JP6777211B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品においては、尿や体液等の排泄液を吸収する吸収材として、パルプや高吸収性重合体(Super Absorbent Polymer:SAP)が用いられている。そして、例えば、使い捨ておむつは、着用者の腹部、背部及び股部分を覆うものであるため、身体の動きや体型に合わせて伸縮する弾性部材が着用者の胴回りや下肢回りに備わっている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第5573806号公報
吸収性物品には、排泄液を吸収材で吸収するのみならず、排泄液の漏れを防いだり、蒸れや圧迫感等の違和感を抑制するために種々の検討がなされている。しかしながら、例えば、吸収性物品内の蒸れを抑制するための通気路は腹囲を取り巻く弾性部材の収縮力を低下させれば増大できるものの、収縮力の低下は排泄液の漏れの原因になり得る。そこで、着用者の腹囲を取り巻く部位における通気性を向上させるべく、例えば、特許文献1に開示されるように、着用者の肌が接触する内装面のうち伸縮部材によって胴回り方向に収縮する部位に、通気路形成シートを胴回り方向に向かって間欠的に接合することで、伸縮部材の収縮によって波型に変形する当該通気路形成シートで通気路構造を形成することが提案されている。しかし、シートの追加は製造コストの増大に繋がるため、通気性の向上は簡素な構成で実現されることが望ましい。
そこで、本発明は、着用者の腹囲を取り巻く部位における通気性を簡素な構成で向上させることが可能な吸収性物品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る吸収性物品は、胴開口部の縁の部分の折り目にカバーシートを貫通する連続的な通気孔を設けることにした。
詳細には、本発明は、吸収性物品であって、着用者の股下に配置される吸収体と、積層した複数のシートの間に吸収体を挟んでおり、着用者の胴回りが配置される胴開口部を形成し得る積層体と、胴開口部を収縮させる伸縮部材を、胴開口部を形成する部分に内包したカバーシートと、を備え、カバーシートは、胴開口部の縁の部分で折り返されており、折り返し部分の折り目又はその近傍にカバーシートを貫通する連続的な通気孔を有する。ここで、胴開口部の縁とは、胴開口部を形成する積層体の端部に位置する部位であり、カバーシートが折り返されている部分を少なくとも一部に有している部位である。
なお、カバーシートは、折り目に通気孔を有していてもよい。
また、伸縮部材は、折り返し部分のうち少なくとも通気孔が設けられている部分において折り返し部分と平行に配置される糸状のゴムであり、カバーシートに対し離散的に接合されていてもよい。ここで、離散的に接合されているとは、接合部分同士が間隔を空けて
点在していることをいい、非離散的な接合部分を一部に含んでいてもよい。
また、カバーシートは、着用者の胴回りの少なくとも一部において胴回り方向に向かって間隔を空けて平行に並ぶ複数の線状の接合部分によって、折り返し部分の両側が互いに接合されていてもよい。
また、線状の接合部分は、胴回り方向に対し斜めに並ぶものであってもよい。
また、線状の接合部分同士の間に形成される非接合部分には、拡幅部分が設けられていてもよい。
また、積層体の着用者の肌が接触する面のうち少なくとも伸縮部材によって収縮する収縮部が備わる部位に対し、着用者の胴回り方向に向かって間隔を空けて平行に並ぶ複数の線状の接合部によって接合されるシートであり、収縮部の収縮によって非接合部分が撓んで波型に変形することで通気路を形成する通気路形成シートを更に備えるものであってもよい。
また、通気路形成シートは、股下領域の側の端部が起立していてもよい。
また、カバーシートは、吸収性物品が着用者に着用された状態において該吸収性物品の内側に位置する折り返し部分の吸収体側端部に、吸収性物品と着用者との間にある空間と通気孔とを連通するための非接合部分を有していてもよい。
また、カバーシートは、吸収性物品が着用者に着用された状態において該吸収性物品の内側に位置する折り返し部分に、吸収性物品と着用者との間にある空間と通気孔とを連通するための第2の通気孔を有していてもよい。
上記の吸収性物品であれば、着用者の腹囲を取り巻く部位における通気性を簡素な構成で向上させることが可能となる。
図1は、実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつの斜視図である。 図2は、実施形態に係るおむつの分解斜視図である。 図3は、実施形態に係るおむつを展開し、伸長した状態を模式的に示した図である。 図4は、糸ゴム同士の間隔とウェストギャザーに現れるひだの大きさとの関係を示した図である。 図5は、ウェストギャザーが収縮し、通気路形成シートが各接合部分同士の間で撓むことにより波型に変形した状態を示した図である。 図6は、カバーシート内に形成される通気路の部位を示した図である。 図7は、吸収体側空間とカバーシート内の空間とを連通する通気孔の一例を示した図である。 図8は、非接合状態の部分の一例を示した図である。 図9は、凹部によって形成される空間が発揮するポンプ機能を解説した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
<実施形態>
図1は、実施形態に係るパンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)の斜視図である。本願で用いる方向に関する用語は、おむつ1が着用者に着用された状態において該着用者の前後左右に一致する方向を意味するものとする。例えば、本願で左右方向という場合、おむつ1の着用者に着用された状態において該着用者の左右に一致する方向を意味する。
本実施形態では、吸収性物品の一例として、着用者の腹囲が入る開口部と、着用者の左下肢及び右下肢が挿通される左右一対の開口部とを有する筒状構造のパンツ型使い捨ておむつを例示するが、本願でいう「吸収性物品」は、パンツ型使い捨ておむつに限定されるものでない。本願でいう「吸収性物品」には、例えば、着用者の股下(陰部)を前身頃から後身頃にかけて覆うシート状の部材の一端部付近に固定されたテープを、該シート状の部材の他端部付近に貼り付けることで筒状構造を形成するテープ型使い捨ておむつ等、腹囲と股下を包み得る各種形態の吸収性物品が含まれる。
おむつ1は、着用状態において着用者の陰部(股下)を覆う股下領域に対応する部位である股下領域1Bと、着用者の胴周りにおける前身頃に対応する部位であって着用者の腹部側を覆うための前身頃領域1Fと、着用者の胴周りにおける後身頃に対応する部位であって着用者の背部側を覆うための後身頃領域1Rとを有する。ここで、前身頃領域1Fは股下領域1Bの前側に位置し、後身頃領域1Rは股下領域1Bの後側に位置する。本実施形態におけるおむつ1は、パンツ型の使い捨ておむつであるため、前身頃領域1Fの左側の縁と後身頃領域1Rの左側の縁は互いに接合され、前身頃領域1Fの右側の縁と後身頃領域1Rの右側の縁は互いに接合されている。よって、おむつ1には、前身頃領域1Fの上側の縁と後身頃領域1Rの上側の縁とによって胴開口部2Tが形成されている。また、おむつ1には、上記接合が施されない股下領域1Bの左側の部位に左下肢開口部2Lが形成され、股下領域1Bの右側の部位に右下肢開口部2Rが形成されている。そして、おむつ1は、着用者の左下肢が左下肢開口部2Lに挿通され、着用者の右下肢が右下肢開口部2Rに挿通され、着用者の胴部が胴開口部2Tに入るように装着されると、前身頃領域1Fが着用者の腹部側に配置され、後身頃領域1Rが着用者の背部側に配置され、左下肢開口部2Lと右下肢開口部2Rが着用者の大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。おむつ1がこのような形態で着用者の身体に固定されるので、着用者はおむつ1を着用した状態で立ち歩き可能である。
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の左下肢の大腿部を取り巻く左下肢開口部2Lに立体ギャザー3BLが設けられ、着用者の右下肢の大腿部を取り巻く右下肢開口部2Rに立体ギャザー3BRが設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rが設けられている。立体ギャザー3BL,3BRとウェストギャザー3Rは、糸ゴムの弾性力で着用者の肌に密着する。よって、着用者の陰部から排出される排泄液は、おむつ1から殆ど漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。
図2は、実施形態に係るおむつ1の分解斜視図である。また、図3は、実施形態に係るおむつ1を展開し、伸長した状態を模式的に示した図である。図3の(A)は、展開及び伸長した状態のおむつ1を左側から見た場合の内部構造を模式的に示している。図3の(B)は、展開及び伸長した状態のおむつ1の平面図を模式的に示している。
おむつ1は、着用者に着用された状態において外表面を形成するカバーシート4F,4Rとパッドカバーシート6とを有する。カバーシート4Fは、主におむつ1の前身頃領域
1Fの外表面を形成する。また、パッドカバーシート6は、主におむつ1の股下領域1Bの外表面を形成する。また、カバーシート4Rは、主におむつ1の後身頃領域1Rの外表面を形成する。カバーシート4F,4Rとパッドカバーシート6は、おむつ1の外表面の補強や手触りの向上のために設けられ、例えば、排泄物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。ここで、液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。また、液不透過性のシートには、液不透過性と透湿性とが発揮されるように、0.1〜数μm程度の微細な孔が多数形成されていてもよい。また、カバーシート4F,4Rは、胴回りにおける通気性向上のため、複数の孔を一部または全面的に形成したものであってもよい。カバーシート4F,4Rに形成される通気用の孔の数と大きさは、要求される通気量にもよるが、例えば、開口面積が0.5〜10mmの孔であれば、着用者の肌に対向する部位に5〜200個程度形成することが好ましく、10〜100個形成することが更に好ましい。5個以上とすることで通気性向上効果を得ることができる。一方、200個以下とすることで尿や体液がギャザー内空間に流入することを有効に防止することができる。
また、おむつ1は、カバーシート4Fの着用者側の面に積層されるインナーカバーシート5Fと、カバーシート4Fの着用者側の面に積層されるインナーカバーシート5Rとを有する。インナーカバーシート5Fは、カバーシート4Fのうち後述するミシン目4F6(本願でいう「折り目」の一例である)よりも股下領域1B側の部分に一致する形状を有するシート状の部材である。インナーカバーシート5Rもインナーカバーシート5Fと同様、インナーカバーシート5Rのうち後述するミシン目4R6よりも股下領域1B側の部分に一致する形状を有するシート状の部材である。
また、おむつ1は、パッドカバーシート6の着用者側の面において順に積層されるバックシート7、吸収体8、センターシート9を有する。パッドカバーシート6は、着用者の前身頃から股下を経由して後身頃へ届く長さを長手方向に有し、当該長手方向に対し直交する幅方向に所定の横幅を有する略直方体のシートである。また、バックシート7、吸収体8、センターシート9は、何れもパッドカバーシート6と同様に略長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がパッドカバーシート6の長手方向と一致する状態でパッドカバーシート6に対して順に積層されている。バックシート7は、排泄物の漏れを抑制するために液不透過性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。また、センターシート9は、吸収体8の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このセンターシート9は、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、おむつ1が装着された状態において、着用者から排泄された液体は、着用者の肌に接触し得るセンターシート9を通って吸収体8に浸入し、そこで吸収される。液透過性のシートとしては、例えば、織布、不織布、多孔質フィルムが挙げられる。また、センターシート9は親水性を有していてもよい。
吸収体8は、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性の高吸収性重合体等の粒状の吸収性樹脂を保持させた構造を有する。よって、パッドカバーシート6は、着用者から排泄された液体を吸収すると、短繊維内の隙間に保持された吸収性樹脂を膨潤させて該液体を短繊維内に保持する。吸収体8は、1枚のマットからなる単層構造であってもよいし、複数枚のマットを重ね合わせた積層構造であってもよい。また、吸収体8は、目的に応じた適宜の形状を採ることができる。吸収体8の形状としては、例えば、矩形状、中央部付近が括れた砂時計型、その他各種の形状が挙げられる。
バックシート7、吸収体8、センターシート9は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート7、吸収体8、センターシート9が積層されているパッドカバーシート6で着用者の陰部(股下)を覆うと、バックシート7、吸収体8、センターシート9の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体8に覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はセンターシート9を介して吸収体8に接触することになる。
また、おむつ1は、上述した立体ギャザー3BL,3BRを形成するための細長い帯状のサイドシート10L,10Rを有する。サイドシート10L,10Rは、センターシート9の長辺の部分に設けられる。そして、サイドシート10L,10Rには糸ゴム10L1,10R1が長手方向に沿って接着されている。よって、サイドシート10L,10Rは、前身頃領域1Fの左側の縁となるカバーシート4Fの縁4F7と、後身頃領域1Rの左側の縁となるカバーシート4Rの縁4R7とが互いに接合され、且つ、前身頃領域1Fの右側の縁となるカバーシート4Fの縁4F8と、後身頃領域1Rの右側の縁となるカバーシート4Rの縁4R8とが互いに接合されることにより、図1に示したような完成状態のおむつ1になると、糸ゴム10L1,10R1の収縮力で長手方向に引き寄せられて折り返し線10L2,10R2に沿ってセンターシート9から立ち上がる。その結果、左下肢開口部2L及び右下肢開口部2Rからの液体の流出を防ぐ立体ギャザー3BL,3BRが形成される。なお、カバーシート4Fにおける縁4F7及びカバーシート4Rにおける縁4R7、カバーシート4Fにおける縁4F8及びカバーシート4Rにおける縁4R8の接合方法は特に限定されないが、例えば、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等によって行うことができる。
また、おむつ1は、パッドカバーシート6、バックシート7、吸収体8、センターシート9、サイドシート10L,10Rを挟んでカバーシート4Fの着用者側の面に積層される通気路形成シート11Fと、カバーシート4Rの着用者側の面に積層される通気路形成シート11Rとを有する。通気路形成シート11Fは、センターシート9の長手方向における一端側においてカバーシート4Fに重ねられる。また、通気路形成シート11Rは、センターシート9の長手方向における他端側においてカバーシート4Rに重ねられる。なお、本願においてシートが重なる状態とは、重ね合わされるシート同士が互いに全面的に接触する状態で重なる形態に限定されるものでなく、シートの一部分同士が重なる形態を含む概念である。例えば、通気路形成シート11Fは、パッドカバーシート6の長手方向における一端側の一部分が、カバーシート4Fの一部分に触れる状態で重ねられる。
通気路形成シート11Fには、前身頃領域1Fの上側の縁に沿う左右方向に延在する領域に通気用の微細な通気孔11F1が多数配列されている。通気路形成シート11Rにも通気路形成シート11Fと同様、通気孔11R1が多数配列されている。ここで、通気孔とは、シートの一方の面の側の空間と他方の面の側の空間とを連通させる開口部を意味し、その形状は特に限定されない。よって、通気孔11F1,11R1としては、例えば、円形、楕円形、多角形(三角形、四角形等)等の形状の開口部を適用することができる。通気路形成シート11F,11Rへの通気孔11F1,11R1の形成は、該通気路形成シート11F,11Rが通気性を有しない素材であることを意味するものでは無く、該通気路形成シート11F,11Rは通気性を有する素材と通気性を有しない素材の何れであってもよい。通気路形成シート11F,11Rは、通気性や液透過性を有する素材であることが好ましいが、例えば、非通気性の素材であってもよい。通気孔11F1,11R1の大きさや個数は特に限定されないが、例えば、開口面積が0.5〜10mmの孔であれば5〜200個程度形成されることが好ましい。
上記のように、おむつ1は、吸収体8を間に挟んだバックシート7及びセンターシート9の他、カバーシート4F,4R、通気路形成シート11F,11R、パッドカバーシート6、サイドシート10L,10Rが積み重なって形成されているため、これら複数のシートを積み重ねた積層体を有していると言える。
ここで、図3に示すように、カバーシート4Fは、ミシン目4F6において一端側が折り返されている。このミシン目4F6は、カバーシート4Fに直線状に入れられた細かい切れ目によって形成される通気孔が胴開口部2Tの縁に沿って点線状に並んだものである。ミシン目4F6を形成する点線状の通気孔は、着用者の指が入らない大きさとなっている。例えば、5mm以下の長さの切れ目によって形成される通気孔であれば、一般的な乳幼児の指が入ることはない。また、ミシン目4F6は、おむつ1の通常の使用状態によって、カバーシート4Fがミシン目4F6を境界にして切り裂けることが無いように、点線状の通気孔を形成する切れ目同士の間隔が所定の長さを有している。カバーシート4Fを構成する素材の強度にもよるが、胴回りに求められる伸縮性と着用感を損なわない坪量が8〜50g/m程度のシートであれば、切れ目同士の間隔は、2mm以上であることが好ましい。
そして、上述したウェストギャザー3Rは、カバーシート4Fに対して糸ゴム(糸状のゴム)4F2,4F3が接着され、カバーシート4Rに対して糸ゴム(糸状のゴム)4R2,4R3が接着されることで形成される。カバーシート4Fに接着される糸ゴム4F2,4F3は、折り返されると前身頃領域1Fの上側の縁を形成することになるミシン目4F6沿いに、ミシン目4F6側から糸ゴム4F2、糸ゴム4F3の順に設けられている。また、カバーシート4Rに接着される糸ゴム4R2,4R3も、糸ゴム4F2,4F3と同様、折り返されると後身頃領域1Rの上側の縁を形成することになるミシン目4R6沿いに、ミシン目4R6側から糸ゴム4R2、糸ゴム4R3の順に設けられている。このため、糸ゴム4F2,4F3は、伸縮方向となる胴回り方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4Fに設けられることになる。また、糸ゴム4R2,4R3は、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4Rに設けられることになる。よって、縁4F7と縁4R7が互いに接合され、縁4F8と縁4R8が互いに接合されると、糸ゴム4F2,4F3と糸ゴム4R2,4R3は、胴開口部2Tに沿って周回する実質的に環状の伸縮部材を形成し、胴開口部2Tを胴周り方向に収縮させる機能を発揮する。すなわち、糸ゴム4F2,4F3と糸ゴム4R2,4R3は、収縮力を発揮しておむつ1を着用者に密着させ、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。糸ゴム4F2,4F3と糸ゴム4R2,4R3は、糸ゴムの長手方向において離散的に塗布された接着剤により、カバーシート4F,4Rに対し離散的に接着されている。糸ゴム4F2,4F3,4R2,4R3とカバーシート4F,4Rとを接合する接着剤は、糸ゴム4F2,4F3,4R2,4R3に対して塗布されたものであってもよいし、或いは、カバーシート4F,4Rに対して塗布されたものであってもよい。また、糸ゴム4F2,4F3,4R2,4R3は、接着剤の代わりに超音波溶着でカバーシート4F,4Rに接合されてもよい。なお、着用者の指がミシン目4F6の切れ目が通過しない長さになっているため、糸ゴム4F2,4F3等に指先が触れて糸ゴムが切れることは無い。
更に、カバーシート4Fには糸ゴム4F4,4F5が接着され、カバーシート4Rには糸ゴム4R4,4R5が接着されている。糸ゴム4F4,4F5は、カバーシート4Fのうち糸ゴム4F3よりも股下領域1B側の領域に設けられる伸縮部材である。ただし、糸ゴム4F4,4F5は、カバーシート4Fの左端から右端まで延在する糸ゴム4F2,F3とは異なり、吸収体8に対応する部位となる幅方向中央部が所定の横幅分だけカットされている。カバーシート4Fは、吸収体8に対応する部位となる幅方向中央部がカットされた糸ゴム4F4,4F5を有することにより、吸水による吸収体8の膨張を阻害することなく、着用者の下腹部に適度な密着感を付与する。カバーシート4Rについてもカバー
シート4Fと同様であり、吸収体8に対応する部位となる幅方向中央部が所定の横幅分だけカットされた糸ゴム4R4,4R5がカバーシート4Rに接着されることで、着用者の下腹部に適度な密着感を付与する。
図4は、糸ゴム4F2同士の間隔とウェストギャザー3Rに現れるひだの大きさとの関係を示した図である。図4において(A)で示される図は、ウェストギャザー3Rを着用者の肌が触れる方から見た場合の図である。また、図4において(B)で示される図は、おむつ1の側方から見た場合のウェストギャザー3R内の内部構造を示した図である。また、図4において(C)で示される図は、おむつ1の上方からウェストギャザー3Rを見た場合の様子を示した図である。また、図4において(D)で示される図は、ウェストギャザー3Rが収縮した状態における、おむつ1の上方からウェストギャザー3Rを見た場合の状態を示した図である。図4では、説明の便宜上、ウェストギャザー3Rのうち前身頃領域1Fの部分に対応する符号が図示されているが、ウェストギャザー3Rのうち後身頃領域1Rの部分についても同様である。
図4に示されるように、カバーシート4Fは、図2に示したミシン目4F6で折り返され、更に通気路形成シート11Fが重ねられて接合される。接合は、各糸ゴムとシートが伸長された状態で行われる。図4において(A)で示される図にある符号Sの破線は、ミシン目4F6において折り返されたカバーシート4F同士の接合部分である。また、図4において(C)および(D)で示される図にある符号Sの箇所は、接合された部分である。
ミシン目4F6においてカバーシート4Fが折り返された状態でカバーシート4Fと通気路形成シート11Fとを接合する接合部分Sは、図4において(A)で示される図を見ると判るように、図1に示した前身頃領域1Fの上側の縁に対し直角の方向に延在する直線状の形態となっている。接合部分Sは、平行に複数設けられており、更に各間隔が大小交互となるように設けられている。よって、接合部分Sは、図4を見ると判るように、二重線が等間隔で並ぶような形態となっている。したがって、各接合部分Sは、糸ゴム4F2,4R2等に対して直交している。接合部分Sによって構成される二重線が等間隔で並ぶような形態を採ることにより、図4において(D)で示されるように、収縮後のウェストギャザー3Rにひだが大小交互に形成される。これは、接合が各糸ゴムとシートを伸長した状態で行われ、その後に伸長状態が解かれてウェストギャザー3Rが糸ゴム4F2の収縮力で縮むと、二重線を構成する2つの接合部分Sの間という間隔の狭い部分でシートの撓みにより小さいひだが直線状に形成され、二重線同士の間という間隔の広い部分ではシートの撓みにより大きいひだが直線状に形成されるためである。接合部分S同士の間隔は、2〜50mmとすることが好ましく、5〜10mmとすることが特に好ましい。そして、ミシン目4F6が形成する通気孔は、接合部分Sに対する相対的な位置関係が如何なるものであってもよいが、各接合部分S同士の間の部分に対応する箇所に設けられていることが好ましく、各間隔が大小交互となるように並ぶ各接合部分S同士の間のうちの間隔が広い部分に対応する箇所に設けられていることが特に好ましい。なお、接合部分Sは、胴開口部2Tの縁に対し直角の方向に延在する形態に限定されるものでなく、斜めに延在する形態であってもよい。また、接合部分Sは、全てが互いに平行に設けられている必要は無く、例えば、おむつ1の中心や尿道口が当接する位置、或いは、肛門が当接する位置から略放射状に通気路が形成されるように、互いに略平行或いは非平行に設けられていてもよい。接合部分Sが、このようにおむつ1の中心や尿道口が当接する位置、或いは、肛門が当接する位置から略放射状の通気経路を形成するように設けられていれば、湿分の主要な発生源から外部への通気経路が略直線状に形成されることになるため、このような湿分の発生源で発生した湿分を速やかに外部へ排出することができる。
二重線が等間隔で並ぶような形態の接合部分Sが形成されることにより、収縮後のウェ
ストギャザー3Rにはシートの撓みにより形成される直線状のひだが大小交互に波型で形成される。よって、例えば、接合部分Sが等間隔で形成される場合に比べて、着用者の肌から通気路形成シート11Fを透過することなくおむつ1の外部へ直接繋がる換気経路がより大きく形成され、着用者の蒸れ感がより抑制される。
また、各接合部分Sは、図4の破線が示すイメージの通り、接合されていない非接合部分が離散的に存在する間欠的な破線状の形態となっている。これは、各ひだによって複数形成される換気経路同士の間の通気性の向上を図ることで、局部的な蒸れ感の抑制を狙ったものである。このような離散的な接合は、例えば、超音波接合で実現することができる。
図5は、ウェストギャザー3Rが収縮し、通気路形成シート11Fが各接合部分S同士の間で撓むことにより波型に変形した状態を示した図である。本実施形態のおむつ1では、前身頃領域1Fの上側の縁を形成することになるカバーシート4Fのミシン目4F6が、直線状に入れられた細かい切れ目によって形成される点線状の通気孔であるため、ウェストギャザー3Rが糸ゴム4F2の収縮力で縮むと、ミシン目4F6を形成する細かい切れ目が広がり、切れ目同士の間にあるつなぎ目4F6T以外の部分の開口部4F6K(本願でいう「通気孔」の一例である)が広がる。よって、本実施形態のおむつ1では、通気路形成シート11Fとカバーシート4Fとの間に形成される通気路(図5においてハーフトーンで示す空間)のみならず、カバーシート4Fがミシン目4F6を境に折り返されることによってカバーシート4F内に形成される通気路(図5においてハッチングで示す空間)が形成される。後身頃領域1Rも前身頃領域1Fと同様である。そして、カバーシート4F内は、糸ゴム4F2,4F3が配置されているものの、糸ゴム4F2,4F3は、上述したように、長手方向において離散的に塗布された接着剤によってカバーシート4Fに対し離散的に接着されているため、カバーシート4F内において糸ゴム4F2,4F3に交差する方向の通気路も確保されている。よって、本実施形態のおむつ1は、ミシン目4F6の部分に開口部4F6Kが形成されないものと比べると、ウェストギャザー3Rにおける通気性が高い。
なお、上記実施形態のおむつ1には、通気路形成シート11F,11Rが設けられていたが、通気路形成シート11F,11Rは省略してもよい。上記実施形態のおむつ1は、ミシン目4F6,4R6に沿って折り返されることによりカバーシート4F,4R内に形成される、糸ゴム4F2,4R2を内包している空間内を、ミシン目4F6,4R6が形成する開口部を通じて外気に連通しているため、当該空間内が通気路として機能する。通気路形成シート11F,11Rが省略される場合、おむつ1と着用者の腹囲との間からは、図5においてハーフトーンで示した通気路が無くなるため、通気路が2層から1層へ減ることになるが、ミシン目4F6,4R6が形成する開口部により、十分な通気性は確保される。そして、通気路形成シート11F,11Rが省略されれば、おむつ1の構成が簡素になるため、通気路形成シート11F,11Rが設けられている場合と同様の通気性をおむつ1と着用者の腹囲との間に確保しつつ、通気路形成シート11F,11Rを設ける場合よりも製造コストを削減することができる。
また、上記実施形態のおむつ1は、開口部4F6Kは、ミシン目4F6,4R6等によって形成される折り目の部分ではなく、当該折り目の近傍に設けられていてもよい。この場合、開口部4F6Kは、おむつ1の着用状態において外側へ向かって開口する位置に設けられることが、おむつ1の内外を連通して通気性を向上する観点から好ましい。このような位置としては、当該折り目から10mm以内がよく、5mm以内がより好適である。但し、開口部4F6Kを折り目の部分ではなくその近傍に設ける場合、カバーシート4F6,4R6内から開口部4F6Kへ向かう通気経路の進路が開口部4F6Kの手前で曲がる形になるため、通気性の観点に鑑みれば、開口部4F6Kは、ミシン目4F6,4R6
等によって形成される折り目の部分に形成されている方が、カバーシート4F6,4R6内から開口部4F6Kへ向かう通気経路の進路が直線状となり、通気性が極めて高くなる。
図5においてハッチングで示すカバーシート4F(4R)内の空間構造について、以下に詳述する。図6は、カバーシート4F内に形成される通気路の部位を示した図である。図6において、(A)で示す図はおむつ1の内側からウェストギャザー3Rを見た様子を示し、(C)で示す図は(A)の図で符号A−Aで示した線における断面の様子を示し、(D)で示す図は(A)の図で符号B−Bで示した線における断面の様子を示す。
上述したように、糸ゴム4F2,4F3は、カバーシート4Fに対し離散的に接着され或いは超音波溶着されている。また、接合部分Sは、図6に示すように、間隔を空けて平行に並んでいる。よって、開口を形成するミシン目4F6の折り返し部分で折り返されることで、カバーシート4F内に形成される内部空間には、糸ゴム4F2,4F3の収縮により、図6(C)に示すような狭小部分と、図6(D)に示すような非狭小部分とが生ずる。狭小部分では、カバーシート4Fが接合部分Sによって接合されているため、図6(C)に示されるように、カバーシート4F内に空間が殆ど形成されない。一方、非狭小部分では、カバーシート4Fや糸ゴム4F2が接合部分Sによって接合されていないため、図6(D)に示されるように、カバーシート4F内に空間が形成される。よって、当該非狭小空間においては、図6(D)において破線の矢印で示すような、ミシン目4F6によっておむつ1の上側の縁に形成される開口を通じた通気が行われる。したがって、カバーシート4F内とミシン目4F6を通じた通気により、着用状態におけるおむつ1内外の通気性が、ミシン目4F6が存在しないおむつよりも高くなる。カバーシート4Rにおいても同様である。
なお、図6(D)に示す非狭小部分は、接合部分Sが胴開口部2Tの縁に対し直角の方向に延在する場合、換言すると、接合部分Sがおむつ1の長手方向に沿って延在する場合に、通気経路としての機能を最も効果的に発揮する。しかし、当該非狭小部分は、接合部分Sがおむつ1の長手方向に対して斜め方向に延在する場合、通気経路としての機能と、当該通気経路を通じたおむつ1内からの水分の漏出抑制機能の両方の機能を発揮することが可能となる。水分の漏出抑制機能は、おむつ1の長手方向に対する接合部分Sの傾斜角が増すに従って増大する。
また、図6(D)に示す非狭小部分には、当該非狭小部分に水分が流入した際に当該水分がミシン目4F6,4R6から漏出するのを抑制するための拡幅部分が存在していてもよい。このような拡幅部分が非狭小部分に存在していれば、当該非狭小部分に水分が流入した際、当該水分が拡幅部分に溜まるため、当該水分がミシン目4F6,4R6を通って非狭小部分から漏出するのを抑制することができる。また、このような拡幅部分が非狭小部分に存在していれば、ウェストギャザー3Rの伸縮に伴って当該拡幅部分も拡縮するため、非狭小部分内の容積がウェストギャザー3Rの伸縮に伴って大きく変動し、非狭小部分内の換気が促進される。このような拡幅部分は、ミシン目4F6を境に折り返したカバーシート4Fに、例えば、ミシン目4F6と平行に延在する波型のひだを形作った状態で、接合部分Sを設けることにより、形成することができる。
ところで、おむつ1は、例えば、以下のような通気孔が設けられることにより、吸収体8と着用者との間の空間(以下、「吸収体側空間」という)とカバーシート4F内の空間とを連通するものであってもよい。
図7は、吸収体側空間とカバーシート4F内の空間とを連通する通気孔の一例を示した図である。図7に示されるように、例えば、吸収体8の長手方向端部付近において、イン
ナーカバーシート5Fやパッドカバーシート6、バックシート7、カバーシート4F、通気路形成シート11Fを貫通する通気孔12を設ければ、カバーシート4F内の空間と吸収体側空間との間が当該通気孔12によって連通される。よって、着用状態におけるおむつ1の内部空間の空気は、離散的に形成される接合部分Sによって通気路形成シート11Fに波型に形成されるひだによる第1の通気経路の他、図7において破線で示されるように、通気孔12からカバーシート4F内の非狭小部分を通ってミシン目4F6の開口へ通じる第2の通気経路を通っておむつ1の外へ排出される。したがって、通気孔12が無いものに比べて、着用状態におけるおむつ1内外の通気性がより向上する。なお、通気孔12は、吸収体8の長手方向端部付近に設けられる形態に限定されるものではない。通気孔12は、カバーシート4F内と吸収体側空間とを連通可能であれば、如何なる箇所に設けられていてもよい。また、図7では、通気孔12を前身頃領域1F側に設ける形態が図示されていたが、通気孔12は、後身頃領域1R側に設けてもよいし、前身頃領域1F側と後身頃領域1R側の両方に設けてもよい。
また、吸収体側空間とカバーシート4F内の空間とを連通する経路は、上記のような通気孔12に限定されるものではない。例えば、図7において通気孔12が形成されている部位、すなわち、カバーシート4Fの吸収体側端部が、バックシート7と非接合状態になっており、当該非接合状態の部分を通じて吸収体側空間とカバーシート4F内の空間とが連通していてもよい。図8は、非接合状態の部分の一例を示した図である。例えば、図8に示されるように、カバーシート4Fの吸収体側端部が、バックシート7と非接合状態になることで非接合部分13が形成されていれば、着用状態におけるおむつ1の内部空間の空気は、当該非接合部分13を通じて吸収体側空間からカバーシート4F内を通ってミシン目4F6の開口へ通じる通気経路を通っておむつ1の外へ排出される。
また、おむつ1は、ミシン目4F6,4R6、通気孔12或いは非接合部分13によって形成される通気経路を通じたおむつ1内の通気性の向上を更に向上させるべく、例えば、おむつ1の内面と着用者の肌表面との間に空間を形成するための凹部をおむつ1の内面に形成するようにしてもよい。このような凹部が、例えば、前身頃領域1F或いは後身頃領域1Rに形成されれば、当該凹部によって形成される空間の拡縮等に伴うポンプ機能も相まって、ミシン目4F6,4R6、通気孔12或いは非接合部分13によって形成される通気経路を通じたおむつ1内の空気の排出が促進される。
図9は、凹部によって形成される空間が発揮するポンプ機能を解説した図である。おむつ1が内面に凹部を有している場合、例えば、図9に示されるように、着用者14が当該おむつ1を着用すると、おむつ1の内面と着用者14との間に凹部空間15が形成される。当該凹部空間15は、図9(A)及び図9(B)に示されるように、着用者14の下肢の動きに応じて拡縮する。凹部空間15が拡縮すると、凹部空間15の拡縮がポンプ効果を発揮し、通気路形成シート11F,11Rのひだによって形成される通気経路や、ミシン目4F6,4R6、通気孔12或いは非接合部分13によって形成される通気経路を通じて、おむつ1の内外で空気が流通する。このような凹部空間15は、例えば、ウェストギャザー3Rの少なくとも一部を、図9に示すように折り返し構造とすることにより形成可能である。
なお、凹部空間15は、通気孔12或いは非接合部分13によって形成される通気経路に連通していることが好ましい。このような箇所としては、例えば、通気孔12或いは非接合部分13が設けられている部位である吸収体8の長手方向端部付近が挙げられる。
また、おむつ1は、凹部空間15が着用者14の下肢の動きに応じて拡縮しやすいように、例えば、凹部空間15に対応する部位に糸ゴムを備えていてもよい。おむつ1の凹部空間15に対応する部位に糸ゴムが設けられていれば、着用者14の下肢の動きに応じて
凹部空間15が拡張した後に、当該糸ゴムによって凹部空間15が縮小するため、凹部空間15の拡縮が促進され、より高いポンプ機能が発揮される。当該糸ゴムは、例えば、凹部空間15が吸収体8の長手方向端部付近にある場合には、吸収体8の長手方向端部に重畳するように配されることになる。
ところで、凹部空間15は、次のような作用効果を副次的に発揮可能である。すなわち、凹部空間15が吸収体8の長手方向端部付近に設けられる場合、通気路形成シート11F,11Rの股下領域1B側の端部が当該凹部空間15内に位置することになる。よって、通気路形成シート11F,11Rの股下領域1B側の端部が当該凹部空間15内で起立することにより、当該通気路形成シート11F,11Rの端部が便等のストッパーとして機能し得る。通気路形成シート11F,11Rの股下領域1B側の端部が凹部空間15内で起立しやすいように、当該端部をおむつ1の幅方向に収縮させるゴム等の収縮手段が設けられていてもよい。
1・・おむつ
1B・・股下領域
1F・・前身頃領域
1R・・後身頃領域
2T・・胴開口部
2L・・左下肢開口部
2R・・右下肢開口部
3BL,3BR・・立体ギャザー
3R・・ウェストギャザー
4F,4R・・カバーシート
4F2,4F3,4F4,4F5,4R2,4R3,4R4,4R5,10L1,10R1・・糸ゴム
4F6,4R6・・ミシン目
4F6K・・開口部
4F6T・・つなぎ目
10L2,10R2・・折り返し線
4F7,4F8,4R7,4R8・・縁
5F,5R・・インナーカバーシート
6・・パッドカバーシート
7・・バックシート
8・・吸収体
9・・センターシート
10L,10R・・サイドシート
11F,11R・・通気路形成シート
11F1,11R1・・通気孔
12・・通気孔
13・・非接合部分
14・・着用者
15・・凹部空間
S・・接合部分

Claims (8)

  1. 着用者の股下に配置される吸収体と、
    積層した複数のシートの間に前記吸収体を挟んでおり、前記着用者の胴回りが配置される胴開口部を形成し得る積層体と、
    前記胴開口部を収縮させる伸縮部材を、前記胴開口部を形成する部分に内包したカバーシートと、を備え、
    前記カバーシートは、前記胴開口部の縁の部分で折り返されることにより、前記伸縮部材を内包する内包空間を形成すると共に、折り返し部分の折り目又はその近傍に前記カバーシートを貫通することで前記内包空間を外と連通する連続的な通気孔を有し、
    前記伸縮部材は、前記折り返し部分のうち少なくとも前記通気孔が設けられている部分である前記内包空間において前記折り返し部分と平行に配置される糸状のゴムであり、前記内包空間内において前記カバーシートに対し離散的に接合されており、
    前記カバーシートは、前記着用者の胴回りの少なくとも一部において胴回り方向に向かって間隔を空けて平行に並ぶ複数の線状の接合部分によって、前記折り返し部分の両側が互いに接合されている、
    吸収性物品。
  2. 前記カバーシートは、前記折り目に前記通気孔を有する、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記線状の接合部分は、前記胴回り方向に対し斜めに並ぶ、
    請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記線状の接合部分同士の間に形成される非接合部分には、拡幅部分が設けられている、
    請求項1から3の何れか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記積層体の前記着用者の肌が接触する面のうち少なくとも前記伸縮部材によって収縮する収縮部が備わる部位に対し、前記着用者の胴回り方向に向かって間隔を空けて平行に並ぶ複数の線状の接合部によって接合されるシートであり、前記収縮部の収縮によって非
    接合部分が撓んで波型に変形することで通気路を形成する通気路形成シートを更に備える、
    請求項1から4の何れか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記通気路形成シートは、股下領域の側の端部が起立する、
    請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 前記カバーシートは、前記吸収性物品が前記着用者に着用された状態において該吸収性物品の内側に位置する前記折り返し部分の吸収体側端部に、前記吸収性物品と前記着用者との間にある空間と前記通気孔とを連通するための非接合部分を有する、
    請求項1から6の何れか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記カバーシートは、前記吸収性物品が前記着用者に着用された状態において該吸収性物品の内側に位置する前記折り返し部分に、前記吸収性物品と前記着用者との間にある空間と前記通気孔とを連通するための第2の通気孔を有する、
    請求項1から7の何れか一項に記載の吸収性物品。
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