JP6768527B2 - Gdf15調節剤を用いた慢性腎臓病及びその他の腎機能不全の治療 - Google Patents

Gdf15調節剤を用いた慢性腎臓病及びその他の腎機能不全の治療 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年6月20日に提出された米国仮特許出願第62/015,242号明細書に対する優先権を請求する。尚、この文献は、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
本発明は、腎臓障害若しくは腎機能不全、特に、慢性腎臓病、急性、慢性若しくは末期腎不全、糸球体腎炎、貧血、糖尿病性腎障害及びインスリン抵抗性を有する被験者を治療するためのGDF15調節剤を用いる方法、及びそれを含有する組成物に関する。
腎臓疾患は、一般的で、しかも費用のかかる疾病であり、ヒトの罹病及び死亡の主な原因である。臨床的視点から、腎臓疾患は、急性腎障害(AKI)と慢性腎臓病(CKD)に分類することができる。AKIは、急性腎不全又は急性腎不全とも呼ばれ、腎機能の急速な喪失であり、最後には正常な腎機能が完全、部分的に回復するか、又は全く回復しない場合もある。AKIは、突然(48時間以内)の腎機能低下であり、これは、少なくとも0.3mg/dlの血清クレアチニンの絶対的増加、少なくとも50%の血清クレアチニン増加率(%)、又は6時間超にわたる1時間当たり0.5ml/kgの尿量減少を含み得る。Metha et al.,2007,CRITICAL CARE,11:R31を参照されたい。疫学的に、AKIは、内因性又は外因性塊のいずれかによる集尿系の閉塞のために、腎後性であると考えられる。あるいは、AKIは、糸球体、尿細管、血管、若しくは間質などの腎単位の構造の障害、又はそれらに影響を与える傷害によって、腎臓系内で発生することもある。
CKDは、長期にわたる進行性の機能喪失である。腎機能が回復しないAKI患者がCKDに進行し得る。さらに、CKD患者は、AKI様事象に罹患しやすい。
増殖分化因子15(GDF15)は、タンパク質のトランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)スーパーファミリーのメンバーであり、細胞増殖及び分化の調節因子の役割を果たす多機能タンパク質の大きな群を含む。このファミリーの重要なメンバーとしては、TGF−β1〜5、アクチビン、骨、軟骨及びその他の組織タイプの調節因子の役割を果たす骨形成タンパク質(BMP)、並びに細胞調節に関与する他のタンパク質、例えば、グリア細胞株由来の神経栄養因子(GDNF)、及びミオスタチン(GDF−8としても知られる)が挙げられる。GDF15は、初め、前立腺癌及び胎盤などの組織から単離されたが、別名:マクロファージ阻害サイトカイン1(若しくはMIC1)、NSAID活性化遺伝子1タンパク質(若しくはNAG1)、NSAID調節遺伝子1タンパク質(若しくはNRG−1)、胎盤TGF−β(若しくはPTGFB)、胎盤骨形成タンパク質(若しくはPLAB)、及び前立腺分化因子(若しくはPDF)によって知られている。
これまで達成された進歩にもかかわらず、急性腎障害及び慢性腎臓病などの腎臓病及び障害を検出、予防、及び/又は治療する新規の方法並びに組成物が依然として求められている。
本発明は、腎臓又は腎組織の疾患、機能不全、肥大若しくは縮小を含む病状及び障害を検出、予防、及び治療する上で有用な方法及び組成物を提供する。こうした病状として、例えば、慢性腎不全若しくは末期腎不全、尿毒症症候群、貧血及び/又は腎臓からのエリスロポエチン産生減少、糖尿病、インスリン抵抗性並びに腎機能低下若しくは腎臓サイズの縮小が挙げられる。
本発明者らは、中でも、慢性腎臓病などの腎臓病及び障害に罹患している被験者であって、現在利用可能な方法で有効又は最適に治療されない被験者が、GDF15活性を選択的に低減又は阻害する組成物によって有効に治療され得ることを見出した。本発明は、例えば、GDF15が内在性結合パートナー(また、同族受容体若しくは結合パートナーとも呼ばれる)に結合する能力を低減することにより、例えば、GDF15若しくは内在性結合パートナーに競合的に結合することにより、又はGDF15の活性を中和することにより、GDF15の活性を低減若しくは阻害する組成物を含む。いくつかの実施形態では、こうした組成物は、GDF15若しくは内在性結合パートナーに結合する抗体、並びにそのような抗体を含むペプチド又は融合分子を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、例えば、GDF15又は内在性結合パートナーに競合的に結合して、例えば、GDF15がその内在性結合パートナーに結合する能力を低減若しくは阻害するか、あるいはそうでなければ、GDF15の活性を中和することにより、GDF15の活性を低減若しくは阻害するペプチド又は小分子を含んでもよい。
一態様では、本発明は、治療を必要とする被験者の腎臓機能を高める方法を提供し、この方法は、被験者の腎臓機能を高めるために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む。腎臓機能は、以下に論じる生化学的及び生理学的パラメータのいずれかを含み得る。
別の態様では、本発明は、腎臓障害又は腎機能不全を有する被験者を治療する方法を提供し、この方法は、腎臓障害又は腎機能不全の症状を改善するために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む。症状は、以下に論じる生化学的及び生理学的パラメータのいずれかを含み得る。
別の態様では、本発明は、治療を必要とする被験者の腎臓縮小を軽減又は逆転する方法を提供し、ここで、被験者は、慢性腎臓病の1つ又は複数の症状を有し、この方法は、被験者の腎臓縮小を軽減又は逆転するために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む。症状は、以下に論じる生化学的及び生理学的パラメータのいずれかを含み得る。
別の態様では、本発明は、治療を必要とする被験者の慢性腎臓病(CKD)を治療又は予防する方法を提供し、この方法は、被験者のCKDを治療又は予防するために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で被験者に投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、被験者は、90mlクレアチニン/分/1.73m体表面積未満の糸球体濾過量(GFR)を呈示する。いくつかの実施形態では、被験者は、アルブミン尿(例えば、1日当たり30mg、尿1リットル当たり30mg、又は30μg/mg尿中クレアチニンを超えるアルブミンの尿中排出量)を呈示する。いくつかの実施形態では、被験者は、高尿酸血症を呈示する、少なくとも6.3mg/dLの血清尿酸レベルを呈示する、鉄欠乏症を呈示するか、又は25%未満のトランスフェリン飽和及び低フェリチンレベルを呈示する。いくつかの実施形態では、被験者は、慢性腎臓病を有すると診断されている。
いくつかの実施形態では、本発明のGDF15調節剤は、被験者のGDF15活性を低減又は阻害することができる。一部の実施形態では、GDF15調節剤は、GDF15の活性、発現又はその同族受容体との結合を阻害する。一部の実施形態では、GDF15調節剤は、抗GDF15抗体であってよく、これは、ヒト化又はヒト抗体のいずれであってもよい。
他の実施形態では、本発明は、下記の特徴の1つ又は複数を呈示する被験者を治療する方法を含み、これらの特徴は、慢性腎臓病などの腎機能不全又は疾患を示し得る。こうした腎臓関連特徴として、以下のものが挙げられる:
(1)被験者が、低い、又は正常に満たない糸球体濾過量(GFR)を呈示する;
(2)被験者が、アルブミン尿(微量アルブミン尿又は顕性アルブミン尿)を呈示する;
(3)被験者が、高い、又は正常レベルを超える血清クレアチニン(SCr)を呈示する;
(4)被験者が、低い、又は正常レベルに満たない尿量を呈示する;
(5)被験者が、高い、又は正常を超える好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)の尿中排出量を呈示する;
(6)被験者が、3.5g/日を超える量で、アルブミン、2マクログロブリン又はIgGなどのタンパク尿(尿中タンパク質)の徴候を呈示する;
(7)被験者が、高血糖、高尿酸血症又は脂質異常症を呈示する;
(8)被験者が、貧血又はエリスロポエチン産生低下を呈示する;
(9)被験者が、鉄欠乏症を呈示する;
(10)被験者が、濾過過剰を呈示する;
(11)被験者が、腎不全を経験したことがあるか、又は腎不全を経験するリスクがあると診断されている;
(12)被験者が、腎臓移植若しくは透析などの腎臓介入治療を受けたことがあるか、又はその必要があると診断されている;
(13)被験者が、腎臓肥大又は腎臓縮小を呈示する;
(14)被験者が、腎機能不全を示すレベルの1つ又は複数のバイオマーカを呈示する。
いくつかの実施形態では、腎機能不全を示す有用なバイオマーカは、以下に挙げるものの1つ又は複数を含む:尿又は血漿中のシスタチンC;尿中C反応性タンパク質(uCRP);尿中レチノール結合タンパク質(uRBP);好中球ゼラチナーゼ結合リポカリン(NGAL);ヘプシジン;クレアチニン;ヘモジュベリン;尿酸及び/又は尿素;βトレースタンパク質;腎障害分子1(KIM−1);尿中N−アセチル−β−(D)−グルコサミニダーゼ(NAG);尿中インターロイキン−18(uIL−18);肝臓脂肪酸結合タンパク質1(L−FABP−1);血中尿素窒素(BUN);ミクロ−RNA21(miRNA−21);及び電解質物質。
異常レベルの上記バイオマーカを有する被験者は、GDF15調節剤による治療の候補となり得る。一部の実施形態では、臨床医は、前述した特徴の1つ又は複数を、他の所見、例えば、腎臓疾患の家族歴、又は被験者が、腎臓移植若しくは透析などの腎臓介入治療を受けたことがあるか、又はそれを必要とすると診断されているかどうかなどと組み合わせて使用する。
さらに、前述の腎臓関連特徴及びバイオマーカは、本発明のGDF15調節剤による治療に対する被験者の応答の経過をモニターするために、また、臨床的に適切と考えられる場合、投与計画を変更するために使用することもできる。いくつかの実施形態では、慢性腎不全(CKD)などの腎臓障害を有する被験者は、以前既知の腎臓治療(透析など)を受けたことがあるが、前述した特徴の少なくとも1つを依然として呈示している。そのような症例において、本発明は、前述した腎臓関連特徴の少なくとも1つの発生及び/又は重症度を回避若しくは軽減するための方法及び組成物を提供し、さらに本発明は、GDF15阻害剤を被験者に投与することによって、それ以上の腎臓治療の必要を回避又は軽減し得る。
また別の態様では、本発明は、被験者における下記の特徴の少なくとも1つを改善する方法を含み、ここで、被験者は、慢性腎臓病を発症していると診断されているか、又はそれを発症するリスクがあると考えられる:
(1)低い、又は正常に満たない糸球体濾過量(GFR);
(2)高い、又は正常レベルを超える血清クレアチニン(SCr);
(3)低い、又は正常レベルに満たない尿量;
(4)高い、又は正常を超える好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)の尿中排出量;
(5)3.5g/日を超える量の、アルブミン、2マクログロブリン又はIgGなどのタンパク尿(尿中タンパク質)の徴候;
(6)高血糖、高尿酸血症又は脂質異常症;
(7)貧血又はエリスロポエチン産生低下;
(8)鉄欠乏症;
(9)濾過過剰;あるいは、
(10)腎不全を経験したことがあるか、又は腎不全を経験するリスクがあると診断されている;
(11)腎臓移植若しくは透析などの腎臓介入治療を受けたことがあるか、又はその必要があると診断されている;
(12)腎臓肥大又は腎臓縮小;
(13)腎機能不全を示すレベルの1つ又は複数のバイオマーカ。
いくつかの実施形態では、本発明のGDF15調節剤は、被験者におけるGDF15活性を低減又は阻害することができる。いくつかの実施形態では、GDF15調節剤は、GDF15の活性、発現又はその同族受容体との結合を阻害する。GDF15調節剤は、抗GDF15抗体であってよく、これは、ヒト化又はヒト抗体のいずれであってもよい。
前述の腎臓関連特徴はまた、本発明のGDF15結合阻害剤での治療に対する被験者の経過を確認するために、また、臨床的に適切と考えられる場合、投与計画を変更するために、モニターすることができる。いくつかの実施形態では、慢性腎臓病(CKD)などの腎臓障害を有する被験者は、以前既知の腎臓治療を受けたことがあるが、前述した特徴の少なくとも1つを依然として呈示している。そのような症例において、本発明は、前述した特徴の少なくとも1つの発生及び/又は重症度を回避若しくは軽減するための方法及び組成物を提供し、さらに本発明は、前述した腎臓介入治療の1つの必要を回避するか、軽減することができる。
40μgの組換えマウスFc−GDF15タンパク質又はリン酸緩衝食塩水(PBS)の腹腔内投与のマウスに対する作用を示すグラフであり、体重は、mFC−GDF15(■)で処置したマウスにおいて有意に減少したが、PBS(●)では減少しなかった。 マウスに腹腔内注射した単一用量40μgのマウスFc−GDF15組換えタンパク質の作用を示す棒グラフであり、生殖腺(図2A)及び腓腹筋(図2B)いずれの重量も有意に減少した。各々の時点について、左側の棒はPBSであり、右側の棒は、mFc−GDF15である。 組換えマウスFc−GDF15の注射後、マウスに対する作用を示す棒グラフである。各マーカ(例えば、ALT)について、左側の棒は、ナイーブ、右側の棒は、GDF15である。GDF15で処置したマウスは、より低レベルの肝臓酵素アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT);アラニンホスファターゼ(ALK)と共に、腎臓障害のマーカである血中尿素レベル(尿素窒素)の増加を呈示した。 2mg/kgの抗GDF15抗体(01G06)の投与後に、HT−1080繊維肉腫異種移植片モデルを担持する免疫不全マウス(ICR−SCID)における体重減少が逆転することを示すグラフである。矢印は、抗体の腹腔内注射を示す。抗GDF15抗体の投与により、陰性対照(マウスIgG(●)及びベースライン(1日目)と比較して、臓器重量(肝臓、心臓、脾臓、腎臓)が増加すると共に、組織重量(生殖腺及び腓腹筋)が増加したことを示す棒グラフである。 HT−1080繊維肉腫異種移植片を担持するICR Scidマウスに対する抗GDF15抗体(Hu01G06−127)の全身投与の効果を示すグラフである。こうしたマウスは、有意な体重減少を呈示する。抗GDF15抗体(▲)の投与によって体重減少が逆転したが、ヒトIgG(■)では逆転しなかった。抗GDF15抗体の投与によって生殖腺重量が回復したが、ヒトIgGでは回復しなかったことを示す棒グラフである。 GDF15に対する抗体の投与後、尿素窒素の血清レベルに対する効果を示すグラフである。HT−1080ヒト腫瘍異種移植片を担持するマウスは、腎臓障害のマーカである血清尿素窒素のレベル増加を示した。この増加は、抗GDF15抗体の投与によって逆転した。棒は、左から右に、偽(SHAM)、ベースライン(93%)、hIgG 10mpk、及びHu01G06−127 10mpkである。
本発明は、いくつかの腎臓関連又は肝臓病態のいずれかを有する被験者、例えば、慢性腎臓病、末期腎不全、糖尿病、インスリン抵抗性、腎臓肥大、腎臓縮小、多発性嚢胞腎、タンパク尿、高血糖、高尿酸血症、尿毒症症候群、痛風、腎臓結石、高血圧若しくは高血圧性腎症、脂質異常症、貧血及び/又はエリスロポエチン産生低下;鉄欠乏症若しくは濾過過剰(こうした病態は、腎障害に関連する)を有する被験者を治療する方法及び組成物を提供する。これらの方法及び組成物は、前述の病態に起因すると考えられる慢性腎臓病を有する被験者、又は慢性腎臓病、腎不全、尿毒症症候群、腎性異栄養症、その他の腎臓病若しくは障害、慢性腎臓障害、急性腎臓病、又は急性腎不全、例えば、閉塞性腎症を招く有害な臨床転帰の症状である、少なくとも1つの特徴を呈示する被験者を治療する上で有用であると考えられ、こうした特徴は、以下に挙げるものの1つ又は複数を含む:
(1)低い、又は正常に満たない糸球体濾過量(GFR);
(2)高い、又は正常レベルを超える血清クレアチニン(SCr);
(3)低い、又は正常レベルに満たない尿量;
(4)高い、又は正常を超える好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)の尿中排出量;
(5)3.5g/日を超える量の、アルブミン、2マクログロブリン又はIgGなどのタンパク尿(尿中タンパク質)の徴候;
(6)高血糖、高尿酸血症又は脂質異常症;
(7)貧血又は低いエリスロポエチン産生;
(8)鉄欠乏症;
(9)濾過過剰;あるいは、
(10)腎不全を経験したことがあるか、又は腎不全を経験するリスクがあると診断されている;
(11)腎臓移植若しくは透析などの腎臓介入治療を受けたことがあるか、又はその必要があると診断されている;
(12)腎臓肥大又は腎臓縮小;
(13)腎機能不全を示すレベルの1つ又は複数のバイオマーカ。
本発明の特定の実施形態では、被験者は、慢性腎臓病(CKD)を呈示する。従って、CKDの症状を呈示するか、又はCKDを有する、若しくはCKDを有するリスクがあると診断されている、CKD又は別の腎臓関連疾患若しくは障害を有する被験者は、任意選択で、既存の療法で治療しなくてもよい。こうした症例において、本発明の方法及び組成物による治療は、前述した特徴の1つ又は複数を改善する上で特に有益となり得る。特定の実施形態では、被験者は、被験者がCKDを有すると考えられる、又はCKDに罹患すると考えられるような特徴、被験者が、本発明の治療から利益を受けられるような特徴の1つ又は複数を呈示する。本願全体を通して、「CKDを有すると考えられる」又は「CKDに罹患すると考えられる」という用語は、本願の開示内容に従って、当業者が、本発明のGDF15阻害剤の投与から被験者が利益を受けるであろうと予想し得ることを意味する。被験者はまた、資格を持つ臨床専門家が、被験者に関する情報を調べた後、被験者が、現時点でCKDに罹患していると専門的な判断又は診断をした場合に、「CKDを有すると考えられる」か、又は「CKDに罹患していると考えられる」。「CKDを発症するリスクがあると考えられる」という用語は、本願の開示内容に従って、当業者が、本発明のGDF15阻害剤の予防的又は治療的投与から利益を受けるであろうと予想し得ることを意味する。被験者はまた、資格を持つ臨床専門家が、被験者に関する情報を調べた後、被験者が、現時点で予防的又は治療的介入の根拠となるのに十分なCKDを発症するリスクがあると専門的な判断又は診断をした場合に、「CKDを発症するリスクがあると考えられる」。
本明細書で使用されるとき、「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、哺乳動物、例えば、ヒトの疾患の治療を意味する。これは、(a)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を停止すること;並びに(b)疾患を軽減する、すなわち、病態の退行を起こすことを包含する。
I.慢性腎臓病、腎不全又は腎機能不全の症状
慢性腎臓病について被験者を分類、診断及びモニターする上で有用である主要な基準は、糸球体濾過量(GFR)である。全米腎臓基金(National Kidney Foundation)は、被験者が、1つ又は複数のCKDリスク因子を有するCKDの定義のための基準を確立した。一般に、GFRは、1.73m体表面積当たり毎分クレアチニンmlのクリアランス又は濾過に関して測定される。しかし、CKD予後の別のマーカであるシスタチンCは、GFRを推定するための血清クレアチニンに代わり得る候補である。Inker et al.,2012,N.E.J.MEDICINE,367:20−29を参照されたい。
90未満のGFRを呈示する被験者は、CKDを有すると考えられる。90(ml/分/1.73m体表面積)以上のGFRを呈示する被験者は、CKDの他の指標を考慮に入れた後、CKDステージ1であるか、又はCKDの高いリスクがあると考えられ得る。例えば、CKDリスク因子の指標として、正常レベルを超える血中クレアチニン又は尿素、尿中血液又はタンパク質、並びに多発性嚢胞腎の家族歴が挙げられる。GFRが60〜89ml/分/1.73m体表面積の腎臓障害を呈示する被験者は、CKDステージ2であると考えられる。30〜59ml/分/1.73m体表面積のGFRを呈示する被験者は、CKDステージ3であると考えられ、この段階で、多くの臨床医は、腎臓介入治療の可能性を考慮する。介入治療として、厳しい食事療法があり、その場合、リン、カルシウム、炭水化物及びナトリウムの1日摂取量が推奨され得る。また、タンパク質、水溶性ビタミンB複合体、及びビタミンCによる食事の補足も推奨され得る。15〜29ml/分/1.73m体表面積のGFRを呈示する被験者は、CKDステージ4であると考えられ、この段階で、多くの臨床医は、透析及び/又は腎代替療法の準備を考慮する。15ml/分/1.73m体表面積未満のGFRを呈示する被験者は、CKDステージ5、すなわち腎不全であると考えられ、特に尿毒症が存在する場合、腎代替療法などの介入治療が緊急に必要とされ得る切迫した段階である。CKDステージ1〜5を呈示する被験者は、腎機能喪失を完全若しくは部分的に回復するために、又は腎機能のそれ以上の悪化を遅延させる、若しくは阻止するために、本発明の療法から利益を受けると考えられる。
被験者は、その尿中NGALレベルが50μg/Lを超える場合、慢性腎臓病に罹患していると考えられ;血漿NGALレベルが100μg/Lを超えると、さらに重症のCKDに罹患していると考えられる。Lippi et al.,2011,CLIN CHEM LAB MED,50(9):1581−1584;Bolignano et al.,2008,AMERICAN J.OF KIDNEY DISEASES,52:595−605。
被験者は、微量アルブミン尿:1日当たり30mg、尿1リットル当たり30mg、又は30μg/mg尿中クレアチニンを超えるアルブミンの尿中排出量を呈示する場合、慢性腎臓病に罹患していると考えられる。被験者は、顕性アルブミン尿を呈示する:そのアルブミンの尿中排出量が、1日当たり300mg以上、尿1リットル当たり300mg以上であるか、又は300μg/mg尿中クレアチニン以上である場合、重症のCKDに罹患していると考えられる。Levey及びCoresh,2012,THE LANCET,379:165−180を参照されたい。
本発明の目的のために、被験者は、女性の場合、530ミクロモル/L(6mg/dL)超、また男性の場合には、619ミクロモル/L(7mg/dL)超の血中尿酸を呈示するか、又は腎臓結石を患っている場合に、慢性腎臓病に罹患していると考えられる。また、peak VO、Jalal et al.,2012,Am.J.of Kidney Disease,62:134−146も参照されたい。
本発明の目的のために、被験者は、鉄欠乏症、特に、低フェリチン(透析患者では、<200ng/mL;非透析患者では、<100ng/mL)を伴う低トランスフェリン飽和(<25%)を呈示する場合、慢性腎臓病に罹患していると考えられる。Larson及びCoyne,2013,KIDNEY RESEARCH AND CLINICAL PRACTICE,32:11−15を参照されたい。
本発明の目的のために、被験者は、基礎疾患に起因する、腎若しくは腎臓肥大、過形成、又は腎臓重量の増加を経験する場合、慢性腎臓病に罹患していると考えられる。腎臓肥大は、腎臓組織機能の喪失に対する代償性であり得る。例えば、肥大は、機能的単腎の患者に観察されることが多い。Krill et al.,2012,J.UROLOGY,188supp:1613−1617。細胞肥大は、全タンパク質/細胞及び電子量によって評価することができる。Huang et al.,2014,MOLECULAR AND CELLULAR ENDOCRINOLOGY,390:45−53を参照されたい。
本発明の目的のために、被験者は、腎臓縮小、形成不全、又は腎臓重量の有意な減少を経験する場合、慢性腎臓病に罹患していると考えられる。腎臓縮小は、例えば、磁気共鳴イメージングによって評価することができる。Chang et al.,2007,J.UROLOGY,178:2550−2554を参照されたい。
本発明の具体的実施形態では、被験者は、慢性腎臓病の1つ又は複数の別の症状を呈示する。これは、慢性腎臓病、腎不全又は腎機能不全の下記指標の1つ又は複数を含み得る:血清クレアチニンレベル増加、血清ビリルビンレベル減少、尿中アルブミン濃度増加、尿中クレアチニンレベル増加、尿中アルブミン/クレアチニン比の増加(女性は25mg/g以上、男性は17mg/g以上のアルブミン/クレアチニン比、30mg/gの値が重症CKDを示す)、尿中タンパク質/クレアチニン比の増加(200mg/gのタンパク質/クレアチニン比は、高すぎると考えられ、CKDを示す)、高血圧(収縮期血圧140mmHg以上;拡張期血圧90mmHg以上;又は現在降圧薬での治療中として定義される)、糖尿病(空腹時血糖値126mg/dL以上;又はインスリン若しくは経口血糖降下薬の使用として定義される);尿若しくは血漿中のシスタチンCの出現、尿中C反応性タンパク質(uCRP)、尿中レチノール結合タンパク質(uRBP)、ヘプシジン、クレアチニン、ヘモジュベリンの血清レベル増加;尿酸及び/又は尿素;βトレースタンパク質;腎臓障害分子−1(KIM−1);尿中N−アセチル−β−(D)−グルコサミナーゼ(NAG);尿中インターロイキン−18(uIL−18);肝臓脂肪酸結合タンパク質1(L−FABP−1);血液尿素窒素(BUN);ミクロRNA21(miRNA−21);及び/又は電解質物質。
いくつかの実施形態では、腎機能不全を示す有用なバイオマーカは、以下に挙げるものの1つ又は複数を含む:尿又は血漿中のシスタチンC;尿中C反応性タンパク質(uCRP);尿中レチノール結合タンパク質(uRBP);好中球ゼラチナーゼ結合リポカリン(NGAL);ヘプシジン;クレアチニン;ヘモジュベリン;尿酸及び/又は尿素;βトレースタンパク質;腎臓障害分子1(KIM−1);尿中N−アセチル−β−(D)−グルコサミナーゼ(NAG);尿中インターロイキン−18(uIL−18);肝臓脂肪酸結合タンパク質1(L−FABP−1);血液尿素窒素(BUN);ミクロRNA21(miRNA−21);及び電解質物質。
さらに、リン酸塩、ジメチルアルギニン(非対称性、すなわちADMA、及び対称性、すなわちSDMA)、尿酸、副甲状腺ホルモン(PTH)、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)、β2ミクロアルブミン(B2M)、インターロイキン−6(IL−6)、タンパク質結合インドキシル硫酸(IS)並びにp−クレゾール及びそのコンジュゲート、p−クレシル硫酸(PCS)及びp−クレシルグルクロニド(PCG)は、腎機能低下又は腎臓障害、例えば、「尿毒症症候群」を示し得る。Liabeuf et al.,2014,SEMIN NEPHROL,34(2):164−179,http://dx.doi.org/10.1016/j.semnephro.2014.02.008を参照されたい。
異常レベルの上記バイオマーカを有する被験者は、GDF15調節剤による治療の候補となり得る。一部の実施形態では、臨床医は、前述した特徴の1つ又は複数を、他の所見、例えば、腎臓疾患の家族歴、又は被験者が、腎臓移植若しくは透析などの腎臓介入治療を受けたことがあるか、又はそれを必要とすると診断されているかどうかなどと組み合わせて使用する。
前述の腎臓関連特徴及びバイオマーカはまた、本発明のGDF15調節剤による治療に対する被験者の応答の経過をモニターするために、また、臨床的に適切と考えられる場合、投与計画を変更するために使用することもできる。いくつかの実施形態では、慢性腎臓病(CKD)などの腎臓障害を有する被験者は、以前既知の腎臓治療(透析など)を受けたことがあるが、前述した特徴の少なくとも1つを依然として呈示している。そのような症例において、本発明は、前述した腎臓関連特徴の少なくとも1つの発生及び/又は重症度を回避若しくは軽減するための方法及び組成物を提供し、さらに本発明は、GDF15調節剤を被験者に投与することによって、それ以上の腎臓治療の必要を回避又は軽減することができる。
以上各々挙げた以外に、被験者は、腎臓障害又は機能不全のない被験者に存在するベースライン活性レベルに対して高レベルのGDF15活性も呈示し得る。
高レベルのGDF15活性は、被験者からのサンプル中のGDF15のレベルを測定することによって決定することができる。「高レベル」のGDF15とみなされる量は、目的とする特定の組織又は体液、並びに使用する特定のアッセイに応じて変動し得る。一般に、「高レベル」のGDF15は、被験者、例えば、腎臓疾患又は機能不全、例えば、CKDのない被験者の対照分布と比較して決定することができ、例えば、75パーセンタイル(すなわち、上位四分位点又は25%);90パーセンタイル(すなわち、上位10%);又は95パーセンタイル(すなわち、上位5%)の事前に指定したカットオフで決定してもよい。「高レベル」のGDF15はまた、平均を超える事前に指定されたGDF15レベル、例えば、平均を超える1つの標準偏差、又は腎臓疾患又は機能不全、例えば、CKDのない対照被験者の群の平均GDF15レベルを超える2つの標準偏差で決定してもよい。例えば、Brown et al.,2002,THE LANCET 359:2159−2163;Kempf et al.,2011,NATURE MEDICINE,17:581−588を参照されたい。
好ましい身体サンプルは、体液、例えば、血漿のサンプルであるが、羊水、胎盤抽出物、全血、血清、バフィーコート、尿、脳脊髄液、精液、滑液、又は組織生検も好適であり得る。体液(例えば、血漿)中>600pg/ml、任意選択で>850pg/ml、任意選択で>1000pg/ml、任意選択で>1200pg/ml、任意選択で>1500pg/ml、任意選択で>1700pg/ml、任意選択で>1900pg/ml、任意選択で>2000pg/ml、任意選択で>2500pg/ml、及び任意選択で>3000pg/mlのGDF15濃度が、高レベルのGDF15を代表し得る。米国特許第7,919,084号明細書及びKempf et al.,2007,J.AM.COLL.CARDIOL.50:1054−1060を参照されたい。
身体サンプル中に存在するGDF15の量は、例えば、抗GDF15抗体を用いた免疫アッセイ(例:体液を用いた)又は免疫組織化学(例:組織生検のサンプル切片を用いた)により容易に決定することができる。Tsai et al.,2013,PLOS ONE,8:e55174を参照されたい。
II.慢性腎臓病の共存症
慢性腎臓病は、共存症の発生により悪化することが多く、共存症は、程度が軽度から重度まで多様であり得る。GDF15の阻害によって、1種又は複数種のCKDの一般的共存症の軽減も促進し得ることが、本発明の利点である。CKDの一般的共存症の中でも、悪液質、慢性又はうっ血性心不全、貧血、糖尿病及び高血圧が挙げられる。従って、本発明は、治療を必要とする被験者の腎機能を高める方法を包含し、この方法は、被験者の腎機能を高めるために、GDF15阻害剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む。例えば、腎機能不全又はCKDに罹患している被験者は、悪液質、慢性又はうっ血性心不全、貧血、糖尿病又は高血圧の共存症を呈示し得る。
III.GDF15調節剤
本明細書で使用されるとき、「GDF15調節剤」は、GDF15活性を低減又は阻害する薬剤を意味すると理解され、これは、GDF15の発現、量、又は生物学的活性若しくは機能の低下の結果起こり得る。本発明の実施に有用なGDF15調節剤又は調節物質は、抗GDF15抗体、抗GDF15応答抗体、GDF15がその同族受容体結合パートナーに結合するのを阻止する可溶性GDF15模倣物若しくは類似物を含み得る。別の例示的GDF15調節物質としては、GDF15若しくはGDF15受容体の小分子阻害剤、内在性GDF15若しくはGDF15受容体の発現を干渉する干渉核酸(例えば、干渉RNA又はアンチセンス核酸(例えば、アンチセンスDNA若しくはRNA)が挙げられる。
好ましい実施形態では、GDF15調節物質は、抗GDF15抗体を含んでよく、これは、ヒト化又はヒト抗体である。本明細書で使用されるとき、別に記載のない限り、用語「抗体」は、インタクトな抗体(例えば、インタクトなモノクローナル抗体)又は抗体の抗原結合断片を意味し、最適化、改変若しくは化学的に結合された抗体のインタクトな抗体若しくは抗原結合断片(例:完全ヒト抗体、半合成抗体又は完全合成抗体を含むファージディスプレイ抗体)が含まれる。最適化された抗体の例は、親和性成熟抗体である。改変された抗体の例は、Fc最適化抗体、及び多重特異性抗体(例:二重特異性抗体)である。抗原結合断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、単鎖抗体(例:scFv)、ミニボディ及びダイアボディが挙げられる。毒素部分に結合した抗体は、化学的に結合した抗体の一例である。
いくつかの実施形態では、抗体は、以下:(a)構造CDRH1−CDRH2−CDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域と(b)免疫グロブリン軽鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域と軽鎖可変領域は一緒に、GDF15若しくはGDF15受容体に結合するための単一結合部位を画定する。CDRH1、CDRH2、及びCDRH3配列は、免疫グロブリンフレームワーク(FR)配列の間に挿入されている。いくつかの他の実施形態では、抗体は、以下:(a)構造CDRL1−CDRL2−CDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域と(b)免疫グロブリン重鎖可変領域を含み、ここで、IgG軽鎖可変領域とIgG重鎖可変領域は一緒に、GDF15若しくはGDF15受容体に結合するための単一結合部位を画定する。CDRL1、CDRL2、及びCDRL3配列は、免疫グロブリンフレームワークFR配列の間に挿入されている。いくつかの他の実施形態では、抗体は、以下:(a)構造CDRH1−CDRH2−CDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域と(b)構造CDRL1−CDRL2−CDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域と軽鎖可変領域は一緒に、GDF15若しくはGDF15受容体に結合するための単一結合部位を画定する。例示的抗GDF15抗体は、例えば、米国特許出願公開第2014−0193427−A1号明細書に記載されており、その開示内容は、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の方法及び組成物に有用な例示的抗GDF15抗体は、例えば、以下の表1に記載するCDRH1、CDRH2、及びCDRH3領域配列の9つのセットのいずれか1つを含む重鎖可変領域を含む。
Figure 0006768527
本発明の方法及び組成物に有用な例示的GDF15抗体は、例えば、以下の表2に記載するCDRL1、CDRL2、及びCDRL3領域配列の4つのセットのいずれか1つを含む軽鎖可変領域を含む。
Figure 0006768527
本発明の実施に有用な例示的抗GDF15抗体は、米国特許出願公開第2014−0193427−A1号明細書に記載されており、01G06、03G05、04F08、06C11、08G01、14F11、17B11、並びにそのヒト又はヒト化形態を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される抗体(例えば、01G06、03G05、04F08、06C11、08G01、14F11、若しくは17B11、又はそのヒト化形態)を用いて、CKDの症状を提示するか、又はCKDを有する、若しくはCKDを有するリスクがあると診断されているCKD又は別の腎臓関連疾患若しくは障害を治療する。一部の実施形態では、抗体は、CKD又は別の腎臓関連疾患若しくは障害の症状又は特徴を少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%若しくは35%逆転する。
好ましい実施形態では、本発明の実施に有用な例示的抗GDF15抗体は、米国特許出願公開第2014−0193427−A1号明細書に01G06として示されている。01G06抗体のヒト化形態は、それぞれの重鎖及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列と一緒に記載されている。例示的ヒト化抗GDF15抗体としては、以下のものが挙げられる:Hu01G06−1;Hu01G06−46;Hu01G06−52;Hu01G06−100;Hu01G06−101;Hu01G06−102;Hu01G06−103;Hu01G06−104;Hu01G06−105;Hu01G06−106;Hu01G06−107;Hu01G06−108;Hu01G06−109;Hu01G06−110;Hu01G06−111;Hu01G06−112;Hu01G06−113;Hu01G06−114;Hu01G06−122;Hu01G06−127;Hu01G06−135;Hu01G06−138;Hu01G06−146;Hu06C11−1;Hu06C11−27;Hu06C11−30;Hu14F11−1;Hu14F11−23;Hu14F11−24;Hu14F11−39;及びHu14F11−47。前述した抗体各々の重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列を以下の表3に記載する。
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本明細書に記載する抗体は、当技術分野で公知の技術を用いて、設計、試験、及び製剤化し得ることは理解されよう。
配列番号25
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配列番号26
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配列番号27
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配列番号29
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配列番号28
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配列番号32
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配列番号33
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配列番号35
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配列番号36
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配列番号37
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配列番号30
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配列番号38
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配列番号39
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配列番号40
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配列番号41
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配列番号43
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配列番号42
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配列番号44
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配列番号45
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配列番号46
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配列番号47
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配列番号48
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配列番号49
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配列番号38
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配列番号51
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配列番号52
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配列番号54
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配列番号55
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配列番号56
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配列番号57
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配列番号50
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配列番号31
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配列番号53
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配列番号34
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抗体は、GDF15活性を低減する中和抗体であってもよい。例えば、抗体は、抗体の非存在下、同じ条件下で同じアッセイにより測定したGDF15活性と比較して、in vivoアッセイ(例えば、Johnen et al.,2007,NATURE MEDICINE 13:1333−1340を参照)において、GDF15活性を少なくとも10%、好ましくは20%、30%又は40%、より好ましくは少なくとも約50%、60%、80%、又は90%低減し得る。抗体は、GDF15とその内在性受容体の結合を選択的及び/若しくは有意に低減又は阻害し得る。本明細書で使用されるとき、GDF15とその受容体の「結合を有意に低減又は阻害する」という用語は、抗体が、前記抗体の非存在下でのGDF15(血清レベル/活性)の少なくとも10%、好ましくは20%、30%又は40%、より好ましくは少なくとも約50%、60%、80%、又は90%を示す能力又は阻害率(%)で、GDF15結合を阻害することを意味すると理解される。結合は、例えば、Tsai et al.,2013,PLOS ONE,8:e55174に記載されているように、直接又はサンドイッチ酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)を用いて測定することができる。本明細書で使用されるとき、GDF15又はGDF15受容体に結合する抗体に関連する用語「選択的に」は、抗体が、機能的に無関係なタンパク質又はTGF−βスーパーファミリーの別のメンバー若しくはTGF−βスーパーファミリーのメンバーの受容体に比して、少なくとも2、3、4、5若しくは10倍高い結合親和性で、GDF15又はGDF15受容体に結合することを意味すると理解される。
抗体及び抗体断片の抗原性を低減又は排除する方法は、当技術分野で公知である。抗体をヒトに投与しようとするとき、ヒトにおける抗原性を低減又は排除するために、抗体を「ヒト化する」のが好ましい。好ましくは、ヒト化した抗体は各々、それが由来する非ヒト化マウス抗体と同じ若しくは実質的に同じ親和性を有する。
1つのヒト化手法では、マウス免疫グロブリン定常領域がヒト免疫グロブリン定常領域で置換されたキメラタンパク質を作製する。例えば、Morrison et al.,1984,PROC.NAT.ACAD.SCI.81:6851−6855,Neuberger et al.,1984,NATURE 312:604−608;米国特許第6,893,625号明細書(Robinson);同第5,500,362号明細書(Robinson);及び同第4,816,567号明細書(Cabilly)を参照されたい。
CDR移植として知られる手法では、軽鎖及び重鎖可変領域のCDRを別の種からのフレームワークに移植する。例えば、マウスCDRをヒトFRに移植することができる。一部の実施形態では、抗GDF15抗体の軽鎖及び重鎖可変領域のCDRをヒトFR又は共通ヒトFRに移植する。共通ヒトFRを作製するために、複数のヒト重鎖又は軽鎖アミノ酸配列由来のFRをアラインメントして、共通アミノ酸配列を見出す。CDR移植は、以下の文献に記載されている:米国特許第7,022,500号明細書(Queen);同第6,982,321号明細書(Winter);同第6,180,370号明細書(Queen);同第6,054,297号明細書(Carter);同第5,693,762号明細書(Queen);同第5,859,205号明細書(Adair);同第5,693,761号明細書(Queen);同第5,565,332号明細書(Hoogenboom);同第5,585,089号明細書(Queen);同第5,530,101号明細書(Queen);Jones et al.,1986,NATURE 321:522−525;Riechmann et al.,1988,NATURE 332:323−327;Verhoeyen et al.,1988,SCIENCE 239:1534−1536;及びWinter,1998,FEBS LETT 430:92−94。
「SUPERHUMANIZATION(商標)」と呼ばれる手法では、ヒトCDRとヒト化しようとするマウス抗体のそれとの構造的類似性に基づいて、ヒトCDR配列をヒト生殖系列遺伝子から選択する。例えば、米国特許第6,881,557号明細書(Foote);及びTan et al.,2002,J.IMMUNOL.169:1119−1125を参照されたい。
免疫原性を低減するその他の方法として、「再構成(reshaping)」、「超キメラ化(hyperchimerization)」、及び「ベニヤリング(veneering)/表面再構成(resurfacing)」が挙げられる。例えば、Vaswami et al.,1998,ANNALS OF ALLERGY,ASTHMA,& IMMUNOL.81:105;Roguska et al.,1996,PROT.ENGINEER 9:895−904;及び米国特許第6,072,035号明細書(Hardman)を参照されたい。ベニヤリング(veneering)/表面再構成(resurfacing)手法では、マウス抗体における表面接触可能アミノ酸残基が、ヒト抗体における同じ位置で、より頻繁に見出されるアミノ酸残基によって置換される。このタイプの抗体表面再構成は、例えば、米国特許第5,639,641号明細書(Pedersen)に記載されている。
ヒトへの医療用途に好適な形態にマウス抗体を変換する別の手法は、ACTIVMAB(商標)技術(Vaccinex,Inc.,Rochester,NY)であり、これは、哺乳動物細胞に抗体を発現するためのワクシニアウイルスベースのベクターを含む。IgG重鎖及び軽鎖の高レベルの組み合わせ多様性が得られると記載されている。例えば、米国特許第6,706,477号明細書(Zauderer);同第6,800,442号明細書(Zauderer);及び同第6,872,518号明細書(Zauderer)を参照されたい。
ヒトに使用するのに好適な形態にマウス抗体を変換する別の手法は、KaloBios Pharmaceuticals,Inc.(Palo Alto,CA)により商業的に実施される技術である。この技術は、抗体選択のために「エピトープフォーカス」ライブラリーを作製するための、専売のヒト「アクセプター」ライブラリーの使用を含む。
ヒトへの医療用途に好適な形態にマウス抗体を修飾する別の手法は、HUMAN ENGINEERING(商標)技術であり、これは、XOMA(US)LLCにより商業的に実施される。例えば、国際公開第93/11794号パンフレット及び米国特許第5,766,886号明細書(Studnicka);同第5,770,196号明細書(Studnicka);同第5,821,123号明細書(Studnicka);及び同第5,869,619号明細書(Studnicka)を参照されたい。
抗体のヒト免疫原性を低減又は排除するために、前記手法のいずれかを含む任意の好適な手法を用いることができる。
さらに、マウスにおいて完全ヒト抗体を作製することも可能である。いずれかの非ヒト配列を欠失した完全ヒトmAbは、例えば、Lonberg et al.,NATURE 368:856−859,1994;Fishwild et al.,NATURE BIOTECHNOLOGY 14:845−851,1996;及びMendez et al.,NATURE GENETICS 15:146−156,1997で参照される技術によりヒト免疫グロブリントランスジェニックマウスから調製することができる。完全ヒトmAbは、例えば、Knappik et al.,J.MOL.BIOL.296:57−86,2000;Krebs et al.,J.IMMUNOL.METH.254:67−84 2001)に参照されている技術によりファージディスプレイライブラリーから調製及び最適化することもできる。
おとりとして作用するGDF15の変異体及び誘導体は、本発明の実施に有用であり得ると考えられる。例えば、欠失分析により、その同族受容体について内在性GDF15と競合するGDF15のより小さな生物活性断片を見出すことも可能であろう。同様に、利用可能なGDFの内在性GDF15受容体と競合するGDF15受容体の可溶性生物活性断片を作製することもできる。例えば、「生物活性断片」として、限定はしないが、同族結合パートナー(例えば、それぞれGDF15受容体又はGDF15)との結合について、それぞれ内在性GDF15又は内在性GDF15受容体と競合する天然GDF15(若しくは相同体)又はGDF15受容体(若しくは相同体)の断片が挙げられる。
当技術分野で公知の技術を用いて、アンチセンス核酸(DNA及びRNA)並びに干渉核酸(例えば、siRNA)を設計及び使用できることが考えられる。GDF15の例示的siRNA阻害剤としては、以下のものが挙げられる:Santa Cruz Biotech製のsiRNA(カタログ番号sc−39799、マウスGDF15をターゲティング;及びカタログ番号sc−39798、ヒトGDF15をターゲティング)、Life Technologies製のsiRNA(カタログ番号AM16708、4392420、及び1299001,ヒトGDF15をターゲティング;並びにカタログ番号1320001及び4390771、マウスGDF15をターゲティング;並びにカタログ番号1330001及び4390771、ラットGDF15をターゲティング)、Fisher Scientific製のsiRNA(カタログ番号NC0683807、ヒトGDF15をターゲティング)、Origene(カタログ番号SR306321、ヒトGDF15をターゲティング)、amsbio製のsiRNA(カタログ番号SR509800、ラット(rate)GDF15をターゲティング)、Dharmacon製のsiRNA(カタログ番号D−019875−02、ヒトGDF15をターゲティング)、Sigma−Aldrich製のsiRNA(カタログ番号EHU052901、ヒトGDF15をターゲティング)、並びにKim et al.,2005,MOLECULAR CANCER THERAPEUTICS,4:487−493,Chang et al.,2007 MOL.CANCER THERAPEUTICS,6:2271−2279、及びBoyle et al.,2009,J.INVEST.DERMATOL.,129:383−391に記載のsiRNA。
IV.GDF15調節剤の製剤化及び送達
本明細書に開示するものなどのGDF15調節剤を含有する医薬組成物は、標準的製剤化技術を用いて、剤形又は投与単位に製剤化することができる。しかし、医薬組成物は、意図する投与経路と適合性であるように製剤化すべきである。
本明細書に記載する組成物は、限定はしないが、以下に挙げるいずれかの経路で被験者に投与することができる:静脈内(例えば、輸液ポンプ)、腹腔内、眼内、動脈内、肺内、経口、吸入、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経皮、経胸膜、動脈内、局所、吸入(例えば、噴霧スプレーとして)、粘膜(鼻粘膜など)、皮下、経皮、胃腸、関節内、大槽内、心室内、直腸(すなわち、座薬により)、膣(すなわち、ペッサリーにより)、頭蓋内、尿道内、肝臓内、及び腫瘍内。一部の実施形態では、組成物を全身投与する(例えば、静脈内注射により)。一部の実施形態では、組成物を局所投与する(例えば、動脈内又は眼内注射により)。抗体などのGDF15調節剤の好ましい投与経路は、静脈内注入によるものである。
有用な製剤は、薬学の分野で公知の技術によって調製することができる。例えば、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES,18th ed.(Mack Publishing Company,1990)を参照されたい。非経口投与に好適な製剤成分としては、注射用静菌水、生理学的食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又はその他の合成溶媒などの滅菌希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤;アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤;EDTAなどのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などのバッファー;並びに塩化ナトリウム又はデキストロースなどの張性の調節のための薬剤が挙げられる。担体は、製造及び貯蔵の条件下で安定性であり、且つ、微生物から保護されなければならない。一部の実施形態では、GDF15調節剤(例えば、抗体)を凍結乾燥し、投与時に、緩衝食塩水中で再構成する。
治療用途の場合、GDF15調節剤(例えば、抗体)を薬学的に許容される担体と組み合わせるのが好ましい。本明細書で用いる場合、「薬学的に許容される担体」は、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又はその他の問題若しくは合併症を起こすことなく、ヒト及び動物の組織と接触させる用途に好適で、妥当な受益度/危険度比に相応するバッファー、担体、及び賦形剤を意味する。担体は、製剤の他の成分と適合性であり、且つレシピエントに対して有害ではないという意味で、「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体としては、医薬品投与と適合性のバッファー、溶媒、分散媒、コーティング剤、等張及び吸収遅延剤などが挙げられる。薬学的に活性の物質のためのこうした媒体及び薬剤の使用は当分野において公知である。
医薬組成物は、滅菌されているのが好ましい。滅菌は、例えば、滅菌濾過膜を介した濾過により達成することができる。組成物が凍結乾燥されている場合、凍結乾燥及び再構成の前、又は後にフィルター滅菌を実施することができる。
一般に、治療有効量の活性成分は、0.1mg/kg〜100mg/kg、例えば、1mg/kg〜100mg/kg、1mg/kg〜10mg/kgの範囲である。投与する量は、治療しようとする疾患若しくは適応症の種類及び程度、患者の全身の健康状態、GDF15調節剤(例えば、抗体)のin vivo効力、医薬製剤、及び投与経路に応じて変動し得る。最初の投与量は、所望の血液レベル又は組織レベルを迅速に達成するために、上限レベルを超えて増加することができる。あるいは、最初の投与量は、最適より少なくしてもよく、1日用量を治療の過程で段階的に増加させてもよい。ヒト投与量は、0.5mg/kgから20mg/kgまで実施するように設計された従来の第I相用量漸増試験で最適化することができる。投与頻度は、投与経路、投与量、GDF15調節剤(例えば、抗体)の血清半減期、及び治療対象の疾患などに応じて変動し得る。例示的投与頻度は、1日1回、週1回及び隔週1回である。
組成物の最適な有効量は、実験により決定することができ、疾患の種類及び重症度、投与経路、疾患の進行及び被験者の健康状態、重量及び身体部位に応じて変動し得る。こうした決定は、当業者の技術の範囲内である。本明細書に記載する方法に用いることができるGDF15調節剤分子の投与量の例として、限定はしないが、約0.01μg/kg〜約300mg/kg、若しくは約0.1μg/kg〜約40mg/kgの任意の用量範囲内、又は約1μg/kg〜約20mg/kgの範囲内、又は約1μg/kg〜約10mg/kgの範囲内の有効量が挙げられる。例えば、皮下投与される場合、組成物は、約0.1μg/kg以下、約0.05μg/kg以下、又は約0.01μg/kg以下などの低いマイクログラム範囲で投与してよい。
いくつかの実施形態では、被験者に投与するGDF15調節剤の量は、1用量当たり約10μg〜約500mg、例えば、1用量当たり約10μg〜約50μg、約50μg〜約100μg、約100μg〜約200μg、約200μg〜約300μg、約300μg〜約500μg、約500μg〜約1mg、約1mg〜約10mg、約10mg〜約50mg、約50mg〜約100mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約300mg、約300mg〜約400mg、又は約400mg〜約500mgを含む。いくつかの実施形態では、GDF15調節剤は、約0.025mg〜約4mg、約0.035mg〜約2mg、約0.05mg〜約2mg、約0.1mg〜約2mg、約0.2mg〜約1mg、又は約0.2mg〜約0.8mgのGDF15調節剤を投与することができる。一実施形態では、0.5mgのGDF15調節剤を局所投与する。いくつかの実施形態では、約0.05mg〜約2mg、約0.2mg〜約2mg、約0.05mg〜約1.5mg、約0.15mg〜約1.5mg、約0.4mg〜約1mg、又は約0.5mg〜約0.8mgのGDF15調節剤を局所投与する。
GDF15調節剤は、1日の単一用量として投与してもよいし、又は1日の総用量を1日2回、3回、又は4回の分割用量として投与してもよい。組成物はまた、毎日より少ない頻度で、例えば、週6回、週5回、週4回、週3回、週2回、週1回、2週間ごとに1回、3週間毎に1回、月1回、2ヵ月に1回、3ヵ月に1回、又は6ヵ月に1回投与することもできる。さらに、組成物は、特定の時間にわたって使用する組成物を徐々に放出するインプラントなどの持続的放出製剤として投与してもよく、これにより、組成物を投与する頻度を、例えば、月1回、2〜6ヵ月に1回、年1回、又は単一回投与のように減らすことができる。持続的放出デバイス(ペレット、ナノ粒子、ミクロ粒子、ナノスフィア、マイクロスフィアなど)は、注射により投与してもよいし、又は身体の様々な位置に外科的に埋め込んでもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、GDF15調節剤の投与は、用量が有害な作用を軽減又は阻止し、しかも、GDF15の活性を完全若しくは部分的に阻害するのに十分であるように滴定する。
一部の態様では、GDF15調節剤の活性は、アンチセンス核酸又は低分子干渉核酸を用いて、標的細胞中で調節することができる。調節は、当技術分野で公知の発現構築物、例えば、抗GDF15siRNA又はアンチセンス分子をコードする核酸を発現するためのネイキッドDNA構築物、DNAベクターベースの構築物、並びに/又はウイルスベクター及び/若しくはウイルスベースの構築物を用いて達成することができる。
こうした構築物の例示的DNA構築物及び治療への使用は、当業者には周知である(例えば、Chiarella et al.,2008,RECENT PATENTS ANTI−INFECT.DRUG DISC.,3:93−101;Gray et al.,2008,EXPERT OPIN.BIOL.THER.,8:911−922;Melman et al.,2008,HUM.GENE THER.,17:1165−1176)。ネイキッドDNA構築物は、典型的に、1種又は複数種の治療用核酸(例えば、GDF15調節剤)とプロモータ配列を含む。ネイキッドDNA構築物は、一般にpDNAと呼ばれるDNAベクターであってよい。ネイキッドDNAは、典型的に、染色体DNAに組み込まれない。概して、ネイキッドDNA構築物は、脂質、ポリマー、又はウイルスタンパク質の存在を必要としないか、又はそれらと一緒に使用されない。こうした構築物は、本明細書に記載する非治療成分の1つ又は複数を含んでもよい。
DNAベクターは、当技術分野で公知であり、典型的に、環状二本鎖DNA分子である。DNAベクターは、通常、3〜5キロ塩基対の範囲のサイズ(例えば、挿入された治療核酸を含む)である。ネイキッドDNAと同様に、DNAベクターは、1種又は複数種の治療用タンパク質を標的細胞に送達及び発現させるために使用することができる。DNAベクターは、染色体DNAに組み込まれない。
一般に、DNAベクターは、標的細胞における複製を可能にする少なくとも1つのプロモータ配列を含む。DNAベクターの取り込みは、DNAベクターを例えばカチオン性脂質と組み合わせて、DNA複合体を形成することにより、促進することができる。典型的に、ウイルスベクターは、ウイルスに由来する二本鎖環状DNA分子である。ウイルスベクターは、典型的に、ネイキッドDNA及びDNAベクター構築物よりサイズが大きく、外来(すなわち、ウイルスによりコードされていない)遺伝子の導入のために、より大きな容量を有する。ネイキッドDNA及びDNAベクターと同様に、ウイルスベクターを用いて、1種又は複数種の治療用核酸を標的細胞に送達及び発現させることもできる。ネイキッドDNA及びDNAベクターとは異なり、いくつかのウイルスベクターは、それ自体が染色体DNAに安定に組み込まれる。典型的に、ウイルスベクターは、宿主細胞において、ベクターによりコードされた1つ又は複数の核酸、例えば、治療用核酸の複製を可能にする少なくとも1つのプロモータ配列を含む。ウイルスベクターは、任意選択で、本明細書に記載する1つ又は複数の非治療成分を含んでもよい。有利なことに、標的細胞へのウイルスベクターの取り込みは、追加成分、例えば、カチオン性脂質を必要としない。むしろ、ウイルスベクターは、標的細胞との接触後直ちに細胞をトランスフェクトするか、又は細胞に感染する。
本明細書に記載する手法は、特にヒトへの、in vivoでの外性遺伝子の移入のための組換え遺伝子送達系として、レトロウイルスベクター、アデノウイルス由来のベクター、及び/又はアデノ−関連ウイルスベクターの使用を含む。組換えレトロウイルスを生成するプロトコル、及びこうしたウイルスに細胞をin vitro又はin vivoで感染させるプロトコルは、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,Ausubel,F.M.et al.(eds.)Greene Publishing Associates,1989,Sections 9.10−9.14、並びにその他の標準的実験マニュアルに見出すことができる。
DNAベクター及びウイルスベクターのDNAの形質導入因子として用いられるウイルス、例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、及びレンチウイルスなどを本発明の実施に使用してもよい。例示的レトロウイルスとして、限定はしないが、以下のものが挙げられる:モロニーマウス白血病ウイルス(Moloney murine leukemia virus)(M−MuLV)、モロニーマウス肉腫ウイルス(Moloney murine sarcoma virus)(MoMSV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(Harvey murine sarcoma virus)(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(murine mammary tumor virus)(MuMTV)、テナガザル白血病ウイルス(gibbon ape leukemia virus)(GaLV)、ネコ白血病ウイルス(feline leukemia virus)(FLV)、スプマウイルス(spumavirus)、フレンドマウス白血病ウイルス(Friend murine leukemia virus)、マウス幹細胞ウイルス(Murine Stem Cell Virus)(MSCV)及びラウス肉腫ウイルス(Rous Sarcoma Virus(RSV))並びにレンチウイルス(lentivirus)。本明細書で使用されるとき、用語「レンチウイルス(lentivirus)」は、複合型レトロウイルスの群(又は属)を指す。例示的レンチウイルスとして、限定はしないが、以下のものが挙げられる:HIV(ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus);HIV1型、及びHIV2型を含む);ビスナ・マエディウイルス(visna−maedi virus)(VMV);イヌ関節炎−脳炎ウイルス(caprine arthritis−encephalitis virus)(CAEV);ウマ感染性貧血ウイルス(equine infectious anemia virus)(EIAV);ネコ免疫不全ウイルス(feline immunodeficiency virus)(FIV);ウシ免疫不全ウイルス(bovine immune deficiency virus)(BIV);及びサル免疫不全ウイルス(simian immunodeficiency virus)(SIV)。
いくつかの実施形態では、アデノウイルスは、本明細書に記載する方法に従って用いることができる。アデノウイルスのゲノムは、それが、目的の遺伝子産物をコードして、発現するが、正常な溶菌ウイルス生活環で複製するその能力に関して不活性化されるように、操作することができる。アデノウイルス株Ad5型dl324又はその他のアデノウイルス株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7など)は、当業者には周知である。組換えアデノウイルス株は、それらが、非分裂細胞に感染することができず、また、上皮細胞を含む多種の細胞型を感染させるために用いることができるという点で、特定の状況では有利となり得る。さらに、ウイルス粒子は、比較的安定しており、精製及び濃縮させやすく、前述したように、感染性のスペクトルに影響するように修飾することができる。さらに、導入されたアデノウイルスDNA(及びそこに含まれる外来DNA)は、宿主細胞のゲノム中に組み込まれていないが、エピソームのままであるため、導入されたDNAが宿主細胞(例えば、レトロウイルスDNA)に組み込まれているin situでの挿入突然変異誘発によって起こり得る潜在的問題が回避される。さらに、外来DNAについてアデノウイルスゲノムの輸送量は、他の遺伝子送達ベクターと比較して大きい(最大8キロバイト)。
アデノ関連ウイルスは、効率的複製及び生産的生活環のためのヘルパーウイルスとして、アデノウイルス又はヘルペスウイルスなどの別のウイルスを必要とする、天然の欠損ウイルスである。これはまた、そのDNAを非分裂細胞に組み込むことができ、高頻度の安定な組み込みを呈示する少数のウイルスの1つでもある。
様々な実施形態では、治療用トランスジーン又はGDF15調節剤をコードするトランスジーンを発現する1つ又は複数のウイルスベクターを、被験者の細胞、組織、若しくは臓器への直接注射によりin vivoで投与する。様々な他の実施形態では、ウイルス中に包膜されたベクターをin vitro若しくはex vivoで細胞に形質導入し、任意選択で、ex vivoで増殖させる。その後、形質導入した細胞を被験者に投与する。形質導入に好適な細胞として、限定はしないが、幹細胞、前駆細胞、及び分化細胞が挙げられる。いくつかの実施形態では、形質導入細胞は、胚性幹細胞、骨髄幹細胞、臍帯血幹細胞、胎盤幹細胞、間葉系幹細胞、神経幹細胞、肝幹細胞、膵幹細胞、心臓幹細胞、腎幹細胞、又は造血幹細胞である。
特定の実施形態では、1つ又は複数のポリペプチドを発現する本発明のウイルスベクターを形質導入した宿主細胞を、被験者に投与して、聴覚疾患、障害、若しくは病状を治療及び/又は予防する。本発明のいくつかの実施形態に従って使用され得る、ウイルスベクターの使用に関連する他の方法は、以下の文献に見出すことができる:Kay,1997,CHEST,111(6 Supp.):138S−142S;Ferry et al.,1998,HUM.GENE THER.,9:1975−81;Shiratory et al.,1999,LIVER,19:265−74;Oka et al.,2000,CURR.OPIN.LIPIDOL.,11:179−86;Thule et al.,2000,GENE THER.,7:1744−52;Yang,1992,CRIT.REV.BIOTECHNOL.,12:335−56;Alt,1995,J.HEPATOL.,23:746−58;Brody et al.,1994,ANN.N.Y.ACAD.SCI.,716:90−101;Strayer,1999,EXPERT OPIN.INVESTIG.DRUGS,8:2159−2172;Smith−Arica et al.,2001,CURR.CARDIOL.REP.,3:43−49;及びLee et al.,2000,NATURE,408:483−8。
本発明のいくつかの実施形態は、目的のポリヌクレオチドの条件付発現を可能にする。例えば、ポリヌクレオチドを発現させるか、又は目的のポリヌクレオチドによりコードされるポリヌクレオチドの発現に増大若しくは低減を引き起こす処置又は条件に、細胞、組織、生物などを付すことによって、発現を制御する。誘導性ポリマー/誘導系の実例として、限定はしないが、以下のものが挙げられる:グルココルチコイド若しくはエストロゲン受容体をコードする遺伝子のプロモータなどのステロイド誘導性プロモータ(対応するホルモンでの処理により誘導可能)、メタロチオニンプロモータ(様々な重金属での処置により誘導可能)、MX−1プロモータ(インターフェロンにより誘導可能)、「GeneSwitch」ミフェプリストン調節系(Sirin et al.,2003,GENE,323:67)、クメート(cumate)誘導性遺伝子スイッチ(国際公開第2002/088346号パンフレット)、テトラサイクリン依存性調節系など。
条件付発現はまた、部位特異的DNAリコンビナーゼを用いることによって達成することもできる。本発明のいくつかの実施形態によれば、ベクターは、部位特異的リコンビナーゼにより媒介される組換えのための、少なくとも1つ(典型的には2つ)の部位を含む。本明細書で使用するとき、用語「リコンビナーゼ」又は「部位特異的リコンビナーゼ」は、1つ又は複数の組換え部位(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、7つ、10、12、15、20、30、40など)を含む組換え反応に関与する切断若しくは組み込みタンパク質、酵素、補因子又は結合タンパク質を包含し、これらは、野生型タンパク質(Landy,1993,CURRENT OPINION IN BIOTECHNOLOGY,3:699−707を参照)、又は突然変異体、誘導体(例えば、組換えタンパク質配列若しくはその断片を含有する融合タンパク質)、及びその変異体であってもよい。本発明の具体的な実施形態での使用に好適なリコンビナーゼの例として、限定はしないが、Cre、Int、IHF、Xis、Flp、Fis、Hin、Gin、OC31、Cin、Tn3レゾルバーゼ、TndX、XerC、XerD、TnpX、Hjc、Gin、SpCCEl.及びParAが挙げられる。
ベクターは、非常に多様な部位特異的リコンビナーゼのいずれかの1つ又は複数の組換え部位を含んでもよい。部位特異的リコンビナーゼの標的部位が、ベクター(例えば、レトロウイルスベクター若しくはレンチウイルスベクター)の組換えに必要ないずれかの部位に加えて存在することは理解すべきである。
いくつかの実施形態では、ベクターは、選択マーカとも呼ばれる選択遺伝子を含む。典型的選択遺伝子は、下記のタンパク質をコードする:(a)抗生物質若しくはその他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、ヒグロマイシン、メトトレキサート、ゼオシン(Zeocin)、ブラストシジン(Blastocidin)、若しくはテトラサイクリンを付与するタンパク質、(b)栄養要求性欠失を補足するタンパク質、又は(c)複合培地から得られない重要な栄養素、例えば、バチルス属(Bacilli)の場合、D−アラニンラセマーゼをコードする遺伝子を供給するタンパク質。形質転換した細胞株を回収するために、いくつの選択系を使用してもよい。こうした系として、限定はしないが、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus)チミジンキナーゼ(Wigler et al.,1977,CELL,11:223−232)及びアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy et al.,1990,CELL,22:817−823)遺伝子が挙げられ、これらは、それぞれ、tk−又はaprt−細胞で使用することができる。
本明細書に記載する発現構築物を作製するために必要な分子生物学的技術は全て、標準的技術であり、当業者により認識されるであろう。
いくつかの実施形態では、DNA送達は、例えば、米国特許第5,543,158号明細書;同第5,641,515号明細書;及び同第5,399,363号明細書(各々、その全体を参照により本明細書に組み込む)に記載されているように、非経口、静脈内、筋肉内、あるいは腹腔内でも実施することができる。遊離塩基又は薬学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、好適には、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合した水を用いて調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物並びに油を用いて調製することもできる。貯蔵及び使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を阻止するために防腐剤を含有する。
いくつかの実施形態では、DNA送達は、好適な宿主細胞への本発明の組成物の導入を目的とする、リポソーム、ナノカプセル、ミクロ粒子、ミクロスフィア、脂質粒子、小胞体の使用により、任意選択で、細胞貫通ポリペプチドなどとの混合によって実施してもよい。特に、本発明の組成物は、脂質粒子、リポソーム、小胞体、ナノスフィア、ナノ粒子などのいずれかに包膜して、送達のために製剤化することができる。こうした送達ビヒクルの製剤化及び使用は、公知で一般的技術を用いて実施することができる。
ex vivoDNA送達のための例示的製剤はまた、リン酸カルシウム、エレクトロポレーション、熱ショック及び様々なリポソーム製剤(すなわち、脂質媒介トランスフェクション)など、当技術分野で公知の各種トランスフェクション剤の使用も含み得る。本発明の具体的な実施形態は、薬学の分野でよく知られているものなど、その他の製剤を含んでもよく、これらは、例えば、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY,20th Edition.Baltimore,MD:Lippincott Williams & Wilkins,2000に記載されている。
いくつかの実施形態では、GDF15活性は、GDF15調節剤がGDF15活性を低減又は阻害することを可能にする条件下で、GDF15調節剤を含む組成物と体液をex vivoで接触させることによって阻害される。好適な体液として、血液、血漿、又はリンパ液など、個体に戻すことができるものが挙げられる。アフィニティ吸着アフェレーシスについては、Nilsson et al.,1988,BLOOD,58(1):38−44;Christie et al.,1993,TRANSFUSION,33:234−242;Richter et al.,1997,ASAIO J.,43(1):53−59;Suzuki et al.,1994,AUTOIMMUNITY,19:105−112;米国特許第5,733,254号明細書;Richter et al.,1993,METABOL.CLIN.EXP.,42:888−894;及びWallukat et al.,1996,INT’L J.CARD.,54:1910195に概要が記載されている。
従って、本発明は、被験者における本明細書に記載の1つ又は複数の疾患を治療する方法を含み、この方法は、調節剤が被験者の血液中のGDF15活性を低減又は阻害することを可能にする条件下で、GDF15調節剤を含む組成物で、被験者の血液を体外(すなわち、身体外部若しくはex vivoで)処置するステップを含む。
実施例1:組換えmFc−GDF15の投与によって、血中尿素レベルが増加する
ICR SCID(自然突然変異体T及びB細胞欠損)マウスに、PBS溶液(対照)又は40μgのマウス組換えFc−GDF15タンパク質を腹腔内注射した。注射後、体重、及び筋分解の分子マーカ(アトロギン、MurF1)、脂肪生成の分子マーカ(Glut4、レプチン、C/EPBβ)及び脂肪蓄積の分子マーカ(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ、脂肪酸シンターゼ)を測定した。
図1から、Fc−GDF15を注射したマウスが、有意な体重減少を呈示したことが明らかである。同様に、Fc−GDF15を注射したマウスは、生殖腺重量(図2A)及び腓腹筋重量(図2B)の有意な減少も呈示した。処置マウスはまた、筋分解のマーカ(アトロギン、MurF1)の上方制御、並びに脂肪生成のマーカ(Glut4、レプチン、C/EPBβ)及び脂肪蓄積のマーカ(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ;脂肪酸シンターゼ)の下方制御も示した。
Fc−GDF15で処置したマウスは、より低いレベルの肝酵素(アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALK);並びに血中尿素レベル(尿素窒素、腎臓障害のマーカ)の増加(図3)も呈示し、これらは、腎機能におけるGDF15の役割と一致している。
実施例2:HT−1080異種移植片腫瘍モデルにおける腎臓縮小の治療
この実施例では、HT−1080繊維肉腫異種移植片モデルにおける抗GDF15抗体(01G06)による腎臓縮小(腎臓重量減少により示される)の治療を明らかにする。HT−1080細胞を、10%FBSを含有するイーグル最小必須培地(ATCC、カタログ番号30−2003)を用いて、5%COを含有する大気下、37℃での培養で増殖させた。細胞は、50%マトリゲル中マウス当たり5×10個の細胞で、8週齢雌ICR SCIDマウスの脇腹に皮下接種した。体重を毎日測定した。体重が80%に達したら、マウスを5匹ずつの2群にランダムに分けた。各群は、腹腔内注射により次の処置の1つを受けた:1日目及び7日目に、2mg/kgでマウスIgG対照、マウス01G06を投与。この実験では、5匹のマウスの群を投与の時点(ベースラインすなわち80%体重減、処置なし)と試験終了時(mIgG若しくは01G06いずれかの投与から7日後)に犠牲にした。肝臓、心臓、脾臓、腎臓、生殖腺脂肪及び腓腹筋を外科的に摘出し、計量した。抗GDF15抗体01G06を用いた処置によって、体重は初期体重、すなわち100%まで増加し(p<0.001)(図4A)、腎臓重量も増加した(図4B)。
図4Bに示すように、mIgGの投与から7日後、肝臓、心臓、脾臓、腎臓、生殖腺脂肪及び腓腹筋重量に有意な減少が観察されたが、抗GDF15抗体01g06による処置群には観察されなかった。さらに、抗GDF15抗体01G06で処置したマウスは、ベースライン群と比較して、有意な肝臓及び生殖腺筋肉増量も示した(図4B)。
図4A〜Bのデータは、抗GDF15抗体が、HT−1080繊維肉腫異種移植片モデルにおける腎臓重量減少を逆転することができることを示すものである。同様に、これらの結果は、抗GDF15抗体が、HT−1080異種移植腫瘍モデルにおける腎臓重量などの臓器重量減少、筋肉重量減少、脂肪の減少及び不随意の体重減少を逆転することができることも示している。
実施例3:抗GDF15抗体での処置は、HT−1080ヒト腫瘍異種移植片を担持するマウスに見られる高レベルの尿素を逆転する
実施例2に記載のように、HT−1080ヒト腫瘍異種移植片を担持するICR SCID(自然突然変異体T及びB細胞欠損)マウスは、悪液質を呈示する。10mg/kgの抗GDF15抗体(Hu01G06−127)の全身投与によって、HT−1080ヒト腫瘍異種移植片を担持するマウスに観察された体重減少(図5A)、並びに生殖腺重量(図5B)が逆転したが、ヒトIgGでは逆転しなかった。さらに、抗GDF15抗体の投与によって、HT−1080ヒト腫瘍異種移植片を担持するマウスに観察された高レベルの尿素も逆転した(図6)。
実施例4:慢性腎臓病のin vivoモデル
腎臓亜全摘は、ヒトにおける腎臓重量減少後の進行性腎不全によく似ている。Ma and Fogo,2003,KIDNEY INTERNATIONAL,64:350−355に記載されているように、片側の腎臓を摘出し、残る腎臓の約2/3を切除すると、進行性腎臓疾患に関連する腎機能低下が起こる。処置時間に抗GDF15抗体又は対照を動物に投与する。身体及び腎臓のサイズ及び重量、糸球体濾過量、血清クレアチニン並びに腎臓疾患の他のマーカについて、動物を評価する。
実施例5:進行性腎疾患の尿管結紮モデル
Chevalier et al.,2009,KIDNEY INTERNATIONAL,75:1145−1152に記載されているように、動物における片側尿管結紮(UUO)は、腎線維症及び慢性腎臓障害のモデルである。片側尿管結紮は、結紮、又は可逆性閉塞の設置によって達成することができる。処置時間に抗GDF15抗体又は対照を動物に投与する。身体及び腎臓のサイズ及び重量、糸球体濾過量、収縮期血圧、尿細管の萎縮及び尿細管アポトーシスについて、動物を評価する。糸球体濾過量は、標準的クリアランス技術を用いて、UUOの解除後に測定することができる。
実施例6:以前他の腎臓介入治療を受けた被験者の処置
以前既知の腎臓介入治療を受けたことがあるが、慢性腎臓病の少なくとも1つの特徴を呈示する、腎臓縮小を呈する被験者を抗GDF15抗体で治療する。抗GDF15抗体による処置は、3ヵ月の期間にわたって継続し、その間、一定の間隔で腎臓サイズ、クレアチンレベル、糸球体濾過量、及び腎臓出量をモニターする。
参照による組み込み
本明細書で参照される特許文献及び科学論文、2014年6月20日に提出された米国特許出願第62/015,093号明細書を含む、の全開示内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込むものとする。
同等物
本発明は、その精神又は本質的特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得る。そのため、前述した実施形態は、あらゆる点で、本明細書で説明する発明を制限するのではなく、例示するものと考えるべきである。従って、本発明の範囲は、以上の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、請求項の意味及び同等物の範囲内で生じる変更は全て、本発明の範囲に含まれるものとする。
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]治療を必要とする被験者の腎臓機能を高める方法であって、前記被験者の腎臓機能を高めるために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む方法。
[2]治療を必要とする、腎臓障害又は腎機能不全を有する被験者を治療する方法であって、前記腎臓障害又は腎機能不全の症状を改善するために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む方法。
[3]治療を必要とする被験者の腎臓縮小を軽減又は逆転する方法であって、ここで、前記被験者は、慢性腎臓病の1つ又は複数の症状を有し、前記被験者の腎臓縮小を軽減又は逆転するために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む方法。
[4]治療を必要とする被験者の慢性腎臓病(CKD)を治療又は予防する方法であって、前記被験者のCKDを治療又は予防するために、GDF15調節剤を含む組成物を有効量で投与するステップを含む方法。
[5]前記被験者が、高い血中レベルのGDF15を有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]前記被験者が、90mlクレアチニン/分/1.73m 体表面積未満の糸球体濾過量(GFR)を呈示する、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]前記被験者が、アルブミン尿を呈示する、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]前記被験者が、1日当たり30mg、尿1リットル当たり30mg、及び/又は30μg/mg尿中クレアチニンを超えるアルブミンの尿中排出量を呈示する、[7]に記載の方法。
[9]前記被験者が、高尿酸血症を呈示する、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[10]前記被験者が、少なくとも6.3mg/dLの血清尿酸レベルを呈示する、[9]に記載の方法。
[11]前記被験者が、鉄欠乏症を呈示する、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の方法。
[12]前記被験者が、25%未満のトランスフェリン飽和及び低フェリチンレベルを呈示する、[11]に記載の方法。
[13]前記被験者が、慢性腎臓病を有すると診断されている、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の方法。
[14]前記GDF15調節剤が、GDF15活性を低減又は阻害する、[1]〜[13]のいずれか1項に記載の方法。
[15]前記GDF15調節剤が、抗GDF15抗体である、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の方法。
[16]前記抗GDF15抗体が、ヒト化又はヒト抗体である、[15]に記載の方法。

Claims (18)

  1. 腎臓機能を高めることを必要とする被験者の腎臓機能を高めるための組成物であって、抗GDF15抗体を含み、それにより前記被験者の腎臓機能を高めるものであり、前記抗体は、
    (a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号4のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (b)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (c)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号7のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (d)配列番号38のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号26のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (e)配列番号39のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (f)配列番号40のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (g)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (h)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (i)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (j)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (k)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (l)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (m)配列番号47のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号30のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;ならびに
    (n)配列番号48のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体
    から選択される、組成物。
  2. 腎臓障害又は腎機能不全を有しかつ高い血中尿素窒素(BUN)レベルを有する被験者のBUNレベルを低減するための組成物であって、抗GDF15抗体を含み、それにより前記被験者のBUNレベルを低減するものであり、前記抗体は、
    (a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号4のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (b)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (c)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号7のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (d)配列番号38のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号26のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (e)配列番号39のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (f)配列番号40のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (g)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (h)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (i)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (j)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (k)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (l)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (m)配列番号47のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号30のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;ならびに
    (n)配列番号48のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体
    から選択される、組成物。
  3. 治療を必要とする、腎臓障害又は腎機能不全を有する被験者を治療するための組成物であって、抗GDF15抗体を含み、それにより前記腎臓障害又は腎機能不全の症状を改善するものであり、前記抗体は、
    (a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号4のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (b)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (c)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号7のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (d)配列番号38のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号26のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (e)配列番号39のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (f)配列番号40のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (g)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (h)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (i)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (j)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (k)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (l)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (m)配列番号47のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号30のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;ならびに
    (n)配列番号48のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体
    から選択される、組成物。
  4. 腎臓縮小の軽減又は逆転を必要とする被験者の腎臓縮小を軽減又は逆転するための組成物であって、ここで、前記被験者は、慢性腎臓病の1つ以上の症状を有し、前記組成物は、抗GDF15抗体を含み、それにより前記被験者の腎臓縮小を軽減又は逆転するものであり、前記抗体は、
    (a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号4のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (b)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (c)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号7のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (d)配列番号38のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号26のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (e)配列番号39のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (f)配列番号40のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (g)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (h)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (i)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (j)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (k)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (l)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (m)配列番号47のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号30のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;ならびに
    (n)配列番号48のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体
    から選択される、組成物。
  5. 前記被験者が、高いGDF15活性を有する、請求項に記載の組成物。
  6. 慢性腎臓病(CKD)の治療又は予防を必要とする被験者のCKDを治療又は予防するための組成物であって、抗GDF15抗体を含み、それにより前記被験者のCKDを治療又は予防するものであり、前記抗体は、
    (a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号4のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (b)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (c)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号7のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号22のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む抗体;
    (d)配列番号38のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号26のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (e)配列番号39のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (f)配列番号40のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (g)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (h)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号27のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (i)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (j)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号28のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (k)配列番号41のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (l)配列番号44のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;
    (m)配列番号47のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号30のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体;ならびに
    (n)配列番号48のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む抗体
    から選択される、組成物。
  7. 前記被験者が、高い血中レベルのGDF15を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記被験者が、90mlクレアチニン/分/1.73m体表面積未満の糸球体濾過量(GFR)を呈示する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記被験者が、アルブミン尿を呈示する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記被験者が、1日当たり30mg、尿1リットル当たり30mg、及び/又は30μg/mg尿中クレアチニンを超えるアルブミンの尿中排出量を呈示する、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記被験者が、高尿酸血症を呈示する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記被験者が、少なくとも6.3mg/dLの血清尿酸レベルを呈示する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記被験者が、鉄欠乏症を呈示する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記被験者が、25%未満のトランスフェリン飽和及び低フェリチンレベルを呈示する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
  15. 前記被験者が、慢性腎臓病を有すると診断されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記抗GDF15抗体が、ヒト化抗体又はヒト抗体である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 前記抗GDF15抗体が、配列番号48のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号29のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 前記抗GDF15抗体が、(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDRH1、配列番号8のアミノ酸配列を含むCDRH2、および配列番号13のアミノ酸配列を含むCDRH3を含む免疫グロブリン重鎖可変領域、ならびに(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDRL1、配列番号18のアミノ酸配列を含むCDRL2、および配列番号21のアミノ酸配列を含むCDRL3を含む免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
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