JP6772251B2 - オレキシン受容体拮抗薬の化合物の結晶形およびその製造方法と使用 - Google Patents
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Description
本発明は、オレキシン受容体拮抗薬としての化合物5-3の結晶形I、結晶形II、結晶形IIIおよび結晶形IVならびにその製造方法、そしてオレキシンに関連する疾患を治療する薬物の製造におけるその使用に関する。
オレキシン(ヒポクレチン)は、視床下部で発生するオレキシンA (OX-A) (33個のアミノ酸のペプチド)およびオレキシンB (OX-B) (28個のアミノ酸のペプチド)の2種類の神経ペプチドを含む(SakuraiT.ら,Cell,1998,92,573-585)。オレキシンがラットにおいて食物の消耗を刺激することができることが見出され、摂食行為を調節する中心フィードバック機序において、これらのペプチドは媒介としての生理学的作用を有することが示された(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573-585)。オレキシンは、睡眠と不眠の状態を調節することができるため、睡眠発作または不眠症の患者を治療する新規な方法が潜在的に提出された(Chemelli R.M.ら,Cell,1999,98,437-451)。オレキシンは、覚醒、激励、学習および記憶において一定の作用を果たす(Harrisら,Trends Neurosc1.,2006,29 (10),571-577)。哺乳動物には、2種類のオレキシン受容体がクローンおよび特徴付けされた。これらは、G蛋白質共役型受容体のスーパーファミリーに属し(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573-585)、オレキシン-1受容体(0Xまたは0X1R)はOX-Aに選択性を有し、オレキシン-2受容体(OX2またはOX2R)はOX-AおよびOX-Bと結合することができる。オレキシンが関与する生理作用は、OXI受容体およびOX 2(オレキシン受容体の2つのサブタイプ)のうちの一方または両方によって発現されることが想定されている。
本発明の目的は、化合物5-3の製造方法であって、下記のような工程を含む方法を提供することにある。
a:b>1:1で、
反応圧力は常圧〜10MPaで、
任意に、反応温度は0℃〜室温で、
反応溶媒は極性有機溶媒から選ばれる。
本発明の一つの形態において、a:b>3:1である。
本発明の一つの形態において、任意に、反応温度は5〜10℃である。
本発明の一つの形態において、上記極性有機溶媒は酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジオキサンから選ばれる。
分割剤はD-酒石酸で、
反応溶媒は酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、水から選ばれ、
再結晶溶媒は水、エタノールから選ばれ、
塩基は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C1-6アルキルアルコールはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および/またはn-ブタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルはギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、および/または酢酸n-ブチルから選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはイソオクタンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C4-10エーテルまたはシクロエーテルはエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、n-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、および/またはジオキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、化合物5-3と極性有機溶媒の使用量(重量/体積)の比は1:1〜10である。
本発明の一つの形態において、化合物5-3と極性有機溶媒の使用量(重量/体積)の比は具体的に1:2〜5である。
本発明の一つの形態において、化合物5-3と弱極性または非極性有機溶媒の使用量(重量/体積)の比は具体的に1:2〜7である。
本発明の一つの形態において、前記の結晶形IIは、XRPDスペクトルの解析は以下の通りである。
本発明の一つの形態において、上記有機溶媒はC1-6アルキルアルコール、C5-10アルカンまたはシクロアルカン、C4-10エーテルまたはシクロエーテル、C3-7ケトン、C2-6エステル、アセトニトリルおよび/あるいは任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはシクロヘキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C4-10エーテルまたはシクロエーテルはメチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフランおよび/または1,4-ジオキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C3-7ケトンはアセトン、メチルイソブチルケトン、および/またはメチルエチルケトンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルは酸エチル、および/または酢酸イソプロピルから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の混合溶媒はメタノール/水、エタノール/水、イソプロパノール/水、アセトニトリル/水、アセトン/水、テトラヒドロフラン/水または1,4-ジオキサン/水から選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は0.1〜20:1である。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は具体的に0.5〜5:1である。
本発明の一つの形態において、前記の結晶形IIIは、XRPDスペクトルの解析は以下の通りである。
本発明の一つの形態において、C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはシクロヘキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C4-10エーテルまたはシクロエーテルはメチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフランおよび/または1,4-ジオキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C3-7ケトンはアセトン、メチルイソブチルケトン、および/またはメチルエチルケトンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルは酸エチル、および/または酢酸イソプロピルから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の混合溶媒はメタノール/水、エタノール/水、イソプロパノール/水、アセトニトリル/水、アセトン/水、テトラヒドロフラン/水または1,4-ジオキサン/水から選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は0.1〜20:1である。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は具体的に0.5〜5:1である。
本発明の一つの形態において、前記の結晶形IVは、XRPDスペクトルの解析は以下の通りである。
本発明の一つの形態において、上記C1-6アルキルアルコールはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および/またはn-ブタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはシクロヘキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C3-7ケトンはアセトン、メチルイソブチルケトン、および/またはメチルエチルケトンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルは酸エチル、および/または酢酸イソプロピルから選ばれる。
本発明の一つの形態において、任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンはトルエン、キシレンまたはクロロベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は0.1〜20:1である。
本発明の一つの形態において、有機溶媒は具体的にイソプロパノール、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジメチルテトラヒドロフラン、トルエン、および/またはメタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は具体的に0.5〜5:1である。
本発明の一つの形態において、上記オレキシン受容体拮抗薬としての神経・精神疾患を予防または治療する薬物あるいはオレキシンに関連する疾患を治療する薬物の製造における化合物5-3の結晶形Iまたは結晶形IIまたは結晶形IIIまたは結晶形IVの使用では、前記神経・精神疾患あるいはオレキシンに関連する疾患は不眠、慢性閉塞性肺疾患、閉塞性睡眠時無呼吸、過眠症、不安、強迫、パニック、ニコチン依存または過食性障害を含む。
別途に説明しない限り、ここで用いられる以下の用語および連語は以下の意味を有する。一つの特定の用語または連語は、特別に定義されていない場合、不確定または不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。ここで商品名が出た場合、相応の商品またはその活性成分を指す。
C1-12はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12から、C3-12はC3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12から選ばれる。
用語「ハロ」または「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
本発明に使用される溶媒は市販品として入手可能で、さらに精製せずにそのままで使用してもよい。
粉末X線回折の方法は以下の通りである。
装置:Bruker D8 ADVANCE X線回折装置、ターゲット: Cu: Kα、波長λ=1.54179Å、管電圧Voltage: 40 kV、管電流Current: 40 mA、走査範囲: 4〜40°、サンプル回転速度: 15 rpm、走査速度: 10°/分。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の何らの不利な制限にもならない。ここで、本発明を詳しく説明し、その具体的な実施例の形態も公開したため、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に様々な変更や改良を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
スキーム1:
22 Lの無水トルエンを50 Lのオートクレーブに入れ、窒素ガスの保護下で水素化ナトリウム(2.2 Kg, 55.5 mol)をゆっくりトルエン溶液に分けて入れ、同時に化合物2(3.93 Kg,33.3 mol)をオートクレーブに滴下した。別途にフラスコを取って化合物1(5.0 Kg,22.2 mol)をトルエン(9 L)に溶解させた。オートクレーブを85〜95℃に昇温し、調製された化合物1トルエン溶液をゆっくりオートクレーブに2時間程度で入れ、滴下速度を注意して温度を95℃程度に維持した。滴下完了後、当該温度で続いて0.5〜1時間撹拌し、少量のサンプルを取って水を入れてクエンチングし、上層の有機相をTLCで検出したところ、反応が完了したと示された。
50 Lのオートクレーブにおいて、7.25 kgの粗製品化合物3を32 LNoエタノールに溶解させ、0〜5℃に降温し、水素化ホウ素ナトリウム(843.6 g,22.2 mol)をオートクレーブに分けて入れ、加入速度を注意してコントロールし、温度を10℃未満に維持し、0.5〜1.5時間かかった。添加完了後、0〜10℃で続いて2〜3時間撹拌した。サンプリングしてモニタリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、ニンヒドリン高温呈色)で検出したところ、完全に反応したと示された。
オートクレーブ(50 L)において化合物4(6.82 kg、22.2 mol、粗製品)をジクロロメタン(30 L)に溶解させ、そしてトリエチルアミン(5.80 Kg,57.3 mol)を入れた。温度を10℃以下に下げ、メタンスルホニルクロリド(3.82 kg、33.3 mol)をゆっくりオートクレーブに滴下し、温度を15℃未満に維持し、1〜2時間かかった。反応液を25℃に昇温して16時間撹拌し、サンプリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、ニンヒドリン高温呈色)で検出したところ、化合物4がなくなって完全に反応したと示された。
50 Lのオートクレーブにおいて化合物5(9.4 kg、粗製品、22.2 mol)をDMF(22 L)に溶解させ、温度を40℃未満にし、オートクレーブにDBU(6.76 kg, 44.4 mol)を入れた。仕込み完了後、温度を100℃に上げて16〜20時間撹拌し、サンプリングし、TLCで検出したところ、化合物5がなくなって完全に反応したと示された。
エタノール(1 L)を10 Lのオートクレーブに入れ、アルゴンの保護下で湿Pd/C(170 g)をゆっくり一括でオートクレーブに入れた。化合物6(563 g、2.0 mol)をエタノール(4.63 L)に溶解させてオートクレーブに入れ、仕込み完了後、反応系を密封し、真空に吸引し、水素ガスで2回置換した後水素ガスを導入した。反応系の水素ガスの初期圧力を4.0 MPaにし、10〜15℃で一晩撹拌した。サンプリングし、TLCまたはHPLCで反応をモニタリングした。
オートクレーブ(50 L)において化合物7 -a、7-b(4.2 kg、7-a/7-b=3:1、14.8 mol)を無水トルエン(20 L)に溶解させ、反応温度を0〜5℃の間に維持した。撹拌しながらRed-Al(水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、5.1 kg、17.8 mol)をゆっくりオートクレーブに滴下し、温度を0〜5℃の間に維持し、約1時間かかった。仕込み完了後、0〜5℃で続いて1時間撹拌した。サンプリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、高温呈色)およびGCで反応をモニタリングしたところ、反応が終了したと示された。
50 Lのオートクレーブにおいて化合物8-a、8-b(3.425 kg)をテトラヒドロフラン(17 L)に溶解させ、オートクレーブに水酸化ナトリウム(1.136 kg)および化合物9(1.960 kg)を入れた。温度を75℃に維持して24時間撹拌し、サンプリングし、GCおよびTLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、リンモリブデン酸高温呈色)で検出したところ、原料が完全に反応したと示された。
オートクレーブにおいて化合物15(2.5 kg、9.54 mol)を無水メタノール(10 L)に溶解させ、室温で濃硫酸(360 mL、7.16 mol)をゆっくりオートクレーブに滴下した。オートクレーブを65〜80℃に昇温し、18時間反応させた。HPLCで検出したところ、原料が5〜7%残り、濃硫酸(36 mL、67.3 g)を追加して続いて18時間反応させた。HPLCで原料が完全に反応したと検出した。
まず化合物16(5 kg、18.1mol)、化合物17(4.83 kg、19.0 mol)、酢酸カリウム(4.44 kg、45.3 mol)をオートクレーブに入れた後、無水DMF(20 L)をオートクレーブに入れて室温で撹拌して溶解させた。窒素ガスの保護下で酢酸パラジウム(122 g、54.33 mmol)を入れ、オートクレーブを80〜90℃に昇温し、16時間撹拌して反応させた。サンプリングしてモニタリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/10、UV 254nm)およびHPLCで検出したところ、原料16が完全に反応したと示された。
まず化合物18(4 kg、粗製品、14.485 mol)、化合物19(1.74 kg、15.2 mol)および炭酸ナトリウム(3.5 kg、33 mol)を50 Lのオートクレーブに入れた。その後、2-メチルテトラヒドロフラン(25 L)および水(8 L)をオートクレーブに入れ、室温で撹拌して溶解させた。窒素ガスの保護下でPd(dppf)Cl2・DCM(325 g、0.398 mol)を入れ、オートクレーブを70〜80℃に昇温し、16時間撹拌して反応させ、サンプリングしてモニタリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/2)で原料が完全に反応したと示された。
化合物20(3.0 kg)をオートクレーブに入れ、ジクロロメタン(12 L)を入れ、室温(25〜27℃)で撹拌して完全に溶解させた。塩化ナトリウム(210 g)、チオシアヌル酸(27 g)、アンモニア水(225 mL)、水(2500 mL)およびエタノール(〜2400 mL)をTMT溶液(〜5L)に調製した。TMT溶液(〜5L)をオートクレーブに入れ、反応混合物を室温(20〜25℃)で24時間撹拌した。反応液を珪藻土でろ過し、分液して水相を捨て、有機相を濃縮して乾燥し(-0.09 MPa、<50℃)、化合物20を得た(2.92 kg、収率:97.3%)。1HNMR(DMSO-d6,400 MHz)δ8.87(d, J=4.8Hz, 2H), 7.96(d, J=8.0Hz, 1H), 7.46(m, 3H), 3.62(s, 3H), 2.41(s, 3H)。
50 Lのオートクレーブにおいて、化合物20(2900 g、12.7 mol)を2-メチルテトラヒドロフラン(15 L)に溶解させた。水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム:1270 g、31.8 mol、水:20 L、20 kg)を調製し、水酸化ナトリウム溶液をオートクレーブに入れ、反応液70〜75℃に昇温して16時間撹拌し、モニタリングしてTLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/2、UV:254 nm)で反応の完了を検出した。
オートクレーブ(30 L)において化合物10-a、10-bを酢酸エチル(13.5 L)に溶解させた。温度を10〜20℃に維持し、35%の濃塩酸(4.5 L)をオートクレーブに滴下し、温度を15℃未満に維持した(注意して滴下速度をコントロールした)。滴下完了後、温度を20〜25℃に維持して16〜20時間反応させ、サンプリングしてモニタリングし、HPLCで検出したところ、反応が完了したと示された。
化合物12-a、12-bの溶液(15.5 kg、2.54 kg化合物10含有)をオートクレーブに入れ、55〜65℃に昇温した。D-酒石酸(1.62 kg)および水(3.5 L)で調製された溶液をゆっくりオートクレーブに滴下し、滴下完了後55〜65℃で続いて2〜3時間反応させた。ゆっくり5〜15℃に降温し、一晩撹拌し、ろ過して湿潤製品を得た(5.78 kg)。湿潤製品および水(15L)をオートクレーブに入れて80〜90℃に加熱して完全に溶解させた後、続いてゆっくり15〜25℃に降温し、続いて16〜20時間撹拌した。ろ過して湿潤製品(2.6 kg)を得、サンプリングして検出したところ、e.e.=90.8%であった。湿潤製品および水(6 L)をオートクレーブに入れて80〜90℃に加熱して完全に溶解させ、ゆっくり15〜25℃に降温し、16〜20時間かかった。ろ過して湿潤製品(2.2kg)を得、サンプリングして検出したところ、ee=99.6%であった。
オートクレーブにおいて化合物13(630 g、2.67 mol)を酢酸エチル(7.9 L)に溶解させ、化合物14(685 g、3.20 mol)をオートクレーブに入れ、20分間撹拌した。温度を15〜25℃に維持し、ゆっくりT3P( 1903 mL、3.20 mol)を入れ、20〜30分間で添加完了後40〜60℃に昇温して2〜3時間撹拌した。サンプリングしてモニタリングし、HPLCで原料/産物の比は2.5%未満であったと示された。
結晶形I(1.1 kg)、酢酸エチル(2750 mL)およびイソプロパノール(110 mL)を5 Lの反応フラスコに入れ、反応系を65〜80℃に加熱して2〜3時間撹拌し、ゆっくり温度を50〜60℃に下げ、1〜2時間かかり、この懸濁液を40〜50℃で続いて20〜24時間撹拌し、少量のサンプルを取ってXRPDで検出したところ、結晶転移が成功した。ゆっくり反応系を10〜20℃に降温し、この温度のままで20〜24時間撹拌し、XRPDで検出したところ、結晶転移が変わらなかった。ろ過して固体を得、40〜50℃で20〜24時間真空乾燥し、製品を得た(660 g、収率:60%)。HPLC純度:99.13%、ee値:100%であった。XRPD測定では、結晶形IIと示された。
0.30 gの化合物5-3の結晶形Iを4.5 mLのトルエンに入れ、十分に溶解させてろ過し、ろ液を撹拌しながら、沈殿が析出するまでゆっくり4 mLのn-ヘプタンを入れ、20〜30℃で続いて16〜22時間撹拌した後、ろ過して固体を得、40℃で真空乾燥し、結晶形IIIを0.22 g得た(収率:73.3%)。
0.30 gの化合物5-3の結晶形Iを4.5 mLのエタノールに入れ、十分に溶解させてろ過し、ろ液を撹拌しながら、沈殿が析出するまでゆっくり9 mLの純水を入れ、20〜30℃で続いて16〜22時間撹拌した後、ろ過して固体を得、40℃で真空乾燥し、結晶形IVを0.23 g得た(収率:76.7%)。
実験目的:
FLIPRによって細胞内のカルシウムシグナルの変化を検出し、化合物のIC50値を指標とし、化合物のOX1およびOX2 GPCR受容体に対する抑制作用を評価した。
細胞系:HEK293-OX1およびOX2安定トランスフェクト細胞株
HEK293-OX1細胞培地(DMEM, Invitrogen#11960-044, 10%血清Gibco#10099141, L-Glutamine 1×, Gibco#25030,ピルビン酸ナトリウム1×, Gibco #11360,Geneticin 300μg/mL,Gibco #10131)
HEK293-OX2細胞培地(DMEM, Invitrogen#11960-044, 10%血清 Gibco#10099141, L-Glutamine 1×,Gibco#25030,ピルビン酸ナトリウム 1×, Gibco #11360,Geneticin 300μg /mL,Gibco #10131, Blasticin 2μg/ml, Invitrogen # R21001)
パンクレアチン(Invitrogen, #25200-072)
DPBS (Hyclone, #SH30028.01B)
Fluo-4 AM,Invitrogen# F14202
F-127,Invitrogen # P3000MP
Probenecid,Sigma # P8761
384細胞プレート,Greiner # 781946
384化合物プレート,Greiner # 781280
CO2インキュベーター,Thermo#371
遠心機,Eppendorf #5810R
Vi-cell細胞カウンター,Beckman Coulter
POD 810 Plate Assembler 全自動マイクロプレート前処理システム
Labcyte FLIPR,Molecular Device。
a) 細胞接種 (HEK293-OX1およびHEK293-OX2細胞)
1) 37℃水浴で培地、パンクレアチン、DPBSを事前に温めた。細胞培養の培地を吸い取り、10mLD PBSで洗浄した。
2) 事前に温めたパンクレアチンを培養瓶に入れ、パンクレアチンが均一に培養瓶を覆うように培養瓶を回転させ、37℃、5% CO2のインキュベーターに置いて1-2分間消化させた。
3) 各T150は10-15mLの培地で細胞を懸濁させ、800rpmで5分間遠心し、10mLの培地で細胞を懸濁させ、1mLの細胞懸濁液を吸い取り、Vi-cellで計数した。
4) 5×105/mLになるように培地でOX1細胞を希釈し、4×105/mLになるように培地でOX2細胞を希釈し、ピペットで希釈した細胞を384プレート(Greiner. 781946)に入れた(50μL/ウェル, OX1細胞25000 細胞/ウェル,OX2細胞20000 細胞/ウェル)。細胞プレートを37℃、5% CO2のインキュベーターに一晩置いた。
1)20mMになるようにDMSOで化合物を希釈し、3倍希釈で、8段の勾配にし、重複ウェルを2つにし、Echo音波分注装置(Echo liquid handler)で化合物プレートに入れた。さらに、20μLの緩衝液を入れ、DMSOの最終濃度を0.1%にした。
1) 真空ポンプで384プレートにおける細胞培地を洗浄し、30μLのFluo4AM蛍光色素を入れ、37℃、5% CO2のインキュベーターで1時間インキュベートし、室温で10分間平衡化した。
2) EC50テスト:氷の上において人工的にOrexin Aを希釈し、3倍希釈で、8段の勾配にし、重複ウェルを2つにした。さらにDMSOプレートを用意し、DMSO濃度を0.5%とした。それぞれ細胞プレート、OrexinAプレートおよびDMSOプレートをFLIPRに置き、蛍光値を読み取った。
3) Orexin AのEC50値から、EC70値を算出し、5 × EC70溶液を調製し、ピペットで384化合物プレートに入れ、氷の上で保存した。
4) FLIPRにおいて、順に化合物プレート、5 × EC70プレート、細胞プレート、FLIPRチップを入れ、プログラムを起動し、蛍光値を読み取った。
d) データの分析: Prism5.0でデータを分析し、化合物のIC50値を計算した。
実験結果は表1に示す。
化合物5-3の結晶形Iの溶解度の研究:室温の条件において、1〜1.5 mgの化合物5-3の結晶形Iをメスフラスコに入れ、肉眼観察で溶液が清澄になるか固体の顆粒がなくなるまで、数回ですこしずつ単一の有機溶媒または混合溶媒を入れ、これによって大まかに結晶形Iの異なる溶媒における溶解度を測定し、結果を表2に示す。
Claims (12)
- 式5−3
ここで結晶は、結晶形IIであり;
結晶形IIのXRPDスペクトル解析は表1:
前記結晶。 - 請求項1に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
方法は、化合物5−3の結晶形Iの結晶を、有機溶媒に入れ、20〜40℃で5〜120時間撹拌し、それによって結晶形IIの結晶を析出させることを含み;上記有機溶媒はC1-6アルキルアルコール、C5-10アルカンまたはシクロアルカン、C4-10エーテルまたはシクロエーテル、C3-7ケトン、C2-6エステル、アセトニトリル、および、任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼン、ならびにこれらの混合物から選ばれ;
化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表2:
前記方法。 - 有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼン、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項2に記載の方法。
- 式5−3
ここで結晶は、結晶形IIIであり;
結晶形IIIのXRPDスペクトル解析は表3:
前記結晶。 - 請求項4に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
方法は、化合物5−3の結晶形Iの結晶を第二の有機溶媒に入れ、室温であるいは40℃〜還流温度に加熱して溶解させた後、ゆっくり第三の有機溶媒を滴下し、滴下完了後、1〜120時間内で室温であるいは20〜30℃に降温して結晶形IIIの結晶を析出させることを含み;
第二の有機溶媒は、トルエンであり、
第三の有機溶媒は、ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、イソオクタン、エチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、n-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼンから選択され、
化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表4:
前記方法。 - 式5−3
ここで結晶は、結晶形Iであり;
化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表5:
前記結晶。 - 請求項6に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
方法は、化合物5−3を酢酸エチルに入れて撹拌し、ろ過して結晶形Iの結晶を提供することを含む、
前記方法。 - 式5−3
ここで結晶は、結晶形IVであり;
結晶形IVのXRPDスペクトル解析は表6:
前記結晶。 - 請求項8に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
方法は、化合物5−3の結晶形Iの結晶を第二の有機溶媒に入れ、室温であるいは40℃〜還流温度に加熱して溶解させた後、ゆっくり第三の溶媒を滴下し、滴下完了後、1〜120時間内で室温であるいは20〜30℃に降温して結晶形IVの結晶を析出させることを含み;
第二の有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸n-ブチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、およびこれらの混合物から選択され;
第三の溶媒は、水であり、
化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表7:
前記方法。 - 疾患を処置するための医薬の製造における、請求項1、4、6または8に記載の化合物5−3の結晶の使用であって、
疾患が、不眠、慢性閉塞性肺疾患、閉塞性睡眠時無呼吸、過眠症、不安、強迫性障害、パニック発作、ニコチン依存および過食性障害から選択される、前記使用。 - 式5−3で表される化合物5−3を製造する方法であって、下記の工程:
を含む、前記方法。 - 式13で表される化合物13を製造する方法が、下記の工程:
分割剤はD-酒石酸であり、
反応溶媒は酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、および水から選択され、
再結晶溶媒は水、およびエタノールから選択され、
塩基は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムから選択される、
を含む、
請求項11に記載の方法。
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