JP6772251B2 - オレキシン受容体拮抗薬の化合物の結晶形およびその製造方法と使用 - Google Patents

オレキシン受容体拮抗薬の化合物の結晶形およびその製造方法と使用 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、オレキシン受容体拮抗薬としての化合物5-3の結晶形I、結晶形II、結晶形IIIおよび結晶形IVならびにその製造方法、そしてオレキシンに関連する疾患を治療する薬物の製造におけるその使用に関する。
背景技術
オレキシン(ヒポクレチン)は、視床下部で発生するオレキシンA (OX-A) (33個のアミノ酸のペプチド)およびオレキシンB (OX-B) (28個のアミノ酸のペプチド)の2種類の神経ペプチドを含む(SakuraiT.ら,Cell,1998,92,573-585)。オレキシンがラットにおいて食物の消耗を刺激することができることが見出され、摂食行為を調節する中心フィードバック機序において、これらのペプチドは媒介としての生理学的作用を有することが示された(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573-585)。オレキシンは、睡眠と不眠の状態を調節することができるため、睡眠発作または不眠症の患者を治療する新規な方法が潜在的に提出された(Chemelli R.M.ら,Cell,1999,98,437-451)。オレキシンは、覚醒、激励、学習および記憶において一定の作用を果たす(Harrisら,Trends Neurosc1.,2006,29 (10),571-577)。哺乳動物には、2種類のオレキシン受容体がクローンおよび特徴付けされた。これらは、G蛋白質共役型受容体のスーパーファミリーに属し(Sakurai T.ら,Cell,1998,92,573-585)、オレキシン-1受容体(0Xまたは0X1R)はOX-Aに選択性を有し、オレキシン-2受容体(OX2またはOX2R)はOX-AおよびOX-Bと結合することができる。オレキシンが関与する生理作用は、OXI受容体およびOX 2(オレキシン受容体の2つのサブタイプ)のうちの一方または両方によって発現されることが想定されている。
恒温動物の脳内にオレキシン受容体が発見され、かつ例えば、うつ病、不安障害、嗜癖、強迫性障害、感情障害、抑うつ神経症、不安神経症、うつ病性障害、行動障害、気分障害、性機能障害、心理的性機能障害、性同一性障害、統合失調症、躁うつ病、精神錯乱、痴呆、重度の精神遅滞および運動障害、例えばハンチントン病およびトゥレット症候群、摂食障害、例えば拒食症、過食症、悪液質および肥満症、嗜癖性摂食行為、むちゃ喰い/排出型摂食行為、心血管疾患、糖尿病、食欲/味覚失調、嘔吐、吐き、吐き気、喘息、癌、パーキンソン病、クッシング症候群/疾患、好塩基性細胞腺腫、プロラクチン産生腺腫、高プロラクチン血症、下垂体腫瘍/腺腫、視床下部疾患、炎症性腸疾患、胃機能障害、胃潰瘍、脂肪性器性変性、腺性下垂体疾患、脳下垂体疾患、下垂体機能低下、下垂体機能亢進、視床下部の性腺機能低下、カルマン症候群(嗅覚欠損、嗅覚低下)、機能性または心因性無月経、下垂体機能低下、視床下部の甲状腺機能低下、視床下部-副腎皮質機能障害、突発性高プロラクチン血症、視床下部疾患の成長ホルモン欠乏、突発性の成長ホルモン欠乏、小人症、巨人症、先端巨大症、邪魔された生物リズムおよび概日リズム、疾患、例えば神経錯乱、神経性疼痛および下肢静止不能症候群に関連する睡眠障害、心臓と肺の疾患、急性・うっ血性心不全、低血圧、高血圧症、閉尿、骨質粗しょう症、狭心症、急性心筋梗塞、虚血性・出血性脳卒中、網膜出血、潰瘍、アレルギー反応、良性前立腺肥大、慢性腎不全、腎臓病、耐糖能低下、偏頭痛、痛覚過敏、疼痛、疼痛に対する感受性の増加または誇張、例えば痛覚過敏、灼熱痛および接触痛、急性疼痛、熱傷性疼痛、非典型性面部疼痛、神経性疼痛、背部痛、複合性局所疼痛症候群IとII、関節炎疼痛、運動創傷疼痛、感染、例えばHIVに関連する疼痛、化学療法後疼痛、脳卒中後の疼痛、手術後の疼痛、神経痛、嘔吐、吐き気、吐き、内蔵痛に関連する疾患、例えば過敏性腸症候群および狭心症、偏頭痛、膀胱失禁、例えば切迫性尿失禁、麻酔薬または麻酔薬断ちに対する耐性、睡眠障害、睡眠時無呼吸、嗜眠症、不眠、パラソムニア、時差症候群、神経変性の疾患、疾患分類実体を含み、例えば脱抑制-痴呆-振戦麻痺-筋萎縮症候群、癲癇、癲癇発作疾患およびほかの通常のオレキシンのシステム機能障害に関連する疾患のような病変と大きく関連する。
先行文献ではオレフィンの水素化還元による中間体であるエステル基化合物の製造がすでに報告され、WO2009153178、WO2012036997、WO2012058127では、パラジウム炭素および水酸化パラジウムによる水素化還元が報告されたが、こられの文献のいずれでもシス・トランス産物に対する水素化条件の影響が考察されていない。
発明の概要
本発明の目的は、化合物5-3の製造方法であって、下記のような工程を含む方法を提供することにある。
ここで、
a:b>1:1で、
反応圧力は常圧〜10MPaで、
任意に、反応温度は0℃〜室温で、
反応溶媒は極性有機溶媒から選ばれる。
本発明の一つの形態において、a:b>3:1である。
本発明の一つの形態において、反応圧力は1MPa〜5MPaである。
本発明の一つの形態において、任意に、反応温度は5〜10℃である。
本発明の一つの形態において、上記極性有機溶媒は酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジオキサンから選ばれる。
本発明の目的は、化合物5-3の製造方法であって、下記のような工程を含む方法を提供することにある。
ここで、
分割剤はD-酒石酸で、
反応溶媒は酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、水から選ばれ、
再結晶溶媒は水、エタノールから選ばれ、
塩基は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれる。
本発明の一つの形態において、化合物5-3の製造方法は下記のような工程を含む。
ここで、縮合剤はT3P、CDI、EDCI、HOBt、HATUから選ばれる。
本発明の目的は、構造が図1で示される化合物5-3の結晶形Iを提供することにある。
本発明の一つの形態において、化合物5-3の結晶形Iは、XRPDスペクトルの解析は以下の通りである。
また、本発明は、結晶形Iを製造する方法であって、化合物5-3を極性有機溶媒を入れ、40℃〜還流温度に加熱して溶解させた後、ゆっくり弱極性または非極性有機溶媒を滴下し、滴下完了後、1〜10時間内で0〜20℃に降温して結晶を析出させる方法を提供する。
本発明の一つの形態において、上記極性有機溶媒はC1-6アルキルアルコール、C2-6エステル、アセトニトリルおよび/またはジクロロメタンのうちの1種の単一溶媒または複数の溶媒の混合溶媒から選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C1-6アルキルアルコールはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および/またはn-ブタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルはギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、および/または酢酸n-ブチルから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記弱極性または非極性有機溶媒はC5-10アルカンまたはシクロアルカン、C4-10エーテルまたはシクロエーテル、石油エーテル、および/あるいは任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンから選ばれる。
本発明の一部の形態において、上記C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはイソオクタンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C4-10エーテルまたはシクロエーテルはエチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、n-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、および/またはジオキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンはトルエン、キシレンまたはクロロベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、化合物5-3と極性有機溶媒の使用量(重量/体積)の比は1:1〜10である。
本発明の一つの形態において、化合物5-3と極性有機溶媒の使用量(重量/体積)の比は具体的に1:2〜5である。
本発明の一つの形態において、化合物5-3と弱極性または非極性有機溶媒の使用量(重量/体積)の比は1:1〜15である。
本発明の一つの形態において、化合物5-3と弱極性または非極性有機溶媒の使用量(重量/体積)の比は具体的に1:2〜7である。
また、本発明の目的は、構造が図2で示される化合物5-3の結晶形IIを提供することにある。
本発明の一つの形態において、前記の結晶形IIは、XRPDスペクトルの解析は以下の通りである。
また、本発明は、結晶形IIを製造する方法であって、化合物5-3の結晶形Iまたは結晶形IIIまたは結晶形IVまたはこの3つの結晶形からなる任意の比率の混合結晶形あるいはほかの任意の形態を有機溶媒または有機溶媒と水の混合溶媒に入れ、20〜40℃で5〜120時間撹拌する方法を提供する。
本発明の一つの形態において、上記有機溶媒はC1-6アルキルアルコール、C5-10アルカンまたはシクロアルカン、C4-10エーテルまたはシクロエーテル、C3-7ケトン、C2-6エステル、アセトニトリルおよび/あるいは任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C1-6アルキルアルコールはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および/またはn-ブタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはシクロヘキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C4-10エーテルまたはシクロエーテルはメチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフランおよび/または1,4-ジオキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C3-7ケトンはアセトン、メチルイソブチルケトン、および/またはメチルエチルケトンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルは酸エチル、および/または酢酸イソプロピルから選ばれる。
本発明の一つの形態において、任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンはトルエン、キシレンまたはクロロベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の混合溶媒はメタノール/水、エタノール/水、イソプロパノール/水、アセトニトリル/水、アセトン/水、テトラヒドロフラン/水または1,4-ジオキサン/水から選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は0.1〜20:1である。
本発明の一つの形態において、有機溶媒は具体的にイソプロパノール、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジメチルテトラヒドロフラン、トルエン、および/またはメタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は具体的に0.5〜5:1である。
また、本発明は、構造が図3で示される化合物5-3の結晶形IIIを提供する。
本発明の一つの形態において、前記の結晶形IIIは、XRPDスペクトルの解析は以下の通りである。
また、本発明は、結晶形IIIを製造する方法であって、化合物5-3の結晶形I、あるいは結晶形II以外のほかの任意の形態を極性有機溶媒を入れ、室温であるいは40℃〜還流温度に加熱して溶解させた後、ゆっくり弱極性または非極性有機溶媒を滴下し、滴下完了後、1〜120時間内で室温であるいは20〜30℃に降温して結晶を析出させる方法を提供する。
本発明の一つの形態において、上記有機溶媒はC1-6アルキルアルコール、C5-10アルカンまたはシクロアルカン、C4-10エーテルまたはシクロエーテル、C3-7ケトン、C2-6エステル、アセトニトリルおよび/あるいは任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C1-6アルキルアルコールはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および/またはn-ブタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはシクロヘキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C4-10エーテルまたはシクロエーテルはメチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフランおよび/または1,4-ジオキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C3-7ケトンはアセトン、メチルイソブチルケトン、および/またはメチルエチルケトンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルは酸エチル、および/または酢酸イソプロピルから選ばれる。
本発明の一つの形態において、任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンはトルエン、キシレンまたはクロロベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の混合溶媒はメタノール/水、エタノール/水、イソプロパノール/水、アセトニトリル/水、アセトン/水、テトラヒドロフラン/水または1,4-ジオキサン/水から選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は0.1〜20:1である。
本発明の一つの形態において、有機溶媒は具体的にイソプロパノール、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジメチルテトラヒドロフラン、トルエン、および/またはメタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は具体的に0.5〜5:1である。
また、本発明は、構造が図3で示される化合物5-3の結晶形IVを提供する。
本発明の一つの形態において、前記の結晶形IVは、XRPDスペクトルの解析は以下の通りである。
また、本発明は、結晶形IVを製造する方法であって、化合物5-3の結晶形I、あるいは結晶形II以外のほかの任意の形態を極性有機溶媒を入れ、室温であるいは40℃〜還流温度に加熱して溶解させた後、ゆっくり弱極性または非極性有機溶媒を滴下し、滴下完了後、1〜120時間内で室温であるいは20〜30℃に降温して結晶を析出させる方法を提供する。
本発明の一つの形態において、上記有機溶媒はC1-6アルキルアルコール、C5-10アルカンまたはシクロアルカン、C4-10エーテルまたはシクロエーテル、C3-7ケトン、C2-6エステル、アセトニトリルおよび/あるいは任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C1-6アルキルアルコールはメタノール、エタノール、イソプロパノール、および/またはn-ブタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、C5-10アルカンまたはシクロアルカンはペンタン、n-ヘキサン、n−ヘプタンおよび/またはシクロヘキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C4-10エーテルまたはシクロエーテルはメチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフランおよび/または1,4-ジオキサンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C3-7ケトンはアセトン、メチルイソブチルケトン、および/またはメチルエチルケトンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、上記C2-6エステルは酸エチル、および/または酢酸イソプロピルから選ばれる。
本発明の一つの形態において、任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼンはトルエン、キシレンまたはクロロベンゼンから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の混合溶媒はメタノール/水、エタノール/水、イソプロパノール/水、アセトニトリル/水、アセトン/水、テトラヒドロフラン/水または1,4-ジオキサン/水から選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は0.1〜20:1である。
本発明の一つの形態において、有機溶媒は具体的にイソプロパノール、アセトニトリル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、ジメチルテトラヒドロフラン、トルエン、および/またはメタノールから選ばれる。
本発明の一つの形態において、有機溶媒と水の体積比は具体的に0.5〜5:1である。
本発明のもう一つの目的は、オレキシン受容体拮抗薬としての神経・精神疾患を予防または治療する薬物あるいはオレキシンに関連する疾患を治療する薬物の製造における化合物5-3の結晶形Iまたは結晶形IIまたは結晶形IIIまたは結晶形IVの使用を提供することにある。
本発明の一つの形態において、上記オレキシン受容体拮抗薬としての神経・精神疾患を予防または治療する薬物あるいはオレキシンに関連する疾患を治療する薬物の製造における化合物5-3の結晶形Iまたは結晶形IIまたは結晶形IIIまたは結晶形IVの使用では、前記神経・精神疾患あるいはオレキシンに関連する疾患は不眠、慢性閉塞性肺疾患、閉塞性睡眠時無呼吸、過眠症、不安、強迫、パニック、ニコチン依存または過食性障害を含む。
定義と説明
別途に説明しない限り、ここで用いられる以下の用語および連語は以下の意味を有する。一つの特定の用語または連語は、特別に定義されていない場合、不確定または不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。ここで商品名が出た場合、相応の商品またはその活性成分を指す。
C1-12はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12から、C3-12はC3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11およびC12から選ばれる。
用語「置換された」とは、特定の原子における任意の一つまたは複数の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、重水素および水素の変形体を含む。置換基がケトン基(すなわち=0)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケトン置換は、芳香族基に生じない。用語「任意に置換された」とは、置換されてもよく、置換されていなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に安定して実現できれば任意である。
変数(例えばR)のいずれかが化合物の組成または構造に1回以上現れる場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、一つの基が0〜2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRが独立の選択肢を有する。また、置換基および/またはその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
別途に定義しない限り、用語「ハロ」または「ハロゲン」そのものまたはもう一つの置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の原子を表す。また、用語「ハロアルキル基」とは、モノハロアルキル基とポリハロアルキル基を含む。例えば、用語「(C1-C4)ハロアルキル基」とは、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、4-クロロブチル基および3-ブロモプロピル基などを含むが、これらに限定されない。
用語「ハロ」または「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
別途に定義しない限り、「環」は置換または無置換のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロアルキニル基、アリール基あるいはヘテロアリール基を表す。いわゆる環は、単環、連結環、スピロ環、縮合環または橋架け環を含む。環における原子の数は、通常、環の員数と定義され、たとえば「5〜7員環」とは環状に並ぶ5〜7個の原子を表す。別途に定義しない限り、当該環は任意に1〜3個のヘテロ原子を含む。そのため、「5〜7員環」はたとえばフェニルピリジンおよびピペリジル基を含む。一方、用語「5〜7員のヘテロシクロアルキル基環」はピリジル基およびピペリジル基を含むが、フェニル基を含まない。用語「環」はさらに少なくとも一つの環を含む環系を含み、その中の各「環」はいずれも独立に上記定義に準じる。
別途に定義しない限り、用語「炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基など)そのものまたは他の置換基の一部として、直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和、単不飽和または多不飽和のものでもよく、単置換、二置換または多置換のものでもよく、1価(たとえばメチル基)、2価(たとえばメチレン基)または多価(たとえばメチン基)でもよく、2価または多価の原子団を含んでもよく、所定の数の炭素原子を有する(たとえばC1-C10は1-10個の炭素原子を表す)。「炭化水素基」は、脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基を含み、前記脂肪族炭化水素基は鎖状および環状を含み、具体的にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を含むが、これらに限定されず、前記芳香族炭化水素基は6〜12員の芳香族炭化水素基、たとえばベンゼン、ナフタレンなどを含むが、これらに限定されない。一部の実施例において、用語「アルキル基」は直鎖、分枝鎖の原子団あるいはその組合せを表し、完全飽和、単不飽和または多不飽和のものでもよく、2価または多価の原子団を含んでもよい。飽和炭化水素原子団の実例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、(シクロヘキシル)メチル基、シクロプロピルメチル基、およびn-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基などの原子団の同族体および異性体などを含むが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は一つまたは複数の二重結合または三重結合を有し、実例は、ビニル基、2-プロペニル基、ブテニル基、クロチル基、2-イソペンテニル基、2-(ブタジエニル)基、2,4-ペンタジエニル基、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル基、1,4-及び3-プロピニル基、3-ブチニル基、及びより高級の同族体と異性体を含むが、これらに限定されない。
別途に定義しない限り、用語の「ヘテロ炭化水素基」またはその下位概念(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、ヘテロアルキニル基、ヘテロアリール基など)そのものまたはもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖または環状の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、所定の数の炭素原子および一つ以上のヘテロ原子からなる。一部の実施例において、用語「ヘテロアルキル基」そのものまたはもう一つの用語と合わせて、安定した直鎖、分枝鎖の炭化水素原子団あるいはその組合せを表し、所定の数の炭素原子および一つ以上のヘテロ原子からなる。一つの典型的な実施例において、ヘテロ原子はB、O、NおよびSから選ばれ、その中では、窒素および硫黄原子は任意に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意に第四級アンモニウム化された。ヘテロ原子B、O、NおよびSは、ヘテロ炭化水素基の任意の内部位置(当該基が分子のほかの部分に付着した位置を含む)にあってもよい。実例は、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2、-S(O)-CH3、-CH2-CH2-S(O)2-CH3、-CH=CH-O-CH3、-CH2-CH=N-OCH3および-CH=CH-N(CH3)-CH3を含むが、これらに限定されない多くとも二個のヘテロ原子が連続してもよく、例えば、-CH2-NH-OCH3が挙げられる。
別途に定義しない限り、用語の「環状炭化水素基」、「ヘテロ環状炭化水素基」またはその下位概念(たとえばアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロアルケニル基、シクロアルキニル基、ヘテロシクロアルキニル基など)そのものまたはほかの用語と合わせて、環化した「炭化水素基」、「ヘテロ炭化水素基」を表す。また、ヘテロ炭化水素基またはヘテロ環状炭化水素基(たとえばヘテロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基)について、ヘテロ原子は当該基が分子のほかの部分に付着した位置を占めてもよい。シクロアルキル基の実例は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-シクロヘキセニル基、3-シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。ヘテロシクロ基の非制限的な実例は、1-(1,2,5,6-テトラヒドロピリジル)基、1-ピペリジル基、2-ピペリジル基、3-ピペリジル基、4-モルホリル基、3-モルホリル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、テトラヒドロフリルインロール-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル基、テトラヒドロチエン-3-イル基、1-ピペラジル基および2-ピペラジル基を含む。
本発明の化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造するができ、以下挙げられた具体的な実施形態、ほかの化学合成方法と合わせた実施形態および当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
本発明に使用される溶媒は市販品として入手可能で、さらに精製せずにそのままで使用してもよい。
化合物は人工的にまたはChemDraw(登録商標)ソフトによって名付けられ、市販化合物はメーカーのカタログの名称が使用された。
粉末X線回折の方法は以下の通りである。
装置:Bruker D8 ADVANCE X線回折装置、ターゲット: Cu: Kα、波長λ=1.54179Å、管電圧Voltage: 40 kV、管電流Current: 40 mA、走査範囲: 4〜40°、サンプル回転速度: 15 rpm、走査速度: 10°/分。
別途に定義しない限り、本発明は下記略語を使用する。SGFは模擬胃液を、Fassifは空腹状態における模擬腸液を、LDAはジイソプロピルアミノリチウムを、MsClはメタンスルホニルクロリドを、BOCはアミンの保護基としてt-ブチルカルボニル基を、THFはテトラヒドロフランを、r.t.は室温を、DCMはジクロロメタンを、TEAはトリエチルアミンを、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを、DBUは1,8-ジアザビシクロウンデセン-7を、LAHは水素化アルミニウムリチウムを、HATUは2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートを、CDIはカルボニルジイミダゾールを、DMSOはジメチルスルホキシドを、MeOHはメタノールを、EtOHはエタノールを、EtOAcは酢酸エチルを、THFはテトラヒドロフランを、IPAはイソプロパノールを、ACNはアセトニトリルを、MEKはブタノンを、MIBKはメチルイソブチルケトンを、MTBEはメチル-t-ブチルエーテルを、DPBSはダルベッコリン酸緩衝溶液を、T3Pはプロピルホスホン酸無水物を、EDCIは1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩を、HOBtは1-ヒドロキシベンゾトリアゾールを表す。
図面の説明
図1は化合物5-3の結晶形IのCu-Kα線のXRPDスペクトルである。 図2は化合物5-3の結晶形IIのCu-Kα線のXRPDスペクトルである。 図3は化合物5-3の結晶形IIIのCu-Kα線のXRPDスペクトルである。 図4は化合物5-3の結晶形IVのCu-Kα線のXRPDスペクトルである。
具体的な実施形態
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の何らの不利な制限にもならない。ここで、本発明を詳しく説明し、その具体的な実施例の形態も公開したため、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に様々な変更や改良を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
実施例1:化合物1の製造
スキーム1:
工程1:化合物3の製造
22 Lの無水トルエンを50 Lのオートクレーブに入れ、窒素ガスの保護下で水素化ナトリウム(2.2 Kg, 55.5 mol)をゆっくりトルエン溶液に分けて入れ、同時に化合物2(3.93 Kg,33.3 mol)をオートクレーブに滴下した。別途にフラスコを取って化合物1(5.0 Kg,22.2 mol)をトルエン(9 L)に溶解させた。オートクレーブを85〜95℃に昇温し、調製された化合物1トルエン溶液をゆっくりオートクレーブに2時間程度で入れ、滴下速度を注意して温度を95℃程度に維持した。滴下完了後、当該温度で続いて0.5〜1時間撹拌し、少量のサンプルを取って水を入れてクエンチングし、上層の有機相をTLCで検出したところ、反応が完了したと示された。
反応液が60℃程度に下がったら粘稠な反応液を熱いうちに出し、66 Lの氷水、32.5 Lの酢酸エチルおよび4.65 Lの塩酸の混合液に注いでクエンチングし、その間撹拌し続けて、相応して氷を追加し、温度を10℃未満に維持した。クエンチング完了後、静置して層分離させ、分液し、水相をさらに10 Lの酢酸エチルで抽出し、有機相を合併して11 Lの飽和食塩水で洗浄した。洗浄された有機相を2.8 kgの無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、産物溶液を減圧(-0.09 MPa)で55℃で濃縮して7.25 kgの粗製品を得、製品を精製せずにそのまま次の工程に使用した。
工程2:化合物4の製造
50 Lのオートクレーブにおいて、7.25 kgの粗製品化合物3を32 LNoエタノールに溶解させ、0〜5℃に降温し、水素化ホウ素ナトリウム(843.6 g,22.2 mol)をオートクレーブに分けて入れ、加入速度を注意してコントロールし、温度を10℃未満に維持し、0.5〜1.5時間かかった。添加完了後、0〜10℃で続いて2〜3時間撹拌した。サンプリングしてモニタリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、ニンヒドリン高温呈色)で検出したところ、完全に反応したと示された。
温度を10℃未満に維持し、塩酸(11.1 L、2 M)をゆっくりオートクレーブに滴下し、pHを6〜7に調整した。クエンチングされた反応混合物をそのまま減圧で濃縮して(-0.09MPa、<55℃)大半のエタノールを除去し、濃縮された混合物溶液を酢酸エチルで2回抽出し(11 L × 2)、有機相を合併して食塩水(5.5 L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(2.2 kg)で乾燥し、ろ過した。産物溶液を減圧で濃縮して乾燥し(-0.09 MPa、<55℃)、油状粗製品を得、精製せずにそのまま次の工程に使用した。
工程3:化合物5の製造
オートクレーブ(50 L)において化合物4(6.82 kg、22.2 mol、粗製品)をジクロロメタン(30 L)に溶解させ、そしてトリエチルアミン(5.80 Kg,57.3 mol)を入れた。温度を10℃以下に下げ、メタンスルホニルクロリド(3.82 kg、33.3 mol)をゆっくりオートクレーブに滴下し、温度を15℃未満に維持し、1〜2時間かかった。反応液を25℃に昇温して16時間撹拌し、サンプリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、ニンヒドリン高温呈色)で検出したところ、化合物4がなくなって完全に反応したと示された。
反応液を水(11 L)で2回洗浄し、さらに希塩酸(約7L、2 M)で洗浄し、水相をpH=6〜8にし、さらに飽和食塩水(11 kg)で洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウム(1.57 kg)で乾燥した。ろ過して製品溶液を得、濃縮して乾燥し(-0.09 MPa、<55℃)、粗製品を得、精製せずにそのまま次の工程に使用した。
工程4:化合物6の製造
50 Lのオートクレーブにおいて化合物5(9.4 kg、粗製品、22.2 mol)をDMF(22 L)に溶解させ、温度を40℃未満にし、オートクレーブにDBU(6.76 kg, 44.4 mol)を入れた。仕込み完了後、温度を100℃に上げて16〜20時間撹拌し、サンプリングし、TLCで検出したところ、化合物5がなくなって完全に反応したと示された。
反応液を25℃に冷却し、それに水(22 L)および酢酸エチル(33 L)を入れ、10分間撹拌した。静置して分液し、水相を酢酸エチル(22 L)で抽出した。有機相を合併して0.5 N塩酸水溶液(15 L)で洗浄し(水相をpH=6〜7にし)、有機相をさらに水(22 L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(2.2 kg)で乾燥した。ろ過後産物溶液にシリカゲルを混ぜて濃縮して乾燥し(-0.09 MPa、<55℃)、粗製品を得た。粗製品をカラム(溶離剤:酢酸エチル/n-ヘプタン=1/20)によって精製して精製品の化合物6を得た(2.80 kg、4つの工程の総収率:44.9%)。1HNMR (CDCl3, 400 MHz)δ 6.69 (s, 1H), 4.75(s, 1H), 4.30(s, 1H), 4.16(d, J=6.4 Hz, 2H), 2.81(bs, 1H), 2.12(m, 1H), 2.02(m, 1H), 1.92(m, 1H), 1.62(m, 1H), 1.41(s, 9H), 1.24 (t, J=7.2 Hz, 3H)。
スキーム2:
工程5:化合物7-a、7-bの製造
エタノール(1 L)を10 Lのオートクレーブに入れ、アルゴンの保護下で湿Pd/C(170 g)をゆっくり一括でオートクレーブに入れた。化合物6(563 g、2.0 mol)をエタノール(4.63 L)に溶解させてオートクレーブに入れ、仕込み完了後、反応系を密封し、真空に吸引し、水素ガスで2回置換した後水素ガスを導入した。反応系の水素ガスの初期圧力を4.0 MPaにし、10〜15℃で一晩撹拌した。サンプリングし、TLCまたはHPLCで反応をモニタリングした。
反応混合物を珪藻土でろ過し、ケーキをエタノール(1L×2、0.79 kg×2)で洗浄し、ろ液を合併し、減圧で濃縮して乾燥し、産物である化合物7-a、7-bを得た(552 g、7-a/7-b=3:1、収率:97.5%)。当該製品を精製せずにそのまま次の工程に使用した。
工程6:化合物8-a、8-bの製造
オートクレーブ(50 L)において化合物7 -a、7-b(4.2 kg、7-a/7-b=3:1、14.8 mol)を無水トルエン(20 L)に溶解させ、反応温度を0〜5℃の間に維持した。撹拌しながらRed-Al(水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、5.1 kg、17.8 mol)をゆっくりオートクレーブに滴下し、温度を0〜5℃の間に維持し、約1時間かかった。仕込み完了後、0〜5℃で続いて1時間撹拌した。サンプリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、高温呈色)およびGCで反応をモニタリングしたところ、反応が終了したと示された。
温度を0〜5℃に維持し、反応液にゆっくり15%の水酸化ナトリウム水溶液(9L)、水(4.5 L)を入れ、15℃に昇温して20分間撹拌した。反応系を分液して水相をトルエン(10 L)で抽出し、有機相を合併して水(10 L)で洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウム(1 kg)で乾燥し、ろ過して産物溶液を得、減圧で濃縮して化合物8-a、8-bを得た(3.525 kg、収率:98.7%)。当該化合物を精製せずにそのまま次の工程の反応に使用した。1HNMR (CDCl3, 400 MHz)δ4.35(m, 1H), 4.13(m, 1H), 3.47(m, 1H), 2.05(m, 1H), 1.82(m, 1H), 1.73(m, 2H), 1.67(m, 3H), 1.45(s, 9H), 1.28(m, 2H)。
工程7:化合物10-a、10-bの製造
50 Lのオートクレーブにおいて化合物8-a、8-b(3.425 kg)をテトラヒドロフラン(17 L)に溶解させ、オートクレーブに水酸化ナトリウム(1.136 kg)および化合物9(1.960 kg)を入れた。温度を75℃に維持して24時間撹拌し、サンプリングし、GCおよびTLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/3、リンモリブデン酸高温呈色)で検出したところ、原料が完全に反応したと示された。
反応液を室温に下げ、反応液に飽和食塩水(8.5 L)を入れ、続いて5分間撹拌した。分液し、有機相を2.0 N塩酸でpH値6〜7に調整した。分液し、水相を合併し、2.0 N塩酸でpH値6〜7に調整し、水相を酢酸エチルで抽出した(10 L)。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウム(1 kg)で乾燥し、ろ過した。産物溶液を減圧で濃縮して乾燥し(-0.09 MPa、<55℃)、粗製品を得た。粗製品をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘプタン:酢酸エチル=20:1から5:1)にかけ、淡黄色油状の製品を得た(4.5 kg、収率:92.9%)。1HNMR (CDCl3, 400 MHz)δ7.95(s, 1H), 7.32(m, 1H), 6.69(m, 1H), 4.38(m, 2.5H), 4.13(m, 1.5H), 2.03(m, 3H), 1.86(m, 3H), 1.45(m, 3H), 1.26(s, 9H)。
スキーム3:
工程8:化合物16の製造
オートクレーブにおいて化合物15(2.5 kg、9.54 mol)を無水メタノール(10 L)に溶解させ、室温で濃硫酸(360 mL、7.16 mol)をゆっくりオートクレーブに滴下した。オートクレーブを65〜80℃に昇温し、18時間反応させた。HPLCで検出したところ、原料が5〜7%残り、濃硫酸(36 mL、67.3 g)を追加して続いて18時間反応させた。HPLCで原料が完全に反応したと検出した。
反応液を26℃に冷却し(4つのオートクレーブの反応を合併して処理した)、ゆっくり10Nの水酸化ナトリウム溶液(3.75 L)を入れ、pHを5〜6に調整した。反応液を35 L程度に濃縮し、反応液に酢酸エチル(20 L)、水(8 L)、7%炭酸水素ナトリウム(10 L)を入れた。撹拌して分液し、水相を酢酸エチル(20 L)でさらに1回抽出し、有機相を合併し、有機相を飽和食塩水(15 L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。産物溶液を濃縮して乾燥し(-0.09 MPa、<55℃)、2.5 kgの製品を得(収率:95%)、精製せずにそのまま次の工程に使用した。1HNMR(DMSO-d6,400 MHz)δ7.76(d, J=8.4Hz, 1H), 7.45(s, 1H), 6.98(d, J=8.0, 2.5H), 3.77(s, 3H), 2.19(s, 3H)。
工程9:化合物18の製造
まず化合物16(5 kg、18.1mol)、化合物17(4.83 kg、19.0 mol)、酢酸カリウム(4.44 kg、45.3 mol)をオートクレーブに入れた後、無水DMF(20 L)をオートクレーブに入れて室温で撹拌して溶解させた。窒素ガスの保護下で酢酸パラジウム(122 g、54.33 mmol)を入れ、オートクレーブを80〜90℃に昇温し、16時間撹拌して反応させた。サンプリングしてモニタリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/10、UV 254nm)およびHPLCで検出したところ、原料16が完全に反応したと示された。
反応液を室温(25〜34℃)に冷却した後、珪藻土でろ過し、酢酸エチル(5 L)で洗浄した(2つのオートクレーブの反応後の処理はこの工程で合併した)。ろ液に続いて酢酸エチル(4 L)および水(30 L)を入れ、撹拌し、静置して分液し、有機相をそれぞれ炭酸水素ナトリウム溶液(5 L、8%)、飽和食塩水(5 L)で洗浄し、最後に無水硫酸ナトリウム(3 kg)で乾燥した。ろ過し、産物溶液を濃縮して乾燥し(<55℃)、8 kgの粗製品を得(収率:80%)、精製せずにそのまま次の工程に使用した。
工程10:化合物20の製造
まず化合物18(4 kg、粗製品、14.485 mol)、化合物19(1.74 kg、15.2 mol)および炭酸ナトリウム(3.5 kg、33 mol)を50 Lのオートクレーブに入れた。その後、2-メチルテトラヒドロフラン(25 L)および水(8 L)をオートクレーブに入れ、室温で撹拌して溶解させた。窒素ガスの保護下でPd(dppf)Cl2・DCM(325 g、0.398 mol)を入れ、オートクレーブを70〜80℃に昇温し、16時間撹拌して反応させ、サンプリングしてモニタリングし、TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/2)で原料が完全に反応したと示された。
反応液を室温(30℃)に冷却し、水(10 L)を入れて10分間撹拌し、分液し、水相を珪藻土でろ過し、酢酸エチル(10 L)で抽出した。有機相を合併し、活性炭素粉(2.3 kg)を入れ、2時間撹拌した(2つのオートクレーブの反応はここで合併した)。珪藻土でろ過し、固体が析出するまでろ液を濃縮し(<50℃)、ろ過し、灰黒色固体を得た。固体をさらに酢酸エチル(3〜5 L)で溶解させ、シリカゲルカラムでろ過し、酢酸エチルで洗浄し、濃縮して化合物20を得た(3.0 kg、収率:45.5%)。
パラジウム除去プロセス:
化合物20(3.0 kg)をオートクレーブに入れ、ジクロロメタン(12 L)を入れ、室温(25〜27℃)で撹拌して完全に溶解させた。塩化ナトリウム(210 g)、チオシアヌル酸(27 g)、アンモニア水(225 mL)、水(2500 mL)およびエタノール(〜2400 mL)をTMT溶液(〜5L)に調製した。TMT溶液(〜5L)をオートクレーブに入れ、反応混合物を室温(20〜25℃)で24時間撹拌した。反応液を珪藻土でろ過し、分液して水相を捨て、有機相を濃縮して乾燥し(-0.09 MPa、<50℃)、化合物20を得た(2.92 kg、収率:97.3%)。1HNMR(DMSO-d6,400 MHz)δ8.87(d, J=4.8Hz, 2H), 7.96(d, J=8.0Hz, 1H), 7.46(m, 3H), 3.62(s, 3H), 2.41(s, 3H)。
工程11:化合物14の製造
50 Lのオートクレーブにおいて、化合物20(2900 g、12.7 mol)を2-メチルテトラヒドロフラン(15 L)に溶解させた。水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム:1270 g、31.8 mol、水:20 L、20 kg)を調製し、水酸化ナトリウム溶液をオートクレーブに入れ、反応液70〜75℃に昇温して16時間撹拌し、モニタリングしてTLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/2、UV:254 nm)で反応の完了を検出した。
静置して冷却し、分液し、水相を酢酸エチル(10 L)で洗浄した。水相の温度を20℃以下に維持し、ゆっくり12 N塩酸(3.3 L)を入れ、pHを1に調整し、温度を30℃未満に維持した。この過程において固体が析出し、10分間程度撹拌し、ろ過し、ケーキを水(5L×2)で洗浄した。ろ過して固体を真空乾燥し、製品である化合物14を得た(2600 g、純度:99%、収率:95.6%)。1HNMR(DMSO-d6,400 MHz)δ12.67(br,s, 1H), 8.85(d, J=4.0Hz, 2H), 7.81(d, J=7.6Hz, 1H), 7.48(s, 1H), 7.43(m, 2H), 2.40(s, 3H)。
スキーム4:
工程12:化合物12-a、12-bの製造
オートクレーブ(30 L)において化合物10-a、10-bを酢酸エチル(13.5 L)に溶解させた。温度を10〜20℃に維持し、35%の濃塩酸(4.5 L)をオートクレーブに滴下し、温度を15℃未満に維持した(注意して滴下速度をコントロールした)。滴下完了後、温度を20〜25℃に維持して16〜20時間反応させ、サンプリングしてモニタリングし、HPLCで検出したところ、反応が完了したと示された。
水(5 L)を入れて層分離し、水層を収集し、有機層をさらに水(5 L)で1回抽出した。水層を合併し、水層を酢酸エチル(5 L)で1回洗浄し、分液して水層を取り、水層を10℃以下に冷却した。水層を水酸化ナトリウム(3.0 kg)でpH14に調整し(塩基添加速度を注意し、内部温度を20℃未満に維持した)、水層を酢酸エチル(10 L+5 L)で2回抽出した。有機層(15.5 kg)を収集し、サンプリングして検出し、純度=82.8%、含有量=16.4%で、計算したところ製品の重量:2.54 kgであった。産物を含有する酢酸エチル溶液をほかに処理せず、そのまま次の工程に使用した。
工程13:化合物13の製造
化合物12-a、12-bの溶液(15.5 kg、2.54 kg化合物10含有)をオートクレーブに入れ、55〜65℃に昇温した。D-酒石酸(1.62 kg)および水(3.5 L)で調製された溶液をゆっくりオートクレーブに滴下し、滴下完了後55〜65℃で続いて2〜3時間反応させた。ゆっくり5〜15℃に降温し、一晩撹拌し、ろ過して湿潤製品を得た(5.78 kg)。湿潤製品および水(15L)をオートクレーブに入れて80〜90℃に加熱して完全に溶解させた後、続いてゆっくり15〜25℃に降温し、続いて16〜20時間撹拌した。ろ過して湿潤製品(2.6 kg)を得、サンプリングして検出したところ、e.e.=90.8%であった。湿潤製品および水(6 L)をオートクレーブに入れて80〜90℃に加熱して完全に溶解させ、ゆっくり15〜25℃に降温し、16〜20時間かかった。ろ過して湿潤製品(2.2kg)を得、サンプリングして検出したところ、ee=99.6%であった。
湿潤製品(2.2 kg)およびH2O(2 L)をオートクレーブに入れて撹拌して溶解させ、調製されたK2CO3水溶液(K2CO3: 3.55 kg、水:10 L)をゆっくりオートクレーブに入れ、温度を15〜25℃に維持して0.5〜1時間撹拌した。酢酸エチルで反応液を抽出し(10 L×2)、有機相を合併し、2.0 kgの無水Na2SO4で乾燥し、ろ過した。ろ液を回転乾燥して(-0.09 MPa、<50℃)無色油状物の化合物13(1006 g)を得、冷却したら白色固体になった。サンプリングして検出したところ、ee=99.8%、HPLC純度:99.7%であった。当該製品をさらに処理せずにそのまま次の工程の反応に使用した。
工程14:化合物5-3の製造
オートクレーブにおいて化合物13(630 g、2.67 mol)を酢酸エチル(7.9 L)に溶解させ、化合物14(685 g、3.20 mol)をオートクレーブに入れ、20分間撹拌した。温度を15〜25℃に維持し、ゆっくりT3P( 1903 mL、3.20 mol)を入れ、20〜30分間で添加完了後40〜60℃に昇温して2〜3時間撹拌した。サンプリングしてモニタリングし、HPLCで原料/産物の比は2.5%未満であったと示された。
15〜25℃に降温してH2O(7.9 L)を入れ、0.5〜1時間撹拌し、分液して有機相を捨て、水相を酢酸エチル(7.9 L)で抽出した。有機相を合併し、水(7.9 L)で1回洗浄した。減圧(-0.09 MPa、<50℃)で回転乾燥して溶媒を除去し、粗製品の化合物5-3(1.3 kg)を得た。粗製品を3.0 Lの酢酸エチルに入れて室温で撹拌し、ろ過して目的化合物を得た(1.1 kg、収率:95.4%)。HPLC純度:99.9%、e.e値:100%であった。XRPD測定では、結晶形Iと示された。1H NMR (400MHz, DMSO-d6) = 8.83 (br. s., 2H), 8.17-8.01(m, 2H), 7.49-7.33 (m, 3H), 6.86 (dd, J=3.5, 9.0 Hz, 1H), 6.86 (dd, J=3.5, 9.0 Hz, 1H), 4.63 (br. s., 1H), 4.43 (m, 1H), 4.11 (br. s, 1H), 3.79 (m, 1H), 2.52-2.48 (m, 2H), 2.35-1.95 (m, 8H), 1.29 - 1.20 (m, 2H) 。
工程15:結晶形IIの製造
結晶形I(1.1 kg)、酢酸エチル(2750 mL)およびイソプロパノール(110 mL)を5 Lの反応フラスコに入れ、反応系を65〜80℃に加熱して2〜3時間撹拌し、ゆっくり温度を50〜60℃に下げ、1〜2時間かかり、この懸濁液を40〜50℃で続いて20〜24時間撹拌し、少量のサンプルを取ってXRPDで検出したところ、結晶転移が成功した。ゆっくり反応系を10〜20℃に降温し、この温度のままで20〜24時間撹拌し、XRPDで検出したところ、結晶転移が変わらなかった。ろ過して固体を得、40〜50℃で20〜24時間真空乾燥し、製品を得た(660 g、収率:60%)。HPLC純度:99.13%、ee値:100%であった。XRPD測定では、結晶形IIと示された。
実施例2:結晶形IIIの製造
0.30 gの化合物5-3の結晶形Iを4.5 mLのトルエンに入れ、十分に溶解させてろ過し、ろ液を撹拌しながら、沈殿が析出するまでゆっくり4 mLのn-ヘプタンを入れ、20〜30℃で続いて16〜22時間撹拌した後、ろ過して固体を得、40℃で真空乾燥し、結晶形IIIを0.22 g得た(収率:73.3%)。
実施例3:結晶形IVの製造
0.30 gの化合物5-3の結晶形Iを4.5 mLのエタノールに入れ、十分に溶解させてろ過し、ろ液を撹拌しながら、沈殿が析出するまでゆっくり9 mLの純水を入れ、20〜30℃で続いて16〜22時間撹拌した後、ろ過して固体を得、40℃で真空乾燥し、結晶形IVを0.23 g得た(収率:76.7%)。
実験例1:OX1/2R体外テスト
実験目的:
FLIPRによって細胞内のカルシウムシグナルの変化を検出し、化合物のIC50値を指標とし、化合物のOX1およびOX2 GPCR受容体に対する抑制作用を評価した。
実験材料:
細胞系:HEK293-OX1およびOX2安定トランスフェクト細胞株
HEK293-OX1細胞培地(DMEM, Invitrogen#11960-044, 10%血清Gibco#10099141, L-Glutamine 1×, Gibco#25030,ピルビン酸ナトリウム1×, Gibco #11360,Geneticin 300μg/mL,Gibco #10131)
HEK293-OX2細胞培地(DMEM, Invitrogen#11960-044, 10%血清 Gibco#10099141, L-Glutamine 1×,Gibco#25030,ピルビン酸ナトリウム 1×, Gibco #11360,Geneticin 300μg /mL,Gibco #10131, Blasticin 2μg/ml, Invitrogen # R21001)
パンクレアチン(Invitrogen, #25200-072)
DPBS (Hyclone, #SH30028.01B)
Fluo-4 AM,Invitrogen# F14202
F-127,Invitrogen # P3000MP
Probenecid,Sigma # P8761
384細胞プレート,Greiner # 781946
384化合物プレート,Greiner # 781280
CO2インキュベーター,Thermo#371
遠心機,Eppendorf #5810R
Vi-cell細胞カウンター,Beckman Coulter
POD 810 Plate Assembler 全自動マイクロプレート前処理システム
Labcyte FLIPR,Molecular Device。
実験手順および方法:
a) 細胞接種 (HEK293-OX1およびHEK293-OX2細胞)
1) 37℃水浴で培地、パンクレアチン、DPBSを事前に温めた。細胞培養の培地を吸い取り、10mLD PBSで洗浄した。
2) 事前に温めたパンクレアチンを培養瓶に入れ、パンクレアチンが均一に培養瓶を覆うように培養瓶を回転させ、37℃、5% CO2のインキュベーターに置いて1-2分間消化させた。
3) 各T150は10-15mLの培地で細胞を懸濁させ、800rpmで5分間遠心し、10mLの培地で細胞を懸濁させ、1mLの細胞懸濁液を吸い取り、Vi-cellで計数した。
4) 5×105/mLになるように培地でOX1細胞を希釈し、4×105/mLになるように培地でOX2細胞を希釈し、ピペットで希釈した細胞を384プレート(Greiner. 781946)に入れた(50μL/ウェル, OX1細胞25000 細胞/ウェル,OX2細胞20000 細胞/ウェル)。細胞プレートを37℃、5% CO2のインキュベーターに一晩置いた。
b) 化合物の仕込み:
1)20mMになるようにDMSOで化合物を希釈し、3倍希釈で、8段の勾配にし、重複ウェルを2つにし、Echo音波分注装置(Echo liquid handler)で化合物プレートに入れた。さらに、20μLの緩衝液を入れ、DMSOの最終濃度を0.1%にした。
c) FLIPR実験:
1) 真空ポンプで384プレートにおける細胞培地を洗浄し、30μLのFluo4AM蛍光色素を入れ、37℃、5% CO2のインキュベーターで1時間インキュベートし、室温で10分間平衡化した。
2) EC50テスト:氷の上において人工的にOrexin Aを希釈し、3倍希釈で、8段の勾配にし、重複ウェルを2つにした。さらにDMSOプレートを用意し、DMSO濃度を0.5%とした。それぞれ細胞プレート、OrexinAプレートおよびDMSOプレートをFLIPRに置き、蛍光値を読み取った。
3) Orexin AのEC50値から、EC70値を算出し、5 × EC70溶液を調製し、ピペットで384化合物プレートに入れ、氷の上で保存した。
4) FLIPRにおいて、順に化合物プレート、5 × EC70プレート、細胞プレート、FLIPRチップを入れ、プログラムを起動し、蛍光値を読み取った。
d) データの分析: Prism5.0でデータを分析し、化合物のIC50値を計算した。
実験結果は表1に示す。
結論:本発明化合物のOX1およびOX2 GPCR受容体に対する抑制作用が顕著であった。
実施例2:溶解度テスト
化合物5-3の結晶形Iの溶解度の研究:室温の条件において、1〜1.5 mgの化合物5-3の結晶形Iをメスフラスコに入れ、肉眼観察で溶液が清澄になるか固体の顆粒がなくなるまで、数回ですこしずつ単一の有機溶媒または混合溶媒を入れ、これによって大まかに結晶形Iの異なる溶媒における溶解度を測定し、結果を表2に示す。
化合物5-3の結晶形IIの溶解度の研究:37℃で、10 mgの結晶形IIを1.5 mLのメスフラスコに入れ、1 mLの溶媒を入れ、24時間振とうし、遠心して分離し、上清液をすぐHPLCで分析し、結果を表3に示す。

Claims (12)

  1. 式5−3
    で表される化合物5−3の結晶であって、
    ここで結晶は結晶形IIあり;
    結晶形IIのXRPDスペクトル解析は表1:
    の通りである、
    前記結晶。
  2. 請求項1に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
    法は、化合物5−3の結晶形Iの結晶を、有機溶媒入れ、20〜40℃で5〜120時間撹拌し、それによって結晶形IIの結晶を析出させることを含み;上記有機溶媒はC1-6アルキルアルコール、C5-10アルカンまたはシクロアルカン、C4-10エーテルまたはシクロエーテル、C3-7ケトン、C2-6エステル、アセトニトリル、および、任意に1〜3個のメチル基またはエチル基またはハロゲン原子で置換されたベンゼン、ならびにこれらの混合物から選ばれ;
    化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表2:
    の通りである、
    前記方法。
  3. 有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチル-t-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、キシレンおよびロロベンゼン、ならびにこれらの混合物から選択される、請求項に記載の方法。
  4. 式5−3
    で表される化合物5−3の結晶であって、
    ここで結晶は、結晶形IIIであり;
    結晶形IIIのXRPDスペクトル解析は表3:
    の通りである、
    前記結晶。
  5. 請求項4に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
    方法は、化合物5−3の結晶形Iの結晶を第二の有機溶媒に入れ、室温であるいは40℃〜還流温度に加熱して溶解させた後、ゆっくり第三の有機溶媒を滴下し、滴下完了後、1〜120時間内で室温であるいは20〜30℃に降温して結晶形IIIの結晶を析出させることを含み;
    第二の有機溶媒は、トルエンであり、
    第三の有機溶媒は、ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、イソオクタン、エチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、n-プロピルエーテル、n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼンから選択され、
    化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表4:
    の通りである、
    前記方法。
  6. 式5−3
    で表される化合物5−3の結晶であって、
    ここで結晶は、結晶形Iであり;
    化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表5:
    の通りである、
    前記結晶。
  7. 請求項6に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
    方法は、化合物5−3を酢酸エチルに入れて撹拌し、ろ過して結晶形Iの結晶を提供することを含む、
    前記方法。
  8. 式5−3
    で表される化合物5−3の結晶であって、
    ここで結晶は、結晶形IVであり;
    結晶形IVのXRPDスペクトル解析は表6:
    の通りである、
    前記結晶。
  9. 請求項8に記載の化合物5−3の結晶を製造する方法であって、
    方法は、化合物5−3の結晶形Iの結晶を第二の有機溶媒に入れ、室温であるいは40℃〜還流温度に加熱して溶解させた後、ゆっくり第三の溶媒を滴下し、滴下完了後、1〜120時間内で室温であるいは20〜30℃に降温して結晶形IVの結晶を析出させることを含み;
    第二の有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸n-ブチル、アセトニトリル、ジクロロメタン、およびこれらの混合物から選択され;
    第三の溶媒は、水であり、
    化合物5−3の結晶形IのXRPDスペクトル解析は表7:
    の通りである、
    前記方法。
  10. 疾患を処置するための医薬の製造における、請求項1、4、6または8に記載の化合物5−3の結晶使用であって、
    疾患が、不眠、慢性閉塞性肺疾患、閉塞性睡眠時無呼吸、過眠症、不安、強迫性障害、パニック発作、ニコチン依存および過食性障害から選択される、前記使用。
  11. 式5−3で表される化合物5−3を製造する方法であって、下記の工程:
    ここで、縮合剤は、プロピルホスホン酸無水物、カルボニルジイミダゾール、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、および2-(7-アザベンゾトリアゾリル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートから選択される、
    を含む、前記方法。
  12. 式13で表される化合物13を製造する方法が、下記の工程:
    ここで、
    分割剤はD-酒石酸であり、
    反応溶媒は酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、および水から選択され、
    再結晶溶媒は水、およびエタノールから選択され、
    塩基は炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウムから選択される、
    を含む、
    請求項11に記載の方法。
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