JP6777137B2 - 負極 - Google Patents

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Description

本開示は負極に関する。
特開2005−203370号公報(特許文献1)は、活物質材料と、合成ゴム系ラテックス型バインダ、セルロース系バインダおよびアクリルアミド系水溶性高分子を含むバインダとを含有する負極を開示している。
特開2005−203370号公報
リチウムイオン電池の負極活物質として珪素材料が検討されている。珪素材料は大きい比容量を有し得る。ただし珪素材料は充放電に伴う体積変化が大きい傾向がある。
一般に負極は負極活物質層を含む。負極活物質層は、負極活物質等がバインダよって固められることにより形成されている。負極活物質が珪素材料を含む場合、バインダが珪素材料の体積変化に追従できないため、充放電の繰り返しに伴って、負極活物質層の崩壊が進行すると考えられる。そのためサイクル特性が低下すると考えられる。
本開示の目的はサイクル特性の向上にある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
負極は負極活物質層を含む。負極活物質層は負極活物質およびバインダを含む。負極活物質は珪素材料を含む。バインダは第1成分および第2成分を含む。第1成分はポリアクリルアミドからなる。第2成分はカルボキシメチルセルロースおよびポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種からなる。ポリアクリルアミドは500万以上1800万以下の重量平均分子量を有する。第2成分に対する第1成分の質量比は0.15以上0.25以下である。
本開示のバインダは第1成分および第2成分を含む。第1成分はポリアクリルアミド(PAAm)からなる。第2成分はカルボキシメチルセルロース(CMC)およびポリアクリル酸(PAA)からなる群より選択される少なくとも1種からなる。
第1成分(PAAm)に含まれる窒素原子(N)と、第2成分(CMC、PAA)に含まれる水素原子(H)とは、水素結合を形成し得る。水素結合により、第1成分と第2成分とは、複合体を形成し得ると考えられる。
PAAmは500万以上の重量平均分子量(Mw)を有する。これにより複合体の塊において、分子鎖同士のつなぎ目の個数が減少すると考えられる。さらに第2成分に対する第1成分の質量比が0.15以上0.25以下である。該量的関係が満たされることにより、好適量の水素結合が形成されると考えられる。
以上の作用の相乗により、本開示のバインダは、大きな変形の繰り返しに対して耐性を示すことが期待される。珪素材料の体積変化に伴う変形にバインダが耐え得るため、負極活物質層の崩壊が抑制されることが期待される。すなわちサイクル特性の向上が期待される。
ただしPAAmのMwの上限は1800万である。PAAmのMwが大きくなる程、複合体の塊において分子鎖同士のつなぎ目の個数が減少し、サイクル特性が向上することが期待される。しかし本開示の知見によれば、サイクル特性の向上効果は、1800万程度のMwで飽和する傾向がある。PAAmのMwが1800万を超えても、更なるサイクル特性の向上は期待できないと考えられる。またPAAmのMwが大きくなる程、負極塗料(負極活物質層の前駆体)の性状が変化する。負極塗料の性状変化により、負極活物質層の形成が困難になる可能性もある。
図1は本実施例の電池の構成を示す第1概略図である。 図2は本実施例の電池の構成を示す第2概略図である。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」と記される)が説明される。ただし以下の説明は、特許請求の範囲を限定するものではない。
《負極活物質層》
本実施形態の負極は負極活物質層を含む。負極は実質的に負極活物質層のみからなっていてもよい。負極活物質層は例えば10μm以上200μm以下の厚さを有していてもよい。
負極活物質層を含む限り、負極はその他の構成をさらに含んでいてもよい。例えば負極は負極集電体をさらに含んでいてもよい。すなわち負極活物質層は例えば負極集電体の表面に配置されていてもよい。負極集電体は電子伝導性の電極基材である。負極集電体は例えば銅(Cu)箔等であってもよい。負極集電体は例えば5μm以50μm以下の厚さを有していてもよい。
負極活物質層は負極活物質およびバインダを含む。負極活物質層は実質的に負極活物質およびバインダのみからなっていてもよい。負極活物質およびバインダを含む限り、負極活物質層はその他の成分をさらに含んでいてもよい。負極活物質層は例えば導電材等をさらに含んでいてもよい。
《負極活物質》
負極活物質層は例えば80質量%以上99.9質量%以下の負極活物質を含んでいてもよい。負極活物質層は例えば90質量%以上99.9質量%以下の負極活物質を含んでいてもよい。負極活物質層は例えば95質量%以上99質量%以下の負極活物質を含んでいてもよい。
「負極活物質」は電池の充放電反応に関与する物質である。本実施形態の負極活物質は珪素材料を含む。本実施形態の「珪素材料」は、珪素を含み、かつリチウムと合金を形成し得る材料を示す。珪素材料は、例えば珪素(単体)、酸化珪素および珪素基合金(例えばSi−Cu合金、Si−Sn合金、Si−Ni合金、Si−Ti合金等)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
本実施形態の「酸化珪素」は珪素(Si)および酸素(O)を含む化合物を示す。
酸化珪素は例えば下記式:
SiOx
(ただし式中、xは0<x<2を満たす)
により表される化学組成を有していてもよい。上記式中、xは例えば0.5≦x≦1.5を満たしていてもよい。
珪素材料は典型的には粒子群(粒子の集合体)である。珪素材料は例えば1μm以上30μm以下のd50を有していてもよい。本実施形態の「d50」は体積基準の粒子径分布において微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒子径を示す。d50は例えばレーザ回折式粒子径分布測定装置等により測定され得る。珪素材料は例えば1μm以上10μm以下のd50を有していてもよい。
珪素材料を含む限り、負極活物質はその他の材料をさらに含んでいてもよい。負極活物質は例えば黒鉛材料をさらに含んでいてもよい。本実施形態の「黒鉛材料」は黒鉛結晶を含む材料を示す。黒鉛結晶は炭素六角網面が積層された構造を含む。炭素六角網面同士の間隔等は特に限定されるべきではない。したがって本実施形態の黒鉛材料は例えば黒鉛、易黒鉛化性炭素および難黒鉛化性炭素からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。黒鉛材料は黒鉛結晶を含む限り、例えば無定形炭素をさらに含んでいてもよい。例えば黒鉛材料は、黒鉛粒子の表面が無定形炭素によって被覆された複合材料を含んでいてもよい。
黒鉛材料は典型的には粒子群である。黒鉛材料は例えば1μm以上30μm以下のd50を有していてもよい。黒鉛材料は例えば10μm以上20μm以下のd50を有していてもよい。
負極活物質が珪素材料および黒鉛材料の両方を含む場合、珪素材料および黒鉛材料は、例えば「珪素材料:黒鉛材料=1:99〜99:1(質量比)」の関係を満たしていてもよい。珪素材料および黒鉛材料は、例えば「珪素材料:黒鉛材料=1:99〜30:70(質量比)」の関係を満たしていてもよい。珪素材料および黒鉛材料は、例えば「珪素材料:黒鉛材料=5:99〜20:80(質量比)」の関係を満たしていてもよい。
《バインダ》
負極活物質層は例えば0.1質量%以上20質量%以下のバインダを含んでいてもよい。負極活物質層は例えば0.1質量%以上10質量%以下のバインダを含んでいてもよい。負極活物質層は例えば1質量%以上5質量%以下のバインダを含んでいてもよい。
「バインダ」は負極活物質同士を結合し、負極活物質層を固める作用を有する。本実施形態のバインダは第1成分および第2成分を含む。本実施形態のバインダでは、水素結合により、第1成分と第2成分とが複合体を形成していると考えられる。これにより本実施形態のバインダは、大きな変形の繰り返しに対して耐性を示すと考えられる。
(第1成分)
第1成分はPAAmからなる。PAAmに含まれるNは、水素結合に関与すると考えられる。本実施形態のPAAmは500万以上1800万以下の重量平均分子量(Mw)を有する。Mwが500万以上であることにより、サイクル特性の向上が期待される。サイクル特性の向上効果は1800万程度のMwで飽和する傾向がある。
「Mw」は例えばサイズ排除クロマトグラフィ(size exclusion chromatography,SEC)、マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析法(matrix assisted laser desorption/ionization−time of flight mass spectrometry,MALDI−TOF/MS)等により測定され得る。SECにより測定されたMwと、MALDI−TOF/MSにより測定されたMwとが異なる場合は、大きい方のMwが採用される。
(第2成分)
第2成分はCMCおよびPAAからなる群より選択される少なくとも1種からなる。すなわち第2成分はCMCのみからなっていてもよい。第2成分はPAAのみからなっていてもよい。第2成分はCMCおよびPAAからなっていてもよい。CMCおよびPAAに含まれるHは、水素結合に関与すると考えられる。
本実施形態では、第2成分に対する第1成分の質量比が0.15以上0.25以下である。該量的関係が満たされることにより、好適量の水素結合が形成されると考えられる。
第2成分に対する第1成分の質量比は下記式:
質量比=(PAAmの質量)÷{(CMCの質量)+(PAAの質量)}
により算出される。小数第3位以下は四捨五入される。
該質量比が0.015未満であると、サイクル特性が低下する可能性がある。該質量比が0.25を超えてもサイクル特性が低下する可能性がある。該質量比は例えば0.2以上であってもよい。これによりサイクル特性の向上が期待される。
CMCは酸型であってもよい。CMCは金属塩、アンモニウム塩等であってもよい。例えばCMCはナトリウム(Na)塩であってもよい。CMCは例えば1万以上100万以下のMwを有していてもよい。
PAAは酸型であってもよい。PAAは金属塩、アンモニウム塩等であってもよい。例えばPAAはNa塩であってもよい。PAAは例えば1万以上100万以下のMwを有していてもよい。例えば負極塗料の乾燥時に、PAAmとPAAとの間で脱水縮合が起こってもよい。これによりサイクル特性が向上する可能性もある。
第2成分にCMCおよびPAAの両方が含まれる場合、CMCおよびPAAは例えば「CMC:PAA=2:1〜1:2(質量比)」の関係を満たしていてもよい。第2成分にCMCおよびPAAの両方が含まれることにより、例えば負極塗料のポットライフの向上、塗布性の向上等が期待される。
(第3成分)
本実施形態のバインダは第1成分および第2成分に加えて、第3成分をさらに含んでいてもよい。第3成分は例えばジエン系ゴム等を含んでいてもよい。ジエン系ゴムは例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等を含んでいてもよい。バインダに第1成分、第2成分および第3成分が含まれる場合、第1成分、第2成分および第3成分は例えば「(第1成分+第2成分):第3成分=1:3〜3:1(質量比)」の関係を満たしていてもよい。
《導電材》
負極活物質層は負極活物質およびバインダに加えて、例えば導電材をさらに含んでいてもよい。負極活物質層は、例えば0.1質量%以上20質量%以下の導電材を含んでいてもよい。導電材は特に限定されるべきではない。導電材は例えばカーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、気相成長炭素繊維(VGCF)およびグラフェンフレークからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
以下本開示の実施例(本明細書では「本実施例」と記される)が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<負極および電池の製造>
以下のように各種負極および電池が製造された。
《実施例1》
1.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質
黒鉛材料:黒鉛(d50=15μm)
珪素材料:SiO(d50=5μm)
バインダ
第1成分:PAAm(Mw=500万)
第2成分:CMC、PAA
第3成分:SBR
負極集電体:Cu箔(厚さ=10μm)
分散媒:水
86質量部の黒鉛、10質量部のSiO、0.5質量部のPAAm、1質量部のCMC、1.5質量部のPAAおよび水が混合されることにより、分散液が調製された。分散液にSBRが追加され、分散液がさらに混合された。これにより負極塗料が調製された。負極塗料が12時間静置された。静置後、負極塗料の性状に大きな変化は見られなかった。
負極塗料が負極集電体の表面に塗布され、乾燥されることにより、負極活物質層が形成された。さらに負極活物質層が圧縮された。以上より負極原反が製造された。本実施例において負極活物質層は75g/m2の目付量および1.5g/cm3の密度を有する。
負極原反から負極が切り出された。負極にリードタブが溶接された。リードタブはニッケル(Ni)製である。本実施例の負極において、負極活物質層は31mm×31mmの平面寸法を有する。
2.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi0.33Co0.34Mn0.332(NCM)(d50=20μm)
導電材:アセチレンブラック(AB)
バインダ:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
分散媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体:アルミニウム(Al)箔(厚さ=15μm)
95質量部のNCM、2.5質量部のAB、2.5質量部のPVDFおよびNMPが混合されることにより、正極塗料が調製された。正極塗料が正極集電体の表面に塗布され、乾燥されることにより、正極活物質層が形成された。さらに正極活物質層が圧縮された。以上より正極原反が製造された。本実施例において正極活物質層は230g/m2の目付量および3.4g/cm3の密度を有する。
正極原反から正極が切り出された。正極にリードタブが溶接された。リードタブはAl製である。本実施例の正極において、正極活物質層は30mm×30mmの平面寸法を有する。
3.組み立て
図1は本実施例の電池の構成を示す第1概略図である。図2は本実施例の電池の構成を示す第2概略図である。
セパレータ30を挟んで正極10と負極20とが対向するように、これらが積層された。これにより電極群50が形成された(図1を参照のこと)。
本実施例においてセパレータ30は20μmの厚さを有する。セパレータは3層構造を有する。3層構造は、ポリエチレン(PE)層、ポリプロピレン(PP)層およびPE層がこの順序で積層されることにより形成されている。
ケース90が準備された。ケース90はアルミラミネートフィルム製である。ケース90は収納部91と蓋部92とを含む。電極群50が収納部91内に配置された。1gの電解液が収納部91内に注入された。電解液は以下の成分からなる。
支持塩:LiPF6(濃度=1mоl/L)
溶媒:「エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:3(体積比)」
減圧環境下で、電解液が電極群50に含浸された。真空シーラにより、収納部91の周縁と蓋部92の周縁とが溶着された。これによりケース90が密封された。以上より電池100が製造された(図2を参照のこと)。本実施例の電池100はラミネート型リチウムイオン電池である。
《実施例2および3》
下記表1に示されるように、PAAmとPAAとの量的関係が変更されることを除いては、実施例1と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。下記表1において「第1成分/第2成分 質量比」は「第2成分に対する第1成分の質量比」を示している。
《実施例4》
1800万のMwを有するPAAmが使用されることを除いては、実施例1と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。
《比較例1》
下記表1のバインダ配合とされることを除いては、実施例1と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。比較例1では、バインダに第1成分(PAAm)が含まれていない。
《比較例2》
下記表1のバインダ配合とされることを除いては、実施例1と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。比較例2では、20万のMwを有するPAAmが使用されている。
《比較例3》
500万のMwを有するPAAmが使用されることを除いては、比較例2と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。
《比較例4》
1800万のMwを有するPAAmが使用されることを除いては、比較例2と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。
《比較例5》
下記表1のバインダ配合とされることを除いては、実施例1と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。
《比較例6》
下記表1のバインダ配合とされることを除いては、実施例1と同様に負極が製造された。さらに実施例1と同様に電池が製造された。比較例6では、バインダに第1成分(PAAm)が含まれていない。
《比較例7》
下記表1のバインダ配合とされることを除いては、実施例1と同様に負極の製造が試みられた。比較例7では、バインダに第2成分(CMC、PAA)が含まれていない。負極塗料の固形分比率は50質量%である。
比較例7では、負極塗料の調製後、1時間程度で分散質が沈降していた。負極塗料が再攪拌されたが、分散状態は安定しなかった。そのため所定品質の塗膜が形成されなかった。比較例7では電池評価に値する負極が得られなかった。
<評価>
《剥離強度》
90度剥離試験により、負極活物質層の剥離強度が測定された。結果は下記表1に示される。
《サイクル特性》
ケースの密封後、電池が12時間静置された。静置後、CCCV充電(CC電流=5mA、CV電圧=4.2V、カットオフ電流=2.5mA)により、電池が充電された。充電後、CC放電(CC電流=5mA、カットオフ電圧=2.5V)により電池が放電された。このときの放電容量が初期容量である。各電池の初期容量は、いずれも大凡28mAhであった。
同充放電条件により、充放電サイクルが50サイクル繰り返された。50サイクル目の放電容量が初期容量で除されることにより、容量維持率が算出された。結果は下記表1に示される。容量維持率が高い程、サイクル特性が向上していると考えられる。
Figure 0006777137
<結果>
1.比較例1、比較例2、比較例4、実施例1
比較例1および比較例2の結果から、CMCおよびSBRの一部がPAAmで置換されることにより、サイクル特性および剥離強度が向上する傾向がみられる。
実施例1は比較例4に対してサイクル特性が大幅に向上している。実施例1は比較例4に対して剥離強度が小幅に向上している。実施例1および比較例4でみられる傾向は、比較例1および比較例2でみられる傾向と異なっている。本実施例におけるサイクル特性の向上は、剥離強度の向上と直接関係がないと考えられる。
2.比較例2、比較例3、比較例4、実施例1
PAAmのMwが20万から500万に変更されることにより、サイクル特性が向上する傾向がみられる。しかしPAAmのMwが500万から1800万に変更されても、サイクル特性の向上幅は小さい。
2質量部のPAAmのうち、1.5質量部がPAAで置換されることにより、サイクル特性が大幅に向上する傾向がみられる。
3.実施例1、実施例2、実施例3、比較例5、比較例6
第2成分に対する第1成分の質量比が0.15以上0.25以下である範囲において、サイクル特性が大幅に向上する傾向がみられる。
4.実施例3、4
実施例3(PAAmのMw=500万)および実施例4(PAAmのMw=1800万)は、いずれも良好なサイクル特性を示している。ただし実施例4では、負極塗料の塗布時に塗膜に色斑がみられた。塗膜の色斑は塗布性の低下を示していると考えられる。
5.比較例7
バインダが第1成分(PAAm)を含み、かつ第2成分(CMC、PAA)を含まない場合、負極塗料のポットライフが短いため、生産性が低下する可能性があると考えられる。
本開示の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 正極、20 負極、30 セパレータ、50 電極群、90 ケース、91 収納部、92 蓋部、100 電池。

Claims (1)

  1. 負極活物質層を含み、
    前記負極活物質層は負極活物質およびバインダを含み、
    前記負極活物質は珪素材料を含み、
    前記バインダは第1成分および第2成分を含み、
    前記第1成分はポリアクリルアミドからなり、
    前記第2成分はカルボキシメチルセルロースおよびポリアクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種からなり、
    前記ポリアクリルアミドは500万以上1800万以下の重量平均分子量を有し、
    前記第2成分に対する前記第1成分の質量比は0.15以上0.25以下である、
    負極。
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