JP6774185B2 - 積層構造体およびプリント配線板 - Google Patents
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さらに、本発明者等は、硬化性樹脂層が無機充填剤を含む場合に、硬化膜の表面に傷が生じやすいことにも気づいた。
本発明の積層構造体においては、(B)フィルムの表面抵抗値が1012Ω以下の導電性であるため、静電気を蓄えにくく、(A)硬化性樹脂層が無機充填剤を含むにもかかわらず、硬化性樹脂層の表面に傷が生じにくいと考えられる。
なお、本発明の積層構造体は、一般にドライフィルムや感光性フィルムと呼ばれるものであるが、そのような名称のものに限られない。
[(A)無機充填剤を含む硬化性樹脂層]
本発明の積層構造体において、(A)硬化性樹脂層は、無機充填剤を含む液状の硬化性樹脂組成物を乾燥して得られる乾燥膜である。前記硬化性樹脂組成物は、光または加熱により硬化可能な樹脂組成物である。
一般に、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂を含有する硬化性樹脂層を硬化させる際、露光により光硬化性樹脂を硬化させた後、キャリアフィルムを樹脂層から剥離することになるが、剥離時には硬化性樹脂層中の熱硬化性樹脂は硬化していない。そのため、樹脂層としての硬度が不十分であるので、硬化性樹脂層表面に傷が生じやすい状態となる。
これに対し、本発明の積層構造体は、表面抵抗値が特定値以下の(B)フィルムを用いるので、硬化性樹脂層は、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂を含有する場合であっても硬化性樹脂層表面に傷が生じることを抑制することができる。
<硬化性樹脂>
硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂を好適に用いることができる。
本発明の(A)硬化性樹脂層は、熱硬化性樹脂を含む場合、硬化物の耐熱性が向上し、また、下地との密着性が向上する。熱硬化性樹脂としては、分子中に環状エーテル基および環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略す)の少なくともいずれか一種を有するものを用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂の配合量は、硬化性樹脂層全量基準で、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。
光硬化性樹脂としては、特に、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、公知慣用の光重合性オリゴマーおよび光重合性ビニルモノマー等が用いられる。
光硬化性樹脂としては、脂環エポキシ化合物およびビニルエーテル化合物等を好適に用いることができる。このうち脂環エポキシ化合物としては、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メタン、1−[1,1−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)]エチルベンゼン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3’,4’−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル、シクロヘキセンオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有する脂環エポキシ化合物等が挙げられる。
光硬化性樹脂の配合量は、硬化性樹脂層全量基準で、1〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
(A)硬化性樹脂層は、アルカリ可溶性樹脂を含有することができる。アルカリ可溶樹脂としては、カルボキシル基含有樹脂またはフェノール樹脂を用いることが好ましい。下地との密着性を向上させるだけでなく、特に、カルボキシル基含有樹脂を用いると、現像性の面からより好ましい。カルボキシル基含有樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂でもよい。
(2)エポキシ樹脂の水酸基を、さらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(3)エポキシ化合物に、1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(4)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物等の1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(5)1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(6)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に、酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)ジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物と、ジオール化合物との重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(8)ジイソシアネートと、カルボキシル基含有ジアルコール化合物と、ジオール化合物との重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(9)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(10)オキセタン樹脂に、アジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に、2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂に、さらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の1分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(11)上述した(1)〜(10)のカルボキシル基含有樹脂に、1分子中に環状エーテル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)硬化性樹脂層は、光反応開始剤を含有することができる。光反応開始剤としては、光照射によりラジカル、塩基、酸等を発生して硬化性樹脂を硬化させることができればいずれでもよい。光反応開始剤としては、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、アミノアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルホスフィンオキシド系、オキシムエーテル系、オキシムエステル系、チタノセン系等の公知慣用の化合物が挙げられる。
オキシムエステル系光反応開始剤としては、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン等が挙げられる。オキシムエステル系光反応開始剤は、オキシムエステル基を複数有する化合物でもよい。
(A)硬化性樹脂層は無機充填材を含む。無機充填材は、硬化物の密着性、機械的強度、線膨張係数等の特性を向上させるものであることが好ましい。無機充填材としては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、リン酸ジルコニウム、雲母粉等の公知慣用の無機充填剤が使用できる。ここで、無機充填剤は、硫酸バリウムおよびシリカのうちいずれか少なくとも一種を含むことが好ましい。
無機充填剤の平均粒径は、0.1〜20μmであることが好ましい。なお、平均粒径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。レーザー回折法による測定装置としては、日機装株式会社(Nanotrac wave)などが挙げられる。ここで、平均粒径とは、平均一次粒径および平均二次粒径を含む概念である。
無機充填剤の平均粒径が小さいほど互いに相互作用するので、硬化膜表面に傷が生じやすい。しかしながら、本発明においては、無機充填剤の平均粒径が例えば、0.1〜20μmである場合においても硬化膜表面の傷が生じることを抑制できる。
無機充填剤の配合量は、特に限定されないが、組成物の固形分基準で10〜80質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。
なお、(A)硬化性樹脂層が無機充填材を含まない場合、硬化膜の表面に傷は生じない。
着色剤としては、赤、青、緑、黄、白、黒、紫、オレンジ、茶色等の慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。着色剤の配合量に特に制限はないが、硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の割合で使用される。
(A)硬化性樹脂層において、さらに必要に応じて、アミン系またはリン系の熱硬化触媒、ブロック共重合体、バインダーポリマー、エラストマー、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、防錆剤等の添加剤を用いることができる。
(B)表面抵抗値が1012Ω以下のフィルムとしては、ポリマー中に導電材を分散させたフィルムや、ベースフィルムの表面に導電材をコーティングした複数層から成るフィルムを用いることができる。このようなフィルムの市販品としては長岡産業社製NAS−PETやユニチカ社製エンブレットAT、エンブレットAS、東洋紡社製エスペットフィルムT6140、T7410、E7410、東レ社製ルミラーX53等が挙げられる。(B)フィルムは、ポリマー中に導電剤を分散させたポリエステルフィルム、および、ポリエステルフィルムの表面に導電材をコーティングした複数層から成るフィルムの少なくとも何れか1種であることが好ましい。中でも、ポリエステルフィルムがPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムであることがより好ましい。
(C)フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等を用いることができる。(A)硬化性樹脂層を基板にラミネートする際に(C)フィルムを剥離することを考慮して、(A)硬化性樹脂層と(B)フィルムとの接着力よりも、(A)硬化性樹脂層と(C)フィルムとの接着力が小さくなるようにすることが好ましい。また、(B)フィルムの例示で挙げたフィルムも、(C)フィルムとして用いることができる。
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和電工社製、商品名「ショーノールCRG951」、OH当量:119.4)119.4g、水酸化カリウム1.19gおよびトルエン119.4gを添加し、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−695、DIC(株)製、エポキシ当量220)330gを、ガス導入管、撹拌装置、冷却管及び温度計を備えたフラスコに入れ、カルビトールアセテート340gを加え、加熱溶解し、ハイドロキノン0.46gと、トリフェニルホスフィン1.38gを加えた。この混合物を95〜105℃に加熱し、アクリル酸108gを徐々に滴下し、16時間反応させた。この反応生成物を、80〜90℃まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物68gを加え、8時間反応させ、冷却させた。このようにして、固形物の酸価50mgKOH/g、不揮発分65%のカルボキシル基含有感光性樹脂の溶液(以下、A−2と略称する)を得た。
*2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER828)
*3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製DPHA)
*4:C.I.Pigment Blue 15:3
*5:C.I.Pigment Yellow 147
*6:硫酸バリウム(堺化学工業社製B−30)
*20:シリカSiO2(アドマテックス社製SO−C2)
上記で調製した光・熱硬化性樹脂組成物1700gにメチルエチルケトン300gを加え、攪拌機で15分間攪拌し希釈した。次に希釈した硬化性樹脂組成物をリップコーターを用いてキャリアフィルム(東レ社製ルミラーX53;表面抵抗値=1×1010Ω)上に塗布し、80℃の温度で15分間乾燥し、厚み20μmの硬化性樹脂層をキャリアフィルム上に形成した。次に硬化性樹脂層上に保護フィルム(ポリプロピレンフィルム)を積層し、積層構造体を得た。
次に、回路形成された基板(500mm×600mm×0.4mmt(厚み))を化学研磨した後、上記方法にて作製した積層構造体の保護フィルムを剥離し、硬化性樹脂層側が基板面に接するように張り合わせ、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.8MPa、70℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、硬化性樹脂層を有する基板(未露光の基板)を得た。
次に、高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて直径80μmのネガパターンを有する露光マスクを介し、硬化性樹脂層に露光した後キャリアフィルムを剥離した。その後30℃の1wt%Na2CO3水溶液をスプレー圧2kg/cm2の条件で60秒間現像を行い、レジストパターンを得た。最後に160℃で60分加熱して硬化膜を得た。硬化膜を有する基板に対して下記の様に評価を行った。
80μmの開口の断面をSEMにて観察を行い、解像性を下記のように評価した。
〇:ストレート形状または順テーパー形状
×:アンダーカット形状
硬化膜の表面の外観について光学顕微鏡を用いて、外観を下記のように評価した。結果を表2に示す。
〇:硬化膜の表面に傷が全く見られない。
×:硬化膜の表面に傷が確認される。
上記実施例1〜3の積層構造体のキャリアフィルムを長岡産業社製NAS−PET(表面抵抗値=1×106Ω)に変えた以外は、上記実施例1〜3と同様に積層構造体を得た。その後、実施例1〜3と同様に硬化膜を有する基板を得た。
上記実施例1〜3の積層構造体のキャリアフィルムを東洋紡社製エスペットフィルムT6140(表面抵抗値=1×1010Ω)に変えた以外は、上記実施例1〜3と同様に積層構造体を得た。その後、実施例1〜3と同様に硬化膜を有する基板を得た。
上記実施例1〜3の積層構造体のキャリアフィルムを東レ社製FB−50(表面抵抗値=1×1013Ω)に変えた以外は、上記実施例1〜3と同様に積層構造体を得た。その後、実施例1〜3と同様に硬化膜を有する基板を得た。
上記実施例1〜3の積層構造体のキャリアフィルムを東洋紡社製エステルフィルムE5100(表面抵抗値=1×1013Ω)に変えた以外は、上記実施例1〜3と同様に積層構造体を得た。その後、実施例1〜3と同様に硬化膜を有する基板を得た。
*8:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製jER807、エポキシ当量160〜175g/eq、液状)
*9:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製HP−4032、エポキシ当量135〜165g/eq、半固体)
*10:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製HP−7200L、エポキシ当量250〜280g/eq、軟化点57〜68℃)
*11:フェノールノボラック樹脂(明和化成社製HF−1M)
*12:フェノールノボラック型多官能シアネート樹脂(ロンザジャパン社製PT−30)
*13:活性エステル樹脂(DIC社製HPC−8000)
*14:フェノキシ樹脂(新日鉄住金化学製FX−293)
*15:コバルト(II)アセチルアセトナート
*16:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製2E4MZ)
*17:4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)
*18:C.I.Pigment Blue 15:3
*19:C.I.Pigment Yellow 147
*20:シリカSiO2(アドマテックス社製SO−C2)
上記表3で調製した熱硬化性樹脂組成物700gにシクロヘキサノン200gとメチルエチルケトン100gを加え、攪拌機で15分間攪拌し希釈した。次に希釈した熱硬化性樹脂組成物をリップコーターを用いてキャリアフィルム(東レ社製ルミラーX53;表面抵抗値=1×1010Ω)上に塗布し、90℃の温度で10分間乾燥し、厚み40μmの硬化性樹脂層をキャリアフィルム上に形成した。次に硬化性樹脂層上に保護フィルム(ポリプロピレンフィルム)を積層し、積層構造体を得た。
次に、回路形成された基板(500mm×600mm×0.4mmt(厚み))を化学研磨した後、上記実施例10〜12にて作製した積層構造体の保護フィルムを剥離し、硬化性樹脂層側が基板面に接するように張り合わせ、真空ラミネーター(名機製作所社製MVLP−500)を用いて加圧度:0.5MPa、90℃、1分、真空度:133.3Paの条件で加熱ラミネートして、硬化性樹脂層を有する基板(未硬化の基板)を得た。
次に熱風循環式乾燥炉にて200℃で60分間加熱して硬化膜を得た。硬化膜を有する基板に対して下記の様に評価を行った。
その後、CO2レーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いてトップ径65μmになるように硬化膜にビア形成を行った後、キャリアフィルムを剥離した。
上記実施例10〜12にて作製した硬化膜のビアの形成状態の確認を、基板の表層部から、光学顕微鏡にて状態観察およびビア底の測長を行い、レーザー加工性を下記のように評価した。結果を表4に示す。
○:表層部からの観察で、ビアの形成が確認された。あわせて、ビア底の直径が45〜55μmであることが確認された。
×:表層部からの観察で、ビアの形成が確認できなかった。
硬化膜の表面の外観について光学顕微鏡を用いて、外観を下記のように評価した。結果を表4に示す。
〇:硬化膜の表面に傷が全く見られない。
×:硬化膜の表面に傷が確認される。
上記実施例10〜12の積層構造体のキャリアフィルムを長岡産業社製NAS−PET(表面抵抗値=1×106Ω)に変えた以外は、上記実施例10〜12と同様に積層構造体を得た。その後、実施例10〜12と同様に硬化膜を有する基板を得た。
上記実施例10〜12の積層構造体のキャリアフィルムを東洋紡社製エスペットフィルムT6140(表面抵抗値=1×1010Ω)に変えた以外は、上記実施例10〜12と同様に積層構造体を得た。その後、実施例10〜12と同様に硬化膜を有する基板を得た。
上記実施例10〜12の積層構造体のキャリアフィルムを東レ社製FB−50(表面抵抗値=1×1013Ω)に変えた以外は、上記実施例10〜12と同様に積層構造体を得た。その後、実施例10〜12と同様に硬化膜を有する基板を得た。
上記実施例10〜12の積層構造体のキャリアフィルムを東洋紡社製エステルフィルムE5100(表面抵抗値=1×1013Ω)に変えた以外は、上記実施例10〜12と同様に積層構造体を得た。その後、実施例10〜12と同様に硬化膜を有する基板を得た。
(B) 表面抵抗値が1012Ω以下のフィルム
(C) フィルム
Claims (5)
- (A)平均粒径0.1〜20μmの無機充填剤を含むプリント配線板の永久保護膜形成用の硬化性樹脂層と、
(B)表面抵抗値が1012Ω以下のフィルムと、を有する積層構造体であって、
前記(B)表面抵抗値が10 12 Ω以下のフィルムが、ポリマー中に導電材を分散させたフィルム、またはベースフィルムの表面に導電材をコーティングした複数層から成るフィルムであり、
基材上に形成した前記積層構造体の(A)硬化性樹脂層を硬化させた後、前記(B)フィルムを剥離する工法に用いられることを特徴とする積層構造体。 - 前記(A)硬化性樹脂層が、熱硬化性樹脂を含む請求項1記載の積層構造体。
- 前記(A)硬化性樹脂層が、さらに光硬化性樹脂を含む請求項2記載の積層構造体。
- 前記(A)硬化性樹脂層が、アルカリ可溶性樹脂を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層構造体。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載の積層構造体を用いて得られることを特徴とするプリント配線板。
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