JP6776265B2 - 医薬品物質、医療品物質、食品物質等の容器の重量を測定するための重量測定方法 - Google Patents

医薬品物質、医療品物質、食品物質等の容器の重量を測定するための重量測定方法 Download PDF

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Description

本明細書に記載される実施形態は、重量測定の精度性、正確性及び反復性が非常に必要とされる特に医薬品、医療品、又は食品部門において、例えば多少なりとも粘性を有する液体、粉体、粒体等の種々の物質を収容する、例えばビン、アンプル、ボトル、カプセル等の種々の形状を有する容器の重量を測定する装置及び方法に関する。
粉体、タブレット、液体等の種々のタイプ及び組成の医療用の物質又は製品を容器に単独で又は他の物とともに所望の割合において挿入し得ることが公知である。
しかしながら、不正確に計量された場合、このような物質はユーザに危険なことがある。
医薬品、医療品又は食品部門における容器を充填するための工場ラインが、充填操作ステーションの他に、容器に挿入された量を検査するための重量測定装置を備え得ることが公知である。この状況において、薬剤の不正確な重量測定は、患者の健康に重大な危険を及ぼし得る。
上述のようなタイプの工場ラインにおいて、充填及び重量測定操作は、容器内の物質を汚染する恐れのある要素ができる限りない状態において、制御された雰囲気で保護された、本質的に殺菌した内側環境において実施されなければならないこともまた公知である。この目的のために、ライン外周を、これを収容するスクリーン又は壁を使用して保護することや殺菌空気フィルタシステムを設けることの他に、そのように作り出された部分的に閉鎖された重量測定チャンバの内部で、上方から下方に強制的に流されてラインの部品にヒットする層空気流を生成することが公知である。この層空気流は、内側環境と外側環境との間の圧力差によって、下側又は側方スリットを介して、ダスト、埃、ミクロ粒子、又は、他のあらゆる種類のマクロ又はミクロ汚染物質を伴いながら流出する。
上述の重量測定システムにおいて、上記の精度に対する要求について、重量測定操作の外部の要素が、例えば重量測定装置を取り囲む空気やその密度、その圧力又は局所速度等が、精度や反復性に影響を及ぼし得ることが公知である。したがって、重量測定ユニットに帰せられる内在的なエラーをソフトウエアを介して監視し、次いで除去又は削減すると同時に、環境的要因による変動を考慮することも必要である。
特に、上述の上方から下方への層空気流は、重量測定エラーを重量測定装置において引き起こし得ることが分かっている。例えば、測定を無効にし得るミクロ渦又は局所乱流が引き起こされ得る。このような測定エラーはソフトウエアを介して補償され得るが、しかし、これはラインの部品に干渉する局所的な層流の変化する状態を原因とする、一定的でもなく反復的でもないエラーであるから、このような電子的補償では十分ではない場合がある。
それぞれが単独の容器の重量を検出可能である2つ以上の重量測定機構を備える重量測定ユニットを備える重量測定装置が公知である。上述の重量測定システムにおいて適用される重量測定方法が公知である。当該重量測定方法において、単数又は複数の容器の重量測定中に、少なくとも1つの重量測定機構が空のままにされて使用されない、すなわち、少なくとも1つの重量測定機構に、重量測定すべき容器が載置されない。
このようにして、容器の重量測定中に、大気に存在する粒子により、及び他の振動、又は重量測定機構固有のエラーによる層空気流によって引き起こされる、空の重量測定機構にかかる重量の力を検出することができ、且つ前記値を、容器が載置された各重量測定機構に存在するエラーの推定値として使用することができる。
検出された重量値は、次いで、ソフトウエアを使用して処理され、「自重」として使用され得る。すなわち、上述の環境条件による重量ではなく容器そのものの質量による重量のみを測定するように、各容器について検出された値からこの重量値を差し引く。しかしながら、この測定における許容値は非常に小さいため、このような方法論に基づくアプローチでも、想定されるエラーを正しく確定するには十分でない場合がある。
実際に、層空気流は、容器を載置した重量測定機構の近傍と空の容器測定機構の近傍とでは異なった振る舞いをすることがある。なぜならば、生成された局所的乱流は、障害物のタイプ、形状及びサイズに、空気流の通路に沿って依存し得るからである。
したがって、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服可能な、容器の重量を測定するための重量測定方法を改良することが必要である。
具体的には、本発明の1つの目標は、容器の重量を測定するための信頼性のある重量測定方法であって、医薬業界で必要とされるマイクログラムまで制限された非常に低いエラー許容値での重量測定を許容する重量測定方法を提供することである。
したがって、1つの目的は、容器が存在する環境において空気の移動の影響により引き起こされる測定エラーを補償するように調整される容器重量測定値を得るための重量測定方法を提供することである。
従来技術の欠点を克服しつつ当該及び更なる目的や利点を実現すべく、本件出願人は、本発明を考案し、考案し、テストして実施した。
本発明は、独立請求項により定義され特徴付けられるとともに、従属請求項は本発明の他の特徴又は主たる解決思想の変形例を記載する。
本明細書に記載の実施形態は、医薬品物質、医療品物質、食品物質等の容器の重量を測定する重量測定方法であって、前記容器は空気流の作用を受ける重量測定方法に関する。一実施形態によれば、上記の方法は、
a)2つ以上の重量測定機構を有する重量測定ユニットを利用可能にする工程と、
b)前記重量測定ユニットの各重量測定機構に載置され、所望量の物質で充填された容器の重量を測定し、前記充填容器の実際の重量値を得る工程と、
c)前記重量測定ユニットのうちの残りの別の単数又は複数の重量測定機構に載置された単数又は複数の基準サンプル容器の重量を測定し、前記単数又は複数の基準サンプル容器の実際の重量値を得る工程であって、前記基準サンプル容器の重量、形状及びサイズは、具体的に前以て規定されて既知であるとともに、重量測定すべき容器のそれらと関連付けられている、工程と、
d)前記基準サンプル容器の前記実際の重量値を前記基準サンプル容器の名目重量値に対して比較することにより、前記単数又は複数の基準サンプル容器の重量測定エラーを計算する工程と、
e)所望量の物質で充填された前記容器の前記重量の測定エラーを、前記充填容器の前記重量の前記測定エラーが、前記基準サンプル容器について計算された前記重量測定エラーに等しいということを前提として、推定する工程と、
f)前記容器の前記重量の前記測定エラーに基づいて、前記充填容器について検出された重量測定値を補正する工程であって、前記エラーは前記基準サンプル容器を使用して推定される工程と、
を備える。
基準サンプル容器の重量を測定する工程c)は、サンプル容器が所望量の物質で充填された状態でも、又は基準サンプル容器が空の状態でもよい。
実際の重量値という表現は、重量測定機構によって測定された重量値を意味する。
実施形態の変形例によれば、充填容器の重量を測定する工程b)は、単数又は複数の基準サンプル容器の重量を測定する工程c)の前又は後に実施され得る。或いは、工程b)及びc)は同時に実施され得る。
他の実施形態の変形例によれば、本発明の方法は、単独の重量測定ユニットの各重量測定機構に載置された、少なくとも1つの基準サンプル容器の重量と、少なくとも1つの重量測定すべき充填容器の重量と、を測定する工程を備え得る。
一変形例によれば、重量測定方法は、前進移動方向に沿った端位置に配置された重量測定機構に関連付けられた少なくとも2つの基準サンプル容器の重量と、単独の重量測定ユニットの各重量測定機構に載置された単数又は複数の容器の重量と、を測定する工程を備える。1より多い基準サンプル容器の重量を測定することにより、処理される容器の重量の測定エラーに対して基準サンプル容器について選択された位置が有し得る発生率が減少する。
他の変形例によれば、2つ以上の別箇の重量測定ユニットの場合、重量測定方法は、所定の重量測定機構に載置された少なくとも1つの基準サンプル容器であって、前記全ての重量測定ユニットに対する基準として機能する基準サンプル容器の重量と、複数の重量測定ユニットの各重量測定機構に載置された単数又は複数の重量測定すべき容器の重量と、を測定する工程を備える。
別の変形例によれば、2つ以上の別箇の重量測定ユニットの場合、重量測定方法は、各重量測定ユニットについて、所定の重量測定機構に載置された少なくとも1つの基準サンプル容器の重量を測定する工程と、単数又は複数の重量測定すべき容器であって、複数の重量測定ユニットの各重量測定機構に載置された容器の重量を測定する工程と、を備える。
更に他の変形例によれば、2つ以上の別箇の重量測定ユニットの場合、重量測定方法は、複数の基準サンプル容器であって、その個数が1より多く、且つ前記複数の重量測定ユニットの重量測定機構の個数より少ない基準サンプル容器の重量と、少なくとも1つの重量測定すべき容器の重量を測定する工程を備える。
別の実施形態によれば、本発明による方法は、前記重量測定機構のそれぞれに関連付けられた各センサユニットによって、前記重量測定すべき容器と基準サンプル容器の実際の重量を検出する工程と、前記実際の重量の測定値に関するデータを制御ユニットに送信する工程、とを備え得る。
更に別の実施形態によれば、本発明による方法は、また、前記基準サンプル容器の前記予期される、又は名目上の、又は既知の重量値を、前記制御ユニットに接続された電子データベースに保存する工程と、前記予期される、又は名目上の、又は既知の重量値を使用して、前記制御ユニットにより、前記基準サンプル容器の前記重量の測定エラーを計算する工程と、を備え得る。
本明細書に記載の実施形態によれば、1つより多い基準サンプル容器の重量が工程b)において測定される場合、基準サンプル容器の実際の重量値に関する工程d)において、工程b)で基準サンプル容器のそれぞれに関して重量測定された値の算術平均を利用することができる。
別の実施形態によれば、医薬品物質、医療品物質、食品物質等の容器の重量を測定するための重量測定装置が提供される。一実施形態によれば、上述の装置は、
‐所望量の物質で充填された容器の重量を、前記容器の実際の重量値を得るように測定するための2つ以上の重量測定機構を有する重量測定ユニットと、
‐既知の重量、形状及びサイズを有する単数又は複数の基準容器の重量を、前記基準サンプル容器の実際の重量値を得るように測定するための単数又は複数の別の重量測定機構を有する前記重量測定ユニットであって、前記基準サンプル容器の重量、形状及びサイズは、具体的に前以て規定されて既知であるとともに、重量測定すべき容器のそれらと関連付けられている重量測定ユニットと、
‐制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットは、
‐前記基準サンプル容器の前記実際の重量値を前記基準サンプル容器の名目重量値に対して比較することにより、前記単数又は複数の基準サンプル容器の重量測定エラーを計算する工程と、
‐所望量の物質で充填された前記容器の前記重量の測定エラーを、前記充填容器の前記重量の前記測定エラーが、前記基準サンプル容器について計算された前記重量測定エラーに等しいということを前提として、推定する工程と、
‐前記基準サンプル容器を使用して推定された前記容器の前記重量の前記測定エラーに基づいて、前記充填容器について検出された重量測定値を補正する工程と、
のために構成される。
別の実施形態によれば、重量測定装置により実行されると本発明による重量測定方法が実施されるようにする命令を含む、コンピュータにより読取可能な媒体に保存可能なコンピュータプログラムが提供される。
本明細書に開示のこれら及び他の態様、特徴及び利点は、以下の説明、図面及び添付請求項を参照することでより良く理解されるであろう。本明細書に一体でありその一部を成す図面は、本発明の主題のいくつかの実施形態を示すものであり、本開示の原理を本明細書とともに説明することを意図している。
本明細書に記載の種々の態様及び特徴は、可能であれば個々に適用可能である。これらの個々の態様、例えば本明細書又は添付の従属請求項の態様及び特徴は、分割出願の主題であり得る。
特許手続きにおいて既に公知であると認められる態様又は特徴は、請求の範囲ではなく免責事項として理解されるべきであることに留意されたい。
本発明のこれら及び他の特徴は、添付図面を参照しつつ非制限的な例として与えられる以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
本明細書に記載の方法の実施形態が実施され得る重量測定装置の概略上平面図。 本明細書に記載の方法の実施形態が実施され得る重量測定装置の概略前面図。 本明細書に記載の方法の別の実施形態が実施され得る重量測定装置の概略上平面図。 本明細書に記載の別の実施形態による重量測定装置の概略前面図。 本明細書に記載の更に別の方法の実施形態が実施され得る重量測定装置の概略上平面図。 本明細書に記載の他の方法の実施形態が実施され得る重量測定装置の概略上平面図。 本明細書に記載の別の方法の実施形態が実施され得る重量測定装置の概略上平面図。
理解を容易とするために、図面において同一の共通要素を指すのに可能であれば同一の参照符号が使用される。一実施形態の要素及び特徴は、更なる説明をせずに他の実施形態に好適に包含され得ることを理解されたい。
添付図面に1つ以上の例が示される本発明の種々の実施形態を詳細に参照する。各例は、本発明の説明のためのものであって、本発明を制限するものではないことを理解されたい。例えば、一変形例の一部であるために説明され記載される特徴は、他の実施形態において採用され得る又はこれと関係付けられて別の実施形態が作製され得る。本発明はこのような変更例や変形例を含むことを理解されたい。
添付図面を参照して説明する実施形態は、例えば医薬品物質、医療品物質、食品物質等のタブレット等の形状にある粉末や液体等の物質を含む容器12の重量を測定するための重量測定方法に関する。
添付図面1乃至7は、本明細書に記載の方法の実施形態が実施され得る、容器12の重量を測定するための重量測定装置10を説明するために参照される。
実施形態によれば、本明細書に記載の重量測定方法は、
a)2つ以上の重量測定機構30を有する重量測定ユニット20を利用可能にする工程と、
b)所望量の物質で充填された容器12であって、重量測定ユニット20の各重量測定機構30に載置された容器12の重量を測定し、重量測定すべき前記容器12の実際の重量値を得る工程と、
c)重量測定すべき容器12が載置されていない重量測定ユニット20のうちの残りの別の単数又は複数の重量測定機構30に載置された単数又は複数の基準サンプル容器14の重量を測定し、前記基準サンプル容器14の実際の重量値を得る工程であって、前記基準サンプル容器14の重量、形状及びサイズは、具体的に前以て規定されて既知であるとともに、重量測定すべき容器12のそれらと関連付けられている、工程と、
d)前記基準サンプル容器14の実際の重量値を前記基準サンプル容器14の名目重量値に対して比較することにより、単数又は複数の基準サンプル容器14の重量測定エラーを計算する工程と、
e)所望量の物質で充填された前記容器12の重量の測定エラーを、前記重量の測定エラーが前記基準サンプル容器14について計算された前記重量測定エラーに等しいということを前提として、推定する工程と、
f)前記容器12の前記重量の測定エラーに基づいて、前記充填容器12について検出された重量測定値を補正する工程であって、前記エラーは前記基準サンプル容器14を使用して推定される、工程と、
を備える。
このようにして、容器12それ自体の重量の測定において、容器12が配置された環境により生じるエラーを正確に推定することができる。
本明細書において、基準サンプル14の形状及びサイズに関して、「関連付けられる」という用語は、例えば、それらが、重量測定すべき容器12の名目形状及び名目サイズに等しい、又は実質的に等しいということを意味する。重量について、「関連付けられる」という用語は、基準サンプル14の重量であって、重量測定すべき容器12の名目重量に等しい、又は実質的に等しい、或いは予期される又は所望とされる重量に等しいか又は実質的に等しい、或いは異なるが既知の基準値を有する、基準サンプル14の重量を意味する。例えば、重量に関して、空の容器12の名目重量、又は満杯の容器12の名目重量が参照される。後者の重量は、空の容器12の名目重量と、充填容器において所望とされる量の製品の名目重量との和であり得る。
充填容器12の名目重量に等しい、又は実質的に等しい重量を有する基準サンプル容器を選択することにより、重量測定機構30に固有の測定エラーを削減することができる。実際に、後者は、通常、その重量測定特性曲線が、容器12の予期される又は名目上の重量が該当する重量値の範囲において、より低いエラーに対応する最高の性能を有するような態様において選択される。したがって、充填基準サンプル容器の重量は、充填容器12の名目重量と同じ重量範囲に該当する。
基準サンプル容器の重量について、「実質的に等しい」という用語は、基準サンプル容器の重量が、処理される容器の予期される又は名目上の重量から容器の重量において許容可能な最低の測定エラーより小さい量だけ異なり得るということを意味する。
本件出願人は、容器12それぞれの重量は、重力が作用する容器12の質量による重量と、振動や空気流、空気に存在する細かいダスト、及び/又は測定機器そのものに固有のエラーを原因とする、使用中の測定機構に作用する力との和により得られることを見出した。
従って、本件出願人は、医薬、医療、食品等の部門において重量測定に必要とされる許容値は、典型的にはマイクログラムの大きさであるように非常に制限的であり得るため、周囲環境によって重量測定装置10に生じる、具体的には個々の重量測定機構30に生じるエラーを正確に認定することが重要であろうと考える。なぜならば、エラーは実際の容器12の重量に対して小さいものではあるが、変わりやすくて事前に把握できず、容易に制御できないような態様で容器12の重量の測定に影響を及ぼし得るからである。
実施形態の変形例によれば、充填容器12の重量を測定する工程b)は、単数又は複数の基準サンプル容器14の重量を測定する工程c)の前又は後に実施され得る。或いは、前記工程b)及びc)は同時に実施され得る。
本明細書による実施形態によれば、複数の基準サンプル容器14の重量が工程b)で測定される場合、基準サンプル容器14の実際の重量値についての工程d)において、工程b)で基準サンプル容器14のそれぞれに関して重量測定された値の算術平均を利用することができる。こうして、基準サンプル容器14の重量値のこの算術平均は、単数又は複数の基準サンプル容器14の重量測定エラーを工程d)において計算するように、そして工程e)、f)を実施するように使用され得る。
図1乃至7を参照して説明する実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態を実施するように使用され得る容器の重量を測定するための重量測定装置10は、少なくとも1つの容器重量測定ユニット20を備える。
実施形態によれば、容器の重量を測定するための重量測定装置10は、また、少なくとも1列の容器12を前進移動させてこれらを前進移動方向Fに沿って搬送するように構成された容器前進移動機構16を備える。
本明細書に記載の重量測定方法が実施され得る容器の重量を測定するための重量測定装置10は、医薬部門で使用され得る装置であって、容器の、具体的にはそれに収容された物質の重量の評価において高レベルの、典型的にはマイクログラムの大きさの精度を必要とし、通常、制御された雰囲気を得るように外部環境から隔離される装置である。
可能な実施例において、重量測定装置10は、少なくとも1つ以上の重量測定ユニット20及び容器前進移動機構16を収容して保護するカバー保護構造体40を備え得る。
図1及び3を参照して説明される、本明細書に記載の全ての実施形態と組み合わせ可能な実施形態によれば、装置10は、また、カバー保護構造体40の内部において制御された層空気流Lを生成するように構成された層流生成ユニット18を備え得る。層空気流Lは、通常、内部環境と外部環境との間の圧力差を利用して上方から下方に進行する。
図2及び4を参照して説明される、本明細書に記載の全ての実施形態と組み合わせ可能な実施形態において、本明細書に記載の実施形態において使用可能な容器重量測定ユニット20は、容器支持体22と、この容器支持体22に作用する重量の力を検出するように構成されたセンサユニット24と、を備え得る。
実施形態の範囲を制限することのない例として、本明細書に記載の実施例において使用されるタイプの容器支持体22は、平坦プレート、支持ディッシュ、ディスク、容器前進移動機構16の一部、容器ホルダ、台、又は容器を支持するのに適した他の支持体であり得る。
非制限的な例として与えられるいくつかの実施形態において、センサユニット24は、重量の力を検出するための単数又は複数のセンサを備え得る。
本明細書に記載の実施形態で使用されるセンサユニット24に含まれる単数又は複数のセンサは、
‐例えば歪みゲージを有するロードセル、油圧又は静圧ロードセル、圧電ロードセル、振動ワイヤロードセル、及び容量性ロードセル等のロードセルとしての力覚センサ又はトランスデューサ、
‐例えば、ピエゾ抵抗歪みゲージを有するセンサ、容量性センサ、電磁センサ、圧電センサ、光学センサ、又は電位差測定センサ等の、一領域上に加えられた力による変形又は逸脱を測定するための力を収集するように一般に使用される例えば電子タイプの圧力センサ又はトランスデューサ、
を含む群から選択される少なくとも1つのセンサ要素であり得ることに留意されたい。
また、センサユニット24の特定の状態に応じて、センサユニットは、少なくとも1つの圧力センサと、少なくとも1つの力覚センサ、例えばロードセルと、を備え得る。
本明細書に記載の実施形態の異なる実施例によれば、容器支持体22にかかる重量の力が、歪みゲージ、圧電要素、ピエゾ抵抗要素、ホール効果要素等を使用する単数又は複数のロードセル、単数又は複数の圧力センサ、又は他の単数又は複数のセンサによって検知され得る。これにより、圧力は単位表面積毎に加えられる力であり、単数又は複数のセンサが圧力センサ、又は力覚センサ、又はロードセルとして設けられているかに応じて、変換を考慮する必要があり得ることを考慮すべきである。
可能な実施例によれば、センサユニット24は、何が圧力又は力を加えるかには無関係なセンサユニットであり得る。例えば、センサは、容器12、容器支持体22、又は装置10の他の部品又は部分を始動したり、移動したり影響を与えるものではない。
本明細書に記載の実施形態によれば、容器前進移動機構16の例は、搬送機構、具体的には、医薬品、医療品又は食品容器を充填するために充填ラインの内部で搬送するための閉鎖ループ・コンベヤベルト、リニアモータにより移動可能な支持面又はテーブル、バンド又はベルトであり得る。
実施形態によれば、容器前進移動機構16を駆動するための作動要素が設けられ得る。作動要素は、容器を移動するように構成された駆動ユニットであって、例えば電流、油圧流体圧又は空気圧等のエネルギ源により作動される駆動ユニットを備え得る。
作動要素は、容器前進移動機構16の前進及び静止工程を生じさせるように動作するように構成される。例えば、容器12を容器前進移動機構16から重量測定ユニット20へ移送するための静止工程が設けられ得る。
図3、4及び7を参照して、本明細書に記載の全ての実施形態と組み合わせ可能な、本明細書による方法を実施するように使用可能な装置10の別の実施形態を説明する。装置10は、容器前進移動機構16の対向する側、すなわち前進移動方向に対して一側と他側とに配置される2つの重量測定ユニット20を備え得る。
別の実施形態によれば、装置10は、また、2つ以上の重量測定ユニット20、例えば、容器の100%を重量測定するための1つ又は2つの重量測定ユニット20、又は統計的に重量測定するための1つ又は2つの重量測定ユニット20を備え得る。
可能な実施例において、本明細書に記載の実施形態において使用可能な重量測定ユニット20は、それぞれが特定の容器12の重量を検査するように設けられた2つ以上の重量測定機構30を備え得る。
実施形態において、各重量測定機構30は、上述の容器支持体22と、容器支持体22を保持するのに適した保持要素又はロッド26と、前述のセンサユニット24と、を備える。センサユニット24は各重量測定機構30に専用のものとしてもよいし、或いは、例えば、容器前進移動機構16の一方の側及び他方に、前進移動方向Fに対して横断方向に整列配置された連携する一対の重量測定機構30に共用されるものとしてもよい(例えば図3及び4参照)。
したがって、センサユニット24は、容器前進移動機構16の一側の重量測定ユニット20の重量測定機構30と、反対側に配置された他方の重量測定ユニット20の対応整列配置された他方の重量測定機構30の両方を扱うものであり得る。
これに対して、同一の重量測定ユニット20において、各重量測定機構30に対してその固有のセンサユニット24が機能する。すなわち、同一の重量測定ユニット20に属する重量測定機構30間でセンサユニット24が共用されることはない。
例えば、容器前進移行機構16の一側と他側とに前進移動方向Fに対して横断方向に整列配置された2つの重量測定機構30であって、1つがある重量測定ユニット20に属し、もう1つが別の重量測定ユニット20に属する2つの重量測定機構30が存在する実施形態において、支持要素28が設けられ得る(例えば図4参照)。支持要素28は、容器前進移動機構16の前進移動方向Fに対して横断方向に配置されて、保持要素26及び容器支持体22を支持する。
支持要素28は、対称軸Mを有する。例えば、対称軸Mは、有利には、容器前進移動機構16の長手方向中心線において、すなわち前進移動方向Fにおいて配置され得る。各保持要素26及び容器支持体22は、この対称軸Mに対して対称となる位置に配置される。
図2、4、6及び7を参照して説明する実施形態において、装置10は、移送方向Tに沿って容器12を容器前進移動機構16から重量測定ユニット20に、そしてこの逆に移送するように設計された容器移送機構32を備え得る。
実施形態によれば、容器移送機構32は、単数又は複数の移送部材、すなわちコーム等のアーム、又は平行移動バー、又は例えば吸引によって容器12を保持しつつ持ち上げて平行移動させる要素、或いは公知タイプの位置決め部材を備え得る。
実施形態によれば、移送機構32は、各移送動作により所定数の容器12、例えば2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ以上の容器12を含む一群の容器を移動するような態様において構成され得る。具体的には、移送機構32は、容器重量測定ユニット20に存在する重量測定機構30の個数より少ない複数の容器12を移送するように構成され得る。
可能な実施例によれば、重量測定機構30の個数は6に等しい(例えば図5乃至7参照)ことがある。しかし、この個数は、例えば6と10との間のより多い個数でもよいし、例えば2と6との間のより少ない個数でもよい(例えば図1及び3参照)。
本明細書に記載の実施形態は、例えば同時に重量測定ユニット20の各重量測定機構30に載置される、少なくとも1つの基準サンプル容器14及び重量測定すべき少なくとも1つの容器12の重量を測定する工程を備える。
本明細書に記載の実施形態は、少なくとも1つの重量測定機構30に、1つの基準サンプル容器14を載置すると同時に少なくとも1つの重量測定機構30に重量測定すべき容器12を載置する工程を備える。実施形態によれば、単数又は複数のサンプル容器14の重量測定と単数又は複数の容器12の重量測定は、同時に実施され得る。一変形例によれば、サンプル容器14の重量測定と容器12の重量測定は、順次実施され得る。
図6及び7を参照して説明する実施形態によれば、移送機構32は、重量測定機構30の個数より1つ又は2つ少ない個数の容器12をシフトするように構成され得る。このようにして、重量測定機構30の位置を例えばIからVIまで昇順にナンバリングすることにより、位置I乃至V、又はII乃至VI、又はII乃至V、又はII乃至VIにある重量測定機構30のみが、容器12を重量測定するために使用される。
したがって、実施形態によれば、重量測定するように容器12が載置される重量測定機構30の個数は、重量測定ユニット20の重量測定機構30の総数より少ない。
基準サンプル容器14用に端部に配置された重量測定機構30の使用の選択は、速度を低下させる必要がなく、また容器前進移動機構16に配置された容器12間に空のスペースを有する必要がないように、重量測定ユニット20に容器12を供給する工程を単純化するようになされる。どの重量測定機構30に基準サンプル容器14が載置されるかに関してなされるいずれの他のタイプの選択も可能であることを理解されたい。
本明細書に記載の方法の実施形態によれば、重量測定ユニット20の端部に位置する重量測定機構30に載置された基準サンプル容器14は、重量測定ユニット20に作用する、例えば振動や層空気流及び周囲環境により一般に引き起こされる全体的なエラーの推定値を得るように使用され、容器12の重量の測定値を補正してこれをより正確なものとするように使用され得る。
本明細書に記載の方法の実施形態によれば、重量測定に影響を及ぼす固有エラーを推定するための基準として使用される基準サンプル容器14は、重量測定すべき容器12と形状及びサイズにおいて実質的に同一であり得る。可能な実施例において、基準サンプル容器14の重量は、重量測定すべき容器12が有するべき重量、すなわち、予期される又は名目上の重量値であって通常既知の値である重量と実質的に同一であり得る。
別の実施形態によれば、基準サンプル容器14の重量は、充填容器12の重量とは異なり、例えば空の容器12、すなわち、物質を何ら充填されていない容器12の重量と同一であり得る。一般に、好適な実施形態において、基準サンプル容器14の形状、サイズ及び重量は、充填容器12のものと本質的に同一であり得る。しかしながら、形状及びサイズに関してのみ同じであって、重量は異なるということもあり得る。
例えば、重量測定すべき容器12の形状及びサイズに関する各タイプについて、重量測定すべき容器12と重量、形状及びサイズに関して同様の又は本質的に同一の基準サンプル容器14を使用することができる。
本明細書に記載の実施例において、各重量測定サイクルの開始時に、基準サンプル容器14は各重量測定機構30に載置され、他の重量測定機構30上にある容器12の重量測定中において、所定タイプの重量測定すべき容器12が終了するまで、又は重量測定操作が中断されるまで、各重量測定機構30に載置され続ける。
層空気流生成ユニット18により生成され、上方から下方に向かって下降する上述の層空気流は渦を巻き起こし得る、又は局所的な流れや圧力条件とは異なり得るため、渦は非常に小さいものであっても、重量測定すべき容器12の近傍の空気流は均一ではなく、この均一性のなさは予見したり反復したりすることが困難であり得る。これを克服するように、本明細書に記載の実施形態は、基準サンプル容器14が載置された重量測定機構30を使用して容器12の重量に関する測定エラーを推定する。基準サンプル容器14が載置された重量測定機構30の挙動は、重量測定すべき容器12が載置された重量測定機構30のものとその都度類似する。
具体的には、本件出願人は実験を通じて以下のことを見出した。最初の推量において、層空気流と、一般に装置10が配置された環境とは、重量測定すべき容器12及び基準サンプル容器14に対して同様に作用し、このため、容器12及び基準サンプル容器14の重量測定のための操作にほぼ同一か、又は非常に類似した態様において影響を及ぼす。換言すれば、処理される容器12の名目形状及びサイズと実質的に同一の形状及びサイズを有する基準サンプル容器14を使用することで、周囲環境は、最初の推量において、すなわち、基準サンプル容器14の位置を考慮せずに、基準サンプル容器に対して重量測定すべき12に対するのと同じ態様において作用するか、又は最初の推量において、挙動に関連する差異は許容され得る。
このようにして、本件出願人は実験を通じて以下のことを見出した。基準サンプル容器14が載置された各重量測定機構30に対してセンサユニット24を使用して検出された実際の重量の測定により、重量測定エラーの推定値が得られる。この推定値は、例えば、空の重量測定機構30、すなわち重量測定すべき容器が載置されていない重量測定機構30であって、重量測定すべき容器12が載置された重量測定機構30が層空気流及び周囲環境から受ける影響とは異なった態様で影響を受けるであろう重量測定機構30を基準として使用して得られるであろう重量測定エラーの推定値よりも良好で且つ正確である。
実際に、本件出願人は以下のことを見出した。空の重量測定機構30の形状は、重量測定すべき容器12が載置された重量測定機構30の形状とは同等でもなく類似もしていないため、空の重量測定機構30についてのエラーの検出は、容器12又は本明細書で使用される基準サンプル容器14が載置された重量測定機構30についてのエラーの検出ほど精度が高くないであろう。
更に、充填された場合の容器12の所望重量と同一の、又は実質的に同一の重量を有する基準サンプル容器14を選択することで、重量測定機構30のより低い性能によって引き起こされる測定エラーが減少され得る。これにより、充填容器12の所望重量に近似した重量についてより改良された性能を有する重量測定特性カーブを有し得る。
本明細書に記載の実施形態において、容器12の重量測定と、サンプル容器14の重量測定は同時に実施される。このようにして、容器12の重量の測定エラーの推定は更に正確になるであろう。なぜならば、この推定は、重量測定すべき容器12と基準サンプル容器14の両方に対して同じ瞬間に作用する同一の環境条件下で見積もられ且つ計算された、基準サンプル容器14の重量のエラーに基づいて実施されるからである。
本方法の実施形態によれば、基準サンプル容器14が載置された重量測定機構30に関連付けられたセンサユニット24によって検出された実際の重量値は、層空気流により及び環境により局所的に引き起こされる測定エラーを信頼性高く且つ反復可能な態様で管理するように、ソフトウエアを使用して処理され得る。
この目的のために、可能な実施例において、各センサユニット24から検出された重量測定値に関する信号を受信するように構成された制御ユニット、すなわちシステムコントローラ36が設けられる(例えば図1乃至4参照)。前記制御ユニット36は、具体的には、基準サンプル容器14が載置された単数又は複数の重量測定機構30に関連付けられた各センサユニット24により検出された重量を受信し、この値を使用して、重量測定すべき容器12が載置された他の重量測定機構30の測定に影響を及ぼすエラーを精度高く推定するように構成される。
具体的には、制御ユニット36は、基準サンプル容器14の実際の重量値を、この基準サンプル容器14の予期される又は名目上の又は既知の重量値に対して比較することで重量測定エラーを計算するように構成され得る。得られた結果は、実際に重量測定される各容器12に対する重量測定機構30に関連付けられた各センサユニット24により検出された重量測定値に関するエラーの推定値として使用される。
本明細書に記載の実施形態によれば、単数又は複数の基準サンプル容器14が使用され得る。基準サンプル容器14の個数の選択は、例えば、本方法が実施される重量測定装置10のタイプに基づいてなされ得る。
更に、基準サンプル容器14の個数は、生産性要求に基づいて選択され得る。例えば、基準サンプル容器14に使用される重量測定機構30が多いほど、容器12の重量測定に使用できる重量測定機構30は少なくなる。つまり、ライン全体の生産性はこのことにより影響を受け得る。
複数の基準サンプル容器を重量測定することにより、基準サンプル容器に対して選択された位置が受けるであろう影響‐これは最小限であって最初の推量では無視できるかもしれないが‐を小さくしつつ、処理される容器12の重量の測定の精度を高くすることができる。
本明細書に記載の方法の可能な実施例によれば、基準サンプル容器14が載置される重量測定機構30の個数は、重量測定ユニット20の重量測定機構30の総数と、容器12を重量測定するようにこれが載置された重量測定機構30の個数との差に等しい。
1つの可能な変形例によれば、基準サンプル容器14が載置される重量測定機構30の個数は、重量測定ユニット20の重量測定機構30の総数と、容器12を重量測定するようにこれが載置された重量測定機構30の個数との差より小さい。この変形例によれば、1つの重量測定ユニット20において、基準サンプル容器14が載置された少なくとも1つの重量測定機構30と、空の単数又は複数の重量測定機構30と、各容器12が載置された単数又は複数の重量測定機構30と、を同時に重量測定することができる。
例えば、図5を参照して説明する実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの基準サンプル容器14と、単独の重量測定ユニット20の各重量測定機構30に載置された少なくとも1つの重量測定すべき容器12の重量を測定する工程を備え得る。基準サンプル容器14は、例えば、位置Iにある重量測定機構30に配置される。この位置Iは、例えば、前進移動方向Fに沿って更に前方の位置に対応し得る。一方、この変形例において、位置II、III、IV、V及びVIには、重量測定すべき容器12が載置される。
図6を参照して説明する一変形例によれば、本方法は、位置I及び位置VIにある少なくとも2つの基準サンプル容器14の重量を測定する工程を備え得る。例えば、位置VIは、前進移動方向Fに沿って更に後方の位置に対応し得る。したがって、前記位置I及びVIは、前進移動方向Fに沿って、単独の重量測定ユニット20の端部にある重量測定機構30に関連付けられ得る。一方、この変形例において、位置Iと位置VIとの中間にある位置II、III、IV及びVには、重量測定すべき容器12が載置される。この変形例において、測定エラーに関する2つの推定値が、すなわち、位置Iと位置VIとから推定値を得ることができ、例えば、それらの算術平均を計算することにより、例えば重量測定ユニット20の両端部の間に存在し得る層空気流の変動を考慮に入れた重量測定エラーの推定値を得ることができる。
別の変形例によれば、2つ以上の別箇の重量測定ユニット20の場合、本明細書に記載の実施形態において、重量測定方法は、所定の重量測定機構30に載置された少なくとも1つの基準サンプル容器14であって、全ての重量測定ユニット20に対する基準として機能する基準サンプル容器14と、複数の重量測定ユニット20のそれぞれの重量測定機構30に載置された単数又は複数の容器12の重量を測定する工程を備え得る。
別の変形例によれば、2つ以上の重量測定ユニット20の場合、本重量測定方法は、各重量測定ユニット20について所定の重量測定機構30に載置された少なくとも1つの基準サンプル容器14と、各重量測定ユニット20のそれぞれの重量測定機構30に載置された単数又は複数の容器12の重量を測定する工程を備え得る。
各重量測定機構30がそれぞれのセンサユニット24に関連付けられている場合、基準サンプル容器14は、例えば、いずれの重量測定機構30にも配置され得る。
例えば、各重量測定ユニット20の互いに整列された重量測定機構30が1つのセンサユニット24を共用する場合、基準サンプル容器14は、例えば、その1つが一方の重量測定ユニット20の重量測定機構30に配置され得るとともに、1つが他方の重量測定ユニット20の重量測定機構30に配置され得る。これらの重量測定機構30は互いに整列していない。
図7を参照して説明する実施形態によれば、基準サンプル容器14は、前進移動方向Fの両側において、各重量測定ユニット20に配置され得る。例えば、いくつか実施例において、このような基準サンプル容器14は、前進移動方向Fの両側で横断方向に整列した位置に配置され得る。更に、図7を参照して説明するいくつかの実施例において、前記基準サンプル容器14は、前進移動方向Fの両側で「交差する」構成において配置され得る。例えば、一方の重量測定ユニット20の端部であって、例えば位置I、すなわち前進移動方向Fに沿って前方に配置された重量測定機構30に載置された少なくとも1つの基準サンプル容器14と、他側の別の重量測定ユニット20の反対側の端部であって例えば位置VI、すなわち前進移動方向Fに沿って後方に配置された別の基準サンプル容器14と、が設けられ得る。又は、この逆も可能である。或いは、更に中間位置における交差した構成、例えば、一側の位置II又はIII、及び他側の位置V及びVIにも設けられ得る。
このようにして、本件出願人は、以下について確信する。容器前進移動機構16の両側において、例えば横断方向に整列して又は交差して(図7参照)、例えば、重量測定ユニット20の始点及び終点に配置された基準サンプル容器14に関して、2つの基準重量測定値を検出することができる。そして、これら2つの値の算術平均を計算することにより、容器前進移動機構16の一側から他側への、及び/又は重量測定ユニット20の始点と終点との間の層空気流の想定され得る変動を考慮に入れたより正確な測定エラーの推定値を得ることができる。
別の変形例によれば、2つ以上の別箇の重量測定ユニット20の場合、本重量測定方法は、複数の基準サンプル容器14であって、その個数が1より多く、且つ複数の重量測定ユニット20の重量測定機構30の個数より少ない基準サンプル容器14と、少なくとも1つの容器12の重量を測定する工程を備え得る。
実施形態において、本明細書による方法は、100%の容器12について、又はサンプル数の容器12について、重量検査を何らかの統計学的解析アプリケーションに基づいて実施する工程を備え得る。
図1を参照して説明する、本明細書に記載の全ての実施形態と組み合わせ可能な実施形態によれば、上述の制御ユニット36は、中央処理装置、すなわちCPU34と、電子メモリ38と、電子データベース42と、補助回路(又はI/O)(図示せず)と、を備え得る。
例えば、CPUは、オートメーション及び制御のためのコンピュータサイエンス分野において利用可能ないずれの形態のコンピュータプロセッサであり得る。電子メモリ38はCPU34と接続され得るとともに、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、大容量記憶装置、又は他の形態のデジタル、ローカル又は遠隔記憶装置等の市販のもののうちの1つ以上のものであり得る。ソフトウエアの命令及びデータは、例えば、コード化されCPU34を制御する電子メモリ38に格納され得る。
電子データベース42は、CPU34と電子メモリ38とに接続され得るとともに、容器12の重量測定エラーの推定に使用されるべき基準サンプル容器14の予期される重量値又は既知の重量値を保存するように使用され得る。
したがって、CPU34は、基準サンプル14の実際の重量値を受信し得るとともに、測定エラー推定値を得るように、この値を電子メモリ42に保存された基準サンプル容器14の既知の重量値に対して比較し得る。
基準サンプル容器14の2つ以上の実際の重量値を受信した場合、CPU34は、それぞれを、各基準サンプル容器14の予期された又は名目上の重量値と比較し、次いで、エラー推定値の平均を計算して、これにより、精度が高く且つ正確な測定エラー推定値を得ることができる。
次いで、CPUは、測定エラー推定値を使用して、各容器12の実際の重量の値を補正し、そして容器12の補正重量値を提供し得る。
補助回路も、従来の態様で処理装置を支援するようにCPU34に接続され得る。補助回路は、例えば、キャッシュ回路、電源回路、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム等のうちの少なくとも1つを備え得る。
制御ユニット36により読取可能なプログラム(すなわちコンピュータの命令)は、どのタスクが本明細書に記載の方法により実施され得るかを決定可能である。いくつかの実施形態によれば、プログラムは、制御ユニット36により読取可能なソフトウエアである。制御ユニット36は、情報を生成し記憶するためのコードと、本明細書に記載の方法に際して入力された又は生成されたデータとを備える。
実施形態は、上述の種々のステップ、段階及び操作を実施する工程を備え得る。前記ステップ、段階及び操作は、機器から与えられる命令により実施され得る。これにより、汎用又は専用プロセッサによる所定のステップが実行される。
或いは、前記ステップ、段階及び操作は、ステップを実施するためのハードウエアロジックを含む特定のハードウエア部品により、又はプログラミングされたコンピュータ部品とカスタマイズされたハードウエア部品との組み合わせにより実施され得る。
本明細書による方法の実施形態は、重量測定装置10により実行されると上述の方法が実施されるようにする命令を含む、コンピュータにより読取可能な媒体に保存可能なコンピュータプログラムに含まれ得る。
具体的には、本発明による要素は、機器により実行可能な命令を保存する、機器により読取可能な媒体として提供され得る。機器により読取可能な媒体には、フロッピーディスク、光学ディスク、CD‐ROM、電磁ディスク、ROM、RAM,EPROM、EEPROM、光学又は磁気盤、伝搬手段又は機器により読取可能であるとともに電子データの保存に適した他のタイプの媒体が含まれ得るが、これは本発明の範囲を制限しない。例えば、本発明は、遠隔コンピュータ(例えばサーバ)から、通信接続手段(例えばモデム又はネットワーク接続手段)を介して、例えば波動キャリア又は他の伝搬手段により生成されたデータ信号を使用してリクエスト(例えばクライアント)を作成するコンピュータに伝達され得るコンピュータプログラムとしてダウンロードされ得る。
上述の容器の重量を測定するための重量測定方法に対して、請求項に規定された本発明の趣旨を逸脱せずに、部品及び/又はステップの変更及び/又は追加をなし得ることが明らかである。
また、本発明をいくつかの特殊な例を参照して説明したが、当業者には、請求項に記載の特徴を有する、したがってこれらに規定された保護範囲に該当する上述の機構の多くの他の同等物を作成可能であることが明らかである。
本発明の実施形態を参照して上記のように説明したが、他の更なる実施形態がその保護の主範囲を逸脱せずに提供され得るとともに、その保護範囲は以下の請求項により定義される。

Claims (15)

  1. 医薬品物質、医療品物質、食品物質の容器の重量を測定する重量測定方法であって、前記容器は空気流の作用を受ける重量測定方法において、
    前記重量測定方法は、
    a)2つ以上の重量測定機構(30)を有する重量測定ユニット(20)を利用可能にする工程であって、
    a1)前記重量測定ユニット(20)を、前記重量測定ユニット(20)を収容して保護するカバー保護構造体(40)の内部に配置し、
    a2)前記カバー保護構造体(40)の内部において層空気流を生成する、工程と、
    b)前記重量測定ユニット(20)の各重量測定機構(30)に載置され、所望量の物質で充填された容器(12)の重量を測定し、前記充填容器(12)の実際の重量値を得る工程と、
    c)前記重量測定ユニット(20)のうちの残りの別の単数又は複数の重量測定機構(30)に載置された単数又は複数の基準サンプル容器(14)の重量を測定し、前記基準サンプル容器(14)の実際の重量値を得る工程であって、前記基準サンプル容器(14)は、既知の重量、形状及びサイズを有する、工程と、
    d)前記基準サンプル容器(14)の前記実際の重量値を前記基準サンプル容器(14)の名目重量値に対して比較することにより、前記単数又は複数の基準サンプル容器(14)の重量測定エラーを計算する工程と、
    e)所望量の物質で充填された前記容器(12)の前記重量の測定エラーを、前記充填容器(12)の前記重量の前記測定エラーが、前記基準サンプル容器(14)について計算された前記重量測定エラーに等しいということを前提として、推定する工程と、
    f)前記基準サンプル容器(14)を使用して推定された前記容器(12)の前記重量の前記測定エラーに基づいて、前記充填容器(12)について検出された重量測定値を補正する工程と、
    を備え、
    前記充填容器(12)と前記単数又は複数の基準容器(14)は、前記カバー保護構造体(40)の内部において、生成された前記層空気流の作用を受け、且つ、同一の名目形状及び同一の名目サイズを有する、
    ことを特徴とする重量測定方法。
  2. 単独の重量測定ユニット(20)の各重量測定機構(30)に載置された、少なくとも1つの基準サンプル容器(14)の重量と、少なくとも1つの重量測定すべき充填容器(12)の重量と、を測定する工程を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の重量測定方法。
  3. 単独の重量測定ユニット(20)の前進移動方向(F)に沿った端位置に配置された重量測定機構(30)に関連付けられた少なくとも2つの基準サンプル容器(14)の重量と、前記重量測定ユニット(20)の各重量測定機構(30)に載置された単数又は複数の容器(12)の重量と、を測定する工程を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の重量測定方法。
  4. 所定の重量測定機構(30)に載置された少なくとも1つの基準サンプル容器(14)であって、前記重量測定ユニットに対する基準として機能するとともに別に設けられた重量測定ユニット(20)に対する基準として機能する基準サンプル容器(14)の重量を測定する工程と、
    複数の重量測定ユニット(20)の各重量測定機構(30)に載置された単数又は複数の容器(12)の重量を測定する工程と、
    を備え、
    前記重量測定ユニット(20)の個数は1より多い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の重量測定方法。
  5. 各重量測定ユニット(20)について、所定の重量測定機構(30)に載置された少なくとも1つの基準サンプル容器(14)の重量を測定する工程と、
    複数の重量測定ユニット(20)の各重量測定機構(30)に載置された単数又は複数の容器(12)の重量を測定する工程と、
    を備え、
    前記重量測定ユニット(20)の個数は1より多い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の重量測定方法。
  6. 複数の基準サンプル容器(14)であって、その個数が1より多く且つ存在する前記複数の重量測定ユニット(20)のそれぞれの重量測定機構(30)の個数より少ない基準サンプル容器(14)の重量と、前記複数の重量測定ユニット(20)の各重量測定機構(30)に載置された少なくとも1つの容器(12)の重量と、を測定する工程を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の重量測定方法。
  7. 充填容器(12)の重量を測定する工程b)は、単数又は複数の基準サンプル容器(14)の重量を測定する工程c)の前に実施される、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の重量測定方法。
  8. 充填容器(12)の重量を測定する工程b)は、単数又は複数の基準サンプル容器(14)の重量を測定する工程c)の後に実施される
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の重量測定方法。
  9. 充填容器(12)の重量を測定する工程b)は、単数又は複数の基準サンプル容器(14)の重量を測定する工程c)と同時に実施される
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の重量測定方法。
  10. 前記容器(12)及び前記基準サンプル容器(14)が載置された前記重量測定機構(30)のそれぞれに関連付けられた各センサユニット(24)によって、前記容器(12)及び前記基準サンプル容器(14)の実際の重量の測定値を検出する工程を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の重量測定方法。
  11. 前記センサユニット(24)によって検出された前記容器(12)及び前記基準サンプル容器(14)の前記実際の重量の測定値に関するデータを制御ユニット(36)に送信する工程を備え、
    前記制御ユニット(36)は、前記センサユニット(24)から受信した前記データを処理するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項10に記載の重量測定方法。
  12. 前記基準サンプル容器(14)の前記名目重量値を、前記制御ユニット(36)に接続された電子データベース(42)に保存する工程と、
    前記名目重量値を使用して、前記制御ユニット(36)により、前記基準サンプル容器(14)の前記重量測定エラーを計算する工程と、
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の重量測定方法。
  13. 前記単数又は複数の基準サンプル容器(14)は、前記容器(12)と同一の形状及びサイズを有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の重量測定方法。
  14. 前記単数又は複数の基準サンプル容器(14)は、前記充填容器(12)又は空の前記容器(12)と実質的に同一の名目重量を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の重量測定方法。
  15. 前記単数又は複数の基準サンプル容器(14)は、所望量の材料で充填される、
    ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の重量測定方法。
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