JP6776534B2 - レンズアレイ及びヘッドアップディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、レンズアレイを用いた表示システムにおける視認性向上に関する。
従来から、ヘッドアップディスプレイやレーザプロジェクタなどに、マイクロレンズアレイを用いた透過型のスクリーンを適用する技術が提案されている。このようなレンズアレイを用いた場合、拡散板を用いる場合と比較して、スペックルノイズによる影響を抑制することができるという利点がある。一方、ヘッドアップディスプレイなどにおいて中間像生成素子としてレンズアレイを用いた場合、レンズアレイのピッチを小さくすると輝度ムラが発生し、ピッチを大きくすると解像度が低下するという課題がある。この課題に関し、特許文献1には、サグ量の異なるレンズを交互に配置することで、隣接するレンズ間での光路長差を生じさせるレンズアレイが開示されている。
特開2014−170213号公報
特許文献1に記載のように、構造の変化を交互に与えたレンズアレイでは、構造の変化による回折光がレンズアレイそのものの回折光の間の隙間を埋めるように発生するため、輝度ムラを低減することが可能である。一方、構造の変化を交互に与えることにより、一部の回折光が消失してしまい、これにより回折光の間に隙間が生じて輝度ムラの原因となることがあった。
本発明が解決しようとする課題は上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、解像度を低下させることなく輝度ムラを好適に抑制することが可能なレンズアレイ及びヘッドアップディスプレイを提供することを主な目的とする。
請求項に記載の発明では、有効径が同一であって、入射光に対して光路長差を生じさせる構造を有する複数のレンズを有し、前記複数のレンズの各々は、前記有効径に基づく間隔で配置されることにより、互いに垂直なX軸方向及びY軸方向により規定される2次元の周期位相構造を構成し、前記周期位相構造の前記X軸方向の1周期分の周期位相構造は、前記X軸方向及び前記Y軸方向に垂直なZ軸方向において異なる高さが設定された複数の列を有し、前記周期位相構造の前記Y軸方向の1周期分の周期位相構造は、前記Z軸方向において異なる高さが設定された複数の行を有し、前記1周期分の周期位相構造の各レンズの前記Z軸方向における高さは、対応する前記列と前記行に設定された各々の高さの和により形成され、前記1周期分の周期位相構造が2個のレンズの列または行で構成される場合、当該列または行の高さの異なるレンズ間で生じる光路長差は、前記入射光の波長の1/4に設定され、前記1周期分の周期位相構造が4個のレンズの列または行で構成される場合、当該列または行の高さの異なるレンズ間で生じる光路長差は、前記入射光の波長の1/2に設定されることを特徴とする
ヘッドアップディスプレイの概略構成を示す。 スクリーンのYZ平面での側面図を示す。 マイクロレンズアレイの構造を示す。 マイクロレンズアレイに重畳されたX軸方向の周期位相構造とY軸方向の周期位相構造とをそれぞれ示す。 X軸方向の周期位相構造、Y軸方向の周期位相構造、及び重畳単位ブロックにより生じる回折光の分布を示す。 レンズ周期の4倍の周期構造を有するマイクロレンズアレイの構造を示す。 レンズアレイ成分のみを考慮した場合、段差成分のみを考慮した場合、その両方を考慮した場合の比較例に係る回折光のYZ平面図を示す。 レンズアレイ成分のみを考慮した場合、段差成分のみを考慮した場合、その両方を考慮した場合の比較例に係る回折光の分布を示す。
比較例に係るマイクロレンズアレイの正面図を示す。 比較例及び実施例のそれぞれのマイクロレンズアレイを用いて回折光を実験的に発生させた場合の回折光の広がりを示した図である。 X軸方向の周期位相構造又はY軸方向の周期位相構造に基づく0次回折光及び1次回折光のそれぞれに対する光量と光路長差との関係を示す。 周期長がレンズ周期の2倍となる場合の適正な光路長差を説明する図である。 周期長がレンズ周期の4倍となる場合の適正な光路長差を説明する図である。 重畳単位ブロックと入射スポットとの関係を示す。 変形例に係るマイクロレンズアレイの構造を説明する図である。 変形例に係るマイクロレンズアレイの構造を説明する図である。 変形例に係るスクリーンの構造を示す。
本発明の1つの好適な実施形態では、レンズアレイは、有効径が同一であって、入射光に対して光路長差を生じさせる構造を有する複数のレンズを有し、前記複数のレンズの各々は、前記有効径に基づく間隔で配置されることにより、互いに垂直なX軸方向及びY軸方向により規定される2次元の周期位相構造を構成し、前記周期位相構造は、前記複数のレンズの前記X軸方向の周期位相構造が有する前記光路長差と前記複数のレンズの前記Y軸方向の周期位相構造が有する前記光路長差の和により形成される。
上記レンズアレイは、有効径が同一であって、入射光に対して光路長差を生じさせる構造を有する複数のレンズを有する。複数のレンズの各々は、有効径に基づく間隔で配置されることにより、互いに垂直なX軸方向及びY軸方向により規定される2次元の周期位相構造を構成する。周期位相構造は、複数のレンズのX軸方向の周期位相構造が有する光路長差と複数のレンズのY軸方向の周期位相構造が有する光路長差の和により形成される。この態様では、レンズアレイは、X軸方向の周期位相構造と、Y軸方向の周期位相構造とが有する光路長差の和により形成されるため、X軸方向及びY軸方向の両方向に複数の回折光が並んで発生する。従って、この態様によれば、解像度の低下を伴うレンズの有効径の拡大を行うことなく回折光の間隔を密にすることができ、輝度ムラを好適に抑制することができる。
上記レンズアレイの好適な例では、前記X軸方向の1周期分の周期位相構造は、2個又は4個の前記レンズの列により構成され、前記Y軸方向の1周期分の周期位相構造は、2個又は4個の前記レンズの行により構成される。
上記レンズアレイの一態様では、前記1周期分の周期位相構造が2個の前記レンズの列または行で構成される場合、当該周期位相構造が有する光路長差は、前記入射光の波長の略1/4に設定され、前記1周期分の周期位相構造が4個の前記レンズの列または行で構成される場合、当該周期位相構造が有する光路長差は、前記入射光の波長の略1/2に設定される。この態様により、照射される回折光の光量を好適に均一化することができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記X軸方向及び前記Y軸方向に垂直なZ軸方向における前記レンズアレイの段差により生じる。この態様により、X軸方向の周期位相構造と、Y軸方向の周期位相構造とが有する光路長差の和を生じさせるようにレンズアレイを好適に形成させることができる。
上記レンズアレイの好適な例では、前記複数のレンズの各々は、同一形状であるとよい。
上記レンズアレイの他の好適な例では、レンズアレイは、少なくとも1以上のレーザ光源を有する映像投影装置の前記レーザ光源が射出するレーザ光により照射されるとよい。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も長い波長に基づき設定される。一般に、波長が長いほど、回折光の間隔が広くなる。よって、この態様により、レンズアレイは、全ての波長の光に対して好適に視点位置での光強度分布の隙間を無くすことができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も視感度の高い波長に基づき設定される。この態様によっても、レンズアレイは、好適に輝度ムラを抑制することができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち、最も長い波長と、最も視感度の高い波長との間の波長に基づき設定される。この態様によっても、レンズアレイは、好適に輝度ムラを抑制することができる。
上記レンズアレイの好適な例では、前記1周期分の周期位相構造の長さは、前記レーザ光の前記レンズアレイへの入射スポット径の半値全幅の8倍以下である。上記レンズアレイのより好適な例では、前記1周期分の周期位相構造の長さは、前記レーザ光の前記レンズアレイへの入射スポット径の半値全幅の4倍以下である。この態様により、X軸方向の周期位相構造及びY軸方向の周期位相構造に基づく効果を発揮させることができる。
上記レンズアレイの他の一態様では、前記レンズアレイは、レンズアレイ面に反射膜が施されている反射型レンズアレイである。この態様によっても、レンズアレイは、各レンズの有効径を広げることによる解像度低下を防ぎつつ好適に輝度ムラを抑制することができる。
本発明に係る他の好適な実施形態では、ヘッドアップディスプレイは、少なくとも1以上のレーザ光源と、前記レーザ光源が射出するレーザ光により照射される上記記載のレンズアレイと、を備える。この態様により、ヘッドアップディスプレイは、虚像を観察者に視認させる際に、解像度低下を防ぎつつ好適に輝度ムラを抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[ヘッドアップディスプレイの構成]
図1(A)は、ヘッドアップディスプレイの概略構成図である。ヘッドアップディスプレイは、ウィンドシールド25及びダッシュボード29を備える車両の搭乗者に虚像を視認させるシステムであって、主に、光源部1と、スクリーン2と、凹面鏡3と、を備える。
光源部1は、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色のレーザ素子を有し、画像信号に基づいて変調されたレーザの合成光を、MEMSミラーでスクリーン2上に走査する。
スクリーン2は、光源部1から光が照射された光の発散角を広げることで射出瞳を拡大する。スクリーン2は、複数のマイクロレンズが配列されたマイクロレンズアレイである。スクリーン2から出射された光は、凹面鏡3に入射する。後述するように、スクリーン2には、2つの周期性を有する位相構造(「周期位相構造」とも呼ぶ。)が重畳されており、これによりマイクロレンズアレイにより発生させる回折光よりも回折角の小さい回折光を同時に発生させる。以後では、スクリーン2が生成する中間像の横方向を「X軸」、縦方向を「Y軸」、スクリーン2の入射面と垂直な方向を「Z軸」とし、各正方向を図示のように定める。
凹面鏡3は、スクリーン2から出射されたレーザ光を反射し、ウィンドシールド25へ到達させる。この場合、凹面鏡3は、レーザ光を反射することで、当該光が示す画像を拡大させる。凹面鏡3で反射されたレーザ光は、さらにウィンドシールド25で反射され、観察者の目の位置(「アイポイントPe」とも呼ぶ。)へ到達する。これにより、観察者は、虚像を視認する。
なお、図1(A)に示すヘッドアップディスプレイの構成は一例であり、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。例えば、図1(B)に示すヘッドアップディスプレイでは、スクリーン2が反射型のマイクロレンズアレイとなっており、当該反射型マイクロレンズアレイにより、光源部1から照射された光の拡散角を広げることで射出瞳を拡大する構成であってもよい。他の例では、図1(C)に示すヘッドアップディスプレイのように、ウィンドシールド25とアイポイントPeとの間に半透明の凹面鏡であるコンバイナを設け、光源部1とスクリーン2を適切に配置し、レーザ光をコンバイナで反射することで、光源部1のレーザ光をアイポイントPeへ到達させて虚像を運転者に視認させてもよい。
[スクリーンの構成]
図2は、スクリーン2の側面図を示す。図2に示すように、光源1からの光が入射されるスクリーン2の入射面には、Z軸方向の高さが異なるマイクロレンズ21が並べられたマイクロレンズアレイ20が形成されている。ここで、全てのマイクロレンズ21は、有効径及び開口数が等しく、同一形状となる。そして、マイクロレンズ21間のZ軸方向での高低差(単に「段差」とも呼ぶ。)は、入射光の光路長差を生じさせるために設けられている。
図3は、マイクロレンズアレイ20の正面図を示す。図3では、マイクロレンズアレイ20は、Z軸方向の高さ「a」のマイクロレンズ21aと、Z軸方向の高さ「b」のマイクロレンズ21bと、Z軸方向の高さ「c」のマイクロレンズ21cと、Z軸方向の高さ「d」のマイクロレンズ21dとを有する。図3では、マイクロレンズ21a〜21dに対し、対応するZ軸方向の高さを示す記号が表記されている。
図3に示すマイクロレンズアレイ20において、縦2列及び横2行の4個のマイクロレンズ21a〜21dにより構成された矩形領域(例えば枠70内の領域)は、マイクロレンズアレイ20の周期的な位相構造の単位ブロック(「重畳単位ブロック」とも呼ぶ。)となる。この重畳単位ブロックは、X軸方向の周期位相構造とY軸方向の周期位相構造との重ね合わせにより形成される。以後では、重畳単位ブロックのX軸方向の幅を「X軸周期長Lx」、重畳単位ブロックのY軸方向の幅を「Y軸周期長Ly」と呼ぶ。本実施例では、X軸周期長LxとY軸周期長Lyは、共に、マイクロレンズ21の周期(「レンズ周期PL」とも呼ぶ。)の2倍に設定されている。
図4(A)は、図3のマイクロレンズアレイ20に重ね合わされたX軸方向の周期位相構造を示し、図4(B)は、図3のマイクロレンズアレイ20に重ね合わされたY軸方向の周期位相構造を示す。なお、図4(A)、(B)では、説明の便宜上、周期位相構造のXY平面図に加えて、各位置でのZ軸方向の高さを概略的に示すグラフについても図示している。
図4(A)に示すX軸方向の周期位相構造は、Z軸方向の高さ「e」の短冊領域25eと、Z軸方向の高さ「f」の短冊領域25fとを有し、短冊領域25e、25fは、X軸方向を短手方向としてX軸方向に交互に並べられている。そして、短冊領域25eと短冊領域25fとの段差「f−e」は、「λ/4」(λは入射する光の波長)だけ光路長差を生じさせるように構成されている。光路長差を「λ/4」に設定する根拠については、[光路長差の設定]のセクションで詳しく説明する。
なお、スクリーン2の屈折率を「n」、空気の屈折率を「n0」とすると、マイクロレンズアレイ20に形成される段差「Δ」により生じる光路長差は、「Δ×(n−n0)」となる。よって、図4(A)の場合、
(f−e)×(n−n0)=λ/4 式(1)
が成立するように、高さ「f」、「e」を設定すればよい。
また、図4(B)に示すY軸方向の周期位相構造は、Z軸方向の高さ「g」の短冊領域25gと、Z軸方向の高さ「h」の短冊領域25hとを有し、短冊領域25g、25hは、Y軸方向を短手方向としてY軸方向に交互に並べられている。そして、短冊領域25gと短冊領域25hとの段差「h−g」は、「λ/4」だけ光路長差を生じさせるように構成されている。よって、図4(B)の場合、
(h−g)×(n−n0)=λ/4 式(2)
が成立するように、高さ「g」、「h」を設定すればよい。
図3に示すマイクロレンズアレイ20は、図4(A)、(B)に示す周期位相構造が重ねられた構造を有する。この場合、マイクロレンズ21aは短冊領域25fと短冊領域25gとの重ね合わせ、マイクロレンズ21bは短冊領域25eと短冊領域25gとの重ね合わせ、マイクロレンズ21cは短冊領域25eと短冊領域25hとの重ね合わせ、マイクロレンズ21dは短冊領域25fと短冊領域25hとの重ね合わせにより形成されている。即ち、この場合、マイクロレンズ21a〜21dのZ軸方向の高さ「a」〜「d」は、
a=f+g
b=e+g
c=e+h
d=f+h
となるように設定される。
ここで、短冊領域25e、25gのZ軸方向の高さ「e」、「g」をそれぞれ「0」とした場合、
a=f
b=0
c=h
d=f+h
が成立する。よって、マイクロレンズ21a〜21dのZ軸方向の高さ「a」〜「d」を、それぞれ式(1)、(2)の関係に基づき
a×(n−n0)=λ/4
b=0
c×(n−n0)=λ/4
d×(n−n0)=λ/2
が成立するように設定すればよい。即ち、この場合、マイクロレンズ21a、21cとマイクロレンズ21bとの光路長差は「λ/4」、マイクロレンズ21dとマイクロレンズ21bとの光路長差は「λ/2」となるように設計される。
図5は、スクリーン2からアイポイントPeと同等の距離だけ離れた仮想的なXY平面(「仮想照射面」とも呼ぶ。)における回折光分布を示す。具体的には、図5(A)は、図4(A)に示すX軸方向の周期位相構造により生じる回折光の分布を示し、図5(B)は、図4(B)に示すY軸方向の周期位相構造により生じる回折光の分布を示し、図5(C)は、重畳単位ブロックにより生じる回折光の分布を示す。以後では、「m」をX軸方向における回折光の次数、「n」をY軸方向における回折光の次数とし、2次元の場合の回折光の次数を(m、n)により適宜表す。
図4(A)に示すX軸方向の周期位相構造の場合、図5(A)に示すように、−1次、0次、及び1次の回折光がX軸方向に並んで形成される。また、図4(B)に示すY軸方向の周期位相構造の場合、図5(B)に示すように、−1次、0次、及び1次の回折光がY軸方向に並んで形成される。このように、周期構造形状の一般的性質として、同一の構造が並ぶ方向に沿ってその垂直方向に回折光が出射される。
そして、X軸方向の周期位相構造及びY軸方向の周期位相構造の両方を備えた重畳単位ブロックの場合、図5(C)に示すように、次数m、nが共に0となる回折光(単に「0次回折光」とも呼ぶ。)の斜めに、次数m及びnが「±1」となる回折光(「1次回折光」とも呼ぶ。)が発生し、0次回折光の上下左右に、次数mまたはnの一方が「0」となり他方が「±1」となる回折光が発生する。そして、これらの回折光は、ほぼ隙間が生じないように密に配置されている。
なお、図3及び図4の例では、X軸周期長LxとY軸周期長Lyは、レンズ周期PLの2倍に設定されていたが、2倍より大きい整数倍に設定されていてもよい。
図6(A)は、X軸周期長LxとY軸周期長Lyが共にレンズ周期PLの4倍に設定されたマイクロレンズアレイ20Aを示す。また、図6(B)は、図6(A)のマイクロレンズアレイ20Aに対するX軸方向の周期位相構造を示し、図6(C)は、図6(A)のマイクロレンズアレイ20Aに対するY軸方向の周期位相構造を示す。後述するように、この場合の短冊領域25eと短冊領域25fとの段差「f−e」及び短冊領域25gと短冊領域25hとの段差「h−g」により生じさせる適正な光路長差は「λ/2」となる。この根拠については[光路長差の設定]のセクションで詳しく説明する。
[スクリーンの構成に基づく効果]
次に、本実施例のスクリーン2の構成に基づく効果について詳しく説明する。以後では、主として、マイクロレンズアレイ20の高さ「a」と高さ「c」とを等しく、かつ、高さ「b」と高さ「d」とを等しい構成とした比較例に対する効果について述べる。比較例に係るマイクロレンズアレイは、言い換えると、後述する図9に示すように、Z軸方向の高さが異なる2つのマイクロレンズをX軸方向及びY軸方向に交互に並べたものである。
図7(A)は、マイクロレンズアレイ20に段差が設けられていないと仮定した場合(即ち、レンズアレイ成分のみを考慮した場合)のYZ平面での回折光を示す。また、図8(A)は、図7(A)の場合における仮想照射面での回折光分布(光強度分布)を示す。以後では、回折光分布におけるX軸方向又はY軸方向での回折光の間隔を単に「回折光間隔」とも呼ぶ。
この場合、図7(A)及び図8(A)に示すように、仮想照射面での各回折光の長径(「回折光サイズ」とも呼ぶ。)は、回折光間隔「w」よりも短く、各回折光の間には隙間が生じている。この隙間が輝度ムラの原因となる。なお、図8(A)に示すように、X軸方向及びY軸方向における回折光間隔よりも、斜め方向における回折光間隔の方が広い。
図7(B)は、比較例におけるマイクロレンズアレイの段差成分のみを考慮した場合のYZ平面での回折光を示す。図8(B)は、図7(B)の場合における仮想照射面での回折光分布を示す。比較例の場合、次数m及びnが「0」となる0次回折光と次数m及びnが「±1」となる1次回折光が発生し、次数mまたはnの少なくとも一方が偶数となる回折光(「偶数次回折光」ともよぶ。)は発生しない。また、次数が高くなるほど、回折光の強度が小さくなり、3次以降の回折光については無視できる程度に小さい。よって、図7(B)及び図8(B)では、3次以降となる回折光については図示していない。なお、0次光と1次光の回折光量の配分は、マイクロレンズアレイの段差により生じる光路長差に依存する。
図7(C)は、図7(A)、(B)の各成分を合わせた場合の比較例に係るマイクロレンズアレイのYZ平面における回折光を示す。また、図8(C)は、図7(C)の場合における仮想照射面での回折光分布を示す。なお、図8(C)では、見分けやすさのため、0次回折光の色を1次回折光よりも濃く描いている。
図8(C)に示すように、この場合、仮想照射面には、図8(A)に示される回折光の分布に相当する0次回折光が分布すると共に、各0次回折光の斜め4方向のそれぞれに1次回折光が配置されている。即ち、この場合、段差を設けない図7(A)及び図8(A)の例と比較して、比較的大きい斜めの各隙間に1次回折光が挿入される。従って、この例では、回折光間隔を少ない回折光で効率的に埋めることができる。
図9(A)は、比較例におけるマイクロレンズアレイの正面図を示す。図9(A)では、Z軸方向の高さの異なるマイクロレンズ21X、21YがX軸方向及びY軸方向に交互に並べられている。また、図9(B)は、マイクロレンズ21Xが並ぶ方向に沿った線90〜92と、93〜95を示した図である。
図9(A)、(B)に示すように、比較例では、光路長差が生じない同一高さのマイクロレンズが斜めに配列されている。また、上述したように、回折光は、同一のマイクロレンズが周期的に配列された場合を周期構造形状とみなせるので、当該マイクロレンズが並ぶ方向に沿ってその垂直方向に出射される。よって、比較例では、図8(C)に示すように、0次回折光の斜め方向に1次回折光が配置されるものの、左右方向(即ちX軸方向)と上下方向(即ちY軸方向)とにおいて隣接する回折光(即ち次数mまたはnの少なくとも一方が0となる回折光)が発生しない。よって、比較例では、0次回折光の左右上下に隙間が存在することとなり、この隙間が輝度ムラを発生させる原因となるため、改善の余地がある。
以上を勘案し、本実施例に係るマイクロレンズアレイ20は、X軸方向の周期位相構造と、Y軸方向の周期位相構造とを兼ね備え、0次回折光の左右上下の隙間を埋める回折光を発生させる。これにより、比較例の場合よりも輝度ムラをより低減させることができる。
図10(A)は、比較例のマイクロレンズアレイを用いて回折光を実験的に発生させた場合の仮想照射面での回折光分布の例を示し、図10(B)は、図10(A)に対応するYZ平面での回折光の広がりを模式的に示した図である。また、図10(C)は、本実施例のマイクロレンズアレイ20を用いて回折光を実験的に発生させた場合の仮想照射面での回折光分布の例を示し、図10(D)は、図10(C)に対応するYZ平面での回折光の広がりを模式的に示した図である。
図10(A)〜(D)に示すように、本実施例におけるマイクロレンズアレイ20は、比較例のマイクロレンズアレイと比較して、回折光が密に存在しており、回折光間の隙間が少ない。よって、本実施例におけるマイクロレンズアレイ20は、比較例のマイクロレンズアレイと比較して、輝度ムラをより低減させることができる。
[光路長差の設定]
次に、マイクロレンズ21a〜21d間で発生させる光路長差の適正値について具体的に説明する。概略的には、短冊領域25eと短冊領域25fとの段差「f−e」と、短冊領域25gと短冊領域25hとの段差「h−g」とは、それぞれ、対応するX軸周期長Lx又はY軸周期長Lyがレンズ周期PLの2倍のときには約「λ/4」の光路長差が生じる段差に設定され、対応するX軸周期長Lx又はY軸周期長Lyがレンズ周期PLの4倍のときには約「λ/2」の光路長差が生じる段差に設定される。この根拠について、以下説明する。
一般に、X軸方向及びY軸方向の周期位相構造を重畳させた周期構造により生じる回折光は、以下の3つの特性を有する。
第1の特性では、X軸方向及びY軸方向の周期位相構造を重畳させた周期構造の場合、次数m、nが0以外の偶数次回折光が生じない。第2の特性では、X軸方向及びY軸方向の周期位相構造を重畳させた周期構造の場合、次数m、nが3以上の奇数となる回折光が生じるものの、その光量が無視できる程度に小さい。従って、この場合、次数m、nが共に−1、0、1のいずれかとなる回折光のみを考慮すればよいことになる。
また、第3の特性として、次数m、nが共に−1、0、1のいずれかとなる回折光の光量は、光路長差に依存する。図11は、マイクロレンズアレイ20に重畳されるX軸方向の周期位相構造又はY軸方向の周期位相構造に基づく0次回折光及び1次回折光のそれぞれに対する光量と光路長差との関係を示す。図11では、グラフ「G0」は、段差により生じた光路長差と0次回折光の光量との関係を示し、グラフ「G1」は、段差により生じた光路長差と1次回折光(−1次回折光の場合も含む)の光量との関係を示す。ここで、破線「L1」は、光路長差が「λ/4」となる位置を示し、破線「L2」は、光路長差が「λ/2」となる位置を示す。図11に示すように、光路長差が「λ/4」の場合、0次回折光の光量が1次回折光の光量の2倍となる。また、光路長差が「λ/2」の場合、0次回折光の光量が0となる。
ここで、まず、X軸周期長Lxがレンズ周期PLの2倍となる図4(A)に示すX軸方向の周期位相構造に対する適正な光路長差について考察する。なお、以下の説明は、Y軸周期長Lyがレンズ周期PLの2倍となる図4(B)に示すY軸方向の周期位相構造についても同様に適用される。
図12(A)は、本実施例に係るマイクロレンズアレイのレンズアレイ成分のみを考慮した場合のX軸方向の回折光分布を示す。この場合、回折光の間には、図8(A)での説明と同様、回折光間隔wが生じる。図12(B)は、本実施例に係るマイクロレンズアレイの周期位相構造成分のみを考慮した場合のX軸方向の回折光分布を示す。この場合、回折光として−1次、0次、1次の3つの回折光が発生する。また、X軸周期長Lxがレンズ周期PLの2倍であるため、回折光間隔は、図12(A)の場合の半分である「w/2」となる。
図12(C)は、本実施例に係るマイクロレンズアレイのレンズアレイ成分及び周期位相構造成分の両方を含むX軸方向の回折光分布を示す。この場合、図12(A)に示す各回折光を0次回折光として、図12(B)に示す−1次、0次、1次の回折光がそれぞれ重畳する。この場合、隣り合う0次回折光の−1次回折光と1次回折光とが重なり(破線枠参照)、重なった部分の回折光の光量は、−1次及び1次の回折光の光量との和に相当する。よって、この場合、各回折光の光量を揃えるためには、0次回折光の光量が1次回折光の光量の2倍であることが望ましい。また、図11に示すように、光路長差が約「λ/4」の場合、0次回折光の光量が1次回折光の光量の2倍となる。以上を勘案し、この場合の適正な光路長差は約「λ/4」となる。
次に、X軸周期長Lxがレンズ周期PLの4倍となる図6(B)に示すX軸方向の周期位相構造に対する適正な光路長差について考察する。なお、以下の説明は、Y軸周期長Lyがレンズ周期PLの4倍となる図6(C)に示すY軸方向の周期位相構造についても同様に適用される。
図13(A)は、本実施例に係るマイクロレンズアレイのレンズアレイ成分のみを考慮した場合のX軸方向の回折光分布を示す。図13(B)は、本実施例に係るマイクロレンズアレイの周期位相構造成分のみを考慮した場合のX軸方向の回折光分布を示す。この場合、回折光として−1次、0次、1次の3つの回折光が発生する。また、X軸周期長Lxがレンズ周期PLの4倍であるため、回折光間隔は、図13(A)の場合の1/4である「w/4」となる。
図13(C)は、本実施例に係るマイクロレンズアレイのレンズアレイ成分及び周期位相構造成分の両方を含むX軸方向の回折光分布を示す。この場合、図13(A)に示す各回折光を0次回折光として、図13(B)に示す−1次、0次、1次の回折光がそれぞれ重畳する。この場合、0次回折光が存在すると、回折光分布が一様にならず、0次回折光の存在する領域では、0次回折光の光量分だけ光量が多くなる。よって、この場合、0次回折光の光量が0であることが好ましい。また、図11に示すように、光路長差が約「λ/2」の場合、0次回折光の光量が0となる。以上を勘案し、この場合の適正な光路長差は約「λ/2」となる。
[入射スポット径に基づく周期長の制限]
次に、マイクロレンズアレイ20への入射光のスポット径(「入射スポット径」とも呼ぶ。)に基づくX軸周期長Lx及びY軸周期長Lyの制限について説明する。X軸周期長Lx及びY軸周期長Lyは、少なくとも、入射スポット径の半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)の8倍以下になるように設定される。より好ましくは、X軸周期長Lx及びY軸周期長Lyは、入射スポット径の半値全幅の4倍以下になるように設定される。
図14(A)は、X軸周期長Lx及びY軸周期長Lyが入射スポット径の半値全幅の8倍より大きい場合の重畳単位ブロックと入射スポット(網掛け領域)との関係を示す。この場合、重畳単位ブロックの大きさに対して入射スポットが小さいため、入射スポットが位相構造の異なる21a〜21dの領域を跨いで照射される時間が短い。従って、この場合、マイクロレンズアレイ20の周期位相構造による効果が十分に得られないこととなる。
図14(B)は、X軸周期長Lx及びY軸周期長Lyが入射スポット径の半値全幅の8倍である場合の重畳単位ブロックと入射スポット(網掛け領域)との関係を示す。この場合、図14(A)の場合よりも入射スポットが相対的に大きくなっているため、入射スポットが位相構造の異なる21a〜21dの領域を跨いで照射される時間が相対的に長くなる。よって、この場合、マイクロレンズアレイ20の周期位相構造による効果が得られる。
図14(C)は、X軸周期長Lx及びY軸周期長Lyが入射スポット径の半値全幅の4倍である場合の重畳単位ブロックと入射スポット(網掛け領域)との関係を示す。この場合、入射スポットが十分に大きく、入射スポットが位相構造の異なる21a〜21dの領域を跨いで照射される時間が長い。よって、この場合、マイクロレンズアレイ20の周期位相構造による効果が十分に得られる。
[対象となる波長の設定]
次に、波長λの設定方法について述べる。光源部1は、R、G、Bのそれぞれ異なる波長の光を出射するため、RGBのいずれの波長を基準として周期位相構造で設けるべき光路長差(λ/2又はλ/4)を規定するかが問題となる。これについて説明する。
一般に、マイクロレンズアレイ20で発生する回折光の回折角は、波長が長いほど大きくなるため、波長が長いほど回折光間隔が広くなる。よって、波長が最も短い青色光の場合に回折光間隔が最も短くなり、波長が最も長い赤色光の場合に回折光間隔が最も長くなる。
以上を勘案し、第1の好適な例では、回折光間隔が最も長くなる波長(即ち赤色光の波長)を、光路長差を決定する際に用いる波長λとして設定する。これにより、R、G、Bのいずれのレーザ光においても回折光の強度分布に隙間が生じるのを防ぎ、輝度ムラを好適に抑制することができる。
一方、回折光間隔が波長ごとに大差ない場合には、第2の好適な例として、視感度の最も高い波長(即ち緑色光の波長)を、光路長差を決定する際に用いる波長λとして設定するとよい。また、第3の好適な例として、回折光間隔と視感度の両方を勘案し、最も長い波長と最も視感度の高い波長の中間の波長を、光路長差を決定する際に用いる波長λとして設定してもよい。
以上説明したように、本実施例に係るスクリーン2のマイクロレンズアレイ20は、有効径が同一であって、入射光に対して光路長差を生じさせる段差が設けられたマイクロレンズ21a〜21dを有する。マイクロレンズ21a〜21dは、有効径に基づく間隔で配置されることにより、互いに垂直なX軸方向及びY軸方向により規定される2次元の周期位相構造を構成する。この周期位相構造は、X軸方向の周期位相構造が有する光路長差とY軸方向の周期位相構造が有する光路長差の和により形成される。この構成により、マイクロレンズアレイ20は、解像度低下を防ぎつつ好適に輝度ムラを抑制することができる。
[変形例]
次に、上述の実施例に好適な変形例について説明する。以下に示す変形例は、組み合わせて上述の実施例に適用されてもよい。
(変形例1)
図3及び図6の例に代えて、X軸周期長Lxは、Y軸周期長Lyと異なるレンズ周期PLの整数倍に設定されてもよい。
図15(A)は、X軸周期長Lxをレンズ周期PLの2倍、Y軸周期長Lyをレンズ周期PLの4倍に設定したマイクロレンズアレイ20Bの正面図である。図15(B)は、マイクロレンズアレイ20Bに重畳されたX軸方向の周期位相構造を示し、図15(C)は、マイクロレンズアレイ20Bに重畳されたY軸方向の周期位相構造を示す。
この場合、X軸周期長Lxがレンズ周期PLの2倍であることから、短冊領域25eと短冊領域25fとの段差「f−e」は、上述の式(1)に基づき、「λ/4」の光路長差が生じるように設定される。一方、短冊領域25gと短冊領域25hとの段差「h−g」は、Y軸周期長Lyがレンズ周期PLの4倍であることから、以下の式(3)に基づき、「λ/2」の光路長差が生じるように設定される。
(h−g)×(n−n0)=λ/2 式(3)
よって、短冊領域25e、25gのZ軸方向の高さ「e」、「g」をそれぞれ「0」とした場合、マイクロレンズ21a〜21dのZ軸方向の高さ「a」〜「d」は、それぞれ式(1)、(3)の関係に基づき
a×(n−n0)=λ/4
b=0
c×(n−n0)=λ/2
d×(n−n0)=3λ/4
が成立するように設定されればよい。この場合、マイクロレンズ21a〜21dのそれぞれでZ軸方向の高さが異なることになる。
図16(A)は、X軸周期長Lxをレンズ周期PLの4倍、Y軸周期長Lyをレンズ周期PLの2倍に設定したマイクロレンズアレイ20Cの正面図である。図16(B)は、マイクロレンズアレイ20Cに重畳されたX軸方向の周期位相構造を示し、図16(C)は、マイクロレンズアレイ20Cに重畳されたY軸方向の周期位相構造を示す。
この場合、X軸周期長Lxがレンズ周期PLの4倍であることから、短冊領域25eと短冊領域25fとの段差「f−e」は、以下の式(4)に基づき、「λ/2」の光路長差が生じるように設定される。
(f−e)×(n−n0)=λ/2 式(4)
一方、短冊領域25gと短冊領域25hとの段差「h−g」は、Y軸周期長Lyがレンズ周期PLの4倍であることから、上述の式(2)に基づき、「λ/4」の光路長差が生じるように設定される。
よって、短冊領域25e、25gのZ軸方向の高さ「e」、「g」をそれぞれ「0」とした場合、マイクロレンズ21a〜21dのZ軸方向の高さ「a」〜「d」は、それぞれ式(2)、(4)の関係に基づき
a×(n−n0)=λ/2
b=0
c×(n−n0)=λ/4
d×(n−n0)=3λ/4
が成立するように設定されればよい。
このように、X軸周期長LxがY軸周期長Lyと異なるレンズ周期PLの整数倍に設定された場合であっても、実施例と同様に、回折光間での隙間を好適に少なくして輝度ムラの発生を抑制することができる。
(変形例2)
マイクロレンズアレイ20は、スクリーン2の入射面に形成されるのに代えて、スクリーン2の入射面と反対側の面に形成されていてもよく、スクリーン2の両面に形成されていてもよい。
(変形例3)
マイクロレンズアレイ20は、図17(A)に示すような、レンズアレイ面の反対側の面に反射膜が施されている反射型レンズアレイであってもよい。
この構成では、光がレンズ面を2回通過する。反射型レンズアレイの場合、レンズに対して斜入射で光を入射する場合があり、1回目に光が通過するレンズ面の位置と、反射後に光が通過するレンズ面の位置がずれてしまうことがある。この場合、位置ずれのある2枚のマイクロレンズアレイを通過した場合と同様に、モアレ縞が発生してしまう。
そこで、より好適には、マイクロレンズアレイ20は、図17(B)に示すように、レンズアレイ面に反射膜が施されており、反対側の面に反射防止膜が施された構成を備えるとよい。この場合、光はレンズ面自体で反射されるため、透過型レンズアレイの場合と同様に、レンズアレイによる周期的な位相変調を1回だけ受けることになる。これにより、図17(A)の構成例で問題となるモアレ縞の発生を防ぐことができるため、より好適である。また、凸凹形状のレンズ面は、付着した汚れを除去することが困難であるが、図17(B)の構成では、露出しているレンズ面に汚れ等が付着しても、光に影響を与えることがない。すなわち、レンズアレイ面の汚れによる画質劣化を防ぐことができるという点でも好適である。
他の好適な例では、マイクロレンズアレイ20は、図17(C)に示すように、レンズ面に反射膜が施されており、かつ、レンズ面を光側に配置している構成であるとよい。この場合、光がレンズ面内部を通過しないため、材料の吸収による光量の損出や、材料の複屈折や透過率ムラなどに起因する画質の劣化を防ぐことができるという点で好適である。さらに、図17(C)の構成では、反対側の面に反射防止膜を施す必要がなくなるので、部品のコストを下げることができるという点でも好適である。また、この反対側の面は、レンズアレイの性能に影響を与えないので、光学部品に要求される高い面精度を必要としなくなるため、部品の製造難易度を緩和できるため好ましい。さらに、形状の自由度があるので、周辺の部品形状に合わせた設計も可能となり、部品形状の設計自由度が高くなるため、好ましい。
図17(A)〜(C)の各マイクロレンズアレイ20は、例えば、図1(B)に示すヘッドアップディスプレイのスクリーン2として利用可能である。
(変形例4)
スクリーン4は、ヘッドアップディスプレイに限らず、レーザを光源として使用するプロジェクタ装置における中間像生成用の光学素子としても好適に使用可能である。
1 光源部
2 スクリーン
3 凹面鏡
20、20A、20B、20C マイクロレンズアレイ
21 マイクロレンズ

Claims (6)

  1. 有効径が同一であって、入射光に対して光路長差を生じさせる構造を有する複数のレンズを有し、
    前記複数のレンズの各々は、前記有効径に基づく間隔で配置されることにより、互いに垂直なX軸方向及びY軸方向により規定される2次元の周期位相構造を構成し、
    前記周期位相構造の前記X軸方向の1周期分の周期位相構造は、前記X軸方向及び前記Y軸方向に垂直なZ軸方向において異なる高さが設定された複数の列を有し、
    前記周期位相構造の前記Y軸方向の1周期分の周期位相構造は、前記Z軸方向において異なる高さが設定された複数の行を有し、
    前記1周期分の周期位相構造の各レンズの前記Z軸方向における高さは、対応する前記列と前記行に設定された各々の高さの和により形成され、
    前記1周期分の周期位相構造が2個のレンズの列または行で構成される場合、当該列または行の高さの異なるレンズ間で生じる光路長差は、前記入射光の波長の1/4に設定され、
    前記1周期分の周期位相構造が4個のレンズの列または行で構成される場合、当該列または行の高さの異なるレンズ間で生じる光路長差は、前記入射光の波長の1/2に設定されることを特徴とするレンズアレイ。
  2. 前記複数のレンズの各々は、同一形状であることを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイ。
  3. 少なくとも1以上のレーザ光源を有する映像投影装置の前記レーザ光源が射出するレーザ光により照射されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズアレイ。
  4. 前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も長い波長に基づき設定されることを特徴とする請求項3に記載のレンズアレイ。
  5. 前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち最も視感度の高い波長に基づき設定されることを特徴とする請求項3に記載のレンズアレイ。
  6. 前記光路長差は、前記レーザ光源が射出するレーザ光のうち、最も長い波長と、最も視感度の高い波長との間の波長に基づき設定されることを特徴とする請求項3に記載のレンズアレイ。
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