JP6776704B2 - 静電荷像現像用白色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、並びに、画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、従来から、電子写真方式の画像形成において、白色トナーを用いる技術が知られている。
特許文献1には、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む静電荷像現像用白色トナーによる白色トナー画像を、被転写体に形成する第1画像形成工程と、非晶性樹脂及び結晶性樹脂を含む静電荷像現像用有色トナーによる有色トナー画像を、被転写体に形成する第2画像形成工程と、前記被転写体に転写された前記白色トナー画像及び前記有色トナー画像を定着する定着工程と、を有し、前記静電荷像現像用白色トナーの前記結晶性樹脂に由来する吸熱量Q1と前記静電荷像現像用有色トナーの前記結晶性樹脂に由来する吸熱量Q2との比(Q1/Q2)が、0.2以上0.8以下である画像形成方法が記載されている。
特許文献2には、少なくとも結着樹脂と着色剤とワックスを必須成分とするトナーであって、前記トナー中の着色剤はトナー内部に行くほど密に存在し、前記トナー中のワックスはトナー表面に行くほど密に存在することを特徴とする静電潜像現像用負帯電トナーが記載されている。
結着樹脂と離型剤と白色顔料とを含むトナー粒子を有し、前記白色顔料の含有量が、前記トナー粒子全体に対して、30質量%以上であり、前記トナー粒子の体積平均粒径をdとした場合、前記トナー粒子の表面から重心方向における前記表面からの距離が0.075d以下の部分に、前記離型剤が、前記トナー粒子中の前記離型剤の全質量に対し、50質量%以上90質量%以下存在し、前記トナー粒子中における離型剤ドメインの最大フェレ径の平均が、0.05d以上0.15d以下である静電荷像現像用白色トナーである。
前記トナー粒子の表面から重心方向における前記表面からの距離が0.075d以下の部分に、前記離型剤が、前記トナー粒子中の前記離型剤の全質量に対し、60質量%以上85質量%以下存在する<1>に記載の静電荷像現像用白色トナーである。
前記離型剤の含有量が、前記トナー粒子全体に対して、2質量%以上10質量%以下である<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用白色トナーである。
前記白色着色剤の含有量が、前記トナー粒子全体に対して、30質量%以上60質量%以下である<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用白色トナーである。
<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用白色トナーを含む静電荷像現像剤である。
<1>乃至<4>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用白色トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
<5>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、<5>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える画像形成装置である。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、<5>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法である。
<3>によれば、離型剤の含有量が、トナー粒子全体に対して、2質量%未満であるか、又は、10質量%を超える場合に比べ、定着部材に対する定着画像の剥離性により優れる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
<4>によれば、白色着色剤の含有量が、前記トナー粒子全体に対して、30質量%未満であるか、又は、60質量%を超える場合に比べ、隠蔽性及び白色度に優れる画像が得られ、定着部材に対する定着画像の剥離性により優れる静電荷像現像用白色トナーが提供される。
なお、「質量部」及び「質量%」との記載は、それぞれ、「重量部」及び「重量%」と同義である。
本実施形態に係る静電荷像現像用白色トナー(単に「白色トナー」又は「トナー」とも称する)は、結着樹脂と離型剤と白色顔料とを含むトナー粒子を有し、前記白色顔料の含有量が、前記トナー粒子全体に対して、30質量%以上であり、前記トナー粒子の体積平均粒径をdとした場合、前記トナー粒子の表面から重心方向における前記表面からの距離が0.075d以下の部分に、前記離型剤が、前記トナー粒子中の前記離型剤の全質量に対し、50質量%以上90質量%以下存在し、前記トナー粒子中における離型剤ドメインの最大フェレ径の平均が、0.05d以上0.15d以下である。
また、同じく高い隠蔽力及び白色度を達成するには、白色トナー画像の単位面積当りトナー重量(以下、「トナー載り量」又は「TMA」:toner mass areaとも称する)を通常のカラートナーよりも増量する必要があるが、高TMA画像も前記と同様に、定着部材からの熱が画像深部まで伝わり難く、トナー粒子内部に存在する離型剤が定着時に染み出し難くなる。
更に、白色顔料の含有量が通常のカラートナーより多い白色トナーでは、白色顔料により、定着時にトナーの粘度が下がり難く、定着部材からの熱が画像深部まで伝わり難い場合がある。
隠蔽性が求められる白色トナーにおいて、白色顔料の添加量は一般的なカラートナーより多いことが求められるが、通常のカラートナーと同様の手順で離型剤を添加しても、トナー粒子中の顔料分散構造が大きく異なるために、トナー粒子の造粒中の離型剤ドメイン形成が阻害されて、離型効果が得られない場合がある。
なお、離型剤をできるだけ表層に寄せることにより、通常のカラートナーに比べて、画像中に、トナー粒子の表層部分より形成される白色顔料の存在しない空白領域を最小化し、かつ定着時の染み出しを促進する最適な構造が得られる。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用白色トナーは、定着部材に対する定着画像の剥離性の観点から、前記表面からの距離が0.050d以下の部分に、離型剤が前記範囲の量存在することが好ましい。
なお、本実施形態における「最大フェレ径」とは、2本の平行線で挟まれた粒子図形の最大の距離である。
前記離型剤ドメインの最大フェレ径の平均は、定着部材に対する定着画像の剥離性の観点から、0.08d以上0.15d以下であることが好ましく、0.10d以上0.15d以下であることがより好ましい。
まず、トナー粒子をビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤を用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機、例えばLEICAウルトラミクロトーム((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。更に、この観察用サンプルを四酸化ルテニウム雰囲気下となっているデシケーター内に放置し、染色を行う。染色の判断は、同時に放置したテープの染色具合により判断する。この様にして染色された観察サンプルを走査型透過電子顕微鏡(STEM)により観察する。
なお、トナーサンプルは四酸化ルテニウムで染色されているため、結着樹脂部分(離型剤及び着色剤以外の領域)や離型剤の部分が、染色の濃淡の違いや形状から判別される。トナー内部の棒状、塊状に存在し、より白いコントラストの部分を離型剤と判断する。
前記観察サンプルのトナー粒子の断面において、画像処理ソフトでトナー粒子20個を抽出し、トナー粒子の体積平均粒径をdとした場合、トナー粒子中の全離型剤の面積量に対して、トナー粒子の表面から重心方向における前記表面からの距離が0.075d以下の部分の離型剤の面積割合を測定し、平均値で示す。
また、前記観察サンプルのトナー粒子の断面において、画像処理ソフトでトナー粒子20個を抽出し、トナー粒子の体積平均粒径をdとした場合におけるトナー粒子中における離型剤ドメインの最大フェレ径を測定し、平均値で示す。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子は、結着樹脂と、離型剤と、白色顔料と、必要に応じて、その他添加剤と、を含んで構成される。
白色顔料として具体的には、例えば、無機顔料(例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネートカオリン、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、及び、スメクサイト等)、有機顔料(例えば、ポリスチレン樹脂粒子、及び、尿素ホリマリン樹脂粒子等)が挙げられる。
白色顔料は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上100,000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−2100)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
本実施形態に係る静電荷像現像用白色トナーの製造方法は、本実施形態に係る白色トナーを製造する方法であれば、特に制限はないが、凝集合一法により製造する方法であることが好ましい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
樹脂粒子分散液と白色顔料粒子分散液を少なくとも混合して凝集し第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と;
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液と、樹脂粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを混合し、第1凝集粒子の表面に樹脂粒子及び離型剤粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と;
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を加熱し、第2凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と;
を含む製造方法であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用白色トナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得ることがよい。すなわち、本実施形態に係る静電荷像現像用白色トナーの製造方法は、前記トナー粒子に外添剤を外添する工程を更に含むことが好ましい。
なお、以下の説明では、白色顔料、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、白色顔料、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、白色顔料、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、白色顔料粒子が分散された白色着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と、白色顔料分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と白色顔料粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と白色顔料粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
なお、必要に応じて離型剤粒子分散液も混合し、第1凝集粒子に離型剤粒子を含ませてもよい。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、第1凝集粒子分散液と、樹脂粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を更に混合する。樹脂粒子分散液と離型剤粒子分散液とは予め混合しておき、この混合液を第1凝集粒子分散液に混合してもよい。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を、例えば、ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上(例えば、ポリエステル樹脂のガラス転移温度より10℃乃至50℃高い温度以上)に加熱して、第2凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を得た後、当該第2凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、を更に混合し、第2凝集粒子の表面に更に樹脂粒子を付着するように凝集して、第3凝集粒子を形成する工程と、第3凝集粒子が分散された第3凝集粒子分散液に対して加熱をし、第3凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、白色(W)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第5の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、10W(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10K、10Wは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10K、10Wは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Wの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4K、4Wのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8K、8Wに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、白色の各トナーの供給がなされる。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5K、5Wには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3Yからレーザ光線を照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第5のユニット10M、10C、10K、10Wを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性を更に向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
−結晶性ポリエステル樹脂の合成−
加熱乾燥した三口フラスコに、1,12−ドデカンジカルボン酸266部、及び、1,10−デカンジオール169部と、触媒としてテトラブトキシチタネートを0.035部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、更に窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い2.5時間撹拌し、粘稠な状態となったところで樹脂酸価を測定し、樹脂酸価が15.0mgKOH/gになったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)を前述の方法にて測定したところ13,000であった。また、得られた結晶性ポリエステル樹脂の融解温度を、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ73℃であった。
次に、得られた結晶性ポリエステル樹脂を180部、及び、脱イオン水585部をステンレスビーカーに入れ、温浴につけ、95℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂が溶融した時点で、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて8,000rpmで撹拌し、同時に希アンモニア水を添加しpHを7.0に調整した。ついでアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンR)0.8部を希釈した水溶液20部を滴下しながら、乳化分散を行い、体積平均粒子径が0.23μmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(樹脂粒子濃度:40質量%)を調製した。
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル74部、テレフタル酸ジメチル192部、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物216部、エチレングリコール38部と、触媒としてテトラブトキシチタネート0.037部とを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち撹拌しながら昇温した後、160℃で約7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧(大気圧、以下同様)に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し1時間保持することにより非晶性ポリエステル樹脂を合成した。なお、1Torr=(101,325/760)Paである。
得られた非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度を、前述の測定方法により示差走査熱量系(DSC)を用いて測定したところ、60℃であった。得られた非晶性ポリエステル樹脂の分子量を前述の測定方法によりGPCを用いて測定したところ、重量平均分子量(Mw)は12,000であった。また、得られた非晶性ポリエステル樹脂の酸価を測定したところ、25.0mgKOH/gであった。
次に、得られた非晶性ポリエステル樹脂を115部と、脱イオン水180部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンR)5部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(樹脂粒子濃度:40質量%)を調整した。
(白色顔料分散液W1の調製)
・白色顔料(酸化チタン、石原産業(株)製A−220、一次粒径0.16μm):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR):15部
・イオン交換水:400部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約3時間分散して、白色着色剤分散液W1を調製した。
得られた白色顔料分散液W1における着色剤(酸化チタン)の体積平均粒子径を、レーザー回折粒度測定器を用いて測定したところ、体積平均粒子径は0.240μmであった。また、白色顔料分散液の固形分比率は23質量%であった。
フィッシャートロプシュワックスFNP92(融解温度92℃:日本精蝋(株)製)90部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンR)3.6部と、イオン交換水360部とを混合し、100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液を得た。得られた離型剤粒子分散液内における離型剤粒子の体積平均粒子径を、レーザー回折粒度測定器を用いて測定したところ、体積平均粒子径は0.23μmであった。また、離型剤粒子分散液の固形分比率は20質量%であった。
離型剤をパラフィンワックスHNP9(融解温度72℃:日本精蝋(株)製)に変更した以外は同様の方法で、離型剤粒子分散液2を得た。
(白色トナー1の作製)
結晶性ポリエステル樹脂分散液を35.6部と、非晶性ポリエステル樹脂分散液を324.4部と、白色顔料分散液W1を525部と、離型剤粒子分散液を30.0部と、イオン交換水を612.8部と、を丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、希釈した硝酸で系内のpHを5.0に調整し、ウルトラタラックスT50で十分に混合及び分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。更に加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら50℃に加熱し、凝集体の体積平均粒子径が6.2μmになるまで凝集させた。この凝集体スラリーの温度を保ったまま、非晶性ポリエステル樹脂分散液120部、離型剤粒子分散液60.0部、イオン交換水60.0部の混合溶液を緩やかに追加して30分保持した。
その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、所望の粒子形状となるまで保持した。
この合一スラリーを冷却し、20μmのナイロン網で濾した後、吸引濾過器でケーキを形成してイオン交換水で十分にケーキ洗浄を行った。この洗浄ケーキをバットに移し、真空乾燥機で水分率が1%以下になるまで乾燥し、白色トナー粒子1を得た。
得られた白色トナー粒子1の体積平均粒径は6.7μmであった。
後述する表1に従い、白色トナー1と同様の手順で離型剤の配合を変化させて造粒し、白色トナー2〜10を得た。白色トナー4については、離型剤粒子分散液2を使用した。
なお、表1におけるコアの離型剤配合比は、凝集初期に添加する離型剤量で、トナー質量を100質量%とした場合の割合を示す。また、表1におけるシェルの離型剤配合比は、凝集スラリーに追添加する混合液中の離型剤量で、同じくトナー質量を100質量%とした場合の割合を示す。
また、表1における離型剤ドメインの最大フェレ径の平均は、トナー粒子中における離型剤ドメインの最大フェレ径の平均を表し、前述した測定方法により測定した。
造粒性評価は、最終的に問題なくトナー粒子が得られたものをA(○)、造粒過程で粒度分布が著しく悪化した場合、固液分離した際のろ液が明らかに着色した場合をD(×)とした。
トルエン1.25部にカーボンブラック(商品名;VXC−72、キャボット社製)0.12部を混合し、サンドミルで20分撹拌分散したカーボン分散液に、3官能性イソシアネート80%酢酸エチル溶液(タケネートD110N、武田薬品工業(株)製)1.20部を混合撹拌したコート剤樹脂溶液と、Mn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)をニーダーに投入し、常温(25℃)で5分間混合撹拌した後、常圧にて150℃まで昇温し溶剤を留去した。更に30分混合撹拌後、ヒーターの電源を切り50℃まで撹拌しながら降温した。得られたコートキャリアを75μmメッシュで篩分し、キャリアを作製した。
このキャリア95部と、得られた各トナー8部とをVブレンダーにて混合し、各色の現像剤を得た。
表1に従って、富士ゼロックス(株)製「700Digital Color Press改造機(定着装置設定温度及びトナー現像量を変更できるように改造)を用いて評価を行った。
A:明るく良好な白色度である。
B:十分な白色度である。
C:僅かにくすんだ白に見える。
D:下地の黒がうっすらと認識される。
E:下地の黒がはっきりと認識され、許容できない。
また、比較例3における剥離性評価は、比較例3におけるトナー粒子の造粒性が非常に悪く、白色トナーが得られず、評価できなかったことを表す。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、定着部材に対する定着画像の剥離性に優れることがわかる。
1Y、1M、1C、1K、1W 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、2W 帯電ロール(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K、3W 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K、4W 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K、5W 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K、6W 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K、8W トナーカートリッジ
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
21 中間転写体クリーニング装置
22 駆動ロール
23 支持ロール
24 対向ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (8)
- 結着樹脂と離型剤と白色顔料とを含むトナー粒子を有し、
前記白色顔料の含有量が、前記トナー粒子全体に対して、30質量%以上60質量%以下であり、
前記離型剤の含有量が、前記トナー粒子全体に対して、2質量%以上10質量%以下であり、
前記トナー粒子の体積平均粒径をdとした場合、前記トナー粒子の表面から重心方向における前記表面からの距離が0.075d以下の部分に、前記離型剤が、前記トナー粒子中の前記離型剤の全質量に対し、50質量%以上90質量%以下存在し、
前記トナー粒子中における離型剤ドメインの最大フェレ径の平均が、0.05d以上0.15d以下である
静電荷像現像用白色トナー。 - 前記トナー粒子の表面から重心方向における前記表面からの距離が0.075d以下の部分に、前記離型剤が、前記トナー粒子中の前記離型剤の全質量に対し、60質量%以上85質量%以下存在する請求項1に記載の静電荷像現像用白色トナー。
- 前記トナー粒子が、コア・シェル構造のトナー粒子である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用白色トナー。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用白色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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