JP6769374B2 - カーテンエアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、頭部保護エアバッグ装置に使用されて、車両の車内側における窓の上縁側に、前後方向に沿って折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時に下方に展開膨張して、窓の車内側を覆う構成のカーテンエアバッグに関する。
従来、頭部保護エアバッグ装置のカーテンエアバッグは、膨張用ガスを流入させて車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨らみ可能なガス流入部と、車内側壁部と車外側壁部とを結合させて膨張用ガスを流入させない非流入部と、を備えて構成されていた(例えば、特許文献1参照)。ガス流入部は、窓の車内側を覆うように膨張し、乗員を受け止め可能な受止領域を有する遮蔽膨張部と、エアバッグの上縁側に前後方向に沿って配置されて、遮蔽膨張部の上部側に膨張用ガスを供給するガス供給路部と、を備えて構成されていた。非流入部は、ガス流入部の周縁に配置されるとともに窓の上縁側に取り付けられる複数の取付部を有する周縁部と、遮蔽膨張部の領域に配置されて、膨張部位の厚さを規制可能に車内側壁部と車外側壁部とを結合させるように配置される複数の閉じ部と、を備えて構成されていた。閉じ部としては、上下両端を、エアバッグの上下両縁側の非流入部の周縁部の部位との間に、隙間を開けて、遮蔽膨張部の受止領域に、前後方向に並設されていた。このようなエアバッグでは、膨張用ガスが流入すれば、膨張用ガスは、エアバッグの上縁側のガス供給路部を前後方向に沿って流れて、上下方向に配置された閉じ部の上端側に当り、閉じ部の縁に沿って下方に流れて、エアバッグの下縁側の非流入部の周縁部に到達して、窓の上縁側に収納された状態から、窓の車内側を覆うように下方に展開膨張していた。
特表2001−505846号公報
しかし、従来のカーテンエアバッグでは、エアバッグ内を流れる膨張用ガスが、ガス供給路部を前後方向に沿って流れて、遮蔽膨張部の上端側に流入し、閉じ部の上下方向に延びる縁に当たって、下向きに流れを変えられ、エアバッグの非流入部としての周縁部の下縁側に当たる流れとなっており、エアバッグの下縁側を下方へ押し出す作用を強くしていた。そのため、エアバッグにおける窓の上縁側に取り付ける取付部に大きな負荷がかかり、取付部の強度を高める等の仕様が必要となって、展開膨張時の取付部へ作用する負荷の低減化が望まれていた。
また、エアバッグの下方への展開力が強い場合には、前後方向に沿って配設されるエアバッグとしては、前後方向での展開を妨げられてしまう。すなわち、膨張完了当初に、エアバッグの下縁側が下方に強く押されるように展開されれば、前後方向の両縁が中央側に接近し、そして、エアバッグの下方への展開後の反動により、エアバッグの下縁側が上方移動すると、中央側に寄っていたエアバッグの前後両縁が、前後両側に延びる挙動となる。その結果、エアバッグの展開膨張初期の挙動が、エアバッグの下方へ伸びる上下方向の拡張及び前後両縁の中央側へ接近する前後方向の収縮とを併用した第1動作と、その後の反動による上下方向の収縮と前後方向の拡張とを併用した第2動作と、を繰り返すようなリバウンドが発生する虞れが生じ、前後方向と上下方向との全域にわたって、迅速に、エアバッグが展開膨張を完了させる点に、課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、窓の上縁側に取り付ける取付部への負荷を低減できるとともに、上下方向と前後方向との全域にわたって、円滑に展開膨張を完了させることができるカーテンエアバッグを提供することを目的とする。
本発明に係るカーテンエアバッグは、車両の車内側における窓の上縁側に、前後方向に沿って折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時に下方に展開膨張して、前記窓の車内側を覆う構成とし、
膨張用ガスを流入させて車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨らみ可能なガス流入部と、前記車内側壁部と前記車外側壁部とを結合させて膨張用ガスを流入させない非流入部と、を備え、
前記ガス流入部が、前記窓の車内側を覆うように膨張し、乗員を受け止め可能な受止領域を有する遮蔽膨張部と、
前記ガス流入部の上縁側で前後方向に沿って配置されて、前記遮蔽膨張部の上部側に膨張用ガスを供給するガス供給路部と、
を備え、
前記非流入部が、
前記ガス流入部の周縁に配置されるとともに、前記窓の上縁側に取り付けられる複数の取付部を有する周縁部と、
前記遮蔽膨張部の領域に配置されて、膨張部位の厚さを規制可能に前記車内側壁部と前記車外側壁部とを結合させるように配置される複数の閉じ部と、
を備えて構成されるカーテンエアバッグであって、
前記遮蔽膨張部の前記受止領域が、前記ガス供給路部を経て流入する膨張用ガスにより、前記周縁部の上縁側から下縁側までの領域に配設されて、乗員を受止可能に膨張する受止膨張部、を備え、
該受止膨張部が、
前記閉じ部の一つとして、前記ガス供給路部からの膨張用ガスのガス流れに対向する位置で、膨張用ガスを下方に流し可能に上下に延びる縁を有して配設される第1縦閉じ部と、
前記閉じ部の一つとして、前記ガス供給路部を流れる膨張用ガスの上流側方向で、前記第1縦閉じ部と前後方向で対向するように、上下に延びる縁を有して配設される第2縦閉じ部と、
の間に配設される構成とするとともに、
前記受止膨張部を上下の上側受止膨張部と下側受止膨張部とに分割するように、前記第1縦閉じ部と前記第2縦閉じ部との間に、略前後方向に沿って配設される横閉じ部、を配設させて構成され、さらに、
前記第1縦閉じ部と前記横閉じ部の前記第1縦閉じ部側の端部との間に、膨張用ガスを前記上側受止膨張部から略前後方向に沿って流出可能な第1流出口、を配設させ、かつ、
前記横閉じ部の前記第2縦閉じ部側の端部と前記第2縦閉じ部との間に、膨張用ガスを前記上側受止膨張部から前記周縁部の下縁側に向かって流出可能な第2流出口、を配設させて構成され、
前記横閉じ部が、前記第1縦閉じ部と前記第2縦閉じ部との間で、前記ガス供給路部から前記上側受止膨張部に流入して前記第1縦閉じ部と前記第2縦閉じ部との縁によって下向きに流れる膨張用ガスを、前記第1流出口を経て略前後方向に沿って流れる横向き流出ガスと、前記第2流出口を経て下向きに流れる下向き流出ガスとに、略二分するように、配設されていることを特徴とする。
本発明に係るカーテンエアバッグでは、ガス供給路部に膨張用ガスが流入されると、乗員を受止可能な受止膨張部の上側受止膨張部において、ガス供給路部から流入された膨張用ガスが、第1縦閉じ部の上下に延びるように配置された縁に当たって下方に流れ、横閉じ部側に流れる。そして、横閉じ部は、第1縦閉じ部と第2縦閉じ部との間で、ガス供給路部から上側受止膨張部に流入して、第1縦閉じ部と第2縦閉じ部との前後で対向する縁相互によって、下向きに流れる膨張用ガスを、第1流出口を経て略前後方向に沿って流れる横向き流出ガスと、第2流出口を経て下向きに流れる下向き流出ガスとに、略二分させる。すなわち、受止膨張部において、ガス供給路部を経て下向きに流れる膨張用ガスが、上側受止膨張部と下側受止膨張部とを区画する横閉じ部により、下側受止膨張部側のエアバッグの下縁側(周縁部の下縁側)に向かう下向き流出ガスだけでなく、半減させるように、横向き流出ガスを生じさせていることから、エアバッグの展開膨張時における下方への展開力が、抑制され、前後方向への展開力を増加させることとなる。
そして、この下向き流出ガスは、エアバッグの下縁側に配置された下側受止膨張部を経て、直接、エアバッグの下縁に作用するものであり、エアバッグの取付部に下向きの負荷をかける流れではあるものの、その流れが半減されていることから、エアバッグの取付部への負荷を低減できる。
また、エアバッグの展開膨張時における下方への展開力が、抑制され、前後方向への展開力を増加させることとなるため、エアバッグの展開膨張初期の挙動が、エアバッグの下方へ伸びる上下方向の拡張が弱められて、前後方向の縮小も弱められ、その結果、リバウンドの発生が抑制されて、エアバッグの前後方向と上下方向との全域にわたる展開膨張を迅速に完了させることができる。
したがって、本発明に係るカーテンエアバッグでは窓の上縁側に取り付ける取付部への負荷を低減できるとともに、上下方向と前後方向との全域にわたって、円滑に展開膨張を完了させることができる。
そして、本発明に係るカーテンエアバッグでは、前記第1流出口と前記第2流出口とが、前記車内側壁部と前記車外側壁部とを重ねて平らに展開した状態で、開口幅寸法を同等としていることが望ましい。
このような構成では、横向き流出ガスを流出させる第1流出口と下向き流出ガスを流出させる第2流出口との開口面積を同等とできて、上側受止膨張部を下向きに流れてきた膨張用ガスを、相互に略同じ流量として、前後方向に流す横向き流出ガスと下向きに流す下向き流出ガスとに分岐させることから、前後方向の展開力と下方への展開力とを、略同等として同時に作用させることが可能となって、一層、上下方向と前後方向との全域にわたって、円滑に展開膨張を完了させることができる。
また、本発明に係るカーテンエアバッグでは、前記車内側壁部と前記車外側壁部とを重ねて平らに展開した状態で、前記下側受止膨張部における前記横閉じ部と前記周縁部の下縁側との間の幅寸法が、前記第1流出口の開口幅寸法以上としていることが望ましい。
このような構成では、第1縦閉じ部の下端から周縁部の下縁までの上下方向の間で、横閉じ部を、第1流出口の開口幅寸法以上として、周縁部の下縁から離した上方位置に、すなわち、第1縦閉じ部の下端からの離隔距離より、周縁部の下縁からの離隔距離を、同等以上とし、第1縦閉じ部の下端から周縁部の下縁までの間の上下方向の中間位置より、横閉じ部を、周縁部の下縁から離隔させることができて、下側受止膨張部の膨張時の厚さ寸法を大きく確保することができる。そのため、下側受止膨張部は、厚く膨張することが可能となって、上側受止膨張部とともに、乗員を好適に受止可能となる。
また、本発明に係るカーテンエアバッグでは、前記第1流出口から流出される膨張用ガスにより膨らむ膨張部位が、前記周縁部における前後方向の端縁に隣接して配設される端側膨張部として、構成されていることが望ましい。
このような構成では、第1流出口から流出される横向き流出ガスが、端側膨張部を経て、エアバッグの前後方向の端縁側の周縁部の端縁に、直接、当たることとなり、エアバッグの展開膨張時の前後方向の展開力を確保し易くなるとともに、特に、エアバッグの前後方向の端縁側で、横向き流出ガスを発生させていることから、そのエアバッグの端縁側に配置された取付部への下方へ作用する展開力を、低減させることに寄与できる。
さらに、本発明に係るカーテンエアバッグでは、前記端側膨張部が、前記上側受止膨張部と反対側の前記第1縦閉じ部の裏側まで延設されて、配設されていることが望ましい。
このような構成では、上側受止膨張部に隣接して、膨張部位としての端側膨張部を配設できることから、乗員の保護領域を広げることができる。
この場合、前記第1縦閉じ部が、上端を、前記周縁部の上縁から離して配設させて、前記上側受止膨張部からの膨張用ガスを前記端側膨張部へ流し可能な連通口を、配設させていてもよい。
このような構成では、端側膨張部を、横向き流出ガスだけでなく、連通口を経て流入する膨張用ガスにより、迅速に膨張させることができる。
さらにまた、本発明に係るカーテンエアバッグでは、前記上側受止膨張部と反対側の前記第2縦閉じ部の裏側に、膨張用ガスを流入させて膨張可能な補助膨張部が、配設されていてもよい。
このような構成では、上側受止膨張部に隣接して、膨張部位としての補助膨張部を配設できることから、乗員の保護領域を広げることができる。
本発明の一実施形態のカーテンエアバッグを使用した頭部保護エアバッグ装置を、車内側から見た概略正面図である。 実施形態のカーテンエアバッグを平らに展開した状態を示す正面図である。 実施形態のカーテンエアバッグの単体での膨張時における断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のカーテンエアバッグを使用した頭部保護エアバッグ装置の作動時の状態を順に説明する概略縦断面図である。 実施形態のカーテンエアバッグの受止膨張部付近を示す部分拡大正面図であり、膨張用ガスの流れを説明する図である。 実施形態のカーテンエアバッグの受止膨張部付近を示す部分拡大正面図であり、各部位の配置関係を説明する図である。 実施形態のカーテンエアバッグの展開膨張時の挙動を説明する概略正面図である。 実施形態の変形例のカーテンエアバッグにおける受止膨張部付近を示す部分拡大正面図である。 他の変形例のカーテンエアバッグにおける受止膨張部付近を示す部分拡大正面図である。 さらに他の変形例のカーテンエアバッグにおける受止膨張部付近を示す部分拡大正面図である。 さらに他の変形例のカーテンエアバッグにおける受止膨張部付近を示す部分拡大正面図である。 さらに他の変形例のカーテンエアバッグの正面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のカーテンエアバッグ(以下、適宜、エアバッグと略す)20は、図1に示すように、頭部保護エアバッグ装置Mに使用されるものであり、この頭部保護エアバッグ装置Mは、2つの窓(サイドウィンド)W1,W2を有した二列シートタイプの車両Vに搭載されている。この頭部保護エアバッグ装置Mは、エアバッグ20と、インフレーター14と、取付ブラケット11,16と、エアバッグカバー9と、を備えて構成されている。エアバッグ20は、車両Vの車内側における窓W1,W2の上縁WU側において、フロントピラー部FPの下縁側から、ルーフサイドレール部RRの下縁側を経て、リヤピラー部RPの上方の領域まで、折り畳まれて収納されている。
エアバッグカバー9は、図1,4に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ4と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5と、のそれぞれの下縁4a,5aから、構成されている。フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5とは、合成樹脂製として、フロントピラー部FPとルーフサイドレール部RRとにおいて、それぞれ、ボディ(車体)1側のインナパネル2における車内側Iに、取付固定されている。また、エアバッグカバー9は、折り畳まれて収納されるエアバッグ20の車内側Iを覆って、展開膨張時のエアバッグ20を車内側下方へ突出可能とするために、エアバッグ20に押されて車内側Iに開き可能に、構成されている(図4参照)。
インフレーター14は、エアバッグ20に膨張用ガスを供給するもので、略円柱状のシリンダタイプとして、先端側に、膨張用ガスを吐出可能な図示しないガス吐出口を、配設させている。インフレーター14は、ガス吐出口付近を含めた先端側を、エアバッグ20の後述する接続口部24に挿入させ、接続口部24の外周側に配置されるクランプ15を用いて、エアバッグ20に対して連結されている。また、インフレーター14は、インフレーター14を保持する取付ブラケット16と、取付ブラケット16をボディ1側のインナパネル2に固定するためのボルト17と、を利用して、インナパネル2において窓W2の上方となる位置に、取り付けられている。インフレーター14は、図示しないリード線を介して、車両Vの図示しない制御装置と電気的に接続されており、制御装置が、車両Vの側面衝突や斜突、ロールオーバーを検知した際に、制御装置からの作動信号を入力させて、作動するように構成されている。
各取付ブラケット11は、2枚の板金製のプレートから構成されるもので、エアバッグ20の後述する各取付部54を表裏から挟むようにして、各取付部54に取り付けられ、取付ボルト12を利用して、各取付部54を、ボディ1側のインナパネル2に取付固定している(図4参照)。
エアバッグ20は、図2〜6に示すように、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部22aと車外側壁部22bとを離すように膨らみ可能なガス流入部22と、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを結合させて膨張用ガスGを流入させない非流入部50と、を備えて構成されている。
ガス流入部22は、窓W1,W2の車内側Iを覆うように膨張し、乗員を受け止め可能な受止領域28を有する遮蔽膨張部27と、ガス流入部22の上縁側で前後方向に沿って配置されて、遮蔽膨張部27の上部側に膨張用ガスGを供給するガス供給路部25と、を備えて構成されている。さらに、ガス流入部22は、エアバッグ20の上縁20a側の前後方向の中央に、ガス供給路部25から斜め上後方向に突出して、後端側の開口24aからインフレーター14を挿入させて、インフレーター14と接続される接続口部24を備えている。インフレーター14から吐出される膨張用ガスGは、接続口部24からガス供給路部25に流入して、前後両側に流れて、エアバッグ20の前後両側に配置された遮蔽膨張部27の受止領域28における前側部28aと後側部28bとに流入される。
なお、実施形態の場合、接続口部24は、三叉状に分岐されたインナチューブ70から構成されており、開口24a側から接続口部24内に流入する膨張用ガスGは、インナチューブ70の下端側の前後の開口70a,70bにより、ガス供給路部25の部位で前後両側に分岐し、さらに、ガス供給路部25に案内されて、受止領域28の前側部28aと後側部28bとの前後両側に、流れることとなる。
さらに、実施形態の場合、エアバッグ20は、接続口部24を構成するインナチューブ70と後述する取付部54とが、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる織布から形成されて、他の部位が、ポリアミド糸やポリエステル糸等を使用した袋織りから形成されるバッグ本体21として、構成されている。そのため、エアバッグ20は、バッグ本体21に対し、接続口部24を構成するインナチューブ70と各取付部54とを縫合して、形成されている。
遮蔽膨張部27は、乗員を受止可能な受止領域28として、窓W1付近の乗員を受け止め可能な前側部28aと、窓W2付近の乗員を受止可能な後側部28bと、を備えている。そして、前側部28aは、窓W1付近の乗員を受け止め可能に膨張する受止膨張部30と、受止膨張部30の前側におけるエアバッグ20の前端20c側で膨張する端側膨張部40と、受止膨張部30の後側で膨張する補助膨張部44と、の各膨張部を備えて構成されている。後側部28bは、窓W2付近の乗員を受止可能に膨張する膨張部位47を備えて構成されている。
なお、受止膨張部30は、遮蔽膨張部27の乗員を受け止める受止領域28において、実施形態では、窓W1のエリアの前側部28aにおいて、他の膨張部40,44に比べて、乗員を受け止めて保護する主保護膨張部であり、他の補助保護膨張部的な膨張部40,44に比べて、厚く膨らんで、乗員を適切に受け止めて保護することができる。
そして、実施形態の受止膨張部30は、膨張用ガスGを流入させる流入口31を、ガス供給路部25の前端25aに連通させるように、上端後部に、配設させている。また、受止膨張部30は、後述する横閉じ部64により、上部側の上側受止膨張部32と下部側の下側受止膨張部34との上下に、二分割されている。
なお、ガス供給路部25の後端25bは、後側の膨張部位47の上端前部に開口された流入口48に連通するように、配設されている。
また、エアバッグ20の前縁(前端)20c側に配設される端側膨張部40は、実施形態の場合、エアバッグ20の上縁20a側から下縁20b側までの上下方向の略全域に配設されており、後述する横閉じ部64の前方側の下部40bと、下部40bの上方に延設されるように連なって、第1縦閉じ部60の前方側に配置される上部40aと、を備えて構成されている。
非流入部50は、ガス流入部22の周縁に配置されるとともに、窓W1,W2の上縁WU側に取り付けられる複数の取付部54を有する周縁部52と、遮蔽膨張部27の領域に配置されて、膨張部位の厚さを規制可能に車内側壁部22aと車外側壁部22bとを結合させるように配置される複数の閉じ部56(58,60,62,64,66,68)と、を備えて構成されている。
周縁部52は、ガス流入部22の周囲を囲うもので、エアバッグ20の上下前後の縁20a,20b,20c,20dに対応する上縁52a、下縁52b、前縁51c、及び、後縁52d、を備えて構成されている。そして、上縁52a側には、5個の取付部54が配設され、前縁52c側には、前方に延びるベルト状の取付部54(F)が配設されている。各取付部54には、取付ボルト12を挿通させる取付孔54aが形成されている。
閉じ部56としては、中央閉じ部58、第1縦閉じ部60、第2縦閉じ部62、横閉じ部64、離隔閉じ部66、及び、後側閉じ部68、を備えて構成されている。後側閉じ部68は、受止領域28の後側部28bにおける膨張部位47の領域内に配設されて、周囲の周縁部52の上縁52a、後縁52d、下縁52b、及び、中央閉じ部58、から離れて配置された略C字形状として、配設されている。この後側閉じ部68は、受止領域28の後側部28bの膨張部位47を、部分的に厚くさせずに、板状に膨張させるように、配設されている。また、補助膨張部44内にも、周囲から離れた離隔閉じ部66が配設されて、補助膨張部44内を部分的に厚くさせずに、板状に膨張させるように構成されている。
中央閉じ部58は、周縁部52の下縁52bの前後方向の中央部位から上方に延びて、受止領域28の前側部28aの補助膨張部44と後側部28bの膨張部位47とを区画するように配設される縦棒部58aと、縦棒部58aの上端で前後方向(実施形態では前方)に延びて、ガス供給路部25と遮蔽膨張部27とを区画するように配設される横棒部58bと、を備えて構成されている。
第1縦閉じ部60は、ガス供給路部25からの膨張用ガスGのガス流れに対向する位置で、膨張用ガスGを下方に流し可能に上下に延びる縁(後縁)61を有した逆C字状として、受止膨張部30の前縁側に配設されている。第1縦閉じ部60は、上下両端60a,60bを前方側に配置させ、上下方向の中間部60cを上下両端60a,60bより後方に配置させた逆C字形状として、配設されている(図6参照)。
実施形態の場合、第1縦閉じ部60は、受止膨張部30と、その前方に配置される端側膨張部40の上部40aとを区画するように配設されるとともに、上端60aを、周縁部52の上縁52aから下方に離して、配設させている。そのため、上端60aと周縁部52との間に、受止膨張部30から膨張用ガスGを端側膨張部40の上部40aに流し可能な連通口42が、形成されている。
第2縦閉じ部62は、ガス供給路部25を流れる膨張用ガスGの上流側方向で、第1縦閉じ部60と前後方向で対向するように、すなわち、第1縦閉じ部60の後方側で第1縦閉じ部60と対向するように、上下に延びる縁(前縁)63を有して、配設されている。第2縦閉じ部62は、実施形態の場合、上端62a側を、中央閉じ部60の横棒部58bの前端58c側に対して、前端58c付近から下方に弧状に曲がるように連続させて、下端62b側を、周縁部52の下縁52b側に接近させるように、上下方向に沿わせて、配設されている。
実施形態の場合、第2縦閉じ部62は、受止膨張部30と、その後方に配置される補助膨張部44とを区画するように配設されるとともに、下端62bを、周縁部52の下縁52bから上方に離して、配設させている。そのため、下端62bと周縁部52との間に、受止膨張部30から膨張用ガスGを補助膨張部44に流し可能な流入口45が、形成されている(図5,6参照)。
そして、受止膨張部30は、ガス供給路部25の前端25aの前方側における周縁部52の上縁52aから下縁52bまでの領域内で、かつ、第1縦閉じ部60と第2縦閉じ部62との間に、配設されることとなる。なお、実施形態の場合、厳密には、第1縦閉じ部60が、逆C字状に湾曲していることから、受止膨張部30の領域としては、第1縦閉じ部60の上端60a側における周縁部52の上縁52aに最も接近した位置付近、あるいは、第1縦閉じ部60の下端60b側における周縁部52の下縁52bに最も接近した位置付近、における第2縦閉じ部62に近い側の地点付近から、第2縦閉じ部62の前縁63までの前後方向の間が、受止膨張部30の領域となる。そのため、実施形態の場合、第1縦閉じ部60の後縁61側の周縁部52の上縁52aに最も接近した上端61a付近から第2縦閉じ部62の前縁63までの前後方向の間で、そして、周縁部52の上縁52aから下縁52bまでの上下方向の間の領域が、受止膨張部30を構成している。
横閉じ部64は、第1縦閉じ部60と第2縦閉じ部62との間に、略前後方向に沿って配設されて、受止膨張部30を上下の上側受止膨張部32と下側受止膨張部34とに分割するように、配設されている。横閉じ部64は、上縁65が前後方向に沿って配置されている。
また、横閉じ部64は、第1縦閉じ部60と横閉じ部64の第1縦閉じ部60側の端部(前端)64aとの間に、膨張用ガスGを上側受止膨張部32から略前後方向に沿って流出可能な第1流出口36、を配設させ、かつ、横閉じ部64の第2縦閉じ部62側の端部(後端)64bと第2縦閉じ部62との間に、膨張用ガスGを上側受止膨張部32から周縁部52の下縁52b側に向かって流出可能な第2流出口38、を配設させるように構成されている。さらに、横閉じ部64が、第1縦閉じ部60と第2縦閉じ部62との間で、ガス供給路部25から上側受止膨張部32に流入して第1縦閉じ部60と第2縦閉じ部62との縁61,63によって下向きに流れる膨張用ガスG(G2)を、第1流出口36を経て略前後方向に沿って流れる横向き流出ガスG2Lと、第2流出口38を経て下向きに流れる下向き流出ガスG2Vとに、略二分するように、配設されている。
すなわち、実施形態では、横閉じ部64は、前端64aを、第1縦閉じ部60の湾曲した後縁61の後端(上下方向の中間部位)61bより前方位置(前後方向における第1閉じ部60の上下両端60a,60b側方向の位置)で、かつ、第1縦閉じ部60の下端60bより下方位置に配設させている。そのため、第1縦閉じ部60と横閉じ部64の前端64aとの間の第1流出口36は、横閉じ部64の前端64aとその直上の第1縦閉じ部60の後縁61の下端61cとの間に配置されて、開口の軸方向が前後方向に略沿う状態となって、第1流出口36から流出される膨張用ガスは、横閉じ部64の上縁65に沿って前方側に流れる横向き流出ガスG2Lとなる。
また、横閉じ部64は、後端64bを、第2縦閉じ部62の下端62bより前方で、かつ、上下方向の高さ位置を、下端62bと同等としている。そのため、第2縦閉じ部62と横閉じ部64の後端64bとの間の第2流出口38は、横閉じ部64の後端64bと、第2縦閉じ部62の上下方向に沿った前縁63における後端64bの近傍部位63aと、の間に配設されて、開口の軸方向が上下方向に沿う状態となって、第2流出口38から流出される膨張用ガスは、第2縦閉じ部62の前縁63に沿って下方側に流れる下向き流出ガスG2Vとなる。
さらに、横閉じ部64は、第1流出口36と第2流出口とが、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを重ねて平らに展開した状態で、開口幅寸法Wb1,Wb2を同等とするように、配設されている。さらにまた、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを重ねて平らに展開した状態で、下側受止膨張部34における横閉じ部64(前後方向の中間付近で平均的な位置付近)と周縁部52の下縁52b側との間の幅寸法Wb3が、第1流出口36の開口幅寸法Wb1以上となるように、横閉じ部64は、周縁部52の下縁52bから離れて、第1縦閉じ部60の下端60b側に接近するように、配設されている。実施形態の場合、下側受止膨張部34の幅寸法Wb3は、第1流出口36の開口幅寸法Wb1の約1,6倍程度と大きくしている。
そして、実施形態のエアバッグ20では、頭部保護エアバッグ装置Mとして車両Vへ搭載する場合、まず、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを重ねて平らに展開した状態で、下縁20b側を上縁20a側に接近させるように、車外側壁部22bの側で巻くロール折りして、折り畳み、破断可能な折り崩れ防止材75(図1参照)により包んだ後、取付ブラケット16を取付済みのインフレーター14を、クランプ15を利用して、エアバッグ20の接続口部24と接続させ、さらに、各取付部54に取付ブラケット11を固着させて、エアバッグ組付体を形成する。次いで、取付ブラケット11,16を、ボディ1側のインナパネル2の所定位置に配置させて、ボルト12,17止めし、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を、インフレーター14に結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1側のインナパネル2に取り付け、さらに、ピラーガーニッシュ6,7をボディ1側のインナパネル2に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置Mを車両Vに搭載することができる。
頭部保護エアバッグ装置Mの車両Vへの搭載後において、車両Vの側面衝突時、斜突時、もしくは、ロールオーバー時に、制御装置からの作動信号を受けてインフレーター14が作動されれば、インフレーター14から吐出される膨張用ガスが、接続口部24を経てガス供給路部25に流れ、さらに、ガス供給路部25から遮蔽膨張部27に流れる。そのため、エアバッグ20は、折り崩れ防止材75を破断させ、さらに、フロントピラーガーニッシュ4とルーフヘッドライニング5との下縁4a,5aから構成されるエアバッグカバー9を押し開いて、下方へ突出しつつ、図1の二点鎖線や図4のA〜Cに示すように、窓W1,W2、フロントピラー部FP,センターピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側Iを覆うように、大きく膨張することとなる。
そして、実施形態のエアバッグ20では、図5に示すように、ガス供給路部25に膨張用ガスGが流入されると、乗員を受止可能な受止膨張部30では、上側受止膨張部32において、ガス供給路部25から流入された膨張用ガスG1が、第1縦閉じ部60の上下に延びるように配置された後縁61に当たって下方に流れる下向きガスG2として、横閉じ部64側に流れる。そして、横閉じ部64は、第1縦閉じ部60と第2縦閉じ部62との間で、ガス供給路部25から上側受止膨張部32に流入して、第1縦閉じ部60と第2縦閉じ部62との前後で対向する縁61,63相互によって、下向きに流れる膨張用ガス(下向きガス)G2を、第1流出口36を経て略前後方向に沿って流れる横向き流出ガスG2Lと、第2流出口38を経て下向きに流れる下向き流出ガスG2Vとに、略二分させる。すなわち、受止膨張部30において、ガス供給路部25を経て下向きに流れる膨張用ガスG2が、上側受止膨張部32と下側受止膨張部34とを区画する横閉じ部64により、下側受止膨張部34側のエアバッグ20の下縁20b側(周縁部52の下縁52b側)に向かう下向き流出ガスG2Vだけでなく、半減させるように、横向き流出ガスG2Lを生じさせていることから、エアバッグ20の展開膨張時における下方への展開力DVが、抑制され、前後方向への展開力DLを増加させることとなる(図5,7参照)。
そして、この下向き流出ガスG2Vは、エアバッグ20の下縁20b側に配置された下側受止膨張部34を経て、直接、エアバッグ20の下縁20bに作用するものであり、エアバッグ20の取付部54に下向きの負荷をかける流れではあるものの、その流れが半減されていることから、エアバッグ20の取付部54への負荷を低減できる。
また、エアバッグ20の展開膨張時における下方への展開力DVが、抑制され、前後方向への展開力DLを増加させることとなるため、エアバッグ20の展開膨張初期の挙動が、エアバッグ20の下方へ伸びる上下方向の拡張が弱められて、前後方向の縮小も弱められ、その結果、リバウンドの発生が抑制されて、エアバッグ20の前後方向と上下方向との全域にわたる展開膨張を迅速に完了させることができる。
ちなみに、リバウンドは、図7の一点鎖線に示すように、エアバッグ20の下縁20bが下方へ伸びる上下方向の拡張及び前後両縁20c,20dが中央側へ接近する前後方向の収縮とを併用した第1動作と、二点鎖線で示すように、その後の下縁20bが上昇する上下方向の収縮と前後方向の縁20c,20d相互が離れる拡張とを併用した第2動作と、を繰り返す挙動となり、実施形態のエアバッグ20では、そのリバウンドを抑制できることとなる。
したがって、実施形態のエアバッグ20では窓W1,W2の上縁WU側に取り付ける取付部54への負荷を低減できるとともに、上下方向と前後方向との全域にわたって、円滑に展開膨張を完了させることができる。
そして、実施形態では、第1流出口36と第2流出口38とが、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを重ねて平らに展開した状態で、開口幅寸法Wb1,Wb2を同等としている。
そのため、実施形態のエアバッグ20では、横向き流出ガスG2Lを流出させる第1流出口36と下向き流出ガスG2Vを流出させる第2流出口38との開口面積を同等とできて、上側受止膨張部32を下向きに流れてきた膨張用ガスG2を、相互に略同じ流量として、前後方向に流す横向き流出ガスG2Lと下向きに流す下向き流出ガスG2Vとに分岐させることから、前後方向の展開力DLと下方への展開力DVとを、略同等として同時に作用させることが可能となって、一層、上下方向と前後方向との全域にわたって、円滑に展開膨張を完了させることができる。
また、実施形態では、車内側壁部22aと車外側壁部22bとを重ねて平らに展開した状態で、下側受止膨張部34における横閉じ部64と周縁部52の下縁52b側との間の幅寸法Wb3が、第1流出口36の開口幅寸法Wb1以上としている。
そのため、実施形態のエアバッグ20では、第1縦閉じ部60の下端60bから周縁部52の下縁52bまでの上下方向の間で、横閉じ部64を、第1流出口36の開口幅寸法Wb1以上として、周縁部52の下縁52bから離した上方位置に、すなわち、第1縦閉じ部60の下端60bからの離隔距離SUより、周縁部52の下縁52bからの離隔距離SDを、同等以上とし、第1縦閉じ部60の下端60bから周縁部52の下縁52bまでの間の上下方向の中間位置より、横閉じ部64を、周縁部52の下縁52bから離隔させることができて、下側受止膨張部34の膨張時の厚さ寸法T(図3参照)を大きく確保することができる。そのため、下側受止膨張部34は、厚く膨張することが可能となって、上側受止膨張部32とともに、乗員を好適に受止可能となる。
なお、横閉じ部64の周縁部52の上縁52aと下縁52bとの間の配置位置としては、下側受止膨張部34より上側受止膨張部32を同等以上に厚く膨張させて、乗員を受け止めることが望ましく、横閉じ部64は、周縁部52の上縁52aと下縁52bとの間の幅寸法(下縁52bが若干傾斜しているが、受止膨張部30の範囲内の平均的な幅寸法)をS0とすれば、下縁52b側からの配置高さ(横閉じ部64と下縁52bとが若干傾斜しているが横閉じ部64の前後の中間付近の平均的な配置高さ)hを、幅寸法S0の20〜45%程度とすることが望ましい。
また、エアバッグ20の膨張時の下方への展開力DVを抑制する観点からみても、上記の範囲は好適となる。すなわち、受止膨張部30を上側受止膨張部32と下側受止膨張部34との上下二室に区画するような略前後方向に配設される横閉じ部64により、横向き流出ガスG2Lを発生させて、下向き流出ガスG2Vにより発生する下方への展開力DVを、半減させる構成では、横閉じ部64を、周縁部52の上縁52a側に接近させすぎれば、横向き流出ガスG2L自体が、上縁52aに接近しすぎて、その流れの下方側を膨張させる膨張用ガスの容量が大きくなって、その部位を膨らませる膨張用ガスは、下向き流出ガスとなって流れ易くなり、下方への展開力DVを抑制し難い。また、横閉じ部64を周縁部52の下縁52b側に接近させすぎれば、横向き流出ガスG2L自体が、下縁52bに接近しすぎて、その流れが発生する前に、エアバッグ20自体が下縁20b側近傍まで下方へ展開させていることとなって、既に、下方への大きな展開力DVを発生させていることから、展開力DVを抑制できる作用を、奏し難い。
したがって、横閉じ部64は、周縁部52の上縁52aと下縁52bとの間の幅寸法をS0とすれば、下縁52b側からの配置高さhを、幅寸法S0の20〜45%程度とすることが望ましい。
また、実施形態では、第1流出口36から流出される膨張用ガスG2Lにより膨らむ膨張部位(流出膨張部位)35が、周縁部52における前後方向の端縁(前縁)52cに隣接して配設される端側膨張部40として、構成されている。
そのため、実施形態では、第1流出口36から流出される横向き流出ガスG2Lが、端側膨張部40を経て、エアバッグ20の前後方向の端縁52c側の周縁部52の端縁(前縁)52cに、直接、当たることとなり、エアバッグ20の展開膨張時の前後方向の展開力DLを確保し易くなるとともに、特に、エアバッグ20の前後方向の端縁20c側で、横向き流出ガスG2Lを発生させていることから、そのエアバッグ20の前縁20c側に配置された窓W1の上縁WU側における前端の取付部54S(図1,2,5,7参照)への下方へ作用する展開力DVを、低減させることに寄与でき、取付部54Sの強度を高める仕様を軽減できる。
さらに、実施形態では、端側膨張部40が、上側受止膨張部32と反対側の第1縦閉じ部60の裏側まで延設されて、配設されている。
そのため、実施形態のエアバッグ20では、上側受止膨張部32に隣接して、膨張部位としての端側膨張部40の上部40aを配設できることから、乗員の保護領域を広げることができる。
さらに、実施形態では、第1縦閉じ部60が、上端60aを、周縁部52の上縁52aから離して配設させて、上側受止膨張部32からの膨張用ガスGを端側膨張部40へ流し可能な連通口42を、配設させている。
そのため、実施形態では、端側膨張部40を、横向き流出ガスG2Lだけでなく、連通口42を経て流入する膨張用ガスGにより、迅速に膨張させることができる。
なお、実施形態の端側膨張部40は、第1流出口36から流出する膨張用ガス(横向き流出ガス)G2Lと、連通口42から流入する膨張用ガスGとの他、下向き流出ガスG2Vにおける周縁部52の下縁52bに当たって、横閉じ部64の下方の下側受止膨張部34を経て流入する膨張用ガスGによっても、膨張している。
勿論、図9の二点鎖線に示すように、第1縦閉じ部60に、周縁部52の上縁52aに連結される連結部60dを設けて、連通口42側を塞いだり、あるいは、図8に示すエアバッグ20Aのように、第1縦閉じ部60の前方側の部位を無くして、端側膨張部40Aを形成してもよい。なお、この端側膨張部40Aは、実施形態の端側膨張部40の下部40b側を残した形状であり、第1流出口36から流出する横向き流出ガスG2Lと、横閉じ部64の下方の下側受止膨張部34に連通する流入口41から流入する膨張用ガスGとにより、膨張することとなる。
さらに、実施形態では、上側受止膨張部32と反対側の第2縦閉じ部62の裏側に、膨張用ガスGを流入させて膨張可能な補助膨張部44が、配設されている。
そのため、実施形態のエアバッグ20では、上側受止膨張部32に隣接して、膨張部位としての補助膨張部44を配設できることから、乗員の保護領域を広げることができる。
勿論、図9に示すエアバッグ20Bのように、第2縦閉じ部62Bの前縁63側を周縁部52の下縁52b側に連結させて、補助膨張部44を無くしてもよい。
さらに、実施形態では、第1縦閉じ部60や第2縦閉じ部62、あるいは、横閉じ部64として、連続的に連なっている場合を例示したが、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で、第1縦閉じ部60や第2縦閉じ部62、あるいは、横閉じ部64は、分断されて構成されていてもよい。例えば、図10に示すエアバッグ20Cのように、横閉じ部64Cに、上下に貫通する小さな開口64cを設けてもよい。
さらにまた、実施形態では、第2縦閉じ部62の下端62bを横閉じ部64の後端64bより下方位置に配置させたが、第2縦閉じ部62の縁63が、上側受止膨張部32において、下向きに流れる膨張用ガスG2,G2Vを案内できれば、図11に示すエアバッグ20Dのように、第2縦閉じ部62Dの下端62bを横閉じ部64の後端64bより上方位置に配置されていてもよい。また、第2縦閉じ部62の縁63が、上側受止膨張部32において、下向きに流れる膨張用ガスG2,G2Vを案内できれば、部分的に分断される開口62cが、形成されていてもよい。
さらに、実施形態では、受止膨張部30を、エアバッグ20の遮蔽膨張部27の受止領域28における前側部28aに配設した場合を示したが、図12に示すエアバッグ20Eのように、受止膨張部30Eを、前側の受止膨張部30と前後対称に、エアバッグ20Eの遮蔽膨張部27の受止領域28における後側部28bに、配設してもよい。勿論、エアバッグとしては、後部側だけに、受止膨張部30Eを配設する構成としてもよい。
20,20A,20B,20C,20D,20E…エアバッグ、20a…上縁、22…ガス流入部、22a…車内側壁部、22b…車外側壁部、25…ガス供給路部、27…遮蔽膨張部、28…受止領域、28a…前側部、28b…後側部、30…受止膨張部、32…上側受止膨張部、34…下側受止膨張部、36…第1流出口、38…第2流出口、40,40A…端側膨張部、42…連通口、44…補助膨張部、50…非流入部、52…周縁部、52a…上縁、52b…下縁、52c…前縁、52d…後縁、54(54B)…取付部、56…閉じ部、60…第1縦閉じ部、61…(後)縁、62…第2縦閉じ部、63…(前)縁、64…横閉じ部、
Wb1…(第1流出口の)開口幅寸法、Wb2…(第2流出口の)開口幅寸法、Wb3…(下側受止膨張部の上下の)幅寸法、
V…車両、W1…(前)窓、W2…(後)窓、WU…上縁、I…車内側、O…車外側、G…膨張用ガス、G1…(受止膨張部側へ流れる)膨張用ガス、G2…(上側受止膨張部で下方に流れる)膨張用ガス・下向きガス、G2L…横向き流出ガス、G2V…下向き流出ガス、M…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (8)

  1. 車両の車内側における窓の上縁側に、前後方向に沿って折り畳まれて収納され、膨張用ガスの流入時に下方に展開膨張して、前記窓の車内側を覆う構成とし、
    膨張用ガスを流入させて車内側壁部と車外側壁部とを離すように膨らみ可能なガス流入部と、前記車内側壁部と前記車外側壁部とを結合させて膨張用ガスを流入させない非流入部と、を備え、
    前記ガス流入部が、前記窓の車内側を覆うように膨張し、乗員を受け止め可能な受止領域を有する遮蔽膨張部と、
    前記ガス流入部の上縁側で前後方向に沿って配置されて、前記遮蔽膨張部の上部側に膨張用ガスを供給するガス供給路部と、
    を備え、
    前記非流入部が、
    前記ガス流入部の周縁に配置されるとともに、前記窓の上縁側に取り付けられる複数の取付部を有する周縁部と、
    前記遮蔽膨張部の領域に配置されて、膨張部位の厚さを規制可能に前記車内側壁部と前記車外側壁部とを結合させるように配置される複数の閉じ部と、
    を備えて構成されるカーテンエアバッグであって、
    前記遮蔽膨張部の前記受止領域が、前記ガス供給路部を経て流入する膨張用ガスにより、前記周縁部の上縁側から下縁側までの領域に配設されて、乗員を受止可能に膨張する受止膨張部、を備え、
    該受止膨張部が、
    前記閉じ部の一つとして、前記ガス供給路部からの膨張用ガスのガス流れに対向する位置で、膨張用ガスを下方に流し可能に上下に延びる縁を有して、上下両端を膨張用ガスのガス流れに沿う方向側に配置させ、上下方向の中間部位を上下両端より膨張用ガスの上流側方向に配置させた略C字形状として、配設される第1縦閉じ部と、
    前記閉じ部の一つとして、前記ガス供給路部を流れる膨張用ガスの上流側方向で、前記第1縦閉じ部と前後方向で対向するように、上下に延びる縁を有して配設される第2縦閉じ部と、
    の間に配設される構成とするとともに、
    前記受止膨張部を上下の上側受止膨張部と下側受止膨張部とに分割するように、前記第1縦閉じ部と前記第2縦閉じ部との間に、略前後方向に沿って配設される横閉じ部、を配設させて構成され、さらに、
    前記第1縦閉じ部と前記横閉じ部の前記第1縦閉じ部側の端部との間に、膨張用ガスを前記上側受止膨張部から略前後方向に沿って流出可能な第1流出口、を配設させ、かつ、
    前記横閉じ部の前記第2縦閉じ部側の端部と前記第2縦閉じ部との間に、膨張用ガスを前記上側受止膨張部から前記周縁部の下縁側に向かって流出可能な第2流出口、を配設させて構成され、
    前記横閉じ部が、
    前記第1縦閉じ部と前記第2縦閉じ部との間で、前記ガス供給路部から前記上側受止膨張部に流入して前記第1縦閉じ部と前記第2縦閉じ部との縁によって下向きに流れる膨張用ガスを、前記第1流出口を経て略前後方向に沿って流れる横向き流出ガスと、前記第2流出口を経て下向きに流れる下向き流出ガスとに、略二分するように、配設されるとともに、
    前記第1閉じ部側の端部を、湾曲した前記第1閉じ部の上下方向の中間部位より、前後方向における前記第1閉じ部の上下両端側方向の位置で、かつ、前記第1閉じ部の下端より、下方位置に配設させて、
    前記第1流出口を、開口の軸方向を前後方向に略沿う状態として、前記第1閉じ部側の端部と、前記第1閉じ部側の端部の直上における前記第1閉じ部の前記縁の下端と、の間に配置させていることを特徴とするカーテンエアバッグ。
  2. 前記第2閉じ部が、下端の高さ位置を、前記横閉じ部の前記2閉じ部側の端部と同等、若しくは、前記横閉じ部の前記2閉じ部側の端部より下方位置に、配置させて、前記第2流出口の開口の軸方向を上下方向に沿う状態としていることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。
  3. 前記第1流出口と前記第2流出口とが、前記車内側壁部と前記車外側壁部とを重ねて平らに展開した状態で、開口幅寸法を同等としていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のカーテンエアバッグ。
  4. 前記車内側壁部と前記車外側壁部とを重ねて平らに展開した状態で、前記下側受止膨張部における前記横閉じ部と前記周縁部の下縁側との間の幅寸法が、前記第1流出口の開口幅寸法以上としていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  5. 前記第1流出口から流出される膨張用ガスにより膨らむ膨張部位が、前記周縁部における前後方向の端縁に隣接して配設される端側膨張部として、構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
  6. 前記端側膨張部が、前記上側受止膨張部と反対側の前記第1縦閉じ部の裏側まで延設されて、配設されていることを特徴とする請求項5に記載のカーテンエアバッグ。
  7. 前記第1縦閉じ部が、上端を、前記周縁部の上縁から離して配設させて、前記上側受止膨張部からの膨張用ガスを前記端側膨張部へ流し可能な連通口を、配設させていることを特徴とする請求項6に記載のカーテンエアバッグ。
  8. 前記上側受止膨張部と反対側の前記第2縦閉じ部の裏側に、膨張用ガスを流入させて膨張可能な補助膨張部が、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ。
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