JP6775606B2 - 極端紫外光生成システム - Google Patents

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Description

本開示は、極端紫外光生成システムに関する。
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、例えば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外(EUV)光を生成する極端紫外光生成装置と縮小投影反射光学系(reduced projection reflection optics)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
EUV光生成装置としては、ターゲット物質にパルスレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式の装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式の装置と、シンクロトロン放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式の装置との3種類の装置が提案されている。
米国特許出願公開第2013/119232号明細書
概要
本開示の1つの観点に係る極端紫外光生成システムは、所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、外部装置から入力されるバースト信号が第1の状態である期間に、ドライブレーザ光を出力するドライブレーザと、ガイドレーザ光を出力するガイドレーザと、ドライブレーザから出力されるドライブレーザ光の光路軸と、ガイドレーザから出力されるガイドレーザ光の光路軸と、をほぼ一致させて出力するビームコンバイナと、ビームコンバイナから出力されるドライブレーザ光及びガイドレーザ光を所定領域に集光するレーザ光集光光学系と、レーザ光集光光学系によるドライブレーザ光及びガイドレーザ光の集光位置を変更するアクチュエータと、ガイドレーザ光のターゲットによる反射光を検出する光センサと、バースト信号が第1の状態と異なる第2の状態である期間に、光センサで検出される反射光の光量が大きくなるようにアクチュエータを制御する制御部と、を備える。
この極端紫外光生成システムにおいて、制御部は、バースト信号が第1の状態から第2の状態となった後、第1の状態に戻るまでの期間に、アクチュエータの制御を複数回行う。
あるいは、制御部は、バースト信号が第1の状態から第2の状態となった後、第1の状態に戻るまでの期間に、所定の周期でアクチュエータの制御を行う。
あるいは、制御部は、バースト信号が第1の状態から第2の状態となった後、第1の状態に戻るまでの期間に、光センサで検出される反射光の光量が所定値より小さくなるごとにアクチュエータの制御を行う。
あるいは、光センサは、転写光学系と、イメージセンサと、を含み、バースト信号が第1の状態である期間に、第1の露光時間でターゲットを撮像し、バースト信号が第2の状態である期間に、第1の露光時間より長い第2の露光時間でターゲットを撮像する。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。 図2は、比較例に係るEUV光生成システム11aの構成を示す一部断面図である。 図3は、比較例に係るEUV光生成システム11aの構成を示す一部断面図である。 図4は、図2及び図3に示されるEUV光生成システム11aにおけるバースト信号及びEUV光エネルギーの時間的な推移を示す。 図5は、本開示の第1の実施形態に係るEUV光生成システム11bの構成を示す一部断面図である。 図6Aは、ターゲット27と光センサ80との位置関係を示す。図6Bは、第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置に調整された場合に光センサ80によって撮影される画像の例を示す。図6Cは、第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置よりもY方向にずれた場合に光センサ80によって取得される画像の例を示す。図6Dは、第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置よりもX方向にずれた場合に光センサ80によって取得される画像の例を示す。 図7は、第1の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。 図8は、第1の実施形態における光路軸調整のタイミングチャートである。 図9は、第1の実施形態において計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図10は、計測される反射光の光量が最大となるようなX方向の集光位置を算出する方法を説明するための図である。 図11は、本開示の第2の実施形態において、計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図12は、本開示の第3の実施形態において、計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図13は、反射光の光量Lが増加するX方向にステージを制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図14は、ステージをX方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理の詳細を示すフローチャートである。 図15は、X方向の集光位置を制御する処理について説明する図である。 図16は、第4の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。 図17は、第4の実施形態において計測される反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図18は、第5の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。 図19は、本開示の第6の実施形態に係るEUV光生成システム11eの構成を示す一部断面図である。 図20は、第6の実施形態において計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の例を示すフローチャートである。 図21は、反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図22は、ミラー傾斜角をθx方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理の詳細を示すフローチャートである。 図23は、X方向の集光位置を制御する処理について説明する図である。 図24は、第7の実施形態において計測される反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図25は、本開示の第8の実施形態に係るEUV光生成システム11gの構成を示す一部断面図である。 図26は、第8の実施形態において計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の例を示すフローチャートである。 図27は、反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御し、その後X方向にステージを制御する処理の詳細を示すフローチャートである。 図28は、ステージ制御サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。 図29は、本開示の第9の実施形態に係るEUV光生成システム11hの構成を示す一部断面図である。 図30は、第9の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。 図31は、第9の実施形態においてX方向の集光位置を制御する処理について説明する図である。 図32は、第9の実施形態における光路軸調整のタイミングチャートである。 図33は、第10の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。 図34は、本開示の第11の実施形態に係るEUV光生成システム11jの構成を示す一部断面図である。 図35は、第11の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。
実施形態
<内容>
1.極端紫外光生成システムの全体説明
1.1 構成
1.2 動作
2.比較例に係るEUV光生成システム
2.1 構成
2.1.1 ターゲット供給部
2.1.2 レーザ装置
2.1.3 レーザ光進行方向制御部
2.1.4 レーザ光集光光学系及びEUV集光ミラー
2.1.5 EUV光センサ
2.2 動作
2.2.1 ターゲットの出力
2.2.2 パルスレーザ光の出力
2.2.3 パルスレーザ光の伝送
2.2.4 パルスレーザ光の集光
2.2.5 EUV重心位置に基づくレーザ光の光路軸の制御
2.3 課題
3.光センサ80を備えたEUV光生成システム
3.1 構成
3.2 動作
3.2.1 メインフロー
3.2.2 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
3.3 作用
4.早期にワーニングを発行するEUV光生成システム
4.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
5.ステージ刻み幅を変更可能なEUV光生成システム
5.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
5.1.1 反射光の光量Lが増加するX方向にステージを制御する処理
5.1.2 ステージをX方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理
5.2 作用
6.Y方向の集光位置を制御するEUV光生成システム
6.1 メインフロー
6.1.1 反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理
6.2 作用
7.X方向の集光位置の制御をスキップするEUV光生成システム
7.1 メインフロー
8.レーザ光進行方向制御部のミラーを制御するEUV光生成システム
8.1 構成
8.2 動作
8.2.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
8.2.1.1 反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御する処理
8.2.1.2 ミラー傾斜角をθx方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理
8.3 作用
9.レーザ光進行方向制御部のミラーによってY方向の集光位置を制御するEUV光生成システム
9.1 動作
9.1.1 反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理
10.レーザ光集光光学系のステージとレーザ光進行方向制御部のミラーとの両方を制御するEUV光生成システム
10.1 構成
10.2 動作
10.2.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
10.2.1.1 反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御し、その後X方向にステージを制御する処理
10.2.1.1.1 ステージ制御サブルーチン
10.3 作用
11.反射光の光量Lの低下を監視するEUV光生成システム
11.1 構成
11.2 動作
11.3 作用
12.X方向の集光位置の制御をスキップしてもY方向の集光位置を制御するEUV光生成システム
12.1 メインフロー
12.2 作用
13.バーストON期間において使用されるターゲットセンサとバーストOFF期間において使用される光センサとを兼用したEUV光生成システム
13.1 構成
13.2 動作
13.2.1 メインフロー
13.3 作用
14.補足
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.EUV光生成システムの全体説明
1.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システムの構成を概略的に示す。EUV光生成装置1は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられる。本願においては、EUV光生成装置1及びレーザ装置3を含むシステムを、EUV光生成システム11と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置1は、チャンバ2、ターゲット供給部26を含む。チャンバ2は、密閉可能に構成されている。ターゲット供給部26は、例えば、チャンバ2の壁を貫通するように取り付けられている。ターゲット供給部26から出力されるターゲット物質の材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又は、それらの内のいずれか2つ以上の組合せを含むことができるが、これらに限定されない。
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられている。その貫通孔には、ウインドウ21が設けられている。ウインドウ21をレーザ装置3から出力されるパルスレーザ光32が透過する。チャンバ2の内部には、例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されている。EUV集光ミラー23は、第1及び第2の焦点を有する。EUV集光ミラー23の表面には、例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されている。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、その第2の焦点が中間集光点(IF)292に位置するように配置されている。EUV集光ミラー23の中央部には貫通孔24が設けられている。貫通孔24をパルスレーザ光33が通過する。
EUV光生成装置1は、EUV光生成制御部5、ターゲットセンサ4等を含む。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有し、ターゲット27の存在、軌跡、位置、速度等を検出するよう構成されている。
また、EUV光生成装置1は、チャンバ2の内部と露光装置6の内部とを連通させる接続部29を含む。接続部29内部には、アパーチャが形成された壁291が設けられている。壁291は、そのアパーチャがEUV集光ミラー23の第2の焦点位置に位置するように配置されている。
さらに、EUV光生成装置1は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光ミラー22、ターゲット27を回収するためのターゲット回収部28等を含む。レーザ光進行方向制御部34は、レーザ光の進行方向を規定するための光学素子と、この光学素子の位置、姿勢等を調整するためのアクチュエータとを備えている。
1.2 動作
図1を参照に、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてウインドウ21を透過してチャンバ2内に入射する。パルスレーザ光32は、少なくとも1つのレーザ光経路に沿ってチャンバ2内を進み、レーザ光集光ミラー22で反射されて、パルスレーザ光33として少なくとも1つのターゲット27に照射される。
ターゲット供給部26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力する。ターゲット27には、パルスレーザ光33に含まれる少なくとも1つのパルスが照射される。パルスレーザ光が照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマから放射光251が放射される。EUV集光ミラー23は、放射光251に含まれるEUV光を、他の波長域の光に比べて高い反射率で反射する。EUV集光ミラー23によって反射されたEUV光を含む反射光252は、中間集光点292で集光され、露光装置6に出力される。なお、1つのターゲット27に、パルスレーザ光33に含まれる複数のパルスが照射されてもよい。
EUV光生成制御部5は、EUV光生成システム11全体の制御を統括する。EUV光生成制御部5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージデータ等を処理する。また、EUV光生成制御部5は、例えば、ターゲット27が出力されるタイミング、ターゲット27の出力方向等を制御する。さらに、EUV光生成制御部5は、例えば、レーザ装置3の発振タイミング、パルスレーザ光32の進行方向、パルスレーザ光33の集光位置等を制御する。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御が追加されてもよい。
2.比較例に係るEUV光生成システム
2.1 構成
図2及び図3は、比較例に係るEUV光生成システム11aの構成を示す一部断面図である。図2及び図3に示されるように、EUV光の出力方向をZ方向とする。ターゲットの出力方向と反対の方向をY方向とする。Z方向とY方向との両方に垂直な方向をX方向とする。図2は−X方向の位置からX方向に見たEUV光生成システム11aを示す。図3はZ方向の位置から−Z方向に見たEUV光生成システム11aを示す。
チャンバ2aの内部には、レーザ光集光光学系22aと、EUV集光ミラー23と、ターゲット回収部28と、EUV集光ミラーホルダ81と、プレート82及び83とが設けられている。チャンバ2aには、ターゲット供給部26が取り付けられている。
チャンバ2aの外部には、レーザ装置3と、第1のガイドレーザ3pgと、第2のガイドレーザ3mgと、レーザ光進行方向制御部34aと、EUV光生成制御部5とが設けられている。EUV光生成制御部5は、図示しないプロセッサ及びメモリを含む。
2.1.1 ターゲット供給部
ターゲット供給部26は、チャンバ2aの壁面に形成された貫通孔2bを貫通するように配置されている。貫通孔2bの周囲のチャンバ2aの壁面と、ターゲット供給部26との間には、図示しないシール手段が配置されている。シール手段により、貫通孔2bの周囲のチャンバ2aの壁面とターゲット供給部26との間が密閉される。
ターゲット供給部26は、溶融されたターゲットの材料を、内部に貯蔵する。ターゲット供給部26は、チャンバ2aの内部に位置する図示しない開口部を有している。ターゲット供給部26の上記開口部付近に、図示しない加振装置が配置されている。
ターゲット供給部26は、図示しないXZステージを備えている。EUV光生成制御部5は、図1を参照しながら説明したターゲットセンサ4の出力に基づいてXZステージを制御する。XZステージの制御により、ターゲット27がプラズマ生成領域25を通るようにターゲット27の軌道を調整することができる。
2.1.2 レーザ装置
レーザ装置3は、プリパルスレーザ3pと、メインパルスレーザ3mとを含む。プリパルスレーザ3pは、プリパルスレーザ光31pを出力するように構成されている。メインパルスレーザ3mは、メインパルスレーザ光31mを出力するように構成されている。プリパルスレーザ3pは、例えば、YAGレーザ装置、あるいは、Nd:YVOを用いたレーザ装置で構成される。メインパルスレーザ3mは、例えば、COレーザ装置で構成される。プリパルスレーザ3p及びメインパルスレーザ3mの各々は、レーザ発振器及び必要に応じてレーザ増幅器を含む。YAGレーザ装置とは、レーザ発振器及びレーザ増幅器のいずれか又は両方に、レーザ媒質としてYAG結晶を用いるレーザ装置である。COレーザ装置とは、レーザ発振器及びレーザ増幅器のいずれか又は両方に、レーザ媒質としてCOガスを用いるレーザ装置である。プリパルスレーザ3p及びメインパルスレーザ3mの各々は、本開示におけるドライブレーザに相当する。
第1のガイドレーザ3pgは、第1のガイドレーザ光G1を出力するように構成されている。第2のガイドレーザ3mgは、第2のガイドレーザ光G2を出力するように構成されている。第1のガイドレーザ光G1及び第2のガイドレーザ光G2の少なくとも一つは、連続光とみなせる程度の高い繰返し周波数を有するパルスレーザ光でもよい。あるいは、第1のガイドレーザ光G1及び第2のガイドレーザ光G2の少なくとも一つは、連続光でもよい。
第1のガイドレーザ3pgから出力される第1のガイドレーザ光G1の光路に、高反射ミラー355が配置されている。高反射ミラー355は、ホルダ357に支持されている。高反射ミラー355によって反射された第1のガイドレーザ光G1の光路に、ビームコンバイナ365が配置されている。また、ビームコンバイナ365は、プリパルスレーザ3pとレーザ光進行方向制御部34aとの間のプリパルスレーザ光31pの光路に位置している。ビームコンバイナ365は、ホルダ367に支持されている。ビームコンバイナ365は、プリパルスレーザ光31pを高い透過率で透過させ、第1のガイドレーザ光G1を高い反射率で反射するように構成されている。ビームコンバイナ365は、プリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1の光路軸をほぼ一致させるように構成されている。光路軸とは、光路の中心軸を意味する。
第2のガイドレーザ3mgから出力される第2のガイドレーザ光G2の光路に、高反射ミラー356が配置されている。高反射ミラー356は、ホルダ358に支持されている。高反射ミラー356によって反射された第2のガイドレーザ光G2の光路に、ビームコンバイナ366が配置されている。また、ビームコンバイナ366は、メインパルスレーザ3mとレーザ光進行方向制御部34aとの間のメインパルスレーザ光31mの光路に位置している。ビームコンバイナ366は、ホルダ368に支持されている。ビームコンバイナ366は、メインパルスレーザ光31mを高い透過率で透過させ、第2のガイドレーザ光G2を高い反射率で反射するように構成されている。ビームコンバイナ366は、メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2の光路軸をほぼ一致させるように構成されている。
2.1.3 レーザ光進行方向制御部
レーザ光進行方向制御部34aは、高反射ミラー341及び342を含む。高反射ミラー341及び342は、プリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1の光路に配置されている。高反射ミラー341は、ホルダ343に支持されている。高反射ミラー342は、ホルダ344に支持されている。ホルダ343には、アクチュエータP1が取付けられている。ホルダ344には、アクチュエータP2が取付けられている。
レーザ光進行方向制御部34aは、さらに、高反射ミラー345及び346を含む。高反射ミラー345及び346は、メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2の光路に配置されている。高反射ミラー345は、ホルダ347に支持されている。高反射ミラー346は、ホルダ348に支持されている。ホルダ347には、アクチュエータM1が取付けられている。ホルダ348には、アクチュエータM2が取付けられている。
レーザ光進行方向制御部34aは、さらに、ビームコンバイナモジュール40を含む。ビームコンバイナモジュール40は、高反射ミラー401、402及び406と、ビームスプリッタ405と、ビームコンバイナ409と、センサ413と、を含む。高反射ミラー401は、高反射ミラー342によって反射されたプリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1の光路に配置されている。高反射ミラー401は、ホルダ403に支持されている。高反射ミラー402は、高反射ミラー401によって反射されたプリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1の光路に配置されている。高反射ミラー402は、ホルダ404に支持されている。
ビームスプリッタ405は、高反射ミラー346によって反射されたメインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2の光路に配置されている。ビームスプリッタ405は、ホルダ407に支持されている。ビームスプリッタ405は、メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2を高い反射率で反射するように構成されている。ビームスプリッタ405は、さらに、メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2の各一部をセンサ413に向けて透過させるように構成されている。
ビームコンバイナ409は、高反射ミラー402によって反射されたプリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1の光路に位置している。また、ビームコンバイナ409は、ビームスプリッタ405によって反射されたメインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2の光路に位置している。ビームコンバイナ409は、ホルダ410に支持されている。ビームコンバイナ409は、プリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1を高い反射率で反射し、メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2を高い透過率で透過させるように構成されている。ビームコンバイナ409は、プリパルスレーザ光31p、第1のガイドレーザ光G1、メインパルスレーザ光31m、及び第2のガイドレーザ光G2の光路軸をほぼ一致させるように構成されている。ビームコンバイナ409は、さらに、プリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1の各一部をセンサ413に向けて透過させるように構成されている。
高反射ミラー406は、ビームコンバイナ409によって反射されたプリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1と、ビームコンバイナ409を透過したメインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2と、の光路に配置されている。高反射ミラー406は、ホルダ408に支持されている。高反射ミラー406は、プリパルスレーザ光31p、第1のガイドレーザ光G1、メインパルスレーザ光31m、及び第2のガイドレーザ光G2を、チャンバ2aの内部に向けて反射するように構成されている。本明細書において、説明の便宜上、高反射ミラー406によって反射されたプリパルスレーザ光31p、第1のガイドレーザ光G1、メインパルスレーザ光31m、及び第2のガイドレーザ光G2をまとめてパルスレーザ光32と称することがある。但し、第1のガイドレーザ光G1又は第2のガイドレーザ光G2として連続光を用いることが妨げられるわけではない。
2.1.4 レーザ光集光光学系及びEUV集光ミラー
プレート82は、チャンバ2aに固定されている。EUV集光ミラー23は、EUV集光ミラーホルダ81を介してプレート82に固定されている。
プレート82には、プレート83及びレーザ光集光光学系アクチュエータ84が支持されている。レーザ光集光光学系22aは、軸外放物面凸面ミラー221及び楕円面凹面ミラー222を含む。軸外放物面凸面ミラー221は、ホルダ223に支持されている。楕円面凹面ミラー222は、ホルダ224に支持されている。ホルダ223及び224は、プレート83に支持されている。
軸外放物面凸面ミラー221は、回転放物面の凸面を反射面とするミラーである。軸外放物面凸面ミラー221は、回転放物面の軸が、軸外放物面凸面ミラー221に入射するパルスレーザ光32の光路軸とほぼ平行となるように配置されている。
楕円面凹面ミラー222は、回転楕円面の凹面を反射面とするミラーである。楕円面凹面ミラー222は、第1の焦点と第2の焦点を有する。軸外放物面凸面ミラー221の焦点と、楕円面凹面ミラー222の第1の焦点とがほぼ一致するように、楕円面凹面ミラー222が配置されている。楕円面凹面ミラー222の第2の焦点は、プラズマ生成領域25に位置している。
2.1.5 EUV光センサ
図3に示されるように、EUV光センサ70c〜70eが、それぞれチャンバ2aの壁面に取り付けられている。
EUV光センサ70c〜70eは、それぞれプラズマ生成領域25に向けられている。EUV光センサ70c及び70dは、XZ面に平行でプラズマ生成領域25を通る仮想の平面を挟んで互いに鏡像となる位置に配置されている。EUV光センサ70d及び70eは、YZ面に平行でプラズマ生成領域25を通る仮想の平面を挟んで互いに鏡像となる位置に配置されている。
EUV光センサ70cは、エネルギー計測部71cと、EUV光透過フィルタ72cと、筐体73cと、を含む。エネルギー計測部71c及びEUV光透過フィルタ72cが、筐体73cに収容されている。筐体73cの内部とチャンバ2aの内部とが、チャンバ2aの開口21cを介して連通している。EUV光センサ70d及び70eの構成要素は、EUV光センサ70cの構成要素と同様である。但し、EUV光センサ70dの構成要素は、それぞれの符号の末尾を「d」として図示され、EUV光センサ70eの構成要素は、それぞれの符号の末尾を「e」として図示されている。
2.2 動作
2.2.1 ターゲットの出力
EUV光生成制御部5は、ターゲット供給部26に制御信号を出力する。ターゲット供給部26の内部に貯蔵されたターゲット物質は、図示しないヒータによって、当該ターゲット物質の融点以上の温度に維持される。ターゲット供給部26の内部のターゲット物質は、ターゲット供給部26の内部に供給される不活性ガスによって加圧される。
不活性ガスによって加圧されたターゲット物質は、上述の開口部を介して噴流として出力される。上述の加振装置によってターゲット供給部26のうちの少なくとも開口部の周辺の構成要素が振動することにより、ターゲット物質の噴流は複数のドロップレットに分離される。それぞれのドロップレットが、ターゲット27を構成する。ターゲット27は、ターゲット供給部26からプラズマ生成領域25までの軌道Aに沿って−Y方向に移動する。
ターゲット回収部28は、プラズマ生成領域25を通過したターゲット27を回収する。
2.2.2 パルスレーザ光の出力
EUV光生成制御部5は、第1のトリガ信号を、プリパルスレーザ3pに出力する。プリパルスレーザ3pは、第1のトリガ信号に従って、プリパルスレーザ光31pを出力する。EUV光生成制御部5は、第1のトリガ信号を出力した後、第2のトリガ信号を、メインパルスレーザ3mに出力する。メインパルスレーザ3mは、第2のトリガ信号に従って、メインパルスレーザ光31mを出力する。このようにして、レーザ装置3は、プリパルスレーザ光31p及びメインパルスレーザ光31mを、この順で出力する。プリパルスレーザ光31pは、ピコ秒オーダーのパルス時間幅を有することが好ましい。ピコ秒オーダーとは、1ps以上、1ns未満を意味する。
第1のガイドレーザ3pgは、第1のガイドレーザ光G1を出力し、第2のガイドレーザ3mgは、第2のガイドレーザ光G2を出力する。
2.2.3 パルスレーザ光の伝送
プリパルスレーザ光31p、第1のガイドレーザ光G1、メインパルスレーザ光31m、及び第2のガイドレーザ光G2は、レーザ光進行方向制御部34aに入射する。
レーザ光進行方向制御部34aにおいて、センサ413は、ビームコンバイナ409を透過したプリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1を検出し、検出結果をEUV光生成制御部5に出力する。EUV光生成制御部5は、センサ413の出力に基づいてプリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1のビームポジション及びポインティングを算出する。
ビームポジション及びポインティングは、センサ413に入射したレーザ光の位置及び方向をそれぞれ示す。EUV光生成制御部5は、プリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1のビームポジション及びポインティングに基づいて、アクチュエータP1及びP2をそれぞれ制御する。アクチュエータP1及びP2をそれぞれ制御することにより、プリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1のビームポジション及びポインティングが同時に変化する。
センサ413は、ビームスプリッタ405を透過したメインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2を検出し、検出結果をEUV光生成制御部5に出力する。EUV光生成制御部5は、センサ413の出力に基づいてメインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2のビームポジション及びポインティングを算出する。
EUV光生成制御部5は、メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2のビームポジション及びポインティングに基づいて、アクチュエータM1及びM2をそれぞれ制御する。アクチュエータM1及びM2をそれぞれ制御することにより、メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2のビームポジション及びポインティングが同時に変化する。
2.2.4 パルスレーザ光の集光
プリパルスレーザ光31p、第1のガイドレーザ光G1、メインパルスレーザ光31m、及び第2のガイドレーザ光G2は、レーザ光進行方向制御部34aを経て、パルスレーザ光32としてレーザ光集光光学系22aに導かれる。
パルスレーザ光32は、レーザ光集光光学系22aに含まれる軸外放物面凸面ミラー221によって反射されることによりビーム拡大される。軸外放物面凸面ミラー221によって反射されたパルスレーザ光32は、楕円面凹面ミラー222によって反射され、パルスレーザ光33としてプラズマ生成領域25に集光される。説明の便宜上、パルスレーザ光33は、プリパルスレーザ光31p、第1のガイドレーザ光G1、メインパルスレーザ光31m、及び第2のガイドレーザ光G2を含むものとする。但し、第1のガイドレーザ光G1又は第2のガイドレーザ光G2として連続光を用いることが妨げられるわけではない。
レーザ光集光光学系アクチュエータ84は、プレート82に対するプレート83の位置を調整する。レーザ光集光光学系アクチュエータ84は、EUV光生成制御部5から出力される制御信号により制御される。プレート83の位置が調整されることにより、軸外放物面凸面ミラー221及び楕円面凹面ミラー222の位置が調整される。プレート83及びレーザ光集光光学系アクチュエータ84は、軸外放物面凸面ミラー221及び楕円面凹面ミラー222を移動するステージを構成する。以下の説明において、プレート83及びレーザ光集光光学系アクチュエータ84をまとめて単にステージと称することがある。軸外放物面凸面ミラー221及び楕円面凹面ミラー222を移動することにより、パルスレーザ光33に含まれるプリパルスレーザ光31p、第1のガイドレーザ光G1、メインパルスレーザ光31m、及び第2のガイドレーザ光G2の光路軸が変化する。上述のように、楕円面凹面ミラー222の上記第2の焦点と、パルスレーザ光33の集光点とがほぼ一致する。このため、レーザ光集光光学系アクチュエータ84によるプレート83の移動方向及び移動距離と、パルスレーザ光33の集光点の移動方向及び移動距離とが、それぞれほぼ一致する。
1つのターゲット27がプラズマ生成領域25に到達したタイミングで、当該ターゲット27にプリパルスレーザ光31pが照射される。プリパルスレーザ光31pが照射されたターゲット27は膨張又は拡散して、二次ターゲットとなる。二次ターゲットが所望の大きさに膨張又は拡散したタイミングで、当該二次ターゲットにメインパルスレーザ光31mが照射される。メインパルスレーザ光31mが照射された二次ターゲットはプラズマ化して、このプラズマからEUV光を含む放射光251が放射される。
本開示は上述の構成に限られず、プリパルスレーザ光31pとメインパルスレーザ光31mとの間に、第2のプリパルスレーザ光がターゲットに照射されてもよい。
2.2.5 EUV重心位置に基づくレーザ光の光路軸の制御
プラズマ生成領域25に集光されるパルスレーザ光33の光路軸がドロップレット状のターゲット27の中心からずれると、EUV光のエネルギー低下などの問題が生じる。従って、パルスレーザ光33の光路軸は、ターゲット27の中心に近くなるように制御されることが望ましい。
しかしながら、パルスレーザ光33の光路軸とターゲット27の中心とのずれを直接計測することは困難な場合がある。そこで、EUV光生成制御部5は、以下の原理により、EUV重心位置を指標としてパルスレーザ光33の光路軸を制御する。
例えば、ターゲット27の中心とプリパルスレーザ光31pの光路軸とが一致している場合には、二次ターゲットがプリパルスレーザ光31pの光路軸を中心として等方的に拡散する。このような二次ターゲットにメインパルスレーザ光31mを照射して生成されるプラズマからは、EUV光が等方的に放射される。一方、ターゲット27の中心とプリパルスレーザ光31pの光路軸とがずれている場合には、二次ターゲットがプリパルスレーザ光31pの光路軸を中心として非等方的に拡散する。そして、EUV光は、プリパルスレーザ光31pの光路軸がずれた方向に偏って放射される。
EUV光の放射の偏りは、EUV光センサ70c〜70eによって検出することができる。EUV光センサ70c〜70eの各々は、プラズマから放射されてEUV光センサ70c〜70eの各々に到達するEUV光のエネルギーを検出する。そして、EUV光が等方的に放射される場合には、EUV光センサ70c〜70eで検出されるEUV光のエネルギーは略一致する。一方、EUV光が偏って放射される場合には、EUV光センサ70c〜70eで検出されるEUV光のエネルギーに偏りが生じる。具体的には、EUV光センサ70c〜70eのうち、プリパルスレーザ光31pの光路軸がずれた方向に配置されたEUV光センサによるEUV光のエネルギーの検出値が、相対的に大きくなる。EUV光センサ70c〜70eで検出されるEUV光のエネルギーの偏りの大きさは、ターゲット27の中心とプリパルスレーザ光31pの光路軸とのずれの大きさに依存する。
ここで、EUV光センサ70c、70d及び70eにおいて検出されるEUV光のエネルギーをそれぞれE1、E2及びE3とする。Y方向に互いにずれて配置されたEUV光センサ70c及び70dにおいて検出されるEUV光のエネルギーE1及びE2を用いて、(E1−E2)/(E1+E2)の式で算出される値を、Y方向のEUV重心位置と定義する。また、X方向に互いにずれて配置されたEUV光センサ70d及び70eにおいて検出されるEUV光のエネルギーE2及びE3を用いて、(E2−E3)/(E2+E3)の式で算出される値を、X方向のEUV重心位置と定義する。EUV重心位置は、ターゲット27の中心に対してプリパルスレーザ光31pの光路軸がずれた方向とその距離とに応じて変化する。なお、プリパルスレーザ光31pの光路軸がずれた場合に限らず、メインパルスレーザ光31mの光路軸がずれた場合にも、EUV重心位置が変化する場合がある。
EUV光生成制御部5は、Y方向及びX方向の少なくとも1つのEUV重心位置に基づいて、パルスレーザ光33の光路軸を制御する。例えば、EUV光生成制御部5は、Y方向及びX方向のEUV重心位置が0に近づくように、レーザ光集光光学系アクチュエータ84を制御する。これにより、プラズマ生成領域25に集光されるパルスレーザ光33の光路軸とドロップレット状のターゲット27の中心との差を小さくすることができる。
2.3 課題
図4は、図2及び図3に示されるEUV光生成システム11aにおけるバースト信号及びEUV光エネルギーの時間的な推移を示す。露光装置6は、EUV光の出力のONとOFFとの切替えをEUV光生成システム11aに指示するためのバースト信号を出力する。バースト信号は、第1の状態と第2の状態との間で変化する。第1の状態において、バースト信号は第1の電圧を有し、バーストON期間を示す。第2の状態において、バースト信号は第2の電圧を有し、バーストOFF期間を示す。
バースト信号を受信したEUV光生成システム11aは、バーストON期間において、レーザ装置3からプリパルスレーザ光31p及びメインパルスレーザ光31mを出力して、高い繰り返し周波数でEUV光を出力する。バースト信号を受信したEUV光生成システム11aは、バーストOFF期間において、プリパルスレーザ光31p及びメインパルスレーザ光31mの出力を休止して、EUV光の出力を休止する。
1つのバーストON期間は、例えば、複数のチップ領域が含まれる半導体ウェハの、1つのチップ領域を露光する期間に相当する。バーストOFF期間は、例えば、上記半導体ウェハの1つのチップ領域を露光可能な位置から、別のチップ領域を露光可能な位置となるように、図示しないウェハステージを駆動して半導体ウェハの位置を移動させる期間に相当する。また、バーストOFF期間は、例えば、上記ウェハステージにセットされた半導体ウェハを別の半導体ウェハに交換する期間に相当する。
図2及び図3に示されるLPP方式のEUV光生成システムにおいて、レーザ光進行方向制御部34aやレーザ光集光光学系22a等に含まれる光学素子は、パルスレーザ光のエネルギーによって加熱される。光学素子は、加熱されると変形し、パルスレーザ光の光路を変化させる。パルスレーザ光のプラズマ生成領域25の近傍における光路位置が変化すると、ターゲット27に対するパルスレーザ光の照射位置が変化する。これにより、プラズマが生成される位置が変化し、EUV重心位置も変化する。そこで、EUV重心位置に基づいて、パルスレーザ光の光路位置の変化を補償するように、レーザ光集光光学系アクチュエータ84が制御される。
バーストON期間においては、EUV重心位置に基づいてレーザ光集光光学系アクチュエータ84を制御することが可能である。しかし、バーストOFF期間においては、EUV光が生成されておらず、EUV重心位置に基づいてレーザ光集光光学系アクチュエータ84を制御することができない場合がある。
さらに、バーストON期間においては、パルスレーザ光のエネルギーがほぼ一定の周期で光学素子に供給されるのに対し、バーストOFF期間においては、パルスレーザ光のエネルギーが光学素子に供給されなくなる。これにより、バーストOFF期間においては、光学素子から熱エネルギーが失われ、光学素子の温度が低下する。光学素子は、温度が低下すると変形し、パルスレーザ光の光路を変化させる。バーストOFF期間が十分に短ければ、光学素子の温度変化が小さく、パルスレーザ光の光路の変化は小さいのに対し、バーストOFF期間が長くなると、光学素子の温度変化が大きく、パルスレーザ光の光路の変化が大きくなる場合がある。
このため、例えば数秒以上の長いバーストOFF期間の次のバーストON期間の開始時に、ターゲット27に対するパルスレーザ光の照射位置が所望の範囲からずれている場合がある。この場合、バーストON期間の開始時のEUV光エネルギーが所望のEUV光エネルギーよりも低く、露光性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
バーストOFF期間においても、センサ413による第1のガイドレーザ光G1及び第2のガイドレーザ光G2の検出結果に基づいて、アクチュエータP1、P2、M1、及びM2を制御することも可能である。しかし、センサ413による検出結果に基づくアクチュエータの制御では、例えば、レーザ光集光光学系22aの温度変化によるパルスレーザ光の光路軸の変化を補償することができない。
以下に説明する実施形態においては、第1のガイドレーザ光G1又は第2のガイドレーザ光G2のターゲット27による反射光を検出する光センサ80が用いられる。ターゲット27による反射光の検出結果に基づいて、ターゲット27に対する第1のガイドレーザ光G1又は第2のガイドレーザ光G2の照射位置を推定することができる。そこで、バーストOFF期間において、ターゲット27による反射光の検出結果に基づいてパルスレーザ光の光路軸を制御する。これにより、次のバーストON期間の開始時におけるパルスレーザ光の位置ずれを低減することができる。
特に、ターゲット27に対するプリパルスレーザ光31pの照射位置の精度を向上することにより、EUV光エネルギーが安定化し得る。以下の説明においては、第1のガイドレーザ光G1のターゲット27による反射光の検出結果に基づいてパルスレーザ光の光路軸を制御する場合について説明する。しかし、第2のガイドレーザ光G2のターゲット27による反射光の検出結果に基づいてパルスレーザ光の光路軸を制御しても、本発明の課題を解決し得る。
3.光センサ80を備えたEUV光生成システム
3.1 構成
図5は、本開示の第1の実施形態に係るEUV光生成システム11bの構成を示す一部断面図である。第1の実施形態において、EUV光生成システム11bは、上述の比較例の構成に加えて、タイマ51と、光センサ80と、を含む。
光センサ80は、プラズマ生成領域25からほぼ−X方向に離れた所定位置に配置される。例えば、光センサ80は、チャンバ2aの外部に位置し、プラズマ生成領域25と光センサ80との間のチャンバ2aの壁面には、図示しないウインドウが位置している。
光センサ80は、例えば、図示しない転写光学系と、図示しないイメージセンサと、を含む。イメージセンサは、例えばCCDセンサで構成される。プラズマ生成領域25において第1のガイドレーザ光G1が照射されたターゲット27の像がイメージセンサの受光面に結像するように、転写光学系が配置される。光センサ80は、イメージセンサによって撮影されたプラズマ生成領域25及びその周辺の画像を、検出結果としてEUV光生成制御部5に出力する。
図6Aは、ターゲット27と光センサ80との位置関係を示す。ドロップレット状のターゲット27は、ほぼ球状の形を有する。ドロップレット状のターゲット27に第1のガイドレーザ光G1が照射されると、第1のガイドレーザ光G1はターゲット27の球面状の表面によって多方向に反射される。この反射光を含むターゲット27の像を光センサ80によって取得した場合、以下の原理により、ターゲット27に対する第1のガイドレーザ光G1の照射位置を推定し得る。
ターゲット27は、プラズマ生成領域25を通るY軸と平行な軌道に沿って、−Y方向に移動する。第1のガイドレーザ光G1が、プラズマ生成領域25に到達したターゲット27に、Z方向に照射される。光センサ80は、ターゲット27の軌道と第1のガイドレーザ光G1の光路軸との両方にほぼ直交する方向から、プラズマ生成領域25に位置する物体を撮像するように配置されてもよい。ここでは、光センサ80が−X方向の位置からプラズマ生成領域25に位置する物体を撮像する場合について説明するが、本開示はこの配置に限定されない。
図6Bは、第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置に調整された場合に光センサ80によって撮影される画像の例を示す。第1のガイドレーザ光G1の光路軸の理想的な位置は、Y=0の位置にあるとする。光センサ80に含まれるイメージセンサの受光面に、転写光学系によってターゲット27の倒立像が結像される場合、図6B及び後述の図6C及び図6Dの画像は、倒立像を正立像に変換したものに相当する。
第1のガイドレーザ光G1は、ターゲット27の−Z方向側の表面に照射される。第1のガイドレーザ光G1は、ターゲット27の球面状の表面によって多方向に反射され、その反射光の一部が光センサ80に到達する。これにより、光センサ80によって取得される画像には、第1のガイドレーザ光G1の照射位置に対応する明るい像27bが写る。第1のガイドレーザ光G1の光路軸がY=0の理想的な位置にあるとき、像27bはY=0に対応する位置に形成される。
図6Cは、第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置よりもY方向にずれた場合に光センサ80によって取得される画像の例を示す。第1のガイドレーザ光G1の光路軸がY方向にずれると、第1のガイドレーザ光G1はターゲット27の軌道に沿ってY方向側にずれた位置でターゲット27に照射される。これにより、光センサ80によって取得される画像には、Y=0よりもY方向にずれた位置に、明るい像27cが写る。
逆に、第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置よりも−Y方向にずれた場合には、光センサ80によって取得される画像には、Y=0よりも−Y方向にずれた位置に、明るい像27cが写る。従って、像27cがY方向のどこに形成されたかを検出し、この検出結果に基づいて第1のガイドレーザ光G1の光路軸がY方向又は−Y方向にどの程度ずれているかを算出することができる。
図6Dは、第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置よりもX方向にずれた場合に光センサ80によって取得される画像の例を示す。第1のガイドレーザ光G1の光路軸がX方向にずれると、第1のガイドレーザ光G1の一部が、ターゲット27に当たらずにターゲット27の近くを通過する場合がある。従って、ターゲット27の表面によって反射されて光センサ80に到達する第1のガイドレーザ光G1の光量が低下する場合がある。これにより、光センサ80によって取得される画像には、図6Bの像27bよりも暗い像又は小さい像27dが写る場合がある。
第1のガイドレーザ光G1の光路軸が理想的な位置よりも−X方向にずれた場合にも、光センサ80によって取得される画像には、図6Bの像27bよりも暗い像又は小さい像27dが写る場合がある。
従って、像27dの光量を検出し、この検出結果に基づいて、第1のガイドレーザ光G1の光路軸がX方向又は−X方向にずれているか否かを算出することができる。
ここでは、光センサ80を1つだけ用いる場合について説明したが、本開示はこれに限定されない。第1のガイドレーザ光G1の光路軸とほぼ直交する複数の方向からプラズマ生成領域25を撮像するように、複数の光センサが配置されてもよい。また、第1のガイドレーザ光G1の光路軸がX方向にずれたか否かは、反射光の光量に基づいて検出できる。第1のガイドレーザ光G1の光路軸がY方向にずれたか否かを検出しない場合には、光センサ80はイメージセンサを含まなくてもよい。
図5を再び参照し、タイマ51は、EUV光生成制御部5によって制御される。EUV光生成制御部5は、バーストON期間においては、タイマ51のカウント値Tを0に設定する。EUV光生成制御部5は、露光装置6から出力されるバースト信号の立下りを検出したとき、すなわち、バーストON期間の終了あるいはバーストOFF期間の開始を検出したときに、タイマ51による時間のカウントを開始する。タイマ51がカウントを開始する時のカウント値Tの初期値は0である。タイマ51のカウント値Tは、EUV光生成制御部5に出力される。EUV光生成制御部5は、タイマ51のカウント値Tが所定値Kに達するごとに、タイマ51のカウント値Tを0に戻すとともに、光センサ80の検出結果に基づいてレーザ光集光光学系アクチュエータ84の制御を行う。
3.2 動作
3.2.1 メインフロー
図7は、第1の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。EUV光生成制御部5は、以下の処理により、バーストOFF期間における光路軸調整を行う。以下のフローチャートにおいて、NはNOと判定された場合の分岐先を示し、YはYESと判定された場合の分岐先を示す。
まず、S100において、EUV光生成制御部5は、タイマ51のカウント値Tを0に設定する。
次に、S200において、EUV光生成制御部5は、バースト信号の立下りを検出したか否かを判定する。EUV光生成制御部5がバースト信号の立ち上がりを検出した場合や、EUV光生成制御部5がバースト信号の変化を検出しない場合には、S200の判定結果はNOとなる。EUV光生成制御部5がバーストON期間の終了又はバーストOFF期間の開始を検出した場合には、S200の判定結果がYESとなる。バースト信号の立下りを検出した場合(S200:YES)、EUV光生成制御部5は、S300に処理を進める。バースト信号の立下りを検出しない場合(S200:NO)、EUV光生成制御部5は、S400に処理を進める。
S300において、EUV光生成制御部5は、タイマ51のカウントを0から開始する。S300の後、EUV光生成制御部5は、処理をS200に戻す。
S400において、EUV光生成制御部5は、バースト信号がバーストOFF期間を示しているか否かを判定する。バースト信号がバーストOFF期間を示していない場合(S400:NO)、EUV光生成制御部5は、処理をS100に戻す。バースト信号がバーストOFF期間を示している場合(S400:YES)、EUV光生成制御部5は、処理をS500に進める。
S500において、EUV光生成制御部5は、タイマ51のカウント値Tの値をタイマ51から読み込む。
次に、S600において、EUV光生成制御部5は、タイマ51のカウント値Tを閾値Kと比較する。タイマ51のカウント値Tが閾値K未満である場合(S600:NO)、EUV光生成制御部5は、処理をS200に戻す。タイマ51のカウント値Tが閾値K以上である場合(S600:YES)、EUV光生成制御部5は、処理をS700に進める。
S700において、EUV光生成制御部5は、光センサ80によって計測される第1のガイドレーザ光G1の反射光の光量が最大となるように、レーザ光集光光学系22aによるX方向の集光位置を制御する。X方向の集光位置を制御する方法の1つの例として、レーザ光集光光学系アクチュエータ84を含むステージを制御する方法がある。S700の処理の詳細については、図9及び図10を参照しながら後述する。
次に、S900において、EUV光生成制御部5は、タイマ51のカウント値Tを0に設定する。
次に、S1000において、EUV光生成制御部5は、タイマ51のカウントを0から開始する。S1000の後、EUV光生成制御部5は、処理をS200に戻す。
図8は、第1の実施形態における光路軸調整のタイミングチャートである。バースト信号については図4を参照しながら説明したものと同様である。図8に示されるように、バースト信号がバーストON期間からバーストOFF期間に切り替わると(図7のS200:YES)、タイマ51が0からカウントを開始する(図7のS300)。タイマ51がカウントを開始した後、バースト信号がバーストON期間になると(図7のS400:NO)、タイマ51のカウント値Tが0に戻る(図7のS100)。バーストOFF期間において(図7のS400:YES)、タイマ51のカウント値Tが閾値K以上になると(図7のS600:YES)、集光位置の制御が行われ(図7のS700)、その後、タイマ51が0からカウントを開始する(図7のS900、S1000)。
このようにして、第1の実施形態においては、バーストOFF期間においてタイマ51のカウント値Tが閾値Kに達する一定期間ごとに、集光位置の制御が行われる。
第1の実施形態においては、EUV光生成制御部5がバースト信号に基づいてタイマ51のカウント開始等を制御する場合について説明したが、本開示はこれに限定されない。タイマ51は、露光装置6から出力されるバースト信号を受信して、バースト信号の立下りを検出したときに、時間のカウントを0から開始するものであってもよい。
3.2.2 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
図9は、第1の実施形態において計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。図9に示される処理は、図7のS700のサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S703において、EUV光生成制御部5は、図示しないカウンタnの値を初期値0に設定する。カウンタnは、反射光の光量が最大となるX方向の集光位置を推定するために、光センサ80によって反射光の光量を計測した回数を数えるカウンタである。
次に、S704において、EUV光生成制御部5は、反射光の光量が最大となるX方向の集光位置を推定するために以下のパラメータの値を設定する。
X0: ステージ初期位置、
ΔX: ステージ刻み幅、
XLL:ステージ下限位置、
XUL:ステージ上限位置、
N: カウンタ最大値、
Y0: Y方向の基準位置
ここで、ステージは、図2を参照しながら説明したプレート83及びレーザ光集光光学系アクチュエータ84によって構成させるステージである。カウンタnの最大値Nは、光センサ80によって反射光の光量を計測しようとする回数に相当する。
次に、S705において、EUV光生成制御部5は、カウンタnの現在の値に1を加算してnの値を更新する。
次に、S706において、EUV光生成制御部5は、カウンタnの値がカウンタ最大値N以上であるか否かを判定する。カウンタnの値がカウンタ最大値N未満である場合(S706:NO)、EUV光生成制御部5は、S707に処理を進める。カウンタnの値がカウンタ最大値N以上である場合(S706:YES)、EUV光生成制御部5は、S711に処理を進める。
S707において、EUV光生成制御部5は、カウンタnの現在の値に対応するステージのX方向位置Xnを以下のように設定する。
Xn=X0+[−(N−1)/2+(n−1)]×ΔX
例えば、カウンタ最大値Nが5に設定されている場合、カウンタnの値は1から5まで順次カウントアップされる。カウンタnの値1、2、3、4、及び5に対応するXnの値は、それぞれ、X0−2ΔX、X0−ΔX、X0、X0+ΔX、及びX0+2ΔXとなる(図10の横軸を参照)。
次に、S708において、EUV光生成制御部5は、ステージのX方向位置Xnが、ステージ下限位置XLLとステージ上限位置XULとの間であるか否かを判定する。ステージのX方向位置Xnが、ステージ下限位置XLLとステージ上限位置XULとの間である場合(S708:YES)、EUV光生成制御部5は、S709に処理を進める。ステージのX方向位置Xnが、ステージ下限位置XLLとステージ上限位置XULとの間ではない場合(S708:NO)、EUV光生成制御部5は、S714に処理を進める。
S709において、EUV光生成制御部5は、レーザ光集光光学系アクチュエータ84を制御して、ステージ位置を座標(Xn,Y0)に移動させる。
次に、S710において、EUV光生成制御部5は、光センサ80から画像データを受信して、この画像データに基づいて輝点情報を計測する。輝点情報は、反射光の輝点の位置の座標(Pzn,Pyn)及び反射光の光量Lを含む。反射光の輝点の位置の座標(Pzn,Pyn)は、Z座標Pznと、Y座標Pynとで表される。反射光の輝点の位置の座標(Pzn,Pyn)は、画像データに含まれる輝点の重心位置として算出することができる。反射光の光量Lは、画像データに含まれる各画素の輝度を積分することにより算出することができる。S710の後、EUV光生成制御部5は、S705に処理を戻して、S705からS710までの処理を繰り返す。これにより、S710において、カウンタ最大値Nに相当する数の座標(Pzn,Pyn)及び光量Lの値が算出される。
上述のS706においてカウンタnの値がカウンタ最大値N以上であると判定された場合、S711において、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lの最大値MAX(L)が閾値Lthより大きいか否かを判定する。最大値MAX(L)は、光量LのN個の値のうちの最大値である。反射光の光量Lの最大値MAX(L)が閾値Lthより大きい場合(S711:YES)、EUV光生成制御部5は、S712に処理を進める。反射光の光量Lの最大値MAX(L)が閾値Lth以下である場合(S711:NO)、EUV光生成制御部5は、S714に処理を進める。
S712において、EUV光生成制御部5は、S710で計測された輝点情報に基づいて、ステージの最適なX方向位置Xbを算出する。最適なX方向位置Xbは、計測される反射光の光量が最大となるようなステージのX方向位置をいう。
次に、S713において、EUV光生成制御部5は、レーザ光集光光学系アクチュエータ84を制御して、ステージ位置を座標(Xb,Y0)に移動させる。このようにステージのX方向位置を制御することにより、第1のガイドレーザ光G1のX方向の集光位置が最適位置に制御される。
S713の後、EUV光生成制御部5は、本フローチャートによる処理を終了し、図7に示される処理に戻る。
上述のS708においてステージのX方向位置Xnがステージ下限位置XLLとステージ上限位置XULとの間ではないと判定された場合、S714に処理が進められる。また、上述のS711において反射光の光量Lの最大値MAX(L)が閾値Lth以下であると判定された場合、S714に処理が進められる。S714において、EUV光生成制御部5は、集光位置の制御が適切になされていないことを示すワーニングを発行する。S714の後、EUV光生成制御部5は、本フローチャートによる処理を終了し、図7に示される処理に戻る。
図10は、計測される反射光の光量が最大となるようなX方向の集光位置を算出する方法を説明するための図である。図10は、横軸にステージのX方向位置を示し、縦軸に反射光の光量Lを示す。図10において、カウンタnの値が1、2、3、4、及び5である場合のそれぞれにおけるステージのX方向位置と反射光の光量Lとの関係が白抜きの小円で示されている。
図9を参照しながら説明したS712において、EUV光生成制御部5は、図10に示される複数の白抜きの小円で示される光量の測定データに基づいて、近似曲線を導出する。近似曲線とは、測定データに対して小さい偏差で当てはまる曲線をいう。図10に示される近似曲線は、例えば、2次関数又はガウス関数のパラメータを設定することにより導出される。
EUV光生成制御部5は、導出された近似曲線に基づいて、反射光の光量Lが最大となるようなステージのX方向位置Xbを算出する。
3.3 作用
第1の実施形態によれば、バーストOFF期間において、第1のガイドレーザ光G1の反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する。これにより、次のバーストON期間の開始当初におけるプリパルスレーザ光31pがターゲット27に対して所望の位置に照射される。そして、バーストON期間の開始当初におけるEUV光エネルギーを所望の範囲内とすることが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、バースト信号の立下り後の経過時間をタイマ51がカウントする。そして、タイマ51が一定値に達するごとに、集光位置が制御される。これにより、バーストOFF期間において集光位置を制御する頻度を低減することができる。
また、第1の実施形態によれば、反射光の光量が最大となるようなX方向の集光位置を算出するために近似曲線を用いる。これにより、少ない測定回数で適切な集光位置を算出することができる。
4.早期にワーニングを発行するEUV光生成システム
4.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
図11は、本開示の第2の実施形態において、計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。第2の実施形態においては、図9に示される処理の代わりに、図11に示される処理が行われる点で第1の実施形態と異なる。他の点については、第2の実施形態は第1の実施形態と同様である。
まず、S701aにおいて、EUV光生成制御部5は、第1のガイドレーザ光G1の集光位置を現在の集光位置としたままで、反射光の光量Lを検出する。
次に、S702aにおいて、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lが閾値Lminより大きいか否かを判定する。反射光の光量Lが閾値Lminより大きい場合(S702a:YES)、EUV光生成制御部5は、S703に処理を進める。S703以降の処理は、第1の実施形態と同様である。反射光の光量Lが閾値Lmin以下である場合(S702a:NO)、EUV光生成制御部5は、S714に処理を進める。S714において、EUV光生成制御部5は、集光位置の制御が適切になされていないことを示すワーニングを発行する。
第2の実施形態によれば、レーザ光集光光学系アクチュエータ84を駆動する前に反射光の光量Lが不足することがわかった場合に、早期にワーニングを発行することができる。
5.ステージ刻み幅を変更可能なEUV光生成システム
5.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
図12は、本開示の第3の実施形態において、計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。第3の実施形態においては、図11に示される処理の代わりに、図12〜図14に示される処理が行われる点で第2の実施形態と異なる。他の点については、第3の実施形態は第2の実施形態と同様である。
まず、S701aにおいて、EUV光生成制御部5は、第1のガイドレーザ光G1の集光位置を現在の集光位置としたままで、反射光の光量Lを検出する。この点は図11における対応する処理と同様である。
次に、S702bにおいて、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きいか否かを判定する。反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きい場合(S702b:YES)、EUV光生成制御部5は、S730bに処理を進める。反射光の光量Lが閾値Lmin1以下である場合(S702b:NO)、EUV光生成制御部5は、S720bに処理を進める。
S720bにおいて、EUV光生成制御部5は、ステージをX方向にスキャンして、反射光を検出可能な集光位置を探す。S720bの詳細については、図14及び図15を参照しながら後述する。S720bの後、EUV光生成制御部5は、処理をS730bに進める。
S730bにおいて、EUV光生成制御部5は、+X方向又は−X方向のうち、反射光の光量Lが増加するX方向にステージを制御する。S730bの詳細については、図13を参照しながら後述する。S730bの後、EUV光生成制御部5は、本フローチャートの処理を終了し、図7に示される処理に戻る。
5.1.1 反射光の光量Lが増加するX方向にステージを制御する処理
図13は、反射光の光量Lが増加するX方向にステージを制御する処理の詳細を示すフローチャートである。図13に示される処理は、図12のS730bのサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S732において、EUV光生成制御部5は、上述のS701aにおいて計測された反射光の光量Lを、移動前の値Lpとして、図示しない記憶部に記憶させる。
次に、S733において、EUV光生成制御部5は、第1方向にステージをΔXa移動させ、図示しない記憶部に移動方向を記憶させる。第1方向は、+X方向でもよいし、−X方向でもよい。ステージの移動距離を示すΔXaについては、図15を参照しながら後述する。
次に、S734において、EUV光生成制御部5は、新たに反射光の光量Lを検出する。
次に、S735において、EUV光生成制御部5は、新たに検出された反射光の光量Lを、移動後の値Lrとして、図示しない記憶部に記憶させる。
次に、S736において、EUV光生成制御部5は、ステージの移動による光量の変化量ΔLを以下の式により算出する。
ΔL=Lr−Lp
次に、S737において、EUV光生成制御部5は、光量の変化量ΔLの絶対値|ΔL|が所定値ΔLgより大きいか否かを判定する。光量の変化量ΔLの絶対値|ΔL|が所定値ΔLg以下である場合(S737:NO)、反射光の光量Lが極大値付近にあるとみなすことができる。この場合、EUV光生成制御部5は、本フローチャートの処理を終了し、図12に示される処理に戻る。光量の変化量ΔLの絶対値|ΔL|が所定値ΔLgより大きい場合(S737:YES)、EUV光生成制御部5は、S738に処理を進める。
S738において、EUV光生成制御部5は、上述の移動後の値Lrを、次回の処理における移動前の値Lpとして、図示しない記憶部に記憶させる。
次に、S739において、EUV光生成制御部5は、光量の変化量ΔLが正数であるか否かを判定する。
光量の変化量ΔLが正数である場合(S739:YES)、EUV光生成制御部5は、S740に処理を進める。光量の変化量ΔLが正数であることは、ステージの移動によって反射光の光量Lが増加したことを示すので、再度同じ方向にステージを移動させれば、さらに反射光の光量Lが増加する可能性がある。そこで、S740において、EUV光生成制御部5は、記憶された移動方向と同じ方向に、ステージをΔXa移動させる。S740の後、EUV光生成制御部5は、S734に処理を戻して、S734からS740又はS741までの処理を繰り返す。
光量の変化量ΔLが0以下である場合(S739:NO)、EUV光生成制御部5は、S741に処理を進める。光量の変化量ΔLが0以下であることは、ステージの移動によって反射光の光量Lが増加しなかったことを示すので、再度同じ方向にステージを移動させても、反射光の光量Lの増加は期待できない。そこで、S741において、EUV光生成制御部5は、記憶された移動方向と反対の方向に、ステージをΔXa移動させる。また、S741において、EUV光生成制御部5は、新しい移動方向を図示しない記憶部に記憶させる。S741の後、EUV光生成制御部5は、S734に処理を戻して、S734からS740又はS741までの処理を繰り返す。
5.1.2 ステージをX方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理
図14は、ステージをX方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理の詳細を示すフローチャートである。図14に示される処理は、図12のS720bのサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S721において、EUV光生成制御部5は、ステージを下限位置XLLに移動させる。
次に、S722において、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lを検出する。
次に、S723において、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きいか否かを判定する。
反射光の光量Lが閾値Lmin1以下である場合(S723:NO)、EUV光生成制御部5は、S724に処理を進める。S724において、EUV光生成制御部5は、ステージの上限位置XULへ近づく方向にステージをΔXb移動する。ここでのステージの移動距離を示すΔXbは、上述のΔXaより大きい値とする。S724の後、EUV光生成制御部5は、S722に処理を戻してS722からS724までの処理を繰り返す。
反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きくなった場合(S723:YES)、EUV光生成制御部5は、本フローチャートの処理を終了し、図12に示される処理に戻る。その後、EUV光生成制御部5の処理は図13の処理に移行する。
図15は、X方向の集光位置を制御する処理について説明する図である。図15は、横軸にステージのX方向位置を示し、縦軸に反射光の光量Lを示す。
反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きい場合(図12のS702b:YES)、ステージの移動距離はΔXaに設定される(図13のS733)。ステージの移動による光量の変化量の絶対値|ΔL|が所定値ΔLgより大きい場合には(図13のS737:YES)、さらにステージの移動が行われる(図13のS740又はS741)。光量の変化量の絶対値|ΔL|が所定値ΔLg以下となった場合には(図13のS737:YES)、集光位置の制御が完了する。
反射光の光量Lが閾値Lmin1以下である場合(図12のS702b:NO)、ステージは下限位置XLLに移動され(図14のS721)、ステージの移動距離はΔXbに設定される(図14のS724)。反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きくなった場合(図14のS723:YES)、EUV光生成制御部5の処理は図13の処理に移行する。
5.2 作用
図14に示される処理によれば、反射光の光量Lが閾値Lmin1以下でほとんど光量Lを検出できないような場合でも、反射光を検出可能な集光位置を探すことができる。このときのステージの移動距離をΔXbに設定することにより、反射光を検出可能な集光位置を探すための繰返し処理の回数を低減することができる。
図13に示される処理によれば、光量の変化量ΔLの絶対値|ΔL|が所定値ΔLg以下である場合に、反射光の光量Lが極大値付近にあるとみなして集光位置の制御を終了することができる。これにより、反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理を早期に終了することができる。
6.Y方向の集光位置を制御するEUV光生成システム
6.1 メインフロー
図16は、第4の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。第4の実施形態においては、図7に示される処理の代わりに、図16及び図17に示される処理が行われる点で第1〜第3の実施形態と異なる。他の点については、第4の実施形態は第1〜第3の実施形態のうちの任意の1つと同様である。
図16において、S100からS700までの処理は、図7に示される処理と同様である。
S700の後、S800cにおいて、EUV光生成制御部5は、光センサ80によって計測される第1のガイドレーザ光G1の反射光の輝点の位置が目標位置に近づくように、レーザ光集光光学系22aによるY方向の集光位置を制御する。例えば図6Cを参照しながら説明したように、反射光の輝点の位置がY方向にずれている場合に、Y方向の集光位置が制御される。Y方向の集光位置を制御する方法の1つの例として、レーザ光集光光学系アクチュエータ84を含むステージを制御する方法がある。S800cの処理の詳細については、図17を参照しながら後述する。S800cの後、EUV光生成制御部5は、処理をS900に進める。
S900以降の処理は、図7に示される処理と同様である。
6.1.1 反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理
図17は、第4の実施形態において計測される反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。図17に示される処理は、図16のS800cのサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S801において、EUV光生成制御部5は、反射光の輝点のY方向の目標位置Pytのデータを、図示しない記憶部から読み込む。
次に、S802において、EUV光生成制御部5は、反射光の輝点の現在のY方向位置Pyを計測する。反射光の輝点の現在のY方向位置Pyが、第1のガイドレーザ光G1のY方向の集光位置を示していると考えられる。
次に、S803において、EUV光生成制御部5は、反射光の輝点の現在のY方向位置Pyと反射光の輝点のY方向の目標位置Pytとの差ΔPyを、以下の式により計算する。
ΔPy=Py−Pyt
次に、S804において、EUV光生成制御部5は、差ΔPyの絶対値|ΔPy|が、所定値ΔPytr以下であるか否かを判定する。
絶対値|ΔPy|が所定値ΔPytrより大きい場合(S804:NO)、EUV光生成制御部5は、S805に処理を進める。
S805において、EUV光生成制御部5は、差ΔPyが0に近づくようにステージを制御する。S805の後、EUV光生成制御部5は、S802に処理を戻して、S802からS805までの処理を繰り返す。
絶対値|ΔPy|が所定値ΔPytr以下である場合(S804:YES)、反射光の輝点のY方向位置がY方向の目標位置に近づいたと判断できる。そこで、EUV光生成制御部5は、本フローチャートの処理を終了して、図16に示される処理に戻る。
6.2 作用
第4の実施形態によれば、バーストOFF期間において、ターゲットの軌道を横切るX方向の集光位置を制御することに加えて、ターゲットの軌道に沿ったY方向の集光位置を制御するので、次のバーストON期間の開始時におけるEUV光のエネルギーの安定性を向上することができる。
第4の実施形態においては、S700によりX方向の集光位置を制御することによって反射光の光量Lが十分大きくなった後で、S800cによりY方向の集光位置を制御する。これにより、Y方向の集光位置をより精密に制御することができる。
7.X方向の集光位置の制御をスキップするEUV光生成システム
7.1 メインフロー
図18は、第5の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。第5の実施形態においては、図16に示される処理の代わりに、図18に示される処理が行われる点で第4の実施形態と異なる。他の点については、第5の実施形態は第4の実施形態と同様である。
図18において、S100からS600までの処理は、図16に示される処理と同様である。
S600の後、S640dにおいて、EUV光生成制御部5は、第1のガイドレーザ光G1の集光位置を現在の集光位置としたままで、反射光の光量Lを検出する。
次に、S650dにおいて、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きいか否かを判定する。
反射光の光量Lが閾値Lmin2以下である場合(S650d:NO)、EUV光生成制御部5は、S700に処理を進める。S700以降の処理は、図16に示される処理と同様である。但し、S640dにおいて反射光の光量Lを検出済みであるので、S700において、図11又は図12に示されるS701aの処理は省略されてもよい。
反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きい場合(S650d:YES)、EUV光生成制御部5は、S700の処理をスキップして、S800cに処理を進める。
7.2 作用
第5の実施形態においては、反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きく、X方向の集光位置は所望の範囲内であるとみなせる場合には、S700の処理をスキップする。これにより、光路軸の制御を高速化することができる。
8.レーザ光進行方向制御部のミラーを制御するEUV光生成システム
8.1 構成
図19は、本開示の第6の実施形態に係るEUV光生成システム11eの構成を示す一部断面図である。第6の実施形態において、EUV光生成システム11eは、図5に示される第1の実施形態の構成に加えて、アクチュエータP3を含む。アクチュエータP3は、高反射ミラー402のホルダ404に取り付けられている。アクチュエータP3は、高反射ミラー402の姿勢を変更することにより、プリパルスレーザ光31p及び第1のガイドレーザ光G1の反射方向を変更できるように構成されている。
第6の実施形態においては、バーストOFF期間において、レーザ光集光光学系アクチュエータ84を制御する代わりに、アクチュエータP3を制御する点で、第3の実施形態と異なる。他の点については、第6の実施形態は第3の実施形態と同様である。また、第1、第2、第4、及び第5の実施形態においても、アクチュエータP3を含む構成とすることにより、同様の変形が可能である。
図19においては、第3の実施形態との違いを強調するために、EUV光生成制御部5からレーザ光集光光学系アクチュエータ84への信号線の図示が省略されている。但し、バーストON期間等において、EUV光生成制御部5がレーザ光集光光学系アクチュエータ84を制御することが妨げられるわけではない。
また、図19においては、バーストOFF期間において、高反射ミラー402の姿勢を変更する場合について説明するが、本開示はこれに限定されない。バーストOFF期間において、高反射ミラー342の姿勢がアクチュエータP2によって変更されてもよい。メインパルスレーザ光31m及び第2のガイドレーザ光G2の光路軸を制御する場合には、高反射ミラー346の姿勢がアクチュエータM2によって変更されてもよい。また、その他のミラーの姿勢が変更されてもよい。
8.2 動作
第6の実施形態において、光路軸調整の処理手順のメインフローは図7と同様である。第6の実施形態においては、図7のS700において、X方向の集光位置を制御する方法のもう1つの例として、アクチュエータP3を制御する方法が採用される。S700の詳細について、第3の実施形態におけるレーザ光集光光学系アクチュエータ84の制御を、アクチュエータP3の制御に置き換えた場合について、図20〜図23を参照しながら説明する。但し、第1、第2、第4、及び第5の実施形態についても同様の置き換えが可能である。
8.2.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
図20は、第6の実施形態において計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の例を示すフローチャートである。図20に示される処理は、図7のS700のサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S701a及びS702bの処理は、図12を参照しながら説明したものと同様である。
次に、S720eにおいて、EUV光生成制御部5は、ミラー傾斜角をθx方向にスキャンして、反射光を検出可能な集光位置を探す。S720eの詳細については、図22及び図23を参照しながら後述する。S720eの後、EUV光生成制御部5は、処理をS730eに進める。ここで、θx方向とは、プラズマ生成領域25の近傍における第1のガイドレーザ光G1の光路軸の位置をX方向に移動させるようなミラーの回転方向をいう。
S730eにおいて、EUV光生成制御部5は、+θx方向又は−θx方向のうち、反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御する。S730eの詳細については、図21を参照しながら後述する。S730eの後、EUV光生成制御部5は、本フローチャートの処理を終了し、図7に示される処理に戻る。
8.2.1.1 反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御する処理
図21は、反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。図21に示される処理は、図20のS730eのサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S732の処理は、図13を参照しながら説明したものと同様である。
次に、S733eにおいて、EUV光生成制御部5は、第1方向にミラーをΔθxa回転させ、図示しない記憶部に回転方向を記憶させる。第1方向は、+θx方向でもよいし、−θx方向でもよい。ミラーの回転角度を示すΔθxaについては、図23を参照しながら後述する。
次のS734からS739までの処理は、図13を参照しながら説明したものと同様である。
S739において、光量の変化量ΔLが正数である場合(S739:YES)、EUV光生成制御部5は、S740eに処理を進める。光量の変化量ΔLが正数であることは、ミラーの回転によって反射光の光量Lが増加したことを示すので、再度同じ方向にミラーを回転させれば、さらに反射光の光量Lが増加する可能性がある。そこで、S740eにおいて、EUV光生成制御部5は、記憶された移動方向と同じ方向に、ミラーをΔθxa回転させる。S740eの後、EUV光生成制御部5は、S734に処理を戻して、S734からS740e又はS741eまでの処理を繰り返す。
光量の変化量ΔLが0以下である場合(S739:NO)、EUV光生成制御部5は、S741eに処理を進める。光量の変化量ΔLが0以下であることは、ミラーの回転によって反射光の光量Lが増加しなかったことを示すので、再度同じ方向にミラーを回転させても、反射光の光量Lの増加は期待できない。そこで、S741eにおいて、EUV光生成制御部5は、記憶された移動方向と反対の方向に、ミラーをΔθxa回転させる。また、S741eにおいて、EUV光生成制御部5は、新しい回転方向を図示しない記憶部に記憶させる。S741eの後、EUV光生成制御部5は、S734に処理を戻して、S734からS740e又はS741eまでの処理を繰り返す。
8.2.1.2 ミラー傾斜角をθx方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理
図22は、ミラー傾斜角をθx方向にスキャンして反射光を検出可能な集光位置を探す処理の詳細を示すフローチャートである。図22に示される処理は、図20のS720eのサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S721eにおいて、EUV光生成制御部5は、ミラー傾斜角を下限値θxllに制御する。
次のS722及びS723の処理は、図14を参照しながら説明したものと同様である。
S723において、反射光の光量Lが閾値Lmin1以下である場合(S723:NO)、EUV光生成制御部5は、S724eに処理を進める。S724eにおいて、EUV光生成制御部5は、ミラー傾斜角の上限値θxulへ近づく方向にミラーをΔθxb回転させる。ここでのミラーの回転角度を示すΔθxbは、上述のΔθxaより大きい値とする。S724eの後、EUV光生成制御部5は、S722に処理を戻してS722からS724eまでの処理を繰り返す。
図23は、X方向の集光位置を制御する処理について説明する図である。図23は、横軸にミラーのX方向傾斜角を示し、縦軸に反射光の光量Lを示す。
反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きい場合(図20のS702b:YES)、ミラーの回転角度はΔθxaに設定される(図21のS733e)。ミラーの回転による光量の変化量の絶対値|ΔL|が所定値ΔLgより大きい場合には(図21のS737:YES)、さらにミラーの回転が行われる(図21のS740e又はS741e)。光量の変化量の絶対値|ΔL|が所定値ΔLg以下となった場合には(図21のS737:YES)、集光位置の制御が完了する。
反射光の光量Lが閾値Lmin1以下である場合(図20のS702b:NO)、ミラー傾斜角は下限値θxllに制御され(図22のS721e)、ミラーの回転角度はΔθxbに設定される(図22のS724e)。反射光の光量Lが閾値Lmin1より大きくなった場合(図22のS723:YES)、EUV光生成制御部5の処理は図21の処理に移行する。
8.3 作用
第6の実施形態によれば、アクチュエータP3による高反射ミラー402の回転によって、プラズマ生成領域25の近傍における第1のガイドレーザ光G1の光路軸の位置を移動させることができる。アクチュエータP3による光路軸の制御は、レーザ光集光光学系アクチュエータ84による光路軸の制御よりも応答性が高いことが期待できる。第6の実施形態によれば、光路軸の制御を高速で行うことができる。
9.レーザ光進行方向制御部のミラーによってY方向の集光位置を制御するEUV光生成システム
図24を参照して、本開示の第7の実施形態について説明する。第7の実施形態に係るEUV光生成システムの構成は、図19を参照しながら説明したEUV光生成システム11eと同様であり、アクチュエータP3を含む。
9.1 動作
第7の実施形態において、光路軸調整の処理手順のメインフローは図16又は図18と同様である。第7の実施形態においては、図16又は図18のS800cにおいて、Y方向の集光位置を制御する方法のもう1つの例として、アクチュエータP3を制御する方法が採用される。
第7の実施形態においては、第6の実施形態と同様に、図16又は図18のS700において、X方向の集光位置を制御する方法のもう1つの例として、アクチュエータP3を制御する方法が採用されてもよい。これについての説明は第6の実施形態で行ったので、ここでは省略する。
9.1.1 反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理
図24は、第7の実施形態において計測される反射光の輝点の位置が目標位置に近づくようにY方向の集光位置を制御する処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、S801からS804までの処理は、図17において対応する処理と同様である。
S804において、差ΔPyの絶対値|ΔPy|が所定値ΔPytrより大きい場合(S804:NO)、EUV光生成制御部5は、S805fに処理を進める。
S805fにおいて、EUV光生成制御部5は、差ΔPyが0に近づくようにミラー傾斜角を制御する。S805fの後、EUV光生成制御部5は、S802に処理を戻して、S802からS805fまでの処理を繰り返す。
10.レーザ光集光光学系のステージとレーザ光進行方向制御部のミラーとの両方を制御するEUV光生成システム
10.1 構成
図25は、本開示の第8の実施形態に係るEUV光生成システム11gの構成を示す一部断面図である。第8の実施形態において、EUV光生成システム11gは、図19に示される第6の実施形態の構成に加えて、EUV光生成制御部5からレーザ光集光光学系アクチュエータ84への信号線が図示されている。他の点については図19を参照しながら説明したものと同様である。
10.2 動作
第8の実施形態においては、バーストOFF期間において、アクチュエータP3とレーザ光集光光学系アクチュエータ84との両方が制御される。
第8の実施形態において、光路軸調整の処理手順のメインフローは図7と同様である。第8の実施形態においては、図7のS700において、X方向の集光位置を制御する方法のもう1つの例として、アクチュエータP3とレーザ光集光光学系アクチュエータ84との両方を制御する方法が採用される。S700の詳細について、第3の実施形態におけるレーザ光集光光学系アクチュエータ84の制御を、アクチュエータP3とレーザ光集光光学系アクチュエータ84との両方の制御に置き換えた場合について、図26〜図28を参照しながら説明する。但し、第1、第2、第4、及び第5の実施形態についても同様の置き換えが可能である。
10.2.1 反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理
図26は、第8の実施形態において計測される反射光の光量が最大となるようにX方向の集光位置を制御する処理の例を示すフローチャートである。図26に示される処理は、図7のS700のサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S701a、S702b、及びS720bの処理は、図12を参照しながら説明したものと同様である。
次に、S730gにおいて、EUV光生成制御部5は、+θx方向又は−θx方向のうち、反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御し、その後X方向にステージを制御する。S730gの詳細については、図27を参照しながら後述する。S730gの後、EUV光生成制御部5は、本フローチャートの処理を終了し、図7に示される処理に戻る。
10.2.1.1 反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御し、その後X方向にステージを制御する処理
図27は、反射光の光量Lが増加するθx方向にミラー傾斜角を制御し、その後X方向にステージを制御する処理の詳細を示すフローチャートである。図27に示される処理は、図26のS730gのサブルーチンとして、EUV光生成制御部5によって行われる。
まず、S732からS740e又はS741eまでの処理は、図21を参照しながら説明したものと同様である。
図27において、EUV光生成制御部5は、S740e又はS741eの後、S742gに処理を進める。
S742gにおいて、EUV光生成制御部5は、現在のミラー傾斜角θxを検出する。
次に、S743gにおいて、EUV光生成制御部5は、現在のミラー傾斜角θxが、第1の値θxmin以上、第2の値θxmax以下の範囲に入っているか否かを判定する。第1の値θxmin及び第2の値θxmaxとしては、ミラー傾斜角の変更による収差が無視できる範囲内の数値が設定される。
現在のミラー傾斜角θxが、第1の値θxmin以上、第2の値θxmax以下の範囲に入っている場合(S743g:YES)、EUV光生成制御部5は、S734に処理を戻して、S734からS743gまでの処理を繰り返す。
現在のミラー傾斜角θxが、第1の値θxmin以上、第2の値θxmax以下の範囲に入っていない場合(S743g:NO)、EUV光生成制御部5は、S744gに処理を進める。
S744gにおいて、EUV光生成制御部5は、ステージ制御サブルーチンを実行する。ステージ制御サブルーチンについては、図28を参照しながら説明する。
S744gの後、EUV光生成制御部5は、S732に処理を戻す。
10.2.1.1.1 ステージ制御サブルーチン
図28は、ステージ制御サブルーチンの詳細を示すフローチャートである。
まず、S7441において、EUV光生成制御部5は、ミラー傾斜角を現在のミラー傾斜角θxから初期値θx0に戻す。
次に、S7442において、EUV光生成制御部5は、ミラー傾斜角を初期値θx0から上述のθxに移動させた場合の集光点の移動距離ΔXcを以下の式により計算する。
ΔXc=F・2(θx−θx0)
ここで、Fは、回転させる高反射ミラー402からプラズマ生成領域25までのレーザ光の光路に沿った距離である。このとき、ΔXcは、sin(F・2(θx−θx0))で表される。しかし、F・2(θx−θx0)の絶対値が十分小さければ、sin(F・2(θx−θx0))は、F・2(θx−θx0)と近似することができる。
次に、S7443において、EUV光生成制御部5は、ステージをΔXc移動させる。ステージをΔXc移動させると、集光点もΔXc移動するので、ミラー傾斜角を初期値θx0に戻したことによる集光点の変化−ΔXcを補償することができる。
次に、S7444において、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lを検出する。
S7444の後、EUV光生成制御部5は、本フローチャートの処理を終了し、図27に示される処理に戻る。S7444において検出された反射光の光量Lは、図27のS732において、移動前の値Lpとして、図示しない記憶部に記憶される。
10.3 作用
第8の実施形態によれば、第6の実施形態と同様に、アクチュエータP3による高反射ミラー402の回転によって、光路軸の制御を高速で行うことができる。但し、高反射ミラー402の回転によって光路軸の制御を行うと、集光点において収差が発生し、集光性能に悪影響を及ぼす場合がある。そこで、高反射ミラー402の傾斜角θxが一定範囲を超えた場合に、高反射ミラー402の傾斜角を初期値θx0に戻すとともに、高反射ミラー402の傾斜角を初期値θx0に戻したことによる集光点の変化をステージ制御によって補償することができる。
11.反射光の光量Lの低下を監視するEUV光生成システム
11.1 構成
図29は、本開示の第9の実施形態に係るEUV光生成システム11hの構成を示す一部断面図である。第9の実施形態において、EUV光生成システム11hは、図5に示される構成に対し、タイマ51が設けられていない点で、第1の実施形態と異なる。他の点については、第9の実施形態は第1の実施形態と同様である。また、第2〜第8の実施形態においても、タイマ51を設けない構成とすることにより、同様の変形が可能である。
11.2 動作
図30は、第9の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。第9の実施形態においては、図7に示される処理の代わりに、図30に示される処理が行われる点で、第1の実施形態と異なる。他の点については、第9の実施形態は第1の実施形態と同様である。また、第2〜第8の実施形態においても、同様の変形が可能である。
図30を参照すると、まず、S400において、EUV光生成制御部5は、バースト信号がバーストOFF期間を示しているか否かを判定する。バースト信号がバーストOFF期間を示していない場合(S400:NO)、EUV光生成制御部5は、バーストOFF期間になるまで待機する。バースト信号がバーストOFF期間を示している場合(S400:YES)、EUV光生成制御部5は、S440hに処理を進める。
S440hにおいて、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lを検出する。この処理は、バースト信号の立下りからの経過時間に関係なく行われる。
次に、S450hにおいて、EUV光生成制御部5は、反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きいか否かを判定する。
反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きい場合(S450h:YES)、EUV光生成制御部5は、S400に処理を戻す。
反射光の光量Lが閾値Lmin2以下である場合(S450h:NO)、EUV光生成制御部5は、S700に処理を進める。S700の処理は、図7において対応する処理と同様である。但し、S440hにおいて反射光の光量Lを検出済みであるので、S700において、図11又は図12に示されるS701aの処理は省略されてもよい。
S700の後、EUV光生成制御部5は、S800cに処理を進める。S800cの処理は、図16又は図18において説明したものと同様である。
S800cの後、EUV光生成制御部5は、処理をS400に戻す。
あるいは、S800cの処理は、図7と同様に省略されてもよい。その場合には、S700の後、EUV光生成制御部5は、処理をS400に戻す。
図31は、第9の実施形態においてX方向の集光位置を制御する処理について説明する図である。図31は、横軸にステージのX方向位置を示し、縦軸に反射光の光量Lを示す。
反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きい場合(図30のS450h:YES)、集光位置の制御はなされず、反射光の光量Lの監視が続けられる。
反射光の光量Lが閾値Lmin2以下となった場合(図30のS450h:NO)、反射光の光量が最大となるように、ステージが制御される(図30のS700)。
図32は、第9の実施形態における光路軸調整のタイミングチャートである。バースト信号については図4を参照しながら説明したものと同様である。図32に示されるように、バースト信号がバーストOFF期間になると(図30のS400:YES)、反射光の計測が開始される。反射光の光量Lは次第に低下する。バーストOFF期間が短い場合には、反射光の光量Lが大幅に低下する前にバーストOFF期間が終了する。バーストOFF期間が長い場合には、バーストOFF期間が終了する前に反射光の光量Lが閾値Lmin2以下の値まで低下することがある。反射光の光量Lが閾値Lmin2以下になったら(図30のS450h)、集光位置の制御が行われる(図30のS700)。集光位置の制御が行われた後も反射光の光量Lの監視が続けられる。反射光の光量Lが閾値Lmin2以下になるごとに(図30のS450h)、集光位置の制御が行われる(図30のS700)。
11.3 作用
第9の実施形態によれば、バーストOFF期間において、反射光の光量Lが閾値Lmin2以下になるごとに集光位置の制御が行われるので、反射光の光量Lが大幅に低下する前に光路軸が調整される。また、バーストOFF期間において、反射光の光量Lが閾値Lmin2以下になるごとに集光位置の制御が行われるので、反射光の光量Lが少ししか変化していない場合には光路軸の調整を省略することができる。
12.X方向の集光位置の制御をスキップしてもY方向の集光位置を制御するEUV光生成システム
12.1 メインフロー
図33は、第10の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。第10の実施形態においては、図30に示される処理の代わりに、図33に示される処理が行われる点で第9の実施形態と異なる。他の点については、第10の実施形態は第9の実施形態と同様である。
図33において、S400からS800cまでの各ステップの処理内容は、図30に示される各ステップの処理内容と同様である。但し、図33のS450iにおいて、反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きい場合(S450i:YES)、EUV光生成制御部5は、S400に処理を戻すのではなく、S800cに処理を進める。
12.2 作用
第10の実施形態によれば、反射光の光量Lが閾値Lmin2より大きく、X方向の集光位置が所望の範囲内であるとみなせる場合でも、S800cに処理を進めることにより、Y方向の集光位置を制御することができる。
13.バーストON期間において使用されるターゲットセンサとバーストOFF期間において使用される光センサとを兼用したEUV光生成システム
13.1 構成
図34は、本開示の第11の実施形態に係るEUV光生成システム11jの構成を示す一部断面図である。第9の実施形態において、EUV光生成システム11jは、図3に示される構成に対して、ターゲットセンサと兼用した光センサ80jと、光源部81jとを備えている。他の点については、第11の実施形態は第9の実施形態と同様である。また、第1〜第8の実施形態及び第10の実施形態においても、ターゲットセンサと兼用した光センサ80jと、光源部81jとを備える構成とすることにより、同様の変形が可能である。
光センサ80jと光源部81jとは、プラズマ生成領域25を挟んで互いに略反対側に配置されている。
光センサ80jは、イメージセンサ40aと、光学フィルタ40bと、転写光学系40cと、光シャッタ40dと、筐体40eと、を含む。イメージセンサ40aと、光学フィルタ40bと、転写光学系40cと、光シャッタ40dとが、筐体40eに収容されている。筐体40eとチャンバ2aとの間のチャンバ2aの壁面に、ウインドウ40fが配置されている。
光源部81jは、フラッシュランプ41aと、照明光学系41bと、筐体41eと、を含む。フラッシュランプ41aと、照明光学系41bとが、筐体41eに収容されている。筐体41eとチャンバ2aとの間のチャンバ2aの壁面に、ウインドウ41fが配置されている。
13.2 動作
光源部81jにおいて、フラッシュランプ41aは、EUV光生成制御部5からの制御信号に基づいて可視光の光を出射する。フラッシュランプ41aから出射した光は、照明光学系41bを介してプラズマ生成領域25に到達する。
光センサ80jにおいて、転写光学系40cは、プラズマ生成領域25に存在する物体の像をイメージセンサ40aの受光面に形成する。イメージセンサ40aは、受光面に形成された像の光強度分布を示すデータをイメージデータとしてEUV光生成制御部5に出力する。光シャッタ40dは、EUV光生成制御部5からの制御信号に基づいて開閉する。
バーストON期間において、光センサ80jは、プラズマ生成領域25に到達したターゲット27にプリパルスレーザ光31pが照射される直前に、当該ターゲット27を撮像することができる。このとき、光シャッタ40dの開時間は例えばナノ秒オーダーに設定される。また、光シャッタ40dが開かれるタイミングと重なるタイミングでフラッシュランプ41aが点灯される。
あるいは、光センサ80jは、プラズマ生成領域25に到達したターゲット27にプリパルスレーザ光31pが照射された後、メインパルスレーザ光31mが照射される前に、二次ターゲットを撮像することができる。このときも、光シャッタ40dの開時間は例えばナノ秒オーダーに設定される。
あるいは、光センサ80jは、プラズマ生成領域25において二次ターゲットにメインパルスレーザ光31mが照射された後に、プラズマを撮像することができる。このときも、光シャッタ40dの開時間は例えばナノ秒オーダーに設定される。
バーストOFF期間において、光センサ80jは、プラズマ生成領域25に到達したターゲット27を撮像することができる。このとき、光シャッタ40dの開時間は例えばマイクロ秒オーダーに設定される。フラッシュランプ41aは点灯されず、光センサ80jは第1のガイドレーザ光G1の反射光を検出する。
13.2.1 メインフロー
図35は、第11の実施形態における光路軸調整の処理手順を示すフローチャートである。第11の実施形態においては、図30に示される処理の代わりに、図35に示される処理が行われる点で第9の実施形態と異なる。第11の実施形態において、バーストON期間においては短い露光時間でターゲットが撮像され、バーストOFF期間においては長い露光時間でターゲットが撮像される。他の点については、第11の実施形態は第9の実施形態と同様である。また、第1〜第8の実施形態及び第10の実施形態においても、光シャッタ40dの開時間を変更可能とすることにより、同様の変形が可能である。
図35において、S400の処理は、図30を参照しながら説明したものと同様である。S400において、バースト信号がバーストOFF期間を示していない場合(S400:NO)、EUV光生成制御部5は、S410jに処理を進める。バースト信号がバーストOFF期間を示している場合(S400:YES)、EUV光生成制御部5は、S420jに処理を進める。
S410jにおいて、EUV光生成制御部5は、シャッタ開時間Exを、バーストON期間のためのシャッタ開時間Exsに設定する。S410jの後、EUV光生成制御部5は、S400に処理を戻す。
S420jにおいて、EUV光生成制御部5は、シャッタ開時間Exを、バーストOFF期間のためのシャッタ開時間Exlに設定する。シャッタ開時間Exlは、シャッタ開時間Exsよりも長い時間である。S420jの後、EUV光生成制御部5は、S430jに処理を進める。
S430jにおいて、EUV光生成制御部5は、シャッタ開時間Exlの設定に従って光シャッタ40dを開閉する。シャッタ開時間Exlは長い時間に設定されているので、第1のガイドレーザ光G1の反射光が弱くても、イメージセンサ40aで検出することができる。
S430jの後のS440h以降の処理は、図30において対応する処理と同様である。
13.3 作用
第11の実施形態によれば、バーストON期間において使用されるターゲットセンサと、バーストOFF期間において使用される光センサとを兼用したので、チャンバ2aの壁面に取り付けるセンサの数を低減することができる。また、光シャッタの開時間を切替え可能とすることにより、バーストON期間とバーストOFF期間とで適切な使い分けが可能となる。
14.補足
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。

Claims (4)

  1. 所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、
    外部装置から入力されるバースト信号が第1の状態である期間に、ドライブレーザ光を出力するドライブレーザと、
    ガイドレーザ光を出力するガイドレーザと、
    前記ドライブレーザから出力される前記ドライブレーザ光の光路軸と、前記ガイドレーザから出力される前記ガイドレーザ光の光路軸と、をほぼ一致させて出力するビームコンバイナと、
    前記ビームコンバイナから出力される前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光を前記所定領域に集光するレーザ光集光光学系と、
    前記レーザ光集光光学系による前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光の集光位置を変更するアクチュエータと、
    前記ガイドレーザ光の前記ターゲットによる反射光を検出する光センサと、
    前記バースト信号が前記第1の状態と異なる第2の状態である期間に、前記光センサで検出される前記反射光の光量が大きくなるように前記アクチュエータを制御する制御部と、
    を備え
    前記制御部は、前記バースト信号が前記第1の状態から前記第2の状態となった後、前記第1の状態に戻るまでの期間に、前記アクチュエータの制御を複数回行う、
    極端紫外光生成システム。
  2. 所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、
    外部装置から入力されるバースト信号が第1の状態である期間に、ドライブレーザ光を出力するドライブレーザと、
    ガイドレーザ光を出力するガイドレーザと、
    前記ドライブレーザから出力される前記ドライブレーザ光の光路軸と、前記ガイドレーザから出力される前記ガイドレーザ光の光路軸と、をほぼ一致させて出力するビームコンバイナと、
    前記ビームコンバイナから出力される前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光を前記所定領域に集光するレーザ光集光光学系と、
    前記レーザ光集光光学系による前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光の集光位置を変更するアクチュエータと、
    前記ガイドレーザ光の前記ターゲットによる反射光を検出する光センサと、
    前記バースト信号が前記第1の状態と異なる第2の状態である期間に、前記光センサで検出される前記反射光の光量が大きくなるように前記アクチュエータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記バースト信号が前記第1の状態から前記第2の状態となった後、前記第1の状態に戻るまでの期間に、所定の周期で前記アクチュエータの制御を行う、
    極端紫外光生成システム。
  3. 所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、
    外部装置から入力されるバースト信号が第1の状態である期間に、ドライブレーザ光を出力するドライブレーザと、
    ガイドレーザ光を出力するガイドレーザと、
    前記ドライブレーザから出力される前記ドライブレーザ光の光路軸と、前記ガイドレーザから出力される前記ガイドレーザ光の光路軸と、をほぼ一致させて出力するビームコンバイナと、
    前記ビームコンバイナから出力される前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光を前記所定領域に集光するレーザ光集光光学系と、
    前記レーザ光集光光学系による前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光の集光位置を変更するアクチュエータと、
    前記ガイドレーザ光の前記ターゲットによる反射光を検出する光センサと、
    前記バースト信号が前記第1の状態と異なる第2の状態である期間に、前記光センサで検出される前記反射光の光量が大きくなるように前記アクチュエータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記バースト信号が前記第1の状態から前記第2の状態となった後、前記第1の状態に戻るまでの期間に、前記光センサで検出される前記反射光の光量が所定値より小さくなるごとに前記アクチュエータの制御を行う、
    極端紫外光生成システム。
  4. 所定領域に向けてターゲットを出力するターゲット供給部と、
    外部装置から入力されるバースト信号が第1の状態である期間に、ドライブレーザ光を出力するドライブレーザと、
    ガイドレーザ光を出力するガイドレーザと、
    前記ドライブレーザから出力される前記ドライブレーザ光の光路軸と、前記ガイドレーザから出力される前記ガイドレーザ光の光路軸と、をほぼ一致させて出力するビームコンバイナと、
    前記ビームコンバイナから出力される前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光を前記所定領域に集光するレーザ光集光光学系と、
    前記レーザ光集光光学系による前記ドライブレーザ光及び前記ガイドレーザ光の集光位置を変更するアクチュエータと、
    前記ガイドレーザ光の前記ターゲットによる反射光を検出する光センサと、
    前記バースト信号が前記第1の状態と異なる第2の状態である期間に、前記光センサで検出される前記反射光の光量が大きくなるように前記アクチュエータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記光センサは、転写光学系と、イメージセンサと、を含み、前記バースト信号が前記第1の状態である期間に、第1の露光時間で前記ターゲットを撮像し、前記バースト信号が前記第2の状態である期間に、前記第1の露光時間より長い第2の露光時間で前記ターゲットを撮像する、
    極端紫外光生成システム。
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