蓄積することが記載されている。さらに、テトラヒドロインデンは反応に影響を及ぼすことから、当該化合物を低減する方法が開示されている。
特許文献4には、シアノノルボルネンを用いたアミン化合物の製造方法や、当該アミン化合物を用いたイソシアネート化合物の製造方法が開示されている。
特開2002−348271号公報 特開2002−348272号公報 特開2002−069008号公報 国際公開第2014/073664号
上記文献に記載の技術は以下の点で改善の余地があった。
特許文献1,2の技術において、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルとの反応工程と、未反応原料を回収する工程と、これらを原料として再利用する工程とを連続的に繰り返し実施すると、反応溶液の温度が低下し、反応を継続するために当該反応溶液の過剰な加温が必要となる場合があった。そのため、生産工程が煩雑となり、さらに生産コストが増大する場合があった。さらに、シアノノルボルネンの収率にも改善の余地もあった。
本発明者らは、ディールス−アルダー反応においてジシクロペンタジエンよりも発熱量の低いメチルビシクロノナジエンに着目した。当該化合物は、原料化合物を再利用する場合に、原料化合物に混入して系内に蓄積し、ディールス−アルダー反応に必要な発熱量を確保できないため、反応速度または収率を維持するためには過剰な加温が必要となり、反応系から可能な限り除去することが好ましいと考えられる。しかしながら、大部分のメチルビシクロノナジエンを反応系から除くためには、原料化合物の精製工程が煩雑となり、多くの精製時間が必要となる。そのため、反応系内に含まれるメチルビシクロノナジエンの許容量を見出すことができれば、シアノノルボルネンの製造におけるメリットが極めて大きい。一方、驚くべきことに高収率でディールス−アルダー反応を進行させるためには、一定量以上のメチルビシクロノナジエンを含有させる必要があることを見出した。
本発明者らは鋭意検討した結果、反応系に存在する不純物であるメチルビシクロノナジエンの量が所定の範囲であれば、これらの点を何れも解決することを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示すことができる。
[1] 容器内で、ジシクロペンタジエンと、アクリロニトリルと、メチルビシクロノナジエンとの合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下含む混合液を調製する工程1と、
前記混合液において、前記メチルビシクロノナジエンの存在下に、前記ジシクロペンタジエンと前記アクリロニトリルとを反応させる工程2と、
を含む、シアノノルボルネンの製造方法。
[2] 工程2の後に、
工程2において得られた反応生成物から、シアノノルボルネンを得るとともに、前記メチルビシクロノナジエンおよび未反応原料を回収する工程3と、
回収された前記メチルビシクロノナジエンおよび前記未反応原料を、工程1における容器内に供給して再利用する工程4と、
をさらに含み、
工程1〜工程4を連続的に繰り返し行う、[1]に記載のシアノノルボルネンの製造方法。
[3] 工程2において得られた反応生成物は、シアノノルボルネンと、メチルビシクロノナジエンと、未反応原料との合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下含む、[1]または[2]に記載のシアノノルボルネンの製造方法。
[4] 前記工程2における反応温度が160℃以上220℃以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のシアノノルボルネンの製造方法。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法でシアノノルボルネンを調製する工程と、
前記シアノノルボルネンを一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応させる工程と、
前記ヒドロホルミル化工程で得られたアルデヒド化合物をアンモニアと反応させてイミノ化するとともに、触媒の存在下で水素と反応させる工程と、
を含む、アミン化合物の製造方法。
[6] [5]に記載の製造方法でアミン化合物を調製する工程と、
前記アミン化合物をカルボニル化剤と反応させる工程とを含む、イソシアネート化合物の製造方法。
本発明のシアノノルボルネンの製造方法によれば、反応溶液の温度低下が抑制されるため、反応を継続するために当該反応溶液の過剰な加温を行う必要がなく、生産工程が簡便となり、さらに生産コストを抑制することができる。さらに、シアノノルボルネンの収率にも優れる。すなわち、本発明は、シアノノルボルネンの生産工程の簡略化や生産コストの抑制と、シアノノルボルネンの収率向上とのバランスに優れる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
第2実施形態における、シアノノルボルネンの製造フロー図である。
[シアノノルボルネンの製造方法]
以下、本発明のシアノノルボルネンの製造方法を第1、第2実施形態により説明する。
<第1実施形態>
本実施形態のシアノノルボルネンの製造方法は、以下の工程を含む。
工程1:容器内で、ジシクロペンタジエンと、アクリロニトリルと、メチルビシクロノナジエンとの合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下含む混合液を調製する。
工程2:前記混合液において、前記メチルビシクロノナジエンの存在下に、前記ジシクロペンタジエンと前記アクリロニトリルとを反応させ、シアノノルボルネンを合成する。
(工程1)
原料として使用するジシクロペンタジエンは、常温、常圧の条件下でシクロペンタジエンが2量化したものであり、このジシクロペンタジエンは反応条件下で分解してシクロペンタジエンを生成するため、通常、反応にはジシクロペンタジエンが用いられる。本実施形態においては、ジシクロペンタジエンを用いることが好ましく、ジシクロペンタジエンを用いた例により説明する。本実施形態において、原料として使用するジシクロペンタジエンは、ナフサ等の熱分解油から回収されたものであり、工業的に大量に得られる。ジシクロペンタジエンは不純物としてメチルビシクロノナジエンを含む。
メチルビシクロノナジエンの含有量の上限値は、混合液において、ジシクロペンタジエン、アクリロニトリルおよびメチルビシクロノナジエンの合計量100重量%に対し、0.5重量%以上28重量%以下、好ましくは0.5重量%以上25重量%以下、より好ましくは0.5重量%以上21重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上10重量%以下、もっとも好ましくは0.5重量%以上5重量%以下の量となるように含まれる。
上記範囲であれば、工程2の反応において、反応溶液の温度低下が抑制されているため、反応を継続するために当該反応溶液の過剰な加温を行う必要がなく、生産工程が簡便となり、さらに生産コストを抑制することができる。さらに、シアノノルボルネンの収率に優れる。
混合液に含まれるメチルビシクロノナジエンは、ジシクロペンタジエンに含まれる不純物由来の化合物(1)である。なお、工程2の後に回収される、メチルビシクロノナジエン(2)を含む未反応原料を工程1で用いる場合には、メチルビシクロノナジエンの量は化合物(1)および化合物(2)の合計量である。
原料として使用するアクリロニトリルは、例えばプロピレンのアンモオキシデーション等で工業的に大量に製造されているものを使用することができる。
本実施形態においては、容器内で、ジシクロペンタジエン、アクリロニトリル、およびメチルビシクロノナジエンを含む混合液を調製する。混合方法は、従来公知の方法を採用することができる。
(工程2)
工程1で得られた、メチルビシクロノナジエンを上記範囲で含む混合液において、メチルビシクロノナジエンの存在下に、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルとを反応させ、下記化学式(1)で表されるシアノノルボルネンを合成する。なお、化学式(1)で表される化合物は、エンド体またはエキソ体の何れかであってもよく、これらを任意の割合で含む混合物であってもよい。
Figure 0006778327
本工程は、反応温度は160℃以上220℃以下の範囲で可能であるが、好ましくは 180℃以上210℃以下の範囲である。ジシクロペンタジエンのシクロペンタジエンへの熱分解温度が160℃であるため、170℃未満では反応が遅く実用的ではない。反応圧力は、0.6MPa・G以上3MPa・G以下の範囲で可能であり、好ましくは0.6MPa・G以上1.5MPa・G以下の範囲であり、さらに好ましくは0.6MPa・G以上0.9MPa・G以下の範囲である。
滞留時間は、反応温度により異なるので一概には言えないが、収率と生産性を考慮すると、一般的には0.1時間以上10時間以下の範囲である。また、必要に応じ、滞留時間をこれより短くしたり、あるいは長くしたりすることは何ら差し支えない。
アクリロニトリルとジシクロペンタジエンとの反応は、理論的にはジシクロペンタジエンの1モルに対しアクリロニトリル2モルの反応であるが、混合原料は、通常はジシクロペンタジエンの1モルに対してアクリロニトリル2モル以上3モル以下の範囲とするのが好ましい。
なお、ジシクロペンタジエン中の不純物の一つであるイソプロペニルノルボルネンは熱反応で異性化してメチルビシクロノナジエンを生成することが知られている(Bulletin of The Chemical Society of Japan,Vol.49(7), 2017-2018(1976))。原料であるジシクロペンタジエン中のイソプロペニルノルボルネンの一部が異性化してメチルビシクロノナジエンが生成する。
そのため、工程2において得られた反応生成物は、シアノノルボルネンと、メチルビシクロノナジエンと、未反応原料との合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下、好ましくは0.5重量%以上25重量%以下、より好ましくは0.5重量%以上21重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上10重量%以下、もっとも好ましくは0.5重量%以上5重量%以下の量で含むように実施することができる。上記範囲であれば、反応過程でメチルビシクロノナジエンが蓄積しても、工程2の反応における反応溶液の温度低下がより抑制され、シアノノルボルネンの収率にもより優れる。
工程2の後に、目的物質であるシアノノルボルネンを分離回収する際に、メチルビシクロノナジエンおよび未反応原料(ジシクロペンタジエン、アクリロニトリル)を回収することができる。その回収されたメチルビシクロノナジエンおよび未反応原料は、工程1の原料として用いることができる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態のシアノノルボルネンの製造方法は、以下の工程を含み、工程1〜工程4を連続的に繰り返し行うものである。
工程1:容器(混合器16)内で、ジシクロペンタジエンと、アクリロニトリルと、メチルビシクロノナジエンとの合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下含む混合液を調製する。
工程2:反応器18内に供給された前記混合液において、前記メチルビシクロノナジエンの存在下に、前記ジシクロペンタジエンと前記アクリロニトリルとを反応させる。
工程3:工程2において得られた反応生成物から、シアノノルボルネンを得るとともに、前記メチルビシクロノナジエンおよび未反応原料を回収する。
工程4:回収された前記メチルビシクロノナジエンおよび前記未反応原料を、工程1における容器内に供給して再利用する。
本実施形態のシアノノルボルネンの製造方法を図1の製造フロー図10に基づいて説明する。なお、工程1,2における反応条件等は第1実施形態と同様であるので、適宜説明を省略する。本実施形態においては、原料としてジシクロペンタジエンを用いた例により説明する。
(工程1)
原料であるアクリロニトリルはタンク12からライン22により混合器16に連続的に供給される。ライン22にはジシクロペンタジエンがタンク14からライン24により合流し、後述する工程4により、回収されたメチルビシクロノナジエンおよび未反応原料を含む混合液がライン32により合流される。これにより、混合器16において、ジシクロペンタジエンと、アクリロニトリルと、メチルビシクロノナジエンとの混合液が調製される。
メチルビシクロノナジエンは、混合液において、ジシクロペンタジエンと、アクリロニトリルと、メチルビシクロノナジエンとの合計量100重量%に対し、0.5重量%以上28重量%以下、好ましくは0.5重量%以上25重量%以下、より好ましくは0.5重量%以上21重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上10重量%以下、もっとも好ましくは0.5重量%以上5重量%以下の量となるように含まれる。
上記範囲であれば、工程2の反応において、反応溶液の温度低下が抑制されているため、反応を継続するために当該反応溶液の加温を行う必要がなく、生産工程が簡便となり、さらに生産コストを抑制することができる。さらに、シアノノルボルネンの収率に優れる。
混合器16で得られた混合液は、ライン26により反応器18に連続的に供給される。
ライン26の混合液中には、反応器18での重合物の副生を抑制する目的で、重合物の生成を抑制する化合物が添加されることが好ましい。重合物の生成を抑制する化合物としては、従来知られている一般的なディールス−アルダー反応に用いられているものなど、広い範囲のものを使用することが可能である。これらの内でも、特に、N−ニトロソアミン化合物又はp−フェニレンジアミン化合物を用いることが極めて好ましい。これら化合物は一種でも、あるいは二種以上が用いられても何ら構わない。これら重合物の生成を抑制する化合物の使用量は、ライン26の混合原料の総量に対し、通常 0.003重量%以上1重量%以下の範囲である。
(工程2)
反応器18内に供給された混合液において、アクリロニトリルとジシクロペンタジエンを、メチルビシクロノナジエンの存在下に反応させ、化学式(1)で表されるシアノノルボルネンを合成する。反応は、第1実施形態の工程2と同様の条件で行うことができる。
反応器4としては、完全混合型の攪拌槽反応器やピストンフロー型のチューブラー反応器等を使用することができるが、反応器又は配管等における不溶性重合物の付着による閉塞トラブル等を回避し、長時間の連続反応を実施するためには攪拌槽反応器を使用することが好ましい。
工程2において得られた反応生成物は、シアノノルボルネンと、メチルビシクロノナジエンと、未反応原料との合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下、好ましくは0.5重量%以上25重量%以下、より好ましくは0.5重量%以上21重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上10重量%以下、もっとも好ましくは0.5重量%以上5重量%以下の量で含むように実施することができる。上記範囲であれば、反応過程でメチルビシクロノナジエンが蓄積しても、工程2の反応における反応溶液の温度低下がより抑制され、シアノノルボルネンの収率にもより優れる。
(工程3)
反応器18からライン28により連続的に抜き出された反応生成物は、フラッシュ器20に供給され、フラッシュ器20の塔頂部からは、ライン32により未反応の原料であるアクリロニトリルとジシクロペンタジエン、さらにメチルビシクロノナジエンを含む混合液が分離回収される。フラッシュ器20の塔底部からはライン30により、未反応の原料、反応で副生するメチルビシクロノナジエンおよび高沸物等を若干量含む高濃度のシアノノルボルネン溶液がライン30により、原料回収塔21に供給される。
フラッシュ器20における運転条件は、温度100℃以上180℃以下、常圧であることが好ましい。
原料回収塔21の塔頂部からは、未反応の原料であるアクリロニトリルとジシクロペンタジエン、メチルビシクロノナジエンおよび水を含む混合液が得られ、水を分液した上でライン32により分離回収される。原料回収塔21の塔底部からはライン31により、高沸物等を若干量含む高濃度のシアノノルボルネン溶液が得られる。
原料回収塔21における運転条件は、塔底部温度100℃以上150℃以下、塔底部圧力12kPa以上25kPa以下、 塔頂部温度50℃以上120℃以下、塔頂部圧力11kPa以上23kPa以下であることが好ましい。
ライン31から分離されたシアノノルボルネン溶液はそのままでも高濃度であるが、シアノノルボルネンの用途に応じて、更に精留等の任意の精製を行うことで純度を高めてもよい。
(工程4)
ライン32により、回収されたアクリロニトリルと、ジシクロペンタジエンと、メチルビシクロノナジエンとを含む混合液は、ライン22を介して混合容器16に供給されて反応に再利用される。
[アミン化合物の製造方法]
本発明のアミン化合物の製造方法を第I、第II実施形態により説明する。
<第I実施形態>
本実施形態のアミン化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程a1:上述の製造方法で得られたシアノノルボルネンを一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応させてアルデヒド化合物を合成する。
工程a2:工程aで得られたアルデヒド化合物をアンモニアと反応させてイミノ化するとともに、触媒の存在下で水素と反応させてアミン化合物を合成する。
(工程a1)
(アルデヒド化合物の製造方法)
本工程においては、シアノノルボルネンを、第8〜10族金属を含む金属化合物とリン化合物の存在下で、水素および一酸化炭素と反応させる。
第8〜10族金属を含む金属化合物としては、ロジウム化合物、コバルト化合物、ルテニウム化合物および鉄化合物等を挙げることができる。リン化合物としては、三価のリン化合物を挙げることができる。
ロジウム化合物としては、例えばRh(acac)(CO)、Rh(acac)、RhCl(CO)(PPh、RhCl(PPh、RhBr(CO)(PPh、Rh(CO)、Rh(CO)12、Rh(CO)16などが挙げられる。コバルト化合物としては、例えばHCo(CO)3、HCo(CO)、Co(CO)、HCo(CO)などが挙げられる。ルテニウム化合物としては、例えばRu(CO)(PPh、RuCl(PPh、RuCl(PPh、Ru(CO)12などが挙げられる。また、鉄化合物としては、例えばFe(CO)、Fe(CO)PPh、Fe(CO)(PPhなどが挙げられる。なお、「acac」はアセチルアセトナトを意味する。
本実施形態の反応に用いられるロジウム化合物としては、1価のロジウム金属を含む化合物であれば特に制限されないが、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム(Rh(acac)(CO))、ドデカカルボニルテトラロジウム(Rh(CO)12)、ヘキサデカカルボニルヘキサロジウム(Rh(CO)16)、オクタカルボニルジロジウム(Rh(CO))等のロジウムカルボニル触媒;塩化ロジウム等を挙げることができる。
本実施形態の反応に用いられるリン化合物としては、三価のリン化合物であれば特に制限されないが、下記式で表される化合物を用いることが好ましい。
(R)
(RO)
上記式中、R、Rは同一又は異なっていてもよく、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜16のアルキル基または炭素数6〜16のアリール基を示す。
リン化合物として、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリ(メチルベンゼン)ホスフィン、トリ(エチルベンゼン)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、2,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1−ビナフチル、トリメトキシホスファイト、トリエトキシホスファイト、トリプロポキシホスファイト、トリイソプロポキシホスファイト、トリメチルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジターシャルブチルフェニル)ホスファイト等の三価のリン化合物を挙げることができる。
これらの原料等を用いたヒドロホルミル化反応において、使用する第8〜10族金属の量は、化合物(a1)1モルに対して、0.01ppmモル以上10ppmモル以下であり、好ましくは、1ppmモル以上10ppmモル以下、より好ましくは1ppmモル以上5ppmモル以下である。上記数値範囲であれば、高価な触媒を過度に用いることなく、円滑な反応の進行を担保することができる。
また、使用するリン化合物の量は、第8〜10族金属に対して100倍モル以上、より好ましくは100倍モル以上10000倍モル以下である。
なお、上記の数値範囲は任意に組み合わせることができる。
アルデヒド化合物の合成は、具体的には、以下のようにして行うことができる。
まず、容器内に、ロジウム化合物と、リン化合物と、原料のシアノノルボルネンを挿入する。そこに、水素および一酸化炭素ガスを供給しながら、温度30℃以上120℃以下、圧力0.1MPa以上1.0MPa以下、反応時間1時間以上8時間以下で行うことができる。なお、油相のみの均一反応系また水層および油層からなる二層反応系を適宜選択してヒドロホルミル化反応を行うことができる。
これにより、シアノノルボルネンをヒドロホルミル化し、アルデヒド化合物が合成される。
なお、ヒドロホルミル化反応は、無溶剤中で行うこともでき、置換又は無置換の芳香族化合物、置換又は無置換の脂肪族炭化水素化合物、アルコールを用いることができ、例えばトルエン、ベンゼン、ヘキサン、オクタン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、オルソジクロルベンゼン、エタノール、ペンタノール、オクタノール等の溶剤中で行うこともできる。本実施形態におけるヒドロホルミル化反応は、高濃度における反応性にも優れるため、無溶剤中でヒドロホルミル化反応を行うことができる。これにより、溶媒を留去する工程等が必要でなくなるため、工程が簡便なものとなり、また容積効率も向上し、生産効率にも優れる。
本実施形態の製造方法により、一般式(1)の化合物から下記一般式(2)で表されるアルデヒド化合物が合成される。
Figure 0006778327
一般式(2)で表されるアルデヒド化合物は、「ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの2位がシアノ基で置換され、5位がアルデヒド基で置換された化合物(以下、2,5体)」、または「2位がシアノ基で置換され、6位がアルデヒド基で置換された化合物(以下、2,6体)」の何れか、またはこれらを任意の割合で含む混合物として得ることができる。また、2,5体および2,6体は、各々、置換基の立体配置により、エンド−エンド体、エンド−エキソ体、エキソ−エキソ体の何れかとして得ることができ、またはこれらの少なくとも2種を任意の割合で含む混合物として得ることもできる。
ヒドロホルミル化反応終了後、所定の精製工程を行い、目的とするアルデヒド化合物を得ることができる。
(工程a2)
(アミン化合物の製造方法)
本実施形態のアミン化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程(a):アクリロニトリルを所定の範囲で含む化合物(1)を用い、第8〜10族金属を含む金属化合物とリン化合物の存在下で、前記化合物(1)を水素および一酸化炭素と反応させる。
工程(b):工程(a)で得られたアルデヒド化合物をアンモニアと反応させるとともに、触媒の存在下で水素と反応させる。
本実施形態のアミン化合物の製造方法は、上述のアルデヒド化合物の製造方法を工程(a)として含む。そのため、工程(a)において、本発明における方法でアルデヒド化合物を工業的に有利な方法で製造できるために、ひいては目的化合物であるアミン化合物の生産性および収率の向上に優れることとなる。
なお、工程(a)は、上記「アルデヒド化合物の製造方法」における工程と同一であるので、説明を省略する。
工程(b)では、工程(a)で得られた前記一般式(2)で表されるアルデヒド化合物を、アンモニアと反応させてイミノ化するとともに、触媒の存在下で水素添加することにより、アミン化合物を合成する。
触媒としては、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムなどの金属触媒等を用いることができる。アルデヒド化合物が置換基としてシアノ基を有する場合、水素還元により−CH−NH基が生成される。
このように、工程(b)において、前記アルデヒド化合物が有するアルデヒド基がイミノ化によりアミノ基となり、シアノ基も水素還元によりアミノ基となるため、2つのアミノ基を有する下記化学式(3)で表されるアミン化合物が合成される。
Figure 0006778327
なお、化学式(3)で表されるアミン化合物は、「ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの2位および5位がアミノメチル基で置換された化合物(以下、2,5体)」、または「2位および6位がアミノメチル基で置換された化合物(以下、2,6体)」の何れか、またはこれらを任意の割合で含む混合物として得ることができる。また、2,5体および2,6体は、各々、置換基の立体配置により、エンド−エンド体、エンド−エキソ体、エキソ−エキソ体の何れかとして得ることができ、またはこれらの少なくとも2種を任意の割合で含む混合物として得ることもできる。
上記のイミノ化および水素添加反応は、具体的には、以下のようにして行うことができる。まず、反応容器内に、アルデヒド化合物、溶剤、触媒を仕込み、アンモニアガスを吹き込む。そして、1MPa程度の圧力まで水素を圧入し、100℃程度まで昇温し、水素を供給しながら当該温度および圧力下で、1時間以上10時間以下反応させる。溶媒としては、例えば、炭素数1〜8のアルコール、水等が好適に用いられる。
さらに、反応終了後、通常の触媒ろ過、脱溶媒、精製工程等を行い、目的とするアミン化合物を得ることができる。
<第II実施形態>
本実施形態のアミン化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程b1:上述の製造方法で得られたシアノノルボルネンにシアン化水素を反応させる。
工程b2:工程b1で得られたジシアノノルボルナン類に触媒の存在下で水素添加することにより、アミン化合物を合成する。
(工程b1)
(ジシアノノルボルナン類の製造方法)
本工程においては、ゼロ価ニッケル錯体触媒の存在下、シアノノルボルネンにシアン化水素を反応させて、ジシアノノルボルナン類を合成することができる。
シアン化水素の使用量は、シアノノルボルネン1モルに対して任意のモル量とすることができるが、通常1モルである。また、シアノノルボルネンのシアン化水素化の反応温度は、好ましくは−20℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上130℃以下、さらに好ましくは20℃以上100℃以下である。反応圧力は、常圧でも加圧でも行えるが、圧力の増大による顕著な反応促進効果はないので、通常は常圧下で行われる。
本実施形態における、シアノノルボルネンのシアン化水素化の反応形式は、通常回分式が採用されるが、シアノノルボルネン、シアン化水素、ゼロ価ニッケル錯体触媒合成液、また必要によっては溶媒等を連続的に供給するような連続式も採用される。本工程によって下記化学式(4)で表されるジシアノノルボルナン類を得ることができる。
Figure 0006778327
(工程b2)
(アミン化合物の製造方法)
本工程においては、工程b1で得られたアルデヒド化合物を触媒の存在下で水素添加することにより、アミン化合物を合成する。
触媒としては、ニッケル、白金、パラジウム、ルテニウムなどの金属触媒等を用いることができる。
上記の水素添加反応は、具体的には、以下のようにして行うことができる。
まず、反応容器内に、アルデヒド化合物、溶剤、触媒を仕込む。そして、1MPa程度の圧力まで水素を圧入し、100℃程度まで昇温し、水素を供給しながら当該温度および圧力下で、1時間以上10時間以下反応させる。溶媒としては、例えば、炭素数1以上8以下のアルコール、水等が好適に用いられる。
さらに、反応終了後、通常の触媒ろ過、脱溶媒、精製工程等を行い、目的とする化学式(3)で表されるアミン化合物を得ることができる。
[イソシアネート化合物の製造方法]
本実施形態のイソシアネート化合物の製造方法は、以下の工程を含む。
工程(a):アクリロニトリルを所定の範囲で含む化合物(1)を用い、第8〜10族金属を含む金属化合物とリン化合物の存在下で、前記化合物(1)を水素および一酸化炭素と反応させる。
工程(b):工程(a)で得られたアルデヒド化合物をアンモニアと反応させるとともに、触媒の存在下で水素と反応させる。
工程(c):工程(b)で得られたアミン化合物を、カルボニル化剤と反応させる。
本実施形態のイソシアネート化合物の製造方法は、上述のアルデヒド化合物の製造方法を工程(a)として含む。そのため、工程(a)において、本発明における方法でアルデヒド化合物を工業的に有利な方法で製造できるために、ひいては目的化合物であるイソシアネート化合物の生産性および収率にも優れることとなる。
なお、工程(a)は、上記「アルデヒド化合物の製造方法」における工程と同一であり、工程(b)は、上記「アミン化合物の製造方法」における工程と同一であるので、説明を省略する。
工程(c)では、工程(b)で得られた化学式(3)で表されるアミン化合物を、所定の条件でカルボニル化剤と反応させることにより、下記化学式(5)で表されるイソシアネート化合物が合成される。
カルボニル化剤としてはホスゲン、尿素誘導体、カーボネート誘導体、一酸化炭素等を用いることができる。
Figure 0006778327
なお、化学式(5)で表されるイソシアネート化合物は、「ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの2位および5位がイソシアナトメチル基で置換された化合物(以下、2,5体)」、または「2位および6位がイソシアナトメチル基で置換された化合物(以下、2,6体)」の何れか、またはこれらを任意の割合で含む混合物として得ることができる。また、2,5体および2,6体は、各々、置換基の立体配置により、エンド−エンド体、エンド−エキソ体、エキソ−エキソ体の何れかとして得ることができ、またはこれらの少なくとも2種を任意の割合で含む混合物として得ることもできる。
工程(c)は、カルボニル化剤としてホスゲンを用いる場合、具体的には、まず、反応容器内に、アミン化合物と溶媒を装入し、塩酸により塩化させた後にホスゲンと反応させる方法や、直接ホスゲンと反応させ、カルバモイルクロライド化合物を得た後に、熱分解させる方法等を挙げることができる。さらに、反応終了後、通常の精製工程等を行い、目的とするイソシアネート化合物を得ることができる。
なお、カルボニル化剤としてホスゲンを用いる場合の反応溶媒としては、特に制限はされないが、造塩反応時には塩酸の溶解度が大きく、ホスゲン化反応時にはホスゲンの溶解度が大きく、かつ塩酸溶解度が小さい、高沸点有機芳香族化合物またはエステル化合物を用いることが好ましい。高沸点有機芳香族化合物としては、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、ドデシルベンゼン、p−シメン、クメンメチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジイソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、オルソジクロロベンゼン、パラクロロトルエン、ブロムベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等を挙げることができる。また、エステル化合物としては、特に制限されないが、酢酸イソアミル、酢酸イソオクチル等の酢酸エステルが好ましい。これら例示溶媒の中で、本発明を実施するのに特に好ましい溶媒は、芳香族ハロゲン化合物である。
さらに、反応終了後、通常の触媒ろ過、脱溶媒、精製工程等を行い、目的とするイソシアネート化合物を得ることができる。
本実施形態により得られるイソシアネート化合物は、光学材料の原料、塗料として用いることができる。なお、本実施形態により得られるアミン化合物は、塗料、硬化剤の原料として用いることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
加温評価
反応容器18内の反応溶液の反応温度190℃を維持するために、反応容器18のジャケットで加温した。以下の基準で、ジャケット内の加温温度(熱媒体温度)を評価した。
A:反応温度−5℃未満
B:反応温度−5℃以上、反応温度+5℃未満
C:反応温度+5℃以上、反応温度+15℃未満
D:反応温度+15℃以上
[比較例1]
図1と同様のフローに従って、シアノノルボルネンの連続的な製造を行った。攪拌機及びジャケット付きの内容積150リットルの攪拌槽型耐圧反応器(SUS-304製)を反応容器18として用いた。
反応を開始する前に、反応容器18内にシアノノルボルネン100リットルを充填し、攪拌機を120rpmの回転数で撹拌しながら、反応容器18ジャケットに電気ヒーター加熱の熱媒オイルを通液し、反応容器18内の液温を190℃に昇温した。
次に、タンク12からライン22を介してアクリロニトリルを表1に示す量で混合容器16内に供給し、さらにタンク14からライン24を介してジシクロペンタジエンを表1に示す量で混合容器16内に供給し、混合容器16内において、ジシクロペンタジエンとアクリロニトリルを1:2.5のモル比で混合した。混合液において、ジシクロペンタジエン、アクリロニトリルおよびメチルビシクロノナジエンの合計量100重量%に対するメチルビシクロノナジエンの量は0.02重量%であった。混合容器16内の混合液を、定量ポンプにて原料供給配管(ライン26)から反応容器18内液相部へ連続的に供給した。滞留時間は1.2時間となるように供給流量を調節した。反応中は反応液上層の気相部の容積が、反応容器18内の全容積に対し30%となるよう、反応容器18内の液面を保持させながら反応させた。また、同時に、反応容器18内の圧力が8kg/cm・Gとなるように圧力調整し、更に、液温が190℃を保つよう調整し、連続的に反応を行った。この結果、得られたシアノノルボルネンの平均収率は、運転開始12時間後に、原料のジシクロペンタジエンの分解で得られるシクロペンタジエン基準で90%であった。また、反応生成物は、シアノノルボルネンと、メチルビシクロノナジエンと、未反応原料(ジシクロペンタジエンとアクリロニトリル)との合計量100重量%に対し、メチルビシクロノナジエンの量は0.02重量%であった。
反応生成物は、反応容器18からライン28を介してフラッシュ器20に連続的に供給され、塔頂部からは未反応の原料であるアクリロニトリルとジシクロペンタジエンを含有する混合液が回収され、さらにフラッシュ器20からライン30を介して原料回収塔21に連続的に供給され、塔頂部からは未反応の原料であるアクリロニトリルとジシクロペンタジエンを含有する混合液が回収される。フラッシュ器20および原料回収塔21から回収された混合液はライン32を介して混合容器16に戻され循環再利用された。なお、混合容器16内の混合液は、ガスクロマトグラフィーにて分析を行い、上記のようにメチルビシクロノナジエンの量が0.02重量%となるように管理した。一方、塔底部からは未反応の原料を含まない純度97.3重量%のシアノノルボルネンが分離された。
フラッシュ器は、内容積100リットルの耐圧器であり、運転条件は温度160℃、常温であった。
原料回収塔21は塔径12インチ、高さ13.5mで1インチのカスケードミニリングが充填されており、運転条件は塔底部温度143℃、塔頂部圧力17.4kPa、塔頂部温度58℃であった。
その結果、反応容器18に供給されたジシクロペンタジン純分基準のシアノノルボルネン収率は99.6%、反応容器18に供給されたアクリロニトリル基準のシアノノルボルネン収率は99.4%であった。
[比較例2]
表1に示す量で各成分を用い、混合液における、ジシクロペンタジエン、アクリロニトリルおよびメチルビシクロノナジエンの合計量100重量%に対するメチルビシクロノナジエンの量を0.01重量%とした以外は、比較例1と同様に、連続的に反応させた。その結果、得られたシアノノルボルネンの平均収率は、運転開始12時間後に、原料のジシクロペンタジエンの分解で得られるシクロペンタジエン基準で88%であった。結果を表1に示す。
Figure 0006778327
[実施例1〜3、比較例3]
表2に示す量で各成分を用い、混合液における、ジシクロペンタジエン、アクリロニトリルおよびメチルビシクロノナジエンの合計量100重量%に対するメチルビシクロノナジエンの量を表2に示す量とした以外は、比較例1と同様に、連続的に反応させた。その結果、得られたシアノノルボルネンの平均収率は、所定の運転開始経過時間後に、原料のジシクロペンタジエンの分解で得られるシクロペンタジエン基準で、表2に示す量であった。結果を表2に示す。
Figure 0006778327
この出願は、2017年7月31日に出願された日本出願特願2017−148428号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (6)

  1. 容器内で、ジシクロペンタジエンと、アクリロニトリルと、メチルビシクロノナジエンとの合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下含む混合液を調製する工程1と、
    前記混合液において、前記メチルビシクロノナジエンの存在下に、前記ジシクロペンタジエンと前記アクリロニトリルとを反応させる工程2と、
    を含む、シアノノルボルネンの製造方法。
  2. 工程2の後に、
    工程2において得られた反応生成物から、シアノノルボルネンを得るとともに、前記メチルビシクロノナジエンおよび未反応原料を回収する工程3と、
    回収された前記メチルビシクロノナジエンおよび前記未反応原料を、工程1における容器内に供給して再利用する工程4と、
    をさらに含み、
    工程1〜工程4を連続的に繰り返し行う、請求項1に記載のシアノノルボルネンの製造方法。
  3. 工程2において得られた反応生成物は、シアノノルボルネンと、メチルビシクロノナジエンと、未反応原料との合計量100重量%に対し、前記メチルビシクロノナジエンを0.5重量%以上28重量%以下含む、請求項1または2に記載のシアノノルボルネンの製造方法。
  4. 前記工程2における反応温度が160℃以上220℃以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のシアノノルボルネンの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法でシアノノルボルネンを調製する工程と、
    前記シアノノルボルネンを一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応させる工程と、
    前記ヒドロホルミル化工程で得られたアルデヒド化合物をアンモニアと反応させてイミノ化するとともに、触媒の存在下で水素と反応させる工程と、
    を含む、アミン化合物の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法でアミン化合物を調製する工程と、
    前記アミン化合物をカルボニル化剤と反応させる工程とを含む、イソシアネート化合物の製造方法。
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