以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
図1は、管理システム1における処理概要の一例を示す図である。
管理システム1は、物品管理用シート20、リーダライタ30、情報処理装置40を有し、書棚81に格納された書類10の有無を管理する。書類10は、管理システム1により管理される物品の一例である。物品管理用シート20は、ICタグ22、23、24、25が付されたシートであり、書類10と組にして使用されている。ICタグ22、23、24、25は、ICチップ及びアンテナから成る図示しないインレイをそれぞれ有し、それぞれのインレイは、シート上で重ならない位置に配置されている。ICタグ22、23、24、25は、それぞれICタグを識別可能な識別子を記憶している。
リーダライタ30は、識別子をICタグ22、23、24、25から受信し、情報処理装置40に送信する。情報処理装置40は、情報処理を実行する装置であり、表示部43等を有している。情報処理装置40は、物品管理用シート20に配置されたICタグの識別子と、当該物品管理用シートと組にして使用される書類10を識別する物品番号とを関連付けて記憶している。書棚81は、書類10及び物品管理用シート20を格納する金属製の棚である。
棚卸が実行されるとき、リーダライタ30は、書棚81の周囲に電波を放射し、それに応じて各ICタグが送信する識別子を受信する。図1に示す例において、物品管理用シート20のICタグ22は、リーダライタ30の放射する電波を受信できるが、ICタグ23、24、25は、書棚81の側面に近接しているため、リーダライタ30の放射する電波を受信できないとする。このとき、ICタグ22は、識別子を送信するが、ICタグ23、24、25は、識別子を送信しない。
次に、情報処理装置40は、リーダライタ30からICタグの識別子を受信し、識別子の値に関連付けられた物品番号を取得する。図1に示す例では、情報処理装置40は、リーダライタ30から識別子aを受信し、aに関連付けられた物品番号として50番を取得する。情報処理装置40は、物品番号50番に関連付けられた値b、c、dを有する他の識別子を取得していなくても、値aを有する識別子を受信したため、50番の書類は存在すると判定する。次に、情報処理装置40は、50番の書類が存在することを示す情報を、表示部43に表示し、一連の処理を終了する。
物品管理用シート20は、ICタグ22、23、24、25を有する。情報処理装置40は、ICタグ22等の少なくとも一つが記憶する識別子を取得すると、その識別子に関連付けられた物品番号によって識別される物品が存在すると判定する。このため、物品管理用シート20は、ICタグが一つだけ付されているときに比べて、情報処理装置40によって検出されやすい。また、物品管理用シート20は、平面状であるため、占有スペースが小さい。
<第1実施形態>
図2は、管理システム1の概略構成の一例を示す図である。
管理システム1は、物品管理用シート20と、リーダライタ30と、情報処理装置40とを有する。リーダライタ30と情報処理装置40とは、通信ネットワーク90を介して接続されている。
図3は、物品管理用シート20の概略構成を示す図である。
物品管理用シート20は、リーダライタ30がICチップから読み取った識別子を使用して情報処理装置が物品を管理するために、物品と組にして使用される。物品管理用シート20は、本体21、複数のICタグ22、23、24、25及びラベル26を有する。本体21は、平面211及び平面211に対向する平面212を含み、全体として平面状である。本体21は、プラスチック等、導電性を有さない材質からなるが、金属等の導電性を有する材質を含んでもよい。ICタグ22、23、24、25は、リーダライタ30の発生する電波により動作して情報を送受信するパッシブ型のRFIDタグであり、本体21の平面211に配置されている。
ICタグ22は、基材221及びインレイ222を有し、ICタグ23は、基材231及びインレイ232を有し、ICタグ24は、基材241及びインレイ242を有し、ICタグ25は、基材251及びインレイ252を有する。基材221、231、241、251は、それぞれICタグ22、23、24、25の外形を形成するラベル状の部材である。インレイ222は、アンテナ223及びICチップ224から成り、インレイ232は、アンテナ233及びICチップ234から成る。インレイ242は、アンテナ243及びICチップ244から成り、インレイ252は、アンテナ253及びICチップ254から成る。
アンテナ223はICチップ224に、アンテナ233はICチップ234に、アンテナ243はICチップ244に、アンテナ253はICチップ254に接続されている。アンテナ223、233、243、253は、リーダライタ30の発生する電波を受信すると、接続されたICチップに電流を流す。
ICチップ224、234、244、254は、それぞれ自らを有するICタグを管理システム1内で一意に識別可能な識別子、及び、全世界でそれぞれ一意に識別可能なグローバル識別子を記憶する。ICタグを管理システム1内で識別可能な識別子の一例は、ICタグに含まれるICチップを管理システム1内で識別可能な識別子である。ICチップ224、234、244、254が記憶する識別子の値は、それぞれa、b、c、dである。以下、識別子の値としてXを記憶するICチップを、値XのICチップと称することがある。ICチップ224、234、244、254は、接続されたアンテナから流れてきた電流に応じて、識別子及びグローバル識別子を含むデータを接続されたアンテナを介してリーダライタ30に送信する。
インレイ222、232、242、252は、本体21の互いに重ならない位置に配置されている。「重ならない」とは、インレイ222、232、242、252が配置された本体21の平面211の垂線方向において、インレイ同士が重ならないことを意味する。
ラベル26は、シール部材であり、本体21の平面211に貼付されている。ラベル26には、ラベル26が貼付された物品管理用シート20と組にして使用される物品である書類10を管理システム1内で識別する物品番号、及び、物品番号がコード化された2次元コード261が表示されている。
リーダライタ30は、リーダの一例である。リーダライタ30は、後述するように物品管理用シート20が有するICタグが記憶するデータを読み取り、読み取ったデータを情報処理装置40に送信する。リーダライタ30は、タイムスロット方式、ビットコリジョン方式等のアンチコリジョン方式を使用して、一度に複数のICタグのデータを読み取ることができる。
図4は、情報処理装置40の概略構成の一例を示す図である。
情報処理装置40は、リーダライタ30からデータを受信し、記憶する。情報処理装置40は、受信したデータに含まれる識別子を使用して、識別子に関連付けられた物品を管理する。そのために、情報処理装置40は、通信部41と、コード読取部42と、表示部43と、記憶部44と、処理部45とを有する。
通信部41は、有線LAN等の通信インターフェース回路を有する。通信部41は、通信ネットワーク90を介して、リーダライタ30等と通信を行う。通信部41は、リーダライタ30等から受信したデータを処理部45に供給する。
コード読取部42は、バーコード、2次元コード等を読み取るバーコードリーダである。コード読取部42は、CCD(Charge Coupled Device)素子またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子等の撮像素子、光学系部品、A/D変換器、エンコーダなどを含んで構成される公知の内蔵カメラで構成されてもよい。コード読取部42は、2次元コード等から読み取ったデータを処理部45に供給する。
表示部43は、画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等である。表示部43は、処理部45から供給されるデータに応じた画像等を表示する。
記憶部44は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、及び光ディスク装置のうちの少なくとも一つを有する。記憶部44は、処理部45による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
例えば、記憶部44は、ドライバプログラムとして、通信部41を制御する通信デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、記憶部44は、オペレーティングシステムプログラムとして、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の通信方式による接続制御プログラム等を記憶する。また、記憶部44は、アプリケーションプログラムとして、各種データの送受信を行うデータ処理プログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶部44にインストールされてもよい。
記憶部44は、ICタグと管理対象物品との関連付けを記憶するタグ物品関連表と、管理対象物品の管理状態を記憶する物品管理表とを含むデータベースを有する。
図5(a)は、タグ物品関連表の一例を示す図である。
タグ物品関連表には、物品管理用シート20のインレイ222等に含まれるICチップ224等のそれぞれが記憶している識別子毎に、グローバル識別子、物品番号等が相互に関連付けられて記憶される。
図5(b)は、物品管理表の一例を示す図である。
物品管理表には、物品番号毎に、棚卸結果等が相互に関連付けられて記憶される。
処理部45は、一又は複数のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部45は、情報処理装置40の全体的な動作を統括的に制御し、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部45は、情報処理装置40の各種処理が記憶部44に記憶されているプログラム等に応じて適切な手順で実行されるように、通信部41等の動作を制御する。処理部45は、記憶部44に記憶されているプログラム(ドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部45は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行できる。
処理部45は、コード取得部451、登録部452、識別子取得部453、判定部454及び出力部455を有する。処理部45が有するこれらの各部は、処理部45が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部45が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして情報処理装置40に実装されてもよい。
以下の説明において、ICタグに書き込むことは、ICタグに含まれるICチップに書き込むことを含み、ICタグが記憶することは、ICタグに含まれるICチップが記憶することを含む。ICタグから読み込むことは、ICタグに含まれるICチップから読み込むことを含む。
図6は、情報処理装置40における物品管理用シート20の初期設定処理の一例を示す図である。
以下、図6に示したフローチャートを参照しつつ、情報処理装置40の動作の例を説明する。以下に説明する動作は、予め記憶部44に記憶されているプログラムに基づき、主に処理部45により各要素と協働して実行される。
最初に、コード取得部451は、初期設定の対象である物品管理用シート20に貼付されたラベル26から、コード読取部42を介して2次元コード261にコード化されている物品番号を取得する(S11)。コード取得部451は、取得した物品番号を記憶部44に一時的に記憶する。
次に、登録部452は、コード読取部42が2次元コード261を読み取った物品管理用シート20が有するICタグを認識する(S12)。登録部452は、リーダライタ30が各ICタグから読み取ったデータを通信部41を介して受信し、受信したデータからグローバル識別子を取得すると、グローバル識別子により一意に識別されるICタグが物品管理用シート20に配置されていると認識する。リーダライタ30は、電波を透過しない箱の内部において物品管理用シート20からICタグを読み取ることにより、物品管理用シート20が有するICタグ以外のICタグを読み取ることを防止する。
次に、登録部452は、取得したグローバル識別子のそれぞれに識別子及び物品番号を割り当てる(S13)。登録部452は、図5(a)に示すタグ物品関連表を参照して、他の識別子と重複しない識別子を選択し、取得したグローバル識別子毎に、選択した識別子及びS11で一時的に記憶した物品番号を割り当てる。
次に、登録部452は、割り当てにより関連付けられた識別子、グローバル識別子及び物品番号の各組をタグ物品関連表に登録し、タグ物品関連表に登録した物品番号を図5(b)に示す物品管理表にも登録する(S14)。
次に、登録部452は、通信部41、リーダライタ30を介して、各グローバル識別子によって識別されるICタグのそれぞれに、各グローバル識別子に関連付けられた識別子を書き込む(S15)。登録部452は、識別子とグローバル識別子との組を含む書き込み命令を、通信部41を介してリーダライタ30に送信する。リーダライタ30は、書き込み命令を受信すると、グローバル識別子を宛先に指定して、識別子を含むコマンドをICタグに送信する。ICタグは、コマンドの宛先に指定されたグローバル識別子が自らが記憶するグローバル識別子と同一であるとき、コマンドに含まれる識別子を記憶する。以上により、初期設定処理は終了する。
図7及び図8は、棚卸処理の対象となる書類格納状態の概要を示す図である。
書類ケース80は、複数の書棚81を有する。書棚81には、封筒51、51´、51´´等が並んで格納されている。封筒51、51´、51´´は、その内部にそれぞれ異なる書類10及び物品管理用シート20の組を格納している。
図9は、情報処理装置40における棚卸処理の一例を示す図である。
以下、図9に示したフローチャートを参照しつつ、情報処理装置40の動作の例を説明する。以下に説明する動作は、予め記憶部44に記憶されているプログラムに基づき、主に処理部45により各要素と協働して実行される。
最初に、識別子取得部453は、リーダライタ30が書類ケース80の周辺においてICタグから読み取ったデータを通信部41を介して受信し、受信したデータからICタグのそれぞれが記憶している識別子を取得する(S31)。リーダライタ30が読み取ったデータには、各物品管理用シート20が有する複数のICタグのそれぞれが記憶している識別子が含まれていることが期待される。但し、物品管理用シート20が書類ケース80に格納されている状況、リーダライタ30と書類ケース80との距離等の影響により、一部のICタグの識別子は、リーダライタ30が読み取ったデータに含まれていないことがある。
次に、判定部454は、物品管理表から一つの物品番号を選択し、タグ物品関連表に基づいて、識別子取得部453が、選択した物品番号に関連付けられた識別子の少なくとも一つを取得したか否かを判定する(S32)。
識別子取得部453が、物品番号に関連付けられた識別子の少なくとも一つを取得したとき、判定部454は、物品番号によって識別される物品が存在すると判定する(S33)。次に、判定部454は、物品管理表の棚卸結果欄に物品が存在することを示す情報である「有」を書き込む。
識別子取得部453が、物品番号に関連付けられた識別子を一つも取得していないとき、判定部454は、物品番号によって識別される物品が存在しないと判定する(S34)。次に、判定部454は、物品管理表の棚卸結果欄に物品が存在しないことを示す情報である「無」を書き込む。判定部454は、S32〜S34の処理を、物品管理表に記憶された物品番号のそれぞれに対して実行する。
次に、出力部455は、物品管理表の物品番号欄及び棚卸結果欄に書き込まれた情報に基づいて棚卸結果を表示する画面を生成し、生成した画面を表示部43に出力して表示させる(S35)。以上により、棚卸処理は終了する。
第1実施形態に係る物品管理用シート20は、複数のインレイ222、232、242、252が本体21の重ならない位置に配置されている。このため、物品管理用シート20は、リーダライタ30がICタグを読み取る際に、インレイを一つだけ有する物品管理用シートに比べて検出される可能性が高い。また、物品管理用シート20は、本体21が平面状であるため、占有スペースを小さくできる。
特に、管理対象の物品が紙の書類であり、図7及び図8に示すように物品及び物品管理用シート20を書棚81内に立てて格納する場合、通常、格納される物品と物品との間、物品と物品管理用シート20との間には若干の隙間が生じる。このため、リーダライタ30は、その隙間からICタグを読み取ることができ、物品管理用シート20は、検出されやすくなる。
なお、物品管理用シート20は、管理対象の物品の一面と同様な形状及び同様な大きさであることが好ましい。形状及び大きさが同様であることによって、物品管理用シート20と物品とを一体として扱いやすくなる。
また、物品管理用シート20は、管理対象の物品に付着して使用されてもよい。例えば、物品管理用シート20は、管理対象の物品であるノート型パソコンの蓋の表面に貼付され使用されてもよい。物品に複数のICタグを有する物品管理用シート20を貼付することにより、物品にICタグを個別に貼付する場合に比べて、ICタグの管理が容易になる。
また、物品管理用シート20が有するICタグの数は、四つに限らず、任意の複数であってよい。
また、本体21は、ほとんど変形しないような柔軟性を有さないものでも、柔軟性を有するものでもよい。柔軟性を有する本体21は、例えば、巻物状に変形できてもよい。本体21が柔軟性を有する場合、例えば管理対象の物品の表面が円柱面等の非平面であっても、その表面に沿って物品管理用シート20を配置することが可能であり、物品管理用シート20を物品と一体化させて使用できる場面が増加する。
また、本体21に、平面211から平面212に貫通する貫通孔を複数形成する等の方法により、本体21を網状に構成してもよい。本体21に貫通孔を形成することにより、本体21を軽量化することが可能になる。
また、ICタグ22、23、24、25は、本体21の周辺部又は四隅に近い位置に配置されることが好ましい。これらの位置に配置されることにより、管理対象の物品及び物品管理用シート20の組を複数並べて管理するときに、いずれかのICタグが外部に近い位置に配置され、リーダライタ30によって検出される可能性が高くなる。
また、ICタグ22、23、24、25の一つ以上は、他のICタグが配置されている面と反対側の面に配置されてもよい。例えば、ICタグ22、25は、平面211に配置され、ICタグ23、24は、平面212に配置されてもよい。
また、ICタグ22、23、24、25は、アクティブ型のRFIDタグであってもよい。
また、ICチップ224、234、244、254がそれぞれ記憶する識別子は、物品管理用シート20を識別可能な識別子であれば、各ICタグを管理システム1内で一意に識別可能な識別子でなくてもよい。例えば、これらの識別子は、他の物品管理用シートのICタグで使用されていない値であれば、全て同一の値であっても、任意の二つ以上が同一の値であってもよい。全て同一の値の場合、識別子の値は、物品管理用シート20による管理対象の物品を識別可能な物品番号であってもよい。
<第1変形例>
図10(a)及び図10(b)は、第1変形例に係る物品管理用シート20aの概略構成を示す図である。
第1変形例に係る物品管理用シート20aは、基材221、231、241、251を有しておらず、インレイ222、232、242、252のみを有している。また、本体21aは、図10(a)のように中央で折りたたまれることにより図10(b)のように一枚の平面状の部材を形成し、インレイ222、232、242、252は、本体21aの折りたたまれた内部に配置及び接着されている。上記以外の第1変形例に係る物品管理用シート20aの構成は、同一符号が付された第1実施形態に係る物品管理用シート20の構成と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
第1変形例に係る物品管理用シート20aは、インレイ222、232、242、252を有しているが、基材221、231、241、251を有していないため、第1実施形態の物品管理用シート20に比べて少ない部材で製造することができる。また、第1変形例に係る物品管理用シート20aは、インレイ222、232、242、252が本体21aの内部に配置されているため、外部からの衝撃によってインレイ222、232、242、252が破損する可能性を減らすことができる。
なお、本体21aは、図10(b)のように一辺が閉じていても、隣接する又は対向する二辺が閉じていても、三辺が閉じていても、四辺全てが閉じていてもよい。また、本体21aは、二枚のシート状の部材によりインレイ222、232、242、252を挟み込んで接着するように構成されてもよい。
<第2変形例>
図11(a)は、第2変形例に係る物品管理用シート20bの概略構成を示す図である。
第2変形例に係る物品管理用シート20bは、さらにICタグ27を有している。本体21bは、円形である。ICタグ22、23、24、25、27は、円の中心を囲むように、円の周辺部に沿ってほぼ等間隔に配置されている。上記以外の第2変形例に係る物品管理用シート20bの構成は、同一符号が付された第1実施形態に係る物品管理用シート20の構成と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
物品管理用シート20bは、本体21bの形状が円形であるため、オープンリールデッキで使用されるテープメディア、DVD−ROM等、円形の物品と組にして使用するときに邪魔になりにくい。
<第3変形例>
図11(b)は、第3変形例に係る物品管理用シート20cの概略構成を示す図である。
第3変形例に係る物品管理用シート20cは、さらにICタグ27を有している。本体21cは、帯状の長方形である。ICタグ22、23、24、25、27は、本体21cの長手方向と各ICタグの短手方向とがほぼ一致するように、本体21cの長手方向にほぼ等間隔に配置されている。上記以外の第3変形例に係る物品管理用シート20cの構成は、同一符号が付された第1実施形態に係る物品管理用シート20の構成と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
物品管理用シート20cは、本体21cの形状が帯状であるため、家の柱となる部材等、細長い物品と組にして使用するときに邪魔になりにくい。また、三つ以上のICタグが同一方向に並んで配置されているため、細長い物品と組にして使用するときに、物品の場所を問わずいずれかのICタグを検出しやすい。
<第4変形例>
図11(c)は、第4変形例に係る物品管理用シート20dの概略構成を示す図である。
第4変形例に係る物品管理用シート20dは、ICタグ25を有していない。本体21dは、テープ状の長方形である。ICタグ22、23、24は、本体21dの長手方向と各ICタグの長手方向とがほぼ一致するように、本体21dの長手方向にほぼ等間隔に配置されている。ICタグ22、23、24の幅(短手方向の長さ)と本体21dの幅(短手方向の長さ)とは、ほぼ同一であり、ICタグ22、23、24は、本体21dから短手方向及び長手方向に突出していない。上記以外の第4変形例に係る物品管理用シート20dの構成は、同一符号が付された第1実施形態に係る物品管理用シート20の構成と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
物品管理用シート20dは、ICタグ22、23、24の長手方向と本体21dの長手方向とがほぼ一致するため、ICタグ22、23、24を本体21dから突出させずに本体21dの幅を狭くすることができる。また、本体21dの幅を細くすることにより、例えば管理対象の物品が棒状、筒状であり、本体21dが柔軟性を有するときに、管理対象の物品の表面に物品管理用シート20dをスパイラル状に配置することが容易である。
<第5変形例>
図12は、第5変形例に係る情報処理装置40´の概略構成の一例を示す図である。
情報処理装置40´は、判定部454の代わりに判定部454´を有し、ICチップ検出回数算出部456、物品検出回数算出部457、検出率算出部458及び警告出力部459をさらに有することが情報処理装置40と相違する。また、記憶部44が記憶する物品管理表の形式は、後述するように第1実施形態に係る物品管理表の形式と相違する。また、判定部454´は、棚卸処理のS33及びS34の後に、物品が存在すること又は存在しないことに加えて、物品番号に関連付けられた各識別子が検出されたか否かを物品管理表に書き込む。情報処理装置40´のその他の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された情報処理装置40の構成要素の構成及び機能と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
第5変形例に係る物品管理用シート20において、ICチップ224は、第1ICチップの一例である。また、物品管理用シート20と組にして使用される物品は、第1物品の一例であり、値が50である物品番号は、第1物品を識別する第1物品番号の一例である。また、値がaである識別子は、第1物品番号と関連付けられた第1識別子の一例である。
図13は、第5変形例に係る物品管理表の一例を示す図である。
第5変形例に係る物品管理表は、タグ物品関連表に記憶された各識別子を物品番号に関連付けてさらに記憶すること、及び、各識別子により識別されるICチップの検出結果をさらに記憶することが、第1実施形態に係る物品管理表と相違する。具体的には、識別子欄が「−」である行は物品番号欄の番号により識別される物品の棚卸結果を示し、識別子欄が「−」ではなく「a」、「b」等である行は、識別子欄の識別子により識別されるICチップの検出結果を示す。また、第5変形例に係る物品管理表は、物品の棚卸結果及びICチップの検出結果の履歴を所定期間にわたって記憶することが、第1実施形態に係る物品管理表と相違する。具体的には、図13に示す物品管理表は、第1回〜第3回の3回の棚卸時における棚卸結果及び検出結果を示している。上記以外の第5変形例に係る物品管理表の形式は、第1実施形態に係る物品管理表の形式と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図14は、第5変形例に係る情報処理装置40´における警告処理の一例を示す図である。
警告処理は、棚卸処理が複数回実施された後の任意の時点において、情報処理装置40´によって実行される。
最初に、ICチップ検出回数算出部456は、物品管理表を参照して、識別子取得部453が所定期間に識別子を取得した回数であるICチップ検出回数を識別子毎に算出する(S41)。例えば、ICチップ検出回数算出部456は、所定期間を第1回〜第3回棚卸の3回の棚卸の期間とする。この期間において、値aのICチップの検出結果は全て「無」であるため、ICチップ検出回数算出部456は、値aのICチップのICチップ検出回数を0回と算出する。ICチップ検出回数算出部456は、同様にして値b、c、d等のICチップについてもICチップ検出回数を算出する。
次に、物品検出回数算出部457は、識別子取得部453が所定期間に取得した識別子に基づいて判定部454´が第1物品が存在すると判定した回数である物品検出回数を算出する(S42)。例えば、物品検出回数算出部457は、第1回〜第3回棚卸において50番の物品に対応する棚卸結果が全て「有」であるため、50番の物品の物品検出回数を3回と算出する。物品検出回数算出部457は、同様にして物品番号60等の物品についても物品検出回数を算出する。
次に、検出率算出部458は、ICチップ検出回数算出部456が算出したICチップ検出回数及び物品検出回数算出部457が算出した物品検出回数に基づいて、物品検出回数に対するICチップの検出率を算出する(S43)。例えば、検出率算出部458は、値aのICチップ検出回数は0回、50番の物品に対応する物品検出回数は3回であるため、検出率は(0/3)×100=0%であると算出する。検出率算出部458は、同様にして値b、c、d等のICチップについてもICチップの検出率を算出する。
次に、警告出力部459は、検出率算出部458が算出した検出率が所定閾値より小さいか否かを判定する(S44)。検出率が所定閾値より小さいとき(S44−Y)、警告出力部459は、検出率の算出対象となったICチップを警告対象として抽出する(S45)。例えば、所定閾値が20%のとき、警告出力部459は、検出率が0%である値aのICチップを警告対象として抽出する。検出率が所定閾値と等しい又は閾値より大きいとき(S44−N)、警告出力部459は、S45の処理を実行しない。例えば、所定閾値が20%のとき、警告出力部459は、検出率が100%である値cのICチップを警告対象として抽出しない。警告出力部459は、S44〜S45の処理を、検出率算出部458が算出したICチップの検出率のそれぞれに対して実行する。
次に、警告出力部459は、警告対象として抽出したICチップに基づいて警告内容を表示する画面を生成し、生成した画面を表示部43に出力して表示させる(S46)。例えば、警告出力部459は、「値aのICチップは故障している可能性があります」という警告内容を表示する画面を生成して表示部43に出力し、表示部43は、入力された画面を表示する。以上により、警告処理は終了する。
第5変形例に係る物品管理用シート20において、第1ICチップの一例であるICチップ224は、第1識別子を記憶し、ICチップ234、244、254及び他の物品管理用シート20のICチップは、第1識別子と異なる識別子を記憶する。また、情報処理装置40´は、第1識別子と関連付けられた物品番号の物品の検出回数に対するICチップ224の検出率が所定閾値より小さいとき、ICチップ224に関する警告を出力する。これにより、情報処理装置40´は、リーダライタ30がICチップ224を検出しないことを、物品管理用シート20の利用者に通知できる。通知を受けた利用者は、ICチップ224を交換する、物品管理用シート20の配置場所を変える等の方法によって、リーダライタ30がICチップ224を検出しないことに対処できる。
なお、警告処理は、棚卸処理以外における物品管理用シート20の検出処理に基づいて実行されてもよい。例えば、情報処理装置40´は、物品の一例である書類10及び物品管理用シート20の組を書棚81から貸し出す又は書棚81に返却するときに、物品管理用シート20のICタグをリーダライタ30によって読み取ってもよい。情報処理装置40´は、貸出処理及び返却処理として、読み取った結果に対して第5変形例における棚卸処理と同様な処理を実行し、物品番号及び物品管理用シート20に記憶された各識別子の検出結果の履歴を物品管理表に記憶する。情報処理装置40´は、貸出処理及び返却処理において作成した物品管理表を使用して、警告処理を実行してもよい。
また、第1ICチップが有する第1識別子が管理システム1内で一意に識別可能であれば、他のICチップが有する識別子は、管理システム1内で一意に識別可能でなくてもよい。例えば、物品管理用シート20において、ICチップ224が記憶する識別子が管理システム1内で一意に識別可能であれば、ICチップ234、244、254のそれぞれが記憶する識別子は、一部又は全部が同一であってもよい。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。