JP6772443B2 - ポリマーの製造方法、ポリマー、感光性樹脂組成物、樹脂膜および電子装置 - Google Patents
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Description
以下の式(1)により示されるモノマー(A)と、分子内にラジカル重合性二重結合を有するモノマー(B)と、をラジカル重合して得られるポリマーの製造方法であって、
前記モノマー(A)と重合開始剤とを溶媒に溶解させて、前記モノマー(A)と前記重合開始剤と前記溶媒とからなる混合物(P)を準備する工程と、
前記混合物(P)を加熱しながら、前記モノマー(B)を前記混合物(P)中に所定の時間かけて連続的または断続的に添加することにより、前記モノマー(A)と前記モノマー(B)とをラジカル重合させる工程と、
を含み、
前記モノマー(B)が、下記式(2)により示されるモノマー(C)、下記式(3)により示されるモノマー、下記式(4)により示されるモノマー、無水マレイン酸、および分子内に(メタ)アクリル基を含有するモノマーから選択される一種または二種以上を含み、
前記ポリマーが、ポジ型感光性樹脂組成物に用いるためのポリマーである、
ポリマーの製造方法が提供される。
上述のポリマーの製造方法により得られるポリマーが提供される。
上述のポリマーを含むポジ型感光性樹脂組成物が提供される。
上述のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂膜が提供される。
上述の樹脂膜からなる永久膜を備える電子装置が提供される。
ここで、本発明者は、ポリマーの剛直性に起因する、クラック等の樹脂膜の不具合を解消する方法として、ポリマー中にラジカル重合性二重結合を有する鎖状化合物を導入し、主鎖骨格の剛直性を緩和する方法を検討した。しかし、従来の方法では用いるモノマーの反応性比の違いによって、適切な共重合組成のポリマーが生成しない不具合があることを明らかにした。
そこで、本発明者はさらに鋭意検討した。その結果、上記モノマー(A)を含む混合物を加熱しながら、上記モノマー(B)の一部を上記混合物中に逐次添加することにより、上記モノマー(A)と上記モノマー(B)とをラジカル重合させるという、ポリマーの製造方法を新規に開発するに至った。このような製造方法により得られたポリマーを用いることにより、感光性樹脂膜と基板との密着性や感光性樹脂膜の柔軟性が向上し、現像工程におけるアンダーカットやクラックの発生を抑制できる。したがって、本実施形態によれば、パターニング工程におけるアンダーカットやクラックの発生を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上述のように耐アンダーカット性および耐クラック性を向上させつつ、層間絶縁膜等の永久膜に求められる諸特性を満たすことも可能である。このような諸特性としては、たとえば耐熱性、透明性、化学薬液耐性、および低誘電率等が挙げられる。さらには、現像性、解像性、耐クラック性の向上に寄与することも可能となる。
まず、第1ポリマーについて説明する。
本実施形態に係る第1ポリマーは、前述したとおり、以下の式(1)により示されるモノマー(A)と、分子内にラジカル重合性二重結合を有するモノマー(B)と、をラジカル重合して得られるものであり、本実施形態に係る第1ポリマーの製造方法により得られるものである。
本実施形態に係る第1ポリマーは、上記式(1)により示されるモノマー(A)由来の構造単位を含んでいる。これにより、耐熱性、透明性、化学薬液耐性、低誘電率、現像性、解像性、耐クラック性等のバランスをより効果的に向上させることができる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基、およびナフチル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。なお、R1、R2、R3およびR4を構成する有機基は、一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
本実施形態に係る第1ポリマーは、分子内にラジカル重合性二重結合を有するモノマー(B)由来の構造単位を含んでいる。これにより、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の、感度や、硬化性、柔軟性等の諸特性のバランスを向上させることができる。その結果、本実施形態によれば、パターニング工程におけるアンダーカットやクラックの発生を抑制することが可能となる。
モノマー(B)は、以下の式(2)により示されるモノマー(C)を含むことが好ましい。
これにより、耐熱性、透明性、低誘電率、低複屈折、耐薬品性およびはっ水性等の永久膜としての樹脂膜に求められる諸特性のバランスを向上させることができる。
本実施形態においては、R8がグリシジル基を含有する有機基である上記式(4)に示される構造単位を第1ポリマー中に含むことが、好ましい態様の一例として挙げられる。
分子内に(メタ)アクリル基とグリシジル基またはオキセタン基とを含有するモノマーとしては、たとえば、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルメタクリレート、および(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
第1ポリマーは、たとえば次のようにして製造することができる。
まず、モノマー(A)と、モノマー(B)と、を用意する。
次いで、反応容器内に、モノマー(A)を計量する。さらに、重合開始剤を溶解させた溶媒を反応容器内に加え、モノマー(A)を溶媒に撹拌・溶解させて混合物(P)を得る。このとき、モノマー(B)の一部を混合物(P)に溶解させてもよい。次いで、混合物(P)を所定時間加熱することによりラジカル重合を行う。このとき、モノマー(B)と溶媒の混合液を反応容器内に連続的または断続的に添加する。すなわち、モノマー(B)を反応容器内に逐次添加する。これにより、モノマー(A)とモノマー(B)とをラジカル重合させる。ここで、加熱温度は、たとえば50℃〜90℃とすることができる。また、加熱時間は、たとえば1時間〜20時間とすることができる。なお、窒素バブリングにより溶媒中の溶存酸素を除去したうえで、ラジカル重合を行うことがより好ましい。
そして、モノマー(B)の添加が終了した後、さらに所定時間加熱させ、ラジカル重合をさらに進めてもよい。このとき、加熱温度は、たとえば50℃〜90℃とすることができる。また、加熱時間は、たとえば1時間〜10時間とすることができる。
また、必要に応じて分子量調整剤や連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、たとえば、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、4,4−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メルカプトブタン等のチオール化合物を挙げることができる。これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1ポリマーの数平均分子量Mnは、好ましくは500以上30,000以下であり、より好ましくは1,000以上20,000以下である。
第1ポリマーの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、好ましくは1.2以上10以下であり、より好ましくは1.5以上7.0以下である。
これにより、プロセスマージンや薬液耐性、リワーク特性、透明性等のバランスをより効果的に向上させることができる。
東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー(株)社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
次に、感光性樹脂組成物について説明する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、たとえば永久膜を形成するために用いることができる。上記永久膜は、感光性樹脂組成物を硬化させることにより得られる樹脂膜により構成される。本実施形態においては、たとえば感光性樹脂組成物により構成される塗膜を露光および現像により所望の形状にパターニングした後、当該塗膜を熱処理等によって硬化させることにより永久膜が形成される。一方で、感光性樹脂組成物は、リソグラフィ処理において用いるフォトレジストを形成するために用いられてもよい。
また、感光性樹脂組成物の永久膜以外の用途としては、エッチングレジスト等のフォトレジスト、MEMS等の微細加工用途等が挙げられる。
表面保護膜は、電子部品や電子装置の表面に形成され、当該表面を保護するための絶縁膜を指し、その種類はとくに限定されない。このような表面保護膜としては、たとえば半導体素子上に設けられるパッシベーション膜、バンプ保護膜もしくはバッファーコート層、またはフレキシブル基板上に設けられるカバーコートが挙げられる。また、ダム材は、基板上に光学素子等を配置するための中空部分を形成するために用いられるスペーサである。
第1ポリマーとしては、本実施形態に係る第1ポリマーの製造方法により得られるものを使用することができる。本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、本実施形態に係る第1ポリマーの製造方法により得られる第1ポリマーのうちの一種または二種以上を含むことが可能である。感光性樹脂組成物中における第1ポリマーの含有量は、とくに限定されないが、感光性樹脂組成物の固形分全体に対して20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、30質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。なお、感光性樹脂組成物の固形分とは、感光性樹脂組成物中に含まれる溶媒を除く成分を指す。以下、本明細書において同様である。
なお、本実施形態における感光性樹脂組成物は、上記において例示したエポキシ化合物を一種または二種以上含むことが可能である。
アミノシランとしては、たとえばビス(2―ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、およびN―フェニル−γ―アミノ−プロピルトリメトキシシランが挙げられる。エポキシシランとしては、たとえばγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、およびβ―(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。アクリルシランとしては、たとえばγ―(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ―(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、およびγ―(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランが挙げられる。メルカプトシランとしては、たとえば3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。ビニルシランとしては、たとえばビニルトリス(β―メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、およびビニルトリメトキシシランが挙げられる。ウレイドシランとしては、たとえば3−ウレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。スルフィドシランとしては、たとえばビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、およびビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、感光性樹脂組成物は、たとえば第1ポリマーと、感光剤と、を含む。また、ポジ型である感光性樹脂組成物は、第1ポリマーおよび感光剤とともに、酸発生剤を含んでいてもよい。これにより、感光性樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。なお、ポジ型の感光性樹脂組成物は、上記において例示した、第1ポリマー、感光剤、および酸発生剤以外の各成分をさらに含むことが可能である。
なお、感光性樹脂組成物を用いて永久膜を形成する場合には、たとえばパターニング後の樹脂膜に対してポストベーク処理を行うことができる。ポストベーク処理は、たとえば150℃以上300℃以下の条件で行われる。本実施形態に係る感光性樹脂組成物を用いて永久膜を作製することにより、たとえば230℃以上という高温でのポストベーク処理であっても優れた透明性を有する永久膜を実現することが可能である。これは、後述するネガ型感光性樹脂組成物についても同様である。
光ラジカル重合開始剤としては、アルキルフェノン型の重合開始剤、オキシムエステル型の重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド型の重合開始剤等が挙げられる。
たとえば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム) ]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等が挙げられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用することができる。
第一の架橋剤は、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリル化合物であることが好ましい。
なかでも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の三官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の六官能(メタ)アクリレートがあげられ、これらのうちいずれか1以上を使用することが好ましい。
ネガ型の感光性樹脂組成物において、第一の架橋剤は、第1ポリマーを100質量部に対し、50〜70質量部であることが好ましく、さらには、55〜65質量部であることが好ましい。
この第二の架橋剤は、反応性基として、環状エーテル基を有する化合物が好ましく、なかでも、グリシジル基あるいはオキセタニル基を有する化合物が好ましい。このような第二の架橋剤を使用することで、ネガ型の感光性樹脂組成物で構成される膜の耐薬品性を向上させることができる。
グリシジル基を有する化合物としては、たとえば、前述した架橋剤として用いられるグリシジル基を有する化合物と同様のものを挙げることができる。
また、オキセタニル基を有する化合物としては、たとえば、前述した架橋剤として用いられるオキセタニル基を有する化合物と同様のものを挙げることができる。
次に、本実施形態に係る電子装置100について説明する。
電子装置100は、たとえば上述の感光性樹脂組成物により形成される永久膜である絶縁膜20を備える。本実施形態に係る電子装置100は、感光性樹脂組成物の樹脂膜により構成される絶縁膜を備えるものであればとくに限定されないが、たとえば絶縁膜20を平坦化膜やカラーフィルタ、マイクロレンズとして有する表示装置や、絶縁膜20を層間絶縁膜として用いた多層配線構造を備える半導体装置等が挙げられる。
図1においては、電子装置100が液晶表示装置であり、絶縁膜20が平坦化膜として用いられる場合が例示されている。図1に示す電子装置100は、たとえば基板10と、基板10上に設けられたトランジスタ30と、トランジスタ30を覆うように基板10上に設けられた絶縁膜20と、絶縁膜20上に設けられた配線40と、を備えている。
絶縁膜20上および開口22内には、ドレイン電極33と接続する配線40が形成されている。配線40は、液晶とともに画素を構成する画素電極として機能する。
また、絶縁膜20上には、配線40を覆うように配向膜90が設けられている。
基板10と当該対向基板12との間には、液晶層14を構成する液晶が充填される。
まず、基板10上にトランジスタ30を形成する。次いで、基板10のうちトランジスタ30が設けられた一面上に、印刷法あるいはスピンコート法により上記感光性樹脂組成物を塗布し、トランジスタ30を覆う絶縁膜20を形成する。次いで、絶縁膜20に対してリソグラフィ処理を行い、絶縁膜20をパターニングする。これにより、絶縁膜20の一部に開口22を形成する。次いで、絶縁膜20を加熱硬化させる。これにより、基板10上に、平坦化膜である絶縁膜20が形成されることとなる。
次いで、絶縁膜20の開口22内に、ドレイン電極33に接続された配線40を形成する。その後、絶縁膜20上に対向基板12を配置し、対向基板12と絶縁膜20との間に液晶を充填し、液晶層14を形成する。
これにより、図1に示す電子装置100が形成されることとなる。
以下、実施形態の例を付記する。
1. 以下の式(1)により示されるモノマー(A)と、分子内にラジカル重合性二重結合を有するモノマー(B)と、をラジカル重合して得られるポリマーの製造方法であって、
少なくとも前記モノマー(A)を含む混合物(P)を準備する工程と、
前記混合物(P)を加熱しながら、前記モノマー(B)の少なくとも一部を前記混合物(P)中に連続的または断続的に添加することにより、前記モノマー(A)と前記モノマー(B)とをラジカル重合させる工程と、
を含むポリマーの製造方法。
2. 1.に記載のポリマーの製造方法において、前記モノマー(B)が、下記式(2)により示されるモノマー(C)、下記式(3)により示されるモノマー、下記式(4)により示されるモノマー、無水マレイン酸、および分子内に(メタ)アクリル基を含有するモノマーから選択される一種または二種以上を含むポリマーの製造方法。
3. 2.に記載のポリマーの製造方法において、
前記モノマー(B)が前記式(2)により示されるモノマー(C)を含むポリマーの製造方法。
4. 3.に記載のポリマーの製造方法において、
前記モノマー(B)が前記式(2)中のR 5 が炭素数3〜8のシクロアルキル基であるモノマー(C1)を含むポリマーの製造方法。
5. 3.または4.に記載のポリマーの製造方法において、
前記式(2)により示される前記モノマー(C)が、前記式(2)中のR 5 が水素であるモノマー(C2)を含むポリマーの製造方法。
6. 1.乃至5.いずれかに記載のポリマーの製造方法において、
前記式(1)により示される前記モノマー(A)が、前記式(1)中のR 1 、R 2 、R 3 およびR 4 のうちの少なくとも一つがカルボキシル基、エポキシ環またはオキセタン環を含有する有機基であり、他が水素であるモノマーを含むポリマーの製造方法。
7. 6.に記載のポリマーの製造方法において、
前記式(1)により示される前記モノマー(A)が、
前記式(1)中のR 1 、R 2 、R 3 およびR 4 のうちの少なくとも一つがカルボキシル基を含有する有機基であり、他が水素であるモノマー(A1)と、
前記式(1)中のR 1 、R 2 、R 3 およびR 4 のうちの少なくとも一つがオキセタン環を含有する有機基であり、他が水素であるモノマー(A2)と、を含むポリマーの製造方法。
8. 1.乃至7.いずれかに記載のポリマーの製造方法により得られるポリマー。
9. 8.に記載のポリマーを含む感光性樹脂組成物。
10. 9.に記載の感光性樹脂組成物であって、
ポジ型である感光性樹脂組成物。
11. 9.に記載の感光性樹脂組成物であって、
ネガ型である感光性樹脂組成物。
12. 9.乃至11.いずれかに記載の感光性樹脂組成物において、
層間膜、表面保護膜、またはダム材として用いられる永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物。
13. 9.乃至12.いずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂膜。
14. 13.に記載の樹脂膜を備える電子装置。
攪拌機および冷却器を備えた反応容器内にジシクロペンタジエン700.0gと流動パラフィン100.0gを加え、これを160℃〜170℃で加熱することにより得られる分解生成物を、冷却器(冷却水温度5℃)で冷却して、シクロペンタジエンを得た。次いで、他の反応容器内にオキセタンアクリル(OXE−10、大阪有機化学工業(株)製)283.2gを入れ、これに20℃の条件下で3時間かけて上記で得られたシクロペンタジエン100gを逐添した後、30℃〜35℃の条件下で16時間撹拌した。次いで、これにより得られる反応生成物を、ビグリューカラムを用いた減圧蒸留装置にて分留精製し、下記式(13)に示されるモノマーを得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3):0.91(t,endo−3H),0.92(t,exo−3H),1.29(d,endo−1H),1.37−1.47(m,2H),1.52(d,exo−1H),1.73−1.80(m,2H),1.90−1.97(m,1H),2.26−2.30(m,exo−1H),2.92(br s,1H),2.98−3.03(m,endo−1H),3.05(br s,exo−1H),3.23(s,endo−1H),4.16(dd,endo−2H),4.23(dd,exo−2H),4.40(d,endo−2H),4.41(d,exo−2H),4.46(d,endo−2H),4.49(dd,exo−2H),5.92(dd,endo−1H),6.11−6.16(m,exo−2H),6.21(dd,endo−1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3):8.0,26.9,29.1,30.3,41.6,42.4,42.6,42.6,43.1,43.3,45.7,46.3,46.6,49.6,65.9,66.2,77.8,77.9,132.1,135.6,137.9,138.0,174.7,176.2ppm.
(合成例1)
密閉可能な反応容器内に、上記合成例により得られたモノマー(11.8g、0.05mol)、ノルボルネンカルボン酸(27.6g、0.20mol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(27.0g、0.15mol)、ジブチルフマレート(22.8g、0.10mol)、V−601(9.2g,0.04mol)及びMEK26.6gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が70℃に到達したところで、マレイミド(21.8g、0.225mol)、およびシクロヘキシルマレイミド(49.3g、0.275mol)をMEK71.1gに溶解させた溶液を6時間かけて添加した。その後、70℃で3時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK266gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘプタンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘプタンでさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は112g、収率は70%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが5,930であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.89、アルカリ溶解速度は930Å/secであった。
東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー(株)製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
なお、重量平均分子量(Mw)、および数平均分子量(Mn)の測定条件は、後述する合成例2〜6において同様である。
密閉可能な反応容器内に、上記合成例により得られたモノマー(11.8g、0.05mol)、ノルボルネンカルボン酸(27.6g、0.20mol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(27.0g、0.15mol)、ジブチルフマレート(22.8g、0.10mol)、マレイミド(21.8g、0.225mol)、およびシクロヘキシルマレイミド(49.3g、0.275mol)、V−601(9.2g,0.04mol)及びMEK97.7gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温70℃で12時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK266gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘプタンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘプタンでさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は105g、収率は66%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが8,740であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.50、アルカリ溶解速度は880Å/secであった。
撹拌機及び冷却管を備えた反応容器内に、上記合成例により得られたモノマー(35.5g、0.15mol)、ノルボルネンカルボン酸(27.6g、0.20mol)、V−601(6.22g、0.027mol)及びPGME56.6gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温が70℃に到達したところで、マレイミド(24.3g、0.25mol)、シクロヘキシルマレイミド(44.8g、0.25mol)、ブタンジオールモノビニルモノグリシジルエーテル(25.8g、0.15mol)をPGME94.9g溶解させた溶液を6時間かけて添加した。その後、70℃で2時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン214gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘプタンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘプタンでさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は115g、収率は73%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが8,380であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.89、アルカリ溶解速度は1,770Å/secであった。
撹拌機及び冷却管を備えた反応容器内に、上記合成例により得られたモノマー(35.5g、0.15mol)、ノルボルネンカルボン酸(27.6g、0.20mol)、マレイミド(24.3g、0.25mol)、シクロヘキシルマレイミド(44.8g、0.25mol)、ブタンジオールモノビニルモノグリシジルエーテル(25.8g、0.15mol)、V−601(6.22g、0.027mol)及びPGME151.7gを加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、加温し、内温70℃で12時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、アセトン266gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘプタンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘプタンでさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は126g、収率は80%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが12,700であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が3.53、アルカリ溶解速度は920Å/secであった。
密閉可能な反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(29.7g、215mmol)、マレイミド(10.4g、107mmol)およびシクロヘキシルマレイミド(19.2g、107mmol)を計量した。さらに、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(7.1g、29mmol)を溶解させたMEK110gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で3時間反応させた。このとき、メタクリル酸グリシジル(40.7g、286mmol)とMEK68gの混合液を反応容器内に2時間かけて連続的に添加した。すなわち、メタクリル酸グリシジルを反応容器内に逐添加した。メタクリル酸グリシジルの添加が終了した後、70℃で2時間さらに反応させた。
次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK48gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘプタンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘプタンでさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は70.5g、収率は87%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが10,000であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.41であった。アルカリ溶解速度は200Å/secであった。
密閉可能な反応容器内に、ノルボルネンカルボン酸(29.7g、215mmol)、マレイミド(10.4g、107mmol)、シクロヘキシルマレイミド(19.2g、107mmol)、メタクリル酸グリシジル(40.7g、286mmol)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(7.1g、29mmol)およびMEK178gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、容器を密閉し、70℃で6時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK50gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘプタンに注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘプタンでさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は69.0g、収率は85%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが10,800であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.56であった。アルカリ溶解速度は<5Å/secであった。
得られたポリマーの溶解速度を次のようにして測定した。まず、上記で得られたポリマー溶液を、シリコンウェハ上にスピン方式で塗布した後、100℃、120秒の条件で熱処理して、膜厚Hが2.0μmのポリマー膜を得た。次いで、このポリマー膜を23℃で0.5%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に含浸させ、視覚的にポリマー膜が消去するまでの時間Tを測定した。次いで、これにより得られた測定値に基づいて、膜厚H/時間Tを溶解速度(Å/秒)として算出した。
(感光性樹脂組成物の調製)
合成例1により合成されたポリマー10.0g、4,4'−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製:PA−28)を2.25g、ε-カプロラクトン変性3,4'−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(株式会社ダイセル製セロキサイド2081)を2.4g、密着性を改善するためにKBM−803(信越シリコーン社製)を3.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)を0.05g、をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ジエチレングリコールジエチルエーテル=5:95の混合溶媒に固形分20%となるよう溶解した。これを、0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
得られた感光性樹脂組成物について以下の評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
次のようにして耐アンダーカット性を評価した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像することでパターン付きの薄膜を得た。なお、上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用して現像処理を行った。この薄膜にPLA−501Fにて300mJ/cm2全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行った。上記薄膜に形成されたホールパターンの断面をSEM観察し、ホールパターンの下端にアンダーカットが観察されなかったものを○、アンダーカットが観察されたものを×として、耐アンダーカット性の評価を行った。
次のようにして耐クラック性を評価した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像することでレジストパターンを形成した。なお、上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用して現像処理を行った。次いで、形成されたレジストパターンの表面をSEM観察し、薄膜にクラックが入っているものを×、クラックがないものを○として、耐クラック性の評価を行った。
次のようにして感光性樹脂組成物のリワーク特性を評価した。まず、感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し(回転数500〜2500rpm)、ホットプレートを用いて100℃、120秒の条件でプリベークすることにより、約3.0μm厚の樹脂膜を得た。次いで、上記樹脂膜に対し、幅5μmのマスクパターンを有するマスクを用いて、g+h+i線マスクアライナー(キヤノン(株)製、PLA−501F(超高圧水銀ランプ))によりg+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるように露光した。その後、現像液を用いて現像処理、更に純水でリンスすることによりパターン付きの薄膜を得た。なお、上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用して現像処理を行った。この薄膜に対してマスクを介さず、積算光量が300mJ/cm2となるようブリーチ処理を行った。次いで、上記樹脂膜を、気温23±1℃、湿度40±5%に保ったイエロールーム内(HEPAフィルター使用)で24時間放置した後、上記樹脂膜に対しマスクを介さずにg+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるよう再度ブリーチ処理を行った。次いで、上記樹脂膜を23±1℃の2.38%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液中に240秒間浸漬した。このとき、基板上における上記樹脂膜の残存の有無を、顕微鏡にて観察した。ここでは、上記樹脂膜の残存が観察されなかったものを○、上記樹脂膜の残存が観察されたものを×として、リワーク特性の評価を行った。
次のようにして薄膜パターンを形成した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し(回転数300〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜Aを得た。この薄膜Aにキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのラインとスペースの幅が1:1となるように、最適露光量で露光し、現像液を用いて23℃、90秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンつき薄膜Bを得た。なお、上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用して現像処理を行った。この薄膜BをPLA−501Fにて300mJ/cm2全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、パターン付き薄膜Cを得た。
上述の薄膜パターンの形成により得られた薄膜Aと薄膜Bと薄膜Cの膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。
現像後残膜率(%)=〔薄膜Bの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
ポストベーク後残膜率(%)=〔薄膜Cの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
上述の薄膜パターンの形成により得られた薄膜Bの5μmのパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。スペース部分に残渣が見られた場合は×、残渣が見られない場合には○として現像性を評価した。
PLA−501Fにてテストパターンを露光現像せず、かつ基板としてアルミニウム基板を使用する点以外は、上述の薄膜パターンの形成と同様の操作を行うことにより、パターンのない3.0μm厚の薄膜をアルミニウム基板上に得た。その後、この薄膜上に金電極を形成し、室温(25℃)、10kHzにおける条件で、Hewlett Packard社製LCRメータ(4282A)を用いて得られた静電容量から比誘電率を算出した。
テストパターンを露光しない以外は、上述の薄膜パターンの形成と同様の操作を行うことにより、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。この薄膜について光の波長400nmにおける透過率(%)を、紫外−可視光分光光度計を用いて測定し、膜厚3μmに換算した数値を透過率とした。
次にようにして膨潤率およびリカバー率を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、ホットプレートを用いて100℃、120秒の条件でプリベークすることにより、約3.5μm厚の樹脂膜を得た。次いで、上記樹脂膜を現像液に90秒浸した後、純水でリンスした。なお、上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用して現像処理を行った。次いで、上記樹脂膜に対し、g+h+i線マスクアライナー(キヤノン(株)製、PLA−501F(超高圧水銀ランプ))を用いてg+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるように全面露光した。次いで、上記樹脂膜に対し、オーブン中、230℃、60分間の条件下で熱硬化処理を行った。次いで、得られた硬化膜の膜厚(第1膜厚)を計測した。次いで、上記硬化膜を、70℃のTOK106(東京応化工業(株)製)中に15分間浸漬した後、純水で30秒間リンスした。このとき、上記硬化膜のリンス後における膜厚を第2膜厚として、次の式から膨潤率を算出した。
膨潤率:[(第2膜厚−第1膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
次いで、上記硬化膜をオーブン中で、230℃、15分間加熱し、加熱後の膜厚(第3膜厚)を計測した。そして、下記式からリカバー率を算出した。
リカバー率:[(第3膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
次にようにして感度を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜Aを得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像することでレジストパターンを形成した。なお、上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を使用して現像処理を行った。次いで、形成されたレジストパターンをSEM観察し、5μm角のホールパターンが得られるときの露光量(mJ/cm2)を感度とした。
合成例3により合成されたポリマー10.0g、4,4'−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製:PA−15)を3.0g、密着性を改善するためにKBM−803(信越シリコーン社製)を1.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)を0.03g、をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ジエチレングリコールジエチルエーテル=40:60の混合溶媒に固形分20%となるよう溶解した。これを、0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
得られた感光性樹脂組成物について上記の各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
合成例5により合成されたポリマー10.0g、4,4'−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製:PA−15)を3.00g、密着性を改善するためにKBM−803(信越シリコーン社製)を1.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)を0.06g、をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ジエチレングリコールジエチルエーテル=60:40の混合溶媒に固形分20%となるよう溶解した。これを、0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
得られた感光性樹脂組成物について上記の各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
合成例1により合成されたポリマーを合成例2に変えた以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、上記の各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
合成例3により合成されたポリマーを合成例4に変えた以外は実施例2と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、上記の各評価をおこなった。得られた結果を表1に示す。
合成例5により合成されたポリマーを合成例6に変えた以外は実施例3と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、上記の各評価をおこなった。しかし現像性が悪くパターンを得ることはできなかった。
12 対向基板
14 液晶層
20 絶縁膜
22 開口
30 トランジスタ
31 ゲート電極
32 ソース電極
33 ドレイン電極
34 ゲート絶縁膜
35 半導体層
40、42 配線
90、92 配向膜
100 電子装置
Claims (10)
- 以下の式(1)により示されるモノマー(A)と、分子内にラジカル重合性二重結合を有するモノマー(B)と、をラジカル重合して得られるポリマーの製造方法であって、
前記モノマー(A)と重合開始剤とを溶媒に溶解させて、前記モノマー(A)と前記重合開始剤と前記溶媒とからなる混合物(P)を準備する工程と、
前記混合物(P)を加熱しながら、前記モノマー(B)を前記混合物(P)中に所定の時間かけて連続的または断続的に添加することにより、前記モノマー(A)と前記モノマー(B)とをラジカル重合させる工程と、
を含み、
前記モノマー(B)が、下記式(2)により示されるモノマー(C)、下記式(3)により示されるモノマー、下記式(4)により示されるモノマー、無水マレイン酸、および分子内に(メタ)アクリル基を含有するモノマーから選択される一種または二種以上を含み、
前記ポリマーが、ポジ型感光性樹脂組成物に用いるためのポリマーである、
ポリマーの製造方法。
- 請求項1に記載のポリマーの製造方法において、
前記モノマー(B)が前記式(2)により示されるモノマー(C)を含むポリマーの製造方法。 - 請求項1または2に記載のポリマーの製造方法において、
前記モノマー(B)が前記式(2)中のR5が炭素数3〜8のシクロアルキル基であるモノマー(C1)を含むポリマーの製造方法。 - 請求項2に記載のポリマーの製造方法において、
前記式(2)により示される前記モノマー(C)が、前記式(2)中のR5が水素であるモノマー(C2)を含むポリマーの製造方法。 - 請求項1乃至4いずれか一項に記載のポリマーの製造方法において、
前記式(1)により示される前記モノマー(A)が、
前記式(1)中のR1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも一つがカルボキシル基を含有する有機基であり、他が水素であるモノマー(A1)と、
前記式(1)中のR1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも一つがオキセタン環を含有する有機基であり、他が水素であるモノマー(A2)と、を含むポリマーの製造方法。 - 請求項1乃至5いずれか一項に記載のポリマーの製造方法により得られるポリマー。
- 請求項6に記載のポリマーを含むポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項7に記載のポジ型感光性樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂膜。
- 請求項8に記載の樹脂膜からなる永久膜を備える電子装置。
- 前記永久膜が、層間膜、表面保護膜、またはダム材である、請求項9に記載の電子装置。
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