JP6769035B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンターなどの印刷装置に関する。
従来から、媒体の搬送方向と交差する幅方向を回転軸方向とするベルトローラーと、ベルトローラーに巻き掛けられた状態で回転することで媒体を搬送する搬送ベルトと、搬送ベルトによって搬送される媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、を備える印刷装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2013−95119号公報
ところで、上記のような印刷装置では、ベルトローラーの駆動に伴って搬送ベルトが円滑に回転するように、搬送ベルトはベルトローラーに巻き掛けられた状態で張力が作用している。
このため、印刷装置を長期間に亘って使用しないことで、搬送ベルト及びベルトローラーの相対的な位置関係が変化しない状態が継続されると、搬送ベルトにおけるベルトローラーに巻き掛けられた部位に巻き癖が生じる場合がある。この場合には、搬送ベルトで媒体を搬送する際に、搬送ベルトにおける巻き癖が生じた部位において媒体の姿勢が変化するため、そうした媒体に対する印刷品質が低下するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。その目的は、搬送ベルトによって搬送される媒体に印刷を行う際に、印刷品質の低下を抑制することができる印刷装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する印刷装置は、媒体の搬送方向と交差する幅方向を回転軸方向として回転する複数のベルトローラーと、前記複数のベルトローラーに巻き掛けられた状態で回転することで、前記搬送方向に前記媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに搬送される前記媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記搬送ベルトが回転されない状態が継続される場合に成立する所定条件が成立した場合に、前記搬送ベルトを回転させる制御部と、を備える。
上記構成によれば、搬送ベルトが回転されない状態が継続されることで所定条件が成立した場合には、搬送ベルトが回転される。このため、搬送ベルトを回転させるまで当該搬送ベルトにおいてベルトローラーに巻き掛けられた部位(以下、「初期巻き掛け部位」とも言う。)がベルトローラーに巻き掛けられなくなる。このため、初期巻き掛け部位がベルトローラーに巻き掛けられた状態が継続されなくなる点で、初期巻き掛け部位における巻き癖の増大を抑制するとともに、初期巻き掛け部位の巻き癖を緩和することができる。その結果、搬送ベルトによって搬送される媒体に印刷を行う際に、印刷品質の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記制御部は、電源投入時に前記所定条件が成立したと判断することが望ましい。
電源投入時には、電源が投入されるまで印刷装置が使用されない点で、搬送ベルトが回転されない状態が継続されている可能性が高い。この点、上記構成では、電源投入時に所定条件が成立したとして、搬送ベルトが回転される。このため、印刷を開始する前に、初期巻き掛け部位における巻き癖の増大を抑制するとともに、初期巻き掛け部位の巻き癖を緩和することができる。
上記印刷装置では、前記制御部は、電源投入後において、前記搬送ベルトが回転されない状態が規定時間に亘って継続されたときに前記所定条件が成立したと判断することが望ましい。
電源投入後であっても、長期間に亘って搬送ベルトが回転されない状態が継続されると、ベルトローラーに巻き掛けられた部位に巻き癖が生じることがある。この点、上記構成では、電源投入後において、搬送ベルトが回転されない状態が規定時間に亘って継続されると所定条件が成立したとして、搬送ベルトが回転される。このため、ベルトローラーに巻き掛けられた部位における巻き癖の増大を抑制するとともに、当該部位の巻き癖を緩和することができる。
上記印刷装置では、前記制御部は、電源投入後において、印刷ジョブが投入されたときに前記所定条件が成立したと判断することが望ましい。
上記構成によれば、印刷ジョブが投入されたときに搬送ベルトが回転される。このため、印刷ジョブに基づく印刷が開始されるまでの間に、印刷ジョブが投入された時点で搬送ベルトにおいてベルトローラーに巻き掛けられている部位における巻き癖の増大を抑制するとともに、当該部位の巻き癖を緩和することができる。
上記印刷装置は、前記搬送ベルトよりも前記搬送方向上流に配置され、回転駆動状態において前記媒体を前記搬送方向下流に搬送する一方、回転停止状態において前記媒体を前記搬送方向下流に搬送しない搬送ローラーを備え、前記制御部は、前記回転停止状態とした前記搬送ローラーに前記媒体の先端が接触することで当該媒体の前記搬送方向に対する傾きが解消された後に、前記搬送ローラーを前記回転駆動状態とする斜行取り動作を行わせるものであり、前記斜行取り動作を開始させる前に、前記搬送ベルトを回転させることが望ましい。
上記構成によれば、斜行取り動作が開始される前に搬送ベルトが回転される。このため、搬送ベルトが媒体を印刷開始位置まで搬送するまでの間に、斜行取り動作が開始される時点で搬送ベルトのベルトローラーに巻き掛けられている部位における巻き癖の増大を抑制するとともに、当該部位の巻き癖を緩和することができる。
上記印刷装置では、前記搬送ベルトにおいて、前記複数のベルトローラーに巻き掛けられている部位を初期巻き掛け部位としたとき、前記制御部は、前記搬送ベルトの回転方向における前記初期巻き掛け部位の位置に応じて、前記搬送ベルトが前記媒体の搬送を開始するベルト搬送開始時期を調整することが望ましい。
初期巻き掛け部位に巻き癖が生じていると、媒体において搬送ベルトの初期巻き掛け部位に搬送される部分は、そうでない部位に搬送される部分と比較して姿勢が不安定となりやすい。このため、前者の媒体の部分に印刷を行うと、印刷品質が低下する場合がある。この点、上記構成によれば、搬送ベルトの回転方向における初期巻き掛け部位の位置に応じてベルト搬送開始時期を調整するため、初期巻き掛け部位の巻き癖が媒体の姿勢に与える影響が小さくなるように当該媒体を搬送することができる。したがって、印刷品質の低下を抑制することができる。
上記印刷装置では、前記搬送ベルトの周回経路において、隣り合う前記初期巻き掛け部位の間隔を基準間隔としたとき、前記制御部は、前記搬送方向における長さが前記基準間隔未満の前記媒体に印刷を行う場合には、前記ベルト搬送開始時期を調整することで、隣り合う前記初期巻き掛け部位の間で前記媒体を搬送させることが望ましい。
上記構成によれば、搬送方向における長さが基準間隔未満の媒体を、隣り合う初期巻き掛け部位の間で搬送することができるため、当該媒体が初期巻き掛け部位に搬送されないようにすることができる。こうして、姿勢の安定した媒体に印刷を行うことができる。
上記印刷装置では、前記搬送ベルトの周回経路において、隣り合う前記初期巻き掛け部位の間隔を基準間隔としたとき、前記制御部は、前記搬送方向における長さが前記基準間隔以上の前記媒体に印刷を行う場合には、前記ベルト搬送開始時期を調整することで、前記搬送ベルトが前記媒体の搬送を開始してから終了するまでに、前記搬送ベルトの前記初期巻き掛け部位が前記媒体の裏面に接触する回数が少なくなるように当該媒体を搬送させることが望ましい。
上記構成によれば、搬送方向における長さが基準間隔以上の媒体を搬送ベルトで搬送する際に、当該搬送ベルトの初期巻き掛け部位が媒体の裏面に接触する回数を少なくすることができる。このため、媒体において初期巻き掛け部位に搬送される部分に印刷が行われる頻度が少なくなる分、印刷品質の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記制御部は、前記媒体に印刷領域及び非印刷領域を前記搬送方向に並ぶように形成する印刷ジョブが投入された場合には、前記ベルト搬送開始時期を調整することで、前記搬送ベルトが前記媒体の搬送を開始してから終了するまでに、前記搬送ベルトの前記初期巻き掛け部位が、前記印刷領域が形成される印刷面の裏面に接触する回数が少なくなるように当該媒体を搬送させることが望ましい。
上記構成によれば、搬送ベルトが媒体の搬送を開始してから終了するまでに、搬送ベルトの初期巻き掛け部位が、印刷領域が形成される印刷面の裏面に接触する回数を少なくすることができる。このため、媒体において初期巻き掛け部位に搬送される部分に印刷が行われる頻度が少なくなる分、印刷品質の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、電源投入後であって前記搬送ベルトを回転させる前の回転位置を初期回転位置としたとき、前記制御部は、前記搬送ベルトの回転を停止させる場合には、当該搬送ベルトを前記初期回転位置とは異なる回転位置で停止させることが望ましい。
搬送ベルトを初期回転位置と同じ回転位置で停止させると、初期巻き掛け部位の巻き癖が増大したり、初期巻き掛け部位の巻き癖が緩和できなくなったりするおそれがある。上記構成では、搬送ベルトを停止する場合には、搬送ベルトを初期回転位置とは異なる回転位置で停止させるため、上記事態を回避することができる。
上記印刷装置は、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向における上流側に配置され、前記搬送ベルトの外面を押圧する押圧部を備えることが望ましい。
上記構成によれば、押圧部が搬送ベルトを押圧することで、搬送ベルトの浮き上がりを抑制することができる。このため、初期巻き掛け部位に巻き癖が生じていたとしても、当該初期巻き掛け部位の浮き上がりを抑制することができる。
上記印刷装置において、前記搬送ベルトは、前記媒体を静電吸着した状態で搬送するものであり、前記押圧部は、前記搬送ベルトの外面に静電吸着された前記媒体の印刷面に接触することで、前記媒体の印刷面から電荷を除去する除電部であることが望ましい。
上記構成によれば、除電部(押圧部)によって、媒体の印刷面から電荷を除去することで、搬送ベルトによる媒体に対する静電吸着力の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記除電部の前記搬送ベルトに対する接触圧は調整可能であることが望ましい。
上記構成によれば、媒体に印刷を行う場合など当該媒体の印刷面から電荷を除去する必要がある場合には接触圧を高くする一方、媒体に印刷を行わない場合など当該媒体の印刷面から電荷を除去する必要がない場合には接触圧を低くすることができる。このため、媒体の印刷面を除電する必要がない場合に、接触圧が高い状態が継続されることで、除電部が劣化(例えば、変形)することを抑制することができる。
上記印刷装置において、前記押圧部は、前記幅方向を回転軸方向とする押圧ローラーであることが望ましい。
上記構成によれば、媒体の搬送に伴って押圧ローラーを回転させることができるため、押圧部を回転しない構成とする場合に比較して、媒体及び押圧ローラーの摩擦を低減することができる。このため、媒体の表面に傷が付きにくくすることができる。
一実施形態に係る印刷装置の概略構成を示す側面図。 上記印刷装置の静電搬送部の概略構成を示す側面図。 搬送ベルトによる媒体の静電吸着の様子を模式的に示す側面図。 上記印刷装置の電気的構成を示すブロック図。 搬送ベルトに巻き癖が発生した静電搬送部の概略構成を示す側面図。 搬送方向における長さが短い媒体を搬送する様子を示す模式図。 搬送方向における長さが長い媒体を搬送する様子を示す模式図。 印刷領域と非印刷領域とを搬送方向に並ぶように形成する印刷ジョブに基づく印刷時において、搬送方向における長さが長い媒体を搬送する様子を示す模式図。 変形例に係る静電搬送部の概略構成を示す側面図。
以下、印刷装置の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態の印刷装置は、用紙などの媒体にインクを吐出することで、文字や画像を形成するインクジェットプリンターである。
図1に示すように、本実施形態の印刷装置10の筐体11内には、媒体Mを搬送経路に沿って搬送する搬送装置20と、搬送されている媒体Mに印刷を行う印刷ユニット30と、が設けられている。図1において紙面と直交する方向を媒体Mの幅方向Xとした場合、搬送経路は、媒体Mの幅方向Xと交差(直交)する方向に媒体Mを搬送するように形成されている。
なお、以降の説明では、媒体Mが搬送される方向を「搬送方向Y」とし、鉛直方向を「鉛直方向Z」とする。ここで、搬送方向Yは幅方向Xと交差(直交)する方向であり、鉛直方向Zは幅方向Xと交差(直交)する方向である。また、搬送方向Yの反対方向を搬送方向上流とも言い、搬送方向Yを搬送方向下流とも言う。
印刷ユニット30は、媒体Mの幅方向Xの略全域に亘って色材の一例であるインクを同時に吐出可能なラインヘッド型の印刷ヘッド31を備えている。そして、この印刷ヘッド31に形成されたノズル32(図2参照)から吐出されたインクが媒体Mに付着することにより、媒体Mの印刷面に対する印刷が行われる。因みに、複数色のインクを吐出可能な印刷ヘッド31においては、同色のインクを吐出する複数のノズル32からなるノズル列が幅方向Xに形成され、異色のインクを吐出するノズル列が搬送方向に並ぶように形成される。
搬送装置20は、印刷済みの媒体Mを筐体11外に排出する排出機構部40と、印刷前の媒体Mを搬送経路に沿って給送する給送機構部50と、を備えている。ここで、排出機構部40は搬送方向下流側に設けられ、給送機構部50は搬送方向上流側に設けられている。
排出機構部40は、搬送経路に沿って配置されている複数の排出ローラー41,42,43,44,45を有している。排出ローラー41〜45は、回転駆動することで媒体Mに搬送力を付与する駆動ローラー46と、媒体Mの搬送に伴って従動回転する従動ローラー47と、をそれぞれ備えている。駆動ローラー46及び従動ローラー47は、幅方向Xを回転軸方向とし、従動ローラー47は駆動ローラー46に向けて付勢されている。また、駆動ローラー46の幅方向Xと交差する断面形状は円形とされる一方、従動ローラー47の幅方向Xと交差する断面形状は略星形とされている。すなわち、従動ローラー47は、媒体Mの印刷が行われた面に接するローラーであるため、当該面に対する接触面積ができるだけ小さくなるような形態とされている。
そして、排出機構部40によって搬送される媒体Mは、筐体11に形成されている排出口48から筐体11外に排出される。つまり、この排出口48が、搬送経路の下流端、すなわち搬送経路の最下流となっている。そして、排出口48から排出された媒体Mは、図1に二点鎖線で示すように、載置台49上に積層状態で載置される。
給送機構部50は、第1の媒体供給部51と、第2の媒体供給部52と、第3の媒体供給部53と、静電搬送部70と、を備えている。第1の媒体供給部51、第2の媒体供給部52及び第3の媒体供給部53は静電搬送部70に向けて媒体Mを搬送し、静電搬送部70は排出機構部40に向けて媒体Mを搬送する。
筐体11の一側面(図1では右側面)には開閉可能なカバー12が設けられており、このカバー12が開放されることにより挿入口13が露出される。第1の媒体供給部51は、挿入口13から筐体11内に挿入された媒体Mを挟持する第1の給送ローラー54を備えている。そして、この第1の給送ローラー54の回転によって、媒体Mが静電搬送部70に向けて搬送される。
また、筐体11の下部には、印刷前の媒体Mが積層状態でセットされる給送カセット55が設けられている。第2の媒体供給部52は、給送カセット55から媒体Mを給送するための供給部である。すなわち、第2の媒体供給部52は、給送カセット55内の最上位の媒体Mを給送カセット55外に送り出すピックアップローラー56と、複数枚の媒体Mが重なって搬送されることを抑制する分離ローラー57と、分離ローラー57を通過した1枚の媒体Mを挟持する第2の給送ローラー58と、を備えている。そして、ピックアップローラー56、分離ローラー57及び第2の給送ローラー58の回転によって、媒体Mが静電搬送部70に向けて搬送される。
第3の媒体供給部53は、媒体Mの両側の面に印刷する両面印刷を行うときに、片側の面が印刷済みとなった媒体Mを、再び静電搬送部70に導くための供給部である。第3の媒体供給部53は、静電搬送部70よりも搬送方向下流において、排出口48に至る第1の搬送路61又は当該第1の搬送路61から分岐する第2の搬送路62に、媒体Mの搬送経路を切り替える分岐機構64を備えている。また、第3の媒体供給部53において、第2の搬送路62には分岐搬送ローラー65が設けられ、第2の搬送路62から分岐する第3の搬送路63には複数の反転搬送ローラー66が設けられている。
そして、両面印刷を行う場合、片側の面が印刷済みとなった媒体Mは、静電搬送部70から分岐機構64によって第2の搬送路62に導かれる。このとき、分岐搬送ローラー65の正方向への回転によって、媒体Mが搬送方向下流に搬送される。そして、媒体Mの後端が第2の搬送路62に導かれると、分岐搬送ローラー65が逆方向に回転され、媒体Mが逆方向に搬送される。すると、媒体Mは、図1において印刷ユニット30よりも上方に位置する第3の搬送路63に導かれ、複数の反転搬送ローラー66の回転によって、媒体Mが第3の搬送路63に沿って搬送される。これにより、媒体Mが、静電搬送部70よりも搬送方向上流で第1の搬送路61に合流され、当該媒体Mが静電搬送部70に再び導かれる。
このように静電搬送部70に媒体Mが再び導かれると、印刷済みとなった面が静電搬送部70に接触し、印刷されていない面が印刷ヘッド31に対向することとなる。なお、以降の説明では、媒体Mの両面のうち、静電搬送部70に接触する面のことを「裏面Ma」とも言い、裏面Maの反対側の面を「印刷面Mb」とも言う。
また、本実施形態の印刷装置10では、第3の媒体供給部53により、媒体Mの両面のうち第1の面を印刷面Mbとした印刷が終了した後に、第2の面が印刷面Mbとなるように、媒体Mの表裏を反転させて当該媒体Mを静電搬送部70に導く「反転機構」が構成される。
次に、図2を参照し、静電搬送部70とその周辺部材の構成について説明する。
図2に示すように、静電搬送部70には、印刷ヘッド31よりも搬送方向上流に第1のベルトローラー71が配置され、印刷ヘッド31よりも搬送方向下流に第2のベルトローラー72が配置されている。第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72は、幅方向Xを回転軸方向としている。また、第1のベルトローラー71は、不図示の駆動源に接続され回転駆動可能なローラーであり、第2のベルトローラー72は、駆動源に接続されない回転駆動不能なローラーである。
そして、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72には、無端状(環状)の搬送ベルト73が巻き掛けられている。搬送ベルト73は、弾性を有するゴム材料又は樹脂材料によって構成されている。ここで、図2に白抜矢印で示すように、第2のベルトローラー72は、第1のベルトローラー71から離れる方向(図中左方)に付勢されている。このため、搬送ベルト73には、第2のベルトローラー72によって、搬送ベルト73の回転方向に張力が作用している。
また、本実施形態では、搬送方向Yにおける搬送ベルト73の中間位置P1よりも搬送方向下流の位置に印刷ヘッド31が配置されている。詳しくは、印刷ヘッド31の搬送方向Yにおける中央位置、すなわち、印刷ヘッド31のノズル形成領域の搬送方向Yにおける中央位置P2が、搬送ベルト73の中間位置P1よりも搬送方向下流に位置している。
そして、第1のベルトローラー71が回転駆動されることにより、搬送ベルト73が回転し、媒体Mが搬送方向Yに搬送される。なお、搬送ベルト73が媒体を搬送する際には、搬送ベルト73の外面が、媒体Mの裏面Maに接触し当該媒体Mを支持する支持面として機能する。
以降の説明では、搬送ベルト73において第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に接触する面を「内面73a」とし、搬送ベルト73において媒体Mを支持する際に媒体Mの裏面Maに接触する面を「外面73b」とする。また、搬送ベルト73が回転する際に当該搬送ベルト73が移動する経路を「周回経路」とも言う。
図2に示すように、印刷ヘッド31の直下であって搬送ベルト73の周回経路の内側には、搬送ベルト73の内面に接触することで当該搬送ベルト73を支持するバックアッププレート74が設けられている。バックアッププレート74は、例えば、金属などの導電性材料から構成されるとともに、接地されていることが望ましい。また、図2に白抜矢印で示すように、バックアッププレート74は、当該搬送ベルト73を印刷ヘッド31側に付勢している。このため、搬送ベルト73には、バックアッププレート74によって、搬送ベルト73の回転方向に張力が作用している。こうした点で、本実施形態では、バックアッププレート74が「ベルト支持部」の一例に相当する。
図2に示すように、搬送ベルト73の鉛直下方には、搬送ベルト73の外面73bを払拭する払拭部75が設けられている。払拭部75は、搬送ベルト73の外面73bに接触するクリーニングブレード76と、クリーニングブレード76を支持するブレード支持部77と、を備えている。
クリーニングブレード76は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどの樹脂材料からなり、幅方向Xにおいて搬送ベルト73と略同様の長さを有している。ブレード支持部77は、クリーニングブレード76が第1のベルトローラー71と第2のベルトローラー72との間で巻き掛けられた搬送ベルト73の外面73bを当該搬送ベルト73の内側に向かって付勢できるように、クリーニングブレード76を支持している。そして、払拭部75は、搬送ベルト73の回転に伴う当該搬送ベルト73の外面73bとの摺動によって、搬送ベルト73の周回経路のうち媒体Mの搬送経路ではない経路において、搬送ベルト73の外面73bを払拭する。
なお、ブレード支持部77は、搬送ベルト73との間隔を変更すべく、昇降可能としてもよい。これによれば、搬送ベルト73に対するクリーニングブレード76の接触圧を変化させたり、搬送ベルト73にクリーニングブレード76を接触しない状態としたりすることができる。
また、払拭部75と搬送ベルト73を挟んで向かい合う位置には、払拭部75とともに搬送ベルト73を挟持する挟持部78が設けられている。挟持部78は、払拭部75に付勢された搬送ベルト73の内面73aに接触した状態で、当該内面73aに沿うように設けられている。このため、払拭部75による搬送ベルト73の払拭時には、挟持部78は払拭部75とともに搬送ベルト73を幅方向Xに亘って挟持することとなる。
図2に示すように、搬送ベルト73よりも搬送方向上流には、第1の媒体供給部51、第2の媒体供給部52又は第3の媒体供給部53から供給された媒体Mを搬送ベルト73に向かって搬送する供給ローラー81が設けられている。供給ローラー81は、駆動回転することで媒体Mに搬送力を付与する駆動ローラー82と、搬送される媒体Mに接触することで従動回転する従動ローラー83と、を備えている。従動ローラー83は、駆動ローラー82に向けて付勢されている。また、駆動ローラー82及び従動ローラー83は、幅方向Xを回転軸方向とし、幅方向Xと交差する断面形状が円形とされている。
そして、供給ローラー81は、回転駆動状態において前記媒体Mを搬送方向下流に搬送する一方、回転停止状態において媒体Mを搬送方向Yに搬送しない。詳しくは、回転停止状態の供給ローラー81においては、駆動ローラー82及び従動ローラー83が媒体Mを挟持した状態で駆動ローラー82が回転駆動されることで、媒体Mが搬送方向に搬送される。一方、回転停止状態においては、駆動ローラー82が回転されないことで、媒体Mが搬送方向Yに搬送されない。さらに、回転停止状態においては、駆動ローラー82及び従動ローラー83の間に媒体Mが通過する隙間が形成されないため、搬送方向上流から搬送方向Yに媒体Mを搬送しようとしても、当該媒体Mの搬送が制限される。
図2に示すように、第1のベルトローラー71よりも搬送方向上流(図中右側)には、帯電部の一例である帯電ローラー84が設けられている。帯電ローラー84は、幅方向Xを回転軸方向とし、搬送ベルト73の外面73bに接触している。また、帯電ローラー84には、当該帯電ローラー84に直流電圧を印加する電源装置85が接続されている。
そして、第1のベルトローラー71の回転が搬送ベルト73を通じて帯電ローラー84に伝達されることにより、帯電ローラー84が第1のベルトローラー71に対して従動回転する。このとき、帯電ローラー84は、搬送ベルト73の外面73bにおいて帯電ローラー84に接触している部位に電荷を供給する。なお、本実施形態の印刷装置10では、帯電ローラー84は搬送ベルト73に正の電荷を供給し、搬送ベルト73の外面73bを正の電荷で帯電させる。
また、印刷ヘッド31よりも搬送方向上流(図中右側)には、静電搬送部70に搬送された媒体Mを搬送ベルト73に押し付けるサポートローラー86が設けられている。サポートローラー86は、例えば、金属などの導電材料で構成されるとともに、接地されている。そして、第1のベルトローラー71の回転が搬送ベルト73を通じてサポートローラー86に伝達されることにより、サポートローラー86が第1のベルトローラー71に対して従動回転する。
図2に示すように、搬送方向Yにおいて、サポートローラー86と印刷ヘッド31との間には、除電装置90が設けられている。除電装置90は、搬送ベルト73に向かって突出するブラシ91を有する除電部92と、搬送ベルト73(媒体M)に対する除電部92の接触圧を調整する稼動部93と、を備えている。
ブラシ91は、媒体Mから電荷を除去できる材質(例えば、導電性ナイロンなどの樹脂材料)で形成すればよく、糸状のブラシであればよい。また、本実施形態では、ブラシ91は、搬送ベルト73(媒体M)に接触したときの当該搬送ベルト73(媒体M)に対する接触圧が幅方向Xにおいて一様になるように形成されている。
稼動部93は、例えば、ソレノイドなど、除電部92を直線移動させることのできる機構を有する。そして、稼動部93は、図2に両方向矢印で示すように除電部92の位置を変更することで、除電部92の搬送ベルト73(媒体M)に対する接触圧を調整する。例えば、稼動部93は、媒体Mの印刷面Mbを除電する必要がある場合には、搬送ベルト73の外面が撓む程度の接触圧で除電部92を搬送ベルト73に接触させる。一方、稼動部93は、媒体の印刷面Mbを除電する必要のないときは除電部92が搬送ベルト73から退避させる。このように、本実施形態の除電部92は、搬送ベルト73に対して圧力(接触圧)を発生させる点で、搬送ベルト73の外面を押圧する「押圧部」であると言うこともできる。
なお、図2に示すように、以上説明した除電装置90(除電部92)は、印刷ヘッド31よりも搬送方向上流側に配置されている。このため、上述した払拭部75は、搬送ベルト73の回転方向において、除電装置90(除電部92)から見て印刷ヘッド31とは反対側に設けられていると言えるし、帯電ローラー84は、搬送ベルト73の回転方向において、払拭部75及び除電部92の間に設けられていると言える。さらに、除電部92と搬送ベルト73を挟んで対向する位置を「対向位置FP」とすれば、上述したバックアッププレート74は、対向位置FP及び対向位置FPの搬送方向下流の位置に設けられていると言える。
次に、図3を参照し、搬送ベルト73による媒体Mの静電吸着について詳しく説明する。
図3に示すように、搬送ベルト73は、環状をなす導電層731と、この導電層731の外側に形成された環状の絶縁層732と、を有している。この絶縁層732は、導電層731よりも電気抵抗が大きくなるように構成されている。なお、絶縁層732の外面は搬送ベルト73の外面73bであり、導電層731の内面は搬送ベルト73の内面73aである。
第1のベルトローラー71の回転によって搬送ベルト73が回転されると、帯電ローラー84が従動回転することにより、搬送ベルト73の外面73b側、すなわち絶縁層732の外面側に正の電荷(+)が帯電し、絶縁層732の内面側に負の電荷(−)が帯電する。
そして、搬送ベルト73の外面73bにサポートローラー86によって媒体Mが押し付けられると、媒体Mが搬送ベルト73に密接し、媒体Mの内部で分極が起こる。つまり、媒体Mの裏面Ma側に負の電荷が帯電する一方、媒体Mの裏面Maの反対側となる印刷面Mb側に正の電荷が帯電する。その後、媒体Mの印刷面Mb側に帯電した正の電荷は、当該印刷面Mbに接触する除電部92(ブラシ91)によって除去されることで、搬送ベルト73による媒体Mに対する静電吸着力が発生する。
すなわち、本実施形態のように、搬送ベルト73を正の電荷のみで帯電(DC帯電)させる場合には、搬送ベルト73を正の電荷及び負の電荷を交互に帯電(AC帯電)させる場合と異なり、媒体Mの印刷面Mb側において搬送方向Yに隣り合う領域同士が同極の電荷で帯電しているため、当該隣り合う領域同士で電荷が自然に中和されることがない。このため、媒体Mの印刷面Mbにおける電荷を除去した後に、搬送ベルト73による媒体Mに対する静電吸着力が発生する。
その一方で、搬送ベルト73が回転されると、搬送ベルト73の導電層731及びバックアッププレート74が摺接することで、搬送ベルト73の導電層731が意図せずに摩擦帯電する場合がある。この場合には、導電層731の帯電態様が絶縁層732の帯電態様に影響を与えることで、搬送ベルト73の外面73bにおける正の電荷量が減少するおそれがある。
この点、本実施形態の印刷装置10では、バックアッププレート74が接地されているため、導電層731が摩擦帯電することが抑制される。したがって、搬送ベルト73において、導電層731の帯電態様が搬送ベルト73による媒体Mに対する静電吸着力に影響を与えることが抑制される。
こうして、本実施形態では、搬送ベルト73が媒体Mを静電吸着した状態で当該搬送ベルト73が回転することにより、媒体Mが搬送方向Yに向かって搬送される。
次に、図4を参照して、印刷装置10の電気的構成について説明する。なお、図4では、説明理解の容易のために、本実施形態の印刷装置10の作用効果を説明するにあたって要部となる構成に限って図示している。
図4に示すように、印刷装置10は、各構成を統括的に制御する制御部100を備えている。そして、制御部100の出力側インターフェースには、印刷ヘッド31、電源装置85、第1のベルトローラー71、供給ローラー81を構成する駆動ローラー82、排出ローラー41を構成する駆動ローラー46及び稼動部93が接続されている。
そして、制御部100は、搬送ベルト73などの媒体Mの搬送に係る構成部材を駆動することで、媒体Mを搬送方向Yに搬送させ、印刷ヘッド31の駆動を制御することで、媒体Mにインクを吐出させる。こうして、搬送方向Yに搬送される媒体Mの印刷面Mbに印刷が行われる。
また、制御部100は、電源装置85の駆動を制御することで、帯電ローラー84に印加する直流電圧の大きさを変更させる。例えば、帯電ローラー84に印加する直流電圧を高くすると、当該帯電ローラー84によって帯電される搬送ベルト73及び当該搬送ベルト73によって帯電される媒体Mに帯電する電荷もまた多くなる。その結果、搬送ベルト73による媒体Mに対する静電吸着力が高くなる。すなわち、制御部100は、電源装置85の駆動を制御することで、帯電ローラー84の帯電する電荷の量を調整し、搬送ベルト73による媒体Mに対する静電吸着力を変化させる。
また、制御部100は、供給ローラー81と、当該供給ローラー81に媒体Mを搬送する第1の媒体供給部51、第2の媒体供給部52又は第3の媒体供給部53と、の駆動を制御して、搬送ベルト73に搬送する媒体Mの傾きを解消する斜行取り動作を行わせる。
詳しくは、制御部100は、第1の媒体供給部51、第2の媒体供給部52又は第3の媒体供給部53に媒体Mを搬送方向Yに向けて搬送させた状態で、供給ローラー81を回転停止状態とする。こうして、媒体Mの先端が供給ローラー81を構成する駆動ローラー82及び従動ローラー83に接触してから、媒体Mが搬送方向Yにさらに搬送されることで、媒体Mが搬送方向Yに対して傾いている場合には当該傾きが解消される。その後、制御部100は、供給ローラー81を回転駆動状態とすることで、斜行が解消された媒体Mの搬送ベルト73に向かう搬送を許容する。こうした点で、本実施形態では、供給ローラー81が「搬送ローラー」の一例に相当している。
さて、図2に示すように、本実施形態の印刷装置10は、第1のベルトローラー71の駆動に伴って、搬送ベルト73が円滑に回転するように、当該搬送ベルト73は、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に張力が作用した状態で巻き掛けられている。このため、印刷装置10を長期間に亘って使用しないことで、搬送ベルト73と、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72との相対的な位置関係が変化しない状態が継続されると、搬送ベルト73において第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられた部位に巻き癖が生じる場合がある。
図5は、搬送ベルト73と、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72の相対的な位置関係が変化しない状態が継続された後に、搬送ベルト73を僅かに回転させた状態を示している。図5に示すように、搬送ベルト73において第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられた部位には、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72の外形形状に合わせて膨らむような巻き癖が生じる場合がある。
なお、以降の説明では、搬送ベルト73において、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられている部位を「巻き掛け部位WP」とし、印刷装置10の電源投入時における巻き掛け部位WPを「初期巻き掛け部位WP1」とする。
そして、初期巻き掛け部位WP1が生じた場合には、搬送ベルト73で媒体Mを搬送する際に初期巻き掛け部位WP1で媒体Mが搬送されると、媒体Mが初期巻き掛け部位WP1によって搬送経路から浮き上がることとなる。この場合には、姿勢が変化した媒体Mに対して吐出されるインクが本来とは異なる位置に着弾することで、印刷品質が低下するおそれがある。また、搬送経路から浮き上がった媒体Mが印刷ヘッド31に接触するおそれがある。
そこで、本実施形態において、制御部100は、搬送ベルト73が回転されない状態が継続される場合に成立する所定条件が成立した場合には、搬送ベルト73を回転させることとした。なお、搬送ベルト73の回転態様としては、搬送ベルト73の回転位置を、印刷装置10を使用していない状態における搬送ベルト73の回転位置(以下、「初期回転位置」とも言う。)と異なる回転位置となるように、搬送ベルト73を所定量(例えば、3分の1回転)だけ回転させるものであればよい。また、搬送ベルト73の回転態様としては、搬送ベルト73を回転させ続けるものであってもよい。すなわち、初期巻き掛け部位WP1が第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛られた状態が継続されないようにすればよい。
なお、本実施形態における搬送ベルト73は、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられることにより初期巻き掛け部位WP1に作用する荷重を除荷することで、初期巻き掛け部位WP1に生じる巻き癖が時間の経過とともに次第に緩和するものであるとする。
また、所定条件が成立する場合としては、例えば、以下に示すような場合を挙げることができる。
まず、印刷装置10の電源が投入されるときには、当該電源が投入されるまで印刷装置10が使用されないため、搬送ベルト73が回転されない状態が継続されている可能性が高い。すなわち、搬送ベルト73において初期巻き掛け部位WP1に巻き癖が発生している可能性が高い。そこで、本実施形態において、制御部100は、印刷装置10の電源が投入されたときに所定条件が成立したと判断する。
また、印刷装置10の電源が投入された後であっても、長期間に亘って搬送ベルト73が回転されない状態が継続される場合には、搬送ベルト73において初期巻き掛け部位WP1に巻き癖が発生する可能性がある。そこで、本実施形態において、制御部100は、印刷装置10の電源投入後に搬送ベルト73が回転されない状態が規定時間に亘って継続されたときに所定条件が成立したと判断する。なお、規定時間は、搬送ベルト73の回転を停止してからの経過時間に対する巻き掛け部位WPの巻き癖の増大量に応じて決定すればよいが、一例として、10分としてもよいし、1時間としてもよい。
また、例えば、搬送ベルト73の材質によっては、搬送ベルト73の巻き掛け部位WPにおける巻き癖が付きやすい一方で、当該巻き掛け部位WPに作用する力を除荷したときに巻き癖が緩和しやすいことがある。
この場合には、直近の搬送ベルト73の回転が停止されてから、印刷ジョブに基づく印刷が開始されるまでの間に、巻き掛け部位WPにおいて巻き癖が発生する場合がある。そこで、本実施形態において、制御部100は、こうした巻き癖を緩和すべく、印刷装置10の電源が投入された後であって、印刷ジョブが投入されたときに所定条件が成立したと判断してもよい。なお、この場合には、印刷ジョブが投入されてから、印刷ジョブに基づく印刷が開始される前までに、搬送ベルト73が回転されることとなる。
その一方で、印刷装置10において、媒体Mに対する印刷が終了する際に、初期巻き掛け部位WP1が第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられた状態で、電源がオフにされると、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖が緩和されないばかりか、当該巻き癖が増大するおそれがある。
そこで、本実施形態において、制御部100は、搬送ベルト73の回転を停止させる場合には、当該搬送ベルト73を初期回転位置とは異なる回転位置で停止させる。すなわち、本実施形態の制御部100は、初期回転位置を記憶するとともに、第1のベルトローラー71の回転位置が初期回転位置に位置しているか否かを判断するものとする。
また、上述したように、媒体Mにおいて、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1に搬送される部分は、そうでない部位に搬送される部分と比較して搬送経路から浮き上りやすい。そこで、本実施形態の制御部100は、搬送ベルト73の回転方向における初期巻き掛け部位WP1の位置に応じて、搬送ベルト73が媒体Mの搬送を開始するベルト搬送開始時期を調整することとした。なお、ベルト搬送開始時期は、供給ローラー81を回転停止状態から回転駆動状態へと切り替えるタイミングを制御することで調整される。
続いて、図6〜図8を参照して、ベルト搬送開始時期の調整方法の具体例について説明する。なお、図6〜図8には、搬送ベルト73の回転に伴って連続的に形成される搬送経路及び媒体Mの経時的な位置関係が示してある。また、図6〜図8では、説明理解の容易のために、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖を強調して図示している。
図6〜図8に示すように、搬送ベルト73は回転することで媒体Mを搬送方向Yに搬送するため、搬送ベルト73の周回経路であって媒体Mの搬送経路を構成する経路には、搬送ベルト73の回転に伴って、初期巻き掛け部位WP1が周期的に現れる。詳しくは、本実施形態のように、搬送ベルト73が第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられている場合、第1のベルトローラー71に対応する初期巻き掛け部位WP1と、第2のベルトローラー72に対応する初期巻き掛け部位WP1とが交互に周期的に現れる。ここで、搬送ベルト73の周回経路において、隣り合う初期巻き掛け部位WP1の間隔を「基準間隔DW」とする。
因みに、本実施形態では、バックアッププレート74で搬送ベルト73を押圧する関係で、搬送ベルト73の回転方向において、一方の初期巻き掛け部位WP1から他方の初期巻き掛け部位WP1までの基準間隔DWが、他方の初期巻き掛け部位WP1から一方の初期巻き掛け部位WP1までの基準間隔DWよりも長くなる。ただし、以降の説明では、説明理解の容易のために、搬送ベルト73の回転方向において、一方の初期巻き掛け部位WP1から他方の初期巻き掛け部位WP1までの基準間隔DWと、他方の初期巻き掛け部位WP1から一方の初期巻き掛け部位WP1までの基準間隔DWと、が等しいものとする。
さて、図6の上側に2点鎖線で示すように、搬送方向Yにおける長さが基準間隔DW未満の媒体Mに印刷を行うときに、媒体Mの一部が初期巻き掛け部位WP1に支持されるように当該媒体Mを搬送ベルト73で搬送すると、媒体Mの一部が搬送経路から浮き上がることとなる。そこで、本実施形態において、制御部100は、図6の下側に実線で示すように、媒体Mの搬送方向Yにおける長さが基準間隔DW未満であるときには、ベルト搬送開始時期を調整することで、搬送方向Yにおいて隣り合う初期巻き掛け部位WP1の間で媒体Mを搬送させる。
また、図7に実線及び2点鎖線で示すように、搬送方向Yにおける長さが基準間隔DW以上の媒体Mに印刷を行う場合には、ベルト搬送開始時期によっては、搬送ベルト73が媒体Mの搬送を開始してから終了するまでに、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が媒体Mの裏面に接触する回数が異なることがある。そして、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が媒体Mの裏面に接触する回数が多くなると、媒体Mにおいて搬送経路から浮き上がる部分が多くなりやすい。
そこで、本実施形態において、制御部100は、ベルト搬送開始時期を調整することで、搬送ベルト73が媒体Mの搬送を開始してから終了するまでに、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が媒体Mの裏面Maに接触する回数が少なくなるように当該媒体Mを搬送させる。図7に示す例によれば、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が媒体Mの裏面Maに接触する回数が3回から2回に減少される。
また、図8に実線及び2点鎖線で示すように、印刷装置10に投入される印刷ジョブによっては、媒体Mに印刷領域PA1及び非印刷領域PA2を搬送方向Yに並ぶように形成する印刷を行う場合がある。この場合には、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が媒体Mの裏面Maに接触する回数に関わらず、印刷領域PA1における印刷品質の低下を抑制するために、印刷領域PA1が形成される媒体Mの部分の裏面Maと初期巻き掛け部位WP1との接触を避けることが望ましい。言い換えれば、印刷領域PA1が形成される媒体Mの部分が初期巻き掛け部位WP1に搬送されないことが望ましい。
そこで、本実施形態において、制御部100は、上記印刷ジョブの投入時には、ベルト搬送開始時期を調整することで、搬送ベルト73が媒体Mの搬送を開始してから終了するまでに、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が、印刷領域PA1が形成される印刷面Mbの裏面Maに接触する回数が少なくなるように媒体Mを搬送させる。図8に示す例によれば、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が、印刷領域PA1が形成される印刷面Mbの裏面Maに接触する回数が2回から0(零)回に減少される。
次に、本実施形態の印刷装置10の作用について説明する。
さて、本実施形態の印刷装置10は、電源が投入されると、搬送ベルト73が回転される。このため、印刷ジョブが投入され、当該印刷ジョブに基づく印刷が開始されるまでの間、初期巻き掛け部位WP1が、第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられなくなる。これにより、初期巻き掛け部位WP1に巻き癖が発生していた場合には、印刷ジョブに基づく印刷が開始されるまでに当該巻き癖が緩和され、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖に起因する印刷品質の低下が抑制される。
また、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1における巻き癖が完全に緩和しない状態で、印刷が開始される場合であっても、搬送ベルト73における初期巻き掛け部位WP1の位置に応じて、媒体Mが搬送ベルト73に供給されるタイミング(ベルト搬送開始時期)が調整される。このため、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1によって、媒体Mの印刷品質が低下することが抑制される。
そして、印刷が終了すると、搬送ベルト73が初期回転位置とは異なる回転位置で停止される。こうして、初期巻き掛け部位WP1が第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられることがなく、初期巻き掛け部位WP1における巻き癖の増大が抑制される。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)搬送ベルト73が回転されない状態が継続される場合に成立する所定条件が成立した場合には、搬送ベルト73を回転させるため、初期巻き掛け部位WP1が第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられなくなる。このため、初期巻き掛け部位WP1が第1のベルトローラー71及び第2のベルトローラー72に巻き掛けられた状態が継続されなくなる点で、初期巻き掛け部位WP1における巻き癖の増大を抑制するとともに、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖を緩和することができる。その結果、搬送ベルト73によって搬送される媒体Mに印刷を行う際に、印刷品質の低下を抑制することができる。
(2)電源投入時には、電源が投入されるまで印刷装置10が使用されない点で、搬送ベルト73が回転されない状態が継続されている可能性が高い。この点、本実施形態では、電源投入時に所定条件が成立したとして、搬送ベルト73が回転される。このため、印刷を開始する前に、初期巻き掛け部位WP1における巻き癖の増大を抑制するとともに、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖を緩和することができる。
(3)電源投入後であっても、印刷が行われず、長期間に亘って搬送ベルト73が回転されない状態が継続されると、巻き掛け部位WPに巻き癖が生じることがある。この点、本実施形態では、電源投入後において、搬送ベルト73が回転されない状態が規定時間に亘って継続されると所定条件が成立したとして、搬送ベルト73が回転される。このため、搬送ベルト73が回転されなくなった時点の巻き掛け部位WPにおける巻き癖の増大を抑制するとともに、当該部位の巻き癖を緩和することができる。
(4)印刷ジョブが投入されたときに搬送ベルト73を回転させるため、印刷ジョブに基づく印刷が開始されるまでの間に、印刷ジョブが投入された時点の巻き掛け部位WPにおける巻き癖の増大を抑制するとともに、当該巻き掛け部位WPの巻き癖を緩和することができる。
(5)初期巻き掛け部位WP1に巻き癖が生じていると、媒体Mにおいて搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1に搬送される部分は、そうでない部位に搬送される部分と比較して姿勢が不安定となりやすい。このため、前者の媒体Mの部分に印刷を行うと、印刷品質が低下しやすい。この点、本実施形態によれば、搬送ベルト73の回転方向における初期巻き掛け部位WP1の位置に応じて、ベルト搬送開始時期を調整するため、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖が媒体Mの姿勢に与える影響を小さくなるように当該媒体Mを搬送することができる。したがって、印刷品質の低下を抑制することができる。
(6)搬送方向Yにおける長さが基準間隔DW未満の媒体Mに印刷を行う場合には、ベルト搬送開始時期を調整することで、隣り合う初期巻き掛け部位WP1の間で媒体Mを搬送させることとした。このため、姿勢の安定した媒体Mに印刷を行うことができる。
(7)搬送方向Yにおける長さが基準間隔DW以上の媒体Mに印刷を行う場合には、ベルト搬送開始時期を調整することで、搬送ベルト73が媒体Mの搬送を開始してから終了するまでに、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が媒体Mの裏面に接触する回数が少なくなるように当該媒体Mが搬送される。このため、媒体Mにおいて初期巻き掛け部位WP1に支持される部分に印刷が行われる頻度が少なくなる分、印刷品質の低下を抑制することができる。
(8)媒体Mに印刷領域PA1及び非印刷領域PA2を搬送方向Yに並ぶように形成する印刷ジョブが投入された場合には、搬送ベルト73の初期巻き掛け部位WP1が媒体Mの印刷領域PA1が形成される印刷面Mbの裏面に接触する回数が少なくなるように当該媒体Mを搬送させることとした。このため、媒体Mにおいて初期巻き掛け部位WP1に支持される部分に印刷が行われる頻度が少なくなる分、印刷品質の低下を抑制することができる。
(9)搬送ベルト73を初期回転位置と同じ回転位置で停止させると、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖が増大したり、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖を緩和できなったりするおそれがある。本実施形態では、搬送ベルト73を停止する場合には、搬送ベルト73を初期回転位置とは異なる回転位置で停止させるため、上記事態を回避することができる。
(10)本実施形態によれば、押圧部の一例としての除電部92が搬送ベルト73を押圧することで、搬送ベルト73の浮き上がりを抑制することができる。このため、初期巻き掛け部位WP1に巻き癖が生じていたとしても、当該初期巻き掛け部位WP1のバックアッププレート74からの浮き上がりを抑制することができる。
(11)また、押圧部が除電部92を兼ねるため、装置構成を簡略化するとともに、媒体Mの印刷面Mbから電荷を除去することで、搬送ベルト73による媒体Mに対する静電吸着力の低下を抑制することができる。
(12)稼動部93により除電部92の接触圧を調整することができるので、媒体Mに印刷を行う場合など当該媒体Mの印刷面Mbから電荷を除去する必要がある場合には接触圧を高くする一方、媒体Mに印刷を行わない場合など当該媒体Mの印刷面Mbから電荷を除去する必要がない場合には接触圧を低くすることができる。このため、媒体Mの印刷面Mbから電荷を除去する必要がない場合に、接触圧が高い状態が継続されることで、除電部92が劣化(例えば、変形)することを抑制することができる。
(13)搬送ベルト73の周回経路のうち、媒体Mの搬送経路ではない経路において、搬送ベルト73の外面73bを払拭する払拭部75を備えたことで、搬送ベルト73に付着した異物(付着物)を、払拭部75によって除去することができる。こうして、付着物によって搬送ベルト73による媒体Mに対する静電吸着力が低下することを抑制することができる。
(14)払拭部75が搬送ベルト73の外面73bを払拭するときに、当該搬送ベルト73が払拭部75から遠ざかる方向に変位すると、搬送ベルト73及び払拭部75が接触しない部位が生じるなどして、搬送ベルト73の外面73bを正常に払拭できないおそれがある。この点、本実施形態によれば、払拭部75が搬送ベルト73の外面73bを払拭するときに、挟持部78が搬送ベルト73の内面73aに接触することで、搬送ベルト73が払拭部75及び挟持部78に挟持され、搬送ベルト73が払拭部75から遠ざかる方向に変位することが規制される。したがって、払拭部75が搬送ベルト73を払拭する場合に、当該搬送ベルト73に対する付着物を除去しやすくすることができる。
なお、上記実施形態は、以下に示すように変更してもよい。
・上記実施形態において、制御部100は、斜行取り動作を開始させる前に、搬送ベルト73の回転を開始させてもよい。これによれば、搬送ベルト73によって媒体Mが印刷開始位置まで搬送されるまでの間に、少なくとも斜行取り動作の開始時点における巻き掛け部位WPの巻き癖の増大を抑制するとともに、当該部位の巻き癖を緩和することができる。
・除電部92を設けなくてもよい。この場合、搬送ベルト73の外面73bを押圧する押圧部を設けることが望ましい。この場合、図9に示すように、静電搬送部70Aは、幅方向Xを回転軸方向とする押圧ローラー94を押圧部の一例として備えることが望ましい。これによれば、媒体Mの搬送に伴って押圧ローラー94を回転させることができるため、押圧部を回転しない構成とする場合に比較して、媒体M及び押圧ローラー94の摩擦を低減することができる。すなわち、媒体Mの表面が傷付きにくくすることができる。
・搬送ベルト73の回転が停止している時間をベルト停止時間としたとき、初期巻き掛け部位WP1の巻き癖はベルト停止時間が長いほど大きくなりやすいと言える。そこで、上記実施形態の制御部100は、除電部92(押圧部)の接触圧は、ベルト停止時間が長い場合には、ベルト停止時間が短い場合よりも大きくしてもよい。これによれば、巻き癖が大きい場合ほど接触圧が大きくなるため、巻き癖の大きさに関わらず当該巻き癖を押さえ付けて小さくすることができる。
・制御部100は、搬送ベルト73の回転を停止させる場合には、搬送ベルト73を初期回転位置で停止させてもよい。
・制御部100は、搬送ベルト73の回転方向における初期巻き掛け部位WP1の位置に応じてベルト搬送開始時期を調整しなくてもよい。
・上記実施形態では、搬送ベルト73を回転させるための所定条件を複数例示したが、何れか1つの所定条件が成立した場合に限り搬送ベルト73を回転させてもよい。
・稼動部93を設けなくてもよい。すなわち、搬送ベルト73(媒体Mの印刷面Mb)に対する除電部92の接触圧を調整可能としなくてもよい。
・除電部92は、幅方向Xを回転軸方向とする除電ローラーとしてもよい。
・印刷装置10は、幅方向Xに往復移動するキャリッジに支持された印刷ヘッド31から媒体Mに向けてインクを吐出させることで、印刷を行うシリアル式のインクジェットプリンターとしてもよい。
・搬送ベルト73は、3以上のベルトローラーに巻き掛けてもよい。
・払拭部75及び挟持部78を設けなくてもよい。
・バックアッププレート74は、導電性材料から構成しなくてもよいし、接地しなくてもよい。
・帯電ローラー84(帯電部)は、搬送ベルト73をAC帯電させてもよい。この場合、媒体Mの印刷面Mb側の電荷は自然に中和するため、除電部92を設けなくてもよい。
・搬送ベルト73は、媒体Mを静電吸着した状態で搬送するものでなくてもよい。例えば、搬送ベルト73は、媒体Mを剥離可能に接着した状態で搬送するものであってもよいし、媒体Mを吸引吸着した状態で搬送するものであってもよい。
・印刷に用いられる記録材は、インク以外の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して噴射できる固体を含む)ものであってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射して記録を行う構成にしてもよい。
また、印刷装置10は、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体(粉粒体)を例とする固体を噴射する粉粒体噴射装置(例えばトナージェット式記録装置)であってもよい。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体、粉粒体(粒体、粉体を含む)などが含まれる。
・印刷装置10は、媒体Mを加熱するプリンターであれば、インクなどの流体を噴射することで記録を行うプリンターに限らず、例えばレーザープリンター、LEDプリンター、熱転写プリンター(昇華型プリンターを含む)などのノンインパクトプリンターでもよいし、ドットインパクトプリンターなどのインパクトプリンターでもよい。
・媒体Mは用紙に限らず、プラスチックフィルムや捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。
10…印刷装置、11…筐体、12…カバー、13…挿入口、20…搬送装置、30…印刷ユニット、31…印刷ヘッド、32…ノズル、40…排出機構部、41…排出ローラー(搬送ローラーの一例)、42〜45…排出ローラー、46…駆動ローラー、47…従動ローラー、48…排出口、49…載置台、50…給送機構部、51…第1の媒体供給部、52…第2の媒体供給部、53…第3の媒体供給部、54…第1の給送ローラー、55…給送カセット、56…ピックアップローラー、57…分離ローラー、58…第2の給送ローラー、61…第1の搬送路、62…第2の搬送路、63…第3の搬送路、64…分岐機構、65…分岐搬送ローラー、66…反転搬送ローラー、70…静電搬送部、70A…静電搬送部、71…第1のベルトローラー、72…第2のベルトローラー、73…搬送ベルト、731…導電層、732…絶縁層、73a…内面、73b…外面、74…バックアッププレート(ベルト支持部の一例)、75…払拭部、76…クリーニングブレード、77…ブレード支持部、78…挟持部、81…供給ローラー、82…駆動ローラー、83…従動ローラー、84…帯電ローラー(帯電部の一例)、85…電源装置、86…サポートローラー、90…除電装置、91…ブラシ、92…除電部(押圧部の一例)、93…稼動部、94…押圧ローラー(押圧部の一例)、100…制御部、DW…基準間隔、FP…対向位置、M…媒体、Ma…裏面、Mb…印刷面、P1…中間位置、P2…中央位置、PA1…印刷領域、PA2…非印刷領域、WP…巻き掛け部位、WP1…初期巻き掛け部位、X…幅方向、Y…搬送方向、Z…鉛直方向。

Claims (6)

  1. 媒体の搬送方向と交差する幅方向を回転軸方向として回転する複数のベルトローラーと、
    前記複数のベルトローラーに巻き掛けられた状態で回転することで、前記搬送方向に前記媒体を搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに搬送される前記媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
    前記搬送ベルトが回転されない状態が継続される場合に成立する所定条件が成立した場合に、前記搬送ベルトを回転させる制御部と、を備え、
    前記搬送ベルトにおいて、前記所定条件が成立した場合に前記複数のベルトローラーに巻き掛けられている部位を初期巻き掛け部位とし、
    前記搬送ベルトの周回経路において、隣り合う前記初期巻き掛け部位の間隔を基準間隔としたとき、
    前記制御部は、前記搬送方向における長さが前記基準間隔以上の前記媒体に印刷を行う場合には、前記搬送ベルトが前記媒体の搬送を開始するベルト搬送開始時期を調整することで、前記搬送ベルトが前記媒体の搬送を開始してから終了するまでに、前記搬送ベルトの前記初期巻き掛け部位が前記媒体の裏面に接触する回数が少なくなるように当該媒体を搬送させる
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 媒体の搬送方向と交差する幅方向を回転軸方向として回転する複数のベルトローラーと、
    前記複数のベルトローラーに巻き掛けられた状態で回転することで、前記搬送方向に前記媒体を搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに搬送される前記媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
    前記搬送ベルトが回転されない状態が継続される場合に成立する所定条件が成立した場合に、前記搬送ベルトを回転させる制御部と、を備え、
    前記搬送ベルトにおいて、前記所定条件が成立した場合に前記複数のベルトローラーに巻き掛けられている部位を初期巻き掛け部位としたとき、
    前記制御部は、前記媒体に印刷領域及び非印刷領域を前記搬送方向に並ぶように形成する印刷ジョブが投入された場合には、前記搬送ベルトが前記媒体の搬送を開始するベルト搬送開始時期を調整することで、前記搬送ベルトが前記媒体の搬送を開始してから終了するまでに、前記搬送ベルトの前記初期巻き掛け部位が、前記印刷領域が形成される印刷面の裏面に接触する回数が少なくなるように当該媒体を搬送させる
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 媒体の搬送方向と交差する幅方向を回転軸方向として回転する複数のベルトローラーと、
    前記複数のベルトローラーに巻き掛けられた状態で回転することで、前記搬送方向に前記媒体を搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに搬送される前記媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
    前記搬送ベルトが回転されない状態が継続される場合に成立する所定条件が成立した場合に、前記搬送ベルトを回転させる制御部と、
    前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向における上流側に配置され、前記搬送ベルトの外面を押圧する押圧部と、を備え、
    前記搬送ベルトは、前記媒体を静電吸着した状態で搬送するものであり、
    前記押圧部は、前記搬送ベルトの外面に静電吸着された前記媒体の印刷面に接触することで、前記媒体の印刷面から電荷を除去する除電部であり、
    前記制御部は、前記除電部の前記搬送ベルトに対する接触圧を、ベルト停止時間が長いときほど大きくなるように調整する
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 前記制御部は、電源投入時に前記所定条件が成立したと判断する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  5. 前記制御部は、電源投入後において、前記搬送ベルトが回転されない状態が規定時間に亘って継続されたときに前記所定条件が成立したと判断する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  6. 前記制御部は、電源投入後において、印刷ジョブが投入されたときに前記所定条件が成立したと判断する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項のうち何れか一項に記載の印刷装置。
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