JP6771302B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
しかし、外気温が常に氷点下を下回るような極寒環境下では、除霜サイクルの運転により融解したドレン水が、ドレンパンで再凍結して、除々にドレンパン上で成長して大きくなり、ついには、室外熱交換器や室外機ファンの破壊などを引き起こすことがある。
例えば、特許文献1には、「冷媒配管の一部を室外ドレンパンに配設し、暖房運転時には室外ドレンパンに溜まったドレン水の凍結を抑制する」ことが記載されている。
特許文献2には、「除霜運転時、圧縮機から吐出される高温冷媒をドレンパンに配設されたホットガス管、蒸発器の順に供給して除霜を行う」ことが記載されている。
また、特許文献2に記載の先行技術では、除霜運転時に圧縮機から吐出される高温冷媒をドレンパンに配設されたホットガス管に供給することで低外気温時においてもドレン水の凍結を防止できるが、除霜運転が終了しホットガス管に高温冷媒が供給されない状態で暖房運転するとドレン水の凍結が進んでしまう。また、ドレン水の凍結を回避するため、ホットガス管に高温冷媒の供給回数を増やすことは低外気温時に暖房能力を低下させ、暖房運転により室内の快適性を確保ができなくなってしまうことになる。
また、冷房運転と同じ冷凍サイクル運転を行う除霜運転の頻度が増すと、室内熱交換器への高温高圧のガス冷媒の供給量が低下するため、室内温度を維持することが困難となり、室内の快適性を維持できなくなる場合がある。
前記室内熱交換器は、第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器とから構成され、前記第1の室内熱交換器と前記第2の室内熱交換器との間には、室内膨張弁を備える。
再熱除湿運転を行う際に、前記第1の室内熱交換器を蒸発器、前記第2の室内熱交換器を凝縮器として直列接続し前記ホットガスバイパス管から前記第2の室内熱交換器に高温高圧のガス冷媒を供給する構成にした。
図1は実施例の空気調和機1の全体構成を示す図である。
空気調和機1は、室内機2と室外機3とを冷媒配管4、電気配線、信号配線などを介して接続されたセパレート形空気調和機であり、リモコン5により運転操作されている。
なお、後記する実施例1(図2)、実施例2(図4、図5)、実施例3(図6)は参考例である。実施例4が、再熱除湿を行う実施例である(図7参照)。
まず、室外機3のドレンパンのドレン水の凍結を防止するため、図示しないドレンパンにホットガス管45を配設した実施例を図2により説明する。図2は、本実施例の冷凍サイクルの構成を示す図である。
室外機3のドレンパンは、室外機3の室外熱交換器33の下部に設けられ、室外熱交換器33の霜の融解水を受け止める皿である。霜の融解水であるドレン水(融解水)は、室外機3の外に排水される。
暖房サイクルでは、冷媒は、圧縮機35により高温高圧のガス状態に圧縮される。このガス冷媒は、四方切替弁37により、利用側ガス管43を経由して、室内熱交換器23に供給される。
室内熱交換器23は、室内送風モーター22で駆動された室内ファン21により通風され、室内空気と冷媒の間で熱交換が行われる。これにより、室内の暖房が行われる。
液または気液混合の冷媒は、減圧器34により減圧されて、低圧の液または気液混合の冷媒となる。
室外熱交換器33では、室外送風モーター32で駆動された室外ファン31により通風され、室外空気と冷媒の間で熱交換が行われる。
この除霜サイクルについては、後述する。
四方切替弁37は、暖房サイクルでは図2のように、吐出配管42と利用側ガス管43との間で冷媒が通流するように接続され、熱源側ガス管47と吸込配管41との間で冷媒が通流するように切り換えられているので、室外熱交換器33で低圧のガス状態となった冷媒は、冷媒の気液分離を行うアキュムレータ36に流入する。
そして、ガス冷媒が、アキュムレータ36から圧縮機35に戻り、冷媒が循環する。
室外熱交換器33と室内熱交換器23は、冷媒配管と伝熱フィンとで構成され、その冷媒配管で形成される冷媒回路を複数に分割して並列に接続されている。この冷媒回路は複数に区分して構成されている。
減圧器34は、冷房サイクルの冷房時に室外熱交換器33からの冷媒を減圧し、暖房サイクルの暖房運転時に室内熱交換器23からの冷媒を減圧する。なお、本実施例の減圧器34は絞り開度が制御可能な膨張弁、例えば電動式などで構成されている。
より詳細には、室内熱交換器23は、空気調和機1の暖房運転時には、暖房サイクルの高圧側熱交換器(凝縮器)として作用し、空気調和機1の冷房運転時には、冷房サイクルの低圧側熱交換器(蒸発器)として作用する。
なお、本実施例では、室内ファン21として横流ファンを使用している。
より詳細には、室外熱交換器33は、空気調和機1の暖房運転時には、暖房サイクルの低圧側熱交換器(蒸発器)として作用し、空気調和機1の冷房運転時には、冷房サイクルの高圧側熱交換器(凝縮器)として作用する。
なお、本実施例では、室外ファン31として軸流ファンを使用している。
本実施例の空気調和機1の冷凍サイクルは、制御部10により制御されている。
制御部10は、リモコン5(図1参照)の冷房運転や暖房運転や温度設定等の運転指示に基づいて、室内機冷媒温検知センサー11と、室外機冷媒温検知センサー12と、外気温検知センサー13と、室温検知センサー14の検出結果に応じて、圧縮機35と四方切替弁37と室外送風モーター32と室内送風モーター22を制御する。
詳しくは、室内機冷媒温検知センサー11は、暖房運転時には、室内熱交換器23の冷媒の温度を検出し、室外機冷媒温検知センサー12は、暖房運転時に室外熱交換器33の冷媒の温度を検出し、後述する除霜サイクルの運転要否を判定している。
上述したように、空気調和機1の暖房運転時に室外熱交換器33が着霜して、室外熱交換器33の蒸発器としての作用が低下し、空気調和機1の暖房能力が低下することがある。本実施例の制御部10は、室外機冷媒温検知センサー12で検出した冷媒の室外熱交換器33の入口温度が所定の温度を下回り、かつ、暖房サイクルの運転を所定の時間以上行っている場合に、着霜が所定の量に達したとみなし、つぎの除霜サイクルを行う。
そして、圧縮機35を運転し、高温高圧状態のガス冷媒を、四方切替弁37を介して室外熱交換器33に流入させる。室外熱交換器33に入った冷媒は、高温高圧であるので室外熱交換器33に付着した霜を融解する。融解水は、室外熱交換器33の下方に滴下する。
この時、室外送風モーター32は、低速運転または停止され、室内送風モーター22も、低速運転または停止される。
次いで、冷媒は、減圧器34に入り、低圧の液または気液混合の冷媒となり、室内熱交換器23に流入する。室内熱交換器23は蒸発器として作用し、冷媒はガス状態となって、圧縮機35に戻る。
これにより、冷媒が冷凍サイクルを循環し、除霜サイクルが運転される。
しかし、寒冷地など外気温が極端に低い条件(極低温条件)では、このドレンパンに集められたドレン水が、0℃以下になり凍結することもある。ドレン水が凍結すると、室外熱交換器33の破損の可能性がある。
具体的には、圧縮機35の吐出配管42を液管44に連結するホットガスバイパス管48を設けた。そして、ホットガスバイパス管48のバイパス開閉弁(開閉機構)49により、圧縮機35の高温高圧のガス状態の冷媒を液管44に供給する。
これにより、寒冷地など外気温が極端に低い条件(極低温条件)でも、ホットガス管45にドレン水を凍結させないために必要な熱量を供給できるため、ドレンパンに集められたドレン水が凍結し排出口が塞がってしまうこともなく、ドレン水の排出ができるため暖房能力の低下を抑制することができる。
なお、本実施例ではバイパス開閉弁49は電磁式開閉弁としているが、電磁絞り開度が制御可能な膨張弁、例えば電動式などで構成しても良い。
なお、以降の実施例の説明では、室温検知センサー14により検出した室温が、リモコン5等により設定した暖房設定温度を中心値とした所定の温度範囲の値になった時を、室温が設定温度に到達した状態としている。
設定室温に到達後にホットガス管45に高温冷媒を供給することにより、室内熱交換器23に流れる高温冷媒が減少し供給熱量が減っても、設定室温に到達していることから、設定室温を維持することができる。したがって、設定室温を維持しながらドレン水の凍結防止ができる。
詳しくは、室内熱交換器23に流れる高温冷媒の減少分を補充するように、圧縮機35の駆動期間や駆動率を調整する。
これにより、室内熱交換器23の暖房能力を低下することなく、ドレンパンのドレン水の凍結を防止することができる。
つまり、外気温検知センサー13により検出した外気温が第1の所定温度より低い場合に、ホットガスバイパス管48により高温高圧のガス冷媒をホットガス管45に供給し、外気温が、第1の所定温度より低い第2の所定温度より低い場合に、圧縮機35のガス冷媒の吐出温度を高温にしてホットガス管45に供給するようにする。
これにより、空気調和機1の消費電力の増加を抑えて、所定温度の暖房を行いながらドレンパンのドレン水の凍結を防止することができる。
設定室温を維持する暖房運転中の圧縮機35は、駆動と停止の繰り返し動作を行っている。圧縮機35が停止している場合には、冷媒の循環はないが、圧縮機35の駆動時間の割合を制御することができる。したがって、外気温が所定値より低い場合に、圧縮機35の駆動時間を増して、ホットガス管45に供給する高温高圧のガス冷媒を確保することができる。
つまり、制御部10は、暖房運転中の圧縮機35を停止するサーモオフを行っている制御状態で、圧縮機35の駆動時間を増して、バイパス開閉弁49を開弁する。これにより、ホットガス管45に高温冷媒を供給する。
上記のとおり、ホットガス管45には、ホットガスバイパス管48と室内熱交換器23とに分流した圧縮機35の高温高圧のガス冷媒が合流して供給される。
ホットガスバイパス管48から供給する高温高圧のガス冷媒は、暖房に寄与しないため、ドレン水の凍結を防止する必要最小限の流量とすることが望ましい。
しかし、室内熱交換器23側の冷媒流路の冷媒流量に影響する室内熱交換器23の設置高さや流路長は、設置状況によっても変わる。また、ホットガスバイパス管48のガス冷媒の必要流量も、外気温により変わる。ホットガスバイパス管48に分岐するガス冷媒の流量比は、室内熱交換器23の設置条件や外気温により変動する。
なお、ホットガスバイパス管48には、高温高圧のガス冷媒が通流するので、ホットガスバイパス管48の設置高さに制約はない。
これにより、ホットガスバイパス管48に分岐するガス冷媒の流量比(流速比)を制御することができ、ドレン水の再凍結を防止する際の熱効率を向上することができる。
このため、ホットガスバイパス管48を、液管44の鉛直上方に配設して、液冷媒がホットガスバイパス管48に逆流することを防止する。
まず、制御部10は、空気調和機1がリモコン5等による暖房運転の操作指示中であるか否かを判定する(S301)。
暖房運転の操作指示中であれば(S301のYes)、ステップS302に進む。暖房中の操作指示中でなければ(S301のNo)、処理を終了する。
そして、冷媒の室外熱交換器33の入口温度を室外機冷媒温検知センサー12で検出し、検出温度が所定の温度より低いか否かを判定する(S303)。検出温度が所定の温度以上であれば(S303のNo)、室外熱交換器33が着霜していないものとし、ステップS309に進む。
ここで、着霜量の判定の量は、室外熱交換器33の通風が妨げられているか否かを示す量の意味であり、実際の着霜量でなくてもよい。
ステップS308では、除霜が終了したとみなし、除霜サイクルの運転を終了し暖房サイクルの運転に復帰する。
ステップS310で、外気温度が第1温度以上であった場合には(S310のNo)、ステップS301に戻り、運転を継続する。外気温度が第1温度未満であった場合には(S310のYes)、ステップS311に進む。
この時、S313の高温高圧のガス冷媒の一定時間の供給が終わると、圧縮機35を元の駆動条件に戻す。
ステップS313のホットガスバイパス管48からの高温高圧のガス冷媒の一定時間の供給が終わると、ステップS301に戻り、運転を継続する。
この冷媒の利用効率の低下を防止するために、ホットガスバイパス管48の管長を短くすることが望ましい。また、ホットガスバイパス管48の液管44側に開閉弁を設けて、冷房サイクル運転時に開閉弁を閉じるようにしてもよい。
上記の実施例の空気調和機1では、ドレンパンにホットガス管45を配設し、除霜サイクルによる融解水(ドレン水)がドレンパンで凍結しないようにし、かつ、外気温が低い場合には、ホットガス管45により高温高圧のガス冷媒を供給する例を説明した。
つぎに、ドレンパンのドレン水を加熱して凍結する実施例とは異なり、融解水(ドレン水)を加熱してドレンパンで凍結しないようにする実施例について説明する。
室外機3の室外熱交換器33の伝熱フィンを貫通する鉛直下部の4本(2段)の冷媒配管は、室内熱交換器23を出た液または気液混合状態の冷媒が通流するホットガス管45となっている。なお、図4では、4本(2段)のホットガス管45が示されているが、この数に限定されない。
室外熱交換器33の鉛直下方部には、霜の融解水を受けるドレンパン50が配置され、霜の融解水(ドレン水)は、ドレンパン50に集められ、室外機3の外部に排水される。
ドレンパン50には、冷媒熱を吸熱した融解水(ドレン水)が滴下するので、直に凍結することはなく、室外機3の外部に排水される。
図2の冷凍サイクルの構成図とは、ホットガス管45が室外熱交換器33に配設されている点と、減圧器(膨張機構)34aがホットガス管45と液管44との間に設けられている点が異なる。
このため、ホットガス管45と液管44との間に減圧器34aを設けて、液または気液混合の状態の冷媒の減圧を行うようにする。
これにより、ホットガス管45を室外熱交換器33に配設したことによる液冷媒の気化による冷房能力の低下を防止する。
また、図4に示したように、ホットガス管45を室外熱交換器33の伝熱フィンに貫通するように設けることで、ホットガス管45の冷媒配管を固定する固定具が不要となる。これにより、製造コストを安価に抑えることができる。
上記の実施例では、ホットガスバイパス管48により高温高圧のガス冷媒をホットガス管45に供給して、除霜サイクルの融解水(ドレン水)の再凍結を防止する構成を説明したが、つぎに、図6により、空気調和機1の他の冷凍サイクルの構成を説明する。
他の構成は、図2や図5と同じ構成であるため、説明は省略する。
つぎに、図6の冷凍サイクルの動作について説明する。
上記のホットガスバイパス管48から室外熱交換器33への高温高圧冷媒の供給を、室内温度が設定値に到達した後の室内温度の維持状態の運転で行うようにすれば、暖房能力の低下が問題となることはない。
これにより、極低温環境でも、暖房サイクルの運転を行うことができる。
つぎに、図7により、再熱除湿機能をもつ空気調和機1の冷凍サイクルの構成を説明する。この再熱除湿機能は、冷却して湿気をとりながら空調風を暖めなおすことにより、低湿度にする運転モードである。
図7の空気調和機1は、図5の空気調和機1の室内機2の構成を替えて、再熱除湿機能を実現している。
図7の室内機2は、第1室内熱交換器23aと第2室内熱交換器23bの2つの熱交換器をもち、暖房または冷房運転時には、室内電磁開閉弁51を開いて、第1室内熱交換器23aと第2室内熱交換器23bとを並列に接続して、ひとつの熱交換器(図5の室内熱交換器23に対応)として構成する。
この状態で、図5で説明した暖房運転または冷房運転と同じ運転が行われる。
以上により、低温高湿空気でも除湿を可能にしている。
この場合には、制御部10により減圧器34を閉じて、室外熱交換器33の高温高圧のガス冷媒の通流を止め、バイパス開閉弁49を開弁して高温高圧のガス冷媒を液管44に供給する。
この時、液管44に供給される冷媒は、再熱する熱量に対応して、圧縮機35を制御して中温中圧のガス冷媒に調整する。または、膨張弁34aの減圧量を調整してもよい。
2 室内機
3 室外機
10 制御部
11 室内機冷媒温検知センサー
12 室外機冷媒温検知センサー
13 外気温検知センサー
14 室温検知センサー
21 室内ファン
22 室内送風モーター
23 室内熱交換器
31 室外ファン
32 室外送風モーター
33 室外熱交換器
34 減圧器(膨張機構、第1の膨張機構)
34a 減圧器(膨張機構、第2の膨張機構)
35 圧縮機
36 アキュムレータ
37 四方切替弁
41 吸込配管
42 吐出配管
43 利用側ガス管
44 液管
45 ホットガス管
46 熱源側液管
47 熱源側ガス管
48 ホットガスバイパス管
49 バイパス開閉弁(開閉機構)
51 室内電磁開閉弁
52 室内膨張弁
23a 第1室内熱交換器
23b 第2室内熱交換器
Claims (1)
- 圧縮機、四方切替弁、室内熱交換器、室外熱交換器、前記室外熱交換器側に配設され暖房サイクル時に動作する第1の膨張機構、及び、前記室内熱交換器側に配設され冷房サイクル時に動作する第2の膨張機構を接続する冷媒流路と、
前記第1の膨張機構と前記第2の膨張機構との間を接続する冷媒流路であって、前記室外熱交換器の下方に位置するホットガス管と、
前記圧縮機と前記四方切替弁との間の前記冷媒流路と、前記ホットガス管と前記第2の膨張機構との間の前記冷媒流路とを接続するホットガスバイパス管と、
を有し、
前記室内熱交換器は、第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器とから構成され、
前記第1の室内熱交換器と前記第2の室内熱交換器との間には、室内膨張弁を備え、
再熱除湿運転を行う際に、前記第1の室内熱交換器を蒸発器、前記第2の室内熱交換器を凝縮器として直列接続し前記ホットガスバイパス管から前記第2の室内熱交換器に高温高圧のガス冷媒を供給する
ことを特徴とする空気調和機。
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